JPH09207526A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH09207526A
JPH09207526A JP8246288A JP24628896A JPH09207526A JP H09207526 A JPH09207526 A JP H09207526A JP 8246288 A JP8246288 A JP 8246288A JP 24628896 A JP24628896 A JP 24628896A JP H09207526 A JPH09207526 A JP H09207526A
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bead core
bead
carcass ply
tire
radial direction
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JP8246288A
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Kiichiro Kagami
紀一郎 各務
Masatoshi Tanaka
正俊 田中
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロードノイズを低減しうる空気入りタイヤを提
供する。 【解決手段】左右一対のビード部4にのびて折り返され
かつコードを並列したカーカスプライ6Aを含む空気入
りタイヤであって、前記ビード部4は、第1のビードコ
ア9Aと、この第1のビードコア9Aのタイヤ半径方向
外側に緩衝ゴム層10を介して同芯に配され、しかも断
面積が前記第1のビードコアより大きい第2のビードコ
ア9Bとを有し、かつ前記カーカスプライ6Aは、前記
第2のビードコア9Bの回りを該第2のビードコア9B
の半径方向内側面と前記緩衝ゴム層10との間を通って
折り返して係止されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロードノイズを低
減しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤが関係する騒音の一つにロードノ
イズがある。このロードノイズは、比較的荒れた路面を
車両が走行するときに車室内で発生する「ゴー」という
不快な音である。このロードノイズは、路面の凹凸がタ
イヤを振動させ、さらにこの振動がリム、車軸、サスペ
ンション、車体などに順次伝播し、車室内で聴取され
る。
【0003】このロードノイズを低減するためには、振
動がタイヤに入力されるトレッド部(振動の入口)又は
タイヤからリム(車両)へと振動が伝達されるビード部
(振動の出口)のいずれかにおいて振動伝達を遮断する
ことが効果的である。
【0004】従来、トレッド部での振動を遮断する方法
としては、例えば、トレッドゴムに振動吸収性の優れた
柔らかいゴム組成物を用いることや、トレッドゴムゲー
ジを厚くすることなどが提案されている。
【0005】又、ビード部において振動を遮断する提案
はきわめて少なく、唯一提案されているのは、リムフラ
ンジと接触するタイヤのビード部外面に、振動吸収性に
優れるゴムなどを配するものなどがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トレッ
ドゴムに振動吸収性に優れた特定のゴム組成物を用いる
方法は、通常、他の走行諸性能や耐摩耗性能などを犠牲
にすることが多い。また、前記ビード部外面に、振動吸
収性に優れるゴムを配する方法においても、未だ充分な
ロードノイズ低減効果を発揮するには至っていない。
【0007】本発明者は、このような実状に鑑み、ビー
ド部において振動を遮断するべく種々研究を行った。そ
して、ビード部のビードコアは、カーカスを折り返して
係止することによりタイヤの内圧を保持する機能と、タ
イヤをしっかりとリムに固定する機能とを合わせ持つこ
とに着目した。
【0008】ところが、図8に示すように、ビードコア
aは、通常ビードワイヤ(鋼線)を巻回して束ねた1本
構造で、カーカスプライbを折り返して係止する機能
