JPH09176928A - ぬれ感の少ない複合糸及びその製造方法 - Google Patents

ぬれ感の少ない複合糸及びその製造方法

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JPH09176928A
JPH09176928A JP33926295A JP33926295A JPH09176928A JP H09176928 A JPH09176928 A JP H09176928A JP 33926295 A JP33926295 A JP 33926295A JP 33926295 A JP33926295 A JP 33926295A JP H09176928 A JPH09176928 A JP H09176928A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すばやく吸水し、ぬれ感の少ない複合糸及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 親水性短繊維と疎水性フィラメントから
なる複合糸において、該複合糸の表層において該フィラ
メントが占有率60%以上でループ構造状をなして存在
することを特徴とするぬれ感の少ない複合糸及びその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用衣料、
インナーなどに用い多量に汗をかいてもぬれ感の少ない
複合糸及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のぬれ感の少ない布帛を得るための
紡績糸として、親水性繊維と疎水性繊維を組み合わせた
ものが知られている。二層構造を利用して、外層に疎水
性を示す繊維、内層に親水性を示す繊維を組み合わせた
ものなどが提案されているが、これらは外層、内層とも
に短繊維束同士の二層構造糸のものであって、親水性繊
維に疎水性繊維を薄く被覆させることが困難であり、吸
水率を上げるために、親水性繊維の混率を上げると、疎
水性繊維の被覆率が低下してしまい、ぬれ感を感じるな
どの問題があり満足できるものが得られていなかった。
【0003】そこで、このような技術を改良するために
先にぬれ感の少ない複合糸を出願した(特開平7−18
9062号公報)。この内容は、吸水性ステープル束の
まわりに撥水性を示すフィラメントが巻き付いた二層構
造をしており、該ステープル束が全体において占める割
合が重量比で65〜90重量%を占め、該フィラメント
が前記吸水性ステープル束を被覆率60%以上で被覆し
ていることを特徴とするぬれ感の少ない複合糸である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな複合糸は、フィラメントをフロントローラーから紡
出されるステープル束に巻き付けるもので、フィラメン
トとステープルの外層、内層の反転、被覆ムラなど糸質
的に不安定なものになりやすい問題点があった。またこ
の製造方法で、細番手の複合糸を安定的に紡出すること
は困難であるという問題点もあった。そこで、本発明
は、複合糸の表層において、安定的にフィラメントがス
テープル束のまわりに存在する糸構造をとり、汗をすば
やく吸収し、ぬれ感の少ない複合糸及びその製造方法を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次の手段を取るものである。すなわ
ち、本発明は、親水性短繊維と疎水性フィラメントから
なる複合糸において、該複合糸の表層において該疎水性
フィラメントが占有率60%以上でループ構造状をなし
て存在することを特徴とするぬれ感の少ない複合糸であ
る。ここで、該複合糸中において、親水性短繊維と疎水
性フィラメントとの割合が重量%比で80〜40:20
〜60の範囲にあるのも、好ましい実施態様である。
【0006】また、本発明は、疎水性フィラメントのモ
ジュラスST10が下記の範囲にあるマルチフィラメント
糸を開繊し、親水性短繊維の集合体と重ねて複合糸とな
し、ついで布帛にした後熱処理することを特徴とするぬ
れ感の少ない複合糸の製造方法である。 0.5≦ST10(gf/d)≦2.0
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
汗をかいたときのぬれ感は、肌上に残留する水分および
衣服が汗を吸収してぬれた部分と肌との接触によるもの
と考えられる。多量の汗をかいても、ぬれ感の少ない快
適な衣料を得るためには、高い吸水力を持ち、汗を吸収
する部分と肌との接触部分が吸水を妨げない限り、小さ
いことが重要である。
【0008】ここで疎水性フィラメントが、主として親
水性短繊維束のまわりに存在する糸構造とすることによ
り、高い吸水力を持ち、さらに複合糸表面において疎水
性フィラメントが肌に触れるため乾いた感じを与える。
親水性短繊維が肌に触れにくい構造にするためには、フ
ィラメントが糸表面においてループ状に浮き上がった構
造を取ることが好ましい。そして、親水性短繊維の周り
に存在するフィラメントが60%以上であることが好ま
しい。60%未満であると、汗を吸収した親水性短繊維
が肌に触れやすくぬれ感を感じる。糸表面において60
%以上の割合でフィラメントが被覆するためには、複合
糸中での親水性短繊維とポリエステルフィラメントの含
有率は、重量比で80〜40:20〜60であることが
好ましい。親水性短繊維の割合が80%をこえると、フ
ィラメントの混率が20%未満となり、糸表面で60%
以上を占めることが困難となり、汗を吸収してぬれる部
分が肌に接触しやすくなり、ぬれ感を減少させることが
