JPH09201346A - 高周波コイル及びそれを用いた磁気共鳴検査装置 - Google Patents

高周波コイル及びそれを用いた磁気共鳴検査装置

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JPH09201346A
JPH09201346A JP8012426A JP1242696A JPH09201346A JP H09201346 A JPH09201346 A JP H09201346A JP 8012426 A JP8012426 A JP 8012426A JP 1242696 A JP1242696 A JP 1242696A JP H09201346 A JPH09201346 A JP H09201346A
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昌弘 赤津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨床上必要な撮影部位のみに高周波磁場を印
加でき、又は受信できるRFコイルを提供する。 【解決手段】 複数のキャパシタ8〜10でそれぞれ分
割された3つのリング状導体部分1〜3が線状の導体4
〜7で結合されているRFコイルであって、このリング
2及び線状導体にダイオード11〜14、15〜18を
直列に接続し、これへの給電を制御することによって、
受信用および/または照射用RFコイルとして使用する
部分を選択できる。このため、不要部位への高周波磁場
印加による被検体の発熱、被検体又は操作者の火傷、感
電等の危険をなくすことができる。また、コイルの使用
部分の選択は操作パネルにより確認しながら行なうこと
ができ、照射部分かつ/または受信部分の確認はモニタ
により確認しながら行なうことができるため、操作性も
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴を用い
た検査装置の高周波コイルに係わり、特に被験者の特定
部位の断層像やスペクトルを得るのに好適な磁気共鳴検
査装置(以下、MRI装置という)の高周波コイルに関
する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、静磁場中に置かれた被検
体に高周波磁場を照射し、これによって被検体の組織を
構成する原子の原子核スピンから発生する核磁気共鳴信
号(以下、NMR信号という)を検出し画像化するもの
である。このためMRI装置では、被検体に高周波磁場
を照射する高周波コイル(以下、RFコイルという)及
び高周波信号であるNMR信号を検出するRFコイルを
備えている。MRI装置には、照射用と受信用とで別々
のRFコイルを備えたもの(クロスコイル方式)や、1
つのRFコイルで照射用と受信用と兼ねたもの(シング
ルコイル方式)とがあり、これらの方式によって、また
適用される部位によって様々な形状のコイルが使用され
る。
【0003】例えば、照射用RFコイルとして、被検体
に照射する高周波磁場を均一にするため、サドル型(鞍
型)コイルやバードケージ形コイルといった全身用コイ
ルで照射し、その一方、NMR信号受信時には受信感度
を上げるため小型のコイル、例えば局所用のサーフェス
コイル等で受信する方式を採用している(特開昭61−
95234等)。またバードケージ形の全身用コイルを
照射用と受信用で兼ねる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような全身用コイ
ルを照射用として用いた場合、被検体の励起は撮影に不
必要な部位にまでおよぶので、SAR(Specific Absor
ption Ratio:比吸収率)等の人体の発熱の問題が生じ
る可能性がある。特に近年高速画像法が広く採用される
ようになるにつれ、RFコイルへの印加電力も大電力化
しており、過大なパワーによる被検者や操作者の火傷や
感電の危険性を防止する必要性が生じている。
【0005】ところで従来から受信専用のサーフェスコ
イルとしてダイオードを切り換えることにより、撮影視
野を変えて撮影する手法が知られているが、全身用コイ
ルについてはこのような例は知られていない。更に照射
時と受信時とで、照射領域と受信領域とを切り換えて撮
影するものも例がない。そのため、不必要に広い領域を
励起したり、受信時の長手方向の視野が狭い等の問題が
生じていた。特にシングルコイル方式の場合には長手方
向の視野が狭くなり、高周波磁場分布が不均一になるな
どの問題を生じていた。
【0006】また、頭部や大腿等のMRアンギオグラフ
ィ(以下「アンギオ」という。)の時には、全身用コイ
ルによって全身を励起した場合には、撮影視野外の心臓
から流入する血液による不要な信号が混入したりして画
質の劣化を招いていた。
【0007】そこで、本発明のRFコイルは、臨床上必
要な撮影部位のみを励起することができ、不必要な高周
波磁場を被検体に印加することを防止して被検体を発熱
させる問題を解消し、かつ不必要なパワーの照射コイル
への印加を防止して火傷、感電等の危険性を防止するこ
とを目的とする。また、全身用コイルにおいて、同一の
RFコイルを照射用及び受信用の両方に使用しても、高
感度に撮影することをも目的とする。更に、アンギオ撮
影の場合には、不要な励起を避けて心臓からの血流ノイ
ズを低減させて、良好な画像を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のRFコイルは、
均一な静磁界を印加する静磁場発生手段と、位置によっ
て強度の異なる傾斜磁界を発生する傾斜磁場発生手段と
共に用い、被検体に核磁気共鳴現象を起こさせるため高
周波磁場を被検体に照射し、かつ/又は照射によって被
検体に生じる核磁気共鳴信号を検出する高周波コイルで
あって、所定の周波数で共振する複数の共振器を構成す
る複数の導体と複数のキャパシタンスとを含み、複数の
導体の少なくとも一部に接続し、複数の共振器のいずれ
かを選択的に作動とし他の共振器を非作動にする複数の
スイッチ手段を備えたものである。
【0009】高周波コイルを適用する部位に応じて、ま
た高周波コイルを照射・受信のいずれかに用いるかに応
じて、適当なスイッチ手段を駆動し、所望の共振器を作
動状態とすることができる。これにより不要な励起を防
止し、装置の安全性を高めると共に、特にアンギオ撮影
の際の不要な信号の混入を防止することができる。
【0010】本発明のRFコイルは、3つ以上のリング
状導体と、各リング状導体を結合する複数の線状導体
と、リング状導体及び/又は線状導体を分割するキャパ
シタンスとを備えたRFコイルに適用され、複数の、好
適には3つ以上のリング状導体のうち任意の2つのリン
