JPH09142967A - 焼成品の製造方法 - Google Patents

焼成品の製造方法

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JPH09142967A
JPH09142967A JP30627095A JP30627095A JPH09142967A JP H09142967 A JPH09142967 A JP H09142967A JP 30627095 A JP30627095 A JP 30627095A JP 30627095 A JP30627095 A JP 30627095A JP H09142967 A JPH09142967 A JP H09142967A
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JP30627095A
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English (en)
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Kengo Hiruta
健吾 昼田
Eisei Kin
永生 金
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HIRUTA KENTA
Original Assignee
HIRUTA KENTA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の完成品である焼成品本体に、印刷によ
って肉厚の凸部を形成することが可能な、全く新しい焼
成品の製造方法の提供を目的とする。 【解決手段】 インク浸透部13として形成されている
印刷原版11を、シート材10の表面に重ね合わせ、該
印刷原版11をシート材10の裏側から磁力で吸着して
シート材10表面に密着させた後(印刷原版位置合わせ
工程による)、インク14を印刷原版11に擦り付ける
ことにより、インク浸透部13を通じてシート材10上
に該インク14を印刷する(印刷工程による)。その
後、凸部12が印刷されたシート材10を、焼成品本体
20の上面に張り付けた後で、シート材10を焼失させ
て、凸部12と焼成品本体20とを一体化させるための
焼成を行ない(焼成工程による)、これによって本発明
に係わる焼成品100を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の完成品であ
る焼成品本体(陶器、磁器、ガラス製品)に、印刷によ
って肉厚の凸部を形成する焼成品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、陶器、磁器、ガラス製品の表
面に数々の装飾が施されている。例えば、陶器、磁器、
ガラス製品の表面に凹凸を形成するなどの装飾が行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な焼成品の表面の凸部は、陶器、磁器の場合には素焼き
の前段階の形づくり工程で形成するものであって、本焼
成の後では形成することができず、これによって焼き物
のデザインが制限されるという問題がある。また、ガラ
ス製品についても同様に、ガラス製品が完成した後で
は、その表面に凸部を形成することは困難であり、これ
によっても陶器、磁器と同様にガラス製品のデザインが
制限されるという問題がある。
【0004】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、従来の完成品である焼成品本体に、更に印
刷によって肉厚の凸部を形成することが可能な、全く新
しい焼成品の製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の焼成品の製造方法では、貫通孔がイン
ク浸透部として形成されている印刷原版を、シート材の
表面に重ね合わせ、該印刷原版をシート材の裏側から磁
力で吸着してシート材表面に密着させる印刷原版位置合
わせ工程と、インクを前記印刷原版に擦り付けることに
より前記インク浸透部を通じて前記シート材上に凸部を
印刷する印刷工程と、凸部が形成されたシート材を、焼
成品本体の上面に張り付けた後で、シート材を焼失させ
て、凸部と焼成品本体とを一体化させるための焼成を行
う焼成工程と、を具備することを特徴とする。
【0006】請求項2記載の焼成品の製造方法では、貫
通孔がインク浸透部として形成されている印刷原版を、
焼成品本体の表面に重ね合わせ、該印刷原版を焼成品本
体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体表面に密着させ
る印刷原版位置合わせ工程と、インクを前記印刷原版に
擦り付けることにより前記インク浸透部を通じて前記焼
成品本体上に印刷する印刷工程と、焼成品本体に印刷し
