JPH0920565A - 無機粉末成形体の脱脂方法 - Google Patents
無機粉末成形体の脱脂方法Info
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- JPH0920565A JPH0920565A JP7192610A JP19261095A JPH0920565A JP H0920565 A JPH0920565 A JP H0920565A JP 7192610 A JP7192610 A JP 7192610A JP 19261095 A JP19261095 A JP 19261095A JP H0920565 A JPH0920565 A JP H0920565A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 無機粉末と有機バインダーからなる成形体の
脱脂工程において、最適な雰囲気の条件を示し、効率的
な脱脂方法を提供する。 【構成】 無機粉末と有機バインダーとの混合材料を成
形してなる無機粉末成形体を加熱することにより有機バ
インダーを除去する脱脂工程において、炉内雰囲気によ
る炉内圧力を、少なくとも脱脂率が30%に至るまでは
炉内温度における有機バインダーの蒸気圧より高い圧力
に保持し、次いで炉内圧力をこの蒸気圧以下の圧力にし
て脱脂することを特徴とする無機粉末成形体の脱脂方
法。
脱脂工程において、最適な雰囲気の条件を示し、効率的
な脱脂方法を提供する。 【構成】 無機粉末と有機バインダーとの混合材料を成
形してなる無機粉末成形体を加熱することにより有機バ
インダーを除去する脱脂工程において、炉内雰囲気によ
る炉内圧力を、少なくとも脱脂率が30%に至るまでは
炉内温度における有機バインダーの蒸気圧より高い圧力
に保持し、次いで炉内圧力をこの蒸気圧以下の圧力にし
て脱脂することを特徴とする無機粉末成形体の脱脂方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機バインダーを
用いた無機粉末の成形法における、無機粉末成形体の脱
脂方法に関する。
用いた無機粉末の成形法における、無機粉末成形体の脱
脂方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機粉末を用いて成形品を製造する場
合、無機粉末と有機バインダーを混練して得られた混練
物を成形し、得られた成形体を脱バインダー後、焼結す
ることが一般に行われている。ここで、無機粉末粒子を
一定の形状に成形するために、無機粉末に対して多量の
有機バインダーが混入されるため、焼成用成形体(以下
「成形体」という)から有機バインダーを除去する工程
が必要となる(以下、有機バインダーを除去することを
「脱脂」という)。
合、無機粉末と有機バインダーを混練して得られた混練
物を成形し、得られた成形体を脱バインダー後、焼結す
ることが一般に行われている。ここで、無機粉末粒子を
一定の形状に成形するために、無機粉末に対して多量の
有機バインダーが混入されるため、焼成用成形体(以下
「成形体」という)から有機バインダーを除去する工程
が必要となる(以下、有機バインダーを除去することを
「脱脂」という)。
【0003】脱脂は、成形体を加熱して、内部の有機バ
インダーを気化させ、あるいは熱分解させることにより
行われるが、このとき、昇温速度が大きいと、成形体内
部の有機バインダーの気化あるいは熱分解が急激に進
み、成形体内部に気泡が発生して成形体にクラックなど
が発生する。これを防止するために、従来では、昇温速
度を小さくし、有機バインダーを緩やかに除去していた
ため、脱脂工程に多大な時間がかかり、量産性を害する
要因となっている。
インダーを気化させ、あるいは熱分解させることにより
行われるが、このとき、昇温速度が大きいと、成形体内
部の有機バインダーの気化あるいは熱分解が急激に進
み、成形体内部に気泡が発生して成形体にクラックなど
が発生する。これを防止するために、従来では、昇温速
度を小さくし、有機バインダーを緩やかに除去していた
ため、脱脂工程に多大な時間がかかり、量産性を害する
要因となっている。
【0004】これを受けて、減圧下で脱脂することによ
り、成形体表面にしみ出た有機バインダーを揮発させる
ことにより有機バインダーを速やかに除去する方法(特
開昭59−39775号公報など)が提案されている。
しかし、減圧下においては、成形体表面にしみ出てきた
有機バインダーだけでなく、成形体内部の有機バインダ
ーも気化することから、減圧の度合によっては、むしろ
成形体の気泡・クラックの発生を誘発してしまうことが
ある。それにもかかわらず、気泡・クラックの発生を防
止するための、減圧の度合の好適な条件などは、何ら知
られていない。このため、気泡やクラックを生じさせず
に脱脂しようとするあまり、減圧の度合や昇温速度を必