グ状導体又はその一部とそれら2つのリング状導体又は
その一部を接続する線状導体とで構成される共振器が作
動状態となるように、リング状導体及び/又は線状導体
の一部を共振器から電気的に切り離す複数のスイッチ手
段を備えたものである。ここで、リング状導体とは、円
形に限らず、楕円形、四角形等のループを構成する導体
であればよい。
【0011】作動状態となる共振器は、任意の2つのリ
ング状導体とそれらリング状導体とを結合する複数の線
状導体とで構成することができ、更にリング状導体がキ
ャパシタンスで分割される場合にはその一部を使用し、
それらリング状導体の各一部とそれらを結合する線状導
体とで構成することもできる。このようなリング状導体
の各一部とそれらを結合する線状導体とで構成されるコ
イルとしては、例えばサーフェス型のRFコイルがあ
る。
【0012】このようなRFコイルの構成は、複数のス
イッチ手段の所定のものをオン・オフ制御することによ
り決定することができる。スイッチ手段としては、制御
のしやすさ等の点から、好適にはダイオードが採用され
るが、これに限定されることなく、公知のスイッチ手
段、例えばリレーや同軸スイッチを採用することができ
る。ダイオードは、リング状導体及び/又は線状導体に
直列に接続し、そのオン・オフにより直接導体を接続・
非接続にするスイッチ手段として用いることもできる
が、またキャパシタンスとコンダクタンスとの共振回路
と組合せて用いることも可能である。
【0013】リング状導体及び/又は線状導体に直列に
接続されたダイオードの場合、ダイオードがオンであれ
ば導体は接続したものとして作用し、オフであれば導体
は切断したものとして作用する。
【0014】一方、ダイオードを共振回路と組合せて用
いる場合には、直列に接続したコンダクタンスとダイオ
ードとを導体に直列に接続されたキャパシタンスに対し
並列に接続する。ここでコンダクタンスとキャパシタン
スとは、ダイオードがオンの場合に共振器の周波数で並
列共振する共振回路を形成し、高インピーダンスとな
り、結果としてこのような共振回路が導入された導体を
非接続(オープンの状態)にする。またダイオードに逆
バイアスをかけてオフにした場合には、インダクタンス
を接続しないのと等価となり、導体はキャパシタンスで
接続された状態となる。
【0015】スイッチ手段として、ダイオードを用いる
場合には、ダイオードに給電するダイオード駆動手段が
設けられる。ダイオード駆動手段は、各ダイオード毎に
設けても、またリング状導体に直列に複数のダイオード
を接続する場合には、リング状導体の1ヵ所から各ダイ
オードに給電することも可能である。
【0016】また本発明において好適にはダイオード
は、複数のダイオードを組合せて用いる。例えば2つの
ダイオードの各アノードを接続した1組として用い、こ
の場合にダイオード駆動手段は、2つのダイオードの接
続点に正電圧を給電し、各カソード側に負電圧を給電す
るものとする。本発明のRFコイルを照射コイルとして
使用する場合には、照射時、オフ状態にしているダイオ
ードに比較的大きな電圧が印加されるので、このような
電圧によってダイオードがオンしないように逆電圧を印
加することが必要となる。この場合数百ボルトの逆電圧
を印加しなければならない場合も生じ得る。そこで上記
のように2つのダイオードを互いに順方向向きに接続
し、接続点に負電圧を印加し、カソード側に正電圧を印
加することにより、比較的小さな給電電圧で、照射時の
高電圧に対してもダイオードがオンしないようにするこ
とができる。
【0017】ダイオードに給電するダイオード駆動手段
は計算器などの制御器からの制御線に接続され、撮影条
件や撮影手順に合わせて順方向又は逆方向にダイオード
に給電する。また、照射時用と受信時用とで異なる制御
線を設けて、撮影手順に合わせて異なる時間タイミング
で給電することもできる。
【0018】このようにダイオードを制御することによ
り、複数の共振器を構成する各導体部分を、選択的に接
続或いは切断状態とすることができ、これにより任意の
共振器を作動状態とすることができる。例えば、RFコ
イルが複数のリング状導体を含む場合には、任意の2つ
のリング状導体とそれを接続する線状導体で構成される
コイルを作動状態とすることができる。2つのリング状
導体の組合せを変えることにより、コイル構成を変更す
ることができる。従って、本発明のRFコイルが照射コ
イルである場合には、照射領域を可変にでき、また受信
コイルである場合には感度分布を可変にできる。またキ
ャパシタンスによって分割されたリング状導体の各部分
がそれぞれダイオードを接続する場合には、一部のダイ
オードに逆方向の給電をすることにより、2つのリング
状導体の一部とそれらを結合する線状導体とで構成され
るコイルを作動状態とすることができる。
【0019】このように本発明のRFコイルは、リング
状導体を分割するキャパシタンスとリング状導体かつ/
又は線状導体に接続されたダイオードとの組み合せで、
サーフェスコイル、全身用コイル等の様々な形状、全身
型コイルにおいて長いもの短いもの様々な体積の共振器
を実現することができる。また、このようなRFコイル
は、照射用としても受信用としても用いることができ、
被検体の検査部位に合わせて、また、照射目的か受信目
的かによって自在に形状、体積等が選択できる。これに
より不要な高磁場照射を避けることができるとともに、
撮影感度をも上げることができる。
【0020】更に本発明のRFコイルは、作動状態の共
振器が所望の周波数に同調を取るための手段を備えてい
る。このような手段としては、リング状導体と複数の線
状導体とリング状導体及び/又は線状導体を分割するキ
ャパシタンスが、スイッチ手段のオン・オフにより作動
する共振器を所望の共振周波数に同調をとるようなキャ
パシタンスとインダクタンスとの組合せを構成するもの
であるか、或いはキャパシタンスに、例えば可変キャパ
シタンス等の同調を取る手段を備えるもととすることが
できる。
【0021】本発明のRFコイルは、コイル自体に給電
するための給電手段を有し、好適には給電手段を複数有
するものである。これら複数の給電手段は、本発明のR
Fコイルのコイル構成が変更されることに対応して、そ
れぞれの構成コイルについての給電手段となる。
【0022】本発明のRFコイルは、コイルの機能が阻
害されない限り任意に変形させることができ、変形の1
態様としてリング状導体の少なくとも1つは、被検体の
形状に対応して変形された形状を有するものである。例
えばリング状導体の形状を一部変形させることによっ
て、アンギオ撮影に適した形状のRFコイルを得ること
もできる。
【0023】更に本発明のRFコイルは、高周波信号照
射及び受信兼ねたRFコイルであって、照射時と受信時
とでコイル構成が異なるものである。この場合、例えば
