JPH09176546A - リポソーム含有インク組成物 - Google Patents

リポソーム含有インク組成物

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JPH09176546A
JPH09176546A JP8309021A JP30902196A JPH09176546A JP H09176546 A JPH09176546 A JP H09176546A JP 8309021 A JP8309021 A JP 8309021A JP 30902196 A JP30902196 A JP 30902196A JP H09176546 A JPH09176546 A JP H09176546A
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ノーランディ ジャーン
Maryanna Isabella
イザベラ マリアンナ
Susanne Birkel
バーケル スーザン
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    • C09D11/30Inkjet printing inks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リポソーム含有インク組成物および製造法を
提供する。 【解決手段】 水性液体ビヒクル、染料、気泡形成脂質
からなり、脂質の気泡がインク中に存在するインク組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク組成物および
プリンティング方法に関し、特に気泡形成脂質のリポソ
ームと染料を含有するインク組成物および該インクを使
用したプリンティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェットプリンタ等に
使用されるインク組成物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のインク組成
物は各々所期の目的に叶うものではあるが、染料ベース
のインクおよび顔料ベースのインクの両方に有益なイン
ク組成物が所望されている。耐水性に優れたインク組成
物、耐光性に優れたインク組成物に対するニーズもあ
る。さらに、毒性および変異原性のないインク組成物に
対するニーズもある。また、色数の多いインク組成物に
対するニーズもある。普通紙、コート紙または処理紙、
透明素材への印刷に適したインク組成物に対するニーズ
もある。熱安定性、酸化安定性に優れたインク組成物に
対するニーズもある。さらに、インクジェットプリンテ
ィングに適した、吐出性能がよく、プリントヘッドの目
詰りを起こさないインク組成物に対するニーズもある。
また、基板にプリントされたとき、異なる色の境界部分
に不要なにじみを起こさないインク組成物に対するニー
ズもある。熱い基板上への印刷に適したインク組成物に
対するニーズもある。
【0004】そこで本発明の目的は、上記利点を有する
インク組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明または本発明の特
定の実施の形態の目的は、水性液体ビヒクル、染料、気
泡形成脂質からなり、脂質の気泡がインク中に存在する
インク組成物を提供することにより達成せられる。一つ
の実施の形態では、染料を気泡形成脂質と共有結合させ
る。別の実施の形態では、気泡を重合させる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のインク組成物は、水性液
体ビヒクル、染料、気泡形成脂質からなり、脂質の気泡
はインク中に存在する。液体ビヒクルは水だけでもよい
し、水と、水溶性有機成分または水混和性有機成分との
混合物であってもよい。水溶性または水混和性有機成分
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、アミド、エーテル、カルボン酸およびその
塩、エステル、アルコール、有機スルフィド(有機硫化
物)、有機スルホキシド、スルホン、アルコール誘導
体、ブチルカルビトールまたはセルソルブなどのヒドロ
キシエーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、高分
子電解質、およびその他の水溶性または水混和性物質、
また、それらの混合物などである。液体ビヒクルが水と
水溶性または水混和性有機液体との混合物である場合、
水対有機成分の比率は、およそ100:0から30:7
0、好ましくはおよそ97:3から40:60の範囲で
ある。液体ビヒクルの非水成分は一般的に湿潤剤として
働き、その沸点は水の沸点(100℃)よりも高い。本
発明のインク組成物では、液体ビヒクルは通常インク中
に約80ないし99.9重量%、好ましくは約90ない
し99重量%含まれるが、この範囲外でもよい。
【0007】本発明のインクには、気泡形成脂質の気泡
またはリポソームも含まれる。脂質は一般的に有機溶媒
には可溶であるが、水には僅かに溶けるか不溶である。
脂質は一般的にバックボーン構造に従って分類され、脂
肪酸、トリアシルグリセロール、グリセロホスホリピ
ド、スフィンゴリピド、ステロイドなどが含まれる。気
泡形成脂質は通常2個の非極性「テール」基が1個の極
性「ヘッド」基に付いている。水性媒体中では気泡形成
脂質は密に整列して平面の二分子層シートになり、大量
の水性相と非極性基との間の不都合な相互作用を最小限
にする。この不都合な相互作用は、シートが折り重なっ
てリポソームとして知られる閉鎖密閉された気泡を形成
するとき、さらに削減される。図1に示されているとお
り、水溶液中では気泡1は、非極性末端3と極性末端7
を有する脂質分子5の二分子層膜を形成している。この
とき、極性末端7は気泡1の外表面と内表面を構成し、
非極性末端3は二分子層膜の内部構造を構成している。
