JPH09176780A - 制振性に優れた高強度鋼及びその製造方法 - Google Patents
制振性に優れた高強度鋼及びその製造方法Info
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- JPH09176780A JPH09176780A JP29831395A JP29831395A JPH09176780A JP H09176780 A JPH09176780 A JP H09176780A JP 29831395 A JP29831395 A JP 29831395A JP 29831395 A JP29831395 A JP 29831395A JP H09176780 A JPH09176780 A JP H09176780A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 靭性、制振性が同時に優れた構造材料用制振
合金。 【解決手段】 重量%で、C:0.02以下、Si:
0.01以上、0.5未満、Mn:0.2〜2.5、
P:0.010以下、S:0.005以下、Cr:0.
5未満、Al:0.002〜0.060、N:0.00
6以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からな
り、かつ(200)回折強度比が2.5以上である。制
振性に優れた高強度鋼。
合金。 【解決手段】 重量%で、C:0.02以下、Si:
0.01以上、0.5未満、Mn:0.2〜2.5、
P:0.010以下、S:0.005以下、Cr:0.
5未満、Al:0.002〜0.060、N:0.00
6以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からな
り、かつ(200)回折強度比が2.5以上である。制
振性に優れた高強度鋼。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、橋梁、産業
機械、建築用構造材料として高い制振性を有する高強度
な制振合金及び高靭性を有する高強度な制振合金に係わ
るものである。
機械、建築用構造材料として高い制振性を有する高強度
な制振合金及び高靭性を有する高強度な制振合金に係わ
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近、船舶、橋梁、産業機械、建築物は
その材料には、構造材料の基本特性である強度、靭性に
加え高い制振性が同時に要求される傾向にある。すなわ
ち、たとえば、橋梁上の高速鉄道走行時や大規模土木、
建築作業時の騒音、振動を構造材料そのものの制振効果
で抑え、かつ、構造部材として十分な靭性を有するとい
う課題を解決しようとするものである。
その材料には、構造材料の基本特性である強度、靭性に
加え高い制振性が同時に要求される傾向にある。すなわ
ち、たとえば、橋梁上の高速鉄道走行時や大規模土木、
建築作業時の騒音、振動を構造材料そのものの制振効果
で抑え、かつ、構造部材として十分な靭性を有するとい
う課題を解決しようとするものである。
【0003】樹脂サンドイッチ型制振鋼板に代わる制振
性を目的とした部材に供される従来の鉄系材料は、振動
による交番応力作用下での磁壁移動の非可逆運動による
ヒステリシスに起因した高い制振特性を得るため、フェ
ライトフォーマーを添加して組織をフェライト単相化す
ることをねらい、Al及びSiを添加した材料と、Cr
を積極的に添加した材料との2種類に分けられる。
性を目的とした部材に供される従来の鉄系材料は、振動
による交番応力作用下での磁壁移動の非可逆運動による
ヒステリシスに起因した高い制振特性を得るため、フェ
ライトフォーマーを添加して組織をフェライト単相化す
ることをねらい、Al及びSiを添加した材料と、Cr
を積極的に添加した材料との2種類に分けられる。
【0004】前者の例としては、特開平4−99148
号公報に記載されるようにAlを最高7.05%及びS
iを最高4.5%まで添加した強磁性型制振合金があ
り、後者の例としては、特開昭52−73118号公報
に記載されるようにCrを8〜30%添加した強磁性制
振合金などがある。さらに、特開平6−220583号
公報及び特開平5−302148号公報で、Mnが0.
1または0.2%以下で、Crを1〜5%を添加した強
磁性制振合金がある。また、発明者らは、先にMnが
0.2〜2.5%、Crを1〜5%を添加した強磁性制
振合金を提案した。
号公報に記載されるようにAlを最高7.05%及びS
iを最高4.5%まで添加した強磁性型制振合金があ
り、後者の例としては、特開昭52−73118号公報
に記載されるようにCrを8〜30%添加した強磁性制
振合金などがある。さらに、特開平6−220583号
公報及び特開平5−302148号公報で、Mnが0.