受信時には照射時よりも狭い領域のコイル構成とし、感
度を上げることができる。
【0024】本発明のMRI装置は、上述したようなR
Fコイルを備えたものであり、このRFコイルととも
に、被検体に均一な静磁界を印加する磁場発生手段と、
位置によって強度の異なる傾斜磁界を発生する磁場発生
手段とを備えている。このMRI装置では、照射領域を
変更でき、また受信の場合の感度分布を変更できるRF
コイルを備えているので、被検体に対する不必要な高周
波磁場の印加を防止でき、関心領域を高感度に撮影する
ことができる。
【0025】本発明のMRI装置は、好適にはRFコイ
ルに備えられたダイオードの各々を独立して給電制御す
る制御手段を備え、更に好適にはRFコイルのリング状
導体、線状導体及びこれら導体に接続されたダイオード
のオン・オフ状態を表示し、任意のダイオードをオン又
はオフするために選択可能な操作パネルを備えている。
操作パネルは、例えば構成するコイルの形状を被検体の
撮影画像に重ねて表示する。操作者は、この操作パネル
の表示に基づき、必要な領域をRF照射するために、或
いは必要な領域から感度よくNMR信号を検出するため
にダイオードのオン・オフ制御を行うことができる。こ
のため、選択操作は操作性がよく、確実である。
【0026】更に好適な本発明のMRI装置は、ダイオ
ードのオン又はオフにより定まるコイル構成を表示する
表示手段を備えている。表示手段は、操作パネルによる
操作後、どのダイオードがオンされた結果どの部分が照
射コイルになっているか、また、どの部分が受信コイル
になっているかについて画面に表示する。これにより、
操作者は現在作動中のコイル構成をモニタし、選択した
共振器の妥当性を最終的に判断することができ、操作性
よくオペレーションできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以上本発明のRFコイルの1実施
例を図1の模式的回路図を用いて説明する。このRFコ
イルは等間隔で配置された3つのリング状導体(以下、
リングという。)1〜3と、これらのリングを結合する
4本の線状導体(以下、ラングという。)4〜7とを備
えている。
【0028】リング1、3はそれぞれラング4〜7との
各接続点間の導体部分に適当に調整されたキャパシタン
ス8、10が挿入され、これにより4つに分割されてい
る。
【0029】リング2では、ラング4〜7との各接続点
間にそれぞれ2つのキャパシタンス9が挿入され、合計
8つのキャパシタンスにより8つに分割されている。そ
して、接続点間にある2つのキャパシタンスの間の導体
部分にはスイッチ手段であるダイオード11〜14が直
列に接続されている。各ダイオード11〜14は図2
(a)に示すようにインダクタンスを介してそれぞれ給
電するための給電回路(ダイオード駆動手段)71に接
続される。尚、図2(a)においてダイオードは70
で、その両側のキャパシタンスは410で示されてお
り、図1のダイオード11〜14とキャパシンタンス9
にそれぞれ対応する。このような給電回路71のインダ
クタンスは、所定の共振周波数に対して高インピーダン
スとなるようにダイオード11〜14に付加される。リ
ング2では、ダイオードの両側にそれぞれキャパシタン
ス410が位置することにより、バイアス電流が流れな
いようにして、直流をカットしている。
【0030】ラング4〜7は、それぞれリング2とリン
グ3との間に位置する導体部分にダイオード15〜18
が直列に接続されており、これらダイオード15〜18
もダイオード11〜17と同様にインダクタンスを介し
て給電回路に接続されている。
【0031】以上のように構成される図1のRFコイル
は、リング2に接続されたダイオード11〜14及びリ
ング2とリング3との間のラング4〜7に接続されたダ
イオード15〜18をオン・オフ制御することにより、
リング1、リング3及びこれらリング1、3を接続する
ラング4〜7で構成される長い共振器、リング1、リン
グ2及びこれらリング1、2を接続するラング4〜7で
構成される短い共振器、更にリング1、3の一部とラン
グで構成されるサドル型のサーフェスコイルを構成する
ことができる。
【0032】RFコイルは、このようにコイル構成が変
化する(作動状態となる共振器が異なる)場合、いずれ
の共振器においても所望の共振周波数で同調が取れるこ
とが必要である。このため、各キャパシタンス8〜10
の容量を適宜選択しておくか、或いはキャパシタンス8
〜10の一部を可変キャパシタンスとするか、別途可変
キャパシタンスを接続し、コイル構成の変化に応じて同
調をとることが望ましい。
【0033】次にこのようなRFコイルに給電するため
の給電手段について説明する。RFコイルへの給電は一
般に導体に設けた給電点にキャパシタンスを介して給電
するする方法と、他のコイルを導体に近接して給電する
インダクティブ結合による方法とがあるが、本発明のR
Fコイルでは前述したようにダイオードの駆動によりコ
イル構成を変更することができるので、これら複数のコ
イル構成に対応して給電手段を複数設けることが好まし
い。容量結合の場合には、リング1〜3またはその近傍
のラングに容量結合による給電点を設けることで各々の
共振器に給電することが可能である。この場合、各給電
手段をスイッチ若しくはリレーなどで切り換えてRFコ
イルに給電することも可能であり、これにより共振器を
構成するリングにのみ給電することができ、不要なリン
グには給電しないですむ。またインダクティブ結合の場
合には、コイル構成に応じて作動状態であるリングの近
傍に給電手段である他のコイルを近接すればよい。イン
ダクティブ結合はRFコイルに直接給電点を接続しなく
てよい点で容量結合による給電よりも扱いやすい。
【0034】またいずれの場合にも3つのリングの円周
方向に対して90度の位置でそれぞれ給電することによ
り、RFコイルをQD化することができる。
【0035】尚、図示する実施例では、スイッチ手段と
して単一のダイオードを導体に直列に接続した場合(図
2(a))を説明したが、導体を分割するキャパシタン
スと並列にインダクタンスとダイオードの直列回路を接
続してもよい。このような実施例を図2(b)に示す。
ここで給電回路71は高いインピーダンスをもつインダ
クタで構成され、順バイアスによりダイオード70をオ
ンにする。この場合、インダクタンス72を適当に選ぶ
ことで、ダイオード70がオンのときにキャパシタンス
420とインダクタンス72とは所望の周波数で並列共
振を起こし、キャパシタンス420の両端で高インピー
ダンスとすることができる。結果として、このような回
路が挿入される導体ループを実質的に開状態にする。ま
た、給電回路71よりダイオード70に逆バイアスをか