気泡形成脂質のこの二分子層構造は、ミセル構造に優先
して形成される傾向にある。なぜならば、2個の非極性
基によって分子が全体的にチューブ状になるが、これが
この型の集合体により適した形であるからである。これ
に対して、界面活性剤分子は同じように両親媒性である
が、通常、極性の「ヘッド」基には非極性の「テール」
基が1個だけ付いており、臨界ミセル濃度以上で球状ミ
セルを形成する。界面活性剤分子の円錐形の形が球状ミ
セルの形成を可能にする。図2に概略図が示されている
とおり、非極性末端13と極性末端17を有する界面活
性剤分子15の水溶液中に形成されたミセル11は中身
のある「ボール」型構造をしている。これに対して、気
泡またはリポソームは中空の「バッグ」型構造をしてい
る。
【0008】リポソームは、「バッグ」構造内部の空間
と二分子層膜の層間の両方に物質を捕らえることができ
る。さらに、2つ以上の二分子層膜を有するリポソーム
もあり、この場合、膜が同心的に形成される。そうする
と、二分子層の膜間でも物質を捕らえることができる。
【0009】グリセロホスホリピドは生物膜の主たる脂
質成分であり、C(1)とC(2)がエステル化されて
脂肪酸になり、ホスホリル基が極性のヘッド基Xになっ
たsn−グリセロール−3−ホスフェートからなる。す
なわち、
【化1】 ここでR1 とR2 は炭素原子約6ないし20個の脂肪族
炭化水素であるが、炭素原子の数はこの範囲外でもよ
い。グリセロホスホリピドは両親媒性分子で、非極性の
脂肪族テール(R1 とR2 )と極性のホスホリル−Xヘ
ッドを有する。グリセロホスホリピドの一般的な分類例
は、Xが水素原子のホスファチジン酸、Xが−CH2
2NH3 + のホスファチジルエタノールアミン、Xが
−CH2CH2N(CH33 + のホスファチジルコリン、
Xが−CH2CH(NH3 +)COO- のホスファチジル
セリン、Xが
【化2】 のホスファチジルイノシトール、Xが−CH2CH(O
H)CH2OHのホスファチジルグリセロール、Xが
【化3】 のジホスファチジルグリセロールなどである。R1 とR
2 (およびジホスファチジルグリセロールのR3 とR
4 )は一般的に炭化水素基で、炭素原子数が好ましくは
約6ないし20個、さらに好ましくは約10ないし18
個のものであるが、この範囲外でもよい。R基は飽和炭
化水素でも非共役不飽和炭化水素でもよい。Xに実効正
電荷が含まれない場合は、荷電したどれかの原子が適切
な対イオンを伴う。適切な陰イオンの例は、Cl- 、B
- 、I- 、HSO4 - 、SO4 2- 、NO3 - 、HCO
- 、CH3COO- 、HCO3 - 、CO3 2- 、H2PO4
- 、HPO4 2- 、PO4 3- 、SCN- 、BF4 - 、Cl
4 - 、SSO3 - 、CH3SO3 -、CH364SO3 -
など、およびそれらの混合物である。グリセロホスホリ
ピドの具体例は、R1 とR2 がそれぞれ −(CH212
CH3 でXが −CH2CH2N(CH33 + の1,2−
ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1 とR2 がそれぞれ −(CH214CH3 でXが −
CH2CH2N(CH33 +の1,2−ジパルミトイル−
sn−グリセロ−3−ホスホコリン、R1 とR2 がそれ
ぞれ −(CH216CH3 でXが −CH2CH2N(C
33 + の1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−
3−ホスホコリン、R1 とR2 がそれぞれ −(CH2
12CH3 でXが −CH2CH2NH3 + の1,2−ジミリ
ストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミ
ン、R1 とR2 がそれぞれ −(CH214CH3 でXが
−CH2CH2NH3 + の1,2−ジパルミトイル−sn
−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、R1 とR2
がそれぞれ −(CH216CH3 でXが −CH2CH2
NH3 + の1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−
3−ホスホエタノールアミン、R1 とR2 がそれぞれ
−(CH212CH3でXが −CH2CH(OH)CH2
OH の1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3
−ホスホグリセロール、R1 とR2 がそれぞれ −(C
214CH3 でXが −CH2CH(OH)CH2OH
の1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホス
ホグリセロール、R1 とR2 がそれぞれ −(CH216
CH3 でXが −CH2CH(OH)CH2OH の1,2
−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセ
ロール、R1 とR2 がそれぞれ −(CH212CH3
Xが−Hの1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−
3−ホスファチジン酸、R1とR2 がそれぞれ −(CH
214CH3 でXが −Hの1,2−ジパルミトイル−s
n−グリセロ−3−ホスファチジン酸、R1 とR2 がそ
れぞれ −(CH216CH3 でXが −Hの1,2−ジ
ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸
で、すべてマサチューセッツ州ケンブリッジのSyge
na社などから入手可能である。ホスホリピドは、例え
ばアラバマ州アラバスターのAvanti Polar
Lipids社からも入手できる。さらに、PRO−
LIPOとして仏国パリのLucas Meyer社か
らも入手できる。PRO−LIPO材は、市販の混合物
