JPH09143699A - 基材処理方法およびその装置 - Google Patents
基材処理方法およびその装置Info
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- JPH09143699A JPH09143699A JP7329601A JP32960195A JPH09143699A JP H09143699 A JPH09143699 A JP H09143699A JP 7329601 A JP7329601 A JP 7329601A JP 32960195 A JP32960195 A JP 32960195A JP H09143699 A JPH09143699 A JP H09143699A
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材に対する薄膜の密着性や表面改質作用を
低下させることなく、基材の尖った部分でのエッチング
現象を抑制する。 【解決手段】 アーク式蒸発源14の陰極16の前面近
傍のプラズマ生成部17と基材8との間に、プラズマ生
成部17で生成したプラズマ18中のイオンが基材8へ
向かう経路を遮るように、メッシュ状の中間電極24を
配置した。更に、この中間電極24の電位をプラズマ生
成部17の電位と基材8の電位との中間電位に保つ中間
電極電源26を設けた。
低下させることなく、基材の尖った部分でのエッチング
現象を抑制する。 【解決手段】 アーク式蒸発源14の陰極16の前面近
傍のプラズマ生成部17と基材8との間に、プラズマ生
成部17で生成したプラズマ18中のイオンが基材8へ
向かう経路を遮るように、メッシュ状の中間電極24を
配置した。更に、この中間電極24の電位をプラズマ生
成部17の電位と基材8の電位との中間電位に保つ中間
電極電源26を設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばイオンプ
レーティング、直流放電プラズマCVD、直流パルス電
圧印加イオン注入等の技術分野に属するものであって、
被処理物である基材に印加した負のバイアス電圧によっ
てプラズマ中のイオンを基材に向けて加速して、基材に
薄膜形成、イオン注入のような表面改質等の処理を施す
基材処理方法およびその装置に関し、より具体的には、
基材の尖った部分にイオンが集中してエッチング現象が
生じるのを抑制する手段に関する。
レーティング、直流放電プラズマCVD、直流パルス電
圧印加イオン注入等の技術分野に属するものであって、
被処理物である基材に印加した負のバイアス電圧によっ
てプラズマ中のイオンを基材に向けて加速して、基材に
薄膜形成、イオン注入のような表面改質等の処理を施す
基材処理方法およびその装置に関し、より具体的には、
基材の尖った部分にイオンが集中してエッチング現象が
生じるのを抑制する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の基材処理方法には、電子銃か
らの電子ビームによって蒸発材料を溶解させる電子銃溶
解型蒸発源を用いたイオンプレーティング、アーク放
電によって陰極を溶解させるアーク式蒸発源を用いたイ
オンプレーティング、直流放電型のプラズマCVD、
基材に直流パルス電圧を印加して周りのプラズマ中か
らイオンを引き出してそれを基材に注入する直流パルス
電圧印加イオン注入、等がある。
らの電子ビームによって蒸発材料を溶解させる電子銃溶
解型蒸発源を用いたイオンプレーティング、アーク放
電によって陰極を溶解させるアーク式蒸発源を用いたイ
オンプレーティング、直流放電型のプラズマCVD、
基材に直流パルス電圧を印加して周りのプラズマ中か
らイオンを引き出してそれを基材に注入する直流パルス
電圧印加イオン注入、等がある。
【0003】これらの方法は、いずれも、真空容器内の
プラズマ生成部でプラズマを生成し、基材に印加した負
のバイアス電圧によってこのプラズマ中のイオンを基材
に向けて加速して、基材の表面に密着性の良い薄膜を形
成したり、基材の表面にイオン注入等の表面改質処理を
施すものである。
プラズマ生成部でプラズマを生成し、基材に印加した負
のバイアス電圧によってこのプラズマ中のイオンを基材
に向けて加速して、基材の表面に密着性の良い薄膜を形
成したり、基材の表面にイオン注入等の表面改質処理を
施すものである。
【0004】一例として、上記のイオンプレーティン
グによる基材処理装置の例を図5に示す。この装置は、
図示しない真空排気装置によって真空排気される真空容
器2と、この真空容器2内に設けられていて被処理物で
ある基材8を保持するホルダ10と、この基材8に向く
ように真空容器2の壁面に取り付けられたアーク式蒸発
源14とを備えている。真空容器2内には、必要に応じ
て、図示しないガス源から、不活性ガス、反応ガス等の
ガス6が導入される。
グによる基材処理装置の例を図5に示す。この装置は、