たインクを固化させることにより、該焼成品本体上に凸
部を形成するインク固化工程と、を具備することを特徴
とする。
【0007】請求項3記載の焼成品の製造方法では、貫
通孔がインク浸透部として形成されている印刷原版を、
焼成品本体の表面に重ね合わせ、該印刷原版を焼成品本
体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体表面に密着させ
る印刷原版位置合わせ工程と、インクを前記印刷原版に
擦り付けることにより前記インク浸透部を通じて前記焼
成品本体上に印刷する印刷工程と、凸部が形成された焼
成品本体を焼成して、凸部と焼成品本体とを一体化させ
る焼成工程と、を具備することを特徴とする。
【0008】請求項4記載の焼成品の製造方法では、請
求項1〜3のいずれかに記載の焼成品の製造方法におい
て、前記印刷工程では、インクの擦り付けが印刷原版表
面を摺動するスクイージの往復動によりなされることを
特徴とする。
【0009】請求項5記載の焼成品の製造方法では、請
求項1〜4のいずれかに記載の焼成品の製造方法におい
て、前記印刷工程では、着色されたインクを焼成品本体
上に印刷することを特徴とする。
【0010】請求項6記載の焼成品の製造方法では、請
求項1〜5のいずれかに記載の焼成品の製造方法におい
て、前記焼成品本体として陶器が使用されていることを
特徴とする。
【0011】請求項7記載の焼成品の製造方法では、請
求項1〜5のいずれかに記載の焼成品の製造方法におい
て、前記焼成品本体として磁器が使用されていることを
特徴とする。
【0012】請求項8記載の焼成品の製造方法では、請
求項1〜5のいずれかに記載の焼成品の製造方法におい
て、前記焼成品本体としてガラス製品が使用されている
ことを特徴とする。
【0013】そして、上記発明によって以下に示すよう
な作用が奏される。請求項1に記載される焼成品の製造
方法においては、貫通孔がインク浸透部として形成され
ている印刷原版を、シート材の表面に重ね合わせ、該印
刷原版をシート材の裏側から磁力で吸着してシート材表
面に密着させた後(印刷原版位置合わせ工程による)、
インクを印刷原版に擦り付けることにより、インク浸透
部を通じてシート材上に該インクを印刷する(印刷工程
による)。そしてその後、凸部が印刷されたシート材
を、焼成品本体の上面に張り付けた後で、シート材を焼
失させて、凸部と焼成品本体とを一体化させるための焼
成を行ない(焼成工程による)、これによって本発明に
係わる焼成品を作成する。
【0014】すなわち、本発明に示される焼成品の製造
方法では、印刷原版位置合わせ工程、印刷工程を経るこ
とによって、印刷原版とシート材とのずれを防止しつ
つ、該シート材上に印刷原版に応じた肉厚の凸部を印刷
することができ、更に、焼成工程を経ることによって、
シート材を介して、肉厚の凸部を陶器、磁器、ガラス製
品といった焼成品本体の表面に形成することができ、そ
の結果、従来には無い、全く新しいタイプの焼成品を得
ることができる。また、上記焼成品の製造方法では、シ
ート材上に凸部を印刷し、この凸部が印刷されたシート
材を焼成品本体上に貼付するようにしているので、焼成
品本体の形状に関係無く、該焼成品本体上に肉厚の凸部
を形成することができる、例えば、焼成品本体の表面が
平面では無い湾曲した形状であっても、該焼成品本体の
表面に肉厚の凸部を印刷することができ、これによって
も多様なデザインの焼成品を得ることができる。
【0015】請求項2に記載される焼成品の製造方法に
おいては、貫通孔がインク浸透部として形成されている
印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせ、該印刷原
版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体表
面に密着させた後(印刷原版位置合わせ工程による)、
インクを印刷原版に擦り付けることにより、インク浸透
部を通じて前記焼成品本体上に印刷し(印刷工程によ
る)、その後、焼成品本体に印刷したインクを固化させ
ることにより、該焼成品本体上に凸部を形成し(インク
固化工程による)、これによって本発明に係わる焼成品
を作成する。すなわち、本発明に示される焼成品の製造
方法では、印刷原版位置合わせ工程、印刷工程、インク
固化工程を順次経ることによって、印刷原版と焼成品本
体とのずれを防止しつつ、陶器、磁器、ガラス製品とい
った焼焼成品本体上に、印刷原版に応じた肉厚の凸部を
直接印刷することができ、その結果、従来には無い、全
く新しいタイプの焼成品を得ることができる。
【0016】請求項3に記載される焼成品の製造方法に
おいては、貫通孔がインク浸透部として形成されている
印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせて、該印刷
原版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体
