JPH0920812A - スチレン系樹脂成形体 - Google Patents

スチレン系樹脂成形体

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JPH0920812A
JPH0920812A JP17231295A JP17231295A JPH0920812A JP H0920812 A JPH0920812 A JP H0920812A JP 17231295 A JP17231295 A JP 17231295A JP 17231295 A JP17231295 A JP 17231295A JP H0920812 A JPH0920812 A JP H0920812A
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JP
Japan
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styrene
crystallinity
crystal orientation
orientation coefficient
poly
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Application number
JP17231295A
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English (en)
Inventor
Yusuke Otsuki
祐介 大槻
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体
を用いた直線カット性に優れるスチレン系樹脂成形体を
提供することである。 【解決手段】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体から得られた成形体において、該シンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体の結晶配向係数
(fc )が0.75以上であり、かつ結晶化度(Xc)が
35%以上であるスチレン系樹脂成形体、及びシートあ
るいはフィルムである該スチレン系樹脂成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレン系樹脂成形
体に関し、さらに詳しくは、直線カット性に優れ、特に
フィルムやシートなどとして好適なシンジオタクチック
構造のスチレン系重合体を用いたスチレン系樹脂成形体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、
耐熱性,耐溶剤性及び電気特性などに優れ、かつ比重が
低いなどの優れた特性を有することが知られており、そ
してこのような特性を活かした種々の用途が期待されて
いる。特に、フィルムやシートの用途においては、上記
の優れた性質を活かすべく、様々な成形方法が提案され
ている。例えば、シンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体を用いた延伸フィルムについては、特開平
1−182348号公報,特開平1−182346号公
報,特開平2−67328号公報,特開平2−1438
51号公報,特開平3−74437号公報,特開平3−
86707号公報,特開平3−124750号公報,特
開平3−131843号公報,特開平4−261485
号公報,特開平5−200858号公報,特開平6−5
7013号公報,特開平6−57014号公報,特開平
6−57015号公報,特開平6−57016号公報,
特開平6−57017号公報,特開平6−64036号
公報,特開平6−64037号公報,特開平6−653
99号公報,特開平6−65400号公報,特開平6−
65401号公報,特開平6−65402号公報,特開
平6−80793号公報,特開平6−91748号公
報,特開平6−91749号公報,特開平6−9175
0号公報,特開平6−99485号公報,特開平6−1
0071号公報,特開平6−106616号公報,特開
平6−107812号公報,特開平6−107813号
公報,特開平6−114924号公報,特開平6−11
4925号公報などに開示されている。
【0003】しかしながら、このような従来のシンジオ
タクチック構造のスチレン系重合体を用いた延伸フィル
ムは、手切れ性は良好であるものの、所定の方向のみに
裂ける性質、すなわち直線カット性が不充分であり、用
途が制限されるものを免れなかった。
【0004】本発明は、このような事情のもとで、直線
カット性に優れ、特にフィルムやシートなどとして好適
なシンジオタクチック構造のスチレン系重合体を用いた
スチレン系樹脂成形体を提供することを目的とするもの
である。本発明者は、前記の直線カット性に優れるシン
ジオタクチック構造のスチレン系重合体を用いたスチレ
ン系樹脂成形体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体の結晶
配向係数が特定の値以上であり、かつ結晶化度が特定の
値以上である成形体が、その目的に適合しうることを見
出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体から得
られた成形体において、該シンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体における結晶配向係数(fc ) が
0.75以上であり、かつ結晶化度(Xc)が35%以上
であることを特徴とするスチレン系樹脂成形体、並びに
シート又はフィルムである該スチレン系樹脂成形体を提
供するものである。そして、本発明は上記スチレン系樹
脂成形体の任意の一端に、その垂直方向に切込みを入
れ、その切込みによって生じた一方を固定し、他方を持
って端面方向に力を加え引張った場合において、切り裂
き先端が端面に垂直方向に10cmのところまで達した
時の実際に引き裂かれた長さがAcmのとき、式 d=10/A で表される直線カット性指数(d)が0.996以上であ
ることが好ましい。
【0006】本発明のスチレン系樹脂成形体において
は、基材樹脂として、シンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体が用いられる。ここで、スチレン系重