要以上に小さくすることで、脱脂工程に多大な時間をか
けることとなり、効率のよい方法の開発が望まれてい
た。
り、成形体表面にしみ出た有機バインダーを揮発させる
ことにより有機バインダーを速やかに除去する方法(特
開昭59−39775号公報など)が提案されている。
しかし、減圧下においては、成形体表面にしみ出てきた
有機バインダーだけでなく、成形体内部の有機バインダ
ーも気化することから、減圧の度合によっては、むしろ
成形体の気泡・クラックの発生を誘発してしまうことが
ある。それにもかかわらず、気泡・クラックの発生を防
止するための、減圧の度合の好適な条件などは、何ら知
られていない。このため、気泡やクラックを生じさせず
に脱脂しようとするあまり、減圧の度合や昇温速度を必
要以上に小さくすることで、脱脂工程に多大な時間をか
けることとなり、効率のよい方法の開発が望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機粉末と
有機バインダーからなる成形体の脱脂工程において、最
適な雰囲気の条件を示し、効率的な脱脂方法を得ること
を目的とする。
有機バインダーからなる成形体の脱脂工程において、最
適な雰囲気の条件を示し、効率的な脱脂方法を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機粉末と有
機バインダーとの混合材料を成形してなる無機粉末成形
体を加熱することにより有機バインダーを除去する脱脂
工程において、炉内雰囲気による炉内圧力を、少なくと
も脱脂率が30%に至るまでは炉内温度における有機バ
インダーの蒸気圧より高い圧力に保持し、次いで炉内圧
力を蒸気圧以下の圧力にして脱脂することを特徴とする
無機粉末成形体の脱脂方法を提供するものである。
機バインダーとの混合材料を成形してなる無機粉末成形
体を加熱することにより有機バインダーを除去する脱脂
工程において、炉内雰囲気による炉内圧力を、少なくと
も脱脂率が30%に至るまでは炉内温度における有機バ
インダーの蒸気圧より高い圧力に保持し、次いで炉内圧
力を蒸気圧以下の圧力にして脱脂することを特徴とする
無機粉末成形体の脱脂方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の脱脂方法が適用できる成
形体は、無機粉末と有機バインダーの混合材料を成形し
た成形体である。本発明が適用される無機粉末として
は、セラミックス粉末、金属粉末などであり、例えばセ
ラミックス粉末としては、MgO、Al2 O3 、SiO
2 、TiO 2 、ZrO2 、ZnO、Fe2 O3 、Si
O、Si3 N4 、SiC、BN、TiC、WC、また金
属粉末としては、金属シリコン、Fe、Al、Mg、T
iなどが挙げられる。
形体は、無機粉末と有機バインダーの混合材料を成形し
た成形体である。本発明が適用される無機粉末として
は、セラミックス粉末、金属粉末などであり、例えばセ
ラミックス粉末としては、MgO、Al2 O3 、SiO
2 、TiO 2 、ZrO2 、ZnO、Fe2 O3 、Si
O、Si3 N4 、SiC、BN、TiC、WC、また金
属粉末としては、金属シリコン、Fe、Al、Mg、T
iなどが挙げられる。
【0008】本発明に用いられるセラミック粉末、金属
粉末の好ましい平均粒径は、0.1〜50μm、特に好
ましくは0.3〜30μmである。
粉末の好ましい平均粒径は、0.1〜50μm、特に好
ましくは0.3〜30μmである。
【0009】一方、これに混合する有機バインダーとし
ては、特に限定されず、無機粉末との関係などにより選
択することができ、例えばパラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、酸化ワックス、マレイン化ワ
ックス、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
ては、特に限定されず、無機粉末との関係などにより選
択することができ、例えばパラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、酸化ワックス、マレイン化ワ
ックス、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
【0010】無機粉末に対する有機バインダーの混合の
割合は、成形方法により異なるが、20〜70体積%が
好ましく、特に30〜60体積%が好ましい。成形体の
成形の方法としては、射出成形法、押し出し成形法など
を用いることができる。射出成形による場合、低圧射出
成形でも高圧射出成形であってもよい。
割合は、成形方法により異なるが、20〜70体積%が
好ましく、特に30〜60体積%が好ましい。成形体の
成形の方法としては、射出成形法、押し出し成形法など
を用いることができる。射出成形による場合、低圧射出
