JPH09141400A - 薄板連続鋳造装置及び薄板連続鋳造方法 - Google Patents

薄板連続鋳造装置及び薄板連続鋳造方法

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JPH09141400A
JPH09141400A JP32800795A JP32800795A JPH09141400A JP H09141400 A JPH09141400 A JP H09141400A JP 32800795 A JP32800795 A JP 32800795A JP 32800795 A JP32800795 A JP 32800795A JP H09141400 A JPH09141400 A JP H09141400A
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JP32800795A
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Shinichi Fukunaga
新一 福永
Tomoharu Shimokasa
知治 下笠
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮫肌や凹み等の発生を極力抑制することがで
き、表面性状に優れた均一な板厚及び均質な組織を有す
る薄板を連続鋳造することができると共に、一度の連続
鋳造操業の際に、多条の薄板を連続鋳造することがで
き、更に、連続鋳造される薄板の板幅を変更することが
でき、また、更に、連続鋳造される薄板の板厚を板幅方
向に沿って均一にすることができる作業性や生産性、量
産性、信頼性に優れた薄板連続鋳造装置及び薄板連続鋳
造方法を提供する。 【解決手段】 所定距離離間して平行状態で配置される
一対の鋳造ロール11と、一対の鋳造ロール11の上方
に、一対の鋳造ロール11の側線に沿って配置される一
対の長辺堰12a、及び下面が一対の鋳造ロール11の
側周上で、かつ一対の長辺堰12aの間に、配置される
一対の短辺堰12bを備えた枠状の鋳型12とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属から連続
的に薄板(又は金属薄板という)を鋳造する薄板連続鋳
造装置(又はストリップキャスタ(Strip Cas
ter:STC)という)、及び、薄板連続鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融金属から連続的に薄板を鋳造
するための、薄板連続鋳造装置が広範に利用されてい
る。この薄板連続鋳造装置は、従来の連続鋳造装置(又
はContinuous Casting:CCとい
う)に比べ、板厚の薄い薄板を、連続鋳造することがで
き、後工程の圧延工程等を、大幅に簡略化することがで
きるので、生産効率を格段に向上できるものである。従
って、ほぼ最終製品形状(又はニアーネットシェイプと
いう)で連続鋳造される薄板は、良好な表面性状等、高
い品質精度が要求されている。
【0003】ここで、図面を参照しつつ従来の実施の形
態に係る薄板連続鋳造装置について説明する。図17は
従来の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置の説明図、図
18は同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法で
連続鋳造された薄板の要部正面図、図19は同薄板連続
鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法で連続鋳造された薄
板の要部側断面図、図20は同薄板連続鋳造装置を用い
た薄板連続鋳造方法における連続鋳造操業中の一対の鋳
造ロールの側線方向に沿った外周面の温度分布図、図2
1は同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法で連
続鋳造された薄板の平断面図である。
【0004】従来の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
200は、図17に示すように、タンディッシュ等の注
湯鍋54から、浸漬ノズル55を介して、注湯される溶
融金属56を凝固させると共に、この溶融金属56が、
凝固されて生成された薄板57を、下方に引抜くための
一対の鋳造ロール51と、一対の鋳造ロール51の両端
部から、溶融金属56が漏れるのを防止するために一対
の鋳造ロール51の両端部に、それぞれ近接配置された
一対のサイド堰52とを有するものである。
【0005】続いて、従来の実施の形態に係る薄板連続
鋳造装置200を用いた薄板連続鋳造方法について説明
する。まず、注湯鍋54に貯留された溶融金属56を、
浸漬ノズル55を介して、一対の鋳造ロール51及び一
対のサイド堰52で形成された湯溜部53内に注湯す
る。次に、注湯された溶融金属56は、一対の鋳造ロー
ル51の外周面との接触部位から急激に冷却されて、凝
固核(図示せず)が急速に生成されると共に、この生成
された凝固核が急速に成長して、視認可能な凝固シェル
57aが生成される。次に、生成された凝固シェル57
aは、急速に成長すると共に、一対の鋳造ロール51の
最近接部位近傍で、一対の鋳造ロール51により、圧接
されて薄板57が生成される。次に、生成された薄板5
7は、そのまま下方に引抜かれる。そして、前記工程が
連続的に行われることにより、薄板57が連続鋳造され
るものである。なお、凝固核から凝固シェルになるまで
のものを凝固物ともいう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の薄板連続鋳造装置200では、湯溜部53内に注湯
された溶融金属56が、高速で回転する一対の鋳造ロー
ル51や、次々に湯溜部53内に注湯される溶融金属5
6によって、振動(又は揺動)し易いために、特に、図
17中、Pで示す溶融金属56の湯面と、一対の鋳造ロ
ール51の外周面の接点で生成された凝固シェル57a
が、一対の鋳造ロール51の外周面から、離接(又は剥
離)し易いので、図18、図19に示すように、薄板5
7の表面が鮫の皮のように“ざらざら”した、いわゆる
鮫肌状となる等、薄板57の表面性状が悪化するという
問題点を有していた。さらに、前記の如く、薄板57の
表面に、鮫肌等が発生すると、たとえ、後工程で圧延工
程等を実施しても、圧延された薄板57の表面に、鮫肌
の模様が残る等、表面性状を改善することができず、こ
の結果、要求される表面性状を満足することができない
という問題点を有していた。また、連続鋳造された薄板
57は、通常、薄板連続鋳造装置200の下方に配置さ
れた、ピンチロール等を経た後、コイル状に巻装されて
いるが、前記の如く、表面に鮫肌等が発生した薄板57
を巻装してなるコイル(図示せず)は、そのまま廃棄す
るしかなく、極めて歩留りが低下する等、信頼性に劣る
という問題点を有していた。
【0007】また、前記溶融金属56の湯面上には、こ
の溶融金属56の、空気酸化の防止のために投入された
湯面保護材58が浮遊しているが、前記溶融金属56の
揺動によって、この湯面保護材58が、薄板57中に巻
き込まれ易く、このため、前記と同様に、薄板57の表
面に鮫肌状の疵(又は凹凸)が発生するという問題点を
有していた。また、前記と同様に、溶融金属56と共
に、注湯鍋54内に注湯された、スラグや、溶融金属5
6が酸化して生成された酸化物、更に、一対のサイド堰
52又は一対の鋳造ロール51が溶損して生成された溶
融酸化物等(以下これらをスカムという)の不純物(又
は異物という)を巻き込み易いために、薄板57の表面
に疵が発生するという問題点を有していた。さらに、凝
固シェル57aと、一対の鋳造ロール51の外周面との
間に、介在されるパウダー等が、前記溶融金属56の揺
動によって、除去されて、一対の鋳造ロール51の外周
面に、凝固シェル57aや凝固核が形成されると、一対
の鋳造ロール51の回転(換言すると薄板57の引抜
き)に伴って、形成された凝固シェル57aが引き千切
られ、前記と同様に、薄板57の表面に疵が発生すると
いう問題点を有していた。
【0008】また、前記の如く、薄板57中に、湯面保
護材58やパウダー等が巻き込まれると、この湯面保護
材58等の熱伝導率が、凝固シェル57aの熱伝導率に
比べて、小さいために、巻き込まれた湯面保護材58等
の、周辺の溶融金属56が凝固し難くなって、薄板57
中に溶融金属56が介在してしまい、一対の鋳造ロール
51から引抜かれたとき、溶融金属56の静圧によっ
て、湯面保護材58等が薄板57から外方に押し出され
て、溶融金属56が流出する、いわゆるブレイクアウト
(以下BOという)を発生するという問題点を有してい
た。一方、前記の如く、一対の鋳造ロール51の外周面
に、凝固シェル57aが形成されると、凝固シェル57
aが、薄板57の引抜きによって、引き千切られること
により、一対の鋳造ロール51から引抜かれたとき、溶
融金属56が流出する、いわゆる拘束性ブレイクアウト
(以下拘束性BOという)が発生するという問題点を有
していた。さらに、溶融金属56が、一対の鋳造ロール
51によって、急激に冷却されて凝固される、いわゆる
急冷凝固によって、薄板57の組織にチル相が多く形成
される等、均質かつ均一な組織を得ることができず、薄
板57に異方性を生じる等、信頼性に劣るという問題点
を有していた。
【0009】また、従来の薄板連続鋳造装置200で
は、一度の連続鋳造操業で薄板57を同時に多条連続鋳
造することや、連続鋳造操業中に薄板57の幅(以下板
幅という)を変更することができないという問題点を有
していた。このため、従来は、薄板連続鋳造装置200
によって、一旦、目的幅より大幅の薄板57を連続鋳造
した後、この連続鋳造された薄板57を、目的幅に合わ
せてスリッター等の切断装置で、切断していたので、生
産性や量産性に劣るという問題点を有していた。さら
に、前記の如く、薄板57を目的幅に合わせて切断する
と、薄板57の材質にも依るが、切断された薄板57の
切断面の外縁部に、いわゆるバリが発生したり、或いは
薄板57の切断面近傍部が波打つ、いわゆる耳波(又は
板波という)が発生し、後工程の圧延工程等に支障を来
す等、作業性や生産性、量産性に劣るという問題点を有
していた。また、連続鋳造された薄板57の幅と、目的
とする薄板57の幅の差が、小さくなればなるほど、目
的幅に合わせて切断するのが困難となり、作業性や生産
性に劣るという問題点を有していた。
【0010】また、湯溜部53内の溶融金属56の温度
が、その略中央部と他の部位とで温度差を生じることに
起因して、図20に示すように、一対の鋳造ロール51
の外周面の温度がその側線方向に沿って異なってしまう
ために、図21に示すように、薄板57の中央部が凹む
という問題点を有していた。すなわち、湯溜部53内の
略中央部の溶融金属56の温度は、注湯鍋54から次々
に溶融金属56が注湯されるために高温であるが、湯溜
部53の両端側の部位の溶融金属56の温度は、一対の
サイド堰52によって約30℃〜100℃低い温度にな
るために、一対の鋳造ロール51の外周面に、図20に
示すような温度分布が生じる。これにより、一対の鋳造
ロール51の側線方向の、中央部に接した部位の、溶融
金属56の温度と、一対の鋳造ロール51の側線方向
の、両端部に接した部位の、溶融金属56の温度が異な
ってしまい、冷却される温度差の大きな、中央部に接す
る部位の、溶融金属56の方が、大きく熱収縮すること
により、薄板57の中央部が凹む(換言すると薄板57
の中央部の板厚が薄くなる)ことになる。このため、連
続鋳造操業の際に、一対の鋳造ロール51の側線方向の
温度を、均一にする何等かの方法が希求されていた。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、鮫肌や凹み等の発生を極力抑制することがで
き、表面性状に優れた均一な板厚、及び、均質な組織を
有する薄板を連続鋳造することができると共に、一度の
連続鋳造操業の際に、多条の薄板を連続鋳造することが
でき、さらに、連続鋳造される薄板の板幅を変更するこ
とができ、また、さらに、連続鋳造される薄板の板厚
を、板幅方向に沿って均一にすることができる作業性や
生産性、量産性、信頼性に優れた薄板連続鋳造装置を提
供すること、及び、鮫肌や凹み等の発生を極力抑制し、
表面性状に優れたニアーネットシェイプの薄板を、高い
生産性や量産性、高い製品得率で連続鋳造することがで
きる薄板連続鋳造装置及び薄板連続鋳造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の薄板連続鋳造装置は、所定距離離間して平行状態
で配置される一対の鋳造ロールと、前記一対の鋳造ロー
ルの上方に、該一対の鋳造ロールの側線に沿って配置さ
れる一対の長辺堰、及び下面が前記一対の鋳造ロールの
側周上で、かつ前記一対の長辺堰の間に配置される一対
の短辺堰を備えた枠状の鋳型とを有する。
【0013】請求項2記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項1記載の薄板連続鋳造装置において、前記一対の短辺
堰の間に、少なくとも1以上のスペーサー堰を備えてい
る。
【0014】請求項3記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項1又は2記載の薄板連続鋳造装置において、前記鋳型
の内面を上から下に向かって拡大するテーパー面として
いる。
【0015】請求項4記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項3記載の薄板連続鋳造装置において、前記テーパー面
のテーパー比(α)を、0.3%≦α≦2%の範囲内と
している。
【0016】請求項5記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項1〜4のいずれか1項に記載の薄板連続鋳造装置にお
いて、前記一対の短辺堰には、該一対の短辺堰を前記一
対の鋳造ロールの側線に沿って移動させる進退手段をそ
れぞれ備えている。
【0017】請求項6記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項5記載の薄板連続鋳造装置において、前記進退手段
は、上下一対の直線駆動手段によって構成している。
【0018】請求項7記載の薄板連続鋳造装置は、請求
項1〜6のいずれか1項に記載の薄板連続鋳造装置にお
いて、前記一対の鋳造ロールが、一方向に長尺でかつそ
