JPH09159527A - 蛍光物質定量装置 - Google Patents

蛍光物質定量装置

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JPH09159527A
JPH09159527A JP31547195A JP31547195A JPH09159527A JP H09159527 A JPH09159527 A JP H09159527A JP 31547195 A JP31547195 A JP 31547195A JP 31547195 A JP31547195 A JP 31547195A JP H09159527 A JPH09159527 A JP H09159527A
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JP
Japan
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light
distribution
photoelectron
photodetector
wave height
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Application number
JP31547195A
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English (en)
Inventor
Shinji Osuga
慎二 大須賀
Hisanobu Takamoto
尚宜 高本
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中の極微量の蛍光物質から発生する蛍光
の光量が極微弱であっても、蛍光光量の測定すなわち蛍
光物質の定量を精度よく行なう。 【解決手段】 パルスレーザ光源80から出力された励
起パルス光は試料90に含まれる蛍光物質を励起する。
発生した蛍光はバリアフィルタ92を経て光検出器10
に受光される。トリガ回路82は、励起パルス光発生の
タイミング信号に基づいて、逆バイアス電源18から出
力される逆バイアス電圧を制御し、光検出器10の増倍
率は、逆バイアス電圧に基づいて、光検出器10に入射
する被測定光のうち蛍光の光量が支配的である一定時間
範囲内の時には大きく、そうでない時には小さくなる。
光検出器10から出力された電流信号は、積分器20で
一定時間積分され、結果が点Pに電圧信号として現れ
る。この電圧信号は、増幅器30、サンプルホールド回
路40およびAD変換器50を介してヒストメモリ60
に波高分布が生成され、これに基づいて蛍光光量が測定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば生化学等の
分野においてパルス光源で励起された試料から発生する
蛍光の光量を測定してその試料中の蛍光分子数を定量測
定する蛍光物質定量装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、試料中の蛍光物質(或いは、
蛍光分子)を定量測定するために、その試料に励起光を
照射し、蛍光物質から発生する蛍光の強度を測定してい
る。このような測定に用いられる装置として、蛍光光度
計がある。この蛍光光度計には、光源として例えばキセ
ノンランプが用いられ、また、蛍光検出器として光電子
増倍管が用いられる。一般には、キセノンランプは、パ
ルス点灯ではなく連続点灯され、また、光電子増倍管
は、蛍光物質で発生した蛍光を受光して、その蛍光強度
に応じた出力電流を連続的に出力する。このようにし
て、蛍光強度が測定され、光電子増倍管の出力電流値に
基づいて蛍光物質が定量される。
【0003】しかし、試料中の蛍光物質の量が微量であ
り蛍光光量が蛍光光度計の検出限界以下である場合に
は、光電子増倍管の出力電流値に基づく定量法は使用で
きない。そこで、このような場合には、光電子増倍管の
出力パルスの計数値に基づくいわゆる光子計数法により
蛍光物質を定量する。また、励起光強度を大きくするた
めに、励起光源としてレーザ光源が用いられる。更に、
より大きな励起光強度をを得るために、また光電子増倍
管のダークノイズを除くために、パルスレーザ光源が用
いられる。この場合も同様にレーザ光で励起された試料
中の蛍光物質から発生した蛍光の強度が光電子増倍管で
測定され、光電子増倍管の出力パルスの計数値に基づい
て蛍光物質が定量される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のレ
ーザ光源を用い光電子増倍管からの出力パルスの計数値
に基づく蛍光物質定量においては以下のような問題があ
る。
【0005】試料中の蛍光物質が極微量になると、励起
光が連続光であるかパルス光であるかに拘らず、励起光
が試料で散乱されて蛍光検出器に入射する散乱光の光量
や背景から迷光として蛍光検出器に入射する背景光の光
量が、この蛍光検出器に入射する蛍光の光量に比べて相
対的に大きくなり、蛍光光量の測定つまり蛍光物質の定
量が困難となる。
【0006】このような散乱光や背景光を蛍光検出器に
入射させないようにするために、蛍光検出器の受光面と
試料との間の光学系に、蛍光波長帯域を透過させるが散
乱光や背景光(特に散乱光)の波長帯域を遮断するバリ
アフィルタが設けられる。このようにして、蛍光成分の
みを蛍光検出器で受光して、散乱光や背景光の外乱の影
響のない蛍光光量の測定を行なう。
