JPH09189702A - 抗ムチン抗体の測定法、癌の測定法及び癌診断薬 - Google Patents

抗ムチン抗体の測定法、癌の測定法及び癌診断薬

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JPH09189702A
JPH09189702A JP139396A JP139396A JPH09189702A JP H09189702 A JPH09189702 A JP H09189702A JP 139396 A JP139396 A JP 139396A JP 139396 A JP139396 A JP 139396A JP H09189702 A JPH09189702 A JP H09189702A
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JP
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mucin
antibody
cancer
measuring
peptides
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Application number
JP139396A
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English (en)
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Shunsuke Imai
俊介 今井
Yasuyuki Kuroiwa
保幸 黒岩
Masayoshi Kamitsura
雅義 上面
Yoshiki Nakao
義喜 中尾
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌の検出・測定に有用な抗ムチン抗体の測定
法、被検者が癌であるか否かの診断に有効な癌の測定法
及び被検者が癌であるか否かの診断に有効な癌診断薬を
提供する。 【解決手段】 検体とムチンペプチド類を接触させてム
チンペプチド類−抗ムチン抗体複合体を形成させ、該複
合体を測定することを特徴とする抗ムチン抗体の測定
法、検体中に存在する抗ムチン抗体を測定することを特
徴とする癌の測定法及びムチンペプチド類を有効成分と
する癌診断薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗ムチン抗体の測
定法、癌の測定法及び癌診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ムチンは、腺癌等で大量に合成される糖
タンパク質であるが、正常細胞でも合成されている(ゾ
ッター・エスら、キャンサー・レビュー、11-12巻、55-
101頁(1988年)(Zotter,S. et al., Cancer Rev., Vo
l.11-12, p.55-101(1988)))。これまでに、ムチンに対
するマウスのモノクローナル抗体の作製及びそのモノク
ローナル抗体が認識するアミノ酸配列が報告されている
(テイラー−パパディミトリオウ・ジェイら、インター
ナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー、28巻、17
-21頁(1981年)(Taylor-Papadimitriou J. et al., In
t.J.Cancer, Vol.28, p.17-21(1981)))。そして、ムチ
ンに対するマウスのモノクローナル抗体を用い、癌マー
カーとしてムチン自体を測定し、これにより、癌を診断
する方法が報告されている(ハイエス・ディー・エフ
ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲー
ション、75巻、1397-1402頁(1985年)(Hayes,D.F. et
al., J.Clin.Invest., Vol.75, p.1397-1402(198
5)))。しかしながら、この方法では、的確に癌の診断
ができる程度までの陽性率が得られず、被検者が癌であ
りながら陰性と誤診するおそれがあるという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、癌の検出・測定に有用な抗ムチン抗体の測定法を提
供するものである。請求項2、3、4及び5記載の発明
は、被検者が癌であるか否かの診断に有効な癌の測定法
を提供するものである。請求項6、7及び8記載の発明
は、被検者が癌であるか否かの診断に有効な癌診断薬を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(8)に関する。 (1)検体とムチンペプチド類を接触させてムチンペプ