に水を加えるとリポソームが自発的に形成されるという
形態で販売されている。これらの材料は脂質の混合物
で、主成分は水素化ホスファチジルコリン(大豆原料)
である。また、安定した二分子層の形成を促進するため
に、負に荷電した脂質を少量含んでいる。
【0010】同様に適切なものとして、一般式が次のよ
うなジアシルグリセロールがある。
【0011】
【化4】 ここでR1 とR2 は、飽和または不飽和の炭化水素基
で、好ましくは炭素原子約10ないし18個を有するも
のであるが、炭素原子数はこの範囲外でもよい。ジアシ
ルグリセロールの具体例は、R1 とR2 がそれぞれ −
(CH212CH3 の1,2−ジミリストイル−sn−
グリセロール、R1 とR2 がそれぞれ −(CH214
3 の1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、
1 とR2 がそれぞれ −(CH216CH3 の1,2−
ジステアロイル−sn−グリセロールで、すべてマサチ
ューセッツ州ケンブリッジのSygena社などから入
手可能である。
【0012】同様に適切なものとして、一般式が次のよ
うなα,ω−双極ジアセチルがある。
【0013】
【化5】 ここでxとyは、それぞれ約6ないし10、好ましくは
約8ないし9の整数である。R1 とR2 はそれぞれ、−
COOH、−CH2OH 、または−CH2OPO32
あり、例えばH.BaderとH.Ringsdorf
の「疎水鎖に重合可能なDiyne部分を有するα,ω
−双極両親媒性物質から作るリポソーム」ジャーナル・
オブ・ポリマーサイエンス(Journal of P
olymer Science)、高分子化学版(Po
lymer ChemistryEdition)、v
ol.20、p.1623(1982)に開示されてい
る方法で製造される。
【0014】リポソーム含有溶液にコレステロールを加
えるとリポソームの安定性を改善することができる。混
合物の例としては(これに限定されるものではない
が)、(a)ホスファチジルコリン(0.63重量
部)、ホスファチジン酸(0.14重量部)、コレステ
ロール(0.39重量部)を水(10重量部)中に含む
もので、粒子の平均直径は通常約100ナノメーター、
(b)コレステロール(2.5重量部)、1,2−ジミ
リストイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール
(2.5重量部)を各種溶媒、例えば(i)水(100
重量部)、(ii)水(95重量部)とスルホラン(5重
量部)の混合物、(iii)水(95重量部)とエチレン
グリコール(5重量部)の混合物、(iv)水(93重量
部)とブチルカルビトール(7重量部)の混合物、
(v)水(86重量部)、スルホラン(5重量部)、ブ
チルカルビトール(9重量部)の混合物、(vi)水(9
5重量部)、スルホラン(3重量部)、ブチルカルビト
ール(2重量部)の混合物などに含むもの、(c)コレ
ステロール(2.5重量部)、1,2−ジミリストイル
−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(1.3重
量部)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3
−ホスホエタノールアミン(1.3重量部)を各種溶
媒、例えば(i)水(100重量部)、(ii)水(95
重量部)とスルホラン(5重量部)の混合物、(iii)
水(95重量部)とエチレングリコール(5重量部)の
混合物、(iv)水(93重量部)とブチルカルビトール
(7重量部)の混合物、(v)水(86重量部)、スル
ホラン(5重量部)、ブチルカルビトール(9重量部)
の混合物、(vi)水(95重量部)、スルホラン(3重
量部)、ブチルカルビトール(2重量部)の混合物など
に含むもの、(d)コレステロール(3.5重量部)、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
グリセロール(1.5重量部)を各種溶媒、例えば
(i)水(95重量部)、(ii)水(95重量部)とス
ルホラン(5重量部)の混合物、(iii)水(95重量
部)とエチレングリコール(5重量部)の混合物、(i
v)水(95重量部)とブチルカルビトール(5重量
部)の混合物、(v)水(86重量部)、スルホラン
(5重量部)、ブチルカルビトール(9重量部)の混合
物、(vi)水(95重量部)、スルホラン(3重量
部)、ブチルカルビトール(2重量部)の混合物などに
含むもの、(e)コレステロール(3.5重量部)、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
グリセロール(0.5重量部)、1,2−ジミリストイ
ル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン
(1.0重量部)を各種溶媒、例えば(i)水(95重
量部)、(ii)水(95重量部)とスルホラン(5重量
部)の混合物、(iii)水(95重量部)とエチレング
リコール(5重量部)の混合物、(iv)水(95重量
部)とブチルカルビトール(5重量部)の混合物、
(v)水(86重量部)、スルホラン(5重量部)、ブ
チルカルビトール(9重量部)の混合物、(vi)水(9
5重量部)、スルホラン(3重量部)、ブチルカルビト
ール(2重量部)の混合物などに含むもの、およびその
他の所望の混合物などがある。
【0015】気泡形成脂質はインク中に適当な有効量が
含まれる。一般的には約0.5ないし20重量パーセン
ト、好ましくは約1ないし10重量パーセント含まれる
が、この範囲外の量でもよい。
【0016】気泡形成脂質のリポソームは所望のまたは
適切な任意の方法で製造される。例えば、脂質と水性ビ
ヒクル(純水、または、水とその他成分との混合物)を
機械的分散法、ミクロ乳化法、超音波処理法、膜押出し
法、ミクロ流動化法などによって混合する。例えば、ミ