表面に密着させた後(印刷原版位置合わせ工程によ
る)、インクを前記印刷原版に擦り付けることにより前
記インク浸透部を通じて前記焼成品本体上に印刷し(印
刷工程による)、その後、凸部が形成された焼成品本体
を焼成して、凸部と焼成品本体とを一体化させ(焼成工
程による)、これによって本発明に係わる焼成品を作成
する。すなわち、本発明に示される焼成品の製造方法で
は、印刷原版位置合わせ工程、印刷工程、焼成工程を順
次経ることによって、印刷原版と焼成品本体とのずれを
防止しつつ、陶器、磁器、ガラス製品といった焼焼成品
本体上に、印刷原版に応じた肉厚の凸部を直接形成する
ことができ、その結果、従来には無い、全く新しいタイ
プの焼成品を得ることができる。
【0017】請求項4に記載される焼成品の製造方法に
おいては、印刷工程にて、印刷原版表面を摺動するスク
イージの往復動により、シート材又は焼成品本体の表面
にインクを擦り付けるようにしているので、シート材又
は焼成品本体へのインクの印刷が確実になされ、また、
このように印刷原版に対してスクイージを往復動させた
場合であっても、上述した印刷原版はシート材に圧着さ
れた状態で重なり合っているので、スクイージの往復動
の際に印刷原版とシート材との間の面方向のずれが防止
され、肉厚の凸部を鮮明に印刷することができる。
【0018】請求項5に記載される焼成品の製造方法に
おいては、印刷工程にて、着色されたインクを焼成品本
体上に印刷するようにしているので、このインクの色を
適宜調整することによって、陶器、磁器、ガラス製品と
いった焼焼成品本体上に、種々の色の凸部を形成するこ
とができ、この点においても、従来には無い、全く新し
いタイプの焼成品を得ることができる。
【0019】請求項6に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体として陶器を使用することによっ
て、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイプの陶
器を得ることができる。
【0020】請求項7に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体として磁器を使用することによっ
て、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイプの磁
器を得ることができる。
【0021】請求項8に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体としてガラス製品を使用すること
によって、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイ
プのガラス製品を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図3を参照して、本発明に
係わる焼成品の製造方法の第1実施例(特許請求の範囲
の請求項1に対応)について説明する。なお、この第1
実施例では焼成品として陶器の製造を例に挙げて説明す
る。
【0023】図1及び図2において符号10で示される
ものは、加熱によって焼失する材料(例えば、紙)で構
成されたシート材であって、このシート材10の上面に
は印刷原版11が重ね合わされるようになっている。こ
の印刷原版11は、厚さ数100μm程度の薄板材であ
って、前記シート材10表面に形成すべき凸部12(後
述する)の形状をなす溝状のインク浸透部13がその厚
さ方向に貫通されている。なお、印刷原版11として
は、(1)強磁性体粉を結合材中に分散固定して形成さ
れた印刷原版11、あるいは(2)強磁性体からなる薄
板にインク浸透部13を形成した印刷原版11、などが
使用可能である。
【0024】なお、(1)強磁性体粉を結合材中に分散
固定したものとしては、ナイロンやポリエステル等の合
成繊維、またはステンレス等の金属細線などで織ったメ
ッシュスクリーンの、印刷パターンをなすインク浸透部
13以外の部分に、強磁性体粉を添加した樹脂層を形成
したものなどが使用可能である。この場合、前記樹脂層
の形成方法としては、周知のフォトレジストに強磁性体
粉末を添加したものを前記スクリーンに塗布し、これを
印刷パターンの反転形状に露光した後、不要な部分を除
去してインク浸透部13を形成する方法が好適である。
強磁性体としては、鉄,コバルト,ニッケルまたはこれ
らの合金、酸化物系磁性材料、化合物系磁性材料など、
従来周知の強磁性体はいずれも使用可能である。なお、
樹脂層のみにより十分な引っ張り強度を得ることができ
れば、前記メッシュスクリーンを省いて、金属粉を添加
した樹脂(いわゆるゴム磁石、プラスチック磁石を含
む)のみから印刷原版11を形成してもよい。その場合
には、印刷原版11をエッチングまたは機械加工し、印
刷パターンをなす開口部(インク浸透部)を形成する。