チド類−抗ムチン抗体複合体を形成させ、該複合体を測
定することを特徴とする、抗ムチン抗体の測定法。 (2)検体中に存在する抗ムチン抗体を測定することを
特徴とする、癌の測定法。 (3)検体とムチンペプチド類を接触させてムチンペプ
チド類−抗ムチン抗体複合体を形成させ、該複合体を測
定する工程を含む、上記(2)記載の癌の測定法。 (4)ムチンペプチド類が、配列番号1で示されるペプ
チドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる
配列を含むペプチドである、上記(3)記載の癌の測定
法。
【0005】(5)ムチンペプチド類が、配列番号1〜
4のいずれかで示されるペプチドである、上記(3)又
は(4)に記載の癌の測定法。 (6)ムチンペプチド類を有効成分とする、癌診断薬。 (7)ムチンペプチド類が、配列番号1で示されるペプ
チドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる
配列を含むペプチドである、上記(6)記載の癌診断
薬。 (8)ムチンペプチド類が、配列番号1〜4のいずれか
で示されるペプチドである、上記(6)又は(7)に記
載の癌診断薬。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 ムチン ムチンは、前述したように糖タンパク質であり、ヒトの
ムチンは配列番号1で示されるペプチドのアミノ酸配列
を有する(ランカスター・シー・エーら、バイオケミカ
ル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーショ
ン、173巻、1019-1029頁(1990年)(Lancaster,C.A. e
t al., Biochem. Biophys. Res. Commun.,Vol.173, p.1
019-1029(1990)))。なお、配列表において、アミノ酸
配列は、アミノ基末端のアミノ酸を1番としている(以
下同様)。
【0007】ムチンペプチド類 本発明におけるムチンペプチド類は、ムチン、その一部
分、又はムチンもしくはその一部分を含むペプチドの総
称であり、ペプチド鎖中にアミノ酸以外の有機化合物
(脂質、カルボン酸、アミノカルボン酸等の残基)が介
在している化合物を含む。上記ムチンペプチド類は、検
体中に存在する抗ムチン抗体の抗原となりうること、即
ち、ムチンとしての抗原性を保有することが必要とされ
る。
【0008】ムチンペプチド類は、ムチンが抗原性を有
する最小の大きさの観点から、配列番号1で示されるペ
プチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からな
る配列を含むペプチド(以下、ペプチドAという)であ
ることが好ましい。配列番号1で示されるペプチドの中
の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列とし
ては、例えば、配列番号4で示されるペプチドのアミノ
酸配列が挙げられ、このペプチドもペプチドAの一例で
ある。このアミノ酸配列は、ムチンに対するマウスのモ
ノクローナル抗体が認識するエピトープのアミノ酸配列
であり、ムチンとしての抗原性を保有する。
【0009】ムチンペプチド類のペプチド鎖中に含有さ
れるムチン由来のアミノ酸配列が長いほうが高感度の抗
原抗体反応を期待することができることから、ペプチド
Aとしては、配列番号1で示されるペプチドの中の連続
した20個以上のアミノ酸からなる配列を含むペプチド
であることが好ましい。このようなペプチドとしては、
例えば、配列番号2で示されるペプチドが挙げられる。
このペプチドはヒトのムチンの断片であり、ムチンとし
ての抗原性を保有する。
【0010】また、ペプチドAとしては、抗原性を高め
る観点から、配列番号1で示されるペプチドの中の連続
した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列が繰り返さ
れた配列を有するペプチドであることが好ましい。繰り
返し単位となる配列としては、例えば、前記配列番号2
で示されるペプチドのアミノ酸配列等が挙げられる。繰
り返し回数は特に限定されないが、通常、1〜10回と
される。繰り返し単位同士は、直接又は介在物を介して
結合する。介在物としては、例えば、アミノ酸配列やア
ミノ酸残基以外の有機化合物等が挙げられる。前記アミ
ノ酸配列に含まれるアミノ酸の個数は特に限定されない
が、通常、1〜50個とされ、前記アミノ酸配列の具体
例としては、例えば、アラニン−アラニン−アラニンか
