JPH09183921A - 焼付型耐チッピング塗料組成物 - Google Patents

焼付型耐チッピング塗料組成物

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JPH09183921A
JPH09183921A JP35224195A JP35224195A JPH09183921A JP H09183921 A JPH09183921 A JP H09183921A JP 35224195 A JP35224195 A JP 35224195A JP 35224195 A JP35224195 A JP 35224195A JP H09183921 A JPH09183921 A JP H09183921A
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JP
Japan
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monomer
coating composition
group
weight
parts
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JP35224195A
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Katsuo Koshimura
克夫 越村
Kenji Yasuda
健二 安田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚が薄くても耐チッピング性の優れた被覆
膜を形成することができ、厚い膜厚で塗布し高温下で焼
付乾燥を行っても、膨れが発生せず、平滑性に優れた被
覆膜を形成することができる焼付型耐チッピング塗料組
成物を提供する。 【解決手段】 (a)脂肪族共役ジエン単量体、(b)
1個の付加重合可能な基を有し、かつ、カルボキシル
基、アミノ基、ヒドロキシル基およびエポキシ基の群か
ら選ばれた少なくとも1種の官能基を含有する単量体、
ならびに(c)少なくとも2個の付加重合可能な基を有
する単量体を主成分とする単量体成分を重合して得ら
れ、しかも、平均粒子径が0.02〜0.5μmである
水分散性重合体エマルジョンを固形分換算で100重量
部に対し、平均粒子径が10〜100μmの粉質充填剤
10〜200重量部を含有してなる焼付型耐チッピング
塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼付型耐チッピン
グ塗料組成物に関し、さらに詳細には金属あるいはプラ
スチックの表面に塗布されたのち、高温下で焼付乾燥さ
れて被覆膜を形成し、上記表面をチッピングから有効に
保護する焼付型耐チッピング塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車に搭載されるガソリンタ
ンクの表面においては、錆の発生を防止するために、鉛
−スズ合金のメッキ処理が施されている。しかしなが
ら、自動車の走行中において、撥ね上げられた小石など
の衝撃によってメッキ処理された表面が損傷(チッピン
グ)を受けることがある。チッピングが発生すると、ガ
ソリンタンクは、その損傷部位から発生した錆により腐
蝕されてしまう。
【0003】このようなチッピングを防止する手段とし
て、耐チッピング性を有する被覆膜によって表面を保護
することが知られている。耐チッピング性を有する被覆
膜としては、例えば水分散性アクリル樹脂(バインダー
樹脂)にタルクや炭酸カルシウムなどの粉質充填剤を配
合されてなる塗料組成物を、エアレス塗装などによって
塗布し、80〜120℃で焼付塗装することにより形成
される被覆膜が提案されている(特開昭58−1874
69号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐チッピング塗料組成物においては、以下のような問題
を有している。 従来の耐チッピング塗料組成物より形成される被覆膜
において、良好な耐チッピング性を発現させるために
は、その膜厚を300〜800μm程度と厚くしなけれ
ばならない。このような場合、多量の塗料組成物を複数
回にわたって塗布する必要があり、作業性を含めコスト
の面から好ましいものではない。 耐チッピング性を向上させる手段として、塗料組成物
におけるバインダー樹脂を増量(粉質充填剤を減量)す
ることにより、形成される被覆膜の強度を高めることも
考えられる。しかし、このような塗料組成物により形成
される被覆膜には、膨れが発生し易い。これは、塗料組
成物におけるバインダー樹脂の割合が高いために、焼付
乾燥の際における成膜速度ないし表面乾燥速度が速くな
りすぎて、発生する水蒸気が外部へ抜けきれないからで
ある。従って、バインダー樹脂を増量(粉質充填剤を減
量)する手段は、被覆膜における膨れを発生させるとい
う問題を招くことから、耐チッピング性を向上させるた
めの手段として好適なものではない。
【0005】一方、被覆膜における膨れは、その膜厚が
厚いほど発生し易いものであり、従って膨れの発生を防
止するためにも膜厚は薄くする方が好ましい。しかしな
