JPH0920649A - 基材組成物 - Google Patents

基材組成物

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JPH0920649A
JPH0920649A JP7172417A JP17241795A JPH0920649A JP H0920649 A JPH0920649 A JP H0920649A JP 7172417 A JP7172417 A JP 7172417A JP 17241795 A JP17241795 A JP 17241795A JP H0920649 A JPH0920649 A JP H0920649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題解決手段】 基材中に、ジェランガム、陽イオン
及び媒体としての水からなり、カード値100〜250
0g/cm2 のゲル強度を有するマトリクス剤を含有さ
せる基材組成物。 【効果】 基材の伸展性と付着性を損なうことなく、曳
糸性は低下し、べたつき感や濡れ感覚は減少し、また、
浸透性は向上させることができる。さらに、基材組成物
調製後のジェランガムによるゲルの分離性は良いが、一
旦、これに外力を加えるとゲルの崩壊による混合性は極
めて良くなることが認められた。よって、化粧料・医薬
品・日用品・食料品用に用いられるゼリー剤・ゲル剤・
軟膏剤・クリーム剤・ローション剤等の基材組成物とし
て極めて好ましいものを得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材組成物に関
し、より詳細には、化粧品、日用品、食料品、医薬品等
に用いられるゼリー剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、
ローション剤等の製剤を構成する基材中にマトリクス剤
を含有してなる基材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、化粧品、日用品、食料品、医薬品等の分野でゼリー
剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤等は幅
広く使われている剤型であり、たとえば、化粧品の分野
においては、洗顔料や基礎化粧用として、日用品の分野
では整髪料や歯磨用として、食料品の分野では種々の果
汁等のゼリー菓子やグミキャンディーとして、医薬品の
分野では各種外用剤として、その用途は極めて多岐にわ
たる。
【0003】これらゼリー剤、ゲル剤、軟膏剤、クリー
ム剤、ローション剤等は、基材としてワセリンやラノリ
ン、植物油や豚脂、シリコーン、マクロゴール類、ベン
トナイト、ビーガム、デンプン、トラガント、アルギン
酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が主
として使用され、上述のような多岐の用途に応じて、こ
れらを単独または適当に組み合わせたり、また、他の物
質を添加することによって適当な剤型として使用されて
いる。
【0004】一方、これらの使用態様は、対象こそ人の
身体、皮膚あるいは歯磨用のブラシ等の用具、パン等の
食品などと異なるとはいえ、大部分はこれらの対象に
「塗布」し、それを「伸展」するという機械的操作を伴
うのが一般的である。この場合、基材側に求められる主
たる機能は、伸展性、すなわち伸びが良いことと、対象
物への付着性が良いことである。
【0005】しかし、基材の伸展性を向上させると流動
性が増し、そのため保形性が悪くなり、また曳糸性が増
大したりして使用時のべたつき感が増大する等の弊害面
が現出する。つまり、伸展性という長所の面と保形性な
どの欠点面とは、通常トレードオフの関係にあるといえ
る。また、付着性を増大させると使用時のべたつき感や
粘着感あるいは濡れ感覚が増大することはよく知られて
いる。この場合も、付着性という長所の面はべたつき感
などの欠点面とやはりトレードオフの関係にあるといえ
る。
【0006】たとえば、特開平6−55057号公報、
特開昭64−90110号公報、特開平4−91010
号公報、特開平4−91011号公報、特公平4−20
408号公報等において、伸展性や付着性を増大させる
とともに使用時のべたつき感や粘着感などを解消し、ま
た、保形性を保持する方法が提案されているが、これら
は全て化粧品の分野におけるチック様又は口紅のスティ
ック様の形態を対象としたものであり、ゲル剤やゼリー
剤を対象としたものは、わずかに、環状オルガノポリシ
ロキサン(特公平4−76388号公報)と環状ジメチ
ルポリシロキサン(特公平4−71114号公報)を添
加した場合にその例が見られるにすぎない。
【0007】近年、化粧品、日用品、医薬品等の分野に
おいて、従来の軟膏剤、クリーム剤等に代わって、基本
的に要求される伸展性と付着性とが良好であり、かつ使
用時にべたつき感や粘着感がなく濡れ感覚がない基材と