と、ビード部をリムjへ固定する機能とを担っている。
つまり、従来のビードコアaは、1本で前記2つの機能
を合わせ持つように構成されている。
【0009】また、ビードコアaのタイヤ半径方向内側
面と、リムjのリムシートcとの間に挟まれるゴムdに
は、前記ビードコアaのリムとの嵌合機能によって大き
な圧縮力が作用している。したがって、該ゴムdは、も
はやゴムとしても振動吸収機能を失っており、この部分
で振動を遮断することはきわめて困難であることを突き
止めた。つまり、このようなビード構造では、カーカス
bの振動が、殆どそのままリムjに伝達されてしまうの
である。
【0010】本発明者は、カーカスbのビードコア内側
部分b1とリムjのリムシートcとの間で振動吸収機能
を確保するべく、ビード部に、タイヤ半径方向の内、外
でしかも緩衝ゴム層を介して同芯に配された第1、第2
のビードコアを設けかつ、半径方向外側の第2のビード
コアにカーカスを折り返して係止することによりトレッ
ドに入力された振動が第1のビードコア、さらにはリム
へと伝達されるのを大巾に低減しうることを突き止めた
のである。
【0011】なお従来、ビード部に複数のビードコアを
設けたタイヤとして、特開平5−16620号公報、
特開平5−50814号公報、特開平6−1069
24号公報、特開平6−191238号公報等の提案
がなされている。
【0012】しかしながら、前記、、の提案にお
いては、2つのビードコアをタイヤ軸方向に並べたに過
ぎず、又前記に関しては分離された複数のビードコア
をカーカスプライが一括して折返すものであり、いずれ
もカーカスプライの振動をビードコアの半径方向内側に
位置する緩衝ゴム層で吸収する技術思想を開示するもの
ではない。
【0013】以上のように、本発明は、ビードコアをタ
イヤ半径方向内外2つで構成しかつその間に緩衝ゴム層
を設けることを基本として、ビード部からリムへの振動
伝達を大巾に遮断することによりロードノイズを低減し
うる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経て
左右一対のビード部にのびて折り返されかつコードを並
列したカーカスプライを含む本体補強体を有した空気入
りタイヤであって、前記ビード部は、第1のビードコア
と、この第1のビードコアのタイヤ半径方向外側に緩衝
ゴム層を介して同芯に配され、しかも断面積が前記第1
のビードコアより大きい第2のビードコアとを有し、か
つ前記本体補強体は、前記第2のビードコアの回りを該
第2のビードコアの半径方向内側面と前記緩衝ゴム層と
の間を通って折り返して係止されたカーカスプライを具
えることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0015】また、請求項2記載の発明では、前記緩衝
ゴム層は、タイヤ子午断面において、タイヤ半径方向の
厚さが2mm以上かつ6mm以下であることを特徴としてい
る。
【0016】また、請求項3記載の発明では、前記本体
補強体は、複数枚の内外に重なるカーカスプライからな
るとともに、前記最内側のカーカスプライを前記第1の
ビードコアの周りで折り返して係止する一方、最外側の
カーカスプライを前記第2のビードコアの周りで折り返
して係止したことを特徴としている。
【0017】また、請求項4記載の発明では、前記最外
側のカーカスプライは、前記最内側のカーカスプライよ
りも5%伸長時のモジュラスを大としたことを特徴とし
ている。
【0018】また、請求項5記載の発明では、前記ビー
ド部は、前記第2のビードコアのタイヤ半径方向外側面
からタイヤ半径方向外側に先細状でのびかつ硬質ゴムか
らなるビードエーペックスを具えるとともに、前記本体
補強体は、有機繊維コードをゴム中に並列し、かつ前記
第1のビードコアのタイヤ半径方向内側面に位置する内
側部のタイヤ軸方向の内端、外端から半径方向外側に立
ち上がる立ち上げ部を形成したコード補強層を含むとと
もに、前記内、外の立ち上げ部は、それぞれ前記第2の
ビードコアの周りで折り返されるカーカスプライの軸方
向の内面、外面を覆いしかもその外端が前記第2のビー
ドコアのタイヤ半径方向外側面を越える位置で終端する
ことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態(第1
実施形態)を、偏平比が0.65の乗用車用の空気入り
タイヤを用いて説明する。
【0020】図1において、空気入りタイヤ1は、トレ
ッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4で折
り返されて係止されるカーカスプライ6Aを含む本体補
強体Rを有するとともに、このカーカスプライ6Aの半
径方向外側かつトレッド部2の内方には強靱なベルト層
7が巻装され、前記カーカスプライ6Aにタガ効果を付
与している。
【0021】前記カーカスプライ6Aは、カーカスコー
ドをタイヤ赤道Cに対して65゜〜90゜、本例では9
0゜の角度で配列したいわゆるラジアル構造で、枚数は
1枚で構成される。また前記カーカスコードは、ナイロ
ン、レーヨン若しくはポリエステル等の有機繊維コード
を好ましく採用しうるが、必要に応じてスチールコード
なども適宜採用しうる。
【0022】また、前記ベルト層7は、例えば、ベルト
コードをタイヤ赤道Cに対して10゜〜35゜の角度で
配列した1枚以上、本例では内外2枚のベルトプライ7
A、7Bから形成され、各プライ7A、7Bはベルトコ
ードがプライ間相互で交差するように向きを違えて重置
される。このベルトコードとしては、本例では金属コー
ドを用いているが、要求に応じてレーヨン等の比較的高
弾性な有機繊維コードをも用いうる。
【0023】さらに、本実施形態では、図2に拡大して
示すように、前記各ビード部4は、第1のビードコア9
Aと、この第1のビードコア9Aのタイヤ半径方向外側
に、緩衝ゴム層10を介して同芯に配され、しかも断面
積が前記第1のビードコアより大きい第2のビードコア
9Bとを有する。
【0024】前記第1のビードコア9Aは、タイヤとリ
ムとの嵌合を密に保持するようにビードコア径、さらに
は配設位置などが適宜定められる。なお、第1のビード
コア9Aは、タイヤに応じて定まる正規のリムJのリム
フランジ高さHの範囲内に配置される。そして、第1の
ビードコア9Aのタイヤ半径方向内側に位置するゴム
は、圧縮力が大となるが、第1のビードコア9Aのタイ
ヤ半径方向外側の緩衝ゴム層10には、リムJとの嵌合
力が作用せず、大きな圧縮力は受けない。
【0025】また前記第2のビードコア9Bは、カーカ
スプライ6AをリムJ内でしっかりと係止すべく、半径
方向上面が、リムJのリムフランジ高さHを外に越えな
いように設けることが望ましい。また本実施形態では、
第1のビードコア9Bは、前記第2のビードコア9Aと
タイヤ軸方向にほぼ整一して配されている。
【0026】加えて、第2のビードコア9Bの断面積
は、タイヤの空気圧充填時におけるカーカスプライ6A
のコード張力を保持するために、前記第1のビードコア
9Aよりも大とする必要がある。
【0027】本実施形態(タイヤサイズ185/65R
14)では、前記第1のビードコア9Aは、線径がφ
1.20mmのビードワイヤを用い、該1本のビードワイ
ヤを螺旋に5周巻き揃えた(1×5)タイプによって、
正規のリムJとの十分な嵌合力を保ちうることを確認し
ている。
【0028】又、前記第2のビードコア9Bは、リム組
時の衝撃圧等を考慮する必要がないため、従来の1本で
構成されたビードコアと同等又はそれよりも安全率を低
くでき、ビードワイヤの本数を低減することが可能とな
る。本例では、第2のビードコア9Bは、前記ビードワ
イヤを5列かつ4層に巻き重ねた(4×5)タイプの断
面略四角形をなすものを例示している。したがって、第
1のビードコア9Aの断面積S1と、第2のビードコア
9Bの断面積S2の比(S2/S1)は、本例では4程
度としている。ただし、これに限定されない。
【0029】このような第1、第2のビードコア9A、
9Bは、いずれも、例えばビードワイヤを巻回した後、
ゴムのみからなるゴムシート又はコードを配列したコー
ド入りゴムシートなどによって、周囲をラッピングされ
ることにより構成しうる。また、ビードワイヤは、第
1、第2のビードコアにおいて同一線径のものを用いる
ほか、異なる線径のものを採用しても良い。