がら、膜厚を薄くすることは、耐チッピング性を低下さ
せることになるので好ましくない。また、金属の熔接部
分などにおいては、必然的に膜厚が厚くなってしまい、
この熔接部分に形成された被覆膜に膨れが発生する場合
がある。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を背景にな
されたもので、その第1の目的は、膜厚が薄くても、耐
チッピング性の優れた被覆膜を形成することができる焼
付型耐チッピング塗料組成物を提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、厚い膜厚で塗布し高温下で
焼付乾燥を行っても、膨れが発生せず、平滑性に優れた
被覆膜を形成することができる焼付型耐チッピング塗料
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)脂肪族
共役ジエン単量体〔以下「単量体(a)成分」ともい
う〕10〜95モル%、(b)1個の付加重合可能な基
を有し、かつ、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ
ル基およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種
の官能基を含有する単量体〔以下「単量体(b)成分」
ともいう〕0.1〜30モル%、ならびに(c)少なく
とも2個の付加重合可能な基を有する単量体〔以下「単
量体(c)成分」ともいう〕0.1〜20モル%〔ただ
し、(a)+(b)+(c)=100モル%〕を主成分
とする単量体成分を重合して得られ、しかも、平均粒子
径が0.02〜0.5μmである水分散性重合体エマル
ジョンを固形分換算で100重量部に対し、平均粒子径
が10〜100μmの粉質充填剤10〜200重量部を
含有してなる焼付型耐チッピング塗料組成物を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる水分散性重合体エ
マルジョンは、(a)脂肪族共役ジエン単量体10〜9
5モル%(好ましくは30〜90モル%)、(b)1個
の付加重合可能な基を有し、かつ、カルボキシル基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基およびエポキシ基の群から選ば
れた少なくとも1種の官能基を含有する単量体0.1〜
30モル%(好ましくは0.5〜20モル%)、ならび
に(c)少なくとも2個の付加重合可能な基を有する単
量体0.1〜20モル%(好ましくは0.5〜10モル
%)〔ただし、(a)+(b)+(c)=100モル
%〕を主成分とする単量体成分を重合して得られる。こ
の水分散性重合体エマルジョンは、本質的な成分とし
て、上記単量体(a)〜(c)成分からなり、必要に応
じて(d)上記(a)〜(c)成分と共重合可能な他の
単量体〔以下「単量体(d)成分」ともいう)を、全単
量体成分の70モル%以下の量で共重合してもよい。
【0009】水分散性重合体エマルジョンを構成する単
量体(a)成分としては、例えばブタジエン、イソプレ
ン、ジメチルブタジエン、クロロプレンなどが挙げられ
る。この単量体(b)成分は、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
単量体(a)成分の含有量は、10〜95モル%、好ま
しくは30〜90モル%である。(a)成分の含有量が
10モル%未満では、得られる塗料成分の耐チッピング
性に劣り、一方95モル%を超えると、粉質充填剤との
混合分散性に劣る。
【0010】また、水分散性重合体エマルジョンを構成
する単量体(b)成分のうち、カルボキシル基含有単量
体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸や、コハク
酸、フマル酸などのジカルボン酸と付加重合性基を有す
る不飽和アルコールとのハーフエステルなどが挙げられ
る。
【0011】単量体(b)成分のうち、アミノ基含有単
量体の例としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
メチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)
アクリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルア
ミノプロピル、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げら
れる。
【0012】単量体(b)成分のうち、ヒドロキシル基
含有単量体の例としては、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリアルキレングリコール(アルキレングリコー
ルの繰り返し単位2〜12)のモノ(メタ)アクリレー
トなどが挙げられる。単量体(b)成分のうち、エポキ
シ基含有単量体の例としては、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらの単量体(b)成分は、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0013】上記官能基を含有する単量体(b)成分