成形でも高圧射出成形であってもよい。
【0011】本発明は、上記成形体を脱脂するにあた
り、炉内雰囲気による炉内圧力を、少なくとも脱脂率が
30%に至るまでは、有機バインダーの蒸気圧より高い
圧力に保持したのち、炉内圧力をこの蒸気圧以下の圧力
に切り替える(以下、有機バインダーの蒸気圧より高い
圧力下で脱脂する工程を「第1工程」、有機バインダー
の蒸気圧以下の圧力下で脱脂する工程を「第2工程」と
もいう)。
り、炉内雰囲気による炉内圧力を、少なくとも脱脂率が
30%に至るまでは、有機バインダーの蒸気圧より高い
圧力に保持したのち、炉内圧力をこの蒸気圧以下の圧力
に切り替える(以下、有機バインダーの蒸気圧より高い
圧力下で脱脂する工程を「第1工程」、有機バインダー
の蒸気圧以下の圧力下で脱脂する工程を「第2工程」と
もいう)。
【0012】蒸気圧とは、当該物質の温度における、液
相と平衡状態にある蒸気相の圧力である。蒸気圧の測定
には、一般に、アイソテニスコープ法、沸点法などが用
いられる。アイソテニスコープ法は、試料温度を一定に
し、その温度における平衡蒸気圧を測定する方法であ
り、静止法の一種である。一方、沸点法は、種々の圧力
における沸点を測定することにより蒸気圧曲線を得る方
法である。また、これらの測定方法を併用したり、測定
結果をClapeyron−Clausiusの式に当
てはめて補外数値を求めるなどの手段を取ることは、正
確な蒸気圧を知るために有効である。
相と平衡状態にある蒸気相の圧力である。蒸気圧の測定
には、一般に、アイソテニスコープ法、沸点法などが用
いられる。アイソテニスコープ法は、試料温度を一定に
し、その温度における平衡蒸気圧を測定する方法であ
り、静止法の一種である。一方、沸点法は、種々の圧力
における沸点を測定することにより蒸気圧曲線を得る方
法である。また、これらの測定方法を併用したり、測定
結果をClapeyron−Clausiusの式に当
てはめて補外数値を求めるなどの手段を取ることは、正
確な蒸気圧を知るために有効である。
【0013】ここで、脱脂時の成形体の割れは、無機粉
末と有機バインダーの状態を図1の模式図に示したとお
り、無機粉末の粒子間を有機バインダーが満たしている
状態(a)にある脱脂前の成形体を脱脂するとき、充分
脱脂が進行しないうちに成形体内部の有機バインダーの
気化が盛んになると(b)、その気化した有機バインダ
ーが排出されないことによりに気泡が発生することが原
因である(c)。
末と有機バインダーの状態を図1の模式図に示したとお
り、無機粉末の粒子間を有機バインダーが満たしている
状態(a)にある脱脂前の成形体を脱脂するとき、充分
脱脂が進行しないうちに成形体内部の有機バインダーの
気化が盛んになると(b)、その気化した有機バインダ
ーが排出されないことによりに気泡が発生することが原
因である(c)。
【0014】一方、本発明は、図2の模式図に示したと
おり、有機バインダーが成形体内部から盛んに気化を始
める前に、あらかじめ有機バインダーを成形体の表面か
らのみ緩やかに気化させて(d)、脱脂率が30%以上
のポーラスな成形体(e)とすることにより有機バイン
ダーの排出通路を確保する第1工程と、成形体内部の有
機バインダーの気化を活発化し、第1工程で確保された
排出通路から、気化した有機バインダーを次々に排出し
て(f)、有機バインダーの除去を速やかに行い、目的
とする脱脂率に到達する(g)第2工程からなる脱脂方
法である。
おり、有機バインダーが成形体内部から盛んに気化を始
める前に、あらかじめ有機バインダーを成形体の表面か
らのみ緩やかに気化させて(d)、脱脂率が30%以上
のポーラスな成形体(e)とすることにより有機バイン
ダーの排出通路を確保する第1工程と、成形体内部の有
機バインダーの気化を活発化し、第1工程で確保された
排出通路から、気化した有機バインダーを次々に排出し
て(f)、有機バインダーの除去を速やかに行い、目的
とする脱脂率に到達する(g)第2工程からなる脱脂方
法である。
【0015】以下、各工程を詳細に説明する。第1工程
は、炉内圧力を、炉内温度における蒸気圧を超える圧力
に保持しながら行う脱脂工程である。炉内圧力は、有機
バインダーの蒸気圧を超える圧力であれば特に限定され
ず、無機粉末に対する有機バインダーの混合割合、有機
バインダーの組成、成形体の形状などを考慮して適宜選
択することができる。第1工程の炉内雰囲気としては、
チッ素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素などの不活性ガ
スが好ましいが、脱脂を大気中で行うこともできる。た
だし、大気中で行う場合には、蒸気圧を超える圧力であ
り、かつ大気圧よりも低い圧力にすることが好ましい。
は、炉内圧力を、炉内温度における蒸気圧を超える圧力
に保持しながら行う脱脂工程である。炉内圧力は、有機