らなるアミノ酸配列等が挙げられる。また、前記有機化
合物としては、例えば、脂質、カルボン酸、アミノカル
ボン酸等の残基が挙げられる。前記有機化合物中の炭素
数は特に限定されないが、通常、1〜100個とされ、
前記有機化合物の具体例としては、例えば、ステアリン
酸残基が挙げられる。
【0011】このようなペプチドとしては、例えば、配
列番号3で示されるペプチドが挙げられる。このペプチ
ドは配列番号2のペプチドからなる繰返し単位を3個含
有するペプチドのアミノ基末端側にアラニン−アラニン
−アラニンが結合した、63個のアミノ酸からなる配列
を含むペプチドであり、ムチンとしての抗原性を保有
し、その抗原性が高い。前記アラニン−アラニン−アラ
ニンは、前記繰返し単位を3個含有するペプチドを担体
に固定するためのスペーサーである。
【0012】また、ムチンとしての抗原性を保有する限
り、ペプチドAは、配列番号1で示されるペプチドから
アミノ酸(例えば1〜462個)が欠落しているもので
あってもよい。欠落するアミノ酸の個数が多すぎると、
ペプチドAのムチンとしての抗原性が損なわれる傾向が
ある。欠落するアミノ酸の個数が多い場合(例えば5個
以上)、ムチンとしての抗原性が低下しやすいので、こ
の低下をできるだけ小さくするためには、配列番号1で
示されるペプチドから欠落するアミノ酸は連続している
ものであることが好ましい。
【0013】さらに、ムチンとしての抗原性を保有する
限り、ペプチドAとしては、ムチン由来のアミノ酸配列
に加えてそれ以外のアミノ酸配列を含有するペプチドを
利用することもできるが、このペプチドは、ムチンとし
ての抗原性に対して、ムチン以外の化合物としての抗原
性がないか又は低いことが必要とされる。このようなペ
プチドの例としては、配列番号1で示されるペプチドの
中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているペプチ
ド、配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿
入されているペプチド、配列番号1で示されるペプチド
の中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列
に、直接又は介在物を介して、アミノ酸若しくは他のペ
プチドが結合したペプチド等が挙げられる。
【0014】置換又は挿入されるアミノ酸の個数が多い
場合(例えば5個以上)、また、結合する他のペプチド
に含まれるアミノ酸の個数が多すぎる場合(例えば1,
000個以上)、ムチンとしての抗原性が低下しやすい
ので、この低下をできるだけ小さくするためには、配列
番号1で示されるペプチドの中において置換又は挿入さ
れるアミノ酸は連続しているものであることが好まし
く、また、結合する他のペプチドは1,000個未満の
アミノ酸からなる配列であることが好ましい。置換され
るアミノ酸は類似の性質を有するものであることが好ま
しく、例えば、グリシンとアラニンの置換が挙げられ
る。結合するアミノ酸若しくは他のペプチドとしては、
例えば、アラニン、アラニン−アラニン−アラニン、β
−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。介在物としては、
前述したものが挙げられる。前記介在物、アミノ酸若し
くは他のペプチドは、前記配列番号1で示されるペプチ
ドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配
列のアミノ基末端側とカルボキシル基末端側のいずれに
結合してもよい。
【0015】ムチンペプチド類の製造法 本発明におけるムチンペプチド類を製造する方法として
は、例えば、化学合成法や遺伝子組換え法が挙げられ
る。化学合成法としては、例えば、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル(Fmoc)固相合成法があり、
市販のペプチド合成機を利用することができる。この方
法は、「アサートン・イーら、ソリッド・フェーズ・ペ
プチド・シンセシス・ア・プラクティカル・アプロー
チ、アイ・アール・エル・プレス、オックスフォード
(1989年)(Athrton E. et al., Solid phase peptide
synthesis a practical approach, IRL Press, Oxford
(1989))」に詳細に記載されている。
【0016】遺伝子組換え法としては、例えば、本発明
におけるムチンペプチド類をコードするDNAをベクタ
ーに挿入して組換えベクターを構築し、それを宿主に挿
入して形質転換体を作製し、その形質転換体から目的の