図示しない真空排気装置によって真空排気される真空容
器2と、この真空容器2内に設けられていて被処理物で
ある基材8を保持するホルダ10と、この基材8に向く
ように真空容器2の壁面に取り付けられたアーク式蒸発
源14とを備えている。真空容器2内には、必要に応じ
て、図示しないガス源から、不活性ガス、反応ガス等の
ガス6が導入される。
【0005】アーク式蒸発源14は、所要の金属または
合金から成る陰極16を有していて、それと陽極兼用の
真空容器2との間のアーク放電によって陰極16を局部
的に溶解させて陰極物質を蒸発させるものである。この
とき、陰極16の前面近傍には、イオン化した陰極物質
を含むプラズマ18が生成される。即ち、陰極16の前
面近傍がプラズマ生成部17となる。陰極16と真空容
器2との間には、直流のアーク電源20から、前者を負
側にしてアーク放電電圧V1 が供給される。このアーク
放電電圧V1 の大きさは、例えば数十V〜数百V程度で
ある。なお、アーク起動用のトリガ電極等は図示を省略
している。
合金から成る陰極16を有していて、それと陽極兼用の
真空容器2との間のアーク放電によって陰極16を局部
的に溶解させて陰極物質を蒸発させるものである。この
とき、陰極16の前面近傍には、イオン化した陰極物質
を含むプラズマ18が生成される。即ち、陰極16の前
面近傍がプラズマ生成部17となる。陰極16と真空容
器2との間には、直流のアーク電源20から、前者を負
側にしてアーク放電電圧V1 が供給される。このアーク
放電電圧V1 の大きさは、例えば数十V〜数百V程度で
ある。なお、アーク起動用のトリガ電極等は図示を省略
している。
【0006】ホルダ10およびそれに保持された基材8
には、直流のバイアス電源22から、真空容器2の電位
(この例では接地電位)を基準にして負のバイアス電圧
V2が印加される。このバイアス電圧V2 の大きさは、
例えば数百V〜数kV程度である。
には、直流のバイアス電源22から、真空容器2の電位
(この例では接地電位)を基準にして負のバイアス電圧
V2が印加される。このバイアス電圧V2 の大きさは、
例えば数百V〜数kV程度である。
【0007】処理に際しては、真空容器2内を例えば1
0-6Torr程度に排気した後、真空容器2内に所要の
ガス6を導入し、そして基材8に前記のような負のバイ
アス電圧V2 を印加した状態で、アーク式蒸発源14に
おいてアーク放電を行わせる。それによって、陰極16
から陰極物質が蒸発させられると共に、陰極16の前面
近傍にアーク放電によるプラズマ18が生成される。そ
してこのプラズマ18中のイオンが、負のバイアス電圧
V2 が印加された基材8に引き付けられて入射堆積し、
その表面に陰極物質から成る薄膜が形成される。ガス6
が反応ガスの場合は、それと陰極物質とが化合した化合
物薄膜が形成される。このようにして形成される薄膜
は、バイアス電圧V2 によるイオンの加速を利用するの
で、基材8に対する密着性が高い。
0-6Torr程度に排気した後、真空容器2内に所要の
ガス6を導入し、そして基材8に前記のような負のバイ
アス電圧V2 を印加した状態で、アーク式蒸発源14に
おいてアーク放電を行わせる。それによって、陰極16
から陰極物質が蒸発させられると共に、陰極16の前面
近傍にアーク放電によるプラズマ18が生成される。そ
してこのプラズマ18中のイオンが、負のバイアス電圧
V2 が印加された基材8に引き付けられて入射堆積し、
その表面に陰極物質から成る薄膜が形成される。ガス6
が反応ガスの場合は、それと陰極物質とが化合した化合
物薄膜が形成される。このようにして形成される薄膜
は、バイアス電圧V2 によるイオンの加速を利用するの
で、基材8に対する密着性が高い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した各基材処理方
法は、基材に印加した負のバイアス電圧によってプラズ
マ中のイオンを基材に向けて加速して、基材に薄膜形成
等の処理を施すものであるため、密着性の良い薄膜を形
成することができる等の利点を有しているけれども、基
材に印加したバイアス電圧によって、基材の尖った部分
に電界が集中し、それによってプラズマ中のイオンが当
該尖った部分に集中して入射するため、この入射イオン
によって、基材の尖った部分にエッチング現象が生じる
という問題がある。これが生じると、例えば、基材の尖
った部分だけ薄膜が形成されなくなる。また、基材の尖
った部分に小さな(例えば大きさが数μm程度の)凹凸
が生じる。
法は、基材に印加した負のバイアス電圧によってプラズ
マ中のイオンを基材に向けて加速して、基材に薄膜形成
等の処理を施すものであるため、密着性の良い薄膜を形
成することができる等の利点を有しているけれども、基
材に印加したバイアス電圧によって、基材の尖った部分
に電界が集中し、それによってプラズマ中のイオンが当
