JPH09143769A - 表面の美麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方法 - Google Patents

表面の美麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方法

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JPH09143769A
JPH09143769A JP30016495A JP30016495A JPH09143769A JP H09143769 A JPH09143769 A JP H09143769A JP 30016495 A JP30016495 A JP 30016495A JP 30016495 A JP30016495 A JP 30016495A JP H09143769 A JPH09143769 A JP H09143769A
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    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、酸洗→水洗を施して純チタンまたはチ
タン合金の汚染層の除去を行っていたが、この場合に表
面斑を生じるという問題があった。そこで本発明は、生
産性の低下やコストの高騰を招くことなく、表面の斑を
防止した美麗な純チタンまたはチタン合金材を得る方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 純チタンまたはチタン合金に対して、酸
洗液が15mm/秒以上の流速で接する様にして酸洗す
る。また、酸洗の後、前記純チタンまたはチタン合金が
乾燥する以前に、水洗を行う。或いは、上記酸洗の後、
3重量%以上の過酸化水素水溶液により純チタンまたは
チタン合金を処理し、その後水洗する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の美麗な純チ
タンまたはチタン合金材(以下、チタン材料と総称する
ことがある)を製造する方法に関するものであり、特
に、表面の審美性が強く要求される分野に利用されるこ
との多い純チタンまたはチタン合金展伸材を製造するに
あたり有用である。尚、本明細書において、酸洗前のも
のを純チタンまたはチタン合金と称し、酸洗後のものを
純チタンまたはチタン合金材(若しくはチタン材料)と
称している。
【0002】
【従来の技術】圧延工程等における加熱や塑性加工後の
焼鈍によって、チタン材料の表面には酸化物等の汚染層
が形成されるが、この表面汚染層を除去する方法とし
て、研磨等の機械的除去方法の他、酸により洗浄除去す
る方法(酸洗)が行われている。該酸洗は、10%程度
の硝酸と5%程度のフッ酸を含有する水溶液(硝フッ酸
液)に上記チタン材料を浸漬し、その後水洗するという
方法である。これらの方法によってチタン材料の汚染層
が除去され、二次加工時における成形性及び機械的性質
や耐食性等の品質を保っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のチタン材料は、
化学,電力といった分野で利用されており、従って上記
従来の除去方法を施した程度のチタン材料であっても、
支障なく用いることができた。しかし、上記従来の方法
では、チタン材料表面に、部分的な光沢の違いや着色に
よる斑がしばしば生じる為、近年、表面の美麗さが一層
強く要求される建材や看板等に用いられ始めるに至って
問題視される様になってきた。
【0004】そこで、上記酸洗を綺麗な表面が得られる
まで2度,3度と繰り返し行うという方法が考えられた
が、この場合は生産性が非常に低下し、またコストが高
くなるといった問題がある。
【0005】本発明は以上の様な問題に鑑みてなされた
もので、生産性の低下やコストの高騰を招くことなく、
表面の斑を防止した美麗なチタン材料を得る方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチタン材料
の製造方法は、純チタンまたはチタン合金に対して、前
記酸洗液が15mm/秒以上の流速で接する様にして酸洗
することを要旨とする(以下、方法と称することがあ
る)。更に、前記酸洗が純チタンまたはチタン合金の5
μm以上の深さに及ぶものであることが望ましい。
【0007】また本発明に係る製造方法は、純チタンま