バインダーの蒸気圧を超える圧力であれば特に限定され
ず、無機粉末に対する有機バインダーの混合割合、有機
バインダーの組成、成形体の形状などを考慮して適宜選
択することができる。第1工程の炉内雰囲気としては、
チッ素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素などの不活性ガ
スが好ましいが、脱脂を大気中で行うこともできる。た
だし、大気中で行う場合には、蒸気圧を超える圧力であ
り、かつ大気圧よりも低い圧力にすることが好ましい。
【0016】第1工程終了時の脱脂率は、30%以上で
あることが必要であり、30〜50%が好ましく、特に
30〜40%であることが好ましい。脱脂率が30%未
満では、成形体が充分にポーラスになっておらず、有機
バインダーの排出通路が充分に確保されていないため、
第2工程で、有機バインダーの蒸気圧以下の圧力下に置
くと、内部の有機バインダーが気化して成形体の割れを
引き起こす恐れがある。また、第1工程の脱脂を脱脂率
が50%を超えるまで行うと、多大な時間を要する場合
がある。ここで、脱脂率とは、脱脂前の成形体に含有さ
れる有機バインダーに対する、脱脂により除去された有
機バインダーの重量比として表される。
あることが必要であり、30〜50%が好ましく、特に
30〜40%であることが好ましい。脱脂率が30%未
満では、成形体が充分にポーラスになっておらず、有機
バインダーの排出通路が充分に確保されていないため、
第2工程で、有機バインダーの蒸気圧以下の圧力下に置
くと、内部の有機バインダーが気化して成形体の割れを
引き起こす恐れがある。また、第1工程の脱脂を脱脂率
が50%を超えるまで行うと、多大な時間を要する場合
がある。ここで、脱脂率とは、脱脂前の成形体に含有さ
れる有機バインダーに対する、脱脂により除去された有
機バインダーの重量比として表される。
【0017】成形体の脱脂率が30%以上に達した後
は、第2工程として、炉内圧力を、一転して、炉内温度
における有機バインダーの蒸気圧以下に保持する。ここ
で、成形体の脱脂率が30%以上に達する際の炉内温度
は、成形体の形状、炉内雰囲気、有機バインダー組成、
有機バインダー含有量、昇温速度などにより変化するこ
とから、これらのうち、いずれかが変われば、第2工程
で取り得る炉内圧力の範囲も変化する。
は、第2工程として、炉内圧力を、一転して、炉内温度
における有機バインダーの蒸気圧以下に保持する。ここ
で、成形体の脱脂率が30%以上に達する際の炉内温度
は、成形体の形状、炉内雰囲気、有機バインダー組成、
有機バインダー含有量、昇温速度などにより変化するこ
とから、これらのうち、いずれかが変われば、第2工程
で取り得る炉内圧力の範囲も変化する。
【0018】第2工程は、不活性ガス雰囲気または真空
中で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、第1工
程で用いることができるガスと同様のものを用いること
ができる。
中で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、第1工
程で用いることができるガスと同様のものを用いること
ができる。
【0019】有機バインダーが混合物である場合には、
混合物を構成する成分のうち、蒸気圧の最も高い成分を
基準とする。蒸気圧の最も高い成分を基準とすること
で、脱脂率が30%に至るまでの過程において、有機バ
インダーを構成するいずれの成分も沸点に達しないの
で、有機バインダーを成形体内部から急激に気化させる
ことなく、表面からのみ緩やかに気化させることができ
る。脱脂率が30%以上になったのちは、有機バインダ
ーを構成する成分のうちのいずれかが沸点に達するた
め、有機バインダーの排出通路が充分に確保された成形
体から、有機バインダーが次々に排出される。なお、最
も蒸気圧の低い成分の蒸気圧よりも低い蒸気圧にすれ
ば、混合物を構成する全ての成分が沸点に達するため、
有機バインダーの気化がさらに活発化する。
混合物を構成する成分のうち、蒸気圧の最も高い成分を
基準とする。蒸気圧の最も高い成分を基準とすること
で、脱脂率が30%に至るまでの過程において、有機バ
インダーを構成するいずれの成分も沸点に達しないの
で、有機バインダーを成形体内部から急激に気化させる
ことなく、表面からのみ緩やかに気化させることができ
る。脱脂率が30%以上になったのちは、有機バインダ
ーを構成する成分のうちのいずれかが沸点に達するた
め、有機バインダーの排出通路が充分に確保された成形
体から、有機バインダーが次々に排出される。なお、最
も蒸気圧の低い成分の蒸気圧よりも低い蒸気圧にすれ
ば、混合物を構成する全ての成分が沸点に達するため、
有機バインダーの気化がさらに活発化する。
【0020】本発明の方法は、蒸発による脱脂(以下
「一次脱脂」という)と燃焼による脱脂(以下「二次脱