該尖った部分に集中して入射するため、この入射イオン
によって、基材の尖った部分にエッチング現象が生じる
という問題がある。これが生じると、例えば、基材の尖
った部分だけ薄膜が形成されなくなる。また、基材の尖
った部分に小さな(例えば大きさが数μm程度の)凹凸
が生じる。
【0009】より具体例を挙げると、例えば刃物や工具
類に耐摩耗性薄膜を被覆したり表面硬化処理を施したり
する場合、その基材の刃先や稜線部だけ薄膜が形成され
なかったり、当該稜線部等に凹凸が生じたりするので、
所望の良好な処理を施すことができない。
類に耐摩耗性薄膜を被覆したり表面硬化処理を施したり
する場合、その基材の刃先や稜線部だけ薄膜が形成され
なかったり、当該稜線部等に凹凸が生じたりするので、
所望の良好な処理を施すことができない。
【0010】基材に印加するバイアス電圧を小さくすれ
ば、イオンの加速エネルギーが小さくなる等の理由によ
って、上記エッチング現象を緩和することはできるけれ
ども、そのようにすれば、イオンの加速エネルギーが小
さくなるので、薄膜の密着性が低下したり、当該イオン
による表面改質作用が低下したりする。
ば、イオンの加速エネルギーが小さくなる等の理由によ
って、上記エッチング現象を緩和することはできるけれ
ども、そのようにすれば、イオンの加速エネルギーが小
さくなるので、薄膜の密着性が低下したり、当該イオン
による表面改質作用が低下したりする。
【0011】そこでこの発明は、基材に対する薄膜の密
着性や表面改質作用を低下させることなく、基材の尖っ
た部分でのエッチング現象を抑制することができる基材
処理方法およびその装置を提供することを主たる目的と
する。
着性や表面改質作用を低下させることなく、基材の尖っ
た部分でのエッチング現象を抑制することができる基材
処理方法およびその装置を提供することを主たる目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の基材処理方法
は、前記プラズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成
部で生成したプラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を
遮るようにメッシュ状の中間電極を配置し、この中間電
極の電位をプラズマ生成部の電位と基材の電位との中間
電位に保って基材を処理することを特徴とする。
は、前記プラズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成
部で生成したプラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を
遮るようにメッシュ状の中間電極を配置し、この中間電
極の電位をプラズマ生成部の電位と基材の電位との中間
電位に保って基材を処理することを特徴とする。
【0013】また、この発明は基材処理装置は、前記プ
ラズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成部で生成し
たプラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を遮るように
メッシュ状の中間電極を配置し、かつ、この中間電極の
電位をプラズマ生成部の電位と基材の電位との中間電位
に保つ中間電極電源を設けたことを特徴とする。
ラズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成部で生成し
たプラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を遮るように
メッシュ状の中間電極を配置し、かつ、この中間電極の
電位をプラズマ生成部の電位と基材の電位との中間電位
に保つ中間電極電源を設けたことを特徴とする。
【0014】上記のような中間電位の中間電極を設けて
も、プラズマ生成部で生成したプラズマ中のイオンが基
材へ向けて加速される加速エネルギーは、プラズマ生成
部と基材との間の電位差によって決まるので、当該イオ
ンの加速エネルギーは低下しない。従って、基材に対す
る薄膜の密着性や表面改質作用は低下しない。
も、プラズマ生成部で生成したプラズマ中のイオンが基
材へ向けて加速される加速エネルギーは、プラズマ生成
部と基材との間の電位差によって決まるので、当該イオ
ンの加速エネルギーは低下しない。従って、基材に対す
る薄膜の密着性や表面改質作用は低下しない。
【0015】一方、中間電極と基材との間の領域での電
界強度は、中間電極と基材との間の電位差を両者間の距
離で割った値で決まるので、上記のような中間電位の中
間電極を設けることによって、基材近傍での電界強度は
小さくなる。従ってその分、基材の尖った部分への電界
集中が緩和されるので、当該尖った部分でのエッチング
現象が抑制される。
界強度は、中間電極と基材との間の電位差を両者間の距