【0007】しかし、このバリアフィルタが散乱光や背
景光を遮断するといっても、完全に遮断できるものは現
実には存在せず、バリアフィルタに入射した散乱光・背
景光の一部は透過して蛍光検出器に入射する。したがっ
て、測定しようとする蛍光の光量が極微弱であって、バ
リアフィルタを一部透過した散乱光の光量がその蛍光の
光量よりも大きい場合あるいは同程度である場合には、
蛍光光量を測定することができない。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、極微量の蛍光物質から発生する蛍光の
光量が極微弱であっても、蛍光光量の測定すなわち蛍光
物質の定量を精度よく行なうことができる蛍光物質定量
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光物質定
量装置は、(1) パルス光発生タイミング信号に基づいて
励起パルス光を出力する励起光源と、(2) 励起パルス光
が照射された試料中の蛍光物質から発生した蛍光を含む
被測定光束を受光し、被測定光束の光量と設定された増
倍率に応じた電流信号を出力する光検出器と、(3) パル
ス光発生タイミング信号に基づいて、励起パルス光が発
生した時刻以降であって被測定光束の内で蛍光の光量が
支配的となる時刻以降の所定時刻から一定時間範囲であ
るか否かを示すゲート信号を出力するゲート信号生成手
段と、(4) ゲート信号に基づいて、一定時間範囲外であ
る時の増倍率よりも、一定時間範囲内である時の増倍率
を大きく設定する増倍率変更手段と、を備えることを特
徴とする。
【0010】この装置は以下のように作用する。パルス
光発生タイミング信号に基づいて励起光源から出力され
た励起パルス光が試料に照射されると、その試料に含ま
れる蛍光物質から蛍光が発生する。この蛍光を含む被測
定光束が光検出器に入射すると、その光量と増倍率に応
じた電流信号が出力される。パルス光発生タイミング信
号に基づいて、被測定光束の内で蛍光の光量が支配的と
なる一定時間範囲であるか否かを示すゲート信号が、ゲ
ート信号生成手段によって生成される。このゲート信号
に基づいて、光検出器の増倍率は、増倍率変更手段によ
って、その一定時間範囲内では増倍率を大きく設定さ
れ、それ以外の時には増倍率を小さく設定される。この
ようにして、蛍光のみを高感度で測定することができ、
蛍光物質の定量を精度良く行なうことができる。
【0011】また、試料と光検出器との間の光路上に設
けられ、蛍光を透過させ、励起パルス光が試料に照射さ
れて散乱された散乱光を遮断するバリアフィルタを更に
備えてもよい。この場合、蛍光以外の光束がバリアフィ
ルタで吸収されるので、蛍光光量の測定すなわち蛍光物
質の定量は更に精度良く行なえる。
【0012】また、光検出器は、被測定光束の光量に応
じた光電子数分布に従った個数の光電子を放出し、光電
子を設定された増倍率で増倍して電流信号を出力すると
ともに、(1) 電流信号を少なくとも一定時間積分して電
圧信号に変換する積分手段と、(2) 電圧信号に応じたデ
ジタル値に変換するAD変換手段と、(3) デジタル値に
対応する番地に所定値を累積加算して電圧信号の波高分
布を生成する波高分布生成手段と、(4) 光検出器で放出
される光電子が1個の場合に波高分布生成手段で生成さ
れる波高分布を単一光電子事象波高分布として獲得する
単一光電子事象波高分布生成手段と、(5) 光検出器で放
出される光電子の個数kが2以上かつ所定数以下のそれ
ぞれの場合におけるk-光電子事象波高分布を、単一光電
子事象波高分布に基づいて漸化的にコンボリューション
計算によって算出するk-光電子事象波高分布生成手段
と、(6) 被測定光束が光検出器に入射して波高分布生成
手段で生成された波高分布と単一光電子事象波高分布と
光電子の個数kそれぞれの場合におけるk-光電子事象波
高分布とに基づいて、被測定光束が光検出器に入射した
場合の光電子数分布を推定することによって被測定光束
の光量を求める光電子数分布推定手段と、を更に備えて
もよい。この場合、推定された光電子数分布、すなわ
ち、放出された光電子数の平均値から、蛍光光量の測定
すなわち蛍光物質の定量が精度良く行なえる。
【0013】また、光検出器として、(1) 被測定光束の
光量に応じた光電子数分布に従った個数の光電子を放出
する光電変換面と、(2) アノードとカソードとの間に逆
バイアス電圧が印加され、且つ、光電変換面に対向する
部位が光電変換面の電位よりも高電位に設定されて、光
電子を入力して生成された電子・正孔対を設定された増
倍率でアバランシェ増倍し、アバランシェ増倍された電
子・正孔対の数に応じた電流信号を出力するアバランシ
ェフォトダイオードと、(3) 被測定光束を透過させる入
射窓を備えて光電変換面およびアバランシェフォトダイ
オードを内部に含む真空容器と、を備えたものを好適に
用いることができ、増倍率変更手段は、一定時間範囲外
である時の逆バイアス電圧よりも、一定時間範囲内であ
る時の逆バイアス電圧を大きく設定することにより、増
倍率を変更する、こととしてもよい。
【0014】また、光電子数分布推定手段は、最尤法に
より光電子数分布を推定してもよい。光電子数分布がポ
アソン分布であると仮定して光電子数分布を推定しても
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0016】まず、本発明に係る蛍光物質定量装置の構
成について説明する。図1は、本発明に係る蛍光物質定
量装置の構成図である。