ペプチドを精製する方法がある。本発明におけるムチン
ペプチド類をコードするDNAとしては、例えば、配列
番号1で示されたペプチドのアミノ酸配列をコードする
DNAが挙げられる。ベクターとしては、例えば、プラ
スミドやファージ等が挙げられる。宿主としては、例え
ば、大腸菌、枯草菌、酵母等が挙げられる。
【0017】抗ムチン抗体の測定法及び癌の測定法 抗ムチン抗体の測定法としては、例えば、検体とムチン
ペプチド類を接触させてムチンペプチド類−抗ムチン抗
体複合体を形成させ、該複合体を測定する方法を利用す
ることができる。検体とムチンペプチド類を接触させる
方法としては、例えば、検体とムチンペプチド類を混合
する方法を利用することができる。
【0018】ムチンペプチド類−抗ムチン抗体複合体
は、抗原抗体反応によって、ムチンペプチド類と検体中
の抗ムチン抗体が結合したものである。この複合体を測
定する方法としては、例えば、標識物で標識された抗体
を利用し、その標識を利用して検体中の抗ムチン抗体を
測定する方法(免疫測定法)、ムチンペプチド類−抗ム
チン抗体複合体の形成に基づいた試料の濁度や吸光度の
変化を測定する方法(凝集法)などを利用することがで
きる。免疫測定法としては、標識物が酵素である酵素免
疫測定法、標識物が放射性同位元素である放射免疫測定
法等を利用することができる。なお、本発明において、
「測定」は、定量的な測定だけでなく、「検出」等の定
性的な測定も含む。
【0019】酵素免疫測定法を利用して抗ムチン抗体を
測定する方法としては、例えば、前記ムチンペプチド類
を担体に固定し、この担体に検体を添加し、洗浄し、酵
素標識化2次抗体を添加し、洗浄し、基質を添加し、前
記酵素と基質を反応させ、その反応による発光、発色等
を測定する方法を利用することができる。担体として
は、例えば、マイクロタイタープレートやラテックス粒
子等が使用できる。ムチンペプチド類を担体に固定する
方法としては、例えば、ビオチンとアビジン(又はスト
レプトアビジン)を利用する結合方法等が挙げられる。
ビオチンとアビジン(又はストレプトアビジン)を使用
するペプチド等の固定化方法の一般的手法は、例えば、
「石川栄治著、超高感度酵素免疫測定法、学会出版セン
ター、1993年」に記載されている。
【0020】検体としては、例えば、被検者の血清等が
利用できる。洗浄に用いる洗浄液としては、例えば、界
面活性剤を含むリン酸緩衝液が利用できる。リン酸緩衝
液としては、例えば、ダルベッコPBS(−)を使用す
ることができる。酵素標識化2次抗体としては、例え
ば、ヤギ抗ヒト免疫グロブリン抗体等が使用でき、この
ような抗体は、例えば、ピアス(PIERCE)社等から購入
することができる。基質としては、例えば、酵素がパー
オキシダーゼである場合は、3,3′,5,5′−テト
ラメチルベンジジン(シグマ社製、商品名:TMB)を
使用することができる。
【0021】癌を測定する方法としては、例えば、血清
として、健常人の血清と被検者の血清を使用し、前述し
たように抗ムチン抗体を測定し、結果を比較する方法を
利用することができる。健常人の血清には、抗ムチン抗
体が多く含まれる。従って、健常人の血清を用いた場
合、抗ムチン抗体の力価(抗体価)は高くなる傾向にあ
る。ところが、癌患者の血清に含まれる、抗ムチン抗体
は、健常人の血清の場合と比較して少ない。従って、癌
患者の血清を用いた場合、抗ムチン抗体の力価(抗体
価)は低くなる傾向にある。従って、被検者の血清を使
用して求めた抗ムチン抗体の抗体価が、健常人の血清を
使用して求めた抗ムチン抗体の抗体価と比べて低い場
合、被検者が癌である可能性があると診断することがで
きる。なお、健常人の個体の生理学的な格差を是正する
ため、使用する健常人の数をできるだけ多くし、健常人
における抗ムチン抗体の抗体価の範囲を定めておくこと
が好ましい。また、実際に癌であるか否かを診断するに
際しては、公知の他の癌診断法と併用し、その結果も考
慮した上で診断することが好ましい。
【0022】癌診断薬 本発明の癌診断薬は、前記ムチンペプチド類を有効成分
とするものであり、例えば、前記ムチンペプチド類が固
定化された担体等が挙げられ、また、該担体のほかに前
記酵素標識化2次抗体、前記基質、防腐剤、安定化剤、
増感剤等が同封されたキットなども挙げられる。本発明
の癌診断薬は、例えば、卵巣癌、乳癌、大腸癌、胃癌、
肺癌等の診断に利用できる。また、本発明の癌診断薬
は、手術後の癌転移の有無を調べるためのマーカーとし
ても利用できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 ムチンペプチド類の合成 ムチンに対するマウスのモノクローナル抗体が認識する
エピトープのアミノ酸配列が配列番号4で示されるペプ