たはチタン合金を酸洗液を用いて酸洗した後水洗する方
法において、前記酸洗の後、前記純チタンまたはチタン
合金が乾燥する以前に、前記水洗を行うことを要旨とす
る(以下、方法と称することがある)。
【0008】或いは、同じく純チタンまたはチタン合金
を酸洗液を用いて酸洗した後水洗する方法において、前
記酸洗の後、3重量%以上の過酸化水素水溶液により前
記純チタンまたはチタン合金を処理し、その後水洗する
ことを要旨とする(以下、方法と称することがあ
る)。
【0009】更に、純チタンまたはチタン合金に酸洗液
を15mm/秒以上の流速で接するようにして酸洗した
後、前記純チタンまたはチタン合金が乾燥する以前に、
水洗を行うことが好ましい(方法+方法)。或い
は、15mm/秒以上の流速を持つ酸洗液により純チタン
またはチタン合金の酸洗を行った後、3重量%以上の過
酸化水素水溶液により前記純チタンまたはチタン合金を
処理し、その後水洗することが好ましい(方法+方法
)。加えて、これらの酸洗の量が、前記純チタンまた
はチタン合金の5μm以上の深さに及ぶものであること
がより好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】純チタンまたはチタン合金材の表
面斑の発生原因を解明すべく鋭意研究したところ、表面
の斑は光沢の違いによるものと着色によるものとに大分
することができ、このうち光沢の違いによる斑について
は、酸洗液に純チタンまたはチタン合金(以下、被酸洗
材と総称することがある)を浸漬した際に、被酸洗材の
部位によって酸洗速度に差を生じ、この為光沢に差を生
じて斑となることが分かった。酸洗液に被酸洗材を徐々
に浸漬した場合には、先に浸漬された部分と後に浸漬さ
れた部分とに、酸洗速度の差を生じることは当然である
が、たとえ被酸洗材を酸洗液に均等に浸漬する様にして
も、上記斑を起こす酸洗速度の差が生じるものであっ
た。
【0011】上記酸洗速度の差の原因としては、酸洗反
応時に発生する気泡によって反応が妨げられることが考
えられ、また浸漬初期における浴中の酸洗液の微妙な濃
度斑が、酸洗反応が進むにつれて濃淡の大きな濃度斑と
なり、被酸洗材の部位によって不均一な反応速度となる
こと等が考えられる。
【0012】本発明の方法においては、被酸洗材を酸
洗液に浸漬して酸洗する際に、被酸洗材の表面に対して
酸洗液を流動させる様にしたから、該被酸洗材から発生
した気泡が液流れによって剥離し、また上述の様な酸洗
液の濃度斑が撹拌によって軽減する等の影響もあり、こ
れらによって被酸洗材の表面における酸洗反応が全体的
に均一化されて進行することになり、光沢の違いによる
表面の斑が肉眼で感知され得ない程に低減される。
【0013】上記酸洗液の流動については、流速が被酸
洗材に対して15mm/秒以上であれば、反応を均一にす
る効果を発揮する。尚、30mm/秒以上ではその効果が
飽和する。
【0014】酸洗時間が短く比較的遅い流速で酸洗を行
った場合は、大きな気泡が所々で除かれる程度であり、
また酸洗液の濃度斑の解消が不十分であること等から、
酸洗反応を表面全体に均一にするという効果の発現が不
十分となる。また、反応初期段階では濃度斑がなくても
酸洗反応が不均一に起こる(非定常に酸洗反応が起こ
る)と考えられるから、酸洗時間が短か過ぎる場合は、
たとえ比較的速い流速であっても、非定常に酸洗反応が
進行している段階で酸洗を中止することになる為、被酸
洗材の部位による進行速度に差を生じ、不均一な表面と
なる。そこで、酸洗反応が均一になったか否かについ
て、被酸洗材の酸洗量を指標として現すと、前記被酸洗
材の表面から平均5μm以上の深さに及ぶまで酸洗した
場合は、酸洗反応速度が均一となっており、好ましい。
【0015】次に、着色による純チタンまたはチタン合
金材料の表面の斑について述べる。酸洗プロセスは、通
常前述の様に、まず酸洗液により酸洗処理をした後水洗
を行うが、該酸洗の後、水洗の前に、被酸洗材の表面が
乾燥してしまうと、水洗後に上記乾燥した部分が発色
し、着色斑が生じるということが分かった。この着色斑
は、その後水洗を十分に行っても除去することができな
い。尚、被酸洗材表面は、酸洗の際の反応熱によって温
度が上昇して乾燥し易くなっているから、着色斑も発生
し易くなっている。
【0016】しかし、本発明の方法では、酸洗の後、
被酸洗材の表面が乾燥する前に水洗する様にしたから、
上記着色斑を回避することができる。また、上記方法