また、メッシュスクリーンを強磁性体で形成してもよ
い。
【0025】(2)強磁性金属薄板にインク浸透部13
を形成したものとしては、軟鉄、コバルト合金、ニッケ
ル合金等の強磁性金属の薄板を打ち抜き、レーザー加
工、エッチングなどの手法により加工し、印刷パターン
をなすインク浸透部13を形成したものが使用できる。
インク浸透部13を形成した金属薄板に、補強用のメッ
シュスクリーンを張り合わせて使用しても良い。
【0026】そして、以上のような印刷原版11を使用
して、該印刷原版11上にインク14を刷り込むことに
よって、シート材10上には、インク浸透部13と同一
形状の凸部12が当該インク14によって印刷され、そ
の後、このシート材10を利用して、本発明の焼成品1
00が製造される(詳細は後述する)。なお、このイン
ク14の成分としては、例えば、焼成によって焼成品本
体20(後述する)と一体化されるガラス粉末、及びバ
インダーである接着剤との混合物が使用される。また、
このインク14中に含まれるガラス粉末は着色材を含む
ものを使用すると良い。
【0027】以下、本発明の焼成品100の製造方法を
詳細に説明する。 《印刷原版位置合わせ工程》まず、図1に示すように、
印刷原版11をシート材10の表面に重ね合わせ、該印
刷原版11をシート材の裏側から電磁石15の磁力で吸
着してシート材10表面に密着させる。この際、前記電
磁石15は、図示しない電流供給手段において、電流を
調整することにより印刷原版11の吸着力が制御されて
いる。
【0028】《印刷工程》次に、図2に示すように、印
刷原版11上面上を摩擦・摺動可能に設けられたスクイ
ージ16の最初の移動方向(図中矢印方向)前側にイン
ク14を供給し、スクイージ16を動かすことによりイ
ンク14を前記印刷原版11に擦り付け、前記インク浸
透部13を通じて前記シート材10に印刷する。前記イ
ンク14の擦り込みは、印刷原版11の上面上をスクイ
ージ16を摩擦・摺動を一往復させることにより、イン
ク14をインク浸透部13においてシート材10表面に
押しつける。この工程においては、電磁石15の吸着力
によって印刷原版11の全面がシート材10表面に圧接
状態にあって隙間等の発生が防止され、面方向に十分な
摩擦力が生じるのでスクイージ16が印刷原版11表面
を摩擦しつつ往復動する際にも印刷原版11のずれを効
果的に防止でき、精度を高めることができる。そして、
以上のようにシート材10上にインク14を印刷したな
らば、電磁石15の通電を解除し、シート材10から印
刷原版11を離脱させるとともに、該シート材10上の
インク14を固化させる。なお、このときのインク14
の固化は、接着剤中の溶媒を気化させることにより行
う。
【0029】また、電磁石15の通電解除は、電磁石1
5をシート材10から遠ざけることにかえてもよい。印
刷原版11のシート材10から離脱する方法としては、
印刷原版11をその裏面から磁力で吸着することが適し
ている。この方法によれば、印刷原版11の広い範囲に
わたって吸着力が作用し、印刷原版11に歪み等を生じ
させることなく安定に離脱を行なうことができる。ま
た、この離脱作業にあっては、印刷原版11を凸部12
の高さ方向に沿って正確に移動することができるので、
凸部12形状に影響を与えることが無い。また、シート
材10から離脱後の印刷原版11は、該シート材10を
新たなものと交換した後で、再度、印刷に使用される。
なお、電磁石15にかえて永久磁石で印刷原版11を吸
着することも可能である。この場合、印刷原版11の吸
着力の調整を、永久磁石をシート材10に対して接近離
間させることにより行なう。
【0030】《焼成工程》次に、焼成品本体として陶器
20を用意し、図3(a)に示すように、この陶器20
の表面に、前述した印刷原版位置合わせ工程、印刷工程
によって作成されたシート材10を接着材によって張り
付ける。なお、このとき用意される焼成品本体として
は、素焼き、釉がけを経て本焼成が終了した陶器20が
使用される。また、陶器20へのシート材10の張り付
けに使用される接着材としては、例えば糊などが適当で
ある。
【0031】そして、陶器20にシート材10が貼付さ
れたならば、該陶器20を、窯(図示略)内に搬入して
焼成し、これによって図3(b)に示すようにシート材
10を焼失させるとともに、インク14内のガラス成分
を溶融させて、該陶器20上に凸部12が一体的に形成
されてなる焼成品100を製造する。なお、このときの
焼成は、シート材10及びインク14中のバインダーが
分解気化し、かつ該インク14中のガラス成分が溶融し
て陶器20と一体化する温度に設定される。また、この
ときの焼成によって、シート材10及びインク14から
ガスが発生し、これによって該インク14のガラス成分
によって形成される凸部12に、部分的に孔が形成され
ることがあるが、このような不具合を防止するために、
例えば、焼成時の温度上昇を緩やかにする、あるいはイ