け、オフにすることにより、インダクタンス72が接続
されていないのと等価となり、この回路が挿入される導
体ループを閉状態にする。従って、スイッチ手段として
図2(b)に示す構成をとる場合には、図2(a)の場
合とは逆にダイオードをオン(図2(b)に示す状態)
にすることにより、導体ループを開状態とし、ダイオー
ドをオフにすることにより導体ループを閉状態とするこ
とになる。
【0036】またRFコイルを照射コイルとして用いる
場合、照射時には、数百ボルト程度の比較的大きな電圧
が印加されることがあり、ダイオードの構成として単一
のダイオードを用いた場合には(図2(a)及び
(b))、逆電圧を印加してオフとなっているダイオー
ドもオンしてしまう可能性がある。これを防止するため
には、ダイオードに印加する逆バイアス電圧を数百ボル
トとする必要があるが、これは給電回路構成を困難に
し、安全性の観点からも好ましくない。従って、ダイオ
ードの構成として図2(c)及び(d)に示すように、
2つのダイオード70、70をアノード同士を接続し、
その接続点と各カソード側の合せて3ヵ所に給電点を設
けることが好ましい。このような構成では、ダイオード
をオンにする場合には図示するように接続点に正電圧を
印加し、両端に負電圧を印加する。一方、ダイオードを
オフにする場合には、接続点に負電圧を印加し、両端に
正電圧を印加する。これにより照射時の大きな逆電圧に
対してもダイオードがオンすることを防止できる。尚、
図2(c)及び(d)では、2つのダイオードを示した
が、これらダイオードと給電点との間に更に同方向の複
数のダイオードを加えることも可能である。これにより
逆電圧に対しさらに強くすることができる。
【0037】次に、以上のように構成されるRFコイル
のMRI装置における適用について説明する。本発明の
RFコイルは、MRI装置の照射・受信兼用コイルとし
ても、また照射専用コイル或いは受信専用コイルとして
も使用することができ、以下、図1のRFコイルを全身
用の照射コイルとして用いる場合について説明する。
【0038】まず撮影領域に応じて構成する共振器を選
択する。広い領域で照射する場合には、長い共振器を用
いるのが適しているので、この場合は、リング2に接続
されたダイオード11〜14を給電手段71(図2
(a))によりそれぞれ逆方向に給電してオフにすると
共に、ラング4〜7に接続されたダイオード15〜18
を給電手段によりそれぞれ順方向に給電してオンする。
これによって図3(a)に太線で示すようにリング1と
リング3とにより構成された長い共振器を照射コイルと
して使用できる。一方、狭い領域の撮影のみを行う場合
には、短い共振器を用いるのが適しているので、このよ
うな場合は、リング2に接続されたダイオード11〜1
4をそれぞれ順方向に給電してオンにすると共に、ラン
グ4〜7に接続されたダイオード15〜18をそれぞれ
逆方向に給電してオフにする。これによって、図3
(b)に太線で示すようなリング1とリング2とにより
構成された短い共振器を照射コイルとして使用できる。
尚、ここでは説明を簡単にするためにダイオード11〜
18として単一のダイオードを用いた場合(図2
(a))を説明しているが、照射コイルとしての適用で
あるのでダイオードの構成は図2(c)又は(d)にし
ておくことが望ましい。
【0039】作動状態となる共振器がいずれの場合に
も、核磁気共鳴周波数と同調をとるようにキャパシタン
スを調整する。また給電点が複数ある場合には、作動状
態とする共振器に対応する給電点から給電する。
【0040】このように本発明のRFコイルを照射コイ
ルとして用いた場合には、励起する領域の広さに応じ
て、リング1とリング2とにより構成された短い照射コ
イル或いはリング1とリング3により構成された長い照
射コイルとすることができ、例えば受信コイルとして頭
部コイル、頸部コイル、膝コイル若しくは局所サーフェ
スコイル等を用いて狭い領域の撮影をする場合、その該
当する部分のみを励起することができ、余分なRF照射
を防止できる。又は特定領域のみを励起することにより
アンギオのインフロー撮影で心臓等からの血流ノイズを
防止し、画質を向上させることができる。また狭い領域
で励起したときに励起される空間は広い領域で励起した
ときに励起される空間の1/2であるので、照射パワー
は1/4となる。
【0041】尚、本発明のRFコイルは、全身用の照射
コイルのみならず、局所用の照射コイルとしても適用す
ることができる。
【0042】次に、図1のRFコイルを受信コイルに適
用する場合について説明する。
【0043】この場合には、照射用に設置された他のR
Fコイルとのカップリングを避けるために、照射時に
は、本実施例のRFコイルの全てのダイオード11〜1
8にインダクタンスを介してそれぞれ逆方向に給電し、
検出方向のループをオープンにしてデカップリングを行
い、照射磁界を乱さないようにする。次いで受信時に
は、関心領域の広さに応じて適宜所定のダイオードをオ
ン、他のダイオードをオフとして受信する。狭い領域の
撮影の場合には、リング1、2を用いた短い共振器を構
成し、広い領域の撮影の場合にはリング1、3を用いた
長い共振器を構成することは、前述の照射コイルの場合
と同様である。
【0044】以上、照射コイルと受信コイルとについて
それぞれ説明したが、照射・受信兼用コイルであって
も、同様に適用することができる。
【0045】一般に共振器のフィリングファクタηは、
共振器の体積に反比例するので、図1に示すRFコイル
では共振器の長さによりフィリングファクタηが変化
し、短い共振器ではフィリングファクタηが向上する。
またRFコイルの感度Sはフィリングファクタηに比例
する。従って、本実施例では短い共振器の体積は長い共
振器の体積の半分であるので、感度Sは2倍となる。な
お、この式の中Qの記号は共振器のQ値を示す。
【0046】
【数1】 同様にして、共振器の体積が1/2、1/3となれば、
感度は2倍、3倍となる。また、電圧Vと感度Sとは比
例するので、下式のように表すことができる照射パワー
Pは1/4に低減される。
【0047】P=V2/R 従って、短い共振器では長い共振器より感度がよく、な
おかつ照射パワーも少なくて済む。
【0048】また例えば大腿部を素画像で撮影し関心領
域が狭かった場合には、次のように長い共振器を用いて
広い領域を照射し、次いで短い共振器を用いて狭い領域
を照射してもよい。この場合には、照射時にリング2に
接続されたダイオード11〜14をオン、ラング4〜7
に接続されたダイオード15〜18をオフとし、受信時
には、逆にダイオード11〜14をオフ、ダイオード1
5〜18をオンとするようにダイオードのオン・オフを
制御する。
【0049】このようにして、素画像撮影時に広い領域