クロ流動化装置は流体を高圧で(1平方インチあたり約
12,000ポンドまで)正確に定められたマイクロチ
ャネルに沿って汲み上げて流体を2つの流れに分け、2
つの流れが高速で直角にぶつかるようにする機械であ
る。この衝突は、システムに供給された大部分のエネル
ギー(タービュランスやキャビテーション)がリポソー
ムが形成される小領域内にとどまる結果、比較的小さな
サイズで比較的均一なリポソームが生成されるように仕
組まれている。脂質は流動化装置に、大きな多層状気泡
の懸濁液か、水性媒体と水和されていない脂質のスラリ
ーとして導入される。回収された流体は、所望の大きさ
の気泡が得られるまでポンプと相互作用チャンバを再循
環される。
【0017】インク中の気泡の平均粒子径は好ましくは
約700ナノメーター未満で、通常は約200ナノメー
ター未満がよい。黒インク用には約500ナノメーター
までの粒子径が適している。しかし、カラーインクは、
この粒子サイズでは、より小さなリポソームを含有した
インクよりもクラリティが落ちる。気泡の粒子サイズは
いくつかの方法によって調整できる。例えば、出発物質
とその置換基およびその疎水部分のチェーン長さの選
択、大きさの調節された孔を通すろ過、粒子を相互に衝
突させるミクロ流動化、高せん断機械混合、その他のイ
ンク成分の種類およびその濃度などによって調整でき
る。その他のインク成分は、リポソームの大きさや安定
性に影響を及ぼす。例えば、気泡形成脂質は純水と混合
した場合、直径約50ナノメーターのリポソームを形成
するが、サーマルインクジェット用のインクにふつう用
いられる有機助溶剤や湿潤剤などのその他の成分が組成
物に添加されると、リポソームは直径約100ナノメー
ターに膨張する。というのは、水より比較的極性の低い
有機物質は、内部の「テール」またはリポソームの二分
子層膜を押し離す傾向にあるからである。それによって
膜が厚くなり、おそらく安定性も低下する。
【0018】リポソーム構造の安定性は所望すれば高め
ることができる。安定化の一つの方法は、ポリエチレン
グリコールのようなポリアルキルエーテルの脂質誘導体
を作り、それをリポソーム膜の二分子層構造に組み入れ
て、リポソームを立体的に安定化させるというものであ
る。例えば、Liposome Technology
社のStealth Lipidは、脂質分子に共有結
合したポリエチレングリコールからなる。ポリエチレン
グリコールが存在することによって、リポソームは、基
本的な二分子層構造を変えずに多重膜リポソームの隣接
する二分子層間の距離が増して立体的に安定化する。こ
れらの物質と製造法は、例えば米国特許第5,013,
556号(Woodleら)に開示されており、その開
示内容はすべてここに参考文献として取り入れられてい
る。安定化のもう一つの方法は、脂質分子をリポソーム
膜内で重合させるというものである。膜内の分子は互い
に様々な程度に結合する。重合によってリポソーム膜は
安定化し、例えばインク助溶剤または湿潤剤が存在する
場合、リポソームは膨張しても破裂しないであろう。重
合は、一般的に、不飽和基などの重合可能な基を1つ以
上持つような脂質単量体を選び、気泡形成の後、加熱や
紫外線照射などの所望の方法で重合を実施することによ
って行われる。重合開始剤を用いてもよい。リポソーム
膜内での脂質分子の重合は、例えば、H.Baderと
H.Ringsdorfの「疎水鎖に重合可能なDiy
ne部分を有するα,ω−双極両親媒性物質から作るリ
ポソーム」Journal of Polymer S
cienceのPolymerChemistry E
dition、vol.20、p.1623(198
2);D.F.O’Brienらの「重合リポソームの
製造法および特性」Annals New York
Academy of Sciences、vol.4
46、p.282(1985);P.Tundoらの
「機能的に重合された界面活性剤気泡;合成および特
性」J.Am.Chem.Soc.、vol.104、
p.456(1982);K.KuriharaとJ.
Fendlerの「単層状小リポソームの安定化法:ホ
スホリピド気泡中の界面活性剤の重合法」J.Che
m.Soc.のChem.Commun.、vol.2
1、p.1188(1983);H.Ringsdor
fとB.Schlarbの「イオン結合または共有結合
した重合可能なヘッド基を有する脂質から作るネット内
リポソーム」Polym.Prepr.(Am.Che
m.Soc.のDiv.Polym.Chem.)vo
l.27、no.2、p.195(1985);E.H
asegawaらの「新規のスチレン基含有グリセロホ
スホコリンの合成法およびリポソームとしての重合法」
Markromol.Chem.のRapidComm
un.、vol.5、p.779(1984);E.H
asegawaらの「重合可能なグリセロホスホコリン
の合成とその重合気泡」Polymer Bullet
in、vol.14、p.31(1985);P.Ty
minskiとI.Ponticelloの「二分子層
膜の分光学的プローブとしての重合可能なジエノイルリ
ピド」J.Am.Chem.Soc.、vol.10
9、p.6541(1987);H.Ohnoらの「ジ
エンまたはトリエン基を有するホスホリピドのリポソー
ムとしてのガンマ線重合法」Journal ofPo
lymer ScienceのPolymer Che
mistry Edition、vol.24、p.2
959(1986);V.Torchilinらの「リ
ポソームに封じ込められた親水モノマーの重合法」Ma
rkromol.Chem.のRapid Commu
n.、vol.8、p.457(1987)に開示され
ている。あるいは、リポソームをポリマーのネットで被
うという方法もある。この場合、ポリマーは気泡膜に吸
着するが、気泡とポリマー間の共有結合はない。このこ
とは、例えばK.Aliev著、Markromol.
Chem.のRapid Commun.、vol.