ンク14、シート材10の成分に二酸化炭素の発生量が
少ないプロテインを含有させるようにすると良い。
【0032】以上詳細に説明したように本実施例に示さ
れる焼成品100の製造方法によれば、インク浸透部1
3として形成されている印刷原版11を、シート材10
の表面に重ね合わせ、該印刷原版11をシート材10の
裏側から磁力で吸着してシート材10表面に密着させた
後(印刷原版位置合わせ工程による)、インク14を印
刷原版11に擦り付けることにより、インク浸透部13
を通じてシート材10上に該インク14を印刷する(印
刷工程による)。そしてその後、凸部12が印刷された
シート材10を、焼成品本体である陶器20の上面に張
り付けた後で、シート材10を焼失させて、凸部12と
陶器20とを一体化させるための焼成を行ない(焼成工
程による)、これによって本実施例に係わる焼成品10
0を作成する。
【0033】すなわち、本実施例に示される焼成品10
0の製造方法では、印刷原版位置合わせ工程、印刷工程
を順次経ることによって、印刷原版11とシート材10
とのずれを防止しつつ、該シート材10上に印刷原版1
1に応じた肉厚の凸部12を印刷することができ、更
に、焼成工程を経ることによって、シート材10を介し
て、肉厚の凸部12を陶器20の表面に形成することが
でき、その結果、従来には無い、全く新しいタイプの焼
成品100を得ることが可能となる。また、上記焼成品
100の製造方法では、シート材10上に凸部12を印
刷し、この凸部12が印刷されたシート材10を、焼成
品本体である陶器20上に貼付するようにしているの
で、陶器20の形状に関係無く、該陶器20上に肉厚の
凸部12を形成することができる、例えば、陶器20の
表面が平面では無い湾曲した形状であっても、該陶器2
0の表面に肉厚の凸部12を印刷することができ、これ
によっても多様なデザインの焼成品100を得ることが
可能となる。
【0034】また、実施例に焼成品本体として使用され
る陶器20の一例としては、例えば湯呑み、急須、茶
碗、皿、どんぶり、タイル、花瓶、工芸品などがある。
また、焼成品本体として陶器20に限定されず、陶器2
0以外の例えば磁器(各種皿、器など)、ガラス製品
(コップ、皿、花瓶、窓ガラス、工芸品など)であって
も良い。
【0035】図4〜図6を参照して、本発明に係わる焼
成品101の製造方法の第2実施例(特許請求の範囲の
請求項2に対応)について説明する。この第2実施例が
第1実施例と主に構成を異にするのは、焼成品101の
製造に際して第1実施例のようなシート材10を使用し
ない点であり、以下その詳細を工程毎に説明する。な
お、本実施例では、焼成品本体21に板状のもの(例え
ば、タイル、平皿(陶器、磁器、ガラス製品)、又はガ
ラス板(ガラス製品)など)を使用することを前提とす
る。また、以下の説明では、第1実施例と共通する構成
要素に同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0036】《印刷原版位置合わせ工程》まず、図4に
示すように、焼成品本体として用意した陶器21の表面
に印刷原版11を重ね合わせ、該印刷原版11を陶器2
1の裏側から電磁石15の磁力で吸着して、陶器21上
に印刷原版11を密着させる。この際、前記電磁石15
は、図示しない電流供給手段において、電流を調整する
ことにより印刷原版11の吸着力が制御されている。
【0037】《印刷工程》次に、図5に示すように、印
刷原版11上面上を摩擦・摺動可能に設けられたスクイ
ージ16の最初の移動方向(図中矢印方向)前側にイン
ク14を供給し、スクイージ16を動かすことによりイ
ンク14を前記印刷原版11に擦り付け、前記インク浸
透部13を通じて前記陶器21に直接印刷する。前記イ
ンク14の擦り込みは、印刷原版11の上面上をスクイ
ージ16を摩擦・摺動を一往復させることにより、イン
ク14をインク浸透部13において陶器21表面に押し
つける。この工程においては、第1実施例でも述べたよ
うに、電磁石15の吸着力によって印刷原版11の全面
が陶器21表面に圧接状態にあって隙間等の発生が防止
され、面方向に十分な摩擦力が生じるのでスクイージ1
6が印刷原版11表面を摩擦しつつ往復動する際にも印
刷原版11のずれを効果的に防止でき、精度を高めるこ
とができる。
【0038】《インク固化工程》次に、電磁石15の通
電を解除し、陶器21から印刷原版11を離脱した後、
陶器21に印刷したインク14を固化させ、これによっ
て図6に示すように陶器21の上面に、印刷原版11に
対応した厚さの肉厚の凸部12が印刷されてなる焼成品
101を得ることができる。
【0039】ここで、インク14の固化は以下のように
して行う。 インク14の接着剤として熱可塑性樹脂等の樹脂材
料を使用している場合には、この樹脂材料を加熱溶融さ
せた状態にて、陶器21上にインク14を印刷し、その
後、該インク14を例えば自然冷却させることによっ