【0017】本実施形態に係る蛍光物質定量装置は、
(1) 励起パルス光を出力するパルスレーザ光源80と、
(2) 反射鏡83およびレンズ84,85および86から
なり励起パルス光を試料90に照射させる照射光学系
と、(3) レンズ91、93とバリアフィルタ92とから
なり試料90中の蛍光物質から発生した蛍光を導く集光
光学系と、(4) 光検出器10、積分器20、増幅器3
0、サンプルホールド回路40、AD変換器50、ヒス
トメモリ60および演算部70等とからなり、集光光学
系から出力された蛍光を測定する蛍光検出部と、(5) 蛍
光検出部を構成する各部の動作を制御する為の信号をパ
ルス光発生タイミングに基づいて生成するトリガ回路8
2と、(6) 励起パルス光の出力パルス数を計数するカウ
ンタ81と、を備える。
【0018】蛍光物質を含む試料90に照射されるパル
スレーザ光(励起パルス光)を出力するパルスレーザ光
源80は、そのレーザ光出力のタイミング信号に応じて
パルスレーザ光を出力し、同時にそのタイミング信号を
も出力する。このタイミング信号を入力するカウンタ8
1は、このタイミング信号に基づいて、出力されたパル
スレーザ光のパルス数、すなわち、蛍光物質の励起回数
Nを計数する。また、同じくこのタイミング信号を入力
するトリガ回路(ゲート信号生成手段)82は、タイミ
ング信号に基づいて、後述する逆バイアス電源(増倍率
変更手段)18、スイッチ21、サンプルホールド回路
40およびAD変換器50それぞれの動作タイミングを
制御するそれぞれの信号を生成し出力し、蛍光光量測定
動作を制御する。
【0019】パルスレーザ光源80から出力された蛍光
物質励起の為のパルスレーザ光は、反射鏡83で反射さ
れ、レンズ84および85でビーム径が拡大された後、
レンズ86で集光されて、試料90に照射され、試料9
0中の蛍光物質を励起する。この蛍光物質から発生した
蛍光は、レンズ91および93で集光され、バリアフィ
ルタ92を透過して、光検出器10の入射窓12に入射
する。バリアフィルタ92は、蛍光を透過させるが、試
料90で散乱されて光検出器10の入射窓12の方向に
向かうパルスレーザ光を遮断する。しかし、このバリア
フィルタ92によるパルスレーザ光の遮断は完全ではな
く、僅かではあるが一部パルスレーザ光が透過して光検
出器10の入射窓12に向かう。
【0020】バリアフィルタ92を透過してレンズ93
で集光された光束を受光する光検出器10は、その入射
光束の光量に応じた光電子数分布に従った個数の光電子
を放出し、その光電子を増倍して電流信号を出力するも
のである。例えば、光電子増倍管や、アバランシェフォ
トダイオード(以下、APD)を利用した光検出器(参
考文献: Shawn J. Fagen, "Vacuum avalanche photodi
odes can count single photons", Laser Focus World,
Nov. (1993) pp.125-132 )が用いられる。特に、AP
Dを利用した光検出器が好適に用いられる。このAPD
を利用した光検出器の断面図を図2に示す。
【0021】このAPDを利用した光検出器10は、内
部が真空に保たれている真空容器11の一部に入射窓1
2が設けられており、入射光束Aは、その入射窓12を
透過して、光電変換面13に到達する。光電変換面13
には、APD15のアノード16に対して例えば−10
kVないし−15kVの高電圧が、高圧電源19によっ
て印加されているので、入射光束Aが光電変換面13に
入射すると、その入射光束Aの光量に応じた光電子数分
布に従った個数の光電子Bが放出される。そして、その
光電子Bは、光電変換面13とAPD15との間の電界
によって加速され、中央部に開口を有し所定電位に設定
された集束電極14によって集束されて、APD15に
入射する。
【0022】このAPD15は、アノード16とカソー
ド17との間に、逆バイアス電源18によって逆バイア
ス電圧が印加され、且つ、光電変換面13に対向するア
ノード16の電位は光電変換面13の電位よりも高電位
に設定されている。このAPD15に光電子Bが衝突す
ると、電離作用により光電子がAPD15中で失ったエ
ネルギ3.6eV当たり1対の電子および正孔が生成さ
れ、そして、この電子・正孔対はAPD15内でアバラ
ンシェ増倍され、アノード端子16aおよびカソード端
子17aの間に電流信号として出力される。但し、光電
子がAPD15中で失うエネルギは一定値ではなく或る
分布に従うため、また、APD15の増倍率も一定値で
はなく或る分布を持つため、1個の光電子により出力さ
れる電子・正孔対の数も分布を持つ。
【0023】したがって、光検出器10が一定光量の光
束を多数回測定すると、光電変換面13で放出される光
電子の個数分布(光電子数分布)は、光量に応じた或る
平均値の周りに広がった分布となり、光検出器10から
出力される電流信号は、APD15から光電子1個によ
り出力される電子・正孔対の個数分布に従って更に広が
りのある分布となる。
【0024】このAPDを利用した光検出器10は、光
電子増倍管と比較して、低雑音、高感度であり、単一光
子をも計数することができる。更に、一定光量の光束を
多数回測定して得られる電流信号の波高分布において、
k-光電子事象すなわち光電変換面13に光束が入射して
放出される光電子の個数がk個である事象(k=1,2,3,
…)それぞれに対応するピークを識別することができる
という優れた特徴を有する。このような特徴を有するこ