してゲル剤が広く市場に支持され受け入れられてきてい
る。また、このような特性を有する基材に、さらに皮膚
等の細部への浸透性が高いという機能を備えた基材の開
発が強く望まれている。
【0008】また、医薬品の分野において、外用剤とし
て、基材組成物中へ2種以上の薬効成分を含有させるよ
うな複合的な薬効を有する外用剤のニーズが増大してい
る。しかし、基材組成物を構成する基材は互いに液−液
で混合されている場合が多く、各基材中にこれら薬効成
分を単独で、互いに分離した状態で存在させることはで
きない。このため、薬効成分が互いに反応して本来の薬
効を喪失することがある。さらに、抗ヒスタミン作用を
持つ薬剤とビタミンA等のビタミン剤とを1つの基材等
の中に含有して用いる場合に、外用剤の機能や使用感を
高め、しかも複数の薬剤間の化学反応をいかに抑制する
かということが大きなテーマとなっている。また、外用
剤を保存する場合には2種以上のを容易にかつ均一に分
離することができ、しかも、用時に容易に混合できる技
術が要望されている。
【0009】食品の分野においては、2つ以上の食材の
持つ風味や香気を摂取の瞬間までいかに新鮮に保持する
かということが大きなテーマとなっている。例えば、香
料の中には、他の香料のマスキング剤として作用するよ
うなもの、他の香料と混合すると本来の香気が消失した
り弱まったりするものが存在する。このような場合、両
成分を分離して保存でき、しかも用時に容易に両者を混
合でき、両成分の香気を十分に発揮させるような技術が
望まれる。
【0010】また、水に対して難溶性の物質、例えばビ
タミンA、ビタミンE又はアニス系の香料などの脂溶性
物質をゼリー剤、ローション剤、ゲル剤、クリーム剤等
に調製する場合、これまでは乳化して分散させるという
方法が採用されていた。しかし、この方法では、乳化調
製した後放置すると、当初は系全体に均一に分散してい
た乳化物が、時間の経過とともに分離してしまう。とり
わけ、使用時にはこれを均一にするために振盪しなけれ
ばならず、使用上の不便性があるばかりでなく、製品に
対して均一な混合を保証するという観点からは好ましく
ないものである。特に、化粧品や医薬品の分野では、含
量の均一性は、治療や美容に直接関連する重要な製品の
品質であり、これを保証することが何よりも要求されて
おり、この観点から、このような系における新しい技術
の出現が望まれている。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、基材組成物の伸展性、流動性、付着性を向上させ
るとともに、保形性を維持し、べたつき感を解消し、さ
らには、使用時のさっぱり感と水々しさ、皮膚等の細部
への浸透性を高めるという機能をも新たに付与すること
ができる基材組成物を提供することを目的としている。
【0012】さらに、2種以上の薬効成分や食味を容易
に分離、混合させることができる基材組成物及び水に難
溶性の薬効成分や食味等を水溶性の基材に安定的、均一
に混合させることができる基材組成物を提供することを
目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材中
に、ジェランガムのゲルが一定のゲル強度を有するとき
に示す固有の性質に着目し、これを従来のゼリー剤やゲ
ル剤等の基材組成物と適量で併用して使用した場合に、
ジェランガムの固有の性質が複合的な機能としてうまく
引き出されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】本発明によれば、ジェランガム、陽イオン
及び媒体としての水からなり、カード値100〜250
0g/cm2 のゲル強度を有するマトリクス剤を含有さ
せる基材組成物が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、マトリクス剤を
構成するジェランガムは、USAのケルコ社が開発した
ものであり、グルコースを主成分とする培地中でシュー
ドモナス エロデア菌(Pseudomonas Elodea)が産出す
る2:1:1の割合のグルコース、グルクロン酸及びラ
ムノースからなるヘテロ多糖類を主成分とするものであ
る。分子量は670000(Gel Permeation Chromatog
raphy:重量平均分子量)〜920000(Light Scatte
ring, DMSO 90%水溶液中)程度のものであり、工業的に
は、完全な製造管理下で生産される純度の高い工業製品
である。構造式は次に示すように、1−3結合したグル
コース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合した
グルコース、1−4結合したラムノースの繰り返し構造
からなる直鎖の線状重合体である。
【0016】
【化1】
【0017】上記マトリクス剤中のジェランガムの含有
量は、所望のゲル強度により適宜調整することができる
が、0.05〜2.0重量%程度、より好ましくは0.