難しい。またフィラメントの混率が60%をこえると親
水性短繊維の割合が40%未満になり、汗の吸収が困難
となり肌側に汗が残留して不快感が残るので好ましくな
い。
【0009】なお、疎水性フィラメントとしては、ポリ
エステル、ベンゾエート、ポリプロピレン、ポリアミド
等の合成繊維フィラメント、レーヨン、キュプラなどの
再生繊維、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成
繊維などが挙げられるが、フィラメントや製編織後の編
織物に撥水加工を行なっても良い。フィラメントの単繊
維繊度は3d以下が好ましい。3dをこえると風合いの
硬いものとなり、衣料用に適しなくなる。ここで、疎水
性の定義は下記のとおりである。すなわち、JISL−
1092(1977)のスプレー法で測定した撥水度7
0以上の性能を有するものをいう。そのときのサンプル
として、編地の反末から50cm以上、耳のあるものは
耳端から10cm以上離れた部分からランダムに取り出
した20cm×20cmの試験片5枚を用いた。なお、
上記スプレー法で処理したぬれた試験片を判定標準表と
比較対照して採点し、その平均値で表わす(整数位ま
で)。
【0010】他方、親水性短繊維とは、例えば綿繊維、
脱スケールした羊毛繊維、ポリノジック、ビスコースレ
ーヨン、銅アンモニアレーヨン、麻等の親水性繊維およ
び吸水加工した疎水性繊維等があげられる。吸水性繊維
の繊度は0.3〜3dが好ましい。0.3d未満になる
と吸水性が低下し、3dを超えると複合糸を構成する繊
維本数が少なくなり、糸強力が低下して好ましくない。
なお、親水性の定義は下記のとおりである。すなわち、
JISL−1018−1977の滴下法により、編地の
反末から50cm以上、耳のあるものは、耳端から10
cm以上離れた部分からランダムに取り出した20cm
×20cmの試験片を5枚採取し、直径1.5cmの金
属製リングに取り付け、27±2℃の蒸留水を入れたビ
ューレットを5秒ごとに1m 当たり15〜25滴の水
滴で滴下するように調整したのち、試験片の表面がビュ
ーレットの先端から1cmになるようにして水滴が滴下
しはじめるとき、ストップウォッチを動かし、試験片上
の水滴が特別な反射をしなくなったときの時間(秒)を
測定し、その平均値で表す。ここで、試料の平均湿潤時
間5秒以内の性能を有するものを親水性と定義する。
【0011】また該複合糸を構成する繊維は、上記親水
性繊維およびポリエステルフィラメントのみからなるも
のに限定されず、布帛にハリ・コシを与えるために、複
合糸の芯糸として単繊維の繊度の太いものを複合した
り、その他の目的で他のステープルまたはフィラメント
を複合しても差し支えない。
【0012】ここで、本発明の製造方法について説明す
る。まず、親水性短繊維の原綿を混打綿工程、カード工
程、コーマ工程、練条工程、粗紡工程を経て粗糸とな
し、ついで精紡工程に供給してフロントローラから紡出
する。この際、モジュラスST 10が0.5〜2.0gf
/d好ましくは0.5〜1.5gf/d、さらに好まし
くは0.5〜1.0g/dを満たす疎水性フィラメント
からなるマルチフィラメントからなるマルチフィラメン
ト糸を開繊好ましくは電気開繊して、フロントローラの
直前上流において前記ドラフトされつつある粗糸(親水
性短繊維の集合体)と重ねて複合糸とし、布帛にしてか
ら熱処理する。
【0013】疎水性フィラメントのモジュラスST10
0.5〜2.0gf/dのものを用いるのは、熱処理に
よって占有率が60%以上でループ構造状の糸構造を安
定して作るためである。フィラメントのモジュラスが
0.5gf/d未満であると、フィラメント剛性が弱過
ぎて、フィラメントにより親水性短繊維と肌との空間を
保つことが不可能となる。また、2.0gf/dをこえ
ると、フィラメントは直接肌に触れるため、風合いのか
たいものとなり、風合い的に好ましくない。また該ポリ
エステルフィラメントの単繊維の繊度は3d以下が好ま
しい。3dを超えると風合いのかたいものとなり、衣料
用に適したものにならない。モジュラスが上記の範囲に
あるものの例として、自発伸長性マルチフィラメント糸
があげられる。なお、延伸糸であっても未延伸糸であっ
ても良い。
【0014】
【実施例】以下に本発明を具体的に実施例にもとづいて
説明する。なお、測定方法は下記のとおりである。
【0015】イ.フィラメントのモジュラスST10 ツェルベルガーウスター(株)製「ウスターテンソラピ
ッド」を用いて測定した強力/伸び曲線上での10%伸
長時の強力を表わす(n=5)。
【0016】ロ.表層のフィラメントの占有率(%) 短繊維のみを染色した複合糸の側面をランダムに5ケ所
選び、その糸の側面の100倍の拡大写真を撮り、その
フィラメントの占めている面積比率より計算した。
【0017】ハ.吸水率(%) 東洋紡エンジニアリング製「ラローズ法吸水性測定装
置」を用いて測定した。 温度20℃、湿度65%RHの室内で一昼夜調湿し
た試料織編物から直径6cmの円形試料片を切り取る。
(n=5) 試験片の重さ(a)を測る。 グラスフィルター上に試料を置き、吸い上げる水の
量を測定する。(1分後、2分後、5分後の値(b)を
みる)→特許には5分のデータを使用。 次式により吸水率を求める。 給水率(%)=〔b(ml)/a(g)〕×100
【0018】ニ.ぬれ感 ぬれ感の判定は官能テストにより、水分率200%〜8
%(水分付与なし)の範囲の40's綿糸を用いたスムー
ス編地5点を、ぬれ感1〜5級〔1級=水分率200
%、2級=水分率160%、3級=水分率80%、4級
=水分率25%、5級=水分率8%(水分付与なし)〕
の標準試料を用いて、実施例および比較例の試料に1.