脂」という)の2段階からなる脱脂工程では、一次脱脂
において適用される。この場合、一次脱脂による脱脂率
は、50〜90%であることが好ましい。一次脱脂によ
る脱脂率が、50%未満であると、二次脱脂中に成形体
の割れ、表面のひび割れが起こる恐れがあり、一方90
%を超えると、一次脱脂に要する時間が長くなり、生産
性が低下する。
「一次脱脂」という)と燃焼による脱脂(以下「二次脱
脂」という)の2段階からなる脱脂工程では、一次脱脂
において適用される。この場合、一次脱脂による脱脂率
は、50〜90%であることが好ましい。一次脱脂によ
る脱脂率が、50%未満であると、二次脱脂中に成形体
の割れ、表面のひび割れが起こる恐れがあり、一方90
%を超えると、一次脱脂に要する時間が長くなり、生産
性が低下する。
【0021】
【作用】炉内圧力をその成形体の温度における有機バイ
ンダーの蒸気圧を超える圧力に保持する第1工程によ
り、有機バインダーは成形体表面から緩やかに気化する
ため、成形体にクラックが発生することはない。
ンダーの蒸気圧を超える圧力に保持する第1工程によ
り、有機バインダーは成形体表面から緩やかに気化する
ため、成形体にクラックが発生することはない。
【0022】次いで、有機バインダーの脱脂率が30%
に達した後、その温度における有機バインダーの蒸気圧
以下にする第2工程により、成形体内部の有機バインダ
ーは盛んに気化し始める。このとき、第1工程で既に気
化した有機バインダーにより、成形体がポーラスになり
有機バインダーの排出通路が確保されているので、気化
した有機バインダーおよび有機バインダーの熱分解によ
り発生した気体は、外部に盛んに放出され、有機バイン
ダーの除去が速やかに行われる。
に達した後、その温度における有機バインダーの蒸気圧
以下にする第2工程により、成形体内部の有機バインダ
ーは盛んに気化し始める。このとき、第1工程で既に気
化した有機バインダーにより、成形体がポーラスになり
有機バインダーの排出通路が確保されているので、気化
した有機バインダーおよび有機バインダーの熱分解によ
り発生した気体は、外部に盛んに放出され、有機バイン
ダーの除去が速やかに行われる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1〜2 表1の無機粉末Xを、ボールミルを用いてエタノール中
で湿式粉砕し、乾燥した。この無機粉末Xおよび表1の
有機バインダーを90℃に加熱した双腕型加圧ニーダー
で混練し、体積比55:45の混練物を作製した。この
とき使用した有機バインダーを構成する成分について、
アイソテニスコープ法によって蒸気圧曲線を測定したと
ころ、蒸気圧の最も高い成分はステアリン酸であった。
次に、この混練物を用いて、6kg/cm2 の成形圧力
で低圧射出成形により、32×50×10mmの角板形
(実施例1)、φ50×τ20の円柱形(実施例2)の
成形体を作製した。この成形体を脱脂炉のモレキュラー
シーブの埋粉の中に設置し、炉内圧力を、ステアリン酸
の蒸気圧よりも高い1torrに保持しつつ、昇温速度
5℃/hrで加熱した。
で湿式粉砕し、乾燥した。この無機粉末Xおよび表1の
有機バインダーを90℃に加熱した双腕型加圧ニーダー
で混練し、体積比55:45の混練物を作製した。この
とき使用した有機バインダーを構成する成分について、
アイソテニスコープ法によって蒸気圧曲線を測定したと
ころ、蒸気圧の最も高い成分はステアリン酸であった。
次に、この混練物を用いて、6kg/cm2 の成形圧力
で低圧射出成形により、32×50×10mmの角板形
(実施例1)、φ50×τ20の円柱形(実施例2)の
成形体を作製した。この成形体を脱脂炉のモレキュラー
シーブの埋粉の中に設置し、炉内圧力を、ステアリン酸
の蒸気圧よりも高い1torrに保持しつつ、昇温速度
5℃/hrで加熱した。
【0024】各成形体の脱脂率とも30%となった時、
炉内圧力を炉内温度におけるステアリン酸の蒸気圧以下
の10-2torrに切り換えて、これを保持しつつ、さ
らに昇温速度5℃/hrで300℃まで加熱し、一次脱
脂を行った。その後、成形体を大気中にて昇温速度50
℃/hrで500℃になるまで加熱してそのまま1時間
保持し、二次脱脂を行った。二次脱脂後の脱脂率はほぼ
100%に達した。
炉内圧力を炉内温度におけるステアリン酸の蒸気圧以下
の10-2torrに切り換えて、これを保持しつつ、さ
らに昇温速度5℃/hrで300℃まで加熱し、一次脱
脂を行った。その後、成形体を大気中にて昇温速度50
℃/hrで500℃になるまで加熱してそのまま1時間
保持し、二次脱脂を行った。二次脱脂後の脱脂率はほぼ
100%に達した。
【0025】各成形体についての脱脂率の推移、および
設定した炉内圧力をステアリン酸の蒸気圧曲線ととも
に、図3〜4に示した。また、脱脂後成形体について、