の中心軸方向の所定部から両端部に向かって縮径された
縮径部を有するロール胴体部と、該ロール胴体部の前記
縮径部に、少なくとも前記ロール胴体部の外周面の材質
に比し低熱伝導性の材料を、前記ロール胴体部の縮径部
を除く部位と同径状に被膜したロール表面部とを有す
る。
【0019】請求項8記載の薄板連続鋳造方法は、前記
一対の短辺堰の上部又は下部を回動中心として、該一対
の短辺堰を、前記一対の鋳造ロールの側線方向で、前記
一対の短辺堰同士が近接又は離反する方向に僅少角度傾
斜させる第1傾斜動工程と、該第1傾斜動工程で所定角
度傾斜された前記一対の短辺堰の前記回動中心と反対側
の下部又は上部を回動中心として、僅少角度傾斜させ
て、前記一対の短辺堰を前記第1の傾斜動工程の移動方
向と同一側に移動する第2傾斜動工程とを備え、前記一
対の鋳造ロールで連続鋳造される薄板の幅を変更制御す
る。
【0020】請求項9記載の薄板連続鋳造方法は、請求
項8記載の薄板連続鋳造方法において、前記第1傾斜動
工程と第2傾斜動工程の間に、前記一対の短辺堰をその
ままの姿勢を保持して、前記第1傾斜動工程の移動方向
と同一側に平行移動する平行移動工程を備える。
【0021】ここで、前記一対の鋳造ロールは、前記鋳
型と協働して、上方から注湯される溶融金属を貯留す
る、いわゆる湯溜部を形成すると共に、前記溶融金属を
凝固させ、かつ前記溶融金属が凝固された薄板を下方に
引抜くものである。また、一対の鋳造ロールは、溶融金
属の種類や、連続鋳造操業時の鋳造速度等によって定ま
る、薄板の板厚に応じて、適宜所定距離、離間配置され
ると共に、前記鋳造速度に応じた周速度を持って、それ
ぞれ逆回転駆動される。なお、一対の鋳造ロールの側線
とは、一対の鋳造ロールの外周面上で、一対の鋳造ロー
ルの中心軸方向に沿った仮想線分をいい、また、一対の
鋳造ロールの側線方向とは、前記側線に沿った方向をい
うものである。
【0022】また、前記一対の鋳造ロールは、前記の如
く、前記溶融金属を凝固させるための冷却手段を有する
ものである。また、前記一対の鋳造ロールは、従来の薄
板の中央部の凹み等を防止する構造とされるのが好まし
い。具体的には、連続鋳造操業中の、一対の鋳造ロール
の側線方向に沿った、外周面の温度分布に応じて、一方
向に長尺で、かつ、その中心軸方向の所定部から、両端
部に向かって、縮径された縮径部を有する、ロール胴体
部の前記縮径部に、少なくとも前記ロール胴体部の、外
周面の材質に比べ、低熱伝導性の材料を、前記ロール胴
体部の縮径部を除く部位と、同径状に被膜した鋳造ロー
ル等が挙げられる。
【0023】なお、前記一対の鋳造ロールの縮径部に、
被膜される低熱伝導性材料としては、酸化アルミニウム
(アルミナ:Al2 3 )、炭化タングステン(W
C)、炭化タンタル(TaC)又はこれらの混合物等が
挙げられる。また、前記低熱伝導性材料の被膜方法とし
ては、プラズマ溶射法等の溶射法が挙げられる。これに
より、溶射設備費はかかるが、簡単かつ短時間で被膜す
ることができるので、生産性や量産性を向上させること
ができる。なお、一対の鋳造ロールの大きさは、特に規
定されるものではないが、通常、その直径(φ)が1m
≦φ≦1.5mの範囲内で、中心軸方向の長さ(以下胴
長という)の長さ(L)が0.7m≦L≦1.8mの範
囲内のものが使用される。
【0024】また、前記鋳型を構成する前記一対の長辺
堰や、前記一対の短辺堰、前記スペーサー堰は、前記の
如く、前記一対の鋳造ロールと協働して、上方から注湯
される溶融金属を貯留する、いわゆる湯溜部を形成する
と共に、前記湯溜部内に注湯された溶融金属を湯面下凝
固させるものである。なお、前記湯面下凝固とは、換言
するならば、湯溜部内に注湯された溶融金属の湯面を、
一対の鋳造ロールの外周面で凝固開始される、凝固開始
位置より上方にして、前記溶融金属を凝固させるもので
ある(図2参照)。これにより、たとえ、溶融金属が揺
動しても、従来のような、湯面保護材やスカム等の不純
物等の巻き込みを防止することができる。
【0025】なお、湯溜部内に注湯された、溶融金属の
湯面から、凝固開始位置(又は溶融金属と凝固シェルの
界面)までの距離(H)は、3cm≦H≦12cm、好
適には3cm≦H≦10cmの範囲内とされるのが好ま
しい。湯溜部内の溶融金属の湯面から、凝固開始位置ま
での距離が、3cm未満では、生成される凝固シェル中
に、湯面保護材やスカム等の不純物等を巻き込み易くな
り、生成された薄板の表面性状が、悪化する傾向が現れ
出すからである。また、湯溜部内の溶融金属の湯面か
ら、凝固開始位置までの距離が、10cmを越えると、
溶融金属の溶融状態を維持するための、加熱手段等の配
置面積や定格容量等を大きくしなければならないため
に、ランニングコストが増大する傾向が現れ出し、特
に、12cmを越えるとその傾向が著しくなるからであ
る。
【0026】また、前記一対の長辺堰や、前記一対の短
辺堰、前記スペーサー堰は、溶融金属を溶融状態で維持
するために、断熱性の材料で形成されるのが好ましい。
この断熱性の材料として具体的には、窒化硅素(Si3
4 )、窒化硼素(BN)、硼化ジルコニウム(ZrB
2 )、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ジルコニウム
(ジルコニア:ZrO2 )、ジルコン(Zr(Si
4 ))、又は窒化硅素に窒化硼素を20wt%〜30
wt%含有させたもの(Si3 4 −30wt%BN)
等や、ろう石質煉瓦、シャモット質煉瓦、高アルミナ質
煉瓦、ジルコン質煉瓦等の耐火物等が挙げられる。さら
に、前記一対の長辺堰や、前記一対の短辺堰、前記スペ
ーサー堰には、前記の如く、誘導加熱又は電熱ヒータ等
の加熱手段を設けてもよい。
【0027】なお、前記湯溜部内に注湯される溶融金属
の温度(T)は、溶融金属の融点(m.p.)をTm
したとき、(Tm +50)℃≦T≦(Tm +100)℃
の範囲内に保持されるのが好ましい。溶融金属の温度が
(Tm +50)℃未満では、湯溜部内の溶融金属が、凝
固し易くなって、湯面下凝固させることが困難となる傾
向が現れ出す一方、溶融金属の温度が(Tm +100)
℃を越えると、湯溜部内の溶融金属の温度を維持するた
めの、ランニングコストが増大する傾向が現れ出すから
である。
【0028】また、前記鋳型の内面(詳述すると、前記
一対の長辺堰の内面、又は前記一対の短辺堰の内面、若
しくは前記スペーサー堰の前記短辺堰、又は相対する他
の前記スペーサー堰との対向面をいう)は、相対する前
記内面同士の間隙(詳述すると、前記一対の長辺堰の間
隙、又は前記一対の短辺堰の間隙、若しくは前記スペー
サー堰と前記短辺堰、又は他の前記スペーサー堰との間
隙をいう)を、それぞれ前記鋳型の上から下に向かって
拡大する、テーパー面とされるのが好ましい。従来のよ
うに、前記鋳型の内面に、溶融金属又は溶融金属中の凝
固核等が固着して、拘束性BO等が発生するのを極力抑
制することができるからである。なお、前記内面とは、
溶融金属と相対する面をいい、また、前記形容詞である
「上」とは、鋳型の上端だけでなく、鋳型の高さ方向の
中間をもいう。
【0029】なお、前記テーパー面の、下記(1)式で
求められるテーパー比(α)としては、0.3%≦α≦
2%、好適には0.3%≦α≦1.5%とされるのが好
ましい。前記テーパー面のテーパー比が、0.3%(又
は0.3/100、或いは、図2中、τで示す傾斜角度
が約0.172°)未満では、前記テーパー面に接触し
た溶融金属等を、自然剥離させることが困難となる傾向
が現れ出すからである。また、前記テーパー面のテーパ
ー比が1.5%(又は1.5/100、或いは、図2
中、τで示す傾斜角度が約0.859°という)を越え
ると、鋳型の上端で形成される溶融金属注湯口が狭くな
って、溶融金属の注湯が困難となったり、或いは溶融金
属中に巻き込まれた不純物等を、湯面に浮遊させる(又
は湯面保護材中に含有させる)ことが困難となる傾向が
現れ出し、特に2%(又は2/100、或いは、図2
中、τで示す傾斜角度が約1.146°)を越えるとそ
の傾向が著しくなるからである。
【0030】なお、テーパー比(α)は、下記(1)式
で求められる(図2参照)。 α=(b1 −b2 )/h×100 ・・・・・・・・・(1) 但し、α:一対の長辺堰12aの内面のテーパー比
(%) h:一対の長辺堰12aの内面の高さ(m) b1 :一対の長辺堰12aの上端の幅(m) b2 :一対の長辺堰12aの下端の幅(m) また、一対の短辺堰の内面、又はスペーサー堰の短辺
堰、若しくは相対する他のスペーサー堰との対向面のテ
ーパー比も、前記(1)式と同様に求められる。
【0031】また、前記一対の短辺堰を、前記一対の長
辺堰の側線方向(又は中心軸方向という)に沿って進退
させる進退手段としては、ステッピングシリンダー(又
は多位置型シリンダー若しくはサーボシリンダーとい
う)等の油圧シリンダー又はエアシリンダー等の直線駆
動手段が挙げられる。特に、ステッピングシリンダーを
用いると、前記一対の短辺堰の、前記一対の長辺堰の側
線方向に沿った、進退動作の微調整を行うことができ
る。なお、前記直線駆動手段とは、ロッド部等の伝達駆
動部が一方向に直線状に駆動されるものをいう。
【0032】また、前記直線駆動手段は、一対の短辺堰
の外面の上部、及び、下部にそれぞれ設けられるのが好
ましい。例えば、前記直線駆動手段を、一対の短辺堰の
外面中央部に、それぞれ一つずつ設けた場合、この直線
駆動手段として、前述した湯面下凝固させるための、前
記所定の距離(H)を持って、前記湯溜部内に貯留され
た、溶融金属の静圧を受けるに必要な大許容トルクを有
するものが必要なために、場合によっては、前記直線駆
動手段を新規設計の必要がある等、設備費が高騰する虞
れがある一方、前記大許容トルクを有する直線駆動手段
を準備できなかった場合には、前記静圧を小さくせざる
をえないために、前記湯溜部内の溶融金属の貯留量を減
少させねばならないので、前記湯面下凝固をさせること
ができなくなって、従来のように、薄板の表面性状が悪
化する虞れがあるからである。
【0033】また、前記進退手段を有する薄板連続鋳造
方法において、板幅を変更する方法としては、一対の
短辺堰の下部又は上部を、一対の長辺堰の側線方向に沿
って、所定量移動した(第1傾斜動工程)後、一対の短
辺堰の上部又は下部を、一対の長辺堰の側線方向に沿っ
て、所定量移動する(第2傾斜動工程)方法や、一対
の短辺堰の下部又は上部を、一対の長辺堰の側線方向に
沿って、所定量移動した(第1傾斜動工程)後、その状
態で所定量平行移動し(平行移動工程)、その後、一対
の短辺堰の上部又は下部を、一対の長辺堰の側線方向に
沿って、所定量移動する(第2傾斜動工程)方法等が挙
げられる。
【0034】なお、前記の薄板連続鋳造方法における
板幅変更において、前記第1傾斜動工程、及び、前記第
2傾斜動工程を、順次実施した後、前記第1傾斜動工程
を実施したり、又は、前記第1傾斜動工程、及び、前記
第2傾斜動工程を、順次実施した後、前記第1傾斜動工
程、及び、前記第2傾斜動工程を、順次実施する等して
もよい。また、前記の薄板連続鋳造方法における板幅
変更においても、前記と同様に、前記第1傾斜動工程、
平行移動工程、及び、前記第2傾斜動工程を、順次実施
した後、前記第1傾斜動工程、平行移動工程、及び、前
記第2傾斜動工程を、順次実施する等してもよい。
【0035】例えば、一対の短辺堰の総移動量を同じに
した場合、前記、の薄板連続鋳造方法における板幅
変更において、前記第1傾斜動工程等を繰り返すことに
より、各工程の一対の短辺堰の移動量を、小さくするこ
とができるので、後述のエアーギャップ等の発生を確実
に防止することができる。また、前記、の薄板連続
鋳造方法における板幅変更においては、一対の短辺堰を
移動させてもよいし、いずれか一方の短辺堰を移動させ
てもよい。
【0036】また、前記テーパー面を設けた一対の短辺
堰を用いて、前述した板幅変更を行う場合、後述する前
記一対の短辺堰のテーパー面の、図8、図12〜図14
中、λで示す鉛直方向に対する傾斜角度は、約1.14
6°以下とされるのが好ましい。これは、一対の短辺堰
のテーパー面の傾斜角度(λ)が、約1.146°を越
えると、前記と同様に、溶融金属中に巻き込まれた不純
物等を、湯面に浮遊させることが困難となるからであ
る。また、後述する一対の短辺堰のテーパー面の、図
8、図12〜図14中、μで示す鉛直方向に対する傾斜
角度は、約0.172°以上とされるのが好ましい。こ
れは、一対の短辺堰のテーパー面の傾斜角度(μ)が、
約0.172°未満では、一対の短辺堰のテーパー面に
接触した溶融金属等を、自然剥離させることが困難とな
って、拘束性BO等が発生し易くなるからである。
【0037】また、一対の短辺堰のテーパー面を鉛直方
向になるまで傾斜させた状態で平行移動させると、一対
の短辺堰の移動に伴って、湯溜部内に貯留された溶融金
属が激しく揺動するために、従来の如く、薄板の表面性
状が悪化する虞れがあったが、一対の短辺堰のテーパー
面を、前記の如く、傾斜させた状態で平行移動させる
と、前記一対の短辺堰の移動速度等にも依るが、前記溶
融金属を前記テーパー面に沿わせることができ、前記の
ような激しい揺動を防止することができるので、薄板の
表面性状が悪化するのを防止することができる(図11
(a)、(b)参照)。
【0038】また、本発明の薄板連続鋳造装置、及び、
薄板連続鋳造方法では、SUS304等のステンレス鋼
や炭素鋼等の鉄鋼や、アルミニウム又はアルミニウム合
金等の薄板を連続鋳造することができる。また、前記薄
板連続鋳造方法によって、薄板の板幅を例えば1mから
0.9mや0.8m、0.7m、0.6m、0.5m等
に縮小することができる一方、例えば前記0.5m〜
0.9mから1m等に拡大することができる。
【0039】
【作用】請求項1〜7記載の薄板連続鋳造装置において
は、一対の鋳造ロールの上方に近接配置される鋳型を備
えたことにより、上方から注湯される溶融金属を、湯面
下凝固させるための湯溜部を形成することができるの
で、たとえ、湯溜部内に注湯された溶融金属が、高速で
回転する一対の鋳造ロールや、次々に注湯される溶融金
属によって揺動されても、凝固シェル中に湯面保護材
や、スカム等の不純物等が、巻き込まれるのを防止する
ことができる(換言すると、溶融金属が湯面下凝固され
ているので、たとえ、溶融金属中に、湯面保護材やスカ
ム等の不純物等が巻き込まれても、これら湯面保護材等
が、凝固シェル中に巻き込まれる以前に、湯面上に浮遊
することができる)。従って、薄板の表面に鮫肌等が、