は、目的に応じて、上記単量体を任意に選択することが
可能だが、得られる塗料組成物の特性を幅広い範囲で容
易に制御できるという点から、(b)成分の種類として
は、カルボキシル基またはエポキシ基のいずれかを含有
する単量体を用いることが好ましい。
【0014】単量体(b)成分の含有量は、0.1〜3
0モル%、好ましくは0.5〜20モル%である。
(b)成分の含有量が0.1モル%未満では、得られる
塗料組成物の基材への密着性が乏しく、一方30モル%
を超えると、得られる組成物が硬く脆くなり、好ましく
ない。
【0015】さらに、水分散性重合体エマルジョンを構
成する単量体(c)成分としては、例えばエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼン、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。これらの単量体(c)成分は、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して用いることもで
きる。
【0016】単量体(c)成分の含有量は、0.1〜2
0モル%、好ましくは0.5〜10モル%である。単量
体(c)成分の含有量が0.1モル%未満では、組成物
の耐チッピング性が劣り、一方20モル%を超えると、
得られる組成物が硬く脆くなり、好ましくない。
【0017】共重合可能な他の単量体(d)成分は、1
個の付加重合可能な基を有する化合物であれば特に限定
されるものではなく、具体例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、
ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、(メタ)アクリ
ルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどを挙
げることができる。なお、単量体(d)成分が、全単量
体成分中に70モル%を超えると、得られる塗料成分が
耐チッピング性に劣る結果となり、好ましくない。
【0018】水分散性重合体エマルジョンは、ラジカル
開始剤を用いた乳化重合法あるいは懸濁重合法により粒
子状共重合体として作製されるが、粒子の大きさ、粒子
サイズの均一さから乳化重合法を用いるのが望ましい。
この乳化重合には、重合開始剤(ラジカル開始剤)、連
鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤、水などが用いられ
る。
【0019】重合開始剤としては、クメンヒドロキシパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで
代表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリ
ン酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元
剤との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸
塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイドなどの過酸化物が使用される。好ましくは、油溶
性開始剤であり、クメンハイドロパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメン
タンハイドロパーオキサイドと含糖ピロリン酸処方、ス
ルホキシレート処方などで代表される還元剤との組み合
わせによるレドックス系がよい。また、上記油溶性開始
剤と水溶性開始剤とを組み合わせてもよい。組み合わせ
る場合の水溶性開始剤の添加比率は、全添加量の好まし
くは50重量%以下、さらに好ましく25重量%以下で
ある。さらに、重合開始剤の量は、単量体成分に対し、
通常、0.1〜1.5重量%、好ましくは0.2〜0.
7重量%である。
【0020】また、連鎖移動剤としては、オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィ
ド、四塩化炭素、臭化エチレンおよびペンタフェニルエ
タンなどの炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロ
イン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリ
コール、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げられ
る。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上を組
み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使用方
法は、一括添加、分割添加、または連続添加のいずれの
方法でも差し支えない。連鎖移動剤の使用量は、単量体
成分に対して、通常、0.05〜2.0重量%程度であ