チドのアミノ酸配列であることから、このアミノ酸配列
を含むムチンペプチド類のアミノ酸配列として、まず、
配列番号2で示されるペプチドのアミノ酸配列を設計し
た。さらに、このアミノ酸配列が3個繰り返され、か
つ、アミノ基末端側にスペーサーとしてアラニン−アラ
ニン−アラニンからなるアミノ酸配列が存在するムチン
ペプチド類のアミノ酸配列として、配列番号3で示され
るペプチドのアミノ酸配列を設計した。9−フルオレニ
ルメチルオキシカルボニル(Fmoc)固相合成法に従
い、ミリポア9050プラス・ペプシンセサイザー(Mi
llipore 9050 plus pepsynthesizer)(ミリポア(Mill
ipore)社商品名)を用い、次のようにして、配列番号
3で示されるペプチドのアミノ酸配列を有するムチンペ
プチド類(但し、アミノ基末端側はビオチン化されてい
る)を合成した。
【0024】1.0gの9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル−グリシン−ポリエチレングリコール−ポリ
スチレン(Fmoc−Gly−PEG−PS)(支持体
置換率:0.2ミリエクイバレント(miliequivalent)
/g)を出発物質とし、各Fmocアミノ酸をFmoc
−Gly−PEG−PSの4倍モル添加して反応させ
た。ペプチド合成時のカルボキシル基末端の活性化は、
ジイソプロピルカルボニルジイミダゾール(DIPCD
I)とヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の混
合物を用いて行った。得られたムチンペプチド類に、予
め1gのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ
た0.1gのビオチンを添加し、得られたムチンペプチ
ド類のアミノ基末端側をビオチン化した。
【0025】実施例2 抗ムチン抗体の抗体価の測定 (1)ムチンペプチド類の固定化 アジ化ソーダ0.02%(w/v)を含むダルベッコP
BS(−)に、ストレプトアビジン(シグマ社製)4μ
g/mlを溶解し、得られた溶液を、マイクロタイター
プレート(ヌンク社製)に、ウエル(プレート中に設け
られた試料を注ぐためのくぼみ)あたり75μlずつ分
注し、4℃で一昼夜静置した。ダルベッコPBS(−)
としてはダルベッコPBS(−)「ニッスイ」(日水製
薬(株)製商品名)を使用した。
【0026】静置後、ウエル中の溶液を吸引除去し、ウ
エルあたり200μlのダルベッコPBS(−)を用い
てウエルを洗浄し、この洗浄操作をさらに2回行った。
次に、ウシ血清アルブミン1%(w/v)及びアジ化ナ
トリウム0.02%(w/v)を含むPBS(−)を、
ウエルあたり300μlずつ分注し、37℃で30分間
静置した。ウエル中の溶液を吸引除去後、Tween2
0 0.005%(v/v)を含むダルベッコPBS
(−)をウエルあたり250μl用いてウエルを洗浄し
(以下、この操作をPBS(−)T洗浄操作と略す)、
このPBS(−)T洗浄操作をさらに1度行った。そし
て、ウシ血清アルブミン1%(w/v)、アジ化ソーダ
0.02%(w/v)及び実施例1で合成されたムチン
ペプチド類2.5mg/mlを含むダルベッコPBS
(−)を、ウエルあたり100μlずつ分注し、室温で
一昼夜静置し、ウエル中の溶液を吸引除去後、PBS
(−)T洗浄操作を3回行った。
【0027】(2)血清(抗ムチン抗体(1次抗体)含
有)の添加 ウシ血清アルブミン1%(w/v)及びアジ化ソーダ
0.02%(w/v)を含むダルベッコPBS(−)を
用い、健常人又は卵巣癌患者の血清を500倍に希釈し
た。希釈された血清を、ウエルあたり100μlずつ分
注し、4℃で一昼夜静置し、PBS(−)T洗浄操作を
7回行った。
【0028】(3)酵素標識化2次抗体の添加及び発色
反応 パーオキシデース標識ヤギ抗ヒトイムノグロブリン抗体
(PIERCE社製)をウシ血清アルブミン1%(w/v)を
含むダルベッコPBS(−)で1000倍に希釈し、こ
れをウエルあたり100μlずつ分注し、室温で2時間
静置した。その後、ウエル中の溶液を吸引除去し、PB
S(−)T洗浄操作を7回行った。その後、蒸留水をウ
エルあたり100μlを分注しし、吸引除去した。TM
B(シグマ社製、商品名)1錠、ジメチルスルホキシド
1ml、過酸化水素水2μlを0.2Mリン酸クエン酸緩
衝液(pH5.0)9mlに溶解した溶液を調製し、これ
をウエルあたり200μlを分注し、室温で10分間静
置し、発色反応させた。そして、2M硫酸をウエルあた
り100μlずつ加え、発色反応を停止させ、ウエル中
の溶液の450nmの吸光度を測定し、抗体価とした。