発生するのを防止することができ、良好な表面性状の薄
板を連続鋳造することができると共に、拘束性ブレイク
アウト等のブレイクアウトを防止することができる。
【0040】特に、請求項2記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、鋳型内に少なくとも1以上のスペーサー堰を
備えたことにより、目的幅の薄板を多条連続鋳造するこ
とができると共に、従来のスリッタ等による薄板の切断
工程を省略、或いは、薄板のトリミング量を減少するこ
とができる。また、切断工程を省略することができるの
で、従来、薄板の切断面に発生していた、バリや耳波等
の発生を防止することができ、後工程でのバリ除去作業
等を省略することができ、従って、薄板連続鋳造の操業
性の効率や製品歩留りを向上させることができる。
【0041】特に、請求項3記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺堰の内
面、さらにスペーサー堰の一対の短辺堰との対向面、又
は相対する他のスペーサー堰との対向面を、テーパー面
としたことにより、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺
堰の内面、さらにスペーサー堰の一対の短辺堰、又は相
対する他のスペーサー堰との対向面に、凝固核(又は凝
固物)や厚さの薄い、いわゆる初期凝固シェルが付着し
て生長する(又は拘束される)のを極力防止することが
でき、たとえ、凝固核や厚さの薄い初期凝固シェルが、
前記内面に付着しても、その自重や薄板の引抜きに伴っ
て、剥離させることができる。従って、薄板の表面に鮫
肌等が発生したり、薄板の板厚が不均一になったりする
のを防止することができ、良好な表面性状の薄板を連続
鋳造することができると共に、拘束性ブレイクアウト等
を防止することができる。
【0042】特に、請求項4記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺堰の内
面、さらにスペーサー堰の短辺堰との対向面、又は相対
する他のスペーサー堰との対向面の、テーパー比(α)
を、それぞれ0.3%≦α≦2%の範囲内としたことに
より、たとえ、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺堰の
内面、さらにスペーサー堰の一対の短辺堰、又は相対す
る他のスペーサー堰との対向面に、凝固核や厚さの薄い
初期凝固シェルが付着生長しても、これらをその自重や
薄板の引抜きに伴って、剥離させることができると共
に、溶融金属中に巻き込まれた不純物等を、容易に湯面
に浮遊させることができるために、薄板の表面に鮫肌等
が発生するのを防止することができ、良好な表面性状の
薄板を連続鋳造することができると共に、拘束性ブレイ
クアウト等を防止することができる。
【0043】特に、請求項5、6記載の薄板連続鋳造装
置においては、一対の短辺堰に、該一対の短辺堰を、一
対の長辺堰の側線方向に沿って、進退する進退手段を備
えたことにより、連続鋳造操業中、薄板の板幅を変更す
ることができ、目的幅の薄板を連続鋳造することができ
ると共に、従来のスリッタ等による切断工程を省略、或
いは薄板のトリミング量を減少することができる。この
結果、前記と同様に、従来、薄板の切断面に発生してい
た、バリや耳波等の発生を防止することができるので、
後工程でのバリ除去作業等を省略することができ、従っ
て、薄板連続鋳造の操業性の効率や製品歩留りを向上さ
せることができる。
【0044】また、前記一対の短辺堰に前記テーパー面
を形成したときは、特に、一対の短辺堰を、一対の長辺
堰の側線方向に沿って、板幅を縮小する方向に進退させ
たとき、湯溜部内に貯留された溶融金属が、一対の短辺
堰の進退によって揺動するのを防止することができるの
で、前記と同様に、薄板の表面性状が悪化するのを防止
することができる。
【0045】特に、請求項6記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の短辺堰の外面の上部、及び、下部に、
それぞれ直線駆動手段を設けたことにより、一対の短辺
堰を、一対の長辺堰の側線方向に沿って、進退させると
き、前述したように、湯溜部内に貯留された、溶融金属
の静圧を受けるに必要な、大許容トルクを有する直線駆
動手段を、準備する必要等を省略して、設備費の高騰化
を防止することができると共に、湯面下凝固をさせるた
めに必要な溶融金属を、湯溜部内に貯留することができ
るので、前記と同様に、薄板の表面性状の悪化を防止す
ることができる。
【0046】また、前記一対の直線駆動手段を操作して
薄板の板幅を変更する場合、前記一対の短辺堰のテーパ
ー面を、鉛直方向までしか傾斜させないならば、従来の
ように、前記テーパー面に、溶融金属又は溶融金属中の
凝固核等が固着して、拘束性BO等が発生するのを防止
することができると共に、一対の短辺堰の移動に伴っ
て、湯溜部内に貯留された溶融金属が激しく揺動して、
薄板の表面性状が悪化するのを防止することができる。
【0047】特に、請求項7記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一方向に長尺で、かつ、その中心軸方向の所
定部から、両端部に向かって、縮径された縮径部を有す
る、ロール胴体部の前記縮径部に、少なくとも前記ロー
ル胴体部の、外周面の材質に比べ低熱伝導性の材料を、
前記ロール胴体部の縮径部を除く部位と、同径状に被膜
したことにより、一対の鋳造ロールによる、抜熱速度
(又は抜熱量という)を、一対の鋳造ロールの、中心軸
方向に沿って、略均一とすることができるので、従来の
ように、薄板の中央部が凹むのを防止することができ、
前記薄板の板厚を板幅方向に沿って、均一にすることが
できる。
【0048】また、請求項8、9記載の薄板連続鋳造方
法においては、一対の短辺堰の下部又は上部を一対の長
辺堰の側線方向に沿って所定量移動した後、一対の短辺
堰の上部又は下部を一対の長辺堰の側線方向に沿って所
定量移動したので、例えば、一対の短辺堰を鉛直状態で
平行移動させる場合等に比べ、前述したように、湯溜部
内の溶融金属が激しく揺動するのを防止することができ
るので、従来のように、薄板の表面性状が悪化するのを
防止することができる。
【0049】特に、請求項9記載の薄板連続鋳造方法に
おいては、一対の短辺堰の下部又は上部を一対の長辺堰
の側線方向に沿って所定量移動し、その状態から所定量
平行移動した後、一対の短辺堰の上部又は下部を一対の
長辺堰の側線方向に沿って所定量移動することにより、
例えば、溶融金属の湯面と、一対の鋳造ロールの外周面
の接点で生成された、極めて軟弱な初期凝固シェルにか
かる負荷を、極めて低くした板幅変更を行うことがで
き、この結果、凝固シェルの割れ等の発生を防止した、
健全な生成を行うことができる。また、一対の鋳造ロー
ルの外周面に沿って、次第に、その厚さを増す凝固シェ
ルに、無理な応力(換言すると凝固シェルに割れを生じ
させせる応力等)をかけずに、板幅変更を行うことがで
きるので、連続鋳造された薄板の内部に割れ等が発生す
るのを防止することができ、この結果、高速の板幅変更
を可能とすることができる。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜7記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の鋳造ロールの上方に近接配置される鋳
型を備えたので、湯溜部内に注湯された溶融金属を、湯
面下凝固させることができ、従来のように、湯面保護材
やスカム等の不純物等が、凝固シェル中に巻き込まれ
て、薄板の表面に鮫肌等が発生するのを防止することが
できる。これにより、均一な板厚を有する薄板を、連続
鋳造することができるので、従来のように、不均一な薄
板が巻装されたコイルを、そのまま廃棄すること等を、
極力抑制することができ、さらに、連続鋳造された薄板
の端部の、トリミング量等も減少することができるの
で、薄板の歩留りを向上することができる。さらに、良
好な表面性状の薄板を、連続鋳造することができるの
で、従来のように、拘束性ブレイクアウト等が発生する
のを防止することができる。従って、表面性状に優れた
均一な板厚、及び、均質な組織を有する薄板を、連続鋳
造することができる作業性や生産性、量産性、信頼性に
優れた薄板連続鋳造装置を実現することができるもので
ある。
【0051】特に、請求項2記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、鋳型内に少なくとも1以上のスペーサー堰を
備えたので、目的とする板幅を有する、又は、薄板端部
のトリミング量の少ない、良好なエッジ形状の薄板を多
条連続鋳造することができる。従って、鮫肌や凹み等の
発生を極力抑制することができ、表面性状に優れた薄板
を連続鋳造することができると共に、一度の連続鋳造操
業の際に、多条の薄板を連続鋳造することができる。
【0052】特に、請求項3記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺堰の内
面、さらにスペーサー堰の一対の短辺堰との対向面、又
は相対する他のスペーサー堰との対向面を、テーパー面
としたので、鮫肌や凹み、耳波等の発生を極力抑制する
ことができ、表面性状に優れた薄板を連続鋳造すること
ができる。
【0053】特に、請求項4記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の長辺堰の内面や、一対の短辺堰の内
面、さらにスペーサー堰の短辺堰との対向面、又は相対
する他のスペーサー堰との対向面のテーパー比(α)
を、それぞれ0.3%≦α≦2%の範囲内としたので、
鮫肌や凹み、耳波等の発生を極力抑制することができ、
表面性状に優れた薄板を連続鋳造することができる。
【0054】特に、請求項5記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の短辺堰に、一対の短辺堰を一対の長辺
堰の側線方向に沿って、進退する進退手段を備えたの
で、目的とする板幅を有すると共に、薄板の端部のトリ
ミング量の少ない、良好なエッジ形状を有する薄板を、
多条連続鋳造することができる。
【0055】特に、請求項6記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の短辺堰の外面の上部及び下部にそれぞ
れ進退手段を設けたので、鮫肌や凹み、耳波等の発生を
極力抑制することができ、表面性状に優れた薄板を連続
鋳造することができる。
【0056】特に、請求項7記載の薄板連続鋳造装置に
おいては、一対の鋳造ロールの外周面の温度を、その中
心軸方向に沿って略均一とすることができるので、従来
のように、薄板の中央部が凹むのを防止することがで
き、前記薄板の板厚を均一にすることができ、表面性状
に優れた薄板を連続鋳造することができる。
【0057】また、請求項8、9記載の薄板連続鋳造方
法においては、一対の短辺堰の下部又は上部を、一対の
長辺堰の側線方向に沿って、所定量移動した後、一対の
短辺堰の上部又は下部を、一対の長辺堰の側線方向に沿
って、所定量移動したので、湯溜部内の溶融金属が激し
く揺動するのを防止することができ、鮫肌等の発生を極
力抑制し、表面性状に優れた薄板を高い生産性や量産性
で連続鋳造することができる。
【0058】特に、請求項9記載の薄板連続鋳造方法に
おいては、一対の短辺堰の下部又は上部を、一対の長辺
堰の側線方向に沿って、所定量移動した状態で、所定量
平行移動した後、一対の短辺堰の上部又は下部を、一対
の長辺堰の側線方向に沿って、所定量移動するので、板
幅の変更量を、一対の短辺堰の平行移動量によって容易
に変更することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。なお、各実施の形態において同様の
構成のものについては同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0060】ここに、図1は本発明の第1の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置の要部斜視図、図2は同薄板連
続鋳造装置の要部側断面図、図3は同薄板連続鋳造装置
を用いた薄板連続鋳造方法における湯溜部内の溶融金属
の湯面から凝固開始位置までの距離(H)と連続鋳造さ
れる薄板のスカム疵の発生指数の関係を示す特性図、図
4は本発明の第2の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
の要部斜視図、図5は同薄板連続鋳造装置の要部側面
図、図6は本発明の第3の実施の形態に係る薄板連続鋳
造装置の要部斜視図、図7は本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置の説明図、図8は同薄板連続鋳
造装置を用いた薄板連続鋳造方法の説明図、図9は同薄
板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方法の説明
図、図10は同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造
方法における一対の短辺堰の移動速度と連続鋳造される
薄板のスカム疵の発生指数の関係を示す特性図、図11
は同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法と、従
来の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置を用いた薄板連
続鋳造方法との比較図、図12〜図14は本発明の第4
の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板
連続鋳造方法の説明図、図15は本発明の第5の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置の一対の鋳造ロールの要部
断面図、図16は同薄板連続鋳造装置及び従来の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法
の連続鋳造操業時における溶融金属の一対の鋳造ロール
の側線方向に沿った抜熱変化量を示す特性図である。
【0061】図1、図2に示すように、本発明の第1の
実施の形態に係る薄板連続鋳造装置10は、上方から注
湯される溶融金属14を、凝固させると共に、前記溶融