で撮影した場合でも、診断用の画像を撮影するときには
被検体をセッティングしたまま狭い領域で撮影すること
もできる。このように狭い領域で撮影できるためフィリ
ングファクタが向上し、本実施例では原理的には、狭い
領域で撮影した場合には広い領域で撮影した場合の2倍
の感度で撮影できる。
【0050】次に図1のRFコイルをサーフェスコイル
として使用する場合について説明する。図1のRFコイ
ルをサーフェスコイルとするためには、例えば、リング
2に接続されたダイオード11をオンし、リング2に接
続された他のダイオード12〜14及びラング4〜7に
接続されたダイオード15〜18をオフする。これによ
り図3(c)に太線で示すように、リング1とリング2
との間のラング4及びラング7と、ダイオード11を含
むリング1及びリング2の分割部分とでサドル型のサー
フェスコイルを構成することができる。
【0051】この場合構成されるサーフェスコイルは図
1において下側に当たり、撮影領域が下側にある場合な
どでは、患者を寝かせたまま高感度で撮影できる。サー
フェスコイルとしては、このように下側を照射・受信す
るものばかりでなく、リング2に接続されたダイオード
13をオンし、他のダイオード11、12及び14〜1
8をオフすることで、同様にして上側のサーフェスコイ
ルを構成することができる。また、リング2に接続され
たダイオード12又は14をオンし、他の全てのダイオ
ードをオフすることで、同様にして側部のサーフェスコ
イルを構成することができる。更に、リング2とリング
3との間のラングに接続されたダイオードのうち、必要
な部分をオンすることにより、ラング長の長いサーフェ
スコイルを構成することも可能である。
【0052】このようなサーフェスコイルも全身用コイ
ルの場合と同様、照射・受信に兼用することも、照射専
用に使用することも、受信専用に使用することもでき
る。また、照射・受信時共にサーフェスコイルとして用
いるばかりでなく、照射時には前述したような全身用コ
イルとして使用し、受信時には前述のサーフェスコイル
として使用することも可能である。尚、受信専用コイル
として用いる場合には全身用コイルで述べたように、他
の照射コイルで照射するときには、全てのダイオード1
1〜18にインダクタンス19〜26を介してそれぞれ
逆方向に給電し、検出方向のループをオープンにしてデ
カップリングを行い、照射磁界を乱さないようにする必
要がある。
【0053】このように本発明のRFコイルは、リング
状導体を分割するキャパシタンスとリング状導体かつ/
又は線状導体に接続されたダイオードとの組み合せで、
サーフェスコイル、全身用コイル等の様々な形状、全身
用コイルにおいて長いもの短いもの様々な体積の共振器
を実現することができる。
【0054】尚、図示はしないが、リング1にリング2
と同様のダイオードを設けた場合或いはリング1、2間
のラング4〜7にリング2、3間と同様にダイオードを
設けた場合には、これらダイオードをオフとすることに
より、リング1を切り離し、リング2、リング3及びこ
れらリング2、3を接続するラング4〜7で構成される
短い共振器をRFコイルとして作動することができる。
【0055】また、図示する実施例では3つのリングで
構成されるRFコイルを説明したが、リングは4以上で
あってもよい。またこの実施例では、リング1〜3にキ
ャパシタンス8〜10をそれぞれ接続しているが、これ
らのキャパシタンスを接続する代わりにダイオードを接
続してもよく、さらに各リング及び各ラングにそれぞれ
ダイオードを接続してもよい。特にサーフェスコイルと
して使用する場合や、リングが4以上ある場合には他の
リングにも直列にダイオードが入っていた方がよい。
【0056】図4はこのようなRFコイルの別の実施例
を示すもので、このRFコイルも、リング及び各リング
を結合するラングを備える点、各リングはキャパシタン
スで4つに分割されている点、リングに接続されたダイ
オードのバイアス給電手段としてインダクタンスを用い
ている点、ダイオードの両端にはバイアス電流が流れな
いようキャパシタンスにて直流を切っている点等につい
ては先の図1のRFコイルと同様である。このRFコイ
ルが先の図1の例と大きく異なる点は、RFコイルを構
成する全てのリングにダイオードを直列に接続し、ラン
グにはダイオードを接続していない点である。また、本
実施例では、リングの数は4つである。
【0057】具体的には、ダイオードで分割されたリン
グ27〜30、これらのリングを結合するラング201
〜204、リング27に直列に接続されたダイオード4
7〜50、リング28に直列に接続されたダイオード5
1〜54、リング29に直列に接続されたダイオード5
5〜58、リング30に直列に接続されたダイオード5
9〜62、ダイオード47〜50のそれぞれ両端に配置
されリング27に直列に接続された8つのキャパシタン
ス210、ダイオード51〜54のそれぞれ両端に配置
されリング28に直列に接続された8つのキャパシタン
ス220、ダイオード55〜58のそれぞれ両端に配置
されリング29に直列に接続された8つのキャパシタン
ス230、ダイオード59〜62のそれぞれ両端に配置
されリング30に直列に接続された8つのキャパシタン
ス240、各ダイオード47〜62にそれぞれ給電する
インダクタンス(図示せず)を備えている。また、各イ
ンダクタンスはそれぞれ制御器に接続され、独立して給
電することができる。
【0058】尚、図示する実施例では、図1と同様に単
一のダイオードが導体に直列に接続した例を示したが、
スイッチ手段であるダイオードの構成は図1の実施例と
同様に図2(a)〜(d)に示す構成のいずれとしても
よく、特にこのRFコイルを照射コイルとして用いる場
合には、照射時の印加電圧によりオフのダイオードがオ
ンするのを防止するために、図2(c)〜(d)に示す
ように複数のダイオードを組合せることが好ましい。
【0059】図4に示すRFコイルも図1のRFコイル
と同様にダイオードのオン・オフの選択によるリングの
組合わせ方によって、長さ、位置の異なる様々な共振器
を構成することができ、しかも図1のRFコイルよりリ
ングの数が多く、各リングにダイオードが接続されてい
るので、多様なコイル構成が可能となる。即ち、全身用
コイルの場合、2つのリングの組合せ(リング27及び
29、リング27及び28、リング28及び30と、リ
ング28及び29、或いはリング29及び30)とそれ
らを結合するラングからなる6通りの共振器を作ること
ができる。例えば、リング27及び29により構成され
る共振器は、リング27に直列に接続されたダイオード
47〜50と、リング30に直列に接続されたダイオー
ド59〜62とをオンにし、リング28に直列に接続さ
れたダイオード51〜54と、リング29に直列に接続
