JPH09160539A - 琴 - Google Patents

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JPH09160539A
JPH09160539A JP7338286A JP33828695A JPH09160539A JP H09160539 A JPH09160539 A JP H09160539A JP 7338286 A JP7338286 A JP 7338286A JP 33828695 A JP33828695 A JP 33828695A JP H09160539 A JPH09160539 A JP H09160539A
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JP
Japan
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koto
string
dragon
reinforced plastic
fiber reinforced
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Application number
JP7338286A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nozawa
剛 野澤
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TERAMURA CHOKO KK
Original Assignee
TERAMURA CHOKO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維強化プラスチックを素材として形成する
ことで簡単、短期間に製作して安価に提供し、また音量
を豊かにし、音色、音質をも優れたものとする。 【解決手段】 琴胴1の少なくとも一部を肉薄板状に硬
化形成した平板パネル状の繊維強化プラスチック層によ
って形成して積層構造にする。琴胴1の竜甲部2はハニ
カムコア材13を芯材とし、内外側面に繊維強化プラス
チックを素材とした平面パネルの積層構造の内外側の繊
維強化プラスチック層11,12を貼り合わせたサンド
イッチ構造にし、また球面状に構成する。竜甲部2上に
は両側に設けた琴弦固定機構20、琴弦調整機構30に
よって琴弦9を掛け渡す。琴弦固定機構20は琴弦9を
竜甲部2内側に引き込むよう竜甲部2面に開穿した引込
孔下方に沿って竜甲部2内側面に突設した琴弦支持部
と、この琴弦支持部側面と共に挟み込む前縁に琴弦9を
係合保持する保持溝が形成されていて、弾撥的に倒伏自
在となるよう竜甲部2内側面に固定した琴弦支持片とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化プラスチッ
クを素材として構成され、軽量で、しかも音量、音色、
音質等も従来の桐製のものに比しても何等の遜色もない
琴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から琴は桐材を素材として構成され
ており、その製作には樹齢40〜50年程度の直径が4
0cm以上の桐材を材料として使用することで所定形状
に木挽き後、2〜3年間程度の陰干しをして曲りを十分
に出し切り、甲部を十分に乾燥させることで原形を形成
する。その後荒甲を削り込んで正規の山を成形し、丁斧
によって裏側から中をくり抜く一方、のみ等で裏面に彫
り込みが入れられて裏板を固定した後、甲部表面を焼く
等して木目を出し、化粧のための口前加工、柏葉つけ等
を行ない、座金を打ち付けて琴弦を張り、調弦を行なっ
て琴弦を固定するものである。このように従来の琴は、
天然木である桐材を素材として長期間に亙った熟練者に
よる種々な加工処理が施されることで製作されていたも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来のこうし
た天然桐材製の琴を製作するには、その素材と成り得る
大きな桐材の原木が次第に少なくなって入手が極めて面
倒なものとなっており、また製作する熟練した職人も少
なく、後継者もほとんどおらないために実際上非常に困
難なものとなっている。その結果、高価なものとなり、