金属14が凝固して生成された薄板15を、下方に引抜
くための、一対の鋳造ロール11と、一対の鋳造ロール
11と協働して、前記溶融金属14を貯留する、湯溜部
13を形成するための、鋳型12とを有する。また、鋳
型12は、一対の長辺堰12aと、一対の短辺堰12b
とで構成されている。以下、これらについて詳しく説明
する。
【0062】前記一対の鋳造ロール11は、それぞれ、
銅又は銅合金等の良好な熱伝導性を有する良熱伝導性材
料で、かつ、断面略真円状の円柱状に形成された、ロー
ル胴体部11aの表面に、縦横又は一方向に沿って、複
数の冷却水通水溝11cを形成すると共に、その表面
を、ニッケル又はニッケル合金等の板状材からなるロー
ル表面部11bで覆って、形成されている。また、一対
の鋳造ロール11の、中心軸方向の両端部には、それぞ
れ、ロール軸(図示せず)が形成されている。
【0063】そして、前記の如く形成された一対の鋳造
ロール11は、金属製の支持枠(図示せず)内に回転自
在に軸支されている。また、前記金属製の支持枠の、一
対の鋳造ロール11を軸支するための軸支部(図示せ
ず)の内、少なくとも一方の鋳造ロール11を軸支する
ための、一対の軸支部は、一対の鋳造ロール11の中心
軸方向と、直交方向にスライド可能に形成されている。
これにより、少なくとも一方の鋳造ロール11を水平方
向に移動可能とすることができ、前記の如く軸支された
一対の鋳造ロール11は、連続鋳造される薄板15の板
厚に応じて、適宜所定距離離間されるようになってい
る。
【0064】また、前記の如く配置された一対の鋳造ロ
ール11は、それぞれ、電気モータ等の回転駆動部(図
示せず)によって、所定回転速度で回転駆動されるよう
になっている。すなわち、一対の鋳造ロール11の、少
なくとも一方のロール軸に、受動歯車(図示せず)等が
取り付けられると共に、回転駆動部(図示せず)から、
直接又はチェーン等の伝達機構(図示せず)を介して、
回転駆動力が伝達されるようになっている。さらに、一
対の鋳造ロール11の、冷却水通水溝11cには、ポン
プ等の冷却水供給装置(図示せず)から、冷却水が供給
されるようになっている。
【0065】一方、前記鋳型12は、一対の鋳造ロール
11の上方に、一対の鋳造ロール11の側線に沿って配
置される、一対の長辺堰12aと、一対の鋳造ロール1
1の上方で、かつ、一対の長辺堰12aの間に配置され
る、一対の短辺堰12bとを有すると共に、一対の長辺
堰12a、及び、一対の短辺堰12bを、平面視して枠
状に、ボルト・ナット等の締結具(図示せず)、又は溶
接等で、一体化して、形成されている。
【0066】なお、前記一対の長辺堰12aは、それぞ
れ、窒化硅素(Si3 4 )や、窒化硼素(BN)等
の、良好な断熱性を有する良断熱性材料を主成分とし、
一方向に長尺な直方体状に形成されている。また、一対
の長辺堰12aの底面は、それぞれ、一対の鋳造ロール
11の側周(以下外周面という)上に、近接可能に形成
されている。詳述すると、一対の長辺堰12aの底面
は、それぞれ、側面視して、一対の鋳造ロール11の外
周面の曲率半径と、略同径状の母線を持って凹状に形成
されている。
【0067】また、前記一対の短辺堰12bは、それぞ
れ、一対の長辺堰12aと同じ材料で、かつ一対の長辺
堰12aに比べ、短尺な直方体状に形成されている。ま
た、一対の短辺堰12bの底面は、それぞれ、一対の鋳
造ロール11の外周面に、近接可能に形成されている。
詳述すると、一対の短辺堰12bの底面は、それぞれ側
面視して、一対の鋳造ロール11の曲率半径と、略同径
状の母線を持って先細り状に形成されている。
【0068】また、一対の長辺堰12a、及び、一対の
短辺堰12bの内面は、それぞれ前記(1)式で求めら
れる、テーパー比(α)が、0.3%≦α≦1.5%の
テーパー面となっている。また、一対の長辺堰12a、
及び、一対の短辺堰12b内には、前記テーパー面側
に、コイル収納用穴12cが形成されている。そして、
このコイル収納用穴12c内に、誘導加熱用のコイル1
2dが、複数回巻装されると共に、交流電源等の電源
(図示せず)から、所定の電流/電圧が供給されるよう
になっている。
【0069】また、一対の長辺堰12a、及び、一対の
短辺堰12b内には、これら一対の長辺堰12a、及
び、一対の短辺堰12bの温度(換言すると溶融金属1
4の温度)を測定するための、熱電対等の温度計(図示
せず)が、複数箇所に取付けられている。また、温度計
で検出された、溶融金属14の温度(以下検出値とい
う)は、制御部(図示せず)に入力されるようになって
いる。そして、制御部は、予め記憶された所定基準値
と、入力された検出値とを比較し、前記検出値が、前記
所定基準値の範囲を外れたとき、その差(検出値−所定
基準値)に応じて、所定の電流/電圧を、電源からコイ
ル12dに供給する、オン/オフ信号を出力するように
なっている。
【0070】また、一対の長辺堰12a、及び、一対の
短辺堰12bは、その外面と、前記金属製の支持枠を、
連結する連結支持材(図示せず)によって、その底面
が、一対の鋳造ロール11の外周面と、所定距離離間さ
れるように、支持されている。なお、一対の長辺堰12
a、及び、一対の短辺堰12bの底面と、一対の鋳造ロ
ール11の外周面とは、0.1mm≦t≦0.5mm、
好適には0.2mm≦t≦0.4mmの距離(t)離間
されるのが好ましい。
【0071】これは、前記距離が0.2mm未満では、
一対の鋳造ロール11が、高速回転する際に、多少面触
れを起こし易いために、前記底面が、一対の鋳造ロール
11の外周面によって、削られ易いので、一対の鋳造ロ
ール11の外周面に、一対の長辺堰12a、及び、一対
の短辺堰12bを構成する、耐火物等の切削粉が堆積さ
れて、いわゆる断熱層が形成され易い。そして、これに
よって、凝固シェル15aの、凹凸状の疵の発生を防止
した、円滑な成長が阻害される(詳述すると、薄板15
の表面に、一対の鋳造ロール11の前記凹凸によって凹
凸状の疵が発生すると共に、薄板15が冷却されるにつ
れて、前記凹凸から微細な表面割れが発生し易くなる)
傾向が現れ出し、特に0.1mm未満ではその傾向が著
しくなるからである。
【0072】また、前記距離が0.4mmを越えると、
前記底面と、一対の鋳造ロール11の外周面との間隙
に、溶融金属14が入り込み易いので(前記間隙に溶融
金属14が入り込むことを湯差しという)、前記底面、
及び、一対の鋳造ロール11の外周面を損傷すると共
に、前記と同様に、薄板15の表面性状を、悪化させる
傾向が現れ出し、特に0.5mmを越えるとその傾向が
著しくなるからである。
【0073】続いて、本発明の第1の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置10を用いた薄板連続鋳造方法につい
て説明する。なお、鋳型12の上方には、湯溜部13内
に溶融金属14を注湯するための、タンディッシュ等の
注湯鍋(図示せず)が配置されるようになっている。ま
た、注湯鍋には、湯溜部13内に溶融金属14を注湯す
るための、浸漬ノズル(図示せず)等が取付けられてい
る。一方、一対の鋳造ロール11の下方には、該一対の
鋳造ロール11で引抜かれた薄板15を、下方に引抜く
ためのピンチロール(図示せず)が取付けられている。
なお、図1中、符号13fは鋳型12の溶融金属注湯口
であり、また、図2中、符号16は湯面保護材である。
【0074】(実施例1)本発明の第1の実施の形態に
係る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法
を適用して、クロム含有量5wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合について
説明する。まず、一対の鋳造ロール11を、それぞれ、
図2中、矢視する方向に、周速度60m/minで回転
させると共に、一対の鋳造ロール11の、冷却水通水溝
11cに冷却水を供給する。一方、制御部は、湯溜部1
3内に注湯される、溶融金属14の温度を、常に、15
25℃〜1570℃の温度範囲内で、保持するように制
御すると共に、前記溶融金属14の湯面から凝固開始位
置までの距離(H)を、常に、3cm≦H≦10cmの
範囲内に保持する(換言すると注湯される溶融金属14
を湯溜部13内で湯面下凝固させる)ために、温度計の
検出値によって、湯溜部13内を監視し始める。
【0075】次に、クロム含有量5wt%以上のステン
レス鋼(例えばSUS304)の、溶融金属14を、注
湯鍋から浸漬ノズルを通して、湯溜部13内に注湯す
る。次に、注湯された溶融金属14は、まず、一対の鋳
造ロール11の外周面との接触部位から急激に冷却され
て、凝固核(図示せず)が急速に生成されると共に、こ
の生成された凝固核が急速に成長して、視認可能な凝固
シェル15aが生成される。次に、生成された凝固シェ
ル15aは、急速に成長すると共に、一対の鋳造ロール
11の最近接部位近傍で、一対の鋳造ロール11によ
り、圧接されて薄板15が生成される。そして、生成さ
れた薄板15は、一対の鋳造ロール11によって下方に
引抜かれる。これによって、板厚2mmの薄板15を鋳
造速度60m/minで連続鋳造することができた。
【0076】(実施例2)次に、本発明の第1の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳
造方法を適用して、カーボン含有量0.03wt%〜
0.10wt%の炭素鋼の薄板を、連続鋳造する場合に
ついて説明する。まず、一対の鋳造ロール11を、それ
ぞれ、図2中、矢視する方向に、周速度30m/min
で回転させると共に、一対の鋳造ロール11の、冷却水
通水溝11cに冷却水を供給する。一方、制御部は、前
記と同様に、注湯される溶融金属14を、湯溜部13内
で湯面下凝固させるために、温度計の検出値によって、
湯溜部13内を監視し始める。次に、カーボン含有量
0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の、溶融金属
14を、注湯鍋から浸漬ノズルを通して、湯溜部13内
に注湯する。以下、本発明の第1の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法におけ
る、実施例1と同様にして、板厚4mmの薄板15を、
鋳造速度30m/minで連続鋳造することができた。
【0077】続いて、本発明の第1の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法で連
続鋳造される、薄板15の表面性状の確認試験を行っ
た。以下、その結果について説明する。 (実施例3)まず、本発明の第1の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法を適用
して、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SUS
304)の薄板15を、湯溜部13内の溶融金属14の
湯面から凝固開始位置までの距離(H)を種々変更し
て、連続鋳造すると共に、連続鋳造された薄板15の表
面性状を確認した。次に、溶融金属14中にスカムが巻
き込まれて形成された、視認可能な、いわゆるスカム疵
の発生数を調べた後、従来の実施の形態に係る薄板連続
鋳造装置200を用いた薄板連続鋳造方法を適用して、
クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SUS30
4)の薄板(図示せず)を連続鋳造したとき、薄板の表
面に発生した、スカム疵の発生数から得られた発生指数
を3.0として、前記各距離(H)に対するスカム疵の
発生指数を調べた。その結果を図3に示す。なお、前記
スカム疵の発生指数とは、スカム疵の発生し易さをい
い、この発生指数が小さい程、スカム疵が発生し難くな
ることを意味するものである。この図3から明らかなよ
うに、前記溶融金属14の湯面から凝固開始位置までの
距離(H)を大きくするに伴って、連続鋳造される薄板
15の表面に発生する、スカム疵の発生指数を低減する
(換言するとスカム疵の発生数を低減する)ことができ
ることがわかった。
【0078】以上のように、本発明の第1の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置10、及び、それを用いた薄板
連続鋳造方法によれば、一対の鋳造ロール11の上方に
鋳型12を近接配置したことにより、湯溜部13内に注
湯された溶融金属14を、湯面下凝固させることがで
き、この結果、連続鋳造された薄板15の表面疵を低減
することができる。また、鋳型12を構成する、一対の
長辺堰12a、及び、一対の短辺堰12bに、テーパー
比(α)が、0.3%≦α≦1.5%のテーパー面を形
成したことにより、たとえ、溶融金属14中に不純物等
が巻き込まれても、容易に不純物を湯面まで浮遊させる
ことができ、薄板15の表面に鮫肌等が発生するのを防
止することができる。更に、従来のような、鮫肌等の発
生が極力抑制された、表面性状の良好な薄板15を連続
鋳造することができ、従来のように、薄板15が巻装さ
れたコイルをそのまま廃棄することを防止することがで
きる。
【0079】続いて、本発明の第2の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置20について説明する。本発明の第2
の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置20が、本発明の
第1の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置10と異なる
のは、図4、図5に示すように、一対の短辺堰12bの
間で、かつ、一対の長辺堰12aの間で、さらに、一対
の鋳造ロール11の上方に近接配置されたスペーサー堰
21を備えた点である。以下、これらについて詳しく説
明する。
【0080】前記スペーサー堰21は、一対の長辺堰1
2a、及び、一対の短辺堰12bと同じ材質で、かつ、
一対の短辺堰12bとほぼ同じ形状に形成されている。
また、スペーサー堰21の、一対の短辺堰12bとの対
向面は、前記(1)式で求められるテーパー比(α)が
0.3%≦α≦1.5%のテーパー面となっている。な
お、スペーサー堰21、及び、一対の短辺堰12bの上
端に亘って、金属製等で、一方向に長尺に形成された、
一対の揺動防止材22が掛け渡されると共に、一対の揺
動防止材22と、スペーサー堰21及び一対の短辺堰1
2bに亘って、ボルト・ナット等の締結具(図示せず)
が締結されている。これにより、次々と注湯される溶融