【0030】次に、前記カーカスプライ6Aは、前記第
2のビードコア9Bの回りを該第2のビードコアの半径
方向内側面と前記緩衝ゴム層10との間を通って折り返
して係止されているため、タイヤに空気圧が充填される
と、第2のビードコア9Bがタイヤ半径方向外側に引っ
張られる。
【0031】このように、第1のビードコア9Aにリム
Jとの嵌合性を担保させるとともに、第2のビードコア
9Bにカーカスプライ6Aを係止させた相乗作用によ
り、緩衝ゴム層10には従来のように大きな圧縮力が作
用せず、その結果、前記カーカスプライ6Aの振動を吸
収、緩和することができ、ひいてはロードノイズを大巾
に低減しうる。
【0032】前記緩衝ゴム層10は、タイヤ子午断面に
おける半径方向の厚さtを自由に定めうるが、例えば2
mm以上かつ6mm以下とするのが特に望ましい。その理由
は、緩衝ゴム層10の厚さtを種々変化させて、オーバ
ーオールのロードノイズ低減量を測定した結果に基づい
ている。図3には、その結果を示し、前記緩衝ゴム層1
0の厚さtが2mmを越えるところから、1dB(A)以
上の著しいロードノイズ低減効果が得られることが判明
している。なお、緩衝ゴム層10の厚さtを6mm以上と
することは差し支えないが、この値を超えても、ロード
ノイズ低減効果は頭打ちとなる。
【0033】以上より、緩衝ゴム層10の厚さtは2〜
6mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは4〜
5mmの範囲において選択するのが好ましく、タイヤサイ
ズ、リムのフランジ高さなどを考慮し種々選択すること
が望ましい。一例として、タイヤサイズが185/65
の場合、前記緩衝ゴム層の厚さtは、2mm〜4mmの範囲
内とするのが良い。
【0034】また、前記緩衝ゴム層10は、好ましく
は、複素弾性率E*が、20kgf/cm2以上かつ100kgf
/cm2 以下のゴム組成物を用いることが好ましい。この
理由は、前記緩衝ゴム層10の厚さtを2mmとし、複素
弾性率E*の値を種々変化させて、ロードノイズの騒音
レベルを測定した実験結果に基づいている。
【0035】図4に示すように、複素弾性率E*が、2
0kgf/cm2 以上かつ100kgf/cm2以下の範囲におい
て、騒音レベルの低減効果が見られ、より好ましいの
は、20kgf/cm2 以上かつ70kgf/cm2 以下の範囲、さ
らに好ましくは、20kgf/cm2 以上かつ40kgf/cm2
下の範囲である。
【0036】なお緩衝ゴム層10の複素弾性率E*が、
20kgf/cm2 を下回ると、剛性が過度に低下しがちとな
って、リム組後の安定性を損なう傾向にあり、逆に10
0kgf/cm2 を上回ると、ビード部4の剛性が過度に高め
られがちとなり、緩衝機能を低下させる傾向にある。
【0037】ここで、前記複素弾性率E*は、4mm巾×
30mm長さ×1.5mm厚さの短冊状試料を切り取って、
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用
い、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件で
測定した値である。
【0038】また、上記のロードノイズは、タイヤサイ
ズが185/65R14のタイヤを、国産1800cc
クラスのFF車の全輪に装着し、荒れたドライアスファ
ルト路面を速度60km/Hで定常走行させるととも
に、運転者の右耳の位置にマイクロフォンを設置したロ
ードノイズ計測器によるオーバーオールの騒音レベルの
値を採用したが、タイヤサイズに拘わらず、同様の結果
が得られることも確認している。
【0039】また上記の厚さt、複素弾性率E*と組み
合わせて又は単独で緩衝ゴム層10のJISA硬度を規
制することも有効である。例えば20℃におけるJIS
A硬度は65°以上かつ80°以下とするのが好まし
い。緩衝ゴム層10の硬度が、JISA硬度で65°未
満ではビード部4の剛性が不足する傾向にあり、逆に8
0°をこえると緩衝ゴム層10によって十分に振動を吸
収できない傾向にあり騒音抑制の効果が低下しがちとな
る。
【0040】なお前記ビード部4は、前記第2のビード