1〜1.0重量%程度である。所望のゲル強度として
は、例えば100〜2500g/cm2 程度、さらに好
ましくは300〜2000g/cm2 程度である。ま
た、上記ジェランガムをマトリクス剤として機能させる
ために、陽イオンを含有させることが必要である。つま
り、ジェランガムは水溶液の状態でそのまま冷却すると
非常に弱いゲルとなる。よって、所望のゲル強度を得る
ためにジェランガムの水溶液に陽イオンを共存させるこ
とが必要となる。陽イオンとしては、特に限定されるも
のではないが、1価若しくは2価の陽イオンが好まし
く、具体的には、1価の陽イオン(H+)を放出する
酸、例えば酢酸、クエン酸等、1価または2価の陽イオ
ン、例えばMg++、Ca++、Na+ 、K+ 等が挙げられ
る。中でも2価の陽イオンが好ましい。1価の陽イオ
ン、例えばNa+ の場合、ジェランガム0.2重量%に
対して0.05〜0.4モル濃度、さらに0.08〜
0.3モル濃度添加することが好ましい。また、2価の
陽イオン、例えばCa++の場合、ジェランガム0.2重
量%に対して0.001〜0.02モル濃度、さらに
0.002〜0.008モル濃度添加することが好まし
い。
【0018】上記ジェランガム及び陽イオンを水中に溶
解させ、ゲル化させることによりマトリクス剤が構成さ
れる。この際の水は、ゲルを形成させるための媒体とし
て使用させるものであり、水道水、蒸留水、天然水、清
水等を用いることができる。この媒体には、ゲル形成に
悪影響を与えない限り他の液体の媒体(例えば、水と混
合もしくは水溶性のアルコール等)が含まれていてもよ
い。
【0019】上記ジェランガムは、水に分散させ、例え
ば90℃以上に加熱して、溶解させ、乳酸カルシウム、
食塩等の陽イオンを放出する塩類、もしくはクエン酸、
酢酸、果汁(クエン酸、酒石酸などを含有)等のH+
放出する酸類を添加するか、又はジェランガムと上述の
塩類又は酸類等とを水に添加して、これらを完全に溶解
させ、室温程度まで放冷するか、もしくは急速に冷却す
ることによりゲルを形成することができる。なお、本発
明におけるマトリクス剤には、上記のゲル強度を保持す
る範囲で分散剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、消泡剤、
発泡剤、殺菌剤、防腐剤、糊料等の種々の添加剤を加え
てもよい。これら添加剤としては、個々の物質としてい
ずれの作用を示すか明確に区別することはできないが、
例えば、グリセリン、マクロゴール類、各種界面活性
剤、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン
リン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、
メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、アエロ
モナスガム、アゾトバクタービネランジーガム、アーモ
ンドガム、アマシードガム、アラビアガム、アラビノガ
ラクタン、アルギン酸、アロエベラ抽出物、エルウイニ
アミツエンシスガム、ローカストビーンガム、キサンタ
ンガム、キチン、キトサン、グァーガム、サイリウムシ
ードガム、スクレロガム、タマリンドシードガム、タラ
ガム、ダンマル樹脂、トラガントガム、トリアカンソス
ガム、トロロアオイ、納豆菌ガム、渇藻抽出物、ペクチ
ン、プルラン、ウェランガム、カシアガム、セスバニア
ガム、ラムザンガム、キダテアロエ抽出物、グルコサミ
ン、マクロホモプシスガム、海藻セルロース、酵母細菌
膜、デキストラン、微小繊維状セルロース、レバン等が
挙げられる。
【0020】本発明において、マトリクス剤を含有する
基材としては、化粧品、日用品、食料品、医薬品等の分
野で使用されるゼリー剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム
剤、ローション剤等で使用することができる基材の全て
を包含する。具体的には、ワセリン、ラノリン、植物
油、豚脂、シリコーン、マクロゴール類、ベントナイ
ト、ビーガム、デンプン、トラガント、アルギン酸ナト
リウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の単独また
はそれらの組み合わせが挙げられる。また、スプレッ
ド、バター、ジャム、ママレード、ドレッシング、ソー
ス、チーズ、タレ類、カレーやハヤシライスのルー、歯
磨用のペースト等に含有されている基材又はこれら自体
を基材として挙げることができる。これらの基材は、分
散剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、消泡剤、発泡剤、殺
菌剤、防腐剤、ケーキング防止剤等を任意に添加しても
よい。これら基材へのマトリクス剤の分散割合は10〜
90%程度が好ましい。
【0021】本発明の基材組成物におけるマトリクス剤
は、ゲル内に多量の水分を保有する一方、保形性の極め
て良好で安定性の高いゲルである。しかも、一旦外力を
加えると極めて容易に崩れて、保有する水分をすべて外
部へ放出する。従って、基材中にこのマトリクス剤を含
有させることにより、基材組成物の伸展性、流動性、付
着性を向上させるとともに、保形性を維持し、べたつき
感を解消し、さらには、使用時のさっぱり感と水々しさ
とを付与することができる。また、特にジェランガムは
皮膚等への馴染みや濡れが極めて良く、皮膚等の細部へ
も極めて容易に浸透することから、マトリクス剤中に、
皮膚への浸透性等を期待する1種以上の成分を含有させ
ることもできる。
【0022】さらに、本発明の基材組成物には、互いに
分離して存在させることが意図される少なくとも2種以
上の成分を同時に含有させることができ、その内の少な
くとも1種の成分をマトリクス剤中に、他方の成分を基
材中に含有させることができる。なお、ここで、「互い
に分離して存在させることが意図される」とは、互いに
分離して存在させることが好ましいか、必要とされるか
又は単に互いに分離して存在させることを意味する。つ
まり、マトリクス剤を構成するジェランガムに、例えば
化粧料、医薬品の分野において2種以上の成分を接触し
た状態で長期間保存した場合に各成分の劣化、変色又は
変質の可能性がある一方の成分、使用時に混合すること
を所望する成分、化粧料、日用品、食品の分野におい
て、使用時に香料や風味等を強く引き出すことを意図す
る成分又は外観上複数成分が明らかに混在していること
を判別させることを意図する成分等を含有させ、一方基
材中に他の成分を含有させることにより、両者の成分を
互いに分離することができる。
【0023】例えば、マトリクス剤中に、一方の薬剤成
分によって酸化作用や還元作用を受けて分解しやすい成
分、具体的にはビタミンA、ビタミンEなどのビタミン
剤、セファロスポリン系の抗生物質、クロルフェニラミ
ン等の抗ヒスタミン剤等を含有させ、他方の薬剤成分を
基材中に含有させることにより、これら成分を互いに分
離することができる。また、太陽光線、空気又は水分等
の存在によって、経時的に分解を受けやすい薬効成分等
では、安定化のために抗酸化剤等の安定化剤を添加する
ことが通常行われる。この場合、抗酸化剤等の安定化剤
の添加濃度は、安定性の観点等から日本薬局方、食品添
加物基準又は化粧品原料規格等の公定書等によって、上
限値が設定されている。一方、該薬効成分の安定性を高
めるという観点からは、安定化剤をこの上限値以上に加
えることが好ましい例がしばしば認められる。このよう
な場合に、ジェランガムよりなるマトリクス剤側に薬効
成分と安定化剤とを併存させると、基材組成物全体では
安定化剤の上記上限値以下を保持しながら、マトリクス
剤中では上記上限値を越えるとも可能となり、薬効成分
の安定性を著しく向上させることができる。
【0024】また、食品・化粧品・医薬品等では、歯垢
分解酵素、蛋白質分解酵素又は消化酵素等の酵素成分が
広く用いられているが、これら酵素成分は、基質成分と
類似する広範囲の物質と反応を起こすことが知られてい
る。従って、これら酵素成分を含有する基材組成物を製
品化する際には、可能な限り単独に近い型で存在させる
ことが一般的に好ましい。このような場合、これらの酵