金属14や、高速で回転する一対の鋳造ロール11によ
って、スペーサー堰21が、揺動するのを防止すること
ができる。また、鋳型12f内には、スペーサー堰21
を設けたことによって、2つの湯溜部13a、13bが
形成されている。
【0081】続いて、本発明の第2の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置20を用いた薄板連続鋳造方法につい
て説明する。なお、注湯鍋には、鋳型12fの一対の湯
溜部13a、13bに、それぞれ溶融金属14を注湯す
るための、一対の浸漬ノズル(図示せず)が設けられて
いる。 (実施例4)初めに、本発明の第2の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置20を用いた、薄板連続鋳造方法を適
用して、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SU
S304)の薄板を、連続鋳造する場合について説明す
る。まず、本発明の第1の実施の形態に係る薄板連続鋳
造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法における、実施
例1と同様にして、一対の鋳造ロール11を所定回転方
向に、周速度60m/minで回転させると共に、一対
の鋳造ロール11の、冷却水通水溝11cに冷却水を供
給し、さらに、制御部で、湯溜部13a、13b内を監
視し始める。次に、クロム含有量18wt%のステンレ
ス鋼(SUS304)の、溶融金属14を、注湯鍋から
浸漬ノズルを通して、湯溜部13a、13b内に、それ
ぞれ注湯する。以下、本発明の第1の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法にお
ける実施例1と同様にして、板厚2mmの薄板15を2
条、鋳造速度60m/minで連続鋳造することができ
た。
【0082】(実施例5)次に、本発明の第2の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置20を用いた、薄板連続鋳
造方法を適用して、カーボン含有量0.03wt%〜
0.10wt%の炭素鋼の薄板を、連続鋳造する場合に
ついて説明する。まず、本発明の第1の実施の形態に係
る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法に
おける、実施例2と同様にして、一対の鋳造ロール11
を所定回転方向に、周速度30m/minで回転させる
と共に、一対の鋳造ロール11の、冷却水通水溝11c
に冷却水を供給し、さらに、制御部で、湯溜部13a、
13b内を監視し始める。次に、カーボン含有量0.0
3wt%〜0.10wt%の炭素鋼の、溶融金属14
を、注湯鍋から浸漬ノズルを通して、湯溜部13a、1
3b内に、それぞれ注湯する。以下、本発明の第1の実
施の形態に係る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連
続鋳造方法における、実施例2と同様にして、板厚4m
mの薄板15を2条、鋳造速度30m/minで連続鋳
造することができた。
【0083】以上のように、本発明の第2の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置20によれば、本発明の第1の
実施の形態に係る薄板連続鋳造装置10、及び、それを
用いた薄板連続鋳造方法と同様の効果が得られる他、ス
ペーサー堰21を有するので、1基の薄板連続鋳造装置
20による、1度の連続鋳造操業によって、同時に2条
の薄板15を連続鋳造することができると共に、従来の
薄板15の切断工程を省略、或いは薄板15のトリミン
グ量を低減することができる。また、スペーサー堰21
に、所定のテーパー比を有するテーパー面を設けたの
で、前記と同様に、薄板15の表面に疵がつくのを防止
することができる。さらに、揺動防止材22を設けたの
で、スペーサー堰21が揺動するのを防止することがで
きるために、湯溜部13a、13b内の溶融金属14が
揺動して、従来のように、薄板15の表面に疵がつくの
を防止することができる。
【0084】一方、本発明の第2の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置20を用いた、薄板連続鋳造方法によれ
ば、本発明の第1の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
10を用いた、薄板連続鋳造方法と、同様の効果が得ら
れる他、薄板15のトリミング量を減少することができ
ると共に、バリや耳波等の発生を抑制して、良好なエッ
ジ形状の薄板15を、2条連続鋳造することができる。
【0085】続いて、本発明の第3の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置30について説明する。本発明の第3
の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置30が、本発明の
第2の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置20と異なる
のは、図6に示すように、スペーサー堰21を2個備え
た点である。なお、スペーサー堰21の、一対の短辺堰
12bとの対向面や、相対する他のスペーサー堰21と
の対向面は、それぞれ、前記(1)式で求められるテー
パー比(α)が0.3%≦α≦1.5%のテーパー面と
なっている。また、スペーサー堰21を2個設けたの
で、鋳型12g内には、3つの湯溜部13c〜13eが
形成されている。
【0086】続いて、本発明の第3の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置30を用いた、薄板連続鋳造方法につ
いて説明する。なお、注湯鍋には、それぞれの湯溜部1
3c〜13eに溶融金属14を注湯するために、3つの
浸漬ノズル(図示せず)が設けられている。 (実施例6)初めに、本発明の第3の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置30を用いた、薄板連続鋳造方法を適
用して、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SU
S304)の薄板を、連続鋳造する場合について説明す
る。まず、本発明の第1の実施の形態に係る薄板連続鋳
造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法における、実施
例1と同様にして、一対の鋳造ロール11を所定回転方
向に、周速度60m/minで回転させると共に、一対
の鋳造ロール11の、冷却水通水溝11cに冷却水を供
給し、さらに、制御部で、湯溜部13c〜13e内を監
視し始める。次に、クロム含有量18wt%のステンレ
ス鋼(SUS304)の、溶融金属14を、注湯鍋から
浸漬ノズルを通して、湯溜部13c〜13e内に、それ
ぞれ注湯する。以下、本発明の第1の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法にお
ける、実施例1と同様にして、板厚2mmの薄板15を
3条、鋳造速度60m/minで連続鋳造することがで
きた。
【0087】(実施例7)次に、本発明の第3の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置30を用いた、薄板連続鋳
造方法を適用して、カーボン含有量0.03wt%〜
0.10wt%の炭素鋼の薄板を、連続鋳造する場合に
ついて説明する。まず、本発明の第1の実施の形態に係
る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連続鋳造方法に
おける、実施例2と同様にして、一対の鋳造ロール11
を所定回転方向に、周速度30m/minで回転させる
と共に、一対の鋳造ロール11の、冷却水通水溝11c
に冷却水を供給し、さらに、制御部で、湯溜部13c〜
13e内を監視し始める。次に、カーボン含有量0.0
3wt%〜0.10wt%の炭素鋼の、溶融金属14
を、注湯鍋から浸漬ノズルを通して、湯溜部13c〜1
3e内に、それぞれ注湯する。以下、本発明の第1の実
施の形態に係る薄板連続鋳造装置10を用いた、薄板連
続鋳造方法における、実施例2と同様にして、板厚4m
mの薄板15を3条、鋳造速度30m/minで連続鋳
造することができた。
【0088】以上のように、本発明の第3の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置30、及び、それを用いた薄板
連続鋳造方法によれば、本発明の第2の実施の形態に係
る薄板連続鋳造装置20、及び、それを用いた薄板連続
鋳造方法と、同様の効果が得られる他、スペーサー堰2
1を2個有するので、1基の薄板連続鋳造装置30によ
る、1度の連続鋳造操業によって、同時に3条の薄板1
5を、連続鋳造することができる。
【0089】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40について説明する。本発明の第4
の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置40が、本発明の
第1〜第3の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置10〜
30と異なるのは、図7に示すように、一対の短辺堰1
2bに、一対の短辺堰12bを、一対の長辺堰12aの
側線方向に沿って、進退させるために、上下一対の直線
駆動手段31aからなる、進退手段31を備えた点であ
る。以下、これらについて詳しく説明する。
【0090】前記一対の短辺堰12bの外面の上部、及
び、下部には、それぞれ軸支部12eが形成され、ま
た、前記金属製の支持枠の、前記軸支部12eとの対向
部には、それぞれ、ステッピングシリンダ等の油圧シリ
ンダからなる、直線駆動手段31aが取付けられてい
る。そして、一対の直線駆動手段31aの、進退自在の
ロッド部31bの先端に、一対の直線駆動手段31a
の、中心軸方向と直交方向に延設された、軸部31cが
形成されると共に、この軸部31cが、それぞれ前記軸
支部12eに回動自在に軸支されている。なお、一対の
直線駆動手段31aの各ポート(図示せず)は、それぞ
れ、油圧ポンプ等の供給装置に連通され、また、前記制
御部によって、作動油又は空気が、前記供給装置から一
方のポートに供給されると共に、他方のポートから前記
供給装置に排出されるようになっている。また、一対の
長辺堰12aと、一対の短辺堰12bとは分離されてい
る。
【0091】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、薄板連続鋳造方法につ
いて説明する。 (実施例8)まず、前記実施例1と同様にして、板厚2
mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SU
S304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで連
続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板幅
変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、板
幅変更方法について、説明する。
【0092】なお、ここでは、図7中、左方の短辺堰1
2bについて説明するが、図7中、右方の短辺堰12b
は、前記左方の短辺堰12bと、線対称の動作をするも
のとする。また、制御部には、予め板幅の拡縮を開始す
る、板幅拡縮開始時刻(詳述すると、板幅縮小開始時
刻、板幅拡大開始時刻)や、板幅の総拡縮量に応じた、
一対の直線駆動手段31aの、ストローク量等が記憶さ
れているものとする。
【0093】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、制御部は、予め記
憶された、板幅縮小開始時刻等を検知すると、一対の短
辺堰12bを、一対の長辺堰12aの側線方向に沿っ
て、一対の短辺堰12b同士を近接する方向(以下、図
8(a)〜(c)中、矢視A方向という)に移動させ
る、板幅縮小信号を、供給装置に出力する。次に、供給
装置は、上方の直線駆動手段31aの、一方のポートに
作動油を供給すると共に、他方のポートから作動油を排
出し、上方の直線駆動手段31aのロッド部31bを、
図8(a)中、矢視A方向に、所定量移動させる。これ
により、一対の短辺堰12bは、図8(b)に示すよう
に、下方の直線駆動手段31aの軸部31c(以下一対
の短辺堰12bの下部という)を回動中心として、時計
周りに所定僅少角度(γ)回動される(第1傾斜動工
程)。すなわち、一対の短辺堰12bの外面は、図8
(b)中、矢視A方向に、所定僅少角度(γ)傾斜され
る。
【0094】次に、供給装置は、予め記憶された、上方
の直線駆動手段31aの移動ストローク等によって、第
1傾斜動工程の終了を検知すると、下方の直線駆動手段
31aの、一方のポートに作動油を供給すると共に、他
方のポートから作動油を排出し、下方の直線駆動手段3
1aのロッド部31bを、図8(b)中、矢視A方向に
所定量移動させる。これにより、一対の短辺堰12b
は、図8(c)に示すように、上方の直線駆動手段31
aの軸部31c(以下一対の短辺堰12bの上部とい
う)を回動中心として、反時計周りに所定僅少角度
(γ′)回動される(第2傾斜動工程)。すなわち、一
対の短辺堰12bの外面は、図8(c)中、矢視A方向
に、所定僅少角度(γ′)傾斜される。これにより、連
続鋳造される薄板15の板幅を縮小する、板幅変更を完
了する。
【0095】なお、第1傾斜動工程、終了時における、
一対の短辺堰12bの内面の、鉛直方向に対する傾斜角
度(λ)は、約1.146°以下とされるのが好ましい
(図8(b)参照)。なぜなら、それを越えると、溶融
金属14中に巻き込まれた不純物等を、湯面に浮遊させ
ることが困難となるからである。また、第2傾斜動工
程、終了時における、一対の短辺堰12bの内面の、鉛
直方向に対する傾斜角度(μ)は、約0.172°以上
とされるのが好ましい(図8(c)参照)。なぜなら、
それ未満では、一対の短辺堰12bの内面に接触した溶
融金属14を、剥離させることが困難となるからであ
る。また、前記の理由から前記傾斜角度(λ)は約0.