の様に、酸洗の後、3重量%以上の過酸化水素水溶液に
よって被酸洗材を処理し、次に水洗することでも、上記
着色斑を回避できることが分かった。
【0017】被酸洗材の表面は酸洗時の反応熱により5
0℃程度まで上昇する場合があり、この様な場合には上
記方法の説明で述べた様に、速やかに乾燥が進んでし
まうので、乾燥前に手際良く水洗することは困難なこと
がある。しかし、上記方法の場合は、酸洗後の乾燥如
何にかかわることなく着色斑を回避することができる。
また、上記方法の場合は、上記過酸化水素水溶液での
処理の後、乾燥するか否かにもかかわることがなく着色
斑を防止できる。
【0018】上記過酸化水素水溶液による処理の方法と
しては、該水溶液の噴霧や、該水溶液に被酸洗材を浸漬
する方法等が挙げられる。また過酸化水素水溶液の濃度
としては、噴霧の場合には散布量によって異なるが、概
ね前記の様に3重量%以上が良く、5重量%以上とすれ
ば効果を十分に発揮させつつ噴霧量を少なくすることが
できるので好ましい。
【0019】更に、上記方法と上記方法、或いは上
記方法と上記方法を組み合わせれば、光沢の差によ
る斑および着色による斑の双方を防止でき、全く斑のな
いチタン材料を得ることができてより好ましい。
【0020】
【実施例】
<実験1>(上記方法について) 大きさ30mm(幅)×100mm (長さ)×1mm (厚さ)のJI
S H 4600の1種に相当する純チタン板を、700 ℃で1分
間大気中にて酸化を施して表面を汚染し、これを試料と
した。
【0021】酸洗液として10%硝酸−5%フッ酸水溶
液をビーカーに入れて40℃に保ち、ここに上記試料の
一部分を50mm程浸漬し、下記表1に示す時間、下記表1
の流速(試料表面に対する流速)となる様に、マグネテ
ィックスターラーによって撹拌,もしくは静置すること
によって酸洗を行った。その後速やかに水洗を行い、乾
燥した。酸洗液への試料の浸漬部分について厚み減量を
測定して酸洗量とし、また試料表面の光沢の差による斑
の発生状況を観察した。これらの結果を表1に併記す
る。
【0022】
【表1】
【0023】表1から分かる様に、試料(被酸洗材)に
対して酸洗液が流動していない(流速0mm/秒)比較例
1,3や、流速10mm/秒という様に流動が緩やかな比
較例2では、試料表面に斑が観察されたが、酸洗液が試
料に対して流速15mm/秒以上で流動している実施例1
〜6の場合はほとんど斑が観察されなかった。また流速
0mm/秒の場合(比較例3)は表面斑が観察されるが、
短時間の酸洗であっても、実施例5の様に流速を与える
ことで表面斑が軽減する。
【0024】<実験2>(上記方法について) 前記実験1の試料と同様の、汚染層を有する純チタンの
試料を用いた。10%硝酸−5%フッ酸水溶液(酸洗
液)をビーカーに入れて40℃に保ち、ここに上記試料
の一部分を50mm程浸漬し、酸洗液の流速が試料表面に対
して30mm/秒となる様にマグネティックスターラーに
よって40秒間撹拌して酸洗した。実施例7については
酸洗後乾燥する前に水洗を行い、比較例4についてはド
ライヤーの熱風を吹きかけて乾燥した後、水洗を行っ
た。これらの表面について着色斑の有無を観察した。そ
の結果を下記表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2から分かる様に、乾燥を経て水洗した
比較例4では着色による表面斑が観察されたが、乾燥し
ないうちに水洗した実施例7は斑が発生しなかった。
【0027】<実験3>(上記方法について) 前記実験1,2の試料と同様の、汚染層を有する純チタ
ンの試料を用い、実施例8〜13,比較例5〜8として
下記の如く処理を施した。尚、下記において「乾燥」の
字句がないものは、乾燥前に次の処理を行ったことを現
す。 実施例8〜10 :酸洗→乾燥→H2O2水溶液処理→乾燥→水洗 実施例11,比較例5:酸洗→乾燥→H2O2水溶液処理→水洗 実施例12,比較例6:酸洗→H2O2水溶液処理→乾燥→水洗 実施例13 :酸洗→H2O2水溶液処理→水洗 比較例7 :酸洗→乾燥→水洗→H2O2水溶液処理→水洗 比較例8 :酸洗→乾燥→水洗
【0028】上記酸洗処理工程としては、上記実験2と
同様に、10%硝酸−5%フッ酸水溶液(酸洗液)をビ
ーカーに入れて40℃に保ち、ここに上記試料の一部分
を50mm程浸漬し、酸洗液の流速が試料表面に対して30
mm/秒となる様にマグネティックスターラーによって4