素成分をマトリクス剤側に含有させて、他の基質類似物
質等を基材中に含有させることにより酵素成分を含有す
る製品の製品化が可能となる。
【0025】さらに、食品、化粧品等で広く用いられる
高級脂肪酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)又は胎盤エ
キス(プラセンタオイル)等は臭気の強いものが多く、
これら臭気を香料の付香のみによって防止することは困
難である。この場合、適当なマスキング剤や消臭剤を用
いることが有効であるが、マスキング剤等は、適当なフ
レバー類と併存させると香料等の香気成分をマスキング
したり消してしまうことになる。従って、高級脂肪酸等
の臭気成分とマスキング剤や消臭剤とをマトリクス剤中
に含有させ、一方、香料等を基材中に含有させることに
より、上記の弊害は防止できる。
【0026】また、食品などでは、商品価値を高める目
的で、商品に着色を施すことが広く行われている。この
場合、マトリクス剤を複数の色素によって着色し、これ
らが基材中にカラフルに混在すると、外観上の商品価値
が高まると同時に、例えば、複数の果汁やジャム等がゼ
リー中に混在する状態が直ちに判別できることが可能と
なる。
【0027】なお、以上記述したマトリクス剤と基材中
への物質の含有は、逆になってもよい。さらに、本発明
の基材組成物は、水に難溶性の成分を基材中に含有させ
たい場合に利用することもできる。つまり、水に難溶性
の成分を、ジェランガムの可溶化時に均一に分散させ、
これをゲル化すると、ゲル組成物(マトリクス剤)中
に、上記水に難溶性の成分が均一に分散し、安定的に保
持される。従って、このゲル組成物を必要に応じて適当
な大きさに裁断し、ゼリー剤等の基材中に混合すること
により、水に難溶性の成分が基材組成物系全体の中で安
定的に均一な混合状態で保持されることとなる。なお、
この場合、マトリクス剤を基材中に安定的かつ均一に分
散させるために、キサンタンガムやカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の他に高分
子物質を添加してもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の基材組成物の実施例について
説明する。 実施例1 基材として、従来から汎用されている以下のゼリー剤を
調製した。 ・ゼリー剤 カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0 ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 グリセリン 25 安息香酸 0.1 純水 72.4 ─────────────────────────── 合計 100.0 次に、本発明のゲルからなるマトリクス剤を調製した。
【0029】 ・マトリクス剤 ジェランガム 0.7 塩化カルシウム(陽イオン) 0.35 グリセリン(分散剤) 25 安息香酸(保存剤) 0.1 純水 73.85 ─────────────────────────── 合計 100.0
【0030】得られた基材にマトリックス剤を0〜95
重量%の範囲で8水準に変化させて含有させた基材組成
物について、保形性・潤滑性・付着性・曳糸性・濡れ及
びべたつき感・浸透性・分離性・混合性の8種類の特性
値を求めて、表1に示した。なお、表1における各評価
は以下の通りである。
【0031】(1)保形性、潤滑性、曳糸性および付着
性の評価 インストロン材料試験機に、直径18mmのプランジャ
ーと直径20mmの臼をセットし、臼内に充填した機材
組成物をプランジャーによって圧縮する際の最大応力を
保形性とし、最大圧縮点より該プランジャーを引きあげ
る際に生ずる基材組成物の摩擦抵抗力(=最大応力−平
衡応力)を潤滑性とし、さらに、該プランジャーを臼外
へ引き上げる際に、基材組成物がプランジャーに付着し
て曳糸するが、この糸の長さによって曳糸性を評価す
る。ついで、プランジャーと臼とに付着した糸が完全に
破断した段階でプランジャーに付着する基材組成物の重
量を測定して付着性の評価とした。