172°以上、また前記傾斜角度(μ)は約1.146
°以下とされるのが好ましい。
【0096】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。なお、連続鋳造される薄板
15の板幅を拡大する、板幅変更の場合は、前記と逆の
動作を行うことにより、板幅を変更することができる。
まず、前記と同様に、制御部が、予め記憶された、板幅
拡大開始時刻等を検知して、一対の短辺堰12bを、一
対の長辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰1
2b同士を離反する方向(以下、図8(a)〜(c)
中、矢視A′方向という)に移動させる、板幅拡大信号
を、供給装置に出力する。そして、供給装置が、前記と
逆の動作を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド
部31bを、図8(c)中、矢視A′方向に所定量移動
させることにより、一対の短辺堰12bは、その上部を
回動中心として、時計周りに所定僅少角度(γ′)回動
され、一対の短辺堰12bの外面は、図8(b)中、矢
視A′方向に、所定僅少角度(γ′)傾斜される(第1
傾斜動工程)。
【0097】次に、前記と同様に、供給装置が、予め記
憶された、下方の直線駆動手段31aの移動ストローク
等によって、第1傾斜動工程の終了を検知して、前記と
逆の動作を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド
部31bを、図8(b)中、矢視A′方向に所定量移動
させることにより、一対の短辺堰12bは、その下部を
回動中心として、反時計周りに所定僅少角度(γ)回動
され、一対の短辺堰12bの外面は、図8(a)中、矢
視A′方向に、所定僅少角度(γ)傾斜される(第2傾
斜動工程)。これにより、連続鋳造される薄板15の板
幅を拡大する、板幅変更を完了する。
【0098】なお、前記と同様の理由から、第1傾斜動
工程、終了時における、一対の短辺堰12bの内面の、
鉛直方向に対する傾斜角度(λ)は、約1.146°以
下(図8(b)参照)、また、第2傾斜動工程、終了時
における、一対の短辺堰12bの内面の、鉛直方向に対
する傾斜角度(μ)は、約0.172°以上(図8
(a)参照)とされるのが好ましい。また、前記の理由
から前記傾斜角度(λ)は約0.172°以上、また前
記傾斜角度(μ)は約1.146°以下とされるのが好
ましい。
【0099】また、前記板幅変更方法では、板幅を縮小
するとき、又は、板幅を拡大するときの、一対の短辺堰
12bの傾斜角度(γ又はγ′)を異ならせたが、この
一対の短辺堰12bの傾斜角度は、同じにしてもよい。
さらに、前述したように、図7中、右方の短辺堰12b
は、図7中、左方の短辺堰12bと、線対称の動作をす
るものとしたが、一対の短辺堰12bの動作を異ならせ
てもよい。
【0100】すなわち、例えば、図9に示すように、板
幅を縮小するとき、第1傾斜動工程で、図9中、左方の
短辺堰12bは、その下部を回動中心として、時計周り
に所定僅少角度(γ)回動させる一方、図9中、右方の
短辺堰12bは、その上部を回動中心として、時計周り
に所定僅少角度(γ)回動させ、さらに、第2傾斜動工
程で、図9中、左方の短辺堰12bは、その上部を回動
中心として、反時計周りに所定僅少角度(γ′)回動さ
せる一方、図9中、右方の短辺堰12bは、その下部を
回動中心として、反時計周りに所定僅少角度(γ′)回
動させてもよい。
【0101】また、前記実施例8では、前記実施例1と
同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SU
S304)の薄板15を、連続鋳造する場合について、
説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有量
0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0102】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、薄板連続鋳造方法にお
ける、薄板の板幅変更方法によって、連続鋳造される、
薄板の表面性状の確認試験を行った。以下、その結果に
ついて説明する。 (実施例9)まず、本発明の第4の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置40を用いた、薄板連続鋳造方法を適用
して、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SUS
304)の薄板15を、一対の短辺堰12bの移動速度
を、種々変更して、連続鋳造すると共に、連続鋳造され
た薄板15の表面性状を確認した。
【0103】そして、肉眼で確認できるスカム疵の数を
調べた後、前記実施例3と同様にして、従来の実施の形
態に係る薄板連続鋳造装置200を用いた、薄板連続鋳
造方法を適用して、クロム含有量18wt%のステンレ
ス鋼(SUS304)の薄板15を連続鋳造したとき
の、薄板15の表面に発生した、スカム疵の発生数から
得られた発生指数を3.0として、前記一対の短辺堰1
2bの移動速度に対するスカム疵の発生指数を調べた。
その結果を図10に示す。
【0104】この図10から明らかなように、一対の短
辺堰12bの移動速度(VC )が40mm/min≦V
C ≦200mm/minを外れると、連続鋳造される薄
板15の表面に発生するスカム疵の発生指数が増加する
ことがわかった。なお、一対の短辺堰12bの移動速度
(VC )とは、第1傾斜動工程の開始時から、第2傾斜
動工程の終了時までに、一対の短辺堰12bが移動する
距離を、第1傾斜動工程の開始時から、第2傾斜動工程
の終了時までの、所要時間(T1)で除したものであ
る。
【0105】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40、及び、それを用いた薄板
連続鋳造方法によれば、本発明の第1の実施の形態に係
る薄板連続鋳造装置10、及び、それを用いた薄板連続
鋳造方法と、同様の効果が得られる他、連続鋳造操業
中、薄板15の板幅を変更することができるので、目的
幅の薄板15を連続鋳造することができると共に、従来
のスリッタ等による切断工程を省略、或いは薄板15の
端部のトリミング量を減少することができ、安価な薄板
15を連続鋳造することができる。
【0106】また、一対の短辺堰12bの上部を、一対
の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した
後、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮小する一
方、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動した後、一対の短辺堰
12bの上部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿っ
て、所定量移動して板幅を拡大したので、例えば、一対
の短辺堰12bを、鉛直状態で平行移動させる場合に比
べ、湯溜部13内の溶融金属14が、激しく揺動するの
を防止することができ、従来のように、薄板15の表面
性状が悪化するのを防止して、薄板15の板幅を容易に
変更することができる。
【0107】すなわち、例えば、図11(b)に示すよ
うに、一対の短辺堰12b′を、鉛直状態で平行移動さ
せる(すなわち、図11(b)中、破線の状態から、実
線の状態に移動する)場合は、一対の短辺堰12b′の
移動に伴って、湯溜部13′内に貯留された溶融金属1
4が、図11(b)中、矢視する方向に激しく揺動し
て、薄板15の表面性状が悪化する虞れがあったが、前
記の如く、一対の短辺堰12bを傾斜動させる(すなわ
ち、図11(a)中、破線の状態から、実線の状態に移
動する)と、一対の短辺堰12bの移動速度等にも依る
が、図11(a)に示すように、溶融金属14を、図1
1(a)中、矢視する如く、テーパー面に沿わせること
ができ、前記のような激しい揺動を防止することができ
るので、薄板15の表面性状が悪化するのを防止するこ
とができる。
【0108】また、板幅を縮小する板幅変更、又は、板
幅を拡大する板幅変更の、いずれの場合においても、板
幅変更時に、溶融金属14の湯面と、一対の鋳造ロール
11の外周面の接点で生成された、極めて軟弱な初期凝
固シェル15aや、一対の鋳造ロール11の外周面に沿
って、次第に、その厚さを増す凝固シェル15aに、大
きな応力をかけるのを防止して、板幅の拡縮を可能とす
ることができ、薄板15の破断や割れ等を抑制すること
ができる。
【0109】さらに、板幅を縮小する板幅変更の、第1
傾斜動工程における、一対の短辺堰12bの傾斜角度
(γ)、又は、板幅を拡大する板幅変更の、第1傾斜動
工程における、一対の短辺堰12bの傾斜角度(γ′)
が大きい場合、一対の短辺堰12bの内面から、凝固核
や凝固シェル15aが剥離し易くなって、一対の短辺堰
12bの内面と薄板15の間に、いわゆるエアーギャッ
プと呼ばれるすきまが発生する虞れがあるが、板幅を縮
小する板幅変更の、第1傾斜動工程、終了時や、板幅を
拡大する板幅変更の、第1傾斜動工程、終了時におけ
る、一対の短辺堰12bの内面の、鉛直方向に対する傾
斜角度(λ)を、約1.146°以下とすることによ
り、エアーギャップの発生を防止することができる。ま
た、一対の短辺堰12bの移動速度(VC )を、40m
m/min≦VC ≦200mm/minの範囲内にする
ことにより、良好な表面性状を有する薄板15を連続鋳
造することができる。
【0110】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、他の薄板連続鋳造方法
について説明する。 (実施例10)まず、前記実施例1と同様にして、板厚
2mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで
連続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板
幅変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、
他の板幅変更方法について、説明する。
【0111】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同
様にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長
辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同
士を近接する方向(以下、図12(a)〜(c)中、矢
視C方向という)に移動させる、板幅縮小信号を、供給
装置に出力する。次に、供給装置が、前記実施例8と同
様にして、下方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図12(a)中、矢視C方向に、所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(δ)回動され、
一対の短辺堰12bの外面は、図12(b)中、矢視C
方向に、所定僅少角度(δ)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0112】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、上方の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図12(b)中、矢
視C方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、その下部を回動中心として、時計周りに所定
僅少角度(δ′)回動され、一対の短辺堰12bの外面
は、図12(c)中、矢視C方向に、所定僅少角度
(δ′)傾斜される(第2傾斜動工程)。これにより、
連続鋳造される薄板15の板幅を縮小する、板幅変更を
完了する。
【0113】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同様
にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同士
を離反する方向(以下、図12(a)〜(c)中、矢視
C′方向という)に移動させる、板幅拡大信号を、供給
装置に出力する。そして、供給装置が、前記と逆の動作
を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図12(c)中、矢視C′方向に所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(δ′)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図12(b)中、矢
視C′方向に、所定僅少角度(δ′)傾斜される(第1
傾斜動工程)。
【0114】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、前記と逆の動
作を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド部31
bを、図12(b)中、矢視C′方向に所定量移動させ
ることにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動
中心として、時計周りに所定僅少角度(δ)回動され、
一対の短辺堰12bの外面は、図12(a)中、矢視
C′方向に、所定僅少角度(δ)傾斜される(第2傾斜
動工程)。これにより、連続鋳造される薄板15の板幅
を拡大する、板幅変更を完了する。
【0115】なお、前記実施例10では、前記実施例1
と同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合につい
て、説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有
量0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0116】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40を用いた、他の薄板連続鋳
造方法によれば、一対の短辺堰12bの下部を、一対の
長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した後、
一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮小する一方、
一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動した後、一対の短辺堰12
bの下部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿って、
所定量移動して板幅を拡大したので、本発明の第4の実
施の形態に係る薄板連続鋳造装置40を用いた薄板連続
鋳造方法と同様に、例えば、一対の短辺堰12bを、鉛
直状態で平行移動させる場合等に比べ、湯溜部13内の
溶融金属14が激しく揺動するのを防止することがで
き、従来のように、薄板15の表面性状が悪化するのを
防止して、薄板15の板幅を容易に変更することができ
る。
【0117】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連続鋳造
方法について説明する。 (実施例11)まず、前記実施例1と同様にして、板厚
2mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで
連続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板
幅変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、
更に他の板幅変更方法について、説明する。
【0118】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同
様にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長
辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同
士を近接する方向(以下、図13(a)〜(d)中、矢
視D方向という)に移動させる、板幅縮小信号を、供給
装置に出力する。次に、供給装置が、前記実施例8と同
様にして、上方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図13(a)中、矢視D方向に、所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動中
心として、時計周りに所定僅少角度(ε)回動され、一
対の短辺堰12bの外面は、図13(b)中、矢視D方
向に、所定僅少角度(ε)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0119】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、下方の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図13(b)中、矢
視D方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、その上部を回動中心として、反時計周りに所
定僅少角度(ε′)回動され、一対の短辺堰12bの外
面は、図13(c)中、矢視D方向に、所定僅少角度
(ε′)傾斜される(第2傾斜動工程)。さらに、供給
装置は、前記実施例8と同様にして、第2傾斜動工程の
終了を検知して、上方の直線駆動手段31aのロッド部
31bを、図13(c)中、矢視D方向に所定量移動さ
せることにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回
動中心として、時計周りに所定僅少角度(ε″)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図13(d)中、矢
視D方向に、所定僅少角度(ε″)傾斜される(繰り返
された第1傾斜動工程を、以下第3傾斜動工程とい
う)。これにより、連続鋳造される薄板15の板幅を縮
小する、板幅変更を完了する。
【0120】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同様
にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同士
を離反する方向(以下、図13(a)〜(d)中、矢視
D′方向という)に移動させる、板幅拡大信号を、供給
装置に出力する。そして、供給装置が、前記と逆の動作
を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図13(d)中、矢視D′方向に所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(ε″)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図13(c)中、矢
視D′方向に、所定僅少角度(ε′)傾斜される(第1
傾斜動工程)。
【0121】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、前記と逆の動
作を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド部31
bを、図13(c)中、矢視D′方向に所定量移動させ
ることにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動
中心として、時計周りに所定僅少角度(ε′)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図13(b)中、矢
