JPH09157476A - 耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体

Info

Publication number
JPH09157476A
JPH09157476A JP33782995A JP33782995A JPH09157476A JP H09157476 A JPH09157476 A JP H09157476A JP 33782995 A JP33782995 A JP 33782995A JP 33782995 A JP33782995 A JP 33782995A JP H09157476 A JPH09157476 A JP H09157476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
weight
acrylic resin
resin composition
acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33782995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Haino
英明 拝野
Takao Hoshiba
孝男 干場
Mitsuo Otani
三夫 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP33782995A priority Critical patent/JPH09157476A/ja
Publication of JPH09157476A publication Critical patent/JPH09157476A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 メタクリル酸メチルを主成分とする熱可
塑性アクリル樹脂(A)と、アクリル系多層構造重合体
(B)からなるアクリル樹脂組成物であって、アクリル
系多層構造重合体(B)が、最内層としてメタクリル酸
メチル等およびこれらと共重合可能な他の単量体よりな
る単量体混合物を重合して得られる第(1)層、アクリ
ル酸n−ブチル、スチレン等よりなる単量体混合物を重
合して得られる、第(1)層を内部に含有する第(2)
層、メタクリル酸メチルおよびこれらと共重合可能な他
の単量体よりなる単量体混合物を重合して得られる、第
(1)(2)層を内部に含有する第(3)層からなる耐
溶剤性アクリル樹脂組成物、およびその成形体。 【効果】 光学特性、機械的物性や成形加工性を維持
し、かつ、耐溶剤性が著しく改良されたアクリル樹脂組
成物およびその成形体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐溶剤性アクリル
樹脂組成物およびその成形体に関するものであって、さ
らに詳しくは、温度変化による光学特性の変動が極めて
小さく、透明性、流動性、機械的強度、耐候性等アクリ
ル樹脂本来の諸特性を損なわずに耐溶剤性が改良された
アクリル樹脂組成物およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂の耐溶剤性を改善する方法
としては、アクリル樹脂自体の分子量を大きくする方
法、または架橋構造を有し、軟質層と硬質層を組み合わ
せた多層構造重合体を含有せしめる方法等が提案されて
いる。しかし、アクリル樹脂自体の分子量を大きくする
方法において実質的な効果を得るには、その分子量を非
常に大きくすることを必要とし、それによりポリマーの
流動性が低下して成形性が悪くなるので好ましくない。
【0003】また、多層構造重合体を含有せしめる方法
においては、温度変化による光学特性の変動が大きく、
耐溶剤性アクリル樹脂の応用範囲が限定される問題点が
あった。またこの方法においては、樹脂成分とエラスト
マー成分とのグラフト率を高めることにより温度変化に
よる光学特性の変動を低減させる方法も検討されている
(特開昭63−199258号公報等参照)が、この方
法により得られるポリマーは、実用に供するに十分な物
性を有していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、温度変化による光学特性の変動が極めて小さ
く、透明性、流動性、機械的強度、耐候性等アクリル樹
脂本来の諸特性を損なわずに耐溶剤性が改良された、ア
クリル樹脂組成物およびその成形体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造を有するア
クリル系多層構造重合体を用いることにより、上記課題
が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、メタクリル酸メチル
80〜100重量%、これと共重合可能な他の単量体0
〜20重量%からなる熱可塑性アクリル樹脂(A)20
〜96重量部と、乳化重合により得られたアクリル系多
層構造重合体(B)4〜80重量部からなるアクリル樹
脂組成物であって、アクリル系多層構造重合体(B)が
(1)最内層としてメタクリル酸メチル80〜99.9
9重量%、これと共重合可能なα,β−不飽和カルボン
酸のアリルエステルから選ばれる少なくとも1種からな
るグラフト結合性単量体0.01〜0.5重量%、およ
びこれらと共重合可能な他の単量体0〜19.99重量
%よりなる単量体混合物を重合して得られる第(1)
層、(2)上記第(1)層の存在下、アクリル酸n−ブ
チル70〜89重量%、スチレン10〜29重量%、お
よびこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸の
アリルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグ
ラフト結合性単量体1〜3重量%よりなる単量体混合物
を重合して得られる、第(1)層を内部に含有し、その
平均厚みが0.001〜0.015μmであり、かつそ
の外径の平均粒子径が0.05〜0.15μmである第
(2)層、(3)上記第(1)層および第(2)層の存
在下、メタクリル酸メチル80〜100重量%およびこ
れらと共重合可能な他の単量体0〜20重量%よりなる
単量体混合物を重合して得られる、第(1)層および第
(2)層を内部に含有する第(3)層からなることを特
徴とする耐溶剤性アクリル樹脂組成物、および該アクリ
ル樹脂組成物から得られる成形体である。
【0007】本発明における熱可塑性アクリル樹脂
(A)は、メタクリル酸メチル80〜100重量%、こ
れと共重合可能な他の単量体0〜20重量%とからな
り、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等の公知
の方法により得られるものである。その際、メタクリル
酸メチルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタ
クリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマ
レイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−置
換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは
単独でまたは2種以上で用いることができる。
【0008】これらメタクリル酸メチルと共重合可能な
他の単量体は、0〜20重量%用いることが必要であ
り、その使用量が20重量%を越えると、熱可塑性アク
リル樹脂本来の透明性、耐候性等の物性が低下するため
好ましくない。また、熱可塑性アクリル樹脂(A)に
は、成形加工性をよくするために、メルカプタン等の連
鎖移動剤を添加して分子量を調節することが好ましい。
【0009】本発明におけるアクリル系多層構造重合体
(B)は、最内層としての第(1)層、中間層としての
第(2)層および最外層としての第(3)層からなるも
のである。このアクリル系多層構造重合体(B)におけ
る第(1)層は、メタクリル酸メチル80〜99.99
重量%、これと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸
のアリルエステルから選ばれる少なくとも1種からなる
グラフト結合性単量体0.01〜0.5重量%、および
これらと共重合可能な他の単量体0〜19.99重量%
よりなる単量体混合物を重合して得られるものである。
【0010】ここで、グラフト結合性単量体としては、
メタクリル酸メチルと共重合可能なα,β−不飽和カル
ボン酸のアリルエステルであって、例えば、メタクリル
酸アリル、アクリル酸アリル、桂皮酸アリル、ソルビン
酸アリル等が挙げられ、それらは単独でまたは2種以上
で用いることができる。これらグラフト結合性単量体
は、0.01〜0.5重量%の範囲で用いることが必要
であり、その使用量が0.01重量%未満であるとポリ
マーの流動性の悪化などにより、得られるアクリル樹脂
組成物の成形性の低下が生じ、一方0.5重量%を越え
ると、アクリル樹脂組成物から得られる成形体の衝撃強
度が低下するため好ましくない。
【0011】また、メタクリル酸メチルや上記グラフト
結合性単量体と共重合可能な他の単量体としては、例え
ば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外
のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニ
ルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN
−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それ
らは単独でまたは2種で用いることができる。これらの
単量体は、0〜19.99重量%用いることが必要であ
り、その使用量が19.99重量%を越えると、得られ
るアクリル樹脂組成物の耐熱性が低下するため好ましく
ない。
【0012】アクリル系多層構造重合体(B)に占める
第(1)層の割合は、30〜70重量%が好ましく、よ
り好ましくは35〜55重量%である。また、第(1)
層におけるグラフト結合性単量体を除く共重合組成は、
熱可塑性アクリル樹脂(A)の共重合組成と類似したも
のであることが、温度変化による光学特性の変動を小さ
く抑える必要性から望ましい。また、第(1)層を構成
する単量体として上記のものが用いられ、第(1)層全
体での組成比が上記の比率を満たしていれば、第(1)
層をさらに分割し、単量体、グラフト結合性単量体の組
成比や種類を変化させることも可能である。
【0013】アクリル系多層構造重合体(B)の第
(2)層は、上記第(1)層の存在下、アクリル酸n−
ブチル70〜89重量%、スチレン10〜29重量%、
およびこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸
のアリルエステルから選ばれる少なくとも1種からなる
グラフト結合性単量体1〜3重量%よりなる単量体混合