合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構
造が高度のシンジオタクチック構造、すなわち炭素−炭
素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル
基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構
造を有することを意味し、そのタクティシティーは同位
体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定
量される。13C−NMR法により測定されるタクティシ
ティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例え
ば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッド,
5個の場合はペンタッドによって示すことができる。本
発明に言う「シンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体」とは、通常はラセミダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッド
で30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクテ
ィシティーを有するポリスチレン,ポリ(アルキルスチ
レン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ(ハロゲン
化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシスチレン),
ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合
体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする
共重合体を意味する。なお、ここでポリ(アルキルスチ
レン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチ
ルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ
(ターシャリーブチルスチレン),ポリ(フェニルスチ
レン),ポリ(ビニルスチレン),ポリ(ビニルナフタ
レン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)として
は、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレ
ン),ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポ
リ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(ク
ロロメチルスチレン)など、そして、ポリ(アルコキシ
スチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ
(エトキシスチレン)などがある。これらのうち特に好
ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ
(p−メチルスチレン),ポリ(m−メチルスチレ
ン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン),ポリ
(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロスチレ
ン),ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチ
レン及びスチレンとp−メチルスチレンとの共重合体の
ような、これらの構造単位を含む共重合体などが挙げら
れる。
【0007】このシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体は、その分子量については特に制限はない
が、一般に、重量平均分子量が10,000以上、好ましくは
50,000以上である。さらに、分子量分布についても広狭
には制限がなく、様々なものを充当することができる。
ここで、重量平均分子量が10,000未満のものでは、得ら
れる異なる成形体の熱的性質,機械的性質が低下し好ま
しくない。このようなシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、例えば、特開昭62−18770
8号公報に開示されている技術を参考にして製造するこ
とができる。すなわち、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒
の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアル
ミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体
(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合する
ことによって製造することができる。また、ポリ(ハロ
ゲン化アルキルスチレン)については、特開平1−46
912号公報に、そして、これらの水素化重合体につい
ては、特開平1−178505号公報にそれぞれ記載の
方法によって製造することができる。
【0008】このシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。また、該スチレン系重合体には、本
発明の目的が損なわれない範囲で、所望により他の熱可
塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを配合するこ
とができる。ここで、他の熱可塑性樹脂の種類について
は特に制限はないが、例えばポリフェニレンエーテル;
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリペン
テンなどのポリオレフイン;ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリフェニレ
ンスルフィドなどのポリチオエーテル;ポリカーボネー
ト;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルエー
テルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリイミド;ポリ
メタクリル酸メチル;エチレン−アクリル酸共重合体;
アクリロニトリル−スチレン共重合体;アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体;エチレン
−酢酸ビニル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共
重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化ポリエチレン;フッ素
化ポリエチレン;ポリアセタール;熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー;1,2−ポリブタジエン;スチレン−
無水マレイン酸共重合体など、又はこれらを変性したも
のを挙げることができる。これらの中で、特にポリオレ
フィン,オレフィン−極性ビニルモノマー共重合体,ポ
リアミド,ポリカーボネート,ポリアリレート,ポリエ
チレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,
変性ポリフェニレンスルフィドなどが好適である。
【0009】また、熱可塑性エラストマー(ゴム状弾性
体も含む)の種類についても特に制限はないが、例えば
スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(SB
R),スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SEBS),スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体(SIR),スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS),水素添加スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S),エチレンプロピレンゴム(EPM),エチレンプ
ロピレンジエンゴム(EPDM),エチレンブチレンゴ
ム(EBM)又はこれらを変性したゴムなどが挙げられ
る。この中で特に好適なものはSEBS,SBR,SB
S,SIS,SIR,SEPSである。
【0010】また、上記の他、天然ゴム,ポリブタジエ
ン,ポリイソプレン,ポリイソブチレン,ネオプレン,
ポリスルフィドゴム,チオコールゴム,アクリルゴム,
ウレタンゴム,シリコーンゴム,エピクロロヒドリンゴ
ム又はこれらを変性したゴムなども用いることができ
る。
【0011】本発明においては、これらの熱可塑性樹脂
や熱可塑性エラストマーは一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。前記シンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体と他の熱可塑性樹脂及び
/又は熱可塑性エラストマーとの配合割合については、
該スチレン系重合体がマトリックス(海・島構造であれ
ば、該スチレン系重合体が海、二種類以上のマトリック
スが存在すれば、そのうちの一つが該スチレン系重合
体)となるような割合であればよく、特に制限はない。
例えば、重量平均分子量が約300,000のシンジオタ
クチックポリスチレンと重量平均分子量が約20,000
のポリアミドを用いた場合、重量比70:30の割合で
配合すると、シンジオタクチックポリスチレンがマトリ
ックスとなる。本発明のスチレン系樹脂成形体において
は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
における結晶配向係数(fc )が0.75以上であること
が必要である。この結晶配向係数が0.75未満では直線
カット性が悪く、本発明の目的が達せられない。優れた
直線カット性を得るには、結晶配向係数は、0.80以上
が好ましい。ここで、結晶配向係数とは、フィルム面内
において結晶c軸の配向の程度を示す係数である。この
結晶配向係数の算出方法については、後で詳しく説明す
る。
【0012】さらに、本発明のスチレン系樹脂成形体に
おいては、結晶化度が35%以上であることが必要であ
る。この結晶化度が35%未満では結晶性スチレン系重
合体の特性が充分に発揮されない。好ましい結晶化度は
38%以上である。ここで、結晶化度とは、示差走査熱
量計を用い、融解エンタルピーと結晶化エンタルピーと
の差を求め、結晶化度100%のときの融解エンタルピ
ーに対する百分率で表した値を指す。この結晶化度の算
出方法については後で詳しく説明する。このような性状
を有する本発明のスチレン系樹脂成形体は、特にシー
ト,フィルム又はヤーン状のものが好ましい。また、そ
の製造方法についてはとくに制限はなく、様々な方法を
用いることができる。例えば、まずシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体、及び本発明の目的が損
なわれない範囲で必要に応じて用いられる他の熱可塑性
樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを含有する成形用
材料を調製したのち、これを加熱溶融して予備成形体と
し、必要に応じ結晶化処理を施した後、加熱延伸し、次
いで所望により熱処理することにより、本発明のスチレ
ン系樹脂成形体が得られる。
【0013】上記成形用材料の調製は、シンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体と、本発明の目的が
損なわれない範囲で、所望により用いられる他の熱可塑
性樹脂や熱可塑性エラストマー及び各種添加剤、例えば
相溶化剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤,滑
剤,無機充填剤,帯電防止剤,可塑剤,着色剤,造核剤
などの添加剤とを、それぞれ所定の割合で混合し、通常
用いられている方法、例えば、二軸スクリュー押出機,
単軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュー押出
機などを用いて溶融混練することにより、行われる。次
に、このようにして得られた成形用材料を通常融点以