とから、本発明に係る蛍光物質定量装置に用いられる光
検出器として好適なものである。
【0025】この光検出器10のAPD15におけるア
バランシェ増倍率は、図3に示すように逆バイアス電圧
に依存する。例えば、逆バイアス電圧が90Vの時には
増倍率は1.8であり、逆バイアス電圧が145Vの時
には増倍率は32.6であり、逆バイアス電圧を変化さ
せると、それに応じて増倍率は大きく変化する。
【0026】すなわち、光検出器10の入射窓12に入
射した光束の内、蛍光光量が散乱光光量よりも小さい時
あるいは同程度である時には、APD15の逆バイアス
電圧を小さくしてアバランシェ増倍率を小さくし、散乱
光検出感度を低くすることができる。逆に、蛍光光量が
散乱光光量よりも大きく散乱光光量が無視できる程であ
る時には、APD15の逆バイアス電圧を大きくしてア
バランシェ増倍率を大きくし、蛍光検出感度を大きくす
ることができる。
【0027】このAPD15に印加される逆バイアス電
圧の変化は、パルスレーザ光源80から出力されるパル
スレーザ光発生のタイミング信号に基づいて、トリガ回
路82が逆バイアス電源18の出力電圧を制御すること
によって行なう。つまり、パルスレーザ光がパルスレー
ザ光源80から出力された後であって、光検出器10の
入射窓12に入射する散乱光の光量が蛍光光量よりも充
分に小さくなる所定時刻から、蛍光が入射窓12に入射
している一定時間(例えば、蛍光寿命の4ないし5倍程
度)の間、トリガ回路82は、逆バイアス電源18に指
示して比較的大きい逆バイアス電圧(例えば、145
V)を出力させる。その一定時間以外の時間は、トリガ
回路82は、逆バイアス電源18に指示して比較的小さ
い逆バイアス電圧(例えば、90V)を出力させる。
【0028】このようにすれば、散乱光に対しては低い
増倍率で測定し、蛍光に対しては高い増倍率で測定し
て、散乱光の影響を除去あるいは低減して蛍光光量を精
度良く測定することができ、APD15で増倍生成され
た電子・正孔対の数に応じた電流信号が、光検出器10
の出力としてアノード端子16aとカソード端子17a
との間に出力される。
【0029】この光検出器10から出力された電流信号
を入力する積分器20は、その電流信号を一定時間積分
して電圧信号に変換する。この積分器20には、光検出
器10のアノード端子16aと接地端子との間に、スイ
ッチ21とコンデンサ22とが並列に設けられている。
このスイッチ21は、パルスレーザ光発生のタイミング
信号に基づいてトリガ回路82から出力されるゲート信
号に従って開閉する。コンデンサ22は、スイッチ21
が開いている期間だけ、光検出器10から出力された電
流信号を積分し、その積分結果である電位が一方の端子
(図中の点P)に現れる。スイッチ21が閉じると、コ
ンデンサ22に蓄積された電荷は放電され、点Pの電位
は接地電位となる。
【0030】このゲート信号は、APD15に大きな逆
バイアス電圧が印加されるのと同時に、または大きな逆
バイアス電圧が印加されている期間にスイッチ21を開
くよう指示し、励起パルス発生時刻と次の励起パルス発
生時刻との間に少なくとも1度はスイッチ21を閉じる
よう指示する。このゲート信号は、前述の逆バイアス電
源18を制御する信号と同一のタイミングでもよい。
【0031】積分器20で電流信号が積分された結果で
ある点Pの電位は、増幅器30によって、後段のサンプ
ルホールド回路40やAD変換器50における動作に際
して適当な振幅となるよう増幅される。その増幅された
電圧信号は、サンプルホールド回路40でサンプリング
されてホールドされ、更に、AD変換器50で、その電
圧信号に応じたデジタル値に変換される。サンプルホー
ルド回路40およびAD変換器50も、パルスレーザ光
発生タイミングに同期して動作する。すなわち、パルス
レーザ光発生のタイミング信号に基づいてトリガ回路8
2より制御され、例えば、スイッチ21が開から閉に変
化する時刻の直前の所定時刻における点Pの電位に応じ
たデジタル値が出力される。
【0032】このデジタル値を入力するヒストメモリ
(波高分布生成手段)60は、積分器20において一定
時間の積分が行われる度に、そのデジタル値に応じた番
地に所定値(例えば、1)を累積加算する。積分器20
における多数回の積分結果についてヒストメモリ60に
累積加算することによって、AD変換器50から出力さ
れた電圧信号の波高値の分布が得られる。
【0033】このヒストメモリ60で生成された波高分
布およびカウンタ81で計数されたパルスレーザ光のパ
ルス数Nに基づいて、演算部70は、光検出器10の光
電変換面13で放出された光電子の個数の分布(光電子
数分布)を推定し、この推定された光電子数分布に基づ
いて入射光束Aの光量を求める。演算部70として例え
ばコンピュータが用いられる。
【0034】次に、光検出器10の光電変換面13に入
射光束が入射して放出される光電子数分布の推定方法に
ついて詳細に説明する。この推定は、演算部70におい
て行われるものである。
【0035】推定に先立って、先ず、演算部70は、単
一光電子事象の場合にヒストメモリ60で生成される単
一光電子事象波高分布を獲得する。ここで、単一光電子
事象とは、光検出器10の光電変換面13に光束が入射
して1個の光電子が放出される事象をいい、単一光電子
事象波高分布とは、その事象が発生した場合にヒストメ
モリ60で生成される波高分布である。すなわち、単一
光電子事象波高分布は、光電変換面13で放出された1