1または0.2%以下で、Crを1〜5%を添加した強
磁性制振合金がある。また、発明者らは、先にMnが
0.2〜2.5%、Crを1〜5%を添加した強磁性制
振合金を提案した。
【0005】また、田中良平、制振材料〈その機能と応
用〉広済堂1992年3月発行p192〜197に強磁
性型合金として、外部応力が磁区壁の移動を引き起こし
それによるヒステリシス損で振動エネルギーが吸収され
ることが記述されている。
用〉広済堂1992年3月発行p192〜197に強磁
性型合金として、外部応力が磁区壁の移動を引き起こし
それによるヒステリシス損で振動エネルギーが吸収され
ることが記述されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の合金のうち特開平4−99148号公報記載の合金は
Al及びSi添加量が多いため、粗大なAl系及びSi
系介在物の生成を招き、これが破壊の発生点として作用
するため靭性が低下する。
の合金のうち特開平4−99148号公報記載の合金は
Al及びSi添加量が多いため、粗大なAl系及びSi
系介在物の生成を招き、これが破壊の発生点として作用
するため靭性が低下する。
【0007】また、特開昭52−73118号公報記載
の合金はCr添加が過剰なため、上記同様Cr系介在物
の生成による靭性低下を招く。さらに、特開平6−22
0583号公報及び特開平5−302148号公報記載
の鋼材は、靭性劣化防止の観点がなく、靭性が低い。ま
た、発明者らが先に提案した鋼材においては、改善され
るものの制振性においてさらに改善が望まれた。
の合金はCr添加が過剰なため、上記同様Cr系介在物
の生成による靭性低下を招く。さらに、特開平6−22
0583号公報及び特開平5−302148号公報記載
の鋼材は、靭性劣化防止の観点がなく、靭性が低い。ま
た、発明者らが先に提案した鋼材においては、改善され
るものの制振性においてさらに改善が望まれた。
【0008】制振材料の文献では、制振合金の機構を書
いたもので、その向上策や具体的な成分系・製造方法あ
るいは制振性に加えて靭性を同時に満足する方法に関す
る記述はない。本発明は優れた制振性及び制振性と高靭
性を有する高強度な制振合金を提供することを目的とす
る。
いたもので、その向上策や具体的な成分系・製造方法あ
るいは制振性に加えて靭性を同時に満足する方法に関す
る記述はない。本発明は優れた制振性及び制振性と高靭
性を有する高強度な制振合金を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。 (1)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01
以上、0.5%未満、Mn:0.2〜2.5%、P:
0.010%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
5%未満、Al:0.002〜0.060%、N:0.
006%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物か
らなり、かつ(200)回折強度比が2.5以上である
ことを特徴とする制振性に優れた高強度鋼。
である。 (1)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01
以上、0.5%未満、Mn:0.2〜2.5%、P:
0.010%以下、S:0.005%以下、Cr:0.
5%未満、Al:0.002〜0.060%、N:0.
006%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物か
らなり、かつ(200)回折強度比が2.5以上である
ことを特徴とする制振性に優れた高強度鋼。
【0010】(2)重量%で、Cu:0.05〜2.5
%、Ni:0.05〜2.5%、Mo:0.05〜4.
5%、Nb:0.005〜0.2%、V:0.005〜
0.2%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.00
03〜0.005%のうち少なくとも1種以上を含有す
ることを特徴とする前記(1)記載の制振性に優れた高
強度鋼。
%、Ni:0.05〜2.5%、Mo:0.05〜4.
5%、Nb:0.005〜0.2%、V:0.005〜
0.2%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.00
03〜0.005%のうち少なくとも1種以上を含有す
ることを特徴とする前記(1)記載の制振性に優れた高
強度鋼。
【0011】(3)重量%で、Ca:0.001〜0.