上、(分解点+50℃)以下の温度において成形し、溶
融成形体を形成させる。この成形方法については特に制
限はなく、例えばキャスト成形法やインフレーション成
形法などを用いることができる。ここで、分解点とは、
熱重量測定(TG)により測定される1%重量減少温度
を指す。例えば、シンジオタクチックポリスチレンの場
合、ガラス転移温度が90〜100℃,融点が260〜
270℃,分解点が320℃であり、溶融温度は270
〜350℃が好ましい。次いで、この溶融成形体を冷却
して予備成形体を形成させるが、この際、冷却方法につ
いては特に制限はなく、例えば冷却ドラムに接触させる
方法などを好ましく用いることができる。ここで、冷却
温度(冷媒温度)は通常0℃以上、(ガラス転移点+3
0℃)以下の範囲で選ばれる。シンジオタクチックポリ
スチレンの場合は、0〜130℃が好ましく、特に40
〜90℃の範囲が好適である。また、冷却速度は、1〜
200℃/秒の範囲が好ましい。
【0014】次に、必要に応じて、この予備成形体の結
晶化処理を行うことがあるが、この結晶化処理の方法に
ついては特に制限はなく、例えば温度調節したオーブン
中で行う方法などを用いることができる。また、この結
晶化処理は、通常冷結晶化温度〜融点、好ましくは冷結
晶化温度〜(融点−10℃)の範囲の温度において、通
常5〜300秒間、好ましくは10〜250秒間行うの
が望ましい。この結晶化処理により、予備成形体の結晶
化度(Xc)は、通常25〜55%の範囲に調整され
る。このようにして結晶化処理された予備成形体は、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体の結晶
配向係数及び結晶化度を所望の値に制御するために所望
により、延伸処理を施してもよい。この場合、用いる予
備成形体の結晶化度に関係なく、予め結晶化処理を施し
ておいても、施しておかなくてもよい。延伸処理を行う
場合、延伸方法については特に制限はなく、例えばチャ
ック延伸法やロール延伸法などが好ましく用いられる。
均一に延伸し、所望の結晶配向係数及び結晶化度を有す
る成形体を得るためには、予備成形体をガラス転移温度
以上、(融点−10℃)以下の温度で2〜10倍程度延
伸するのが好ましい。延伸温度がガラス転移温度未満で
は延伸されにくく、また(融点−10℃)を超えると結
晶配向係数が低くなる。延伸性及び結晶配向係数の面か
ら、好ましい延伸温度は(ガラス転移温度+5℃)以
上、(融点−15℃)以下の範囲である。また、延伸倍
率が2倍未満では充分な結晶配向係数及び結晶化度を有
する成形体が得られにくく、10倍を超えると破断が頻
繁に起こるため成形には適さない。結晶配向係数,結晶
化度,延伸破断防止などの面から、好ましい延伸倍率は
2.5〜8倍の範囲である。
【0015】さらに、延伸速度については特に制限はな
いが、例えば1,000〜500,000%/分の範囲が好
ましく、特に3,000〜200,000%/分の範囲が好
適である。なお、結晶化度が低い予備成形体であって
も、高速かつ高倍率に延伸することにより、結晶化さ
せ、結晶を高度に配向させることは可能である。このよ
うにして延伸処理されたものは、配向ムラを少なくする
ために、所望により熱処理を施してもよい。この熱処理
においては、同時に配向の緩和が起こり、配向係数を低
下させるおそれがあるため、熱処理は緊張状態あるいは
制限収縮状態で、ガラス転移温度〜融点、好ましくは
(融点−100℃)以上、(融点−5℃)以下の範囲の
温度において、0.5〜120秒間程度保持することによ
り行うのが有利である。また、この熱処理はアルゴンガ
スや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよ
い。このようにして得られた本発明のスチレン系樹脂成
形体は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体の結晶配向係数が充分に高く、かつ結晶化度も高い
ものであって、特に直線カット性に優れている。この直
線カット性は、スチレン系樹脂成形体の任意の一端に、
その垂直方向に切込みを入れ、その切込みによって生じ
た一方を固定し、他方を持って端面方向に力を加え引張
った場合において、切り裂き先端が端面に垂直方向に1
0cmのところまで達した時の実際に引き裂かれた長さ
がAcmのとき、式 d=10/A で示される直線カット性指数(d)を求め、評価するこ
とができる。本発明のスチレン系樹脂成形体は、上記直
線カット性指数(d)が通常0.996以上である。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。なお、フィルムの物性は以下に
示す方法に従って求めた。 (1)結晶化度 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC7)を用
い、50℃から20℃/分で300℃まで昇温したとき
の結晶化エンタルピーと融解エンタルピーを測定し、次
式より求める。 結晶化度(%)=〔融解エンタルピー(J/g)−結晶
化エンタルピー(J/g)〕/結晶化度100%のとき
の融解エンタルピー(J/g)×100 結晶化度100%のときの融解エンタルピーは、53J
/gを用いた。 (2)結晶配向係数 結晶配向係数は、フィルム面内におけるポリマー分子の
結晶c軸の配向分布を示す係数である。例えば、一軸延
伸フィルムでは、延伸方向に対し、赤道方向の広角X線
〔X線発生装置,理学電気(株)製,ロータフレックス
RU−200,カウンター同社製,PSPC−30C,
入=1.54Å〕散乱像におけるブラッグ角(2θ)=6
〜14゜に観察されるピーク〔(hk0)面〕の高さを
計測する。この操作を赤道方向から子午線方向まで繰り
返し、(hk0)面の配向分布関数を求める。(hk
0)面の法線方向と延伸方向とのなす角をαとし、結晶
c軸と延伸方向とのなす角をβとすると、結晶c軸の延
伸方向に対する配向分布関数の平均<cos2 β>は下
式(i)で表され、この値を用い、結晶c軸の延伸方向
に対する配向係数(fc)は、Hermansの式よ
り、式(ii)で表される。 <cos2 β>=1−2<cos2 α> ・・・(i) fc=(3<cos2 β>−1)/2 ・・・(ii) (3)直線カット性指数 幅5cm,長さ15cmの短冊状のフィルムにおいて、
幅方向2.5cmの位置に、幅方向に垂直方向に長さ3