個の光電子がAPD15に入射したことによりAPD1
5から出力される電子・正孔対の個数の分布を表すもの
である。この単一光電子事象波高分布を、波高値hの関
数としてp1(h)で表す。hは、AD変換器50からの出
力値である。なお、この単一光電子事象波高分布は、単
一光電子事象が発生する確率が圧倒的に支配的となるよ
うな極めて微弱な光束を光検出器10に入射させること
により獲得する。
【0036】なお、このp1(h)の低波高部には増幅器系
のノイズが重畳しているので、実データを使用すること
ができない。そこで、低波高部では実データを用いるこ
となく、ノイズが重畳していない隣接した波高域のデー
タから外挿して求める。また、p1(h)は、
【0037】
【数1】
【0038】で規格化しておく。hmax は、波高値をデ
ジタル値に変換するAD変換器50のビット数で決まる
最大波高値である。
【0039】続いて、演算部70は、k-光電子事象波高
分布、すなわち、光検出器10の光電変換面13に光束
が入射してk個の光電子が放出される場合にヒストメモ
リ60で生成される波高分布pk(h)を、
【0040】
【数2】
【0041】なるコンボリューション計算によって漸化
的に算出する(k=2,3,…,K)。Kは2以上である。光電
子数分布を推定する際に任意の分布を仮定する場合に
は、p1(h)のピーク値を与える波高値をhpeak1 とし
て、K=hmax /hpeak1 とする。hmax =4095、
hpeak1 =400であれば、Kは10程度である。ま
た、光電子数分布としてポアソン分布を仮定する場合に
は、Kは、hmax /hpeak1 の2ないし3倍程度、すな
わち、hmax =4095、hpeak1 =400であれば、
Kは30程度にする。なお、以上のようにして波高分布
pk-1(h)とp1(h)とのコンボリューション計算から波高
分布pk(h)を求めることができることの根拠は、波高分
布pk(h)が、光電変換面13で放出されたk個の光電子
がAPD15に入射してアバランシェ増倍された電子・
正孔対の個数の分布を表すものであることに基づく。
【0042】なお、光検出器10、積分器20、増幅器
30、サンプルホールド回路40およびAD変換器50
において発生するノイズに起因する波高分布の広がりが
無視できない場合には、波高分布p1(h)からそのノイズ
の影響をデコンボリューション計算によって取り除いた
ものに基づいて、(1)式で波高分布pk(h)それぞれを
算出し、その後、波高分布pk(h)それぞれにノイズの影
響をコンボリューション計算によって重畳しておく(k=
2,3,…,K)。
【0043】以上のようにして、測光装置が固有的に有
しているノイズの影響を考慮した波高分布pk(h)(k=1,
2,3,…,K)を、光電子数分布の推定に先立って用意して
おく。図3は、このようにして求められたk-光電子事象
の波高分布pk(h)それぞれを示す図である。
【0044】そして、演算部70は、測定対象である光
束を光検出器10で受光してヒストメモリ60に生成さ
れた波高分布n(h) を獲得し、この波高分布n(h) およ
び上述した単一光電子事象およびk-光電子事象それぞれ
場合の波高分布pk(h)から、被測定光束を受光して光電
変換面13から放出された光電子の個数の平均値すなわ
ち光電子数分布を、以下の要領で推定する。
【0045】この波高分布n(h) は、規格化する必要は
なく、ヒストメモリ60に蓄積されたままの値でよい。
すなわち、波高分布n(h) は、波高値hが得られた事象
の分布を表す。入射光束を受光して光検出器10の光電
変換面13で放出される光電子の個数の分布(光電子数
分布)の推定に際しては例えば最尤法を用いる。すなわ
ち、k-光電子事象それぞれが生起する確率をqk(k=0,
1,2,…,K)として、
【0046】
【数3】
【0047】なる式で表される対数尤度が最大になるq
k を求め、これを推定光電子数分布とする。ここで、N
は測定回数であり、hmin は解析に使用できる最小の波
高値hである。波高値hが小さい場合には、光検出器1
0や増幅器30などに因るノイズが重畳されているので
解析には使用できないので、波高値hmin 以上について
のみ解析する。また、p(h) およびpNDは、
【0048】
【数4】
【0049】
【数5】
【0050】である。このp(h) は、k-光電子事象(k=
1,2,3,…,K)それぞれの生起確率(光電子数分布)をも
考慮した波高値hの発生確率分布を表す。(3)式の対
数尤度を最大とするqk を求めるには、例えば最適化問
題に対して使われる準ニュートン法等の数値計算法を適
用する。
【0051】光電子数分布としてポアソン分布を仮定す
る場合には、k-光電子事象それぞれが生起する確率qk
は、
【0052】
【数6】
【0053】で表される。ここで、λは、光電変換面1
3から放出される光電子の個数の平均値である。この場
合、対数尤度を最大とする光電子数分布を求めること
は、対数尤度を最大とするλ値を求めることであり、例
えば黄金分割法等の数値計算により求めることができ
る。以下では、光電子数分布としてポアソン分布を仮定
する。図4は、被測定光束を光検出器10で受光してヒ
ストメモリ60に生成された波高分布(破線)と、最尤
法で推定されたλ値に基づいて計算された波高分布(実
線)との1例を示す。両者は、波高値hmin(=15
0)以上の範囲で良い一致を示している。なお、このと
き推定された光電子数の平均値λは、1.03であっ
た。
【0054】次に、本発明に係る蛍光物質定量装置の作