視D′方向に、所定僅少角度(ε′)傾斜される(第2
傾斜動工程)。さらに、供給装置は、前記実施例8と同
様にして、第2傾斜動工程の終了を検知して、前記と逆
の動作を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド部
31bを、図13(b)中、矢視D′方向に所定量移動
させることにより、一対の短辺堰12bは、その下部を
回動中心として、反時計周りに所定僅少角度(ε)回動
され、一対の短辺堰12bの外面は、図13(a)中、
矢視D′方向に、所定僅少角度(ε)傾斜される(繰り
返された第1傾斜動工程を、以下第3傾斜動工程とい
う)。これにより、連続鋳造される薄板15の板幅を拡
大する、板幅変更を完了する。
【0122】なお、前記実施例11では、前記実施例1
と同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合につい
て、説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有
量0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0123】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連
続鋳造方法によれば、一対の短辺堰12bの上部を、一
対の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した
後、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動し、さらに、その後、
一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮小する一方、
一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動した後、一対の短辺堰12
bの下部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿って、
所定量移動し、さらに、その後、一対の短辺堰12bの
上部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定
量移動して板幅を拡大したので、本発明の第4の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置40を用いた前記薄板連続
鋳造方法と同様に、例えば、一対の短辺堰12bを、鉛
直状態で平行移動させる場合等に比べ、湯溜部13内の
溶融金属14が激しく揺動するのを防止することがで
き、従来のように、薄板15の表面性状が悪化するのを
防止して、薄板15の板幅を容易に変更することができ
る。
【0124】また、板幅を縮小する板幅変更の、第1傾
斜動工程における、一対の短辺堰12bの傾斜角度
(ε)、又は、板幅を拡大する板幅変更の、第2傾斜動
工程における、一対の短辺堰12bの傾斜角度(ε′)
が大きい場合、前記と同様に、エアーギャップが発生す
る虞れがあるが、やはり、前記と同様に、板幅を縮小す
る板幅変更の、第1傾斜動工程、終了時や、板幅を拡大
する板幅変更の、第2傾斜動工程、終了時における、一
対の短辺堰12bの内面の、鉛直方向に対する傾斜角度
(λ)を、約1.146°以下とすることにより、エア
ーギャップの発生を防止することができる。
【0125】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連続鋳造
方法について説明する。 (実施例12)まず、前記実施例1と同様にして、板厚
2mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで
連続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板
幅変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、
更に他の板幅変更方法について、説明する。
【0126】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同
様にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長
辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同
士を近接する方向(以下、図14(a)〜(d)中、矢
視E方向という)に移動させる、板幅縮小信号を、供給
装置に出力する。次に、供給装置が、前記実施例8と同
様にして、下方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図14(a)中、矢視E方向に、所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(ζ)回動され、
一対の短辺堰12bの外面は、図14(b)中、矢視E
方向に、所定僅少角度(ζ)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0127】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、上方の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図14(b)中、矢
視E方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、その下部を回動中心として、時計周りに所定
僅少角度(ζ′)回動され、一対の短辺堰12bの外面
は、図14(c)中、矢視E方向に、所定僅少角度
(ζ′)傾斜される(第2傾斜動工程)。さらに、供給
装置は、前記実施例8と同様にして、第2傾斜動工程の
終了を検知して、下方の直線駆動手段31aのロッド部
31bを、図14(c)中、矢視E方向に所定量移動さ
せることにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回
動中心として、反時計周りに所定僅少角度(ζ″)回動
され、一対の短辺堰12bの外面は、図14(d)中、
矢視E方向に、所定僅少角度(ζ″)傾斜される(繰り
返された第1傾斜動工程を、以下第3傾斜動工程とい
う)。これにより、連続鋳造される薄板15の板幅を縮
小する、板幅変更を完了する。
【0128】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同様
にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同士
を離反する方向(以下、図14(a)〜(d)中、矢視
E′方向という)に移動させる、板幅拡大信号を、供給
装置に出力する。そして、供給装置が、前記と逆の動作
を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図14(d)中、矢視E′方向に所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動中
心として、時計周りに所定僅少角度(ζ″)回動され、
一対の短辺堰12bの外面は、図14(c)中、矢視
E′方向に、所定僅少角度(ζ″)傾斜される(第1傾
斜動工程)。
【0129】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、前記と逆の動
作を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド部31
bを、図14(c)中、矢視E′方向に所定量移動させ
ることにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動
中心として、反時計周りに所定僅少角度(ζ′)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図14(b)中、矢
視E′方向に、所定僅少角度(ζ′)傾斜される(第2
傾斜動工程)。さらに、供給装置は、前記実施例8と同
様にして、第2傾斜動工程の終了を検知して、前記と逆
の動作を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド部
31bを、図14(b)中、矢視E′方向に所定量移動
させることにより、一対の短辺堰12bは、その上部を
回動中心として、時計周りに所定僅少角度(ζ)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図14(a)中、矢
視E′方向に、所定僅少角度(ζ)傾斜される(繰り返
された第1傾斜動工程を、以下第3傾斜動工程とい
う)。これにより、連続鋳造される薄板15の板幅を拡
大する、板幅変更を完了する。
【0130】なお、前記実施例12では、前記実施例1
と同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合につい
て、説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有
量0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0131】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40を用いた更に他の薄板連続
鋳造方法によれば、一対の短辺堰12bの下部を、一対
の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した
後、一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動し、さらに、その後、
一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮小する一方、
一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12aの側
線方向に沿って、所定量移動した後、一対の短辺堰12
bの上部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿って、
所定量移動し、さらに、その後、一対の短辺堰12bの
下部を、一対の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定
量移動して板幅を拡大したので、本発明の第4の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置40を用いた薄板連続鋳造
方法と同様に、例えば、一対の短辺堰12bを、鉛直状
態で平行移動させる場合等に比べ、湯溜部13内の溶融
金属14が激しく揺動するのを防止することができ、従
来のように、薄板15の表面性状が悪化するのを防止し
て、薄板15の板幅を容易に変更することができる。
【0132】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連続鋳造
方法について説明する。 (実施例13)まず、前記実施例1と同様にして、板厚
2mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで
連続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板
幅変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、
更に他の板幅変更方法について、説明する(図8(a)
〜(c)参照)。
【0133】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同
様にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長
辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同
士を近接する方向(以下、図8(a)〜(c)中、矢視
A方向という)に移動させる、板幅縮小信号を、供給装
置に出力する。次に、供給装置が、前記実施例8と同様
にして、上方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図8(a)中、矢視A方向に、所定量移動させるこ
とにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動中心
として、時計周りに所定僅少角度(γ)回動され、一対
の短辺堰12bの外面は、図8(b)中、矢視A方向
に、所定僅少角度(γ)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0134】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、一対の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図8(b)中、矢視
A方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰1
2bは、第1傾斜動工程で、所定僅少角度(γ)傾斜さ
れた状態で、所定量平行移動される(平行移動工程)。
さらに、供給装置は、前記実施例8と同様にして、平行
移動工程の終了を検知して、下方の直線駆動手段31a
のロッド部31bを、図8(b)中、矢視A方向に所定
量移動させることにより、一対の短辺堰12bは、その
上部を回動中心として、反時計周りに所定僅少角度
(γ′)回動され、一対の短辺堰12bの外面は、図8
(c)中、矢視A方向に、所定僅少角度(γ′)傾斜さ
れる(第2傾斜動工程)。これにより、連続鋳造される
薄板15の板幅を縮小する、板幅変更を完了する。
【0135】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同様
にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同士
を離反する方向(以下、図8(a)〜(c)中、矢視
A′方向という)に移動させる、板幅拡大信号を、供給
装置に出力する。そして、供給装置が、前記と逆の動作
を行って、下方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図8(c)中、矢視A′方向に所定量移動させるこ
とにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動中心
として、時計周りに所定僅少角度(γ′)回動され、一
対の短辺堰12bの外面は、図8(b)中、矢視A′方
向に、所定僅少角度(γ′)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0136】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、一対の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図8(b)中、矢視
A′方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、第1傾斜動工程で、所定僅少角度(γ′)傾
斜された状態で、所定量平行移動される(平行移動工
程)。さらに、供給装置は、前記実施例8と同様にし
て、平行移動工程の終了を検知して、上方の直線駆動手
段31aのロッド部31bを、図8(b)中、矢視A′
方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰12
bは、その下部を回動中心として、反時計周りに所定僅
少角度(γ)回動され、一対の短辺堰12bの外面は、
図8(a)中、矢視A′方向に、所定僅少角度(γ)傾
斜される(第2傾斜動工程)。これにより、連続鋳造さ
れる薄板15の板幅を拡大する、板幅変更を完了する。
【0137】なお、前記実施例13では、前記実施例1
と同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合につい
て、説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有
量0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0138】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連
続鋳造方法によれば、一対の短辺堰12bの上部を、一
対の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した
後、その状態で一対の短辺堰12bを平行移動し、さら
に、その後、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮
小する一方、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した後、その
状態で一対の短辺堰12bを平行移動し、さらに、その
後、一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動して板幅を拡大したの
で、本発明の第4の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
40を用いた薄板連続鋳造方法と同様に、例えば、一対
の短辺堰12bを、鉛直状態で平行移動させる場合等に
比べ、湯溜部13内の溶融金属14が激しく揺動するの
を防止することができ、従来のように、薄板15の表面
性状が悪化するのを防止して、薄板15の板幅を容易に
変更することができる。
【0139】続いて、本発明の第4の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連続鋳造
方法について説明する。 (実施例14)まず、前記実施例1と同様にして、板厚
2mmの、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、鋳造速度60m/minで
連続鋳造し始めた。そして、連続操業中、薄板15の板
幅変更を実施した。以下、薄板15の板幅を変更する、
更に他の板幅変更方法について、説明する(図12
(a)〜(c)参照)。
【0140】初めに、薄板15の板幅を縮小する、板幅
変更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同
様にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長
辺堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同
士を近接する方向(以下、図12(a)〜(c)中、矢
視C方向という)に移動させる、板幅縮小信号を、供給
装置に出力する。次に、供給装置が、前記実施例8と同
様にして、下方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図12(a)中、矢視C方向に、所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その上部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(δ)回動され、
一対の短辺堰12bの外面は、図12(b)中、矢視C
方向に、所定僅少角度(δ)傾斜される(第1傾斜動工
程)。
【0141】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、一対の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図12(b)中、矢
視C方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、第1傾斜動工程で、所定僅少角度(δ)傾斜
された状態で、所定量平行移動される(平行移動工
程)。さらに、供給装置は、前記実施例8と同様にし
て、平行移動工程の終了を検知して、上方の直線駆動手