離で割った値で決まるので、上記のような中間電位の中
間電極を設けることによって、基材近傍での電界強度は
小さくなる。従ってその分、基材の尖った部分への電界
集中が緩和されるので、当該尖った部分でのエッチング
現象が抑制される。
【0016】以上の結果、基材に対する薄膜の密着性や
表面改質作用を低下させることなく、基材の尖った部分
でのエッチング現象を抑制することができる。
表面改質作用を低下させることなく、基材の尖った部分
でのエッチング現象を抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る基材処理
装置の一例を示す断面図である。この装置は、アーク式
蒸発源を用いたイオンプレーティング装置の一種であ
り、図5に示した従来例に対応している。図5の従来例
と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下に
おいては当該従来例との相違点を主に説明する。
装置の一例を示す断面図である。この装置は、アーク式
蒸発源を用いたイオンプレーティング装置の一種であ
り、図5に示した従来例に対応している。図5の従来例
と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下に
おいては当該従来例との相違点を主に説明する。
【0018】この実施例においては、前述したアーク式
蒸発源14の陰極16の前面近傍のプラズマ生成部17
と基材8との間に、プラズマ生成部17で生成したプラ
ズマ18中のイオンが基材8へ向かう経路を遮るよう
に、即ちプラズマ生成部17から基材8が直接見通せな
いように、メッシュ状(網目状)の中間電極24を配置
している。
蒸発源14の陰極16の前面近傍のプラズマ生成部17
と基材8との間に、プラズマ生成部17で生成したプラ
ズマ18中のイオンが基材8へ向かう経路を遮るよう
に、即ちプラズマ生成部17から基材8が直接見通せな
いように、メッシュ状(網目状)の中間電極24を配置
している。
【0019】この中間電極24全体の形状は、この例で
は平板状であるが、その他の形状、例えば円筒等の筒
状、更には円筒や球の一部分のような形状等でも良い。
は平板状であるが、その他の形状、例えば円筒等の筒
状、更には円筒や球の一部分のような形状等でも良い。
【0020】更に、この中間電極24に中間電圧V3 を
印加して、この中間電極24の電位を、プラズマ生成部
17の電位と基材8との電位との中間電位に保つ中間電
極電源26を設けている。プラズマ生成部17の電位
は、陰極16の前面近傍におけるプラズマ18中の電圧
降下等を無視すれば、陰極16の電位にほぼ等しいの
で、この例では、中間電極電源26から出力する中間電
圧V3 によって、中間電極24の電位を、陰極16の電
位と基材8の電位との間の負電位に保つようにしてい
る。より具体的にはこの例では、中間電極電源26から
中間電極24に、基材8に印加するバイアス電圧V2 よ
りも絶対値の小さい負の中間電圧V3 を印加するように
している。
印加して、この中間電極24の電位を、プラズマ生成部
17の電位と基材8との電位との中間電位に保つ中間電
極電源26を設けている。プラズマ生成部17の電位
は、陰極16の前面近傍におけるプラズマ18中の電圧
降下等を無視すれば、陰極16の電位にほぼ等しいの
で、この例では、中間電極電源26から出力する中間電
圧V3 によって、中間電極24の電位を、陰極16の電
位と基材8の電位との間の負電位に保つようにしてい
る。より具体的にはこの例では、中間電極電源26から
中間電極24に、基材8に印加するバイアス電圧V2 よ
りも絶対値の小さい負の中間電圧V3 を印加するように
している。
【0021】上記のような中間電位の中間電極24を設
けても、プラズマ生成部17で生成したプラズマ18中
のイオンが基材8へ向けて加速される加速エネルギー
は、プラズマ生成部17と基材8との間の電位差、即ち
この例では陰極16と基材8との間の電位差|V2 −V
1 |によって決まるので、当該イオンの加速エネルギー
は低下しない。即ち、中間電極24を設けていない図5
に示した従来例の場合と同じである。従って、基材8に
対する薄膜の密着性や表面改質作用は低下しない。
けても、プラズマ生成部17で生成したプラズマ18中
のイオンが基材8へ向けて加速される加速エネルギー
は、プラズマ生成部17と基材8との間の電位差、即ち
この例では陰極16と基材8との間の電位差|V2 −V
1 |によって決まるので、当該イオンの加速エネルギー
は低下しない。即ち、中間電極24を設けていない図5
に示した従来例の場合と同じである。従って、基材8に
対する薄膜の密着性や表面改質作用は低下しない。
【0022】一方、中間電極24と基材8との間の領域
での電界強度は、中間電極24と基材8との間の電位差
|V2 −V3 |を両者間の距離で割った値で決まるの