されたダイオード55〜58とをオフにすることにより
得ることができる。その他の共振器についても同様で、
共振器を構成したいリングに接続されたダイオードをオ
ンにし、それ以外のリングに接続されたダイオードをオ
フにすればよい。
【0060】また任意の2つのリングの一部を用いてサ
ドル型のサーフェスコイルを構成することも可能であ
る。例えば、ダイオード47及び51をオンし、それ以
外のダイオードをオフすることにより、リング27と2
8のそれぞれ一部とラング201、202とによって構
成される下側のサーフェスコイルが得られる。
【0061】前述の6通りの共振器を構成する場合やサ
ーフェスコイルを構成する場合、各共振器の共振周波数
は、キャパシタンス210、220、230、240を
使用する共振器に応じて適当な容量で組合せるか、或い
はこれらキャパシタンスを可変キャパシタンスとして所
望の共振周波数に同調とることが可能である。
【0062】このような全身用コイル或いはサーフェス
コイルは図1のRFコイルの場合と同様、照射・受信に
兼用することも、照射専用に使用することも、受信専用
に使用することもできる。
【0063】このRFコイルへの給電方法も前述と同様
であり、例えば、各リング27〜30の近傍にインダク
ティブ結合による給電手段を設けることで、構成された
各々の共振器に給電することが可能である。また、複数
の給電手段を設けて、それらをスイッチ若しくはリレー
などで切り換えてRFコイルに給電することで、共振器
を構成するリングにのみ給電することができ、不要なリ
ングには給電しないですむ。
【0064】以上説明した実施例では、ダイオードへの
給電方法として個々のダイオードに給電回路を介して給
電する方法を採用しているが、複数のダイオードがリン
グに挿入されている場合には、リングの1ヵ所からこれ
ら複数のダイオードに給電することも可能である。その
ような実施例を図5に示す。
【0065】図5に示すRFコイルは、3つのリング6
3〜65と各リングを結合する4本のラング301〜3
04を備えている点は、図1のRFコイルと同様である
が、導体ループを閉或いは開にするためのスイッチ手段
であるダイオードは、ラングには接続されず、リング6
4と65に接続されている。即ち、リング63には4つ
のキャパシタンス310が接続され、図1のRFコイル
のリング1と同様の構成であるが、リング64には、円
周方向90°ずつに4つのダイオード325〜328が
直列に接続され、各ダイオード間にはキャパシタンスと
インダクタンスとからなる回路108が直列に接続され
ている。リング65もリング64と同様の構成で、4つ
のダイオード331〜334が直列に接続され、各ダイ
オードとダイオードとの間の導体部分にはキャパシタン
スとインダクタンスとからなる回路108が直列に接続
されている。また、各ラング301〜304にはリング
63と64との間にキャパシタンス311〜314が、
リング64と65との間にキャパシタンス321〜32
4が接続されている。
【0066】更に各リング64、65には、それぞれダ
イオードへの給電のためのインダクタンス66、67及
び大きな容量のキャパシタンス68、69が接続されて
おり、リングに接続されたダイオードへの給電を各リン
グそれぞれ1ヶ所としている。この実施例では、リング
を構成する導体に直列にキャパシタンスとインダクタン
スとからなる回路108を高インピーダンスとして接続
しているので、1ヵ所の給電点からバイアス電流を流す
ことにより、そのリングを開状態とすることができるの
で、ダイオードへの給電方式を簡素化できる。
【0067】次に、本発明のRFコイルの別の実施例と
して、一部のリングを変形した非対称な形状のRFコイ
ルを図6を用いて説明する。このRFコイルは頭部用コ
イルに応用した例であり、被検体の肩部が障害とならな
いような形状となっている。このような形状とすること
により、頭部コイルにおいて臨床上要求される胸椎の2
〜3番目までの撮影を可能とする。
【0068】このRFコイルは、4つのリング73〜7
6と、リングを結合する4つのラング501〜504と
を備えており、リング73及び74の構成は図4のRF
コイルにおけるリング27、28と全く同様であるの
で、説明を省略する。
【0069】リング75及びリング76は図中両側方が
開放となるように一部を共有しており、両リングの上
側、下側は被検体の軸方向に沿って延びるように湾曲変
形し、リング75はリング76より延びが少ない。これ
により、このようなRFコイルの頭部にリング73及び
74の部分を装着した場合に、リング75及び76の共
有部分が人体の肩部に位置し、各湾曲部分が頭椎部及び
胸部上に位置するように配置される。これにより被検体
の肩部を避けて頭椎部及び胸部上を撮影できるようにな
っている。
【0070】このようなリング75、76の共有部分及
び各湾曲部分の導体にも、ダイオード99〜104及び
これらダイオードの両端にキャパシタンス530、54
0が接続されており、これらダイオードには給電手段で
あるインダクタンスが接続されている点は前述と同様で
ある。
【0071】このように構成された本発明のRFコイル
は、リング76の被検体の軸方向に沿って延びた先端の
位置が、心臓を含まない程度の胸部の上側を含む位置で
ある場合アンギオのインフロー撮影に適している。即
ち、アンギオ時には大きな照射用コイルで照射すると心
臓も照射してしまい、心臓から血流ノイズにより画質を
劣化させる原因となるが、上述した形状を有するRFコ
イルでは心臓を照射することなく、必要な領域のみを照
射できるからである。一方、送受信兼用の小さな共振器
で撮影した場合には視野が狭くなり、また、コイルを大
きくするとフィリングファクタが低下して感度が下がっ
てしまうといった従来の問題点もこのようなRFコイル
によって、広い範囲で照射し、感度向上のために小さな
共振器で狭い範囲で受信することにより解決することが
できる。
【0072】例えば、照射時にはリング73に接続され
たダイオード91〜94と、リング76に接続されたダ
イオード103及び104とを順バイアスによってオン
させ、リング74に接続されたダイオード95〜98
と、リング75に接続されたダイオード99、100、
101及び102とを、逆バイアスによりオフさせる。
このように給電することによりリング73とリング76
とで構成される広い範囲を照射できる照射用コイルを得
ることができる。但し、この場合でも従来の全身用コイ
ルとは異なり、撮影に必要な領域だけを効率よく励起す
ることができる。
【0073】次に受信時にはリング73に接続されたダ
イオード91〜94と、リング76に接続されたダイオ
ード100、103、102及び104とを逆バイアス
によりオフさせ、リング74に接続されたダイオード9