物を重合して得られる、第(1)層を内部に含有し、そ
の平均厚みが0.001〜0.015μmであり、かつ
その外径の平均粒子径が0.05〜0.15μmである
ものである。
【0014】アクリル酸n−ブチルおよびスチレンの組
成比は、それぞれアクリル酸n−ブチルが70〜89重
量%およびスチレンが10〜29重量%であることが必
要であり、好ましくはアクリル酸n−ブチルが76〜8
7重量%およびスチレンが12〜23重量%である。ア
クリル酸n−ブチルの割合が70重量%未満または89
重量%を越えたり、またスチレンの割合が10重量%未
満または29重量%を越えたりすると、熱可塑性アクリ
ル樹脂(A)との屈折率の差が大きくなり、ヘイズが増
加するので好ましくない。
【0015】またグラフト結合性単量体は、アクリル酸
n−ブチルおよびスチレンと共重合可能なα,β−不飽
和カルボン酸のアリルエステルであって、例えば、メタ
クリル酸アリル、アクリル酸アリル、桂皮酸アリル、ソ
ルビン酸アリル等が挙げられ、それらは単独でまたは2
種以上で使用することができる。これらグラフト結合性
単量体は、1〜3重量%の範囲で用いることが必要であ
り、その使用量が1重量%未満であるとポリマー流動性
の悪化などにより、得られるアクリル樹脂組成物の成形
性の低下が生じ、一方3重量%を越えると、アクリル樹
脂組成物から得られる成形体の衝撃強度が低下するため
好ましくない。
【0016】また、第(2)層の平均厚みは0.001
〜0.015μmであることが必要であり、好ましくは
0.003〜0.012μmである。平均厚みが0.0
01μmより小さいと衝撃強度が低下し、また平均厚み
が0.015μmを越えると温度変化による光学特性の
変動が大きくなるため好ましくない。この厚みはまた第
(2)層の外径の平均粒子径と関係し、平均粒子径が小
さいときは平均厚みが厚めであっても温度変化による光
学特性の変動は小さいが、平均粒子径が大きいときは平
均厚みを特に薄くしなければ温度変化による光学特性の
変動は小さくならない。
【0017】第(2)層の外径の平均粒子径は、0.0
5〜0.15μmであることが必要であり、好ましくは
0.06〜0.13μmである。平均粒子径が0.05
μm未満であると、これを製造するために多量の乳化剤
を添加する必要が生じ、耐溶剤性アクリル樹脂組成物の
色調が悪化したり、製造コストの増加を招くなどの難点
が生じ、一方平均粒子径が0.15μmを越えると、ア
クリル樹脂組成物の光学物性の温度依存性が大きくな
り、ヘイズ、色調などの光学物性が温度変動と共に変化
するようになり好ましくない。
【0018】アクリル系多層構造重合体(B)に占める
第(2)層の割合は、特に限定されないが、曲げ弾性率
を効果的に低下させるためとヘイズなどの光学物性の温
度依存性を低下させるためのバランスの観点から15〜
45重量%が好ましい。同様に、曲げ弾性率を効果的に
低下させるため、第(2)層のTgは25℃以下である
ことが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。
また、第(2)層を構成する単量体として上記のものが
用いられ、第(2)層全体での組成比が上記の比率を満
たしていれば、第(2)層をさらに分割し、単量体、グ
ラフト結合性単量体の組成比や種類を変化させることも
可能である。
【0019】アクリル系多層構造重合体(B)における
第(3)層は、上記第(1)層および第(2)層の存在
下、メタクリル酸メチル80〜100重量%およびこれ
らと共重合可能な他の単量体0〜20重量%よりなる単
量体混合物を重合して得られる、第(1)層および第
(2)層を内部に含有するものである。ここで、メタク
リル酸メチルと共重合可能な他の単量体としては、例え
ば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外
のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニ
ルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN
−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それ
らは単独でまたは2種で使用することができる。これら
の単量体は、0〜20重量%用いることが必要であり、
それの使用量が20重量%を越えると、得られるアクリ
ル樹脂組成物の耐熱性が低下するため好ましくない。
【0020】また、第(3)層は、アクリル系多層構造
重合体(B)と熱可塑性アクリル樹脂(A)を加熱溶融
混合する際、その流動性をよくするために、必要に応じ
連鎖移動剤により、分子量を調整することが好ましい。
アクリル系多層構造重合体(B)中の第(3)層の占め
る割合は特に限定されないが、溶融混練時の良好な分散
性を得るため5〜50重量%が好ましい。また、第
(3)層のTgは成形物の良好な耐熱性を得るため50
℃以上が好ましい。さらに、第(3)層を構成する単量
体として上記のものが用いられ、第(3)層全体での組
成比が上記の比率を満たしていれば、第(3)層をさら
に分割し、単量体、連鎖移動剤の組成比や種類を変化さ
せることも可能である。
【0021】アクリル系多層構造重合体(B)は、公知
の乳化重合法により製造される。多層構造重合体の製造
方法としては、まず所望の単量体混合物を乳化重合させ
て芯粒子(第(1)層に相当)を得た後、他の単量体混
合物をその芯粒子の存在下において乳化重合させて周り