05%、REM:0.001〜0.10%のうち少なく
とも1種以上を含有することを特徴とする前記(1)ま
たは(2)のいずれかに記載の制振性に優れた高強度
鋼。 (4)結晶粒径を100μ以下とすることにより高い靭
性を確保したことを特徴とする前記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の制振性に優れた高強度鋼。
05%、REM:0.001〜0.10%のうち少なく
とも1種以上を含有することを特徴とする前記(1)ま
たは(2)のいずれかに記載の制振性に優れた高強度
鋼。 (4)結晶粒径を100μ以下とすることにより高い靭
性を確保したことを特徴とする前記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の制振性に優れた高強度鋼。
【0012】(5)加熱温度が1000〜1150℃、
かつ850℃以下の圧下率が30〜70%であり、さら
に圧延仕上温度が750℃以下で熱間圧延した後室温ま
で冷却し、600〜900℃の温度範囲で焼戻しまたは
焼きなまし熱処理することを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の制振性に優れた高強度鋼の製
造方法。
かつ850℃以下の圧下率が30〜70%であり、さら
に圧延仕上温度が750℃以下で熱間圧延した後室温ま
で冷却し、600〜900℃の温度範囲で焼戻しまたは
焼きなまし熱処理することを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の制振性に優れた高強度鋼の製
造方法。
【0013】(6)圧延仕上温度の範囲を600〜75
0℃とする熱間圧延を行うことを特徴とする前記(5)
記載の制振性に優れた高強度鋼の製造方法。 (7)圧延仕上温度の範囲をAr1 −20℃〜Ar1 +
50℃とする熱間圧延を行うことを特徴とする前記
(5)または(6)のいずれかに記載の制振性に優れた
高強度鋼の製造方法。
0℃とする熱間圧延を行うことを特徴とする前記(5)
記載の制振性に優れた高強度鋼の製造方法。 (7)圧延仕上温度の範囲をAr1 −20℃〜Ar1 +
50℃とする熱間圧延を行うことを特徴とする前記
(5)または(6)のいずれかに記載の制振性に優れた
高強度鋼の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は上記事情に鑑みなされた
もので、振動による交番応力作用下での磁壁移動の非可
逆運動によるヒステリシスに起因した高い制振特性を得
るために、磁壁移動に有害な各種元素や介在物、析出物
の生成を招き、磁壁移動を妨げ、制振性を大きく損なう
元素を極力低下した純鉄系成分を基本としている。
もので、振動による交番応力作用下での磁壁移動の非可
逆運動によるヒステリシスに起因した高い制振特性を得
るために、磁壁移動に有害な各種元素や介在物、析出物
の生成を招き、磁壁移動を妨げ、制振性を大きく損なう
元素を極力低下した純鉄系成分を基本としている。
【0015】さらに、従来は結晶粒界が磁壁移動を阻害
するため、もっぱら粗粒化することで制振性を向上させ
ていたが、発明者らは種々検討した結果、粗粒化による
制振性向上の方法に替わる方法として、(200)回折
強度を高くすることで、大幅に制振性が向上することを
発見した。(200)回折強度を高くすることで、鋼板
表面に平行な方向の〈100〉方位が強化される。つま
り、磁化容易方向が鋼板表面に平行な方向に強化され
る。磁化容易方向を強化することで制振性が向上するこ
とは新たな発見である。この(200)回折強度比を
2.5以上にすることで制振性が向上することを見い出
した。
するため、もっぱら粗粒化することで制振性を向上させ
ていたが、発明者らは種々検討した結果、粗粒化による
制振性向上の方法に替わる方法として、(200)回折
強度を高くすることで、大幅に制振性が向上することを
発見した。(200)回折強度を高くすることで、鋼板
表面に平行な方向の〈100〉方位が強化される。つま
り、磁化容易方向が鋼板表面に平行な方向に強化され
る。磁化容易方向を強化することで制振性が向上するこ
とは新たな発見である。この(200)回折強度比を
2.5以上にすることで制振性が向上することを見い出
した。
【0016】(200)回折強度比を2.5以上にする
と、制振性の指標である損失係数を0.015以上確保
できるため、制振性能の観点のみから見れば(200)
回折強度比は高いほど良いが、靭性など他の鋼材特性と
の兼ね合いから、実用上の(200)回折強度比は2.