5g/70cm2 を付与し3名の被験者の前腕において
2回ずつ級判定させ、平均値を出したものである。
【0019】実施例1 綿繊維粗糸(70ゲレン/15yds、親水性0秒)を
リング精紡機で27.3倍にドラフトし、紡出する際
に、60d/36fのポリエステルマルチフィラメント
糸(モジュラスST10=0.67gf/d、撥水度10
0)を電気開繊装置で開繊し開繊状態で前記綿繊維と複
合し、実撚(撚係数K=4.0)をかけつつ複合糸を製
造した。この複合糸を用いて26インチ28Gで天竺編
地(目付160g/m2 )を編成した。ついでこの編地
を乾熱処理した後、精練・糊抜きを行った。この編地に
ついてぬれ感の判定を行い、表1に示した。なお、ポリ
エステルマルチフィラメント糸の乾熱160℃、30分
の熱収縮率は−7%であった。
【0020】比較例1 実施例1においてポリエステルマルチフィラメントに6
0d−36fをモジュラスST10=3.1gf/dのも
の(撥水度100)を用いる以外は実施例1と同様にし
て製造した複合糸を用いて、実施例1と同様に編地にし
てぬれ感を判定し、表1に示した。なお、乾熱160
℃、30分の熱収縮率は9.5%であった。
【0021】比較例2 実施例1においてポリエステルマルチフィラメントに3
0d−18f、モジュラスST10=0.67gf/dの
もの(撥水度100)を用いる以外は実施例1と同様に
して製造した複合糸からなる編地を用いて、実施例1と
同様にぬれ感を判定し、表1に示した。
【0022】比較例3 実施例1においてポリエステルマルチフィラメントに1
20d−72f、モジュラスST10=0.67gf/d
のもの(撥水度100)を用いる以外は実施例1と同様
にして製造した複合糸からなる編地を用いて、実施例と
同様にぬれ感を判定し、表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表1において、実施例1はポリエステルフ
ィラメントが糸の表面を62%占有しており、しかも短
繊維が66重量%を占めており吸水率も充分でぬれ感も
小さかった。比較例1は、糸表面でループ状にフィラメ
ントが浮き上がった構造にならず、表面におけるフィラ
メントの占有率が31%と低く、ぬれ感を感じるものと
なった。比較例2はフィラメントの混率が低いため、糸
表面におけるフィラメントの占有率が32%と低く、ぬ
れ感を感じるものとなった。比較例3は、短繊維の混率
が低いため吸水率が不十分なため、ぬれ感をやや感じる
ものとなった。
【0025】
【発明の効果】本発明のぬれ感の少ない複合糸は、親水
性短繊維束の周りにポリエステルフィラメントが存在す
る構造で、すばやく吸水し、かつぬれ感の少ないものを
要求する布帛に適し、スポーツ衣料、インナーなど多量
に汗をかくときに着用する衣服において効果的である。
また、本発明方法は、叙上の複合糸を安定して再現性良
く製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性短繊維と疎水性フィラメントから
    なる複合糸において、該複合糸の表層において該疎水性
    フィラメントが占有率60%以上でループ構造状をなし
    て存在することを特徴とするぬれ感の少ない複合糸。
  2. 【請求項2】 該複合糸中において、親水性短繊維と疎
    水性フィラメントとの割合が重量%比で80〜40:2
    0〜60の範囲にある請求項1に記載のぬれ感の少ない
    複合糸。
  3. 【請求項3】 疎水性フィラメントのモジュラスST10
    が下記の範囲にあるマルチフィラメント糸を開繊し、親
    水性短繊維の集合体と重ねて複合糸となし、ついで布帛
    にした後熱処理することを特徴とするぬれ感の少ない複
    合糸の製造方法。 0.5≦ST10(gf/d)≦2.0
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108239809A (zh) * 2016-12-23 2018-07-03 北京赛特超润界面科技有限公司 一种具有螺旋状排布的亲水疏水复合纤维及其制备方法和应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108239809A (zh) * 2016-12-23 2018-07-03 北京赛特超润界面科技有限公司 一种具有螺旋状排布的亲水疏水复合纤维及其制备方法和应用

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