しかもこれに伴ない特殊な楽器ともなって若い世代の洋
楽指向とも相俟って伝統ある琴文化も絶えてしまう虞れ
も十分に考えられるものである。
【0004】また差し向かいでの独奏形態を建前として
発生した琴にあってはその形態での使用では極めて綺麗
な音色を奏でる反面、現代で多くなりつつある合奏形態
では、その繊細な音色の故に音量が不足するという重大
な欠点を露にすることになってしまい、これが独奏楽器
としての琴の多面的な演奏使用上の問題点ともなってい
たのである。
【0005】そこで、本発明は叙上のような従来存した
諸事情に鑑み創出されたもので、繊維強化プラスチック
を素材として形成することで天然の素材である桐材を使
用せずに済み、しかも熟練を要せずに簡単、安価に提供
できるものとし、またその音色、音質の点においても従
来のものとほとんど変わらず、何等の遜色もないばかり
でなく音量も豊かにできる繊維強化プラスチック製の琴
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、琴胴1の少なくとも一部を繊
維強化プラスチックを素材として形成したことを特徴と
し、その繊維強化プラスチックは肉薄板状に硬化形成し
た平板パネル状の繊維強化プラスチック層を積層構造の
ものとして形成することができる。琴胴1の竜甲部2は
ハニカムコア材13を芯材とし、その内外側面に繊維強
化プラスチックを素材とした平面パネルの積層構造の内
外側の繊維強化プラスチック層11,12を貼り合わせ
たサンドイッチ構造のものとして、また球面状に構成す
ることができる。更には少なくとも一部が繊維強化プラ
スチックを素材として形成された琴胴1の竜甲部2上に
張り渡される琴弦9を竜甲部2両側に設けた琴弦固定機
構20、琴弦調整機構30によって伸張調整自在に掛け
渡したことを特徴とする。琴弦固定機構20は琴弦9を
竜甲部2内側に引き込ませるよう竜甲部2面に開穿され
た引込孔21と、この引込孔21下方に沿って竜甲部2
内側面に山状に突設された琴弦支持部22と、この琴弦
支持部22側面に対向する前縁に琴弦9を係合保持して
琴弦支持部22側面と共に挟み込む保持溝24が形成さ
れていて、弾撥的に倒伏自在となるよう竜甲部2内側面
に固定されている琴弦支持片23とを備えたものとして
構成することができる。琴弦調整機構30は琴弦9を竜
甲部2内側に引き込ませるよう竜甲部2面に開穿された
引込孔31と、竜甲部2内側面で相対峙状に配置形成さ
れた対状となっている内外部の固定支持板32,33
と、後端が内部支持板32に貫挿保持された状態で外部
固定支持板33に回転自在にネジ止めされ、先端に琴弦
固定部35を有する調弦ネジ棒34とを備えたものとし
て構成することができる。
【0007】以上のように構成された本発明に係る琴に
あって、繊維強化プラスチック製の琴胴1はこれの竜甲
部2上に張り渡された琴弦9の振動を減衰させることな
く内部で振動させ、その音量を豊かにさせる。ハニカム
コア材13の内外側面に繊維強化プラスチック層11,
12を貼り合わせたサンドイッチ構造の竜甲部2は琴胴
1自体を軽量化し、しかも比強度を増大させる。また球
面状の構成は表面積/体積比を極めて効率のよいものと
させ、一層の軽量化と高剛性化とを実現させる。琴弦固
定機構20において、引込孔21から竜甲部2内側に引
き込ませた琴弦9は琴弦支持部22に沿って下方に牽引
されるとき琴弦支持片23を撓ませ、牽引を解除すると
きには復原する琴弦支持片23が前縁の保持溝24内で
琴弦9を係合させた状態で琴弦支持部22側面と共に挟
み込ませ、その抜脱移動を阻止してしっかりと固定させ
る。琴弦調整機構30において、琴弦9を固定した調弦
ネジ棒34の回転は琴弦9の張り具合を変化させて音階
を微妙に調整させ、また長期に亙る琴弦9の張り具合の
変動に対応させる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、図において示される符号1は琴
胴であり、天板である竜甲部2、前後の側板である磯部
3、底板である裏板部4、前面に口前(竜口)を有する
頭部である竜額部5、後部である竜尾部6等によって空
洞状に形成されている。また竜甲部2上には、その竜額
部5側に斜め方向に突設形成の竜角部7と同じく竜尾部
6側に横方向に突設形成の雲角部8との間で13乃至2