内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、表2
に示す。
設定した炉内圧力をステアリン酸の蒸気圧曲線ととも
に、図3〜4に示した。また、脱脂後成形体について、
内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、表2
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】*1)宇部興産(株)製 *2)住友化学(株)製 *3)日本イットリウム(株)製 *4)日本精蝋社製 *5)試薬一級
【0028】実施例3 実施例1で使用した成形体と同様の成形体について、終
始、炉内圧力を、脱脂率30%のときの炉内温度135
℃におけるステアリン酸の蒸気圧である10-1.2tor
rに保持したこと以外は、実施例1と同様に脱脂を行っ
た。この成形体についての脱脂率の推移および炉内圧力
を、ステアリン酸の蒸気圧曲線とともに、図5に示し
た。また、脱脂後成形体について、内部の気泡、クラッ
クの有無などを調べた結果を、表2に示す。
始、炉内圧力を、脱脂率30%のときの炉内温度135
℃におけるステアリン酸の蒸気圧である10-1.2tor
rに保持したこと以外は、実施例1と同様に脱脂を行っ
た。この成形体についての脱脂率の推移および炉内圧力
を、ステアリン酸の蒸気圧曲線とともに、図5に示し
た。また、脱脂後成形体について、内部の気泡、クラッ
クの有無などを調べた結果を、表2に示す。
【0029】実施例4 実施例1で使用した成形体と同様の成形体について、脱
脂率40%の時点で第1工程を終了したこと以外は、実
施例1と同様に脱脂を行った。脱脂後成形体について、
内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、表2
に示す。
脂率40%の時点で第1工程を終了したこと以外は、実
施例1と同様に脱脂を行った。脱脂後成形体について、
内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、表2
に示す。
【0030】比較例1 実施例1で使用した成形体と同様の成形体について、終
始、炉内圧力を10-3torrに保持したこと以外は、
実施例1と同様に脱脂を行った。脱脂後成形体につい
て、内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、
表3に示す。
始、炉内圧力を10-3torrに保持したこと以外は、
実施例1と同様に脱脂を行った。脱脂後成形体につい
て、内部の気泡、クラックの有無などを調べた結果を、
表3に示す。
【0031】比較例2 実施例1で使用した成形体と同様の成形体について、炉
内圧力を、脱脂率が20%となった時点で第1工程を終
了したこと、および第2工程の炉内圧力を10-3tor
rにしたこと以外は、実施例1と同様に脱脂を行った。
脱脂後成形体について、内部の気泡、クラックの有無な
どを調べた結果を、表2に示す。
内圧力を、脱脂率が20%となった時点で第1工程を終
了したこと、および第2工程の炉内圧力を10-3tor
rにしたこと以外は、実施例1と同様に脱脂を行った。
脱脂後成形体について、内部の気泡、クラックの有無な
どを調べた結果を、表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】気化した有機バインダーの排出通路が確
保される脱脂率30%までは、炉内雰囲気を炉内温度に
おける有機バインダーの蒸気圧以上にすることにより、
速い昇温速度でも割れを防止することができる。また、
脱脂率30%以上では、炉内雰囲気をバインダーの蒸気
圧以下にして有機バインダーの気化を活発化させて、第
1工程で形成した排出通路から有機バインダーを外部に
盛んに放出させることにより、効率のよい脱脂を行うこ
とができる。
保される脱脂率30%までは、炉内雰囲気を炉内温度に
おける有機バインダーの蒸気圧以上にすることにより、
速い昇温速度でも割れを防止することができる。また、
脱脂率30%以上では、炉内雰囲気をバインダーの蒸気
圧以下にして有機バインダーの気化を活発化させて、第
1工程で形成した排出通路から有機バインダーを外部に
盛んに放出させることにより、効率のよい脱脂を行うこ
とができる。
【図1】気泡、クラック発生時の無機粉末と有機バイン
ダーの状態を表した模式図である。
ダーの状態を表した模式図である。
【図2】本発明における無機粉末と有機バインダーの状
態を表した模式図である。
態を表した模式図である。
【図3】実施例1の成形体の脱脂率の推移および炉内圧
力を表したグラフである。
力を表したグラフである。
【図4】実施例2の成形体の脱脂率の推移および炉内圧
力を表したグラフである。
力を表したグラフである。
【図5】実施例3の成形体の脱脂率の推移および炉内圧
力を表したグラフである。