5〜98と、リング75に接続されたダイオード99及
び101とを順バイアスによってオンさせる。これによ
りリング74とリング75とで構成される狭い範囲で受
信する感度のよい受信用コイルを得ることができる。
【0074】尚、図6のRFコイルも前述した他の本発
明のRFコイルと同様、照射・受信兼用のみならず、照
射専用にすることも、受信専用にすることもできる。ま
た、リングの組合わせは、前述したものに限られず、様
々な組合わせ方が許容される。即ち、撮影の目的に応じ
て、サイズ、形状を考慮して構成したいコイルを選択
し、それに応じて、ダイオードのオン・オフを制御すれ
ばよい。またダイオードへの給電方法も、インダクタン
スを介する方法の他、リング毎に給電する方法等変更で
きる。
【0075】次に、本発明のMRI装置について説明す
る。本発明のMRI装置は被検体の置かれる空間に均一
な静磁場を発生する静磁場発生手段と、位置によって強
度の異なる傾斜磁界を発生する傾斜磁場発生手段と、R
Fコイルと、これら傾斜磁場発生手段及びRFコイルの
各駆動手段を所定のシーケンスに従って制御するととも
に、RFコイルで受信されたNMR信号に基づき被検体
特定部位の断層像やスペクトルを演算する計算機とを備
える点は、従来のMRI装置と同様であるが、RFコイ
ルとして上述したRFコイルを備え、さらにこのRFコ
イルに設けられたダイオードを駆動するための制御手段
を備えている。
【0076】ダイオードの制御手段は、計算器などの制
御器から成り、その制御線はダイオード駆動手段に接続
され、撮影条件や撮影手順に合わせて順方向又は逆方向
にダイオードに給電するようにダイオード駆動手段を制
御する。この制御の方法は、既にRFコイルの使用例と
して説明した通りである。制御手段はダイオードのオン
・オフの選択を可能にする操作パネルを備える。
【0077】操作パネルは、MRI装置の操作パネルが
兼ねることができ、更に図7に示すように、本発明のR
Fコイル全体の形状601〜603を表示するととも
に、画面上に被検体の計測部位610を重ねて表示する
表示部を有している。操作者は、このような操作パネル
600の表示部を見ながら作動状態(オン)にする共振
器、非作動状態(オフ)にする共振器を選択し、操作卓
(図示せず)からダイオード駆動手段であるインダクタ
ンス等への給電を制御することができる。RFコイルの
形状は、例えば、共振器がオンになっている部位602
は実線で表示し、オフになっている部位601、603
は点線で表示することができ、このようにして、操作者
は共振器のオン・オフを確認しながら選択することがで
きる。
【0078】尚、表示方法は共振器のオン・オフを識別
できれば、例えばオンオフにより色彩を変える等どのよ
うなものであってもよい。このRFコイルの共振器オン
・オフ選択操作は、RFコイルが照射・受信兼用の場合
には照射用、受信用それぞれ独立して行なうことができ
ることが好ましい。
【0079】また、操作パネルは図6で示すような模式
図を用いるものでなく、対話画面形式により名称などを
入力して選択するものであってもよい。
【0080】また本発明のMRI装置は、このようなダ
イオードの選択操作によって構成されたRFコイルを表
示するための表示手段を備えていることが好ましい。表
示手段700は、RFコイル構成を表示するための独立
したモニタであってもよいが、好適にはMRI装置の撮
像を表示するモニタを兼ねていることが好ましく、撮像
画面の子画面として構成することができる。図7にこの
ような表示手段700の一例を示す。
【0081】この表示手段700は、撮像画面中央に被
検体710を表示し、画面左上及び左下に、それぞれ照
射時のコイル形状及び受信時のコイル形状を表示する子
画面が設けられている。ここでは照射コイルと受信コイ
ルが異なる形状に表示されているが、同一のものを用い
てもよい。この表示手段においても照射時に照射コイル
として選択した部分701を実線で示し、照射コイルと
して選択しなかった部分702及び703を点線で示し
ている。同様に、受信時に受信コイルとして選択した部
分705を実線で示し、受信コイルとして選択しなかっ
た部分704及び706を点線で示している。操作者
は、このような表示手段700の表示によって被検体7
10、照射コイル及び受信コイルを同時に認識すること
ができ、図7に示す操作パネル600により別々に行な
った共振器のオン・オフの選択操作をチェックすること
ができる。
【0082】この表示は、RFコイルが照射受信兼用の
場合にも、いずれか一方に用いる場合も適用できるが、
本発明のRFコイルが照射専用或いは受信専用の場合に
は、画面左側の2つの子画面のうちいずれか一方であっ
てもよい。また、表示方法はこの例に限るものではな
く、被検体、照射コイルの選択状態及び/又は受信コイ
ルの選択状態が同時に確認できるようなものであればど
のようなものであってもよい。
【0083】
【発明の効果】本発明のRFコイルによれば、複数の共
振器を構成する複数の導体とキャパシンタンスを含むR
Fコイルの導体部分に、複数の共振器のいずれかを選択
的に作動とし他の共振器を非作動にする複数のスイッチ
手段を設けることにより、スイッチ手段の切り替えによ
り、1つのRFコイルであっても、臨床上必要な撮影部
位のみを励起する照射コイルとし、また関心領域のみを
検出する受信コイルとすることができる。これによりコ
イルの照射パワーの低減及びフィリングファクタの向上
を図ることができる。これにより不必要な高周波磁場を
被検体に印加することを防止して被検体を発熱させる問
題を低減できる。また、照射コイルへの不必要なパワー
を印加することを防止して火傷、感電等の危険性をなく
すことができる。また受信コイルとした場合には、狭い
領域を選択的に使用することにより感度を向上すること
ができる。
【0084】特に本発明のRFコイルは、3つ以上のリ
ング状導体とこれらを結合する線状導体とこれら導体を
分割するキャパシタンスとで構成されたRFコイルの導
体に複数のスイッチ手段を接続することにより、作動す
る共振器の選択の自由度の大きい、実用性のあるRFコ
イルを構成することができる。
【0085】また本発明のRFコイルは、照射コイルと
しても受信コイルとしても用いることができ、更にスイ
ッチ手段の切り替えの仕方によって全身用コイルとして
もサーフェスコイルとしても動作させることができ、撮
影領域に対応させて使用するコイル構成を変更すること
ができる。例えば全身用コイルに適用した場合、照射用
及び受信用のいずれの場合でも、照射時と受信時とでは
共振器の長さを異なるものとすることができるため、受
信時には、撮影部位の大きさに対応して短い共振器を構
成できる。これにより高感度な撮影をすることができ
る。