7本の、場合によってはそれ以下かあるいはそれ以上の
本数にした琴弦9を掛け渡してあり、この琴弦9は竜甲
部2上に立脚支持した琴柱10によって下方から押圧支
持されることで所定の音階が得られるようにしてある。
【0009】しかしてこの琴胴1自体、すなわちその竜
甲部2、磯部3、裏板部4、竜額部5、竜角部7等は繊
維強化プラスチックを素材として形成されているのであ
り、特に最重要部位である竜甲部2は芯材としてハニカ
ムコア材13を使用し、その内外側面に繊維強化プラス
チック層11,12を複数層に形成して配置した積層構
造のものとしてある。例えば炭素繊維、長短のガラス繊
維、アラミド繊維(ケブラー)、極細金属繊維、セラミ
ック繊維、炭化ケイ素繊維、更には木綿、絹等の天然繊
維等の繊維状の強化材をランダムに分散させてのマット
状、布・織物状にして、あるいはフィラメントワインデ
ィングといわれる方法等で合成樹脂と複合させることで
形成された繊維強化プラスチックを適当層数で例えば2
〜3層状にして積層させて構成したものとする。なお、
強化される樹脂としてはフェノール樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が主とし
て、場合によってはポリプロピレン、ABS樹脂、ナイ
ロン、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が
使用される。
【0010】また竜甲部2は図3に示すように、内側
は、カーボンクロス繊維の織物に未硬化状態の液状のエ
ポキシ樹脂を含浸させることで肉薄板状に硬化形成した
ものを2枚にして貼り合わせることで形成した内側繊維
強化プラスチック層11とし、外側は、カーボンクロス
繊維、アラミド・カーボンクロス繊維の織物に未硬化状
態の液状のエポキシ樹脂を含浸させることで肉薄板状に
硬化形成したものを3枚にして貼り合わせることで形成
した外側繊維強化プラスチック層12とし、これらの繊
維強化プラスチック層11,12の間に芯材としてのア
ルミニウム、紙、紙・ケブラー混紡の不織布製等のハニ
カムコア材13を介在させたサンドイッチ構造のものと
し、全体がほぼ湾曲状、更には必要があれば球面状を呈
するように湾曲させて構成したものである。そのため例
えば球面状を呈する型板上で積層構造の外側繊維強化プ
ラスチック層12を硬化形成し、その上にハニカムコア
材13を載置して接合一体化した後、このハニカムコア
材13上に接合一体化するように積層構造の内側繊維強
化プラスチック層11を硬化形成したものであり、こう
して得た接合一体化された3層構造の球面パネルを竜甲
部2の素材として使用する。
【0011】一方、竜甲部2以外の磯部3、裏板部4、
竜額部5、竜角部7等は竜甲部2を構成する繊維強化プ
ラスチック層11,12と同様にして平面パネルのもの
として、あるいは芯材としてバルサ材、ハニカムコア材
等を使用した積層構造のものとして形成される。そして
竜甲部2における前後側縁に所定形状に形成された平面
パネルが接合されることで磯部3が、左右側縁に同様に
所定形状、構造に形成された平面パネルが接合されるこ
とで竜額部5縁面、竜角部7縁面が夫々構成される。ま
た図例にあっては磯部3内側面の底部側に突設されたネ
ジ止め片14に裏板部4がネジ止めされることで裏板部
4が琴胴1本体部分に着脱自在に組み立てられるものと
してあるも、図示を省略したが琴胴1本体部分に裏板部
4を接合一体化することも可能である。更に必要があれ
ば、琴胴1本体部分内に筋交い材(図示せず)を配装し
て強度を増大させることも可能である。
【0012】図示にあって裏板部4はその内側面に例え
ば桐材等の適宜肉厚に設定された板材製の反響板15を
接合一体化してあり、低音域の反響作用が良好なるよう
に配慮してある。なお図中符号16は裏板部4に開口形
成されている音穴(響穴)である。
【0013】また竜額部5側には、竜角部7によって掛
け渡される琴弦9を竜甲部2内側で固定保持する琴弦固
定機構20が設けられている。この琴弦固定機構20は
図2、図4に示すように、竜角部7によって掛け渡され
ることで支持される琴弦9の一端を竜甲部2内側に引き
込ませるよう竜甲部2面に開穿された引込孔21と、こ
の引込孔21下方に沿って竜甲部2内側面に山状に突設
された琴弦支持部22と、この琴弦支持部22側面に対