【0032】(2)濡れ及びべたつき感の評価 基材組成物をヒトの皮膚に塗布した後の官能テストによ
り、濡れ及びべたつき感の評価を15人のパネラーで実
施した。評価は次の3段階で行い、「×」の人数で表示
した。 ○べたつかず軽さがあり、濡れ感覚もない △べたつきや濡れを少し感じる ×べたついたり、濡れ感覚が強い
【0033】(3)浸透性 基材組成物をヒトの皮膚に塗布した後の官能テストによ
り、浸透性の評価を、15人のパネラーで実施した。評
価は次の3段階で行い、「○」の人数で表示した。 ○皮膚への浸透性は良い ×皮膚への浸透性は悪い △どちらともいえない
【0034】(4)分離性と混合性 マトリクス剤中に食用色素を混入し、このマトリクス剤
をゼリー剤に分散して基材組成物を調製した際に(30
0ccのビーカーで基材組成物を200g調製)、目視
により色素の分離状態を観察した。次いで、撹拌翼の5
00rpmで1分間撹拌した際の色素の分離状態を目視
で観察した。評価は次の3段階とした。
【0035】○色素の分離が良い △色素の分離が少し悪い ×色素はほぼ完全に混合している
【0036】
【表1】
【0037】この結果、マトリクス剤が10%未満の場
合、濡れ及びべたつき感が極度に悪くなり、また浸透性
も劣化し、分離性や混合性も悪くなる。このとき、曳糸
性と付着性とは増大傾向が顕著である。一方、マトリク
ス剤の割合が90%を越えると、濡れ及びべたつき感は
著しく良くなるが、浸透性・分離性・混合性は悪化す
る。
【0038】なお、マトリクス剤の割合が10〜90%
の範囲では、濡れ及びべたつき感は減少し、分離性や混
合性は良く、付着性や曳糸性は適当な値で安定化する傾
向が認められる。 実施例2 基材として、従来から汎用されている以下のゼリー剤を
調製した。
【0039】 ・ゼリー剤 キサンタンガム 0.8 安息香酸 0.1 純水 99.1 ─────────────────────────── 合計 100.0 次に、実施例1で調製した本発明のマトリクス剤を準備
し、実施例1と同様に、得られたゼリー剤にマトリック
ス剤を0〜95重量%の範囲で8水準に変化させて含有
させた基材組成物について、保形性等の特性値を求め
た。その結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】この結果、マトリクス剤の割合が10%未
満の場合、濡れ及びべたつき感が極度に悪くなり、また
浸透性も劣化し、分離性や混合性も悪くなる。このと
き、曳糸性と付着性とは増大傾向が顕著である。一方、
マトリクス剤の割合が90%を越えると、濡れ及びべた
つき感は著しく良くなるが、浸透性・分離性・混合性は
悪化する。なお、マトリクス剤の割合が10〜90%の
範囲では、濡れ及びべたつき感は減少し、分離性や混合
性はよく、付着性や曳糸性は適当な値で安定化する傾向
が認められる。
【0042】実施例3 実施例1における基材組成物(表1における試料番号
5)において、マトリクス剤中にクロルヘキシジンを
0.1%添加して含有させ、医薬品の外用剤を製造し
た。その結果、上記保形性・潤滑性・付着性・曳糸性・
濡れ及びべたつき感・浸透性・分離性・混合性の8種類
の各評価はすべて表1とほぼ同様であり、総合的に判定
して優れた外用剤の基材組成物であるといえる。
【0043】実施例4 実施例2における基材組成物(表2における試料番号1
3)において、マトリクス剤にオレンジ果肉を5%添加
して含有させ、ジャム様の食品を製造した。その結果、
すべての評価で表2とほぼ同じ結果が得られ、総合的に
判定して優れた食品の基材組成物であるといえる。
【0044】実施例5 実施例1における基材組成物(表1における試料番号
6)において、マトリクス剤にスクアランを1%添加し
て含有させ、基礎化粧料を製造した。その結果、すべて
の評価で表1とほぼ同じ結果が得られ、総合的に判定し
て優れた化粧料の基材組成物であるといえる。
【0045】実施例6 実施例1における基材組成物(表1における試料番号
4)において、マトリクス剤に歯垢を除去する酵素を有
効量添加して含有させ、練り歯磨を製造した。その結
