JPH09187896A - 透湿防水性コーティング布帛の製造方法 - Google Patents

透湿防水性コーティング布帛の製造方法

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JPH09187896A
JPH09187896A JP122996A JP122996A JPH09187896A JP H09187896 A JPH09187896 A JP H09187896A JP 122996 A JP122996 A JP 122996A JP 122996 A JP122996 A JP 122996A JP H09187896 A JPH09187896 A JP H09187896A
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polyurethane resin
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Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Mamoru Shinomiya
守 四宮
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に毛羽,ループ等を有する繊維布帛にお
いて,防水性能および透湿性能の優れた透湿防水性コー
ティング布帛を製造する方法を提供する。 【解決手段】 表面に毛羽,ループ等を有する繊維布帛
上に,アクリル樹脂やポリウレタン樹脂などの合成重合
体溶液を非連続状に塗布量5g/m2 以下で塗布し,続
いて,該塗布面に平均粒径1μm以下で,かつN,N−
ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/
100g以上の無機微粉末を1重量%以上含有するポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を塗布し,湿式製膜
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,防水性能と透湿性
能の優れた透湿防水性コーティング布帛の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】透湿性と防水性を併せもつ透湿防水性布
帛は,身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出し,
雨が衣服内に入るのを防ぐ機能を有しており,これらの
機能を付与するために,ポリアミノ酸ウレタン樹脂,ポ
リウレタン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を
布帛にコーティングまたはラミネートしたものがよく知
られている。これらは,スポーツ衣料や防寒衣料等に使
用され,その中でも特に激しい運動に伴う発汗量の比較
的多いスポーツ用の衣料分野に多く用いられており,ス
キーやアスレチック分野では必要不可欠な素材となって
いる。
【0003】このような従来の透湿防水性布帛として
は,樹脂層が有孔のものと無孔のものが知られており,
一般に樹脂層が有孔のとき優れた透湿性能は得やすい
が,防水性能は高々0.2〜0.3kgf/cm2 程度しか得ら
れず,一方,樹脂層が無孔のときは優れた防水性能は得
やすいが,透湿性能はほとんどないか,多くても400
0g/m2 ・24hrs 程度のものしか得られていない。
このような欠点を補うために,繊維布帛上にまず有孔の
高透湿性樹脂層を形成し,その上に無孔の樹脂層を薄く
形成して,優れた透湿性能と防水性能を得る方法が試み
られており,この方法では優れた防水性能は得られるも
のの,透湿性能は高々3000〜5000g/m2 ・2
4hrs 程度のものしか得られていない。
【0004】そこで,本発明者らは,特開平6−272
168号公報にて,平均粒径が1μm以下で,かつN,
N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリット
ル/100g以上の無機微粉末を1重量%以上含有せし
めたポリウレタン樹脂被膜を形成するコーティング布帛
の製造方法を提案し,透湿度7000g/m2 ・24hr
s ,防水性能0.6kgf/cm2 以上の透湿防水性布帛を得
ることに成功した。このように優れた防水性と透湿性を
有する透湿防水性布帛用の基布としては,フィラメント
糸使いの高密度織物等が高防水性を得るために有利であ
るので多く用いられているが,フィラメント糸使いの織
物は,表面が偏平でボリューム感に欠け,肌に触れたと
きに冷たく感じるので,マウンテンウェアやアウトドア
ウェア等の用途においては,むしろスパン糸やスパンラ
イク糸使いの基布が好んで用いられている。このスパン
糸やスパンライク糸使いの基布表面には,毛羽やループ
が存在しているので,基布となる布帛にカレンダー加工
等の手段を講じても高度な防水性を得ることは難しく,
従って,高防水性を得るためには,基布として特別に選
定されたスパンライク糸を使用した布帛が必要となる等
の制約が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,表面に毛羽,ループ等を