5、p.345(1984)に開示されている。
【0019】本発明のインクは着色剤としての染料も含
む。本発明のある形態では、染料分子がリポソームの中
央部の空洞内に含まれている。本発明の別の形態では、
染料分子が、2つ以上の二分子層膜を有する気泡内の2
つ以上の膜構造の間に含まれている。さらに、本発明の
別の形態では、染料分子は気泡膜内に含まれ、二分子層
膜を形成している分子間に存在する。これらの実施の形
態にふさわしい染料は、ORASOL Blue 2G
LNを含むOrasolシリーズの染料のようなアルコ
ールに可溶の染料で、Ciba Geigy社などから
入手できる。必要なら1つ以上のアルコールをインクに
加えて、アルコール可溶染料の溶解度を高めることもで
きる。油溶性の染料も使用でき、また、リポソーム構造
内に封じ込めることができる。サーマルインクジェット
プリンティングには、油溶性の染料はあまり向かない。
なぜならば、プリントヘッドのヒーター上でコゲ(ko
gation)を引き起こす可能性があるからである
が、これらの実施の形態で使用してもかまわない。ある
実施の形態では、油溶性の染料はリポソームの膜内に捕
らえられ、内部空洞にはない。これらの実施の形態では
水溶性の染料も使用できる。水溶性またはアルコール可
溶性染料を含有するインクは、脂質分子と染料を水中で
濃縮したものを用意して製造できる。濃縮物は次に、封
入物を得るために高速スタラーやポリトロン(poly
tron)で攪拌しながら水で希釈する。別の形態で
は、インク成分をすべて水に混合した後、その混合物
を、例えば約1ないし10分間、例えば1平方インチあ
たり約5,000ないし30,000ポンドでミクロ流
動化する。ミクロ流動化は封入物の収量が高いこと、お
よびリポソームのサイズとサイズ分布をよくコントロー
ルできるので好ましい。
【0020】本発明のさらに別の形態では、リポソーム
にイオン的に引き寄せられるような染料が選ばれる。例
えば陰イオン性の染料は、陽イオン性の部分をその表面
構造上に有しているリポソームと都合よく使える。染料
分子はリポソームと、気泡の内部表面または気泡の外部
表面、またはその両方の面上でイオン的に会合できる。
陽イオン性、または陰イオン性染料が使用できる。ある
色合いを得るのに必要な割合に混合された染料も使用し
てよい。
【0021】また、本発明の別の形態では、染料分子が
リポソームと共有結合している。染料分子はリポソーム
と、気泡の内部表面または気泡の外部表面、またはその
両方の面上で共有結合できる。脂質分子は、分子の極性
の「ヘッド」または非極性「テール」のどちらかに少な
くとも1つの官能基を持つようなものを選んで、染料分
子と反応して共有結合が形成されるようにする。脂質分
子の官能基として適切なものは、−OH、−NH2 など
である。本発明の本実施の形態に適した染料は、脂質上
の反応基と反応して脂質に結合できる反応性染料であれ
ば一般的に何でもよい。これらの染料は一般的に水溶性
の発色団を含む。例えば、アントラキノン、モノアゾ染
料、ジアゾ染料、フタロシアニン、アザ[18]アンヌ
レン、ホルマザン銅錯体、トリフェノジオキサジンなど
で、これに反応基が共有結合している。例えば、ジクロ
ロトリアジン、モノクロロトリアジン、ジクロロキノキ
サリン、アミノエポキシド、モノ−(m−カルボキシピ
リジニウム)−トリアジン、2,4,5−トリハロゲノ
ピリミジン、2,4−ジクロロピリミジン、2,3−ジ
クロロキノキサリン、モノフルオロトリアジン、4,5
−ジクロロ−6−メチル−2−メチルスルホニルピリミ
ジン、1,4−ジクロロフタラジン、クロロベンゾチア
ゾール、スルファトエチルスルホン、β−クロロエチル
スルホン、4,5−ジクロロ−6−ピリダゾン、α−ブ
ロモアクリロイルアミド、α,β−ジブロモプロピオニ
ルアミドなどである。
【0022】本発明のある形態では、染料に共有結合し
ているホスホリピドからなる着色剤が可視波長外の照射
を受けたときに検出可能な染料を選んで使用している。
本発明の別のある形態では、染料に共有結合しているホ
スホリピドからなる着色剤が実質的に無色で可視波長外
の照射を受けたときに検出可能な染料を選んで使用して
いる。例えば、蛍光染料または感赤外線染料が、ホスホ
リピドと反応させるのに十分な水溶性を示し、赤外線や
紫外線などの可視外の波長領域の光線を吸収し、可視波
長領域外のスペクトル領域の光線を受けたとき人間の目
で検出可能であるかまたは適当な検出器で検出可能な光
線を放射し、熱安定性および光安定性に優れていれば使
用できる。さらに本発明の別のある形態では、通常の条
件下で人間の目に見える着色剤、例えば、顔料、染料、
共有結合している染料が可視波長領域内で色を呈するホ
スホリピドなど、と、共有結合している染料が可視波長
領域外の光線の照射を受けたときに検出可能であるホス
ホリピドの両方をインクに含んでいる。本形態では共有
結合した染料は着色していても実質的に無色でもよい。