0秒間撹拌した。上記H2O2水溶液処理工程としては、下
記表3に示す濃度の過酸化水素水溶液を用い、噴霧器に
より試料表面に噴霧した。上記乾燥工程は上記実験2と
同様に、ドライヤーの熱風を吹きかけることにより行っ
た。これらについて試料表面の着色斑の有無を観察し
た。その結果、および各処理条件をまとめて表3に示
す。
【0029】
【表3】
【0030】以上の結果から分かる様に、過酸化水素水
溶液で処理したものは、酸洗後の乾燥の有無にかかわら
ず、また最終的な水洗の前の乾燥(H2O2水溶液処理後の
乾燥)の有無にかかわらず、斑は生じなかった。また、
H2O2水溶液の濃度としては、2%と薄い場合(比較例
5,6)では効果がなく、3%以上が良いことが分か
る。
【0031】一方、比較例7から分かる様に、酸洗後に
乾燥し、一旦水洗を行ったものは、その後たとえ過酸化
水素水溶液によって処理を施しても着色斑が観察され
た。従って、水洗前に過酸化水素水溶液による処理を行
う必要があることが分かる。
【0032】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、表面に斑が
なく美麗な純チタンまたはチタン合金材を製造すること
ができ、しかも生産性の低下なく、またコストを安く行
うことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純チタンまたはチタン合金を酸洗液を用
    いて酸洗する方法において、前記純チタンまたはチタン
    合金に対して、前記酸洗液が15mm/秒以上の流速で接
    することを特徴とする表面の美麗な純チタンまたはチタ
    ン合金材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸洗が純チタンまたはチタン合金の
    5μm以上の深さに及ぶものである請求項1に記載の表
    面の美麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方法。
  3. 【請求項3】 純チタンまたはチタン合金を酸洗液を用
    いて酸洗し、その後水洗する表面の美麗な純チタンまた
    はチタン合金材の製造方法において、前記酸洗の後、表
    面が乾燥する以前に、前記水洗を行うことを特徴とする
    表面の美麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方法。
  4. 【請求項4】 純チタンまたはチタン合金を酸洗液を用
    いて酸洗し、その後水洗する表面の美麗な純チタンまた
    はチタン合金材の製造方法において、前記酸洗の後、3
    重量%以上の過酸化水素水溶液により前記純チタンまた
    はチタン合金材を処理し、その後水洗することを特徴と
    する表面の美麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記酸洗の後、乾燥する以前に、水洗を
    行う請求項1または2に記載の表面の美麗な純チタンま
    たはチタン合金材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸洗の後、3重量%以上の過酸化水
    素水溶液により前記純チタンまたはチタン合金を処理
    し、その後水洗する請求項1または2に記載の表面の美
    麗な純チタンまたはチタン合金材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6267831B1 (en) 1998-05-06 2001-07-31 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Method of making a titanium or titanium alloy strip having a decorative surface appearance
CN111364046A (zh) * 2020-03-16 2020-07-03 宁夏中色金航钛业有限公司 稀有金属及其合金加工材的光亮化酸洗方法及酸洗液
CN116670318A (zh) * 2020-12-09 2023-08-29 赛峰飞机发动机公司 经选择性去除钛或钛合金基材上的粘结底漆的表面处理方法

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