有する繊維布帛を基布に用いているにもかかわらず,優
れた防水性と透湿性を兼ね備えた透湿防水性コーティン
グ布帛を製造することができる加工方法を得ることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,表面に毛羽,ループ等を有する繊維布帛
上に,アクリル樹脂および/またはポリウレタン樹脂を
主体とする合成重合体溶液を非連続状に塗布量5g/m
2 以下で塗布し,しかる後に該塗布面に平均粒径1μm
以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が
200ミリリットル/100g以上の無機微粉末を1重
量%以上含有させたポリウレタン樹脂主体の合成重合体
溶液を塗布し,湿式製膜することを特徴とする透湿防水
性コーティング布帛の製造方法を要旨とするものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
を行う。本発明で用いられる繊維布帛としては,ナイロ
ン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成繊
維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエス
テル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,ポ
リビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の半
合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテレ
フタレート/木綿等の混合繊維からなるスパン糸または
スパンライク糸の織物,編物等を挙げることができる。
勿論,不織布も本発明で繊維布帛として用いることがで
きる。
【0008】本発明では,上記の如き繊維布帛に撥水剤
処理を施したものを用いてもよい。これは,製造時に樹
脂溶液の布帛内部への浸透を防ぐための一手段である。
この場合の撥水剤としては,パラフィン系撥水剤やポリ
シロキサン系撥水剤,フッ素系撥水剤等の公知のもので
よく,その処理も一般に行われているパディング法,ス
プレー法等の公知の方法で行えばよい。特に良好な撥水
性を必要とする場合にはフッ素系撥水剤を使用し,例え
ばアサヒガード730(旭硝子株式会社製,フッ素系撥
水剤エマルジョン)を5%の水分散液でパディング(絞
り率35%)した後,160℃で1分間の熱処理を行う
方法等によって行えばよい。
【0009】本発明では,まず,上述の繊維布帛上に,
アクリル樹脂および/またはポリウレタン樹脂を主体と
する合成重合体溶液を非連続状に塗布量5g/m2 以下
で塗布する。ここで用いるアクリル樹脂は,主としてア
クリル酸,メタクリル酸またはこれらの誘導体の重合体
からなるものであればいずれでもよく,一般には,アク
リル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル等
のアクリル酸エステル,メタクリル酸メチル,メタクリ
ル酸エチル,メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エス
テルを主成分とした重合体を用いる。
【0010】本発明でいうアクリル樹脂を主体とする合
成重合体とは,上述のアクリル樹脂を50〜100%含
む合成重合体をいい,その他の合成重合体として,例え
ば,アクリロニトリル,アクリルアミド,ウレタン,酢
酸ビニル,塩化ビニル,スチレン等からなる高分子が5
0%未満の範囲で含まれていてもよく,その形態は,共
重合体でもブレンドでもよい。
【0011】また,本発明で用いるポリウレタン樹脂
は,ポリイソシアネートとポリオールを反応せしめて得
られる共重合体であり,イソシアネート成分として,芳
香族ジイソシアネート,脂肪族ジイソシアネート,脂環
族ジイソシアネートの単独またはこれらの混合物を用
い,例えば,トリレン2,4−ジイソシアネート,4,4'
−ジフェニルメタンジイソシアネート,1,6−ヘキサン
ジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネ
ート等を用い,また,ポリオール成分としては,ポリエ
ーテルポリオール,ポリエステルポリオールを用い,ポ
リエーテルポリオールは,ポリエチレングリコール,ポ
リプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコー
ル等を用い,ポリエステルポリオールは,エチレングリ
コール,プロピレングリコール等のジオールとアジピン
酸,セバチン酸等の2塩基酸との反応生成物やカプロラ
クトン等の開環重合物を用いる。
【0012】本発明でいうポリウレタン樹脂を主体とす
る合成重合体とは,上述のポリウレタン樹脂を50〜1
00%含む合成重合体をいい,その他の合成重合体とし
て,例えば,アクリロニトリル,アクリルアミド,酢酸
ビニル,塩化ビニル,スチレン等からなる高分子や,ポ
リブタジエン,ポリアミノ酸等が50%未満の範囲で含
まれていてもよく,その形態は,共重合体でもブレンド
でもよい。これらの合成重合体には,フッ素やシリコン