実質的に無色の染料の場合、適切な染料または発色団
は、実質的に無色の粒子を含有するインクを観察または
検出するという状況下で、インク中の可視着色剤とは区
別できる。
【0023】ヒドロキシル基とリアクティブブラック3
1染料を含むリポソームの一般的な反応式は次のとおり
である。
【0024】
【化6】 染料が共有結合したリポソームを製造するには、リポソ
ームと染料分子を所望のまたは適切な相対量、すなわ
ち、染料:リポソームの比が一般的に約1:1ないし2
0:1、好ましくは約5:1、もっとも相対量はこの範
囲外でも構わないが、一般的には水溶液中でアルカリ性
のpH(好ましくは約8ないし12であるがpHはこの
範囲外でも構わない)で、好ましくは一般的に約50な
いし95℃(温度はこの範囲外でも構わない)に加熱し
ながら、一般的に約5ないし120分間(時間はこの範
囲外でも構わない)混合する。
【0025】結果として生ずる混合物は、染料がリポソ
ームの外部表面または両面に共有結合している着色剤を
一般的に含む。これらの着色剤はインクの長期安定性を
さらによくコントロールする。リポソームのコアは、な
るべく大量の水が配位できるようにフリーのままで、こ
のために、粒子の密度を低くし長期の安定性が増すばか
りでなく、色間のにじみを削減するなどの利点が生ず
る。
【0026】本発明のインク組成物には、所望の着色度
を達成するのに有効な任意の量の染料が含まれる。一般
的には染料の量はインク中に約0.1ないし10重量
%、好ましくは約1ないし8重量%存在するが、この範
囲外でも構わない。
【0027】インクにはその他の添加剤が含まれていて
もよい。例えば、1つ以上の分散剤、界面活性剤、湿潤
剤がインクに添加される。これらの添加剤は、陽イオン
性、陰イオン性、または非イオン性のものである。
【0028】本発明のインクは、水性ベースのインクを
製造するのに適切な任意の方法によって製造することが
できる。例えば、調製されたリポソームを含むインク成
分を任意の量混合し、均一なインク組成物ができるまで
攪拌する(一般的には約30分間であるが、混合/攪拌
時間はこれより長くても短くてもよい)。必要ではない
が、インク成分は混合中所望すれば加熱してもよい。混
合および攪拌の後、インクのpHを所望、あるいは必要
であれば調整する。最後に、インク組成物を通常はろ過
して固形分や粒子を取り除く。好ましくは、平均の粒子
直径で約2ミクロンより大きい粒子はすべて取り除く。
リポソームベースのインクの中にはろ過に適さないもの
もあるので、このような場合は大きい粒子は遠心分離に
よって取り除く。
【0029】本発明のインクを使用したプリント画像
は、インクをサーマルインクジェットプリンタに入れ
て、インクの液滴を紙や透明素材などの基板上に画像パ
ターンに吐出することによって作られる。本発明のイン
クを使用するのに適したプリンタは、市販のインクジェ
ットプリンタで、例えば、Hewlett−Packa
rd社のThinkJet(登録商標)、PaintJ
et(登録商標)、DeskJet(登録商標)プリン
タなどである。本発明のインクは、ピエゾ型オンデマン
ド(drop−on−demand)インクジェットプ
リンティングシステムや、コンティニアスストリーム
(continuous stream)インクジェッ
トプリンティングシステム、およびインクの加熱ができ
るように変更されたプリンティングシステムでの使用に
も適している。基板は適切なものであれば何でも使用で
きる。普通紙では、Ashdown 4024 DP、
Cortland 4024 DP、Champion
4024 DP、Xerox(登録商標)4024
D.P.グリーン、Xerox(登録商標)4024
D.P.ピンク、Xerox(登録商標)4024
D.P.イエローなどを含むXerox(登録商標)4
024紙、Xerox(登録商標)4200紙、Xer
ox(登録商標)10シリーズ紙、カナリア罫紙、罫線
ノート紙、ボンド紙では、Gilbert25パーセン
トコットンボンド紙、Gilbert100パーセント
コットンボンド紙、Strathmoreボンド紙、シ
リカコート紙では、Sharp社のシリカコート紙、J
uJo紙など、透明素材では、Xerox(登録商標)
3R3351、Tetronixインクジェット透明
紙、Arkrightインクジェット透明紙など、ファ
ブリック、テキスタイル製品、プラスチック、ポリマー
フィルム、メタルやウッドなどの無機基板などである。
【0030】本発明のインクはインクジェットプリンテ
ィングのプロセスに特に適している。そのプロセスで
は、基板が加熱され、第一のインクがその加熱された基
板上にプリントされ、それに引き続いて第二のインクが
加熱基板にプリントされる。第一のインクと第二のイン
クのプリンティングの間には少なくとも約5秒の時間差
がある。この時間差のおかげで、第一のインクのビヒク
ルが蒸発してから第二のインクがプリントされることに