5から12.0の範囲が好ましく、その結果として損失
係数は0.015〜0.05を確保するのが好ましい。
と、制振性の指標である損失係数を0.015以上確保
できるため、制振性能の観点のみから見れば(200)
回折強度比は高いほど良いが、靭性など他の鋼材特性と
の兼ね合いから、実用上の(200)回折強度比は2.
5から12.0の範囲が好ましく、その結果として損失
係数は0.015〜0.05を確保するのが好ましい。
【0017】ここで、(200)回折強度比は、X線で
板厚方向の(200)回折強度を測定し、ランダムサン
プル材の(200)回折強度に対する比を求めた。今回
板表面、板厚方向1/2厚み及び1/4厚みについて検
討した結果では、(200)回折強度比は最大値でも1
5程度であった。
板厚方向の(200)回折強度を測定し、ランダムサン
プル材の(200)回折強度に対する比を求めた。今回
板表面、板厚方向1/2厚み及び1/4厚みについて検
討した結果では、(200)回折強度比は最大値でも1
5程度であった。
【0018】この(200)回折強度比を高くするため
には、低温圧延を行うことが必要で、検討の結果、85
0℃以下の圧下率を30%以上にすることで達成でき
る。このため、圧延仕上温度は通常750℃以下とな
る。さらに、制振性向上のため詳細に検討した結果、圧
延仕上温度をAr1 −20℃〜Ar1 +50℃にするこ
とで(200)回折強度比がさらに向上し制振性が一層
向上することを見い出した。
には、低温圧延を行うことが必要で、検討の結果、85
0℃以下の圧下率を30%以上にすることで達成でき
る。このため、圧延仕上温度は通常750℃以下とな
る。さらに、制振性向上のため詳細に検討した結果、圧
延仕上温度をAr1 −20℃〜Ar1 +50℃にするこ
とで(200)回折強度比がさらに向上し制振性が一層
向上することを見い出した。
【0019】さらに、制振性、靭性を損なわずに強度を
大幅に上昇させることのできる元素としてMnを見い出
した。Mnを0.2%以上添加することで、制振性と強
度の両立、あるいは、制振性、強度と靭性全て向上させ
ることが可能である。
大幅に上昇させることのできる元素としてMnを見い出
した。Mnを0.2%以上添加することで、制振性と強
度の両立、あるいは、制振性、強度と靭性全て向上させ
ることが可能である。
【0020】また、靭性向上のために、結晶粒径を10
0μ以下にすることが好ましい。このためには上記の
(200)回折強度比を2.5以上にする製造方法にお
いて、圧延仕上温度が600℃未満では、結晶粒径が1
00μを超えることがあるため、圧延仕上温度は600
℃以上とする。
0μ以下にすることが好ましい。このためには上記の
(200)回折強度比を2.5以上にする製造方法にお
いて、圧延仕上温度が600℃未満では、結晶粒径が1
00μを超えることがあるため、圧延仕上温度は600
℃以上とする。
【0021】熱間圧延後、(200)回折強度比を高く
し、圧延によって鋼板中に導入された歪を減少するため
に、焼戻しまたは焼きなまし熱処理が必要であるが、高
温で熱処理すると(200)回折強度比が低くなるた
め、上限温度は950℃であるが、確実に(200)回
折強度比を確保するためには900℃以下がより好まし
い。
し、圧延によって鋼板中に導入された歪を減少するため
に、焼戻しまたは焼きなまし熱処理が必要であるが、高
温で熱処理すると(200)回折強度比が低くなるた
め、上限温度は950℃であるが、確実に(200)回
折強度比を確保するためには900℃以下がより好まし
い。
【0022】次に、本発明の限定理由を説明する。Cは
固溶状態でも炭化物として析出しても磁壁移動の障害と
して作用して制振性を低下させるため低いほど好まし
く、上限を0.02%とする。Siは脱酸材として重要
であるため、0.01%以上添加する必要があるが、
0.5を超えて添加すると固溶状態で磁壁移動の障害と
して作用して制振性、靭性を低下させるため、上限を
0.50%とする。
固溶状態でも炭化物として析出しても磁壁移動の障害と
して作用して制振性を低下させるため低いほど好まし
く、上限を0.02%とする。Siは脱酸材として重要
であるため、0.01%以上添加する必要があるが、
0.5を超えて添加すると固溶状態で磁壁移動の障害と
して作用して制振性、靭性を低下させるため、上限を
0.50%とする。
【0023】Mnは脱酸及びSを固定して粒界脆化を抑
制すると同時に固溶体強化元素で強度確保のため不可欠
の元素で、最低0.2%を添加する必要があるが、2.