で、上記のような中間電位の中間電極24を設けること
によって、基材近傍の電界強度は小さくなる。これを詳
述すると、図5に示した従来例の場合、その線A−A上
での電位分布は例えば図6に示すようになり、基材8の
近傍での電界強度E1 は、陰極16と基材8との間の電
位差|V2 −V1 |を両者間の距離で割った値となる。
これに対して、この実施例の場合は、その線A−A上で
の電位分布は例えば図2に示すようになり、基材8の近
傍での電界強度E2 は、中間電極24と基材8との間の
電位差|V2 −V3 |を両者間の距離で割った値とな
る。図2中に参照用として、図6の場合の電界強度E1
を2点鎖線で示しているが、中間電極24の電位を上記
のような中間電位にすることによって、必ずE1 >E2
になる。従ってこの実施例では、基材近傍での電界強度
が小さくなる分、基材8の尖った部分への電界集中が緩
和され、それによってプラズマ18中のイオンが当該尖
った部分に集中して入射することも緩和されるので、当
該尖った部分でのエッチング現象が抑制される。
での電界強度は、中間電極24と基材8との間の電位差
|V2 −V3 |を両者間の距離で割った値で決まるの
で、上記のような中間電位の中間電極24を設けること
によって、基材近傍の電界強度は小さくなる。これを詳
述すると、図5に示した従来例の場合、その線A−A上
での電位分布は例えば図6に示すようになり、基材8の
近傍での電界強度E1 は、陰極16と基材8との間の電
位差|V2 −V1 |を両者間の距離で割った値となる。
これに対して、この実施例の場合は、その線A−A上で
の電位分布は例えば図2に示すようになり、基材8の近
傍での電界強度E2 は、中間電極24と基材8との間の
電位差|V2 −V3 |を両者間の距離で割った値とな
る。図2中に参照用として、図6の場合の電界強度E1
を2点鎖線で示しているが、中間電極24の電位を上記
のような中間電位にすることによって、必ずE1 >E2
になる。従ってこの実施例では、基材近傍での電界強度
が小さくなる分、基材8の尖った部分への電界集中が緩
和され、それによってプラズマ18中のイオンが当該尖
った部分に集中して入射することも緩和されるので、当
該尖った部分でのエッチング現象が抑制される。
【0023】以上の結果、この実施例によれば、基材8
に対する薄膜の密着性等を低下させることなく、基材8
の尖った部分でのエッチング現象を抑制することができ
る。従って例えば、刃物や工具類の刃先や稜線部にも、
他の部分と同じように、耐摩耗性膜等の所望の膜を被覆
する、しかも密着性良く被覆することができる。
に対する薄膜の密着性等を低下させることなく、基材8
の尖った部分でのエッチング現象を抑制することができ
る。従って例えば、刃物や工具類の刃先や稜線部にも、
他の部分と同じように、耐摩耗性膜等の所望の膜を被覆
する、しかも密着性良く被覆することができる。
【0024】次に、より具体的な実施例を幾つか説明す
る。
る。
【0025】〈実施例1〉図5に示した従来の装置にお
いて、陰極16をTiとして、これにアーク放電電圧V
1 として−40Vを印加し、一方、基材8にバイアス電
圧V2 として−900Vを印加し、真空容器2内にガス
6として窒素ガスを導入して、稜線部(エッジ部)を有
する基材8の表面にTiN膜を形成したところ、稜線部
近傍のTiN膜には数μm程度の大きさのエッチングが
生じていることが確認された。
いて、陰極16をTiとして、これにアーク放電電圧V
1 として−40Vを印加し、一方、基材8にバイアス電
圧V2 として−900Vを印加し、真空容器2内にガス
6として窒素ガスを導入して、稜線部(エッジ部)を有
する基材8の表面にTiN膜を形成したところ、稜線部
近傍のTiN膜には数μm程度の大きさのエッチングが
生じていることが確認された。
【0026】一方、図1に示した実施例の装置におい
て、ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を配置
し、これに中間電圧V3 として−600Vを印加して、
上記と同様にしてTiN膜を基材8の表面に形成した。
その結果、基材8の稜線部近傍においてもTiN膜にエ
ッチングが生じていないことが確認された。
て、ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を配置
し、これに中間電圧V3 として−600Vを印加して、
上記と同様にしてTiN膜を基材8の表面に形成した。
その結果、基材8の稜線部近傍においてもTiN膜にエ
ッチングが生じていないことが確認された。
【0027】また、TiN膜の基材8に対する密着性を
引っかき試験法で調べたところ、従来例の装置によるも
のと実施例の装置によるものとで特に差はなかった。
引っかき試験法で調べたところ、従来例の装置によるも
のと実施例の装置によるものとで特に差はなかった。
【0028】〈実施例2〉従来例として、図5に示した