に殻(第(2)層に相当)を作る。次いで芯と殻からな
る該粒子の存在下においてさらに他の単量体混合物を乳
化重合させて別の殻(第(3)層に相当)を作る。この
ような反応の繰り返しにより所望の多層構造重合体を得
る。各層の重合体または共重合体を形成させるための適
切な重合温度は、各層とも通常30〜120℃、好まし
くは40〜90℃の範囲である。
【0022】乳化重合に使用される乳化剤の種類と量
は、重合系の安定性、目的とする平均粒子径等によって
決定されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独または
併用して用いることができる。特にアニオン界面活性剤
が好ましく用いられる。アニオン界面活性剤としては、
例えば、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリ
ウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカル
ボン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩お
よびジスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸
エステル塩、モノ−n−ブチルフェニルペンタオキシエ
チレンリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩等が挙げ
られる。
【0023】乳化重合に使用される重合開始剤は特に限
定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の無機過酸化物、過酸化水素−第一鉄塩系、過
硫酸カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモ
ニウム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス
系開始剤、クメンハイドロパーオキシド−ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート系、tert−ブチル
ハイドロパーオキシド−ナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレート系等の水溶−油溶レドックス系開始剤な
どが用いられる。また、連鎖移動剤として、例えば、n
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、
tert−ドデシルメルカプタン、sec−ブチルメル
カプタン等が必要に応じて用いられる。乳化重合におい
て、単量体、乳化剤、開始剤、連鎖移動剤等は、一括添
加法、分割添加法、連続添加法等公知の任意の方法で添
加される。
【0024】乳化重合法により製造されたアクリル系多
層構造重合体(B)は、噴霧乾燥法、酸添加法、塩添加
法、凍結凝固法など公知の方法により、好ましくは凍結
凝固法により固形分の分離が行われる。本発明のアクリ
ル樹脂組成物は、上記アクリル系多層構造重合体(B)
4〜80重量部と、熱可塑性アクリル樹脂(A)20〜
96重量部に、必要に応じ安定剤、滑剤、可塑剤、充て
ん剤、染料、顔料等のの添加剤を加え、公知の方法で混
合し製造することができる。アクリル系多層構造重合体
(B)の含有量が4重量部未満の場合にはアクリル樹脂
組成物の耐溶剤性が不足し、一方80重量部を越える場
合には色調、溶融加工性に劣り好ましくない。
【0025】このようにして得られたアクリル樹脂組成
物は、押出成形法、射出成形法等の公知の方法によりシ
ート状物、フィルム、成形物等の成形体が得られる。本
発明の成形体においては、その曲げ弾性率が15000
〜32000kg/cm2 であることが望ましい。曲げ
弾性率が15000kg/cm2 未満であると、樹脂中
のアクリル系多層構造重合体(B)の比率が多すぎ、溶
融流動性が悪化し、一方曲げ弾性率が32000kg/
cm2 を越えると、一定の歪を加えた際にアクリル樹脂
組成物にかかる応力が大きくなり、耐溶剤性が悪化する
傾向がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法
に従って実施した。 ◎平均粒子径;アクリル系多層構造重合体(B)のラテ
ックスを重合中あるいは重合後にサンプリングし、固形
分0.05%となるように水で希釈し、分光光度計を用
いて波長500nmでの吸光度を測定して平均粒子径を
求めた。 ◎全光線透過率、ヘイズ;ASTM−D1003によ
り、厚さ3mmの試験片を用いて、23℃および70℃
における光学物性を測定した。 ◎曲げ弾性率;ASTM−D790による。 ◎耐溶剤性;1/4楕円法により、歪0.6%となる変
形量を試験片に与えた位置で試験片を固定し、100%
イソプロピルアルコールを塗布してクラックが発生する
までの時間を測定した。 また、実施例中に用いた略称を以下に示す。 メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(M
A)、アクリル酸n−ブチル(BA)、スチレン(S
t)、メタクリル酸アリル(ALMA)、n−オクチル
メルカプタン(n−OM)、N−ラウロイルザルコシン
酸ナトリウム(LSS)、過硫酸カリウム(KPS) 実施例中において、部は重量部、%は重量%をそれぞれ
表す。
【0027】実施例1 (第(1)層の重合)75リットルの還流冷却器付き反
応容器に、イオン交換水32400g、LSS172.