【0086】また、頭部や頸部や大腿部などのアンギオ
のインフロー撮影の場合には、クロス方式においても心
臓を照射しないで撮影することができるため、心臓から
の血液の信号による画質劣化を防止できる。
【0087】また本発明のMRI装置によれば、上述し
たようなRFコイルを備えたことにより、被検体へのR
F照射を最小限にして高画質の画像を得ることができ
る。また作動させる共振器の選択を撮影画像に重ねた操
作パネルの表示を見ながら行なうことができ、操作性が
よい。また、診断上撮影する必要のある領域と照射コイ
ルかつ/又は受信コイルとして動作する部位とがモニタ
ー上に表示されるので、容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のRFコイルの1実施例の模式的回路
図。
【図2】 (a)〜(d)は、それぞれ本発明のRFコ
イルにおけるダイオードへの給電方式を示す図。
【図3】 (a)〜(c)図1のRFコイルの異なるコ
イル構成を示す図。
【図4】 本発明のRFコイルの他の実施例の模式的回
路図。
【図5】 本発明のRFコイルの他の実施例の模式的回
路図。
【図6】 本発明の非対称な形状のRFコイルの模式的
回路図。
【図7】 本発明のMRI装置におけるRFコイルの共
振器選択のための操作パネルの表示例を示す図。
【図8】 本発明のMRI装置における表示手段の表示
例を示す図。
【符号の説明】
1〜3・・・・・・リング状導体(リング) 4〜7・・・・・・線状導体(ラング) 8〜10・・・・・・キャパシタンス 11〜18・・・・・・ダイオード 19〜26・・・・・・ダイオード駆動手段(インダクタン
ス) 600・・・・・・操作パネル 700・・・・・・表示手段

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】均一な静磁界を印加する静磁場発生手段
    と、位置によって強度の異なる傾斜磁界を発生する傾斜
    磁場発生手段と共に用い、被検体に核磁気共鳴現象を起
    こさせるため高周波磁場を前記被検体に照射し、かつ/
    又は照射によって前記被検体に生じる核磁気共鳴信号を
    検出する高周波コイルであって、 所定の周波数で共振する複数の共振器を構成する複数の
    導体と複数のキャパシタンスとを含み、前記複数の導体
    の少なくとも一部に接続し、前記複数の共振器のいずれ
    かを選択的に作動とし他の共振器を非作動にする複数の
    スイッチ手段を備えたことを特徴とする高周波コイル。
  2. 【請求項2】均一な静磁界を印加する静磁場発生手段
    と、位置によって強度の異なる傾斜磁界を発生する傾斜
    磁場発生手段と共に用い、被検体に核磁気共鳴現象を起
    こさせるため高周波磁場を前記被検体に照射し、かつ/
    又は照射によって前記被検体に生じる核磁気共鳴信号を
    検出する高周波コイルであって、 複数のリング状導体と、前記各リング状導体を結合する
    複数の線状導体と、リング状導体及び/又は線状導体を
    分割するキャパシタンスとを備え、 前記複数のリング状導体のうち任意の2つのリング状導
    体又はその一部とそれら2つのリング状導体又はその一
    部を接続する線状導体とで構成される共振器が作動状態
    となるように、リング状導体及び/又は線状導体の一部
    を前記共振器から電気的に切り離すスイッチ手段を備え
    たことを特徴とする高周波コイル。
  3. 【請求項3】前記スイッチ手段は、前記リング状導体及
    び/又は前記線状導体に直列に接続するダイオードと、
    前記ダイオードに給電するダイオード駆動手段とから成
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の高周波コイ
    ル。
  4. 【請求項4】前記スイッチ手段は、前記キャパシタンス
    と並列に接続するインダクタンスと、該インダクタンス
    に直列に接続するダイオードと、前記ダイオードに給電
    するダイオード駆動手段とから成り、前記並列に接続す
    るキャパシタンス及び前記インダクタンスは、前記ダイ
    オードのオン時に前記共振器と同じ共振周波数で共振す
    る共振回路を構成することを特徴とする請求項1又は2
    記載の高周波コイル。
  5. 【請求項5】前記ダイオードは、各アノードが接続され
    た1組のダイオードから成り、前記ダイオード駆動手段
    は、前記1組のダイオードの接続部に正電圧を給電し、
    各カソード側に負電圧を給電することを特徴とする請求
    項3又は4記載の高周波コイル。
  6. 【請求項6】前記キャパシタンスは、前記複数の共振器
    の1つが作動状態になるとき、該共振器を所望の周波数
    に同調を取る手段を備えたことを特徴とする請求項1又
    は2記載の高周波コイル。
  7. 【請求項7】高周波コイルに給電するための給電手段を
    複数有することを特徴とする請求項1又は2記載の高周
    波コイル。
  8. 【請求項8】前記リング状導体の少なくとも1つは、前
    記被検体の形状に対応して変形された形状を有すること
    を特徴とする請求項2記載の高周波コイル。
  9. 【請求項9】高周波信号の照射及び受信を行う高周波コ
    イルであって、照射時の共振器構成と受信時の共振器構
    成とが異なることを特徴とする請求項1又は2記載の高
    周波コイル。
  10. 【請求項10】被検体に均一な静磁界を印加する静磁場
    発生手段と、位置によって強度の異なる傾斜磁界を発生
    する傾斜磁場発生手段と、請求項1ないし9いずれか1
    項記載の高周波コイルとを備えた磁気共鳴検査装置。
  11. 【請求項11】前記高周波コイルに備えられたスイッチ
    手段の各々を独立して給電制御する制御手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項10記載の磁気共鳴検査装置。
  12. 【請求項12】前記高周波コイルのリング状導体、線状
    導体及びこれら導体に接続されたダイオードのオン・オ
    フ状態を表示し、任意のダイオードをオン又はオフする
    ための選択手段を備えたことを特徴とする請求項10又
    は11記載の磁気共鳴検査装置。
  13. 【請求項13】前記ダイオードのオン又はオフにより定
    まるコイル構成を表示する表示手段を備えたことを特徴
    とする請求項10ないし12何れか1項記載の磁気共鳴
    検査装置。
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