て、該インク14を固化させる。 インク14の接着剤として、樹脂を溶媒に溶解させ
て流動状態にしているものを使用している場合には、加
熱、乾燥させることによってインク14中の溶媒を揮発
させて該インク14を固化させる。なお、このような
のインク14を使用している場合に、該インク14の乾
燥に遠赤外線を利用することも可能である。そして、こ
のような遠赤外線を利用した場合には、インクの表層お
よび内部が均等に加熱・固化されるので、凸部12内部
に応力の残留が少なく品質が安定する。
【0040】 インク14の接着剤として紫外線硬化
性物質を使用している場合には、インク14を印刷後に
紫外線を照射することによって、流動状態にあるインク
14中の紫外線硬化樹脂を固化させることができる。な
お、上述したインク14にプロテインを含有させている
場合には、このプロテインの含有によってインク14を
印刷した際の体積収縮を少なくさせることができ、凸部
12の形状を目的の形状に保持することが可能となる。
【0041】以上詳細に説明したように第2実施例に示
される焼成品101の製造方法においては、インク浸透
部13として形成された貫通孔を有する印刷原版11
を、陶器21の表面に重ね合わせ、該印刷原版11を陶
器21の裏側から磁力で吸着して、陶器21表面に密着
させた後(印刷原版位置合わせ工程による)、インク1
4を印刷原版11に擦り付けることにより、インク浸透
部13を通じて前記陶器21上に印刷し(印刷工程によ
る)、その後、陶器21に印刷したインク14を固化さ
せることにより、該陶器21上に凸部12を形成し(イ
ンク固化工程による)、これによって本実施例に係わる
焼成品101を作成する。すなわち、本実施例に示され
る焼成品101の製造方法では、印刷原版位置合わせ工
程、印刷工程、インク固化工程を順次経ることによっ
て、印刷原版11と、被印刷体である陶器21との間の
ずれを防止しつつ、陶器21上に、印刷原版11に応じ
た肉厚の凸部12を印刷することができ、その結果、従
来には無い、全く新しいタイプの焼成品101を得るこ
とが可能となる。
【0042】なお、上記第2実施例では、印刷工程にて
陶器21上に印刷したインク14を、インク固化工程に
て固化させることによって、焼成品101を得るように
したが、これに限定されず、印刷工程にて陶器21上に
インク14を印刷した後、上述した第1実施例と同様の
焼成工程によって、該陶器21を焼成するようにし、こ
れによってインク14を陶器21と一体化させるように
しても良い(特許請求の範囲の第3項に対応)。そし
て、この場合には、インク14として、焼成によって陶
器21と一体化されるガラス粉末、及びバインダーであ
る接着剤との混合物を使用するようにし、これによって
焼成工程を経た場合に、インク14内のガラス成分が溶
融して、該陶器21上に凸部12が一体的に形成されて
なる焼成品101を製造することが可能となる。
【0043】また、上記第2実施例にて、焼成品本体と
してガラス板22を使用し、図7に示すように、このガ
ラス板22上に、上記印刷原版位置合わせ工程、印刷工
程、インク固化工程を順次経ることによって、縁を形成
する凸部12を印刷するようにすれば、ステンドグラス
風の焼成品102を製造することができ、これによって
更に多彩な焼成品102を得ることも可能となる。
【0044】また、上記第1実施例、第2実施例の印刷
工程にて使用されるインク14は、陶器20・21の下
地に対して異なる色とすることが望ましい。例えば、陶
器20・21の下地が白であれば、インク14の色は、
白以外の例えば赤、黒、黄、緑、青……を選択すれば、
インク14から形成される凸部21が下地色から浮き上
がって見え、この点においても、従来には無い、全く新
しいタイプの焼成品を得ることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
記載される焼成品の製造方法においては、貫通孔がイン
ク浸透部として形成されている印刷原版を、シート材の
表面に重ね合わせ、該印刷原版をシート材の裏側から磁
力で吸着してシート材表面に密着させた後(印刷原版位
置合わせ工程による)、インクを印刷原版に擦り付ける
ことにより、インク浸透部を通じてシート材上に該イン
クを印刷する(印刷工程による)。そしてその後、凸部
が印刷されたシート材を、焼成品本体の上面に張り付け
た後で、シート材を焼失させて、凸部と焼成品本体とを
一体化させるための焼成を行ない(焼成工程による)、
これによって本発明に係わる焼成品を作成するようにし
ている。
【0046】すなわち、本発明に示される焼成品の製造
方法では、印刷原版位置合わせ工程、印刷工程を経るこ
とによって、印刷原版とシート材とのずれを防止しつ
つ、該シート材上に印刷原版に応じた肉厚の凸部を印刷
することができ、更に、焼成工程を経ることによって、
シート材を介して、肉厚の凸部を陶器、磁器、ガラス製