等で変性された化合物も本発明で使用することができ
る。
【0013】本発明でいう“および/または”なる語句
は,双方のうちの一方または両方を意味するものとす
る。前述のアクリル樹脂および/またはポリウレタン樹
脂を主体とする合成重合体の溶媒としては,メチルエチ
ルケトン,酢酸エチル,トルエン,N,N−ジメチルホ
ルムアミド,ジオキサン,イソプロピルアルコール,水
等を適宜用いればよいが,基布内部への樹脂溶液の浸透
性,加工コストから見て,揮発性の高いメチルエチルケ
トン,酢酸エチル,トルエン,イソプロピルアルコール
等を主溶媒として用いる方が有利である。
【0014】本発明では,上述の合成重合体溶液をグラ
ビアコーティング法,ロータリー捺染法等により,非連
続状に塗布量5g/m2 以下になるように塗布する。こ
の塗布に際しては,合成重合体を点状,線状,編目状等
のごとく非連続状に塗布することが必要である。布帛の
全面に塗布すると,透湿性能が低下し,風合が硬くなる
ので好ましくない。また,塗布量が5g/m2 を超える
と,透湿性能が低下しすぎたり,自然乾燥しなくなった
りして,乾燥工程が必要となるので好ましくない。
【0015】この後,本発明では,上記塗布面に平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機微
粉末を1重量%以上含有させたポリウレタン樹脂主体の
合成重合体溶液を塗布し,湿式製膜する。ポリウレタン
樹脂主体の合成重合体溶液は,前述のものと同一組成の
ものを用いることができるが,主溶媒としては,N,N
−ジメチルホルムアミド等のような極性有機溶媒を使用
するとよい。
【0016】本発明では,このポリウレタン樹脂主体の
合成重合体溶液に,平均粒径が1μm以下で,かつ,
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末を合成重合体に対し
て1重量%以上含有せしめている。この無機微粉末は,
上記性能を有する無機物であればいずれでも使用でき
る。
【0017】無機物を微粉化するには,公知の方法を用
いればよい。特に,ハロゲン化金属の気相酸化法あるい
は燃焼加水分解法,電弧法等の乾式法によって得られる
金属酸化物の微粉末がよく,中でも,上記方法により製
造される無機微粉末として,二酸化ケイ素微粉末が安価
で,かつ多量に生産されているので,これを利用すると
よい。これらの方法により得られた微粉末は,一般的に
粒径が0.05μm以下であると同時に,非常に多いN,
N−ジメチルホルムアミド吸着量を示し,合成重合体樹
脂溶液中に添加せしめる無機微粉末として好適である。
さらに,該微粉末の表面を疎水性に改質したものを用い
れば,コーティング膜の耐漏水性向上の点から見てより
一層好適である。
【0018】上述のN,N−ジメチルホルムアミド吸着
量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,N,N
−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにステンレ
ス製のへらで練り合わせる作業を繰り返し,N,N−ジ
メチルホルムアミドの1滴で急激に軟らかくなる直前の
吸着量を意味している。その測定方法は,JIS K−
5101の吸油量測定法に準じて行うが,その際,煮あ
まに油の代わりにN,N−ジメチルホルムアミドを用い
て行い,無機微粉末100g当たりのN,N−ジメチル
ホルムアミドの吸着量(単位:ミリリットル)で表す。
【0019】本発明で用いる無機微粉末は,その平均粒
径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミド
吸着量が200ミリリットル/100g以上であること
が必要であり,無機微粉末の平均粒径が0.1μm以下
で,かつN,N−ジメチルホルムアミド吸着量が300
ミリリットル/100g以上のものであれば,本発明の
効果の点でより一層好ましい。平均粒径が1μmを超え
ると,得られるコーティング膜の微細孔の孔径が大きく
なりすぎ,防水性能を低下させるので好ましくなく,ま
た,N,N−ジメチルホルムアミド吸着量が200ミリ
リットル/100g未満では,コーティング膜の微細孔
の数が少なくなり,透湿性能があまり向上しないので好
ましくない。
【0020】本発明で用いる無機微粉末の量は,ポリウ
レタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,実
質的に均一に1重量%以上含有していることが必要であ
り,さらに好ましくは,3重量%以上含有している方が
よい。1重量%未満では,得られるコーティング膜の微
細孔の数が少なくなりすぎて,透湿性能があまり向上し
ない。また,無機微粉末は,必ずしも高純度なものであ
る必要はなく,不純物として他の無機物質,例えば顔
料,充填剤等が含有されていても何ら差し支えない。
【0021】コーティングに際しては,ナイフコータ
ー,コンマコーター,リバースコーター等を適宜使用
し,乾燥樹脂膜が10〜50g/m2 になるように塗布
量を調節してコーティングを行い,続いて0〜30℃の
水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝固を行