向する前縁に琴弦9を係合保持して琴弦支持部22側面
と共に挟み込む保持溝24が形成されていて、弾撥的に
倒伏自在となるよう竜甲部2内側面に固定されている琴
弦支持片23とを備えており、更に必要があればこの琴
弦支持片23に琴弦9を固着する固着手段26を設けて
ある。
【0014】引込孔21は図示にあって、例えば断面で
ほぼ逆V字山形状に形成されている竜角部7の頂部に開
穿されていて、開口内周にはハトメ材が装着されてい
る。もとよりこの引込孔21の開穿位置は図示例に限定
されるものではなく、竜角部7の後方位置である竜額部
5端縁側に開穿されることもある。
【0015】琴弦支持部22は図例のように、竜甲部2
内側面で前後方向に沿って竜額部5の端縁側がほぼ垂直
面となっている断面でほぼレ字形状を呈する突条状に形
成されており、垂直状側面には琴弦9を保持溝24と共
に確実に挟み込むように剛性化するための例えばステン
レス板を貼着してある。また垂直状側面がわに琴弦支持
片23が配置されるものとしてあるも、図示を省略した
が場合によっては竜尾部6側に琴弦支持片23が配置さ
れるように琴弦支持部22、琴弦支持片23を逆転配置
して形成することも可能である。
【0016】琴弦支持片23は引込孔21部分を隔てて
琴弦支持部22と対峙状にして竜甲部2内側面に突条状
に設けた支持突部25面に弾撥的な状態で揺動自在に例
えばその後部をネジ止め等することで固定されており、
琴弦9夫々に対応して複数にして配列されている。琴弦
支持片23自体は前縁がほぼ円弧状になっている平面で
ほぼ長方形状を呈し(図4(B)参照)、前縁の中央部
分に保持溝24を切欠形成してあり、また前縁部分は引
込孔21直下で揺動自在になっている。
【0017】固着手段26は保持溝24の前縁部分に設
けられており、この前縁部分に貫挿したボルト等に琴弦
9を卷回してネジ止めするようになっていて、琴弦支持
部22側面に押し付けて保持溝24によって係合固定し
た琴弦9を更にしっかりと固定するもので、必要に応じ
設けられる。
【0018】この琴弦固定機構20によって琴弦9を固
定するには、引込孔21によって竜甲部2内側に引き込
まれた琴弦9を琴弦支持部22側面に対向している琴弦
支持片23の前縁側方から挿入して保持溝24内に係合
させ(図4(B)参照)、琴弦支持片23の前縁部分が
撓曲するように下方に強制的に牽引する(図4(A)参
照)。次いでその牽引力を解除することで保持溝24に
よって係合状態とされた琴弦9を琴弦支持片23自体の
復原力と相俟ち琴弦支持部22のステンレス板面に圧止
するようにして挟み込み状に固定するのであり、更に必
要があれば固着手段26によって琴弦9端を卷回固定す
るのである。
【0019】一方、竜尾部6側には、雲角部8によって
掛け渡されることで支持される琴弦9の他端をその張り
具合(テンション)を調整して竜甲部2内側で固定保持
する琴弦調整機構30が設けられている。この琴弦調整
機構30は図2、図5に示すように、雲角部8によって
掛け渡されている琴弦9を竜甲部2内側に引き込ませる
よう竜甲部2面に開穿された引込孔31と、竜甲部2内
側面で相対峙状に配置形成された対状となっている内外
部の固定支持板32,33と、後端が内部支持板32に
貫挿保持された状態で外部固定支持板33に回転自在に
ネジ止めされ、先端に琴弦固定部35を有する調弦ネジ
棒34とを備えており、竜尾部6端縁に着脱自在に施蓋
される蓋板38によって隠蔽されるようになっている
(図1参照)。
【0020】引込孔31は図示にあって、例えば断面で
ほぼ逆V字山形状に形成されている雲角部8の頂部にお
ける凹溝の底面に開穿されていて、開口内周にハトメ材
が装着されている。もとよりこの引込孔31の開穿位置
は図示例に限定されるものではなく、雲角部8の後方位
置である竜尾部6端縁側に開穿されることもある。
【0021】内外部の固定支持板32,33は竜尾部6
における竜甲部2内側に所定間隔を隔てて垂設されてお
り、外部固定支持板33は引込孔31位置の直下におけ
る竜額部5側に設けられ、これよりも更に竜額部5側に
内部支持板32が設けられている。
【0022】調弦ネジ棒34はこれ自体を回転操作でき
るように例えば先端部分に断面で六角形を呈する被掴み
部36を形成し、琴弦9が貫挿縛結される孔状の琴弦固