る。
【0021】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げら
れる。このうち、アニオン性界面活性剤としては、例え
ば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、高級脂肪酸塩、リン
酸系などが挙げられる。また、ノニオン性界面界面活性
剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキル
エステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエ
ーテル型などが用いられる。さらに、両性界面活性剤と
しては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステ
ル塩、硫酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン
塩、第4級アンモニウム塩などを持つものが挙げられ
る。この両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルベ
タイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリ
ル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリ
ルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエ
チル)グリシンなどのアミノ酸タイプのものなどが用い
られる。乳化剤の使用量は、通常、単量体成分に対し
て、0.3〜5.0重量%程度である。
【0022】なお、水分散性重合体エマルジョンを得る
には、単量体成分100重量部に対し、重合水80〜1
50重量部、好ましくは80〜130重量部を用い、重
合温度0〜80℃において、酸素を除去した反応器中で
乳化重合することが望ましい。また、重合は、反応途中
で温度や攪拌などの操作条件を任意に変更することがで
きる。重合方式は、連続式、回分式のいずれも可能であ
る。
【0023】本発明における水分散性重合体エマルジョ
ンの平均粒子径は、0.02〜0.5μm、好ましく
0.05〜0.4μmである。平均粒子径が0.02μ
m未満では、膜厚の厚い被覆膜を形成する場合、膨れが
生じ平滑性のある被覆膜が形成されない。一方、0.5
μmを超えると、基材との密着性が劣り、それによって
充分な耐チッピングが得られない。ここで、水分散性重
合体エマルジョンの平均粒子径は、電子顕微鏡により1
00個の粒子の数平均をとって、平均粒子径とした値で
ある。
【0024】本発明の組成物を構成する水分散性重合体
エマルジョンの具体例としては、少なくとも2個の重合
性不飽和基を有する化合物を重合体の共重合成分の一つ
として含有し、かつカルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基、またはエポキシ基を導入して変性した、SB
Rラテックス、NBRラテックス、MBRラテックスな
どが挙げられる。
【0025】なお、本発明に用いる水分散性重合体エマ
ルジョンには、スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテック
ス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテッ
クス、クロロプレンラテックス、ポリブタジエンラテッ
クス、イソブチレン−イソプレン共重合体ラテックス、
イソプレン系重合体ラテックス、天然ゴム系ラテックス
などのゴム系ラテックス、ポリ(メタ)アクリル酸エス
テルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリ
塩化ビニルエマルジョン、酢酸ビニル系(共)重合体エ
マルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステル
エマルジョンなどを、20重量%以下程度併用すること
もできる。
【0026】次に、本発明の焼付型耐チッピング塗料組
成物に含有される粉質充填剤は、その平均粒子径が大き
いために、塗膜中の水の抜け道を与える充填剤であり、
膜厚の厚い被覆膜を形成する場合に膨れが発生しなくな
り、それによって充分な耐チッピングを有する被覆膜を
形成するものである。この粉質充填剤の具体例として
は、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、カオリン、硫酸
バリウム、グラファイト、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、酸化鉄、酸化チタン、シリカ、ゴム粉末、ガラスフ
レーク、少なくとも表面が多孔質で二酸化ケイ素を主成
分とするもの、例えばケイソウ土などの非繊維状の充填
剤を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以
上併用される。これらの粉質充填剤のうち、ケイソウ土
および水酸化アルミニウムが特に好ましい。ケイソウ土