う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間の洗浄
後,通常の方法で乾燥し,樹脂被膜を形成する。
【0022】本発明では,前述の樹脂層と繊維布帛間お
よび上述の樹脂層と樹脂層間の耐剥離性を向上させる目
的で,樹脂溶液に樹脂や繊維布帛との親和性の高い化合
物を併用してもよく,その化合物としてはイソシアネー
ト化合物を併用するとよい。イソシアネート化合物とし
ては,2,4−トリレンジイソシアネート,ジフェニルメ
タンジイソシアネート,イソフォロンジイソシアネー
ト,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこれらのジ
イソシアネート類3モルと活性水素を含有する化合物
(例えばトリメチロールプロパン,グリセリン等)1モ
ルとの付加反応によって得られるトリイソシネート類が
使用できる。
【0023】上記のイソシアネート類は,イソシアネー
ト基が遊離した形のものであってもあるいはフェノー
ル,メチルエチルケトオキシム等を付加させることによ
り安定させ,その後の熱処理によりブロックを解離させ
る形のものであっても,いずれでも使用でき,作業性や
用途等により適宜使い分ければよい。イソシアネート化
合物を使用する際の使用量としては,ポリウレタン樹脂
主体の合成重合体に対して0.1〜10重量%の割合で使
用することが望ましい。使用量が0.1%未満であれば,
布帛に対する樹脂層の接着力が低く,また,10%を超
えると,風合が硬化する傾向が認められるようになるの
で好ましくない。
【0024】本発明において,防水性をさらに向上させ
る目的で,上述の湿式コーティング後にコーティング布
帛に撥水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,前
述のような一般に実施されている公知の撥水処理方法を
採用すればよい。また,さらに防水性能を向上させたい
ときは,本発明の湿式コーティング層の上に乾燥膜厚が
0.5〜2μm程度の無孔のポリウレタン樹脂層等を形成
させればよい。湿式コーティング層が高耐水圧を有して
いるため,薄膜でも防水性能が相乗的に向上し,かつ透
湿性能の低下も少ない。
【0025】
【作用】本発明方法のごとく,表面に毛羽,ループ等を
有する繊維布帛上に,前処理としてアクリル樹脂やポリ
ウレタン樹脂等の合成重合体溶液を塗布量5g/m2
下の範囲で非連続状に塗布すると,布帛の風合や透湿性
を大きく阻害することなく布帛表面の毛羽,ループ等が
押さえられて繊維布帛表面に密着するとともに,繊維布
帛表面の突起物が減少し,以後のコーティングに適した
表面形態となる。
【0026】このような形態の布帛上にポリウレタン樹
脂主体の合成重合体溶液を塗布し,湿式製膜を行うと,
均一な樹脂膜を形成することができるが,ここで,平均
粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミ
ドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機
微粉末を均一に分散させたポリウレタン樹脂主体の合成
重合体溶液を布帛にコーティングして湿式凝固を行う
と,凝固液である水と樹脂溶媒であるN,N−ジメチル
ホルムアミドが混和し,樹脂液から溶媒が速やかに離脱
していくことにより樹脂が凝固するが,その際平均粒径
が1μm以下で,かつ,N,N−ジメチルホルムアミド
の吸着量が200ミリリットル/100g以上の無機微
粉末が該樹脂溶液中に均一に分散していると,無機微粉
末の表面は他の部分に比べて樹脂溶液中におけるN,N
−ジメチルホルムアミドの濃度が高く,言い換えればポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体の濃度が低い状態にあ
り,このために,湿式凝固過程においては,凝固液であ
る水がまず無機微粉末表面のN,N−ジメチルホルムア
ミドと置き替わり,無機微粉末の周囲で速やかに凝固が
始まり,その後に樹脂全体が凝固するので,結果的に凝
固速度が速くなり,ポリウレタン樹脂特有のハニカム構
造の他に1μm以下の微細孔を無数に有する非常にポー
ラスな形態となる。この形成された微細孔の微細性によ
り優れた防水性能が発揮されるとともに,無数に存在す
る微細な有孔により高透湿性能が発揮されるようにな
る。
【0027】本発明では,無数に形成された微細な有孔
によって透湿性能が向上しているので,高透湿防水性布
帛に特有の,着用時に圧力が加わったとき問題が発生し
やすい漏水性に対しても非常に有効である。さらに,本
発明の無機微粉末は,着用側の樹脂層の全体に均一に存
在しているので,樹脂層表面はポリウレタン樹脂特有の
ぬめり感を消し,ドライタッチにするとともに,着用側
の樹脂層全体の耐摩耗性と樹脂膜強度が向上する。
【0028】
【実施例】以下,実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,実施例におけるコーティング布帛の性能の