cmの切込みを入れる。次に、その切込みによって生じ
た一方を固定し、他方を持って幅方向に力を加え引張っ
た場合において、切り裂き先端が幅方向に垂直方向に1
0cmのところまで達した時の実際に引き裂かれた長さ
がAcmのとき、式 d=10/A より、直線カット性指数(d)を求めた。
【0017】参考例1 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、硫酸銅5水塩( Cu SO4 ・5H2 O)17.8
g(71ミリモル),トルエン200ミリリットル及びト
リメチルアルミニウム24ミリリットル(250ミリモ
ル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、固体
部分を除去して接触生成物 6. 7gを得た。このものの
凝固点降下法によって測定した分子量は610であっ
た。 製造例1 シンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体の製造 内容積2リットルの反応容器に、参考例1で得られた接
触生成物をアルミニウム原子として5ミリモル,トリイ
ソブチルアルミニウムを5ミリモル,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタントリメトキシドを 0. 025ミ
リモル及び精製スチレンを1リットルとり、90℃で5
時間重合反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム
のメタノール溶液で触媒成分を分解後、生成物をメタノ
ールで繰り返し洗浄し、乾燥して重合体308gを得
た。この重合体の重量平均分子量を1,2,4−トリク
ロロベンゼンを溶媒として、135℃でゲルパーミェー
ションクロマトグラフィーにて測定したところ400,0
00であり、また重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)は2.5であった。そして、融点および13
−NMR測定により、この重合体はシンジオタクチック
構造を有するポリスチレン(以下、SPSと略記す
る。)であることを確認した。
【0018】製造例2 製造例1で得られたSPSを、先端にT−ダイ(横幅2
0cm,リップ間2mm)を取り付けた単軸20mm押
出機にて300℃で溶融し、80℃に温調した冷却ロー
ルに速やかに接触させたのち、巻取り原反とした。この
原反の結晶化度は5%であった。
【0019】製造例3 製造例2で作成した原反を、緊張下で180℃に昇温し
た送風式オーブン〔富山産業(株)製MO−931〕に
3分間入れ、結晶化処理を行った。この原反の結晶化度
は45%であった。
【0020】実施例1 製造例3の様にして得られた予備成形体を150℃で4.
0倍に延伸処理した(延伸速度10,000%/分)。得
られた延伸フィルムの結晶化度,結晶配向係数,直線カ
ット性指数を第1表に示す。
【0021】比較例1 製造例3の様にして得られた予備成形体の結晶化度,結
晶配向係数,直線カット性指数を第1表に示す。
【0022】実施例2 製造例3の様にして得られた予備成形体を230℃で5.
0倍に延伸処理した(延伸速度10,000%/分)。得
られた延伸フィルムの結晶化度,結晶配向係数,直線カ
ット性指数を第1表に示す。
【0023】比較例2 製造例2の様にして得られた原反を265℃で4.2倍に
延伸処理した(延伸速度10,000%/分)。得られた
延伸フィルムの結晶化度,結晶配向係数,直線カット性
指数を第1表に示す。
【0024】比較例3 製造例2の様にして得られた原反の結晶化度,結晶配向
係数,直線カット性指数を第1表に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂成形体は、シン
ジオタクチック構造のスチレン系重合体から得られ、か
つ充分に高い結晶配向係数及び結晶化度を有するもので
あって、従来のシンジオタクチック構造のスチレン系重
合体を用いた成形体に比べて、特に直線カット性に優れ
ている。本発明のスチレン系樹脂成形体は、例えば包装
用,梱包用,粘着テープなどのフィルムやシート、ある
いはフィルターなどに有用な繊維や不織布などとして好
適に用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
    ン系重合体から得られた成形体において、該シンジオタ
    クチック構造を有するスチレン系重合体における結晶配
    向係数(fc )が0.75以上であり、かつ結晶化度(X
    c)が35%以上であることを特徴とするスチレン系樹
    脂成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスチレン系樹脂成形体の
    任意の一端に、その垂直方向に切込みを入れ、その切込
    みによって生じた一方を固定し、他方を持って端面方向
    に力を加え引張った場合において、切り裂き先端が端面
    に垂直方向に10cmのところまで達した時の実際に引
    き裂かれた長さがAcmのとき、式 d=10/A で表される直線カット性指数(d)が0.996以上であ
    る請求項1記載のスチレン系樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 シート,フィルム又はヤーンであること
    を特徴とする請求項1又は2記載のスチレン系樹脂成形
    体。
JP17231295A 1995-07-07 1995-07-07 スチレン系樹脂成形体 Pending JPH0920812A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046422A (ja) * 1998-07-30 2000-02-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機と空気調和機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046422A (ja) * 1998-07-30 2000-02-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機と空気調和機

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