【0029】(4)測定結果 健常人10例及び卵巣癌患者32名の血清を使用して得
られた抗体価を、それぞれ、表1、表2、表3及び表4
に示す。健常人の抗体価の平均±標準偏差は、0.31
5±0.053であった。これに対し、卵巣癌患者の抗
体価の平均±標準偏差は、0.200±0.053であ
り、卵巣癌患者の抗体価が健常人の抗体価に比較して有
意に低かった。このことから、抗ムチン抗体の抗体価を
測定することにより、卵巣癌の診断ができることが明ら
かになった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の抗ムチン抗体の測定法
は、癌の測定に有用である。請求項2、3、4及び5記
載の癌の測定法は、被検者が癌であるか否かの診断に有
効である。請求項6、7及び8記載の癌診断薬は、被検
者が癌であるか否かの診断に有効である。
【0035】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:467 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Met Thr Pro Gly Thr Gln Ser Pro Phe Phe Leu Leu Leu Leu Leu Thr 1 5 10 15 Val Ler Thr Val Val Thr Gly Ser Gly His Ala Ser Ser Thr Pro Gly 20 25 30 Gly Glu Lys Glu Thr Ser Ala Thr Gln Arg Ser Val Pro Ser Ser Thr 35 40 45 Glu Lys Asn Ala Val Ser Met Thr Ser Ser Val Leu Ser Ser His Ser 50 55 60 Pro Gly Ser Gly Ser Ser Thr Thr Gln Gly Gln Asp Val Thr Leu Ala 65 70 75 80 Pro Ala Thr Glu Pro Ala Ser Gly Ser Ala Ala Thr Trp Gly Gln Asp 85 90 95 Val Thr Ser Val Val Thr Arg Pro Ala Leu Gly Ser Thr Thr Pro Pro 100 105 110 Ala His Asp Val Thr Ser Ala Pro Asp Asn Lys Pro Ala Pro Gly Ser 115 120 125 Thr Ala Pro Pro Ala His Gly Val Thr Ser Ala Pro Asp Thr Arg Pro 130 135 140 Ala Pro Gly Ser Thr Ala Pro Pro Ala His Gly Val Thr Ala Pro Asp 145 150 155 160 Asn Arg Thr Ala Leu Gly Ser Thr Ala Pro Pro Val His Asn Val Thr 165 170 175 Ser Ala Ser Gly Ser Ala Ser Gly Ser Ala Ser Thr Leu Val His Asn 180 185 190 Gly Thr Ser Ala Arg Ala Thr Thr Thr Pro Ala Ser Lys Ser Thr Pro 195 200 205 Phe Ser Thr Pro Ser His Ser Asp Thr Pro Thr Thr Leu Ala Ser His 210 215 220 Ser Thr Lys Thr Asp Ala Ser Ser Thr His His Ser Thr Val Pro Pro 225 230 235 240 Leu Thr Ser Ser Asn His Ser Thr Ser Pro Gln Leu Ser Thr Gly Val 245 250 255 Ser Phe Phe Phe Leu Ser Phe His Ile Ser Asn Leu Gln Phe Asn Ser 260 265 270 Leu Glu Asp Pro Ser Thr Asp Trp Tyr Gln Glu Leu Gln Arg Asp Ile 275 280 285 Ser Glu Met Phe Leu Gln Ilu Tyr Lys Gln Gly Gly Phe Leu Gly Leu 290 295 300 Ser Asn Ile Lys Phe Arg Pro Gly Ser Val Val Val Gln Leu Thr Leu 305 310 315 320 Ala Phe Arg Glu Gly Thr Ile Asn His Asp Val Glu Thr Gln Phe Asn 325 330 335 Gln Tyr Lys Thr Glu Ala Ala Ser Thr Tyr Asn Leu Thr Ile Ser Asp 340 345 350 Val Ser Val Ser Asp Val Pro Phe Pro Phe Ser Ala Gln Ser Gly Ala 355 360 365 Gly Val Pro Gly Trp Gly Ile Ala Leu Leu Val Leu Val Cys Val Leu 370 375 380 Val Leu Ala Ile Val Tyr Leu Ile Ala Leu Ala Val Cys Gln Cys Arg 385 390 395 400 Arg Lys Asn Tyr Gly Gln Leu Asp Ile Phe Pro Ala Arg Asp Thr Tyr 405 410 415 His Pro Met Ser Glu Tyr Pro Thr Tyr His Thr His Gly Arg Tyr Val 420 425 430 Pro Pro Ser Ser Thr Asp Arg Ser Pro Tyr Lys Val Ser Ala Gly Asn 435 440 445 Gly Gly Ser Ser Leu Ser Tyr Thr Asn Pro Ala Val Ala Ala Thr Ser 450 455 460 Ala Asn Leu 465 467
【0036】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Val Thr Ser Ala Pro Asp Thr Arg Pro Ala Pro Gly Ser Thr Ala Pro 1 5 10 15 Pro Ala His Gly20
【0037】配列番号:3 配列の長さ:63 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Ala Val Thr Ser Ala Pro Asp Thr Arg Pro Ala Pro Gly Ser 1 5 10 15 Thr Ala Pro Pro Ala His Gly Val Thr Ser Ala Pro Asp Thr Arg Pro 20 25 30 Ala Pro Gly Ser Thr Ala Pro Pro Ala His Gly Val Thr Ser Ala Pro 35 40 45 Asp Thr Arg Pro Ala Pro Gly Ser Thr Ala Pro Pro Ala His Gly 50 55 60 63
【0038】配列番号:4 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 義喜 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社医薬品研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体とムチンペプチド類を接触させてム
    チンペプチド類−抗ムチン抗体複合体を形成させ、該複
    合体を測定することを特徴とする、抗ムチン抗体の測定
    法。
  2. 【請求項2】 検体中に存在する抗ムチン抗体を測定す
    ることを特徴とする、癌の測定法。
  3. 【請求項3】 検体とムチンペプチド類を接触させてム
    チンペプチド類−抗ムチン抗体複合体を形成させ、該複
    合体を測定する工程を含む、請求項2記載の癌の測定
    法。
  4. 【請求項4】 ムチンペプチド類が、配列番号1で示さ
    れるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸
    からなる配列を含むペプチドである、請求項3記載の癌
    の測定法。
  5. 【請求項5】 ムチンペプチド類が、配列番号1〜4の
    いずれかで示されるペプチドである、請求項3又は4に
    記載の癌の測定法。
  6. 【請求項6】 ムチンペプチド類を有効成分とする、癌
    診断薬。
  7. 【請求項7】 ムチンペプチド類が、配列番号1で示さ
    れるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸
    からなる配列を含むペプチドである、請求項6記載の癌
    診断薬。
  8. 【請求項8】 ムチンペプチド類が、配列番号1〜4の
    いずれかで示されるペプチドである、請求項6又は7に
    記載の癌診断薬。
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