のとほぼ同様の装置において、陰極16をTiとして、
これにアーク放電電圧V1 として−40Vを印加し、一
方、基材8にバイアス電圧V2 として、20μsecの
オンオフ周期を持つ−35kVの直流パルス電圧を印加
して、このパルス電圧によって基材近傍のプラズマ中か
らTiイオンを基材8に向けて加速して、稜線部を有す
る基材8の表面にTiを注入した。そして、Tiが注入
された基材8の稜線部近傍を観察したところ、大きさが
5μm程度の凹凸が観察され、エッチング現象が生じて
いることが確認された。
のとほぼ同様の装置において、陰極16をTiとして、
これにアーク放電電圧V1 として−40Vを印加し、一
方、基材8にバイアス電圧V2 として、20μsecの
オンオフ周期を持つ−35kVの直流パルス電圧を印加
して、このパルス電圧によって基材近傍のプラズマ中か
らTiイオンを基材8に向けて加速して、稜線部を有す
る基材8の表面にTiを注入した。そして、Tiが注入
された基材8の稜線部近傍を観察したところ、大きさが
5μm程度の凹凸が観察され、エッチング現象が生じて
いることが確認された。
【0029】一方、実施例として、図1に示したのとほ
ぼ同様の装置において、ステンレス製のメッシュ状の中
間電極24を配置し、これに中間電圧V3 として−1k
Vを印加して、上記従来例と同様にしてTiを基材8の
表面に注入した。その結果、基材8の稜線部近傍におい
てもエッチングが生じていないことが確認された。ま
た、注入による基材8の表面処理効果は、いずれの場合
も同程度であった。
ぼ同様の装置において、ステンレス製のメッシュ状の中
間電極24を配置し、これに中間電圧V3 として−1k
Vを印加して、上記従来例と同様にしてTiを基材8の
表面に注入した。その結果、基材8の稜線部近傍におい
てもエッチングが生じていないことが確認された。ま
た、注入による基材8の表面処理効果は、いずれの場合
も同程度であった。
【0030】〈実施例3〉図3は、直流プラズマCVD
装置の一種であり、真空容器2内に原料のガス6を適当
な圧力になるように導入すると共に、ホルダ10と真空
容器2間にバイアス電源22から適当なバイアス電圧V
2 を印加すると、両者間で直流放電が生じてプラズマ2
8が生成され、これによって原料ガスが分解されて基材
8の表面に薄膜が形成される。即ちこの例では、ホルダ
10と真空容器2との中間部分がプラズマ生成部27と
なる。
装置の一種であり、真空容器2内に原料のガス6を適当
な圧力になるように導入すると共に、ホルダ10と真空
容器2間にバイアス電源22から適当なバイアス電圧V
2 を印加すると、両者間で直流放電が生じてプラズマ2
8が生成され、これによって原料ガスが分解されて基材
8の表面に薄膜が形成される。即ちこの例では、ホルダ
10と真空容器2との中間部分がプラズマ生成部27と
なる。
【0031】従来例として、中間電極24を設けていな
いこのような装置を用いて、真空容器2内に原料として
TiCl4 、AlCl3 、NH3 およびN2 ガスを導入
して、超硬合金から成り稜線部を有する基材8にバイア
ス電圧V2 として−400V印加して、基材8の表面に
TiAlN膜を形成した。そして、この基材8の稜線部
を観察したところ、大きさが1〜2μm程度の凹凸が観
察され、エッチング現象が生じていることが確認され
た。
いこのような装置を用いて、真空容器2内に原料として
TiCl4 、AlCl3 、NH3 およびN2 ガスを導入
して、超硬合金から成り稜線部を有する基材8にバイア
ス電圧V2 として−400V印加して、基材8の表面に
TiAlN膜を形成した。そして、この基材8の稜線部
を観察したところ、大きさが1〜2μm程度の凹凸が観
察され、エッチング現象が生じていることが確認され
た。
【0032】一方、実施例として、図3に示すように、
ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を基材8の周
りを覆うようにして配置して、これに中間電極電源26
から中間電圧V3 として−200Vを印加して、上記と
同様にしてTiAlN膜を基材8の表面に形成した。そ
の結果、基材8の稜線部付近においてTiAlN膜にエ
ッチングが生じていないことが確認された。また、膜の
基材8に対する密着性は、引っかき試験法による測定で
は、従来例の場合と特に差は認められなかった。
ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を基材8の周
りを覆うようにして配置して、これに中間電極電源26
から中間電圧V3 として−200Vを印加して、上記と
同様にしてTiAlN膜を基材8の表面に形成した。そ
の結果、基材8の稜線部付近においてTiAlN膜にエ
ッチングが生じていないことが確認された。また、膜の
基材8に対する密着性は、引っかき試験法による測定で