5%以上の添加では制振性の低下が起こる。このためM
n量は0.2〜2.5%とする。P,Sは鋼中において
非金属介在物を形成し、かつ、偏析することにより磁壁
の移動を妨げる害を及ぼし制振性を低下させるので少な
いほどよい。このため、Pは0.010%以下、Sは
0.005%以下とする。
制すると同時に固溶体強化元素で強度確保のため不可欠
の元素で、最低0.2%を添加する必要があるが、2.
5%以上の添加では制振性の低下が起こる。このためM
n量は0.2〜2.5%とする。P,Sは鋼中において
非金属介在物を形成し、かつ、偏析することにより磁壁
の移動を妨げる害を及ぼし制振性を低下させるので少な
いほどよい。このため、Pは0.010%以下、Sは
0.005%以下とする。
【0024】AlはSiやMnと同様に脱酸材として重
要である他、制振性と強度を向上させる重要な元素であ
る。最低0.002%を確保する必要があるが、過剰添
加によりAl2 O3 などの介在物の他、Nと化合してA
lNなどの析出物を生成し、制振性、靭性の低下を招く
ため上限を0.060%に制限する。
要である他、制振性と強度を向上させる重要な元素であ
る。最低0.002%を確保する必要があるが、過剰添
加によりAl2 O3 などの介在物の他、Nと化合してA
lNなどの析出物を生成し、制振性、靭性の低下を招く
ため上限を0.060%に制限する。
【0025】Crはフェライトフォーマーであり、添加
することにより結晶粒を粗大化する元素であり、制振性
を若干向上させるが、同時に靭性の低下を招き、また高
価な元素であるため極力添加量を低減することが好まし
いため、上限を0.5%未満に制限する。Nは固溶状態
でも窒化物として析出しても磁壁移動の障害として作用
して制振性を低下させるため低いほど好ましく、上限を
0.006%とする。
することにより結晶粒を粗大化する元素であり、制振性
を若干向上させるが、同時に靭性の低下を招き、また高
価な元素であるため極力添加量を低減することが好まし
いため、上限を0.5%未満に制限する。Nは固溶状態
でも窒化物として析出しても磁壁移動の障害として作用
して制振性を低下させるため低いほど好ましく、上限を
0.006%とする。
【0026】さらに、必要に応じて添加されるCu,N
i,Mo,Nb,V,Ti,Bは強度上昇に有効な元素
であるが、過剰に添加すると制振性能および靭性が劣化
してしまう。各元素の添加量を種々変化させた試験片を
使った実験により、強度の下限値(引張強度≧350MP
a)を確保するために必要な最少添加量をそれぞれの添加
量の下限とした。
i,Mo,Nb,V,Ti,Bは強度上昇に有効な元素
であるが、過剰に添加すると制振性能および靭性が劣化
してしまう。各元素の添加量を種々変化させた試験片を
使った実験により、強度の下限値(引張強度≧350MP
a)を確保するために必要な最少添加量をそれぞれの添加
量の下限とした。
【0027】一方、制振性能(損失係数η≧0.02)
及び靭性(0℃のVノッチシャルピー衝撃試験による吸
収エネルギー≧100J)の下限値以上を満足するため
の最大許容量を調査して、それぞれの添加量上限とし
た。
及び靭性(0℃のVノッチシャルピー衝撃試験による吸
収エネルギー≧100J)の下限値以上を満足するため
の最大許容量を調査して、それぞれの添加量上限とし
た。
【0028】さらに、必要に応じて添加されるCa,R
EMは靭性向上に有効な元素であり、0℃の吸収エネル
ギー≧100Jの靭性下限値以上を満足するための最少
添加量を調査して下限とし、また制振性能(損失係数η
≧0.02)を確保するために必要な範囲として上限を
決めた。
EMは靭性向上に有効な元素であり、0℃の吸収エネル
ギー≧100Jの靭性下限値以上を満足するための最少
添加量を調査して下限とし、また制振性能(損失係数η
≧0.02)を確保するために必要な範囲として上限を
決めた。
【0029】製造条件については、加熱温度は加熱オー
ステナイト粒を微細にし、(200)回折強度比を高く
するため、1150℃以下とし、さらに、加熱時の鋼板
内温度偏差をなくすため、1000℃以上とする。
ステナイト粒を微細にし、(200)回折強度比を高く
するため、1150℃以下とし、さらに、加熱時の鋼板
内温度偏差をなくすため、1000℃以上とする。
【0030】圧延条件に関しては、(200)回折強度
比を高くするため850℃以下で30%以上の圧延が必
要であるが、圧下率が70%を超えると、圧延機に対す
る負荷が大きくなり、また、圧延時間が長くなりコスト
アップ要因となるため、上限を70%とする。