については、SiO2 が80重量%以上含有されるもの
であり、また水酸化アルミニウムについてはAl2 (O
H)3 が80重量%以上含有されているものである。
【0027】この粉質充填剤の平均粒子径は、10〜1
00μm、好ましくは15〜70μmである。10μm
未満では、膜厚の厚い被覆膜を形成すると膨れが生じや
すくなり、一方100μmを超えると、被覆膜の表面の
凹凸が生じ平滑性のある被覆膜が形成されない。上記範
囲の平均粒子径を有する粉質充填剤を使用することによ
り、本発明の目的を達成することが可能となる。なお、
粉質充填剤の平均粒子径の測定は、公知の方法により求
めることができる。
【0028】本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物に
おける粉質充填剤の配合量は、水分散性重合体エマルジ
ョンの固形分100重量部に対し、10〜200重量部
である。10重量部未満では、膜厚の厚い被覆膜を形成
する場合に膨れが発生しやすくなり、一方200重量部
を超えると、被覆膜の表面に凹凸が生じ平滑性のある被
覆膜が形成されず、また基材との密着性が劣りそれによ
って充分な耐チッピング性を得ることができない。
【0029】なお、粉質充填剤の含有量は、粉質充填剤
の種類や水分散性重合体エマルジョンの種類によって好
ましい範囲が異なる。以下、代表的な粉質充填剤につい
て、好ましい含有量、および特に好ましい含有量を示
す。 ケイソウ土;好ましくは10〜150重量部、特に好
ましくは10〜100重量部 水酸化アルミニウム;好ましくは10〜200重量
部、特に好ましくは10〜150重量部 タルク;好ましくは10〜200重量部、特に好まし
くは10〜180重量部 カオリン;好ましくは10〜150重量部、特に好ま
しくは10〜100重量部 好ましい粉質充填剤の組成割合は、ケイソウ土2〜80
重量%、さらに好ましくは2〜40重量%、他の粉質充
填剤98〜20重量%、さらに好ましくは98〜60重
量%である。この組成割合の粉質充填剤を用いると、本
発明の目的の一段と優れたものが得られる。
【0030】なお、粉質充填剤の組み合わせとしては、
最も優れたものとしてケイソウ土と水酸化アルミニウム
を併用する場合が挙げられる。この場合、粉質充填剤に
おける両者の使用割合は、ケイソウ土20〜60重量
%、好ましくは30〜50重量%、水酸化アルミニウム
80〜40重量%、好ましくは70〜50重量%であ
る。粉質充填剤として、ケイソウ土と水酸化アルミニウ
ムを併用することにより、水性分散重合体エマルジョン
の分散性および膜厚の厚い被覆膜を形成するという効果
が得られる。
【0031】また、本発明の焼付型耐チッピング塗料組
成物の固形分濃度は、通常、60〜85重量%、好まし
くは65〜80重量%程度である。
【0032】本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物に
は、必要の応じて平均粒子径が10μm未満の上記以外
の他の粉質充填剤(以下「他の粉質充填剤」という)や
繊維状充填剤などの他の充填剤が含有されていてもよ
い。ここで、平均粒子径が10μm未満の他の粉質充填
剤としては、例えばクレー、カオリン、タルク、炭酸カ
ルシウム、ケイソウ土、グラファイト、アルミナ、酸化
鉄、酸化チタン、シリカ、ゴム粉末、ガラスフレーク、
ベントナイトなどを挙げることができ、これらは単独で
あるいは2種以上混合して用いることができる。他の粉
質充填剤の含有量は、水分散性重合体エマルジョンの固
形分100重量部に対し、好ましくは10〜200重量
部、さらに好ましくは20〜150重量部である。
【0033】また、必要に応じて用いられる繊維状充填
剤は、繊維形状のものであれば特に限定されるものでは
なく、例えばカーボンファイバー、ロックウール、繊維
状チタン酸カリウム、繊維状硫酸マグネシウム、アタバ
ルジャイト、ワラストナイト、繊維状硫酸バリウム、ア
スベスト、パルプなどを挙げることができる。繊維状充
填剤の含有量は、水分散性重合体エマルジョンの固形分
100重量部に対し、好ましくは5〜80重量部、さら
に好ましくは10〜80重量部である。この割合が5重
量部未満では、形成される被覆膜が充分な耐チッピング
性を有するものとはならない場合があり、一方80重量
部を超えると組成物中に分散剤や水を多く使用せねばな
らず、形成される被覆膜に膨れが発生しやすくなる。
【0034】さらに、本発明の焼付型耐チッピング塗料
組成物には、上記の配合物以外に、遅延凝固剤などの感
熱性を有する添加剤、カーボンブラック、有機顔料など
の着色顔料、防錆顔料、分散剤、消泡剤、増粘剤などの
添加剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブチルセロソルブなどの有機溶剤などが含有されていて
もよい。
【0035】本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物を
用いて耐チッピング性を有する被覆膜を形成する方法と
しては、まず金属表面などの被塗布面に、エアスプレー
装置またはエアレススプレー装置により、本発明の組成