定部35を有しており、外部固定支持板33にネジ止め
されるようオネジを中央部分に形成し、内部支持板32
に貫挿支持されるよう細径にした貫挿部37を後端に設
けて成るものである。この調弦ネジ棒34は琴弦9の配
列に対応して直列、千鳥配列その他の配列形態で内外部
の固定支持板32,33に保持固定される。
【0023】この琴弦調整機構30による調弦は、琴弦
固定機構20によって固定保持された琴弦9を引込孔3
1から引き入れて調弦ネジ棒34の琴弦固定部35に固
定させておき、被掴み部36によって調弦ネジ棒34を
回転させることで琴弦9を牽引しあるいは緩めることで
琴弦9の張り具合を調整するのである。
【0024】なお図中符号40は裏板部4側から琴胴1
内の左右位置で着脱自在に挿入される内部接続柱であ
り、上端は竜甲部2内側面に突設の支持突部41外周に
嵌まり込み、下端は裏板部4外側面から裏板部4自体の
内部に埋め込み状にネジ止めされる蓋部材42の接続突
部43内に嵌まり込むことで竜甲部2、裏板部4相互間
の琴胴1内で固定される筒状に形成されている。この内
部接続柱40自体は例えば合成樹脂にて形成され、接続
すべき左右位置での竜甲部2、裏板部4相互間の高さ間
隔が異なるときに混同が生じないように夫々の蓋部材4
2は相互で非対称的に形成されている。
【0025】このように構成された本発明に係る琴は従
来と同様にして演奏使用されるもので、竜額部5側には
竜足(猫足)を、竜尾部6側には長足(むかで足)を夫
々取り付けて支持台とし、演奏するものである。このと
き使用される琴柱10は例えば竜甲部2面上で3点支持
となる3個の突部を底面に形成したものとし、琴弦9の
弦音を琴胴1内に確実に伝達させてその響音を得るよう
にするとよい。そのための琴柱10は軽量化、剛性化の
ための例えば高力アルミニウム材を素材として断面で例
えばほぼT字形、Y字形等に形成されたものであった
り、あるいは二股状となる両脚部底面のいずれか一方で
は1個の突部、他方では2個の突部が形成されたもので
あったりされる。そしてこの3点支持式の琴柱10を使
用することで固有振動数が高く、しかも安定して琴弦9
を支持できるために優れた音色、音質のものを得ること
ができる。
【0026】なお以上の説明された実施の形態にかかわ
らず、例えば琴胴1を形成する竜甲部2、磯部3、裏板
部4、竜額部5、竜角部7等の全てを繊維強化プラスチ
ックを素材として形成することなく、例えば補強的にい
ずれか一部のみを繊維強化プラスチックを素材として形
成することでもよいものである。また竜甲部2両側の琴
弦固定機構20、琴弦調整機構30等を左右で逆転配置
構成のものとすることもでき、竜甲部2は27弦構成と
する場合に大きな膨らみを有するような球面状を呈する
ものとして形成することが望ましくても、これには限定
されないものであり、更にはハニカムコア材13の芯材
としての使用の有無も任意なものであり、場合によって
は竜甲部2のみならず他の部位に使用することも可能で
ある。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
琴胴1の少なくとも一部を繊維強化プラスチックを素材
として形成するため、天然の素材である桐材を使用せず
に済み、また熟練を要せずに短期間で簡単に製作でき、
その結果、製作される個々のものについての品質上の固
体差がなくなり、安定的に広く一般に普及可能なものと
でき、しかも安価に提供できるばかりでなく音量が豊か
で、その音色、音質の点においても従来のものとほとん
ど変わらず、何等の遜色もないものとできる。
【0028】また竜甲部2はハニカムコア材13を芯材
とし、その内外側面に繊維強化プラスチックを素材とし
た平面パネルの積層構造の内外側の繊維強化プラスチッ
ク層11,12を貼り合わせたサンドイッチ構造のもの
としてあるから、竜甲部2上での琴弦9の振動を琴胴1
に内包された空気の振動に正確に減衰させることなく伝
達して音量を豊かにし、弦楽器としての琴の音色、音質
を十分に維持したものとできる。しかも琴胴1自体を軽
量化し、比強度を増大させるばかりでなく、球面状に形
成したことと相俟って表面積/体積比を極めて効率のよ
いものとさせ、一層の軽量化と高剛性化とを実現させる
ことができる。
【0029】更には引込孔21から竜甲部2内側に引き
込ませた琴弦9を琴弦支持部22、琴弦支持片23によ