コア9Bの半径方向外側面から先細状でのびる硬質ゴ
ム、例えばJISA硬度が65〜95度程度のゴムから
形成されたビードエーペックス11を具えることにより
補強される。
【0041】また、前記本体補強体Rには、図1、図2
に示す如く、カーカスプライ6Aに加え、ナイロン、レ
ーヨン若しくはポリエステル等の有機繊維コードをゴム
中に並列したプライからなるコード補強層12を含ませ
ることが好ましい。
【0042】前記コード補強層12は、図2に示す如
く、前記第1のビードコア9Aのタイヤ半径方向内側面
に位置する内側部12cのタイヤ軸方向の内端、外端か
ら半径方向外側に立ち上がる内、外の立ち上げ部12
i、12oを形成した断面略U字状にて構成される。
【0043】また、前記コード補強層12の内、外の立
ち上げ部12i、12oは、それぞれ前記カーカスプラ
イ6Aの本体部6aにおける軸方向の内面、折返し部6
bの外面をそれぞれ覆いしかもその外端が前記第2のビ
ードコア9Bのタイヤ半径方向外側面を越える位置で終
端したものを例示している。
【0044】このように、内、外の立ち上げ部12i、
12oの外端が前記第2のビードコア9Bのタイヤ半径
方向外側面を越える位置で終端することにより、分離し
て設けられた第1、第2のビードコア9A、9Bをタイ
ヤ軸方向に拘束でき、かつ一体性を補うことによりビー
ド部4の剛性を補強しうる点で好ましい。
【0045】なお、前記コード補強層12の有機繊維コ
ードは、例えば、タイヤの半径方向線に対して、例えば
0゜〜70゜、より好ましくは0゜〜50゜程度で傾け
て配することが、ビード部補強という観点から望ましい
ものとなる。
【0046】以上のように構成された本実施形態では、
カーカスプライ6Aおよび第2のビードコア9Bの振動
を、リムJとの嵌合力が作用しない緩衝ゴム層10によ
り吸収することができるから、リムJへの振動伝達が少
なくロードノイズを大巾に低減しうる。
【0047】なお、前記第1、第2のビードコア9A、
9Bのビードワイヤ本数並びにビードコアの断面形状な
どは種々変形でき、さらにはカーカスプライの枚数を2
枚として、ともに前記第2のビードコア9Bに折り返し
て係止するものなど、上記実施形態に限定されることな
く適宜変更しうるのは言うまでもない。また、カーカス
プライの折返しを前記第2のビードコア9Bの回りをタ
イヤ軸方向外側から内側へ向けて折り返すものなど、種
々の態様にて実施しうる。
【0048】次に、本発明の他の実施の形態(第2実施
形態)について説明するが、前記と同様の構成について
は、同一の符号を付しここでの詳細な説明は省略する。
【0049】この実施形態では、図5に示す如く、前記
本体補強体Rが、複数枚、本例では2枚の内外に重なる
カーカスプライ6i、6oからなるとともに、右側のビ
ード部4Aに示されるように、前記最内側のカーカスプ
ライ6iを前記第1のビードコア9Aの周りで折り返し
て係止する一方、最外側のカーカスプライ6oを前記第
2のビードコア9Bの周りで折り返して係止したことを
特徴事項としている。
【0050】このように、本体補強体Rを複数枚のカー
カスプライから構成した場合には、路面側に近い最外側
のカーカスプライ6oが最も振動しやすい。したがっ
て、かかる振動し易い最外側のカーカスプライ6oを第
2のビードコア9Bの周りで折り返すことにより、前記
実施形態と同様、その振動を前記緩衝ゴム層10で吸
収、緩和でき、ロードノイズを低減しうる。
【0051】この場合、最内側のカーカスプライ6i
は、最外側のカーカスプライ6oに比べ振動伝達率が低
い。したがって、最内側のカーカスプライ6iを第1の
ビードコア9Aで係止してもロードノイズの低減効果を
維持しうる。なお、最内側のカーカスプライ6iを第1
のビードコア9Aで折り返す場合には、その折り返し端
6Sを第2のビードコア9Bの半径方向外側面を外に超
えて位置させることにより、前記コード補強層と同様の
効果、すなわち第1、第2のビードコア9A、9Bの軸
方向拘束効果を発揮しうる。
【0052】また本実施形態では、前記最外側のカーカ
スプライ6oは、前記最内側のカーカスプライ6iより
も5%伸長時のモジュラスを大として、タイヤ本体を好