品といった焼成品本体の表面に形成することができ、そ
の結果、従来には無い、全く新しいタイプの焼成品を得
ることが可能となる。また、上記焼成品の製造方法で
は、シート材上に凸部を印刷し、この凸部が印刷された
シート材を焼成品本体上に貼付するようにしているの
で、焼成品本体の形状に関係無く、該焼成品本体上に肉
厚の凸部を形成することが可能となる、例えば、焼成品
本体の表面が平面では無い湾曲した形状であっても、該
焼成品本体の表面に肉厚の凸部を印刷することができ、
これによっても多様なデザインの焼成品を得ることが可
能となる。
【0047】請求項2に記載される焼成品の製造方法に
おいては、貫通孔がインク浸透部として形成されている
印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせて、該印刷
原版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体
表面に密着させた後(印刷原版位置合わせ工程によ
る)、インクを印刷原版に擦り付けることにより、イン
ク浸透部を通じて前記焼成品本体上に印刷し(印刷工程
による)、その後、焼成品本体に印刷したインクを固化
させることにより、該焼成品本体上に凸部を形成し(イ
ンク固化工程による)、これによって本発明に係わる焼
成品を作成するようにしている。すなわち、本発明に示
される焼成品の製造方法では、印刷原版位置合わせ工
程、印刷工程、インク固化工程を順次経ることによっ
て、印刷原版と焼成品本体とのずれを防止しつつ、陶
器、磁器、ガラス製品といった焼焼成品本体上に、印刷
原版に応じた肉厚の凸部を直接印刷することができ、そ
の結果、従来には無い、全く新しいタイプの焼成品を得
ることが可能となる。
【0048】請求項3に記載される焼成品の製造方法に
おいては、貫通孔がインク浸透部として形成されている
印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせて、該印刷
原版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本体
表面に密着させた後(印刷原版位置合わせ工程によ
る)、インクを前記印刷原版に擦り付けることにより前
記インク浸透部を通じて前記焼成品本体上に印刷し(印
刷工程による)、その後、凸部が形成された焼成品本体
を焼成して、凸部と焼成品本体とを一体化させ(焼成工
程による)、これによって本発明に係わる焼成品を作成
するようにしている。すなわち、本発明に示される焼成
品の製造方法では、印刷原版位置合わせ工程、印刷工
程、焼成工程を順次経ることによって、印刷原版と焼成
品本体とのずれを防止しつつ、陶器、磁器、ガラス製品
といった焼焼成品本体上に、印刷原版に応じた肉厚の凸
部を直接形成することができ、その結果、従来には無
い、全く新しいタイプの焼成品を得ることが可能とな
る。
【0049】請求項4に記載される焼成品の製造方法に
おいては、印刷工程にて、印刷原版表面を摺動するスク
イージの往復動により、シート材又は焼成品本体の表面
にインクを擦り付けるようにしているので、シート材又
は焼成品本体へのインクの印刷が確実になされ、また、
このように印刷原版に対してスクイージを往復動させた
場合であっても、上述した印刷原版はシート材に圧着さ
れた状態で重なり合っているので、スクイージの往復動
の際に、印刷原版とシート材又は焼成品本体との間の面
方向のずれが防止されて、肉厚の凸部を鮮明に印刷する
ことが可能となる。
【0050】請求項5に記載される焼成品の製造方法に
おいては、印刷工程にて、着色されたインクを焼成品本
体上に印刷するようにしているので、このインクの色を
適宜調整することによって、陶器、磁器、ガラス製品と
いった焼焼成品本体上に、種々の色の凸部を形成するこ
とができ、この点においても、従来には無い、全く新し
いタイプの焼成品を得ることが可能となる。
【0051】請求項6に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体として陶器を使用することによっ
て、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイプの陶
器を得ることが可能となる。
【0052】請求項7に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体として磁器を使用することによっ
て、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイプの磁
器を得ることが可能となる。
【0053】請求項8に記載される焼成品の製造方法に
おいては、焼成品本体としてガラス製品を使用すること
によって、肉厚の凸部が表面に形成された、新しいタイ
プのガラス製品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼成品の製造方法の第1実施例を