なり、その結果色間のにじみが削減または防止できる。
本発明のインクは蒸発すると非常に粘度が高くなり、こ
のためにエッジのシャープなプリント画像が得られ、ま
た、本プロセスにおけるにじみが削減される。
【0031】
【実施例】
実施例1.インク組成物を以下のように製造した。2g
のプロ−リポソームH(フランスのLucas Mey
er製)を、室温で攪拌しながら、34gの脱イオン水
の中に60容積%のブチルカルビトールおよび40容積
%のグリセロールを含む4gの有機混合物とともに溶解
して溶液を調製した。この溶液を65℃で20分間加熱
した後、8000psiで4分間ミクロ流動化を行っ
た。次に粒子サイズを17日間にわたってBI−90パ
ーティクルサイザー(BrookhavenInstr
uments製)で測定した。観察された平均の粒子直
径は次のとおりである。
【0032】
【表1】 次に、この溶液に1重量%の水酸化ナトリウム含有水溶
液を2滴加えてpH10.55のアルカリ性とした。次
いで、1gのDuasyn Black RL−SF
VP−228(リアクティブブラック31)染料を加え
て溶液を攪拌し、60℃で30分間加熱した。その後室
温まで冷却した。こうして得られたインク組成物は、表
面張力が約41ダイン/cm、粘度が室温で5.385
センチポイズであった。このインクをHewlett−
Packard社のDeskJet500のサーマルイ
ンクジェットプリンタに入れて普通紙にプリントした。
こうして出来上がったプリントは光学濃度が約0.95
で、エッジのシャープな高品質のプリントであった。
【0033】実施例2.インク組成物を以下のように製
造した。2gのプロ−リポソームH(フランスのLuc
as Meyer製)を、室温で、2gのスルホラン
(95.7重量%、残りは水)、3.6gのブチルカル
ビトール、32.4gの脱イオン水に溶解して溶液を調
製した。この溶液を65℃で20分間加熱した後、80
00psiで4分間ミクロ流動化を行った。次に粒子サ
イズを17日間にわたってBI−90パーティクルサイ
ザー(Brookhaven Instruments
製)で測定した。観察された平均の粒子直径は次のとお
りである。
【0034】
【表2】 次に、この溶液に1重量%の水酸化ナトリウム含有水溶
液を2滴加えてpH10.51のアルカリ性とした。次
いで、1gのDuasyn Black RL−SF
VP−228(リアクティブブラック31)染料を加え
て溶液を攪拌し、60℃で30分間加熱した。その後室
温まで冷却した。こうして得られたインク組成物は、表
面張力が約37ダイン/cm、粘度が室温で5.33セ
ンチポイズであった。このインクをHewlett−P
ackard社のDeskJet500のサーマルイン
クジェットプリンタに入れて普通紙にプリントした。こ
うして出来上がったプリントは光学濃度が約0.9で、
耐水性と速乾性に優れていたがにじみ(スメアリング:
smearing)も生じた。
【0035】実施例3.インク組成物を以下のように製
造した。2gのプロ−リポソームH(フランスのLuc
as Meyer製)を、室温で、4gのグリセロール
と34gの脱イオン水との混合物に溶解して溶液を調製
した。この溶液を65℃で20分間加熱した後、800
0psiで4分間ミクロ流動化を行った。次に粒子サイ
ズを17日間にわたってBI−90パーティクルサイザ
ー(Brookhaven Instruments
製)で測定した。観察された平均の粒子直径は次のとお
りである。
【0036】
【表3】 次に、この溶液に1重量%の水酸化ナトリウム含有水溶
液を2滴加えてpH11.29のアルカリ性とした。次
いで、1gのDuasyn Black RL−SF
VP−228(リアクティブブラック31)染料を加え
て溶液を攪拌し、60℃で30分間加熱した。その後室
温まで冷却した。こうして得られたインク組成物は、表
面張力が約56.5ダイン/cm、粘度が室温で1.5
53センチポイズであった。このインクをHewlet
t−Packard社のDeskJet500のサーマ
ルインクジェットプリンタに入れて普通紙にプリントし
た。こうして出来上がったプリントは、エッジがシャー
プで耐水性および耐スメア性にに優れていたが、乾燥は
比較的遅かった。
【0037】実施例4.インク組成物を以下のように製
造した。
【0038】7.7gのN−メチルイミノビス(エタノ
ール)を50mlのジメチルホルムアミドに溶解し、そ
れに29gの10−ウンデセノイルクロライド(蒸留し
たもの)を添加して、ビス(2−[10−ウンデセノイ
ルオキシカルボニル]−エチル)メチルアミンハイドロ
クロライドを製造した。該溶液を1時間放置すると、生
成物は自然に結晶化した。次に160mlのジエチルエ
ーテルを添加して混合物を−10℃に冷却し、ろ過し
た。続いて生成物を80mlの酢酸エチルで再結晶させ
た。水酸化ナトリウムで塩化メチレン中に抽出して精製
アミンを得た。収量は31.4gであった(収率89.