物を塗布する。次いで、例えば80〜120℃の温度で
10〜30分間、焼付乾燥することによって、組成物を
硬化させて被覆膜を形成する。このようにして形成され
た被覆膜は、100〜300μm程度の薄い膜厚のもの
であっても、充分な耐チッピング性を有するものであ
る。また、膜厚を800〜1,000μm程度と厚くし
ても、形成される被覆膜の膨れの不良現象は大幅に改善
される。さらに、形成される被覆膜は、金属表面やプラ
スチック表面に対する密着性が大きいものである。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のでない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り、重量基準である。
【0037】実施例1 表1に示す配合処方に従って、MBRラテックス〔水
分散性重合体エマルジョン、単量体組成;ブタジエン/
メタクリル酸/エチレングリコールジメタクリレート/
メタクリル酸メチル(モル比)=79/7/1.5/1
2.5〕に、このラテックスの固形分100部に対して
ヘキサメタリン酸ナトリウム(分散剤)1.5部、消泡
剤KM−71〔信越化学工業(株)製、ジメチルポリシ
ロキサンに白色充填剤を配合したエマルジョン〕0.5
部と、水10部とを添加し、混合機にて攪拌しながら、
粉質充填剤であるケイソウ土〔昭和化学工業(株)製、
ラヂオライト#900〕50部、水酸化アルミニウム
〔住友化学(株)製、C−325〕50部および炭酸カ
ルシウム〔丸尾カルシウム(株)製、R重炭〕100部
を徐々に添加し、この系を充分に攪拌して本発明の焼付
型耐チッピング塗料組成物(以下「塗料組成物1」とい
う)を製造した。この組成物の固形分濃度は、75%で
あった。
【0038】実施例2 表1に示す配合処方に従って、ケイソウ土の平均粒子径
が30μmのものに代えて13μmのもの〔昭和化学工
業(株)製、ラヂオライト#100〕を使用した以外
は、実施例1と同様に本発明の焼付型耐チッピング塗料
組成物(以下「塗料組成物2」という)を製造した。
【0039】実施例3 表1に示す配合処方に従って、水酸化アルミニウムの平
均粒子径が30μmのものに代えて15μmのもの〔住
友化学(株)製、C−315〕を使用した以外は、実施
例1と同様に本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物
(以下「塗料組成物3」という)を製造した。
【0040】実施例4 表1に示す配合処方に従って、炭酸カルシウムの平均粒
子径が30μmのものに代えて5μmのもの〔丸尾カル
シウム(株)製、スーパー#2000〕を使用した以外
は、実施例1と同様に本発明の焼付型耐チッピング塗料
組成物(以下「塗料組成物4」という)を製造した。
【0041】実施例5 表1に示す配合処方に従って、MBRラテックスに代
えて、SBRラテックス〔単量体組成;ブタジエン/グ
リシジルメタクリレート/ジビニルベンゼン/スチレン
(モル比)=82.5/4/1/12.5〕を用いた以
外は、実施例1と同様にして本発明の焼付型耐チッピン
グ塗料組成物(以下「塗料組成物5」という)を製造し
た。
【0042】実施例6 表1に示す配合処方に従って、MBRラテックスに代
えて、NBRラテックス〔単量体組成;ブタジエン/メ
タクリル酸/ジビニルベンゼン/アクリロニトリル(モ
ル比)=73/5/1/21〕を用いた以外は、実施例
1と同様にして本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物
(以下「塗料組成物6」という)を製造した。
【0043】
【表1】
【0044】比較例1 表2に示す配合処方に従って、MBRラテックス〔単
量体組成;ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸メ
チル(モル比)=70/9/21、平均粒子径=0.0
62μm〕を用いた以外は、実施例1と同様にして焼付
型耐チッピング塗料組成物(以下「比較塗料組成物1」
という)を製造した。
【0045】比較例2 表2に示す配合処方に従って、MBRラテックスに代
えて、同様の単量体組成で、平均粒子径が0.01μm
のもの〔MBRラテックス〕を用いた以外は、実施例
1と同様にして焼付型耐チッピング塗料組成物(以下
「比較塗料組成物2」という)を製造した。
【0046】比較例3 表2に示す配合処方に従って、粉質充填剤として、平均
粒子径5μmの炭酸カルシウム300部を用いた以外
は、実施例1と同様にして焼付型耐チッピング塗料組成
物(以下「比較塗料組成物3」という)を製造した。
【0047】比較例4 表2に示す配合処方に従って、比較例1で用いたものと
同一のラテックス〔MBRラテックス〕100部、分
散剤としてポイズ530〔花王(株)製〕5部、防錆剤
としてメタホウ酸バリウム10部および水70部を加
え、攪拌機にて攪拌しながら、炭酸カルシウム(R重
炭)60部、カーボンブラック1部および繊維状充填剤
として繊維状マグネシウム化合物(MOS、宇部興産
(株)製、直径1μm、長さ10〜100μm)100
部を徐々に加え、充分に攪拌して焼付型耐チッピング塗