示す図であって、シート材10の表面に印刷原版11を
吸着するための印刷原版位置合わせ工程を示す側断面図
である。
【図2】第1実施例における、シート材10上へのイン
ク14の印刷工程を示す側断面図である。
【図3】第1実施例についての図面であって、(a)焼
成品本体である陶器20上に、インク14を印刷したシ
ート材10を貼付した状態を示す図、(b)焼成工程を
経て作成された焼成品100を示す図。
【図4】本発明に係る焼成品の製造方法の第2実施例を
示す図であって、陶器21の表面に印刷原版11を吸着
するための印刷原版位置合わせ工程を示す側断面図であ
る。
【図5】第2実施例における、陶器21上へのインク1
4の印刷工程を示す側断面図である。
【図6】第2実施例において作成した焼成品101を示
す斜視図。
【図7】第2実施例において作成した焼成品102を示
す斜視図。
【符号の説明】 10 シート材 11 印刷原版 12 凸部 13 インク浸透部 14 インク 15 電磁石 16 スクイージ 20 陶器(焼成品本体) 21 陶器(焼成品本体) 22 ガラス板(焼成品本体) 100 焼成品 101 焼成品 102 焼成品

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔がインク浸透部として形成されて
    いる印刷原版を、シート材の表面に重ね合わせ、該印刷
    原版をシート材の裏側から磁力で吸着してシート材表面
    に密着させる印刷原版位置合わせ工程と、 インクを前記印刷原版に擦り付けることにより前記イン
    ク浸透部を通じて前記シート材上に凸部を印刷する印刷
    工程と、 凸部が形成されたシート材を、焼成品本体の上面に張り
    付けた後で、シート材を焼失させて、凸部と焼成品本体
    とを一体化させるための焼成を行う焼成工程と、からな
    る焼成品の製造方法。
  2. 【請求項2】 貫通孔がインク浸透部として形成されて
    いる印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせ、該印
    刷原版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本
    体表面に密着させる印刷原版位置合わせ工程と、 インクを前記印刷原版に擦り付けることにより前記イン
    ク浸透部を通じて前記焼成品本体上に印刷する印刷工程
    と、 焼成品本体に印刷したインクを固化させることにより、
    該焼成品本体上に凸部を形成するインク固化工程と、か
    らなる焼成品の製造方法。
  3. 【請求項3】 貫通孔がインク浸透部として形成されて
    いる印刷原版を、焼成品本体の表面に重ね合わせ、該印
    刷原版を焼成品本体の裏側から磁力で吸着して焼成品本
    体表面に密着させる印刷原版位置合わせ工程と、 インクを前記印刷原版に擦り付けることにより前記イン
    ク浸透部を通じて前記焼成品本体上に印刷する印刷工程
    と、 凸部が形成された焼成品本体を焼成して、凸部と焼成品
    本体とを一体化させる焼成工程と、からなる焼成品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記印刷工程では、インクの擦り付けが
    印刷原版表面を摺動するスクイージの往復動によりなさ
    れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    焼成品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記印刷工程では、着色されたインクを
    焼成品本体上に印刷することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の焼成品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼成品本体として陶器が使用されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    焼成品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼成品本体として磁器が使用されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいすれかに記載の
    焼成品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼成品本体としてガラス製品が使用
    されていることを特徴とする請求項1〜5のいすれかに
    記載の焼成品の製造方法。
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