8gを投入し、70rpmの回転数で攪拌しながら窒素
雰囲気中70℃に昇温し、十分に窒素置換された後、M
MA2800g、MA110g、ALMA8.73gか
らなる単量体混合物(以下、これをM1−1と称す)を
投入した。ついでKPS2.91gを加え、10分保持
した。次に、KPS6.8gを投入し、MMA6600
g、MA200g、ALMA20.4gからなる単量体
混合物(以下、これをM1−2と称す)を50分かけて
連続的に添加し、添加終了後30分間保持した。
【0028】(第(2)層の重合)このラテックスの存
在下に、KPS6.3gを投入し、BA5150g、S
t1150g、ALMA189gからなる単量体混合物
(以下、これをM2と称す)を90分かけて連続的に添
加し、添加終了後180分間保持した。
【0029】(第(3)層の重合)上記ラテックスの存
在下に、KPS5.6gを投入し、MMA5500g、
MA100g、n−OM16.8gからなる単量体混合
物(以下、これをM3と称す)を30分かけて連続的に
添加し、添加終了後60分間保持して三層構造重合体ラ
テックスを得た。重合中および重合終了時のサンプリン
グにより得られたラテックスの平均粒子径を求めたとこ
ろ、最内部の硬質層である第(1)層の重合で得られた
ものは0.085μm、その外側の軟質層である第
(2)層の重合で得られたものは0.099μm、最外
部の硬質層である第(3)層の重合で得られたものは
0.111μmであった。これから第(2)層の厚みを
算出すると、0.007μmである。
【0030】このようにして得られたラテックスをステ
ンレス製容器に入れ、−30℃の冷凍庫中にて凍結し、
70℃で融解させた後、瀘別して重合体を分離した。さ
らに70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃
で20時間乾燥した。得られたアクリル系多層構造重合
体(B)の粉体とアクリル樹脂(A)ビーズ(商品名パ
ラペットHR−1000LP;(株)クラレ製)を1対
1の割合で混合し、ペレット押出機(VSK型40m/
mベント式押出機:中央機械製作所製)で250℃でペ
レット化後、射出成形機(N70A型射出成形機:日本
製鋼所製)を用いて成形温度250℃、金型温度50℃
の条件で所定の試験片を製作し、物性測定を行った。得
られた試験片の評価結果を表1に示す。
【0031】実施例2〜4 実施例1で得られた多層構造重合体の粉末を用い、アク
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は実施例1と同様に操作して評価した結
果を表1に示す。
【0032】実施例5 実施例1において、使用する乳化剤の量をLSS12
9.6gに変えた以外は実施例1と全く同様に操作して
評価した。結果を表1に示す。重合中および重合終了時
のサンプリングにより得られたラテックスの平均粒子径
を求めたところ、第(1)層の重合で得られたものは
0.115μm、第(2)層の重合で得られたものは
0.131μm、第(3)層の重合で得られたものは
0.140μmであった。ここから第(2)層の厚みを
算出すると、0.008μmである。
【0033】実施例6〜8 実施例5で得られた多層構造重合体の粉末を用い、アク
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は実施例5と同様に操作して評価した結
果を表1に示す。
【0034】実施例9 実施例1において、(M1−1)をMMA2550g、
MA50g、ALMA7.8g、(M1−2)をMMA
10100g、MA250g、ALMA31.05g、
(M2)をBA3550g、St770g、ALMA1
29.6g、(M3)をMMA4200g、MA120
g、n−OM12.96gの組成に変え、それぞれの重
合開始剤にKPSを(M1−1)の重合時は2.6g、
(M1−2)の重合時は10.35g、(M2)の重合
時は4.32g、(M3)の重合時は4.32g用いた
以外は実施例1と全く同様に操作し、評価した。結果を
表1に示す。重合中および重合終了時のサンプリングに
より得られたラテックスの平均粒子径を求めたところ、
第(1)層の重合で得られたものは0.089μm、第
(2)層の重合で得られたものは0.102μm、第
(3)層の重合で得られたものは0.113μmであっ
た。
【0035】実施例10〜12 実施例9で得られた多層構造重合体の粉末を用い、アク
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は実施例9と同様に操作して評価した結
果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例13 75リットルの還流冷却器付き反応容器に、イオン交換
水32400g、LSS86.4gを投入し、70rp
mの回転数で攪拌しながら窒素雰囲気中70℃に昇温
し、十分に窒素置換された後、MMA21168g、M