比を高くするため850℃以下で30%以上の圧延が必
要であるが、圧下率が70%を超えると、圧延機に対す
る負荷が大きくなり、また、圧延時間が長くなりコスト
アップ要因となるため、上限を70%とする。
【0031】圧延仕上温度は、850℃以下で30%以
上の圧延を行うため、750℃以下となるが、600℃
未満ではフェライト域圧延となり結晶粒径が100μ超
となることがあり靭性が低下するため、下限を600℃
とする。さらに、圧延仕上温度をAr1 −20℃〜Ar
1 +50℃にすることで(200)回折強度比がさらに
向上し制振性が一層向上する。
上の圧延を行うため、750℃以下となるが、600℃
未満ではフェライト域圧延となり結晶粒径が100μ超
となることがあり靭性が低下するため、下限を600℃
とする。さらに、圧延仕上温度をAr1 −20℃〜Ar
1 +50℃にすることで(200)回折強度比がさらに
向上し制振性が一層向上する。
【0032】熱間圧延後室温まで冷却した後、(20
0)回折強度比をさらに向上させ、圧延によって鋼板中
に導入された歪を減少するために、焼戻しまたは焼きな
まし熱処理が必要であり、600℃以上の熱処理を行う
が、(200)回折強度比は高温で熱処理すると弱くな
るため、上限温度は900℃とする。
0)回折強度比をさらに向上させ、圧延によって鋼板中
に導入された歪を減少するために、焼戻しまたは焼きな
まし熱処理が必要であり、600℃以上の熱処理を行う
が、(200)回折強度比は高温で熱処理すると弱くな
るため、上限温度は900℃とする。
【0033】
【実施例】まず表1に示す成分範囲の供試合金を作製
し、これより元厚×40mm幅×400mm長さの板状試験
片を加工し、機械インピータンス法による制振性測定を
行った。表1に示す合金のうち鋼A〜Eは本発明の成分
範囲の合金であり、鋼F〜Nは本発明の成分範囲外の合
金である。これらの鋼について、表2に示す製造条件で
製造したものの各種特性を合わせて表に示す。なお、板
厚6mm以上の各鋼板は熱間圧延後室温まで冷却した後熱
処理した。板厚がそれ未満のものは熱間圧延機、巻取
り、その後熱処理した。
し、これより元厚×40mm幅×400mm長さの板状試験
片を加工し、機械インピータンス法による制振性測定を
行った。表1に示す合金のうち鋼A〜Eは本発明の成分
範囲の合金であり、鋼F〜Nは本発明の成分範囲外の合
金である。これらの鋼について、表2に示す製造条件で
製造したものの各種特性を合わせて表に示す。なお、板
厚6mm以上の各鋼板は熱間圧延後室温まで冷却した後熱
処理した。板厚がそれ未満のものは熱間圧延機、巻取
り、その後熱処理した。
【0034】例1〜6は本発明例であり、例7〜19は
比較例である。例1,2,3,7〜13は板厚25mm、
例4は板厚2.5mm、例5,6は板厚50mm、例14〜
19は板厚40mmである。例1の本発明例は(200)
回折強度比が2.5以上で、高強度(≧350MPa)で、
高い制振性能(η≧0.015)を有する。
比較例である。例1,2,3,7〜13は板厚25mm、
例4は板厚2.5mm、例5,6は板厚50mm、例14〜
19は板厚40mmである。例1の本発明例は(200)
回折強度比が2.5以上で、高強度(≧350MPa)で、
高い制振性能(η≧0.015)を有する。
【0035】例2〜6はさらに圧延仕上温度が600℃
以上で、(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒
径が100μ以下であり、高強度(≧350MPa)で、高
い制振性能(η≧0.015)と高靭性(≧100J)
を有する。例3,4は、強度上昇に有効な選択元素を含
有するため、さらに高強度(≧380MPa)で、例5,6
は靭性上昇に有効な選択元素を含有するため、さらに高
靭性(≧120J)である。
以上で、(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒
径が100μ以下であり、高強度(≧350MPa)で、高
い制振性能(η≧0.015)と高靭性(≧100J)
を有する。例3,4は、強度上昇に有効な選択元素を含
有するため、さらに高強度(≧380MPa)で、例5,6
は靭性上昇に有効な選択元素を含有するため、さらに高
靭性(≧120J)である。
【0036】比較例7は(200)回折強度比が2.5
以上だが、結晶粒径が100μ超で、Cが高く、制振性
能と靭性が低い。例8は(200)回折強度比が2.5