ましく補強しうる態様を示している。
【0053】一般に、カーカスプライは、コード打込本
数などを一定としたとき、例えばカーカスコードのテン
ションが大きいほど振動伝達率が高く(かつ固有振動数
も高く)なる傾向にありロードノイズを大きく発生させ
やすい。また、カーカスコードのモジュラスが大きくな
るほど、同一のコード伸びではカーカスコードのテンシ
ョンは高くなる。
【0054】したがって、本体補強体Rが、モジュラス
が異なるコードを用いた複数種のカーカスプライで構成
される場合、空気圧の充填により各プライのコードが一
様に伸長するとモジュラスの高い方のプライが、低い方
のプライに比べてテンションが高くなり、ひいては、振
動を伝達しやすくなる。
【0055】本実施形態では、タイヤ本体の補強という
観点から、モジュラスが高いカーカスプライを最外側に
配するとともに、その配設位置及びモジュラスに基づい
て振動し易いカーカスプライ6oを前記第2のビードコ
ア9Bに折り返して係止することにより、その振動を前
記緩衝ゴム層10により好適に吸収することができる。
【0056】なお、各カーカスプライにおいて、モジュ
ラスを異ならせる場合には、前記最外側のカーカスプラ
イ6oの5%伸長時のモジュラスM1と、最内側のカー
カスプライ6iの5%伸長時のモジュラスM2との比
(M1/M2)は、1.2〜3.0の範囲に設定するの
が好ましい。
【0057】前記比(M1/M2)1.2未満の場合に
は、モジュラスの差が小さいために、最内側のカーカス
プライ6iも比較的大きく振動し、ロードノイズ低減の
効果が相対的に小さくなる傾向にあることが実験の結果
判明している。逆に、前記比(M1/M2)が、3.0
をこえるとタイヤのユニフォミティの悪化を招く傾向に
あることも判明している。
【0058】また、カーカスコードのモジュラスの規制
値に、5%伸長時を採用したのは、一般にタイヤに常用
の空気圧を付加したときに、カーカスコードの伸びが5
%に略等しくなるため、実際の使用条件に近い値で表示
するのが適しているという理由に基づいている。
【0059】なお各カーカスプライ6i、6oは並列さ
れた複数のカーカスコードをトッピングすることにより
シート状に形成されるが、各カーカスプライ6i、6o
のモジュラスは、カーカスコードの打込本数を一定とし
た場合には、カーカスコード単体の5%伸長時のモジュ
ラスによって対比することができ、例えばJIS L1
017にて規定されている試験条件で特定しうる。
【0060】次に、本実施形態では、図5に示す如く、
左側のビード部4は、一つのビードコア13で構成さ
れ、左右非対称のビード部を例示している。そして、前
記ビードコア13は、前記第1のビードコア9Aと略対
等の高さに配置されるとともに、その断面積を、前記第
2のビードコア9Bの断面積よりも更に大とすることに
より、左右のビード部4A、4Bの剛性バランスを確保
している。したがって、図において左のビード部4Bで
は、前記カーカスプライ6i、6oは、ともに前記ビー
ドコア13の周りを折り返されて係止される。
【0061】又、本例では、第1のビードコア9Aに最
内側のカーカスプライ6iを折り返して係止しているた
め、第1のビードコア9Aの断面積S1と、第2のビー
ドコア9Bの断面積S2との比(S2/S1)は、前記
の第1実施形態よりも小さくするのが好ましく、例えば
1.2〜3.0としうる。また、各ビードコア9A、9
B、13の断面形状は、本例の如く円形のものも採用し
うる。
【0062】また、この実施形態では、本体補強体R
が、2枚のカーカスプライ6i、6oから構成される場
合を例示したが、3枚以上としてもよく、またこのとき
中間に配されるカーカスプライは、第1又は第2のビー
ドコア9A又は9Bのいずれに係止させても良い。さら
には、本体補強体Rに前記のコード補強層を含ませても
良い。
【0063】また、ビードコアを2つ配したビード部4
Aは、タイヤの車両装着時、表側、裏側の何れに位置し
てもよいが、好ましくは、タイヤの車両装着時、一方の
ビード部4Aが荷重負担の大きい車両の外側に位置する
よう取付けるのが好ましい。また、左右のビード部と
も、第1、第2のビードコアを設けてももちろん良い。