果、すべての評価で表1とほぼ同じ結果が得られ、総合
的に判定して優れた練り歯磨剤の基材組成物であるとい
える。
【0046】実施例7 実施例1と同様に、ジェランガムを0.2〜0.75重
量%、塩化カルシウムを0.07〜0.35重量%添加
するとともに、ビタミンAを1%含有させ、カード値5
0〜2800g/cm2 の範囲の種々のマトリクス剤を
調製した。また、実施例1における基材中にビタミンB
2 を1%含有させ、得られたマトリクス剤を基材組成物
中1:1の割合で混合し、基材組成物として医薬品の外
用剤を製造した。そして、この基材組成物を45℃で3
か月間保存した後、基材組成物におけるビタミンAの含
有量(仕込み時を100%とする)、分離性及び崩壊性
を測定した。その結果を表3に示す。
【0047】なお、表中のカード値は、ゲル強度の最も
一般的な測定方法であるカード法により測定した。カー
ド法は、カードメーターを使用し、マトリクス剤をゼリ
ーカップに所定量充填し、ゲル強度に応じて感圧軸の直
径を3〜20mmの範囲で適当に変え、またスプリング
バランスを100gないし200gに変えて感圧軸のマ
トリクス剤への侵入時の破断強度を求め、カード値とす
る方法である。
【0048】また、分離性は、予め黄色5号色素によっ
て着色したマトリクス剤から、無色の基材側へ遊離する
色素による基材の着色度合いを目視することによって行
った(◎:分離性が全くない、○:分離がない、△:分
離が顕著)。含有量は、日本薬局方のビタミンAの定量
法により測定した。崩壊性の評価は、手指で基材組成物
を皮膚に塗布した際のマトリクス剤の崩壊の程度を目視
観察することによって行った(◎:崩壊性がよい、○:
崩壊性が普通、×:崩壊性は悪い)。
【0049】対照として、基材中にビタミンAとビタミ
ンB2 とをマトリクス剤を用いることなく共存させた基
材組成物を製造し、45℃で3か月間保存した後におけ
るビタミンAの含有量を測定した。その際のビタミンA
の含有量は5%であった。
【0050】
【表3】
【0051】上記結果から、カード値が50g/cm2
以下では分離性が悪くなり、カード値が2800g/c
2 以上では崩壊性が悪くなる。従って、カード値が1
00〜2500g/cm2 程度で分離性、崩壊性とも良
好な値が得られる。 実施例8 実施例1と同様に、ジェランガムを0.2〜0.75重
量%、塩化カルシウムを0.07〜0.35重量%添加
するとともに、ビタミンEを1%含有させ、カード値6
0〜2860g/cm2 の範囲の種々のマトリクス剤を
調製した。また、実施例2における基材中に塩化ベンザ
ルコニウムを1%含有させ、得られたマトリクス剤を基
材組成物中1:1の割合で混合し、基材組成物として医
薬品の外用剤を製造した。そして、この基材組成物を4
5℃で3か月間保存した後、基材組成物におけるビタミ
ンEの含有量(仕込み時を100%とする)、分離性及
び崩壊性を測定した。その結果を表4に示す。
【0052】なお、含有量は、日本薬局方のビタミンE
の定量法により測定した。また、対照として、基材中に
ビタミンEと塩化ベンザルコニウムとをマトリクス剤を
用いることなく共存させた基材組成物を製造し、45℃
で3か月間保存した後におけるビタミンEの含有量を測
定した。その際のビタミンEの含有量は10%であっ
た。
【0053】
【表4】
【0054】上記結果から、カード値が50g/cm2
以下では分離性が悪くなり、カード値が2800g/c
2 以上では崩壊性が悪くなる。従って、カード値が1
00〜2500g/cm2 程度で分離性、崩壊性とも良
好な値が得られる。 実施例9 実施例1と同様に、ジェランガムを0.2〜0.75重
量%、塩化カルシウムを0.07〜0.35重量%添加
するとともに、アニス香料3%を均一に分散させ、カー
ド値50〜2810g/cm2 の範囲の種々のマトリク
ス剤を調製した。また、実施例1における基材中にミル
クフレーバを5%含有させ、得られたマトリクス剤を基
材組成物中1:1の割合で混合し、基材組成物として食
料用のゼリーを調製した。そして、この基材組成物を4
5℃で3か月間保存した後、基材組成物におけるミルク