2%)。
【0039】2.5gの硫酸ジメチルに、上記の方法で
製造したビス(2−[10−ウンデセノイルオキシカル
ボニル]−エチル)メチルアミンハイドロクロライド
4.88gを加え、その混合物を85℃で4時間加熱し
た。次に、50mlのジエチルエーテルと50mlの塩
化メチレンを加えて、その溶液を臭化カリウムの飽和水
溶液で5回抽出した(合計100mlのKBr使用)。
次に溶媒を除去して、5.43g(収率99.4%)
の脂質ビス(2−[10−ウンデセノイルオキシカルボ
ニル]−エチル)ジメチルアンモニウムブロマイドを得
た。
【0040】405mgの脂質ビス(2−[10−ウン
デセノイルオキシカルボニル]−エチル)ジメチルアン
モニウムブロマイドと12mlの脱イオン水を混合して
懸濁液を作り、これをUltrasonics Son
icator TM Model 350(連続パルス
50%サイクル/7マイクロチップ)に入れて超音波処
理した。超音波処理の後、こうして形成されたリポソー
ムを紫外線(Oriel Model 6137 UV
ランプ、200 WHg、Oriel Voltmet
er製)に室温で4時間当てて重合させた。Biosp
hericalInstrument社 QSL 10
0で測定した光度は、1.5×1017から2.5×10
17sec-1cm-2であった。次に、重合したリポソーム
混合物に6.99mlの脱イオン水と600mgのAi
zen Black 1000S Dye(黒色の陰イ
オン性染料、Hodogaya Chemical社
製)を加え、その懸濁液を攪拌しながら50℃で30分
間加熱した。次にその混合物を一晩室温で攪拌し、イン
ク組成物を得た。こうして得られたインクをHewle
tt−Packard社のDeskJet500サーマ
ルインクジェットプリンタに入れてXerox(登録商
標)4024普通紙、Ashdown4200普通紙、
Hammermill普通紙、Tidal DP普通紙
にプリントした。得られたプリントは、優れたエッジ品
質、光学濃度、中間周波数のラインエッジノイズ(mi
d−frequency line edge noi
se、MFLEN)を示した。
【0041】さらに2種の黒インクを同じ方法で製造し
た。ただし、1つは染料にProjet Black
I(ダイレクトブラック168、ICI Colors
社製)を使用し、もう1つは染料にフードブラック2
(Tricon Colors社製)を使用した。これ
らのインクはAizen Black染料を使用して製
造したインクと同様のプリンティング特性を有してい
た。
【0042】実施例5.インク組成物を以下のように製
造した。
【0043】ビス(2−[10−ウンデセノイルオキシ
カルボニル]−エチル)メチルアミンハイドロクロライ
ドを実施例4に記載の方法で製造した。6.85gのビ
ス(2−[10−ウンデセノイルオキシカルボニル]−
エチル)メチルアミンハイドロクロライドに、2.6g
の2−ブロモエタノールを加えてできた混合物を85℃
で4時間加熱した。次に、反応混合物をトルエン(15
ml)とペンタンとの混合液中で結晶化し、2.1g
(収率25%)の脂質ビス(2−[10−ウンデセノイ
ルオキシカルボニル]−エチル)(2−ヒドロキシエチ
ル)ジメチルアンモニウムブロマイドを得た。
【0044】371mgの脂質ビス(2−[10−ウン
デセノイルオキシカルボニル]−エチル)(2−ヒドロ
キシエチル)ジメチルアンモニウムブロマイドを12m
lの脱イオン水と混合して懸濁液を作り、これをUlt
rasonics Sonicator TM Mod
el 350(連続パルス50%サイクル/7マイクロ
チップ)に入れて超音波処理した。超音波処理の後、こ
うして形成されたリポソームを紫外線(Oriel M
odel 6137 UVランプ、200 WHg、O
riel Voltmeter製)に室温で4時間当て
て重合させた。Biospherical Instr
ument社 QSL 100で測定した光度は、1.
5×1017から2.5×1017sec-1cm-2であっ
た。次に、重合したリポソーム混合物に6.99mlの
脱イオン水と1重量%の水酸化ナトリウム水溶液数滴を
加えて混合物のpHを9から10の間とした。次いで、
この混合物に600mgのリアクティブブラック31染
料(Duasyn Black、RL−SFVP、Ho
echst AG製)を加えてできた懸濁液を攪拌しな
がら60℃で30分間加熱した。次にこの混合物を室温
で一晩攪拌してインク組成物を得た。これに1モルの塩
酸水溶液数滴を添加してpHを約7とした。こうして得
られたインクをHewlett−Packard社のD
eskJet500サーマルインクジェットプリンタに
入れてXerox(登録商標)4024普通紙、Ash
down4200普通紙、Hammermill普通
紙、Tidal DP普通紙にプリントした。得られた
プリントは、エッジ品質および光学濃度に優れ、コゲ
(kogation)を起こさなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る水溶性インクにおける単一の2
層膜を有する気泡(リポソーム)を示す図である。
【図2】 水溶液中において、界面活性剤分子により形
成されたミセルを示す図である。
【符号の説明】
1 気泡、3 非極性末端、5 脂質分子、7 極性末
端、11 ミセル、13 非極性末端、15 界面活性
剤分子、17 極性末端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マリアンナ イザベラ カナダ オンタリオ州 ミシソーガ カウ ンシル リング ロード 2796 (72)発明者 スーザン バーケル ドイツ グラシュッテン アルテン ヒン メル シュトラッセ 24 (72)発明者 ゴードン ケー ハマー カナダ オンタリオ州 ミシソーガ サウ ス ミルウェイ 1−2280

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性液体ビヒクル、染料、気泡形成脂質
    を有し、脂質の気泡がインク中に存在することを特徴と
    するインク組成物。
  2. 【請求項2】 (a)水と、反応性染料と反応可能な少
    なくとも1つの官能基を有する気泡形成脂質とを混合す
    ることによって、脂質の気泡を水溶液中に形成し、
    (b)脂質気泡の水溶液と反応性染料とをアルカリ性の
    pHで混合することによって、染料を脂質気泡と共有結
    合させることを特徴とするインク組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 水性液体ビヒクル、染料、気泡形成脂質
    を有し、脂質の気泡がインク中に存在するインク組成物
    をインクジェットプリンタに組み入れ、インクの液滴を
    基板上の画像パターンに吐出させることを特徴とするプ
    リンティング方法。
JP30902196A 1995-12-05 1996-11-20 リポソーム含有インク組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP3908811B2 (ja)

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