以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Siが高
く、制振性能が低い。例9は(200)回折強度比が
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Mn
が低く、強度が低い。例10は(200)回折強度比が
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Mn
が高く、制振性能が低い。
以上だが、結晶粒径が100μ超で、Cが高く、制振性
能と靭性が低い。例8は(200)回折強度比が2.5
以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Siが高
く、制振性能が低い。例9は(200)回折強度比が
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Mn
が低く、強度が低い。例10は(200)回折強度比が
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、Mn
が高く、制振性能が低い。
【0037】例11,12は(200)回折強度比が
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、例1
1はPが高く、例12はSが高く、制振性能が低い。例
13は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Crが高く、靭性が低い。例
14は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Alが高く、靭性が低い。例
15は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Nが高く、制振性能が低い。
2.5以上で、結晶粒径が100μ以下であるが、例1
1はPが高く、例12はSが高く、制振性能が低い。例
13は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Crが高く、靭性が低い。例
14は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Alが高く、靭性が低い。例
15は(200)回折強度比が2.5以上で、結晶粒径
が100μ以下であるが、Nが高く、制振性能が低い。
【0038】例16は加熱温度が高く、例17は850
℃以下の圧下率が低く、(200)回折強度比が低く、
結晶粒径が100μ超で、制振性能と靭性が低い。例1
8は熱処理温度が低く、(200)回折強度比が低く、
結晶粒径は100μ以下であるが、制振性能が低い。例
19は熱処理温度が高く、(200)回折強度比が低
く、結晶粒径が100μ以下であるが、制振性能が低
い。
℃以下の圧下率が低く、(200)回折強度比が低く、
結晶粒径が100μ超で、制振性能と靭性が低い。例1
8は熱処理温度が低く、(200)回折強度比が低く、
結晶粒径は100μ以下であるが、制振性能が低い。例
19は熱処理温度が高く、(200)回折強度比が低
く、結晶粒径が100μ以下であるが、制振性能が低
い。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】次に、表3に示す本発明の成分範囲の合金
の鋼P,Q,Rについて表4に示す本発明の製造条件で
製造したものの各種特性を合わせて示す。例1,2,3
は圧延仕上温度がさらに望ましい範囲にある例である。
板厚は全て20mmである。鋼P,Q,RのAr1 はそれ
ぞれ645℃,650℃,640℃である。
の鋼P,Q,Rについて表4に示す本発明の製造条件で
製造したものの各種特性を合わせて示す。例1,2,3
は圧延仕上温度がさらに望ましい範囲にある例である。
板厚は全て20mmである。鋼P,Q,RのAr1 はそれ
ぞれ645℃,650℃,640℃である。
【0043】例1,2,3は圧延仕上温度がAr1 +5
0℃〜Ar1 −20℃の範囲内にあり、(200)回折
強度比が3.5以上で、さらに良好な制振性能(η≧
0.025)を有し、圧延仕上温度がAr1 +50℃〜
Ar1 −20℃の範囲にない例4〜6に比べより良好な
制振性能を有している。
0℃〜Ar1 −20℃の範囲内にあり、(200)回折
強度比が3.5以上で、さらに良好な制振性能(η≧
0.025)を有し、圧延仕上温度がAr1 +50℃〜
Ar1 −20℃の範囲にない例4〜6に比べより良好な