測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 : JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 : JIS L−1099(A−1法) (3)摩耗強力 : JIS L−1084(A−1法) (4)剥離強度 コーティング面にホットメルトテープを経方向に接着して,JIS L− 1089法に準じて測定した。 (5)風 合 ハンドリングにより風合を相対的に次の3段階で評価した。 ○:柔 軟 △:やや硬い ×:硬 い
【0029】実施例1 経糸にナイロンフィラメント70デニール/34フィラ
メント,緯糸にナイロンスパンライク加工糸140デニ
ール/102フィラメントを用いた,経糸密度155本
/インチ,緯糸密度70本/インチの平織物を用意し,
これに通常の方法で精練および染色(三菱化成株式会社
製,酸性染料のDiacid Light Yellow 2GP,1%owf)
を行った後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガー
ド710(旭硝子株式会社製)3%水分散液でパディン
グ(絞り率48%)して乾燥後,160℃で1分間の熱
処理を行った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加工
機を用いて,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度3
0m/分の条件でカレンダー加工を行い,コーティング
用の基布を得た。ここで,上述の基布表面を観察したと
ころ,緯糸にスパンライク加工糸を用いているため,カ
レンダー加工機による目潰しを実施しているにもかかわ
らず,その表面には毛羽やループの微小な突起が見られ
た。
【0030】次に,下記処方1に示す組成で,固形分濃
度14%,粘度2000cp/25℃のポリウレタン樹脂
溶液を,グラビアコーターを用いて上記基布のカレンダ
ー面に塗布量2g/m2 にて点状に塗布した。 処方1 クリスコート P−1021F 60部 (大日本インキ化学工業株式会社製,二液型アクリル樹
脂) クリスボン 6807 40部 (大日本インキ化学工業株式会社製,二液型ウレタン樹
脂) クリスボン CL−3 2部 (大日本インキ化学工業株式会社製,イソシアネート化
合物) メチルエチルケトン 50部 トルエン 10部 ここで,上述のポリウレタン樹脂溶液を塗布した基布表
面を観察したところ,表面の毛羽やループのほとんどが
点状に塗布した樹脂によって押さえられているものであ
った。
【0031】続いて,上記塗布面に下記処方2に示す組
成で,固形分濃度が24%,粘度が15000cp/25
℃のポリウレタン樹脂溶液を,ナイフオーバーロールコ
ーターを用いて塗布量80g/m2(乾燥樹脂膜重量19.
2g/m2)にて塗布した後,直ちに15℃の水中に60
秒間浸漬して樹脂分を凝固させ,さらに,50℃の温水
中で10分間の洗浄を行い,乾燥し,本発明の透湿防水
性コーティング布帛を得た。 処方2 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X−100 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 30部 アエロジル R−974 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.012μm,
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量350ミリリット
ル/100gの疎水性二酸化ケイ素微粉末)
【0032】本発明との比較のため,本実施例において
処方1のポリウレタン樹脂溶液の塗布を省く他は,本実
施例とまったく同一の方法により比較用の透湿防水性コ
ーティング布帛(比較例1とする。)を得た。また,本
発明との比較のため,本実施例において処方1のポリウ
レタン樹脂溶液の塗布量を7g/m2 とする他は,本実
施例とまったく同一の方法により比較用の透湿防水性コ
ーティング布帛(比較例2とする。)を得た。さらに,
本発明との比較のため,本実施例において,処方2のア
エロジルR−974に代えてクリスタライトVX−S2
(龍森株式会社製,平均粒径5μm,N,N−ジメチル
ホルムアミド吸着量が38ミリリットル/100gの二
酸化ケイ素微粉末)を同量使用する他は,本実施例とま
ったく同一の方法により比較用の透湿防水性コーティン
グ布帛(比較例3とする。)を得た。
【0033】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示し
た。
【0034】
【表1】
【0035】表1より明らかなように,本発明方法で製
造した透湿防水性コーティング布帛は,基布表面の毛羽
やループが前処理時のポリウレタン樹脂コーティングに
よって押さえ込まれているため,次工程の透湿防水膜の
形成が理想的に行われて,優れた耐水圧と透湿度を有す
るとともに,風合,耐剥離性,耐摩耗性も良好なもので
あった。
【0036】実施例2 経糸にカチオン染料可染ポリエステルフィラメント75
デニール/96フィラメント,緯糸にカチオン染料可染
ポリエステルスパンライク加工糸150デニール/19
2フィラメントを用いた経糸密度154本/インチ,緯
糸密度67本/インチの平織物を用意し,これに通常の
方法で精練および染色(住友化学工業株式会社製,カチ