料組成物(以下「比較塗料組成物4」という)を製造し
た。
【0048】
【表2】
【0049】試験例1(耐チッピング性の評価) 以上のようにして得られた塗料組成物1〜6および比較
塗料組成物1〜4の各々を、エアレススプレー装置によ
り、ターンシート板(鉛−スズメッキ処理された鋼板)
上に塗布した。次いで、室温で10分間放置したのち、
100℃で10分間、さらに130℃で20分間焼付乾
燥することにより、各塗料組成物を硬化させ、ターンシ
ート板に膜厚100μmの被覆膜および膜厚200μm
の被覆膜をそれぞれ形成した。
【0050】各塗料組成物により形成された被覆膜につ
いて、それぞれ耐チッピング性の評価を行った。評価方
法としては、まず内径20mmの塩化ビニル製パイプ
を、被覆膜が形成されたターンシート板に対して60度
の角度に伸びるように配置し、次いでM4ナットを、2
mの高さから上記パイプ内を通して連続的に被覆膜に落
下させ、ターンシート板の素地が露出した時点における
M4ナットの総重量(kg)を測定することにより行っ
た。結果を表3に示す。
【0051】試験例2(焼付性の評価) 試験例1と同様にして各塗料組成物の塗布および焼付乾
燥を行い、ターンシート板上に膜厚1,000μmの被
覆膜を形成し、各被覆膜について、膨れの発生状況を観
察した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】表3の結果から明らかなように、塗料組成
物1〜6により形成された被覆膜は、その膜厚が100
〜200μmと薄い場合でも、優れた耐チッピング性を
有するものである。また、その膜厚が1,000μmと
厚い場合でも、膨れの発生は認められない。さらに、形
成された被覆膜は、いずれも平滑性に優れたものであっ
た。
【0054】これに対し、比較塗料組成物1により形成
された被覆膜は、MBRラテックスの共重合体成分とし
て、少なくとも2個の付加重合可能な基を有する単量体
を含有していないため、膨れ、クラックの発生が顕著に
認められる。比較塗料組成物2により形成された被覆膜
は、MBRラテックスの平均粒子径が0.010μmと
小さいために、膨れ、クラックの発生が顕著に認められ
る。比較塗料組成物3により形成された被覆膜は、粉質
充填剤の添加量が本発明の範囲外で、膨れ、クラックの
発生が顕著に認められる。比較塗料組成物4により形成
された被覆膜は、粉質充填剤の添加量は本発明の範囲内
であるが、繊維状充填剤を多く用いたため、分散剤およ
び水を通常の3〜7倍用いており、膨れの発生が顕著に
認められる。
【0055】
【発明の効果】本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物
によれば、耐チッピング性の優れた被覆膜を形成するこ
とができる。また、形成された被覆膜は、その膜厚が薄
い場合でも、充分な耐チッピング性を有するので、作業
性を含めコストの面からも好ましいものである。また、
膜厚の厚い被覆膜を形成する場合であっても、被覆膜に
は膨れが発生せず、平滑性の優れたものとなる。従っ
て、耐チッピング性を一層向上させることも可能であ
り、さらに金属の熔接部分のように必然的に膜厚が厚く
なる部分などにおいても適用可能である。
【0056】本発明の焼付型耐チッピング塗料組成物に
より形成される被覆膜は、金属あるいはプラスチックの
表面をチッピングから有効に保護することができ、例え
ば自動車のガソリンタンクの表面や底板を保護するもの
として好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)脂肪族共役ジエン単量体10〜9
    5モル%、(b)1個の付加重合可能な基を有し、か
    つ、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基および
    エポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    含有する単量体0.1〜30モル%、ならびに(c)少
    なくとも2個の付加重合可能な基を有する単量体0.1
    〜20モル%〔ただし、(a)+(b)+(c)=10
    0モル%〕を主成分とする単量体成分を重合して得ら
    れ、しかも、平均粒子径が0.02〜0.5μmである
    水分散性重合体エマルジョンを固形分換算で100重量
    部に対し、平均粒子径が10〜100μmの粉質充填剤
    10〜200重量部を含有してなる焼付型耐チッピング
    塗料組成物。
JP35224195A 1995-12-28 1995-12-28 焼付型耐チッピング塗料組成物 Withdrawn JPH09183921A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020528099A (ja) * 2017-07-27 2020-09-17 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 水性コーティング組成物

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