は、従来例の場合と特に差は認められなかった。
【0033】〈実施例4〉図4は、電子銃溶解型蒸発源
を用いたイオンプレーティング装置の一種であり、真空
容器2内に、蒸発材料32を収納した蒸発源30を設置
し、その上方のホローカソード電子銃34からの電子ビ
ーム36を蒸発材料32に照射してそれを溶解させる。
このとき、溶解した蒸発材料32は電子ビーム36に叩
かれてイオン化しやすく、そのようなイオンを含むプラ
ズマ38が蒸発源30の上方近傍に生成される。即ちこ
の例では、蒸発源30の上方近傍がプラズマ生成部37
となる。そしてこのプラズマ38中のイオンが、バイア
ス電源22から負のバイアス電圧V2 が印加された基材
8に向けて加速され、基材8の表面に薄膜が形成され
る。真空容器2内に反応性のガス6を導入しておくと、
基材8の表面に化合物薄膜が形成される。なお、基材8
を保持したホルダ10を、蒸発源30の周りを回転させ
るようにする場合もあるが、この例ではそのようにして
いない。
を用いたイオンプレーティング装置の一種であり、真空
容器2内に、蒸発材料32を収納した蒸発源30を設置
し、その上方のホローカソード電子銃34からの電子ビ
ーム36を蒸発材料32に照射してそれを溶解させる。
このとき、溶解した蒸発材料32は電子ビーム36に叩
かれてイオン化しやすく、そのようなイオンを含むプラ
ズマ38が蒸発源30の上方近傍に生成される。即ちこ
の例では、蒸発源30の上方近傍がプラズマ生成部37
となる。そしてこのプラズマ38中のイオンが、バイア
ス電源22から負のバイアス電圧V2 が印加された基材
8に向けて加速され、基材8の表面に薄膜が形成され
る。真空容器2内に反応性のガス6を導入しておくと、
基材8の表面に化合物薄膜が形成される。なお、基材8
を保持したホルダ10を、蒸発源30の周りを回転させ
るようにする場合もあるが、この例ではそのようにして
いない。
【0034】従来例として、中間電極24を設けていな
いこのような装置を用いて、蒸発材料32をTiとし、
ガス6として窒素ガスを導入して、基材8にバイアス電
圧V2 として−1kVを印加して、稜線部を有する基材
8の表面にTiN膜を形成した。そして、この基材8の
稜線部を観察したところ、大きさが1μm程度の凹凸が
観察され、エッチング現象が生じていることが確認され
た。
いこのような装置を用いて、蒸発材料32をTiとし、
ガス6として窒素ガスを導入して、基材8にバイアス電
圧V2 として−1kVを印加して、稜線部を有する基材
8の表面にTiN膜を形成した。そして、この基材8の
稜線部を観察したところ、大きさが1μm程度の凹凸が
観察され、エッチング現象が生じていることが確認され
た。
【0035】一方、実施例として、図4に示すように、
ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を蒸発源30
と基材8との間に配置して、これに中間電極電源26か
ら中間電圧V3 として−500Vを印加して、上記と同
様にしてTiN膜を基材8の表面に形成した。その結
果、基材8の稜線部近傍においてTiN膜にエッチング
は全く認められなかった。また、膜の基材8に対する密
着性は、引っかき試験法による測定では、従来例の場合
と特に差は認められなかった。
ステンレス製のメッシュ状の中間電極24を蒸発源30
と基材8との間に配置して、これに中間電極電源26か
ら中間電圧V3 として−500Vを印加して、上記と同
様にしてTiN膜を基材8の表面に形成した。その結
果、基材8の稜線部近傍においてTiN膜にエッチング
は全く認められなかった。また、膜の基材8に対する密
着性は、引っかき試験法による測定では、従来例の場合
と特に差は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、上記の
ような中間電位の中間電極を設けたことによって、プラ
ズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオンが基材へ向
けて加速される加速エネルギーを低下させることなく、
中間電極と基材との間の領域での電界強度を小さくし
て、基材の尖った部分への電界集中を緩和することがで
きる。その結果、基材に対する薄膜の密着性や表面改質
作用を低下させることなく、基材の尖った部分でのエッ
チング現象を抑制することができる。従って例えば、刃
物や工具類の稜線部にも、エッチングによる凹凸のない
良好な処理を施すことができる。
ような中間電位の中間電極を設けたことによって、プラ
ズマ生成部で生成されたプラズマ中のイオンが基材へ向
けて加速される加速エネルギーを低下させることなく、
中間電極と基材との間の領域での電界強度を小さくし
て、基材の尖った部分への電界集中を緩和することがで
きる。その結果、基材に対する薄膜の密着性や表面改質
作用を低下させることなく、基材の尖った部分でのエッ
チング現象を抑制することができる。従って例えば、刃