オン染料のEstrol Brilliant Blue N−3RL,3%ow
f)を行った後,フッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガ
ード710(旭硝子株式会社製)5%水分散液でパディ
ング(絞り率40%)し,乾燥後,160℃で1分間の
熱処理を行った。次に,鏡面ロールをもつカレンダー加
工機を用いて,温度170℃,圧力30kg/cm2 ,速度
20m/分の条件でカレンダー加工を行い,コーティン
グ用の基布を得た。ここで,上述の基布表面を観察した
ところ,緯糸にスパンライク加工糸を用いているため,
カレンダー加工機による目潰しを実施しているにもかか
わらず,その表面には毛羽やループの微小な突起が見ら
れた。
【0037】次に,下記処方3に示す組成で,固形分濃
度16%,粘度2000cp/25℃のポリウレタン樹脂
溶液を,グラビアコーターを用いて上記基布のカレンダ
ー面に塗布量4g/m2 にて点状に塗布した。 処方3 ハイムレン NPU−5 100部 (大日精化工業株式会社製,一液型ウレタン樹脂) イソプロピルアルコール 30部 トルエン 30部 ここで,上述のポリウレタン樹脂溶液を塗布した基布表
面を観察したところ,表面の毛羽やループのほとんどが
点状に塗布した樹脂によって押さえられているものであ
った。
【0038】続いて,前記実施例1の処方2においてア
エロジルR−974に代えてアルミナAKP−G015
(住友化学工業株式会社製,平均粒径0.03μm,N,
N−ジメチルホルムアミド吸着量310ミリリットル/
100gの疎水性三酸化アルミニウム微粉末)を同量使
用する他は,実施例1とまったく同一の方法により本発
明の透湿防水性コーティング布帛を製造した。
【0039】本発明との比較のため,本実施例2におい
て処方3のポリウレタン樹脂溶液の塗布を省く他は,本
実施例とまったく同一の方法により比較用の透湿防水性
コーティング布帛(比較例4とする。)を得た。また,
本発明との比較のため,本実施例2において処方3のポ
リウレタン樹脂溶液の塗布量を10g/m2 とする他
は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の透湿
防水性コーティング布帛(比較例5とする。)を得た。
さらに,本発明との比較のため,本実施例2において処
方3のポリウレタン樹脂溶液をナイフオーバーロールコ
ーターを用いて布帛全面に塗布量4g/m2 にて塗布す
る他は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の
透湿防水性コーティング布帛(比較例6とする。)を得
た。
【0040】本発明および比較用のコーティング布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示し
た。
【0041】
【表2】
【0042】表2より明らかなように,本発明方法で製
造した透湿防水性コーティング布帛は,基布表面の毛羽
やループが前処理時のポリウレタン樹脂コーティングに
よって押さえ込まれているため,次工程の透湿防水膜の
形成が理想的に行われて,優れた耐水圧と透湿度を有す
るとともに,風合,耐剥離性,耐摩耗性も良好なもので
あった。
【0043】
【発明の効果】本発明方法によれば,基布表面に毛羽や
ループ等が存在していても,これらを前処理によって押
さえ込むので,コーティング樹脂膜面に毛羽やループが
出てきたり,毛羽やループのある所の樹脂膜が極端に薄
くなったりすることがなく,優れた耐水圧と透湿度を有
する透湿防水性コーティング布帛を製造することができ
る。さらに,本発明方法によるコーティング布帛は,風
合やコーティング樹脂層の耐剥離性,耐摩耗性にも優れ
ている。本発明のコーティング布帛は,その優れた性能
と風合,タッチが良好であることから,特にマウンテン
ウェアやアウトドアウェア等に適した素材となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に毛羽,ループ等を有する繊維布帛
    上に,アクリル樹脂および/またはポリウレタン樹脂を
    主体とする合成重合体溶液を非連続状に塗布量5g/m
    2 以下で塗布し,しかる後に,該塗布面に平均粒径1μ
    m以下で,かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量
    が200ミリリットル/100g以上の無機微粉末を1
    重量%以上含有させたポリウレタン樹脂主体の合成重合
    体溶液を塗布し,湿式製膜することを特徴とする透湿防
    水性コーティング布帛の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129479A (ja) * 2000-10-16 2002-05-09 Unitica Fibers Ltd ソフト風合いの透湿防水性コーティング布帛の製造方法
KR20250046756A (ko) * 2023-09-27 2025-04-03 이응열 고정밴드가 접착되는 덧버선

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