香料の強さ、分離性及び崩壊性を測定した。その結果を
表5に示す。
【0055】なお、香料の強さは、「45℃、3カ月保
存後」に官能テストで評価した(◎:強い、○:普通、
△:弱い)。また、対照として、基材中にミルクフレー
バとアニス香料とをマトリクス剤を用いることなく共存
させたゼリーを製造し、45℃で3か月間保存した後に
おけるミルク香料の強さを測定した。その際の香料の強
さは「△:弱い」であった。
【0056】
【表5】
【0057】表5より、カード値の50〜2510g/
cm2 の範囲では、アニス香料とミルク香料の分離がよ
く、使用に際しては、マトリクス剤の崩壊性がよく、両
香料は香気を失うことなく、うまく混合することが認め
られた。なお、アニス香料の場合、水への分散は極めて
困難であり、通常の場合は基材中で著しく編析を起こす
が、マトリクス剤中に均一に分散させる当該方法では、
この編析は全く起こらず、基材中に均一に含有させるこ
とが可能であった(表6)。
【0058】
【表6】 表中、数字はアニス香料の含有量(但し、仕込み量は1
00%である)。
【0059】実施例10 実施例1と同様に、ジェランガムを0.2〜0.75重
量%、塩化カルシウムを0.07〜0.35重量%添加
するとともに、パインフレーバを5%含有させ、カード
値50〜2810g/cm2 の範囲の種々のマトリクス
剤を調製した。また、実施例2における基材中にバナナ
フレーバを5%含有させ、得られたマトリクス剤を基材
組成物中1:1の割合で混合し、基材組成物として食料
用のゼリーを調製した。そして、この基材組成物を45
℃で3か月間保存した後、基材組成物におけるパインフ
レーバの強さ、分離性及び崩壊性を測定した。その結果
を表7に示す。
【0060】なお、香料の強さは、「45℃、3カ月保
存後」に官能テストで評価した(◎:強い、○:普通、
△:弱い)。
【0061】
【表7】
【0062】表7より、カード値の50〜2500g/
cm2 の範囲では、香気の消失はほとんど認められなか
った。これは、両香料が共存するときには、互いに香気
がある種の反応を起こし、これぞれの香気の持つ成分が
弱められるが、両者が分離した状態にあると反応は起こ
らず、使用時まで両成分の独特の香気が保たれるためで
ある。
【0063】
【発明の効果】本発明の基材組成物によれば、基材中に
ジェランガムからなるマトリクス剤を含有するため、基
材の伸展性と付着性を損なうことなく、曳糸性は低下
し、べたつき感や濡れ感覚は減少し、また、浸透性は向
上させることができる。さらに、基材組成物調製後のジ
ェランガムによるゲルの分離性は良いが、一旦、これに
外力を加えるとゲルの崩壊による混合性は極めて良くな
ることが認められた。
【0064】よって、化粧料・医薬品・日用品・食料品
用に用いられるゼリー剤・ゲル剤・軟膏剤・クリーム剤
・ローション剤等の基材組成物として極めて好ましいも
のを得ることが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材中に、ジェランガム、陽イオン及び
    媒体としての水からなり、カード値100〜2500g
    /cm2 のゲル強度を有するマトリクス剤を含有させて
    なる基材組成物。
  2. 【請求項2】 マトリクス剤中のジェランガムの含有量
    が、0.05〜2重量%である請求項1記載の基材組成
    物。
  3. 【請求項3】 マトリクス剤が、基材中に10〜90重
    量%で含有されている請求項1記載の基材組成物。
  4. 【請求項4】 互いに分離して存在させることが意図さ
    れる少なくとも2種以上の成分が含有され、その内の少
    なくとも1種の成分がマトリクス剤中に、かつ他の少な
    くとも1種の成分が基材中に含有されてなる請求項1記
    載の基材組成物。
  5. 【請求項5】 マトリクス剤が、水に難溶性の成分を均
    一に分散した状態で含有する請求項1記載の基材組成
    物。
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