用について説明する。図6は、パルスレーザ光(励起
光)光量、蛍光光量および各信号等の時間変化を示す図
である。なお、この図では、パルスレーザ光(励起光)
の1パルス発生時刻を時刻0として基準にしている(図
6(a))。
【0055】パルスレーザ光源80から出力されたパル
スレーザ光発生のタイミング信号は、カウンタ81に入
力され、このタイミング信号に基づいて、出力されたパ
ルスレーザ光のパルス数すなわち蛍光物質の励起回数N
が計数される。また、このタイミング信号は、トリガ回
路82にも入力され、逆バイアス電源18、スイッチ2
1、サンプルホールド回路40およびAD変換器50そ
れぞれの動作タイミングを制御する信号が生成される。
【0056】パルスレーザ光源80から出力された蛍光
物質励起の為のパルスレーザ光は、反射鏡83で反射さ
れ、レンズ84および85でビーム径が拡大された後、
レンズ86で集光されて、試料90に照射され、試料9
0中の蛍光物質を励起する。この蛍光物質から発生した
蛍光は、レンズ91および93で集光され、バリアフィ
ルタ92を透過して、光検出器10の入射窓12に入射
する。この時、試料90で散乱されたパルスレーザ光
(散乱光)も、入射窓12の方向に向かうが、大部分が
バリアフィルタ92で吸収され、僅かに一部が透過して
入射窓12に入射する。
【0057】この光検出器10に入射する光束(図6
(b))は、パルスレーザ光照射時刻から発生し、その
後漸減する。この光束は、パルスレーザ光照射時刻から
そのパルス幅の期間程度では散乱光光量が蛍光光量より
大きいか或いは同程度であり、その後は、散乱光光量が
蛍光光量に比べて無視できる程に小さくなる。
【0058】そして、この入射光束の蛍光光量と散乱光
光量との比率の変化に対応して、逆バイアス電源18
は、パルスレーザ光発生のタイミング信号に基づいてト
リガ回路82によって制御される。すなわち、パルスレ
ーザ光発生後の時刻t1から時刻t2までの期間は、逆
バイアス電源18は電圧値V2の逆バイアス電圧を出力
し、それ以外の期間は、逆バイアス電源18は電圧値V
1(<V2)の逆バイアス電圧を出力する(図6
(c))。この時刻t1およびt2それぞれは、パルス
レーザ光の各パルス発生時刻を基準(時刻0)とする一
定の時刻であり、時刻t1は、当初支配的であった散乱
光の光量が蛍光光量と大小関係が逆転し、散乱光光量が
蛍光光量に対して無視できる程に小さくなる時刻であ
り、時刻t2は、時刻0からの時間が蛍光寿命の4ない
し5倍程度となる時刻である。したがって、時刻t1か
らt2までの期間においては、光検出器10に入射する
散乱光の光量は蛍光光量に比べて充分に小さい。
【0059】このような逆バイアス電圧が印加されたA
PD15におけるアバランシェ増倍率(図6(d))
は、その逆バイアス電圧値に応じて、時刻t1から時刻
t2までの期間ではG2となり、それ以外の期間ではG
1(<G2)となる。すなわち、散乱光の光量が蛍光光
量に対して無視できない時刻0から時刻t1までの期間
では、アバランシェ増倍率は小さく、散乱光の光量が蛍
光光量に対して無視できる程に小さい或いはもはや発生
しない時刻t1から時刻t2までの期間では、アバラン
シェ増倍率は大きく、蛍光がもはや発生しない時刻t2
から次のパルス発生までの期間では、アバランシェ増倍
率は再び小さくなる。
【0060】このようにAPD15のアバランシェ増倍
率が変化する光検出器10から出力される電流信号(図
6(e))は、入射光量とこのアバランシェ増倍率に応
じて変化する。すなわち、時刻0から時刻t1までの期
間では、アバランシェ増倍率が小さいので、光検出器1
0に蛍光光量よりも大きい光量の散乱光が入射しても、
光検出器10から出力される電流信号は小さい。時刻t
1から時刻t2までの期間では、アバランシェ増倍率が
大きく、且つ、光検出器10には散乱光が入射しないの
で、光検出器10から出力される電流信号は、入射した
蛍光の光量に応じたものとなる。時刻t2以降では、ア
バランシェ増倍率が小さいので、背景光が入射しても、
光検出器10から出力される電流信号は小さい。
【0061】この電流信号を入力する積分器20におけ
る積分動作すなわちスイッチ21の開閉を制御するゲー
ト信号(図6(f))は、レーザ光出力のタイミング信
号に基づいて生成される。この図に示すゲート信号は、
時刻t1から時刻t2までの期間だけスイッチ21を開
くことを指示するものである。これに限られることな
く、例えば、スイッチ21を開く時刻は、時刻t1以後
でも構わない。
【0062】光検出器10から出力される電流信号は、
積分器20に入力し、このゲート信号に従ってスイッチ
21が開いている期間だけ積分される。すなわち、時刻
t1でスイッチ21が開いて積分動作が開始し、その後
の各時刻における積分値である電位が図1中の点Pに現
れる(図6(g))。そして、時刻t2でスイッチ21
が閉じて積分動作が終了し、点Pの電位は接地電位にな
る。点Pにおける電位は、時刻t1においては接地電位
であり、その後次第に増加し、蛍光光量の漸減に伴って
やがて飽和状態となり略一定値となる。この一定値とな
った点Pの電位は、時刻t1以降に光検出器10に蛍光
が入射してAPD15で生成された電子・正孔対の総数
に応じたものである。
【0063】増幅器30で増幅された点Pの電位は、サ
ンプルホールド回路40でサンプリングされてホールド
され、AD変換器50でデジタル値に変換される。その
タイミングは、積分器20における積分動作終了時刻t