物や工具類の稜線部にも、エッチングによる凹凸のない
良好な処理を施すことができる。
【図1】この発明に係る基材処理装置の一例を示す断面
図である。
図である。
【図2】図1中の線A−A上での電位分布の一例を示す
図である。
図である。
【図3】この発明に係る基材処理装置の他の例を示す断
面図である。
面図である。
【図4】この発明に係る基材処理装置の更に他の例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】従来の基材処理装置の一例を示す断面図であ
る。
る。
【図6】図5中の線A−A上での電位分布の一例を示す
図である。
図である。
2 真空容器 8 基材 10 ホルダ 14 アーク式蒸発源 17 プラズマ生成部 18 プラズマ 20 アーク電源 22 バイアス電源 24 中間電極 26 中間電極電源 27 プラズマ生成部 28 プラズマ 30 蒸発源 37 プラズマ生成部 38 プラズマ
Claims (2)
- 【請求項1】 真空容器内のプラズマ生成部でプラズマ
を生成し、基材に印加した負のバイアス電圧によってこ
のプラズマ中のイオンを基材に向けて加速して基材に薄
膜形成等の処理を施す基材処理方法において、前記プラ
ズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成部で生成した
プラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を遮るようにメ
ッシュ状の中間電極を配置し、この中間電極の電位をプ
ラズマ生成部の電位と基材の電位との中間電位に保って
基材を処理することを特徴とする基材処理方法。 - 【請求項2】 真空容器内のプラズマ生成部でプラズマ
を生成し、基材に印加した負のバイアス電圧によってこ
のプラズマ中のイオンを基材に向けて加速して基材に薄
膜形成等の処理を施す基材処理装置において、前記プラ
ズマ生成部と基材との間に、プラズマ生成部で生成した
プラズマ中のイオンが基材へ向かう経路を遮るようにメ
ッシュ状の中間電極を配置し、かつ、この中間電極の電
位をプラズマ生成部の電位と基材の電位との中間電位に
保つ中間電極電源を設けたことを特徴とする基材処理装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7329601A JPH09143699A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 基材処理方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7329601A JPH09143699A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 基材処理方法およびその装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09143699A true JPH09143699A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=18223180
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7329601A Pending JPH09143699A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 基材処理方法およびその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09143699A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7157359B2 (en) | 2000-12-29 | 2007-01-02 | Hynix Semiconductor Inc. | Method of forming a metal gate in a semiconductor device using atomic layer deposition process |
-
1995
- 1995-11-24 JP JP7329601A patent/JPH09143699A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7157359B2 (en) | 2000-12-29 | 2007-01-02 | Hynix Semiconductor Inc. | Method of forming a metal gate in a semiconductor device using atomic layer deposition process |
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