段31aのロッド部31bを、図12(b)中、矢視C
方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰12
bは、その下部を回動中心として、時計周りに所定僅少
角度(δ′)回動され、一対の短辺堰12bの外面は、
図12(c)中、矢視C方向に、所定僅少角度(δ′)
傾斜される(第2傾斜動工程)。これにより、連続鋳造
される薄板15の板幅を縮小する、板幅変更を完了す
る。
【0142】次に、薄板15の板幅を拡大する、板幅変
更方法について、説明する。まず、前記実施例8と同様
にして、制御部が、一対の短辺堰12bを、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、一対の短辺堰12b同士
を離反する方向(以下、図12(a)〜(c)中、矢視
C′方向という)に移動させる、板幅拡大信号を、供給
装置に出力する。そして、供給装置が、前記と逆の動作
を行って、上方の直線駆動手段31aのロッド部31b
を、図12(c)中、矢視C′方向に所定量移動させる
ことにより、一対の短辺堰12bは、その下部を回動中
心として、反時計周りに所定僅少角度(δ′)回動さ
れ、一対の短辺堰12bの外面は、図12(b)中、矢
視C′方向に、所定僅少角度(δ′)傾斜される(第1
傾斜動工程)。
【0143】次に、供給装置は、前記実施例8と同様に
して、第1傾斜動工程の終了を検知して、一対の直線駆
動手段31aのロッド部31bを、図12(b)中、矢
視C′方向に所定量移動させることにより、一対の短辺
堰12bは、第1傾斜動工程で、所定僅少角度(δ′)
傾斜された状態で、所定量平行移動される(平行移動工
程)。さらに、供給装置は、前記実施例8と同様にし
て、平行移動工程の終了を検知して、下方の直線駆動手
段31aのロッド部31bを、図12(b)中、矢視
C′方向に所定量移動させることにより、一対の短辺堰
12bは、その上部を回動中心として、時計周りに所定
僅少角度(δ)回動され、一対の短辺堰12bの外面
は、図12(c)中、矢視C′方向に、所定僅少角度
(δ)傾斜される(第2傾斜動工程)。これにより、連
続鋳造される薄板15の板幅を拡大する、板幅変更を完
了する。
【0144】なお、前記実施例14では、前記実施例1
と同様に、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(S
US304)の薄板15を、連続鋳造する場合につい
て、説明したが、前記実施例2と同様に、カーボン含有
量0.03wt%〜0.10wt%の炭素鋼の薄板15
を、連続鋳造する場合についても、同様に板幅変更する
ことができる。
【0145】以上のように、本発明の第4の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置40を用いた、更に他の薄板連
続鋳造方法によれば、一対の短辺堰12bの下部を、一
対の長辺堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した
後、その状態で一対の短辺堰12bを平行移動し、さら
に、その後、一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、所定量移動して板幅を縮
小する一方、一対の短辺堰12bの上部を、一対の長辺
堰12aの側線方向に沿って、所定量移動した後、その
状態で一対の短辺堰12bを平行移動し、さらに、その
後、一対の短辺堰12bの下部を、一対の長辺堰12a
の側線方向に沿って、所定量移動して板幅を拡大したの
で、本発明の第4の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
40を用いた薄板連続鋳造方法と同様に、例えば、一対
の短辺堰12bを鉛直状態で平行移動させる場合等に比
べ、湯溜部13内の溶融金属14が激しく揺動するのを
防止することができ、従来のように、薄板15の表面性
状が悪化するのを防止して、薄板15の板幅を容易に変
更することができる。さらに、一対の短辺堰12bの平
行移動量を変更するだけで、前記実施例8と同じ板幅変
更量とすることができる。
【0146】続いて、本発明の第5の実施の形態に係る
薄板連続鋳造装置50について説明する。図15に示す
ように、本発明の第5の実施の形態に係る薄板連続鋳造
装置50が、本発明の第1〜第4の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置10〜40と異なるのは、一対の鋳造ロ
ール41が、それぞれ、一方向に長尺で、かつ、その中
心軸方向の所定部から、両端部に向かって、縮径された
縮径部41cを有する、ロール胴体部41aと、縮径部
41cに、ロール胴体部41aの外表面の材質に比べ、
低熱伝導性の材料を、被膜してなるロール表面部41b
とを備えた点である。以下、これらについて詳しく説明
する。
【0147】(実施例15)前記実施例1と同様にし
て、クロム含有量18wt%のステンレス鋼(SUS3
04)の薄板15を連続鋳造する場合、溶融金属14の
抜熱量(又は溶融金属14の、一対の鋳造ロール11の
側線方向中央部の温度に対する温度という)は、図16
中、一点鎖線bで示すように、一対の鋳造ロール11の
外周面の側線方向に沿って変化することがわかった。そ
こで、胴長(L)が1200mmで、かつ、直径(φ)
が500mmのロール胴体部41aの中心軸方向の所定
部から両端部まで、それぞれ350mmの幅(L2 )を
持って、その直径(φ)を2mm縮径する(すなわち直
径(φ1 )が498mmの縮径部41cを形成した後、
このロール胴体部41aの縮径部41cに、アルミナ等
の低熱伝導性材料を、プラズマ溶射法等の溶射法を適用
して、ロール表面部41bを被膜することにより、一対
の鋳造ロール41を形成した。なお、図15中、中央部
の長さ(L1 )は500mmである。
【0148】なお、図16中、一点鎖線aは本発明の第
5の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置50を用いた薄
板連続鋳造方法の連続鋳造操業時における溶融金属14
の一対の鋳造ロール11の側線方向に沿った抜熱変化
量、図16中、破線bは従来の実施の形態に係る薄板連
続鋳造装置200を用いた薄板連続鋳造方法の連続鋳造
操業時における溶融金属14の一対の鋳造ロール51の
側線方向に沿った抜熱変化量である。
【0149】なお、本発明の第5の実施の形態に係る薄
板連続鋳造装置50を用いた、薄板連続鋳造方法は、本
発明の第1〜第4の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
10〜40を用いた、薄板連続鋳造方法等と同様なもの
なので、説明を省略する。
【0150】以上のように、本発明の第5の実施の形態
に係る薄板連続鋳造装置50、及びそれを用いた薄板連
続鋳造方法によれば、連続操業時における溶融金属14
の、一対の鋳造ロール11の側線方向に沿った温度分布
に従って、ロール胴体部41aの中心軸方向の所定部か
ら両端部に向かって縮径すると共に、ロール胴体部41
aの縮径部41cに低熱伝導性材料を被膜したので、本
発明の第1〜第4の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置
10〜40と、同様の効果が得られる他、連続操業中の
溶融金属14の、一対の鋳造ロール41の側線方向に沿
った温度分布を均一にすることができ、従来のように、
連続鋳造された薄板15の中央部が凹むのを防止するこ
とができる。
【0151】換言すると、従来の実施の形態に係る薄板
連続鋳造装置200を用いた薄板連続鋳造方法では、溶
融金属14の放熱効果及び冷却効果が、一対の鋳造ロー
ル11の中心軸方向中央部から両端部に行くに従って、
強くなるために、一対の鋳造ロール11の側線方向両端
部に接する、溶融金属14の抜熱量(又は凝固速度)
も、一対の鋳造ロール11の側線方向中央部に接する、
溶融金属14の抜熱量(又は凝固速度)に比べて、大き
くなるために、抜熱量の小さな前記中央部に接する、溶
融金属14が凝固して生成された薄板15の中央部は、
前記の如く、拘束収縮によって変形する(換言すると凹
む)が、前記両端部の抜熱をロール表面部41bにより
抑制することができるので、平板状の薄板15を連続鋳
造することができる。
【0152】このように、本発明の第5の実施の形態に
係る薄板連続鋳造装置50、及び、それを用いた薄板連
続鋳造方法によれば、従来のように、中央が凹んだ薄板
が連続鋳造するのを防止して、均一な板厚の薄板15を
連続鋳造することができる。
【0153】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。
【0154】例えば、本発明の第4の実施の形態におけ
る薄板連続鋳造装置40を用いた、薄板連続鋳造方法で
は、図7中、左方の短辺堰12bについて説明したが、
図7中、右方の短辺堰12bは、本発明の第4の実施の
形態に係る薄板連続鋳造装置40を用いた薄板連続鋳造
方法の板幅変更と同様に、前記左方の短辺堰12bと線
対称の動作をさせてもよいし、異なった動作をさせても
よい。また、板幅を縮小するときや拡大するときの第1
傾斜動工程等の傾斜角度(δ等)は、同じにしてもよい
し、異ならせてもよい。
【0155】なお、前記実施例10〜14において、前
記傾斜角度(λ)及び前記傾斜角度(μ)は、前記と同
様に約0.172°〜約1.146°とされるのがこの
ましい。また、前記実施例8において、前記傾斜角度
(λ)を、約1.146°以上とした場合には、同板幅
変更方法の、第1傾斜動工程、及び、第2傾斜動工程の
所要時間(T1 )は、前記実施例10の、板幅変更方法
の、第1傾斜動工程、及び、第2傾斜動工程の所要時間
(T2 )より、短く(T1 <T2 )するのが好ましい。
板幅変更の所要時間(T1 )を、板幅変更の所要時間
(T2 )より短くすることで、一対の短辺堰12bの内
面と、薄板15の外面の間にエアーギャップが発生する
のを防止することができ、BOが発生し難くなるからで
ある。
【0156】また、同様の理由から、前記エアーギャッ
プの発生を防止するために、前記実施例11において、
前記傾斜角度(λ)を、約1.146°以上とした場合
には、同板幅変更方法の、第1傾斜動工程〜第3傾斜動
工程の所要時間(T3 )は、前記実施例12の、同板幅
変更方法の、第1傾斜動工程〜第3傾斜動工程の所要時
間(T4 )より短く(T3 <T4 )するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄板連続鋳造
装置の要部斜視図である。
【図2】同薄板連続鋳造装置の要部側断面図である。
【図3】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法
における湯溜部内の溶融金属の湯面から凝固開始位置ま
での距離(H)と連続鋳造される薄板のスカム疵の発生
指数の関係を示す特性図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る薄板連続鋳造
装置の要部斜視図である。
【図5】同薄板連続鋳造装置の要部側面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る薄板連続鋳造
装置の要部斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る薄板連続鋳造
装置の説明図である。
【図8】(a)同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳
造方法の説明図である。 (b)同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法の
説明図である。 (c)同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法の
説明図である。
【図9】同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造
方法の説明図である。
【図10】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方
法における一対の短辺堰の移動速度と連続鋳造される薄
板のスカム疵の発生指数の関係を示す特性図である。
【図11】(a)同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続
鋳造方法の説明図である。 (b)従来の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置を用い
た薄板連続鋳造方法の説明図である。
【図12】(a)本発明の第4の実施の形態に係る薄板
連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方法の説明図で
ある。 (b)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。 (c)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。
【図13】(a)本発明の第4の実施の形態に係る薄板
連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方法の説明図で
ある。 (b)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。 (c)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。 (d)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。
【図14】(a)本発明の第4の実施の形態に係る薄板
連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方法の説明図で
ある。 (b)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。 (c)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。 (d)同薄板連続鋳造装置を用いた他の薄板連続鋳造方
法の説明図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る薄板連続鋳
造装置の一対の鋳造ロールの要部断面図である。
【図16】同薄板連続鋳造装置及び従来の実施の形態に
係る薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方法の連続
鋳造操業時における溶融金属の一対の鋳造ロールの側線
方向に沿った抜熱変化量を示す特性図である。
【図17】従来の実施の形態に係る薄板連続鋳造装置の
説明図である。
【図18】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方
法で連続鋳造された薄板の要部拡大正面図である。
【図19】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方
法で連続鋳造された薄板の要部拡大側断面図である。
【図20】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方
法における連続鋳造操業中の一対の鋳造ロールの側線方
向に沿った外周面の温度分布図である。
【図21】同薄板連続鋳造装置を用いた薄板連続鋳造方
法方法で連続鋳造された薄板の拡大平断面図である。
【符号の説明】
10 薄板連続鋳造装置 11 鋳造ロー
ル 11a ロール胴体部 11b ロール
表面部 11c 冷却水通水溝 12 鋳型 12a 長辺堰 12b 短辺堰 12b′ 短辺堰 12c コイル
収納用穴 12d コイル 12e 軸支部 12f 鋳型 12g 鋳型 13 湯溜部 13′ 湯溜部 13a 湯溜部 13b 湯溜部 13c 湯溜部 13d 湯溜部 13e 湯溜部 13f 溶融金
属注湯口 14 溶融金属 15 薄板 15a 凝固シェル 16 湯面保護
材 20 薄板連続鋳造装置 21 スペーサ
ー堰 22 揺動防止材 30 薄板連続
鋳造装置 31 進退手段 31a 直線駆
動手段 31b ロッド部 31c 軸部 40 薄板連続鋳造装置 41 鋳造ロー
ル 41a ロール胴体部 41b ロール
表面部 41c 縮径部 50 薄板連続
鋳造装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離離間して平行状態で配置される
    一対の鋳造ロールと、前記一対の鋳造ロールの上方に、
    該一対の鋳造ロールの側線に沿って配置される一対の長
    辺堰、及び下面が前記一対の鋳造ロールの側周上で、か
    つ前記一対の長辺堰の間に配置される一対の短辺堰を備
    えた枠状の鋳型とを有することを特徴とする薄板連続鋳
    造装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の短辺堰の間に、少なくとも1
    以上のスペーサー堰を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の薄板連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 前記鋳型の内面を上から下に向かって拡
    大するテーパー面としたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の薄板連続鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記テーパー面のテーパー比(α)を、
    0.3%≦α≦2%の範囲内としたことを特徴とする請
    求項3記載の薄板連続鋳造装置。
  5. 【請求項5】 前記一対の短辺堰には、該一対の短辺堰
    を前記一対の鋳造ロールの側線に沿って移動させる進退
    手段をそれぞれ備えたことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の薄板連続鋳造装置。
  6. 【請求項6】 前記進退手段は、上下一対の直線駆動手
    段によって構成したことを特徴とする請求項5記載の薄
    板連続鋳造装置。
  7. 【請求項7】 前記一対の鋳造ロールが、一方向に長尺
    でかつその中心軸方向の所定部から両端部に向かって縮
    径された縮径部を有するロール胴体部と、該ロール胴体
    部の前記縮径部に、少なくとも前記ロール胴体部の外周
    面の材質に比し低熱伝導性の材料を、前記ロール胴体部
    の縮径部を除く部位と同径状に被膜したロール表面部と
    を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の薄板連続鋳造装置。
  8. 【請求項8】 前記一対の短辺堰の上部又は下部を回動
    中心として、該一対の短辺堰を、前記一対の鋳造ロール
    の側線方向で、前記一対の短辺堰同士が近接又は離反す
    る方向に僅少角度傾斜させる第1傾斜動工程と、 該第1傾斜動工程で所定角度傾斜された前記一対の短辺
    堰の前記回動中心と反対側の下部又は上部を回動中心と
    して、僅少角度傾斜させて、前記一対の短辺堰を前記第
    1の傾斜動工程の移動方向と同一側に移動する第2傾斜
    動工程とを備え、前記一対の鋳造ロールで連続鋳造され
    る薄板の幅を変更制御することを特徴とする薄板連続鋳
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1傾斜動工程と第2傾斜動工程の
    間に、前記一対の短辺堰をそのままの姿勢を保持して、
    前記第1傾斜動工程の移動方向と同一側に平行移動する
    平行移動工程を備えることを特徴とする請求項8記載の
    薄板連続鋳造方法。
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