A432g、n−OM54gからなる単量体混合物21
60gを加えた。次いでKPS2.16gを投入し、2
0分間保持した。次いでKPS8.64gを添加し、単
量体混合物8640gを40分間かけて連続的に添加
し、添加終了後60分間保持した。さらに、KPS1
0.8gを添加し、単量体混合物の残り10800gを
50分間かけて連続的に添加し、添加終了後1時間保持
し、アクリル樹脂ラテックスを得た。得られたアクリル
樹脂ラテックスと、実施例1で得られた三層構造重合体
ラテックスを1対1の割合で混合し、実施例1と同様に
凍結、融解、瀘別、洗浄、乾燥を行った。られた粉体を
そのまま実施例1と同条件にてペレット化・射出成形に
より試験片を作成し、物性測定を行った。得られた試験
片の評価結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】比較例1 実施例1において、使用する乳化剤の量をLSS64.
8gに変えた以外は実施例1と全く同様に操作して評価
した。結果を表3に示す。重合中および重合終了時のサ
ンプリングにより得られたラテックスの平均粒子径を求
めたところ、第(1)層の重合で得られたものは0.1
72μm、第(2)層の重合で得られたものは0.18
9μm、第(3)層の重合で得られたものは0.202
μmであった。ここから第(2)層の厚みを算出する
と、0.008μmである。
【0040】比較例2〜4 比較例1で得られた多層構造重合体の粉末を用い、アク
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は比較例1と同様に操作して評価した結
果を表3に示す。
【0041】比較例5 実施例5において、(M1−1)をMMA845g、M
A20g、ALMA2.6g、(M1−2)をMMA3
390g、MA70g、ALMA10.38g、(M
2)をBA10630g、St2335g、ALMA3
89.0g、(M3)をMMA4200g、MA120
g、n−OM12.96gの組成に変え、それぞれの重
合開始剤にKPSを(M1−1)の重合時は0.86
g、(M1−2)の重合時は3.46g、(M2)の重
合時は12.97g、(M3)の重合時は4.32g用
いた以外は実施例5と同様に操作し、評価した。結果を
表3に示す。サンプリングにより得られたラテックスの
平均粒子径を求めたところ、第(1)層の重合で得られ
たものは0.102μm、第(2)層の重合で得られた
ものは0.138μm、第(3)層の重合で得られたも
のは0.144μmであった。
【0042】比較例6〜8 比較例5で得られた多層構造重合体の粉末を用い、アク
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は比較例5と同様に操作して評価した結
果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】比較例9 多層構造重合体を用いずに、アクリル樹脂ビーズのみを
用いて試験片を作成し、評価した結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、従来のアクリル樹脂の
持つ光学特性、機械的物性や成形加工性を維持し、か
つ、耐溶剤性、特に一定の歪を受ける環境下での耐溶剤
性が著しく改良されたアクリル樹脂組成物およびその成
形体を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル80〜100重量
    %、これと共重合可能な他の単量体0〜20重量%から
    なる熱可塑性アクリル樹脂(A)20〜96重量部と、
    乳化重合により得られたアクリル系多層構造重合体
    (B)4〜80重量部からなるアクリル樹脂組成物であ
    って、アクリル系多層構造重合体(B)が(1)最内層
    としてメタクリル酸メチル80〜99.99重量%、こ
    れと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリルエ
    ステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結
    合性単量体0.01〜0.5重量%、およびこれらと共
    重合可能な他の単量体0〜19.99重量%よりなる単
    量体混合物を重合して得られる第(1)層、(2)上記
    第(1)層の存在下、アクリル酸n−ブチル70〜89
    重量%、スチレン10〜29重量%、およびこれらと共
    重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリルエステル
    から選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単
    量体1〜3重量%よりなる単量体混合物を重合して得ら
    れる、第(1)層を内部に含有し、その平均厚みが0.