【0064】図6にはさらに他の実施形態を示し、、第
1、第2のビードコア9A、10Aを半径方向の高さh
1、h2を違えた断面矩形状に形成するとともに、第2
のビードコア9Bの半径方向内側面を、リムフランジの
外端高さとほぼ一致させたものを例示している。
【0065】図7にはさらに他の実施例を示し、第2の
ビードコア9BをリムフランジFの半径方向外方に位置
させリムフランジFの上端部においてもビード部14の
一部を嵌合させたものを例示している。この場合、リム
外れを効果的に防止しうる点で好ましい。
【0066】
【実施例】
(第1実施例)タイヤサイズが185/65R14であ
り、図1、図2の構成を有するタイヤ(実施例1〜1
0)について表1に示す仕様について試作するととも
に、そのロードノイズを測定した。なお図8に示した従
来構成のタイヤ(従来例1)についても併せてテストを
行いその性能を比較した。
【0067】また、ロードノイズは、各テストタイヤを
1800ccのFF車の全輪に装着し、特定のテストコ
ースにおいて、ドライバーの耳元にロードノイズ計測器
を設置するとともに、60km/hの定常走行時における
オーバーオールの騒音レベルdB(A)を測定してい
る。テストの結果並びにタイヤの仕様を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】テストの結果、実施例のタイヤは、従来例
に比べて、大巾にロードノイズを低減していることが確
認できる。なお緩衝ゴム層の厚さが2mmを下回ると(実
施例9)、また緩衝ゴム層の複素弾性率が100kgf
/cm2 を超えると(実施例10)、ロードノイズ低減効
果は相対的に少なくなることも判る。
【0070】(第2実施例)タイヤサイズが185/7
0R14 88Sでありかつ図5、図6の構成を有する
タイヤ(実施例11〜16)について表2に示す仕様に
ついて試作するとともに、その性能についてテストを行
った。なお図8に示した従来構成のタイヤ(従来例2)
についても併せてテストを行いその性能を比較した。な
お、各カーカスプライは、いずれもカーカスコードの打
込数を一定(35本/5cm)として、表3に示すように
コード単体の5%の伸長時のモジュラスを異ならせたコ
ード(試料A〜C)を用いて内、外の各カーカスプライ
を試作している。
【0071】さらに、本実施例では、ロードノイズに加
え、リム外れ抗力をも測定した。このリム外れ抗力は、
各テストタイヤを正規リムに装着し、ビード部の外側方
から横力を加えるとともにビード部がリム外れを生じた
ときの横力の値を従来例2を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好であることを示す。テスト結
果などを表2、表3に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】テストの結果、実施例11〜16は、いず
れも従来例2に比べロードノイズを低減することができ
た。なお内側、外側のカーカスプライにおいて、カーカ
スコードの5%伸長時のモジュラスも同じにした場合に
は(実施例6)、他の実施例に比べてロードノイズの低
減効果は少ない。
【0075】また、緩衝ゴム層の硬度を下げること(実
施例12、実施例13)、さらには、モジュラス比(M
1/M2)を高めること(実施例13、実施例14)に
よって、ロードノイズ低減の効果は大きくなることも確
認できる。
【0076】
【発明の効果】叙上の如く請求項1記載の空気入りタイ
ヤは、カーカスプライの振動を、第2のビードコアの半
径方向内側に位置しながらも緩衝機能を発揮しうる緩衝
ゴム層により吸収、緩和することができるから、タイヤ
のビード部からリム、車両への振動伝達を遮断でき、そ
の結果ロードノイズを大巾に低減しうる。
【0077】また、請求項3記載の空気入りタイヤで
は、複数枚のカーカスプライのうち、最も振動しやすい
最外側のカーカスプライの振動を緩衝ゴム層により吸
収、緩和することができるから、前記同様にタイヤのビ
ード部からリム、車両への振動伝達を遮断でき、その結
果ロードノイズを低減しうる。
【0078】また、請求項4記載の空気入りタイヤで