2の直前、すなわち、ゲート信号がオフになる直前であ
る。これらの動作を指示するサンプル信号(図6
(h))も、パルスレーザ光発生のタイミング信号に基
づいてトリガ回路82で生成される。
【0064】そして、このデジタル値はヒストメモリ6
0に入力されて、波高分布n(h) が生成される。演算部
70は、この波高分布n(h) と、これとは別に(1)式
および(2)式から求めた単一光電子事象およびk-光電
子事象それぞれの波高分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)と、
カウンタ81でパルスレーザ光の出力パルス数を計数し
て得られた値Nとから、(3)式で表される対数尤度が
最大になるλ値を求め、これを光電変換面13で発生し
た光電子の個数の平均値と推定する。そして、このよう
にして推定した光電子数の平均値に基づいて蛍光光量を
求め、試料90に含まれる蛍光物質を定量する。
【0065】なお、図6では、蛍光寿命と積分時間との
関係について触れる必要があったため、多数の蛍光光子
が発生するものとして、その蛍光光量や光検出器10か
ら出力される電流信号などの時間変化を図示した。しか
し、蛍光物質が微量で蛍光光子数が数個程度である場合
には、蛍光光量の時間変化は、図6(b)に図示した漸
減曲線ではなく、個々の蛍光光子の発生時刻に対応した
パルス状のものとなる。このような場合でも、本発明に
係る蛍光物質定量装置は有効に用いられ得る。
【0066】特に、本実施形態においては、APDを利
用した光検出器を用いているため、光検出器の光電変換
面で放出される光電子数分布を高精度で推定することが
でき、これによって蛍光光量すなわち蛍光物質を極めて
高い精度で定量することができる。
【0067】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、積分器、サ
ンプルホールド回路、AD変換器、ヒストメモリ、演算
部およびカウンタを用いることなく、光検出器から出力
される電流値から直ちに蛍光光量を求めてもよい。ま
た、APDを利用する光検出器に限られることはなく、
他のタイプの光検出器、例えば、光電子増倍管やAPD
単体を使用してもよい。これらの場合、光検出器からの
出力を平滑化した値から蛍光光量を求めることができ
る。また、集光光学系に設けられたバリアフィルタも必
須ではない。
【0068】要は、光検出器に入射する光束に測定しよ
うとする蛍光の他にノイズとなる散乱光が含まれる場合
に、散乱光光量に比べて蛍光光量が支配的となる期間の
光検出器の増倍率を大きくし、そうでない時には、光検
出器の増倍率を小さくすることである。このようにする
ことにより、蛍光のみが高感度で検出され、散乱光につ
いては検出感度が低くなって影響が無くなり或いは低減
され、蛍光の光量が精度良く測定されて、蛍光物質が精
度よく定量される。
【0069】また、光電子数分布の推定は、最尤法によ
るのが最も好適であるが、他の方法、例えば、最小二乗
法を用いることもできる。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明に係
る蛍光物質定量装置では、励起光源は励起パルス光を発
生して蛍光物質を含む試料に照射し、光検出器はその蛍
光物質から発生した蛍光を含む被測定光束を受光する。
これに際して、光検出器は、被測定光束の内で蛍光の光
量が支配的である一定時間範囲内では大きな増倍率で被
測定光束を検出し、そうでない時には小さい増倍率で被
測定光束を検出する。これによって、蛍光光量のみを高
増倍率で検出することができる。
【0071】また、試料と光検出器との間の光路上に、
蛍光を透過させ散乱光を遮断するバリアフィルタを設け
ると、さらに散乱光の検出感度が低くなる。
【0072】また、光検出器が入射光束の光量に応じて
放出する光電子の個数分布を波高分布から求めることに
よって、精度よく蛍光光量を測定することができる。
【0073】この装置に用いられる光検出器として、逆
バイアス電圧を適切に設定することにより増倍率を変更
することができるアバランシェフォトダイオードを利用
したものが好適である。また、光電子の個数分布を推定
するに際しては、ポアソン分布を仮定して最尤法によ
る。
【0074】このようにしたので、試料中の極微量の蛍
光物質から発生する蛍光の光量が極微弱であっても、ま
た、試料と光検出器との間に設けられたバリアフィルタ
を散乱光が一部透過して蛍光と共に光検出器に入射する
場合であっても、その散乱光入射の影響を無くして或い
は低減して、蛍光光量の測定すなわち蛍光物質の定量を
精度よく行なうことができる。
【0075】したがって、例えば生化学等の分野におい
て、パルスレーザ光源で励起された試料から発生する蛍
光の光量を測定してその試料中の蛍光分子数を定量測定
する装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光物質定量装置の構成図であ
る。
【図2】アバランシェフォトダイオード(APD)を利
用した光検出器の断面図である。
【図3】APDにおける逆バイアス電圧に対するアバラ
ンシェ増倍率の特性図である。
【図4】k-光電子事象の波高分布pk(h)を示す図であ
る。
【図5】測定対象である光束を実際に測定して得られた
波高分布(破線)と、最尤法で推定されたλ値に基づい
て計算された波高分布(実線)とを示す図である。
【図6】パルスレーザ光光量、蛍光光量および各信号等