    001〜0.015μmであり、かつその外径の平均粒
    子径が0.05〜0.15μmである第(2)層、
    (3)上記第(1)層および第(2)層の存在下、メタ
    クリル酸メチル80〜100重量%およびこれらと共重
    合可能な他の単量体0〜20重量%よりなる単量体混合
    物を重合して得られる、第(1)層および第(2)層を
    内部に含有する第(3)層からなることを特徴とする耐
    溶剤性アクリル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系多層構造重合体(B)の、第
    (1)層、第(2)層、第(3)層の割合がそれぞれ3
    0〜70重量%、15〜45重量%、5〜50重量%で
    ある、請求項1に記載の耐溶剤性アクリル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1および2に記載の耐溶剤性アク
    リル樹脂組成物から得られる成形体。
JP33782995A 1995-12-01 1995-12-01 耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体 Pending JPH09157476A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33782995A JPH09157476A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33782995A JPH09157476A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09157476A true JPH09157476A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18312364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33782995A Pending JPH09157476A (ja) 1995-12-01 1995-12-01 耐溶剤性アクリル樹脂組成物およびその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09157476A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277601A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Kuraray Co Ltd 透明性、耐候性、柔軟性に優れる、多層構造重合体粒子からなる光学物品
WO2016139927A1 (ja) * 2015-03-02 2016-09-09 株式会社カネカ アクリル系樹脂組成物、その成形体及びフィルム
US11198783B2 (en) * 2017-05-16 2021-12-14 Kaneka Corporation Dope for producing film and film production method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277601A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Kuraray Co Ltd 透明性、耐候性、柔軟性に優れる、多層構造重合体粒子からなる光学物品
WO2016139927A1 (ja) * 2015-03-02 2016-09-09 株式会社カネカ アクリル系樹脂組成物、その成形体及びフィルム
US20170362368A1 (en) * 2015-03-02 2017-12-21 Kaneka Corporation Acrylic resin composition, and molded product and film made from same
US10392463B2 (en) 2015-03-02 2019-08-27 Kaneka Corporation Acrylic resin composition, and molded product and film made from same
US11198783B2 (en) * 2017-05-16 2021-12-14 Kaneka Corporation Dope for producing film and film production method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU758859B2 (en) Resin composition containing multilayered graft polymer
JPS6017406B2 (ja) 多層構造アクリル系樹脂成形材料の製造方法
KR860001212B1 (ko) 염화비닐수지 조성물
JPH04226558A (ja) 透明な耐衝撃性プラスチック
US4452941A (en) Thermoplastic acrylic resin composition
JPS62230841A (ja) 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
JPH03199213A (ja) 多層構造アクリル系重合体
JP3396240B2 (ja) メタアクリル樹脂組成物
JP3563166B2 (ja) 透明熱可塑性樹脂組成物
JP2006131803A (ja) 耐衝撃性改質剤及び耐衝撃性樹脂組成物
JP2684592B2 (ja) 耐熱性および耐衝撃性が改良されたポリメチルメタクリレートをベースとした透明な熱可塑性組成物
JP4469859B2 (ja) 改善された耐薬品性を有する熱可塑性成形材料
JPH0517654A (ja) 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
CN1950412B (zh) 耐冲击性改性剂及树脂组合物
US6939917B2 (en) Impact-resistant composition based on thermoplastic methacrylic (co)polymer
WO2002004559A1 (en) Transparent impact-resistant thermoplastic resin composition
JPH11502540A (ja) 改善された着色性を有する重合体配合物
JP3720543B2 (ja) アクリル系樹脂組成物
JPS63120716A (ja) 耐衝撃性樹脂の製造方法
JP3539973B2 (ja) 乳化グラフトコポリマー
JPS6030698B2 (ja) アクリル樹脂組成物
JPH0781062B2 (ja) 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物
JPS61211A (ja) 熱可塑性樹脂の製造方法
JP3009379B2 (ja) アクリル系重合体凝固物およびその成形物
JPH11217412A (ja) アクリル系多層構造共重合体およびそれを用いたメタクリル樹脂組成物ならびにランプレンズ