制振性能を有している。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【発明の効果】本発明により、制振性能、及び、高靭性
と制振性能が同時に要求される船舶、橋梁、産業機械、
建設用構造材料の供給が可能となり、工業界に与える効
果は極めて大きい。
と制振性能が同時に要求される船舶、橋梁、産業機械、
建設用構造材料の供給が可能となり、工業界に与える効
果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 8312−3J F16F 15/02 Q
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.02%以下、 Si:0.01以上、0.5%未満、 Mn:0.2〜2.5%、 P :0.010%以下、 S :0.005%以下、 Cr:0.5%未満、 Al:0.002〜0.060%、 N :0.006%以下 を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、かつ
(200)回折強度比が2.5以上であることを特徴と
する制振性に優れた高強度鋼。 - 【請求項2】 重量%で、 Cu:0.05〜2.5%、 Ni:0.05〜2.5%、 Mo:0.05〜4.5%、 Nb:0.005〜0.2%、 V :0.005〜0.2%、 Ti:0.005〜0.1%、 B :0.0003〜0.005% のうち少なくとも1種以上を含有することを特徴とする
請求項1記載の制振性に優れた高強度鋼。 - 【請求項3】 重量%で、 Ca:0.001〜0.05%、 REM:0.001〜0.10% のうち少なくとも1種以上を含有することを特徴とする
請求項1または2のいずれかに記載の制振性に優れた高
強度鋼。 - 【請求項4】 結晶粒径を100μ以下とすることによ
り高い靭性を確保したことを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の制振性に優れた高強度鋼。 - 【請求項5】 加熱温度が1000〜1150℃、かつ
850℃以下の圧下率が30〜70%であり、さらに圧
延仕上温度が750℃以下で熱間圧延した後室温まで冷
却し、600〜900℃の温度範囲で焼戻しまたは焼き
なまし熱処理することを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の制振性に優れた高強度鋼の製造方法。 - 【請求項6】 圧延仕上温度の範囲を600〜750℃
とする熱間圧延を行うことを特徴とする請求項5記載の
制振性に優れた高強度鋼の製造方法。 - 【請求項7】 圧延仕上温度の範囲をAr1 −20℃〜
Ar1 +50℃とする熱間圧延を行うことを特徴とする
請求項5または6のいずれかに記載の制振性に優れた高
強度鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29831395A JPH09176780A (ja) | 1995-10-26 | 1995-11-16 | 制振性に優れた高強度鋼及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27924695 | 1995-10-26 | ||
| JP7-279246 | 1995-10-26 | ||
| JP29831395A JPH09176780A (ja) | 1995-10-26 | 1995-11-16 | 制振性に優れた高強度鋼及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09176780A true JPH09176780A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=26553237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29831395A Withdrawn JPH09176780A (ja) | 1995-10-26 | 1995-11-16 | 制振性に優れた高強度鋼及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09176780A (ja) |
-
1995
- 1995-11-16 JP JP29831395A patent/JPH09176780A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030204 |