の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
10…光検出器、11…真空容器、12…入射窓、13
…光電変換面、14…集束電極、15…アバランシェフ
ォトダイオード(APD)、16…アノード、16a…
アノード端子、17…カソード、17a…カソード端
子、18…逆バイアス電源、19…高圧電源、20…積
分器、21…スイッチ、22…コンデンサ、30…増幅
器、40…サンプルホールド回路、50…AD変換器、
60…ヒストメモリ、70…演算部、80…パルスレー
ザ光源、81…カウンタ、82…トリガ回路、83…反
射鏡、84,85,86…レンズ、90…試料、91…
レンズ、92…バリアフィルタ、93…レンズ、A…入
射光束、B…光電子。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス光発生タイミング信号に基づいて
    励起パルス光を出力する励起光源と、 前記励起パルス光が照射された試料中の蛍光物質から発
    生した蛍光を含む被測定光束を受光し、前記被測定光束
    の光量と設定された増倍率に応じた電流信号を出力する
    光検出器と、 前記パルス光発生タイミング信号に基づいて、前記励起
    パルス光が発生した時刻以降であって前記被測定光束の
    内で前記蛍光の光量が支配的となる時刻以降の所定時刻
    から一定時間範囲であるか否かを示すゲート信号を出力
    するゲート信号生成手段と、 前記ゲート信号に基づいて、前記一定時間範囲外である
    時の前記増倍率よりも、前記一定時間範囲内である時の
    前記増倍率を大きく設定する増倍率変更手段と、 を備えることを特徴とする蛍光物質定量装置。
  2. 【請求項2】 前記試料と前記光検出器との間の光路上
    に設けられ、前記蛍光を透過させ、前記励起パルス光が
    前記試料に照射されて散乱された散乱光を遮断するバリ
    アフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1記載
    の蛍光物質定量装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出器は、前記被測定光束の光量
    に応じた光電子数分布に従った個数の光電子を放出し、
    前記光電子を前記増倍率で増倍して電流信号を出力する
    とともに、 前記電流信号を少なくとも前記一定時間積分して電圧信
    号に変換する積分手段と、 前記電圧信号に応じたデジタル値に変換するAD変換手
    段と、 前記デジタル値に対応する番地に所定値を累積加算して
    前記電圧信号の波高分布を生成する波高分布生成手段
    と、 前記光検出器で放出される光電子が1個の場合に前記波
    高分布生成手段で生成される波高分布を単一光電子事象
    波高分布として獲得する単一光電子事象波高分布生成手
    段と、 前記光検出器で放出される光電子の個数kが2以上かつ
    所定数以下のそれぞれの場合におけるk-光電子事象波高
    分布を、前記単一光電子事象波高分布に基づいて漸化的
    にコンボリューション計算によって算出するk-光電子事
    象波高分布生成手段と、 前記被測定光束が前記光検出器に入射して前記波高分布
    生成手段で生成された波高分布と前記単一光電子事象波
    高分布と前記光電子の個数kそれぞれの場合における前
    記k-光電子事象波高分布とに基づいて、前記被測定光束
    が前記光検出器に入射した場合の前記光電子数分布を推
    定することによって前記被測定光束の光量を求める光電
    子数分布推定手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載の蛍光物質
    定量装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出器は、 前記被測定光束の光量に応じた光電子数分布に従った個
    数の光電子を放出する光電変換面と、 アノードとカソードとの間に逆バイアス電圧が印加さ
    れ、且つ、前記光電変換面に対向する部位が前記光電変
    換面の電位よりも高電位に設定されて、前記光電子を入
    力して生成された電子・正孔対を前記増倍率でアバラン
    シェ増倍し、アバランシェ増倍された電子・正孔対の数
    に応じた前記電流信号を出力するアバランシェフォトダ
    イオードと、 前記被測定光束を透過させる入射窓を備えて前記光電変
    換面および前記アバランシェフォトダイオードを内部に
    含む真空容器と、 を備え、 前記増倍率変更手段は、前記一定時間範囲外である時の
    前記逆バイアス電圧よりも、前記一定時間範囲内である
    時の前記逆バイアス電圧を大きく設定することにより、
    前記増倍率を変更する、 ことを特徴とする請求項1記載の蛍光物質定量装置。
  5. 【請求項5】 前記光電子数分布推定手段は、最尤法に
    より前記光電子数分布を推定する、ことを特徴とする請
    求項3記載の蛍光物質定量装置。
  6. 【請求項6】 前記光電子数分布推定手段は、前記光電
    子数分布がポアソン分布であると仮定して前記光電子数
    分布を推定する、ことを特徴とする請求項3記載の蛍光
    物質定量装置。
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