は、タイヤを有効に補強しつつ前記同様ロードノイズを
低減しうる。
【0079】また、請求項5記載の空気入りタイヤで
は、タイヤ半径方向に区分された第1、第2のビードコ
アのタイヤ軸方向のずれを拘束することができるから、
ロードノイズを低減しつつ、タイヤのビード部を有効に
補強しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すタイヤ断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態を示すビード部の拡大断
面図である。
【図3】ロードノイズ低減量と緩衝ゴム層との関係を示
すグラフである。
【図4】ロードノイズの騒音レベルと緩衝ゴム層の複素
弾性率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態を示すタイヤ断面図であ
る。
【図6】他の実施の形態を示す部分断面図である。
【図7】他の実施の形態を示す部分断面図である。
【図8】従来のビード部の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 R 本体補強体 6A カーカスプライ 6i 最内側のカーカスプライ 6o 最外側のカーカスプライ 7 ベルト層 9A 第1のビードコア 9B 第2のビードコア 10 緩衝ゴム層 11 ビードエーペックス 12 コード補強層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を経て左
    右一対のビード部にのびて折り返されかつコードを並列
    したカーカスプライを含む本体補強体を有した空気入り
    タイヤであって、 前記ビード部は、第1のビードコアと、この第1のビー
    ドコアのタイヤ半径方向外側に緩衝ゴム層を介して同芯
    に配され、しかも断面積が前記第1のビードコアより大
    きい第2のビードコアとを有し、 かつ前記本体補強体は、前記第2のビードコアの回りを
    該第2のビードコアの半径方向内側面と前記緩衝ゴム層
    との間を通って折り返して係止されたカーカスプライを
    具えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記緩衝ゴム層は、タイヤ子午断面におい
    て、タイヤ半径方向の厚さが2mm以上かつ6mm以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記本体補強体は、複数枚の内外に重なる
    カーカスプライからなるとともに、前記最内側のカーカ
    スプライを前記第1のビードコアの周りで折り返して係
    止する一方、最外側のカーカスプライを前記第2のビー
    ドコアの周りで折り返して係止したことを特徴とする請
    求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記最外側のカーカスプライは、前記最内
    側のカーカスプライよりも5%伸長時のモジュラスを大
    としたことを特徴とする請求項3記載の空気入りタイ
    ヤ。
  5. 【請求項5】前記ビード部は、前記第2のビードコアの
    タイヤ半径方向外側面からタイヤ半径方向外側に先細状
    でのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックスを具え
    るとともに、 前記本体補強体は、有機繊維コードをゴム中に並列し、
    かつ前記第1のビードコアのタイヤ半径方向内側面に位
    置する内側部のタイヤ軸方向の内端、外端から半径方向
    外側に立ち上がる立ち上げ部を形成したコード補強層を
    含むとともに、 前記内、外の立ち上げ部は、それぞれ前記第2のビード
    コアの周りで折り返されるカーカスプライの軸方向の内
    面、外面を覆いしかもその外端が前記第2のビードコア
    のタイヤ半径方向外側面を越える位置で終端することを
    特徴とする請求項1乃至4記載の空気入りタイヤ。
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