って固定する琴弦固定機構20は、琴弦9を琴弦支持部
22に沿って牽引するとき、琴弦支持片23の前縁部分
を撓ませるも、その牽引力を解除したときに復原する弾
撥力が琴弦支持片23前縁の保持溝24内で琴弦9を係
合させた状態で琴弦支持部22面と共に挟み込み、琴弦
9の抜脱移動を阻止してしっかりと固定するのである。
しかもこの固定作業は熟練を要せずに行なうことがで
き、従来専門家でなければ困難であった調弦作業を簡素
化し、また琴弦9の切断時の修理、交換等も極めて容易
に行なうことができる。
【0030】また引込孔31から竜甲部2内側に引き込
ませた琴弦9を調弦ネジ棒34の回転で伸張しあるいは
緩める琴弦調整機構30は、竜甲部2上に張り渡した琴
弦9の張り具合を変化させることができ、そのため音階
を微妙に調整できるばかりでなく長期に亙る琴弦9の張
り具合の変動にも簡単に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における一部切欠斜視図
である。
【図2】同じく一部を省略した正断面図である。
【図3】同じく竜甲部の要部分解斜視図である。
【図4】同じく竜額部側における琴弦の固定部分を示す
琴弦固定機構を示し、その(A)は側断面図、(B)は
底面図である。
【図5】同じく竜尾部側における琴弦の固定調整部分を
示す琴弦調整機構の側断面図である。
【符号の説明】
1…琴胴 2…竜甲部 3…磯部 4…裏板部 5…竜額部 6…竜尾部 7…竜角部 8…雲角部 9…琴弦 10…琴柱 11…内側繊維強化プラスチック層 12…外側繊維
強化プラスチック層 13…ハニカムコア材 14…ネジ止め
片 15…反響板 16…音穴 20…琴弦固定機構 21…引込孔 22…琴弦支持部 23…琴弦支持
片 24…保持溝 25…支持突部 26…固着手段 30…琴弦調整機構 31…引込孔 32…内部支持板 33…外部固定
支持板 34…調弦ネジ棒 35…琴弦固定
部 36…被掴み部 37…貫挿部 38…蓋板 40…内部接続柱 41…支持突部 42…蓋部材 43…接続突部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 琴胴の少なくとも一部を繊維強化プラス
    チックを素材として形成したことを特徴とする琴。
  2. 【請求項2】 繊維強化プラスチックは肉薄板状に硬化
    形成した平板パネル状の繊維強化プラスチック層を積層
    構造のものとして成る請求項1記載の琴。
  3. 【請求項3】 琴胴の竜甲部はハニカムコア材を芯材と
    し、その内外側面に繊維強化プラスチックを素材とした
    平面パネルの積層構造の内外側の繊維強化プラスチック
    層を貼り合わせたサンドイッチ構造のものとしてある請
    求項1または2記載の琴。
  4. 【請求項4】 琴胴の竜甲部は球面状に形成してある請
    求項1乃至3のいずれか記載の琴。
  5. 【請求項5】 少なくとも一部が繊維強化プラスチック
    を素材として形成された琴胴の竜甲部上に張り渡される
    琴弦を竜甲部両側に設けた琴弦固定機構、琴弦調整機構
    によって伸張調整自在に掛け渡したことを特徴とする
    琴。
  6. 【請求項6】 琴弦固定機構は琴弦を竜甲部内側に引き
    込ませるよう竜甲部面に開穿された引込孔と、この引込
    孔下方に沿って竜甲部内側面に山状に突設された琴弦支
    持部と、この琴弦支持部側面に対向する前縁に琴弦を係
    合保持して琴弦支持部側面と共に挟み込む保持溝が形成
    されていて、弾撥的に倒伏自在となるよう竜甲部内側面
    に固定されている琴弦支持片とを備えたものとしてある
    請求項5記載の琴。
  7. 【請求項7】 琴弦調整機構は琴弦を竜甲部内側に引き
    込ませるよう竜甲部面に開穿された引込孔と、竜甲部内
    側面で相対峙状に配置形成された対状となっている内外
    部の固定支持板と、後端が内部支持板に貫挿保持された
    状態で外部固定支持板に回転自在にネジ止めされ、先端
    に琴弦固定部を有する調弦ネジ棒とを備えたものとして
    ある請求項5または6記載の琴。
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