力を表したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 無機粉末と有機バインダーとの混合材料
を成形してなる無機粉末成形体を加熱することにより有
機バインダーを除去する脱脂工程において、炉内雰囲気
による炉内圧力を、少なくとも脱脂率が30%に至るま
では炉内温度における有機バインダーの蒸気圧より高い
圧力に保持し、次いで炉内圧力をこの蒸気圧以下の圧力
にして脱脂することを特徴とする無機粉末成形体の脱脂
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7192610A JPH0920565A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 無機粉末成形体の脱脂方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7192610A JPH0920565A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 無機粉末成形体の脱脂方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0920565A true JPH0920565A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=16294130
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7192610A Withdrawn JPH0920565A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 無機粉末成形体の脱脂方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0920565A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008110896A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Denso Corp | セラミックハニカム構造体の製造方法 |
| JP2011236468A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Seiko Epson Corp | 焼結体の製造方法 |
| JP2012530848A (ja) * | 2009-06-25 | 2012-12-06 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 熱可塑性成型組成物を用いて射出成型、押出成型またはプレスで製造された金属製及び/又はセラミック製成型物からバインダーを連続的に熱的に除去する方法 |
| US8459099B2 (en) | 1997-05-27 | 2013-06-11 | Wilco Ag | Method for leak testing and leak testing apparatus |
-
1995
- 1995-07-06 JP JP7192610A patent/JPH0920565A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9091612B2 (en) | 1997-05-26 | 2015-07-28 | Wilco Ag | Method for leak testing and leak testing apparatus |
| US8459099B2 (en) | 1997-05-27 | 2013-06-11 | Wilco Ag | Method for leak testing and leak testing apparatus |
| JP2008110896A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Denso Corp | セラミックハニカム構造体の製造方法 |
| JP2012530848A (ja) * | 2009-06-25 | 2012-12-06 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 熱可塑性成型組成物を用いて射出成型、押出成型またはプレスで製造された金属製及び/又はセラミック製成型物からバインダーを連続的に熱的に除去する方法 |
| JP2011236468A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Seiko Epson Corp | 焼結体の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |