JPH09208576A - ナトリウムイオン選択性の優れたクラウン化合 物 - Google Patents

ナトリウムイオン選択性の優れたクラウン化合 物

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JPH09208576A
JPH09208576A JP8032942A JP3294296A JPH09208576A JP H09208576 A JPH09208576 A JP H09208576A JP 8032942 A JP8032942 A JP 8032942A JP 3294296 A JP3294296 A JP 3294296A JP H09208576 A JPH09208576 A JP H09208576A
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crown
bis
compound
ion
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JP8032942A
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Toshiyuki Shono
利之 庄野
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DOUJIN KAGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カリウムイオンなどの共存下においてナトリ
ウムイオン選択性の優れた物質を得る。 【解決手段】 下記の一般式(Ia)で表されるナトリ
ウムイオン選択性ビス(12−クラウン)化合物。但し、
式中*はキラルな炭素原子を表し、Aは2価の有機基を
表す。この化合物は、イオン選択性電極用感応膜のニュ
ートラルキャリヤーなど、ナトリウムイオンの分析に用
いられるのに好適である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラウン化合物に
関し、特に、ナトリウムイオン選択性においてきわめて
優れ、ナトリウムイオン選択性電極用感応膜などに使用
されるのに好適なクラウン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】ナトリウムイオンを選択的に
検知してその濃度を測定することは種々の分野において
重要である。
【0003】特に、生体中のナトリウムイオン濃度は生
体の代謝反応と密接な関係があり、生体中のこのイオン
濃度の測定は血液透析をはじめ、高血圧症状、腎疾患、
神経障害等種々の疾病の診断に多く利用されている。そ
の他、各種の工業的プロセスの制御や食品管理などの面
からもナトリウムイオンを分析することは重要である。
【0004】従来、ナトリウムイオンの測定には主とし
て炎光分析法のようなスペクトル法が用いられている。
しかし、このようなスペクトル法は大型の機器を要する
と共に、測定にも時間を要し、診断の現場で行うには適
当ではないので、より迅速にナトリウムイオンを測定す
る簡単な方法および小型の機器の開発が強く要請されて
いる。
【0005】このような要請を満たすものとして注目さ
れているのが、イオン選択性電極(イオン電極)であ
る。一般にイオン選択性電極は、溶液中における特定の
イオンの濃度を感応膜または膜電極が示す電位差として
指示するようにした電極であり、pH測定用のガラス電極
がその代表例である。しかし、ガラス電極は周知のごと
く、損傷しやすく、測定時にpH条件の調節が必要であ
り、また、電極寿命も比較的短いという欠点がある。
【0006】そこで、ナトリウムなどの金属イオンの測
定には、イオン輸送担体(キャリヤー)として、非イオ
ン性のもの、いわゆるニュートラルキャリヤーを含有す
る液体膜または固体膜からなるイオン選択性電極が数多
く提案されている。なかでも、抗生物質バリノマイシン
は優れたカリウムイオン選択性電極用ニュートラルキャ
リヤーとしてよく知られている。
【0007】ナトリウムイオンの場合、実用的なナトリ
ウムイオン選択性電極であるためには、ナトリウムイオ
ンと共存することが多いカリウムイオンやアンモニウム
イオンおよび水素イオンの妨害作用を実質的に受けるこ
となく、ナトリウムイオンに対して高い選択性を有する
と共に、再現性に優れ、また、応答時間も十分に短いこ
とが必要である。
【0008】この要求にかなう合成ニュートラルキャリ
ヤーとして開発されたのが各種のクラウン化合物であ
り、たとえば、本発明者は、先に、特定構造のビス(12
−クラウン−4)化合物からなるナトリウムイオン選択
性電極用感応膜を案出している(特公昭63−51502
号)。このイオン選択性感応膜は、ナトリウムイオンを
簡単、迅速にかつ高選択性、高精度で再現よく測定する
ことができるナトリウムイオン選択性電極用感応膜とし
て既に実用に供されているが、さらに性能の向上が求め
られている。
【0009】特に、イオン選択性電極においては共存す
るイオンに対する許容限界濃度が存在し、それ以上の濃
度でのナトリウムイオン測定は大きな誤差を含み、そし
て、所望するイオンに対する電極の選択性が高いほど高
濃度の妨害イオン存在下での測定が可能となるので、検
出下限濃度を向上させ、共存するイオン、特にカリウム
イオンに対する選択性を増すことは、ナトリウムイオン
選択性電極としての実用的価値をさらに高める点におい
て望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】本発明者は、イオン選択性電極のニュート
ラルキャリヤーなどとして用いられるのに好適なナトリ
ウムイオン選択性の高い物質を求めて研究を重ねていた
ところ、驚くべきことに、従来光学分割されることなく
使用されていたビス(12−クラウン−4)化合物をキラ
ルなビス(12−クラウン−4)とすると、カリウムイオ
ンなどの妨害イオンの存在下におけるナトリウムイオン
の選択性および検出下限濃度の著しい向上が認められる
ことを見出した。
【0011】かくして、本発明は、下記の一般式(I
a)で表されるナトリウムイオン選択性の優れたビス
(12−クラウン−4)化合物を提供するものである。
【0012】
【化8】
【0013】式(Ia)において、*はキラルな炭素原
子(不斉炭素原子)を示し、また、Aは2価の有機基を
示す。
【0014】すなわち、本発明のビス(12−クラウン−
4)化合物は、2つのクラウン環にキラルなクラウンユ
ニットが導入されていることにより光学活性な(R,
R)型もしくは(S,S)型、または(R,S)型〔メ
ソ体〕のいずれかのみからなるものであり、前述の特公
昭63−51502号に記載されているような(R,R)型、
(S,S)型および(R,S)型の3種類の混合物(ラ
セミ混合物)からなる光学不活性なクラウン化合物とは
異なる。
【発明の実施の形態】
【0015】本発明のキラルなビス(12−クラウン−
4)化合物は上記一般式(Ia)で表されるが、好まし
くは次の一般式(Ib)で表される。
【0016】
【化9】
【0017】ただし、XおよびYは原子鎖を構成する架
橋原子数が2〜6である2価の有機基を示し、R1およ
びR2はそれぞれ独立して水素またはC1〜C20の炭化水
素を示し、nは1〜7の整数である。
【0018】ここで、架橋原子数とは原子鎖の主鎖を形
成する骨格原子の数を意味し、従って、たとえばXが−
CH2O−のとき、架橋原子数は2(CとO)であり、
また、−COO−のときは2(CとO)、−CONH−
のときも2(CとN)である。
【0019】本発明のビスクラウン化合物はナトリウム
イオンを二つのキラルなクラウン環の間にはさんで選択
的に安定な2:1錯体を形成し、この性質を利用してた
とえば、高いナトリウム選択性電極用感応膜が得られ
る。したがって、XおよびYは、これを構成する原子鎖
の架橋原子数が前記したごとく2〜6が適当である。一
方、このようなビスクラウン化合物が容易に製造し得る
ように、XおよびYは−COO−、−CH2O−のよう
な官能性基を含む有機基であることが好ましい。
【0020】従って、本発明のキラルなビスクラウン化
合物として好ましいのは次の一般式(Ic)で表される
ものである。
【0021】
【化10】
【0022】ただし、Zは−COO−、−CH2O−ま
たは−CONH−を含む2価の有機基を示し、R1およ
びR2はそれぞれ独立して水素またはC1〜C20のアルキ
ル基を示し、pおよびqはp+q≦6を満たす0〜6の
整数であり、好ましくはp=qである。ここで、Zは代
表的には−COO−、−CH2COO−、−COOCH2
−、CH2O−または−CONH−である。
【0023】また、一般式(Ic)において、R1およ
びR2はそれぞれ独立に水素または炭化水素基である
が、この炭化水素基は好ましくはC1〜C20のアルキル
基である。特に、R1およびR2が共に水素であるか、共
にアルキル基またはアリル基であるビスクラウン化合物
が好ましく、この場合、pおよびqは好ましくは共に
0、1、または2である。R1およびR2が共にアルキル
基の場合、一方がC1〜C3の低級アルキル基であり、他
方がC12〜C16の長鎖アルキル基であるとき、カリウム
イオンやアンモニウムイオンのような妨害イオンが共存
してもナトリウムイオンに対して特に高い選択性を示す
ので好ましい。
【0024】従って、本発明のキラルなビスクラウン化
合物として特に好ましいのは、以下の一般式(II)、
(III)または(IV)で表されるものである。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】式(II)、(III)および(IV)に
おいて、R1およびR2はそれぞれ独立して水素またはC
1〜C20のアルキル基またはアリル基を示し、pおよび
qはそれぞれ0、1、または2であり、好ましくはR1
およびR2は共に水素であるか、または共にC1〜C20の
アルキル基であり、特に好ましくはR1はC1〜C3の低
級アルキル基であり、R2はC12〜C16の長鎖アルキル
基であり、かつp=qである。
【0029】さらに、次の一般式(V)で表されるビス
(12−クラウン−4)化合物も特に好ましいものであ
る。
【0030】
【化14】
【0031】ただし、式(V)において、pおよびqは
それぞれ独立して0、1または2であり、特に好ましく
は、p=q=1である。
【0032】上述の一般式(II)で表されるキラルな
ビスクラウン化合物は、次の化学式を有するキラルなヒ
ドロキシメチル−12−クラウン−4を種々のメチレン鎖
長を有する二塩基酸ジクロリドまたはジメチルエステル
と反応させることにより得られる。
【0033】
【化15】
【0034】また、一般式(III)で表されるビスク
ラウン化合物は上記ヒドロキシメチルクラウンをブロモ
メチルクラウンとし、これを縮合剤、たとえば水素化ナ
トリウムの存在下に各種鎖長のグリコールと反応させる
ことによって得られる。
【0035】一般式(IV)で表されるビスクラウン化
合物は、たとえば次の化学式で示されるキラルなクラウ
ンカルボン酸、またはその酸クロリドを各種メチレン鎖
長を有するジアミンと縮合させることにより得られる。
【0036】
【化16】
【0037】一般式(V)で表される化合物は、たとえ
ば前記のキラルなヒドロキシメチルクラウン化合物とブ
ロモメチルクラウン化合物とを水素化ナトリウムのよう
な縮合剤の存在下に反応させることにより得られる。
【0038】本発明のキラルなビス(12−クラウン−
4)化合物は、後述するように、イオン選択性電極のニ
ュートラルキャリヤーとして用いられるのに特に適して
いるが、他の形態により、ナトリウムイオンの分離や分
析に利用することもできる。たとえば、本発明のクラウ
ン化合物は抽出法に基づくナトリウムイオンの吸収剤と
しても利用できる。
【0039】その他、本発明のキラルなビス(12−クラ
ウン−4)化合物は、適当な熱可塑性樹脂等を用いて、
粒状物や繊維状物に成形して、ナトリウムイオンに対す
るイオン吸着樹脂またはクロマトグラフィー用充填剤に
応用することもできる。
【0040】本発明のキラルなビス(12−クラウン−
4)化合物をニュートラルキャリヤーとしてナトリウム
イオン電極用感応膜を調製する場合、この感応膜は固体
膜または液体膜として用いられる。
【0041】固体膜は、ビスクラウン化合物が支持体と
しての水不溶性固体有機重合体中に均一に分散されて成
型されている。ここで、該重合体はニュートラルキャリ
ヤーであるビスクラウン化合物を膜状に支持するための
マトリックスを形成して、ニュートラルキャリヤーが試
料水溶液等に溶出するのを妨げると共に、試料水溶液中
のナトリウムイオンがマトリックス内に適度に拡散し得
る性質を有することが必要である。
【0042】通常、支持体となる重合体としては、ポリ
塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニ
ル、シリコンゴム、パラフィン、コロジオン等の一種ま
たは二種以上の混合物が用いられる。ポリ塩化ビニルを
支持体とする感応膜は、通常、ポリ塩化ビニルと可塑剤
とビスクラウン化合物を適宜の低沸点の有機溶剤に溶解
し、たとえば、ペトリ皿中で溶剤を徐々に蒸発させるこ
とにより膜状に成形される。
【0043】可塑剤は得られる感応膜に適度のたわみ性
を与えるために用いられ、たとえばジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート、o
−ニトロフェニルオクチルエーテル、ジベンジルエーテ
ル等が用いられる。ポリ塩化ビニル用の可塑剤であれば
いずれも用いることができる。
【0044】また、シリコンゴムを支持体とする感応膜
のように、ビスクラウン化合物とシリコンゴム単量体
と、必要に応じて形成される膜を架橋するためのシラン
化合物とを適宜の有機溶剤に溶解し、膜状に重合成形
し、この後、成形物から脱溶剤することによっても製造
し得る。
【0045】固体膜におけるビスクラウン化合物は0.5
〜20重量%、好ましくは1〜15重量%であることが望ま
しい。ビスクラウン化合物の含量が少なすぎるときは応
答が悪くなり、多すぎるときは重合体中に均一に分散さ
せることが困難となるばかりでなく、不経済でもある。
ポリ塩化ビニルを支持体とする場合のように可塑剤を併
用するときは、可塑剤は固体膜において30〜80重量%が
適当である。
【0046】また、本発明のキラルなビス(12−クラウ
ン−4)化合物をニュートラルキャリヤーとするナトリ
ウムイオン電極用の液体膜においては、ビスクラウン化
合物が水不溶性有機溶剤に溶解されて液体膜として機能
する。ここで、水不溶性有機溶剤としては、高級アルコ
ール、芳香族および脂肪族炭化水素のニトロ置換体やハ
ロゲン置換体、芳香族エーテル、ある種の有機リン化合
物等が用いられる。好ましい具体例としては、1−デカ
ノール、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベン
ゼン、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、1,
2−ジクロルエタン、ジ−n−オクチルフェニルホスホ
ナート等が挙げられる。
【0047】液体膜におけるビスクラウン化合物の含量
は、前記と同じ理由から0.5〜20重量%、好ましくは1
〜10重量%である。液体膜は通常、セラミックスやセル
ロース質の多孔性支持体中に保有されて電極として用い
られる。フッ素樹脂からなる多孔性フィルム、たとえば
ミリポア膜も好ましい支持体のひとつである。
【0048】本発明による感応膜は、以上のように一定
鎖長の橋かけ構造により結合されたキラルなビス(12−
クラウン−4)化合物をニュートラルキャリヤーとして
用いるものであり、このビスクラウン化合物がカリウム
イオンやアンモニウムイオンまたは水素イオン等の妨害
イオンの存在にもかかわらず、ナトリウムイオンに対し
て特異的かつ選択的に安定な2:1錯体を形成するの
で、ナトリウムイオン濃度が極めて低い濃度においても
高い選択性で測定することができる。しかも、本発明の
キラルなビス(12−クラウン−4)化合物を用いる感応
膜は応答時間も短く、再現性にも優れているので、実用
価値の高いナトリウムイオン選択性電極を提供する。
【0049】以下、本発明の特徴をさらに明らかにする
ため、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0050】実施例1:R,R−(+)−ドデシル,メ
チル−ビス(12−クラウン−4)の製造
【0051】本発明に従うキラルなビス(12−クラウン
−4)化合物として、前述の一般式(II)においてR
1がメチル基、R2がドデシル基であり、p=q=0であ
るR,R−(+)−ドデシル,メチル−ビス(12−クラ
ウン−4)を合成した。
【0052】(S)−(+)−2−ヒドロキシメチル−
12−クラウン−4(比旋光度(ナトリウムD線,20℃)
=+30.8°,neat)2.1g(10mmol)を乾燥したベンゼ
ン30ml、乾燥したピリジン10mlと混合し、窒素雰囲気
下、1時間室温で撹拌した。次いで、1.6g(5mmol)
の2−ドデシル−2−メチルーマロン酸クロライドを20
mlの乾燥ベンゼンに加えた溶液を滴下し、窒素雰囲気
下、室温で一夜かき混ぜた。次いで、72時間還流加熱し
た後、反応液を、水冷した濃塩酸に加え、クロロホルム
で抽出した。次に、クロロホルム層を硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮、液体残留物をシリカゲルカラム(溶
媒:アセトン)に通し、分取用HPLCで精製した。無色の
粘稠な液体が395mg得られた(収率12%)。FAB-MS測定
ではm/e=663に(M+1)+ピークが認められ、所望
のクラウン化合物が得られていることが確認された。比
旋光度(ナトリウムD線,20℃)=+12.3°(c 1.56,
MeOH)であった。
【0053】実施例2:R,R−(+)−ジベンジル−
ビス(12−クラウン−4)の製造
【0054】実施例1と同様の方法で、2,2−ジベン
ジルマロン酸ジクロライドと(S)−(+)−2−ヒド
ロキシメチル−12−クラウン−4とを反応させ、収率15
%で、R,R−(+)−ジベンジル−ビス(12−クラウ
ン−4)が粘稠な無色液体として得られた。比旋光度
(ナトリウムD線,20℃)は+16.7°(c 1.44, MeO
H)であった。
【0055】実施例3:S,S−(−)−ドデシル,メ
チル−ビス(12−クラウン−4)の製造
【0056】(R)−(+)−2−ヒドロキシメチル−
12−クラウン−4(比旋光度(ナトリウムD線,20℃)
=−28.6°,neat)1.03g(5mmol)と2−ドデシル−
2−マチルマロン酸クロライドをピリジン5mlを加えた
乾燥ベンゼン25ml(合計量)中で反応せしめ、分取用HP
LCで精製した後、微黄色の粘稠な液体が184mg得られた
(収率11.2%)。FAB-MS測定により、m/e=663に
(M+1)+ピークが認められ、所望のクラウン化合物
が得られていることが確認された。比旋光度(ナトリウ
ムD線,20℃)=−12.1°(c 1.56, MeOH)。
【0057】実施例4:その他のキラルなビス(12−ク
ラウン−4)化合物の製造
【0058】実施例1〜実施例3と同様の方法により、
本発明に従う種々のキラルなビス(12−クラウン−4)
を合成した。その結果を表1にまとめる。
【0059】
【表1】
【0060】実施例5:錯体形成能試験
【0061】実施例1および実施例2で製造した本発明
のキラルなビス(12−クラウン−4)化合物のナトリウ
ムイオン選択性を調べるために、それらのクラウン化合
物と、LiCl、NaClまたはKClを含有するグリセロール/
2O(2:1)溶液各0.0033mol/dm3を混合して錯体
を形成し、FAB-MSによって[ビス(12−クラウン−4)
−M+ ]イオンピークの相対的な強度比を求めた。
【0062】比較のために、対応する光学不活性なビス
(12−クラウン−4)化合物(ラセミ混合物)について
も同様の試験を行った。結果を以下の表2に示す。な
お、[ビスクラウン化合物−Li+]のイオンピークは認
められなかった。
【0063】 〔表2〕FAB-MSによるK+およびNa+錯体ピークの強度の測定
【0064】 ビス(12−クラウン−4)化合物 ピーク強度比(Na+/K+
【0065】 R,R-(+)-ト゛テ゛シル,メチル-ヒ゛ス(12-クラウン-4)〔実施例1〕 26.4
【0066】 光学不活性−ト゛テ゛シル,メチル-ヒ゛ス(12-クラウン-4)〔ラセミ混合物〕 6.9
【0067】 R,R-(+)-シ゛ヘ゛ンシ゛ル-ヒ゛ス(12-クラウン-4) 〔実施例2〕 10.0
【0068】 光学不活性−シ゛ヘ゛ンシ゛ル-ヒ゛ス(12-クラウン-4) 〔ラセミ混合物〕 6.0
【0069】 S,S-(+)-ト゛テ゛シル,メチル-ヒ゛ス(12-クラウン-4)〔実施例3〕 27.7
【0070】 光学不活性−ト゛テ゛シル,メチル-ヒ゛ス(12-クラウン-4)〔ラセミ混合物〕 6.9
【0071】すなわち、本発明のキラルなビス(12−ク
ラウン−4)を使用すると、錯体ピーク強度の比(Na+
選択性)が光学不活性なラセミ混合物に比べて増加す
る。
【0072】イオン選択性電極のイオン選択性は、電極
膜への目的イオンの抽出平衡定数と錯体の安定度定数に
支配されると考えられる。光学純度によって抽出平衡定
数は変化しないと考えられるので、FAB-MS測定による錯
体ピーク強度比の増加は、安定度定数が光学活性体の方
が大きいことによると考えられる。
【0073】後述の実施例に示すように、ピーク強度の
比(Na+/K+ )はイオン選択係数(logKNa,K)の比と
ほぼ一致しており、本発明のキラルなビス(12−クラウ
ン−4)を用いると、カリウムイオン共存下においてき
わめてナトリウムイオン選択性の高いイオン選択性電極
が得られることが裏付けられる。また、本試験結果は、
本発明のキラルなビス(12−クラウン−4)化合物が、
ナトリウムイオンに対する高選択性の吸収剤や吸着素材
などとしても用いられるのに適していることを示してい
る。
【0074】実施例6:イオン選択性電極感応膜の性能
試験
【0075】実施例1〜実施例3で製造したビスクラウ
ン化合物をニュートラルキャリヤーとするイオン選択性
電極用感応膜を調製してその性能を調べた。
【0076】感応膜は、ビスクラウン化合物5mg、膜溶
媒(可塑剤)125mgおよびポリ塩化ビニル50mgをテトラ
ヒドロフラン3mlに溶解し、DKK社製イオン電極キッ
トを用いて調製した。外部参照電極にAg・AgCl電極を用
い、Ag・AgCl/内部液/膜/測定試料溶液/0.1M NH4N
O3/4M KCl/AgCl・Agの電極構成により測定試料溶液
中のナトリウムイオンの活量と電極間電位差を測定し、
検量線を作成した。測定は25±0.1℃で行った。感応膜
にはアニオン排除剤としてNaTFPBまたはNaHFPBを加え
た。
【0077】選択係数(logKNa,M) および検出下限(lo
gANa)を求めた。その結果を表3に示す。表3には比較
のために、対応する光学不活性なビスクラウン化合物
(ラセミ混合物)について同様の試験を行った結果も示
している。
【0078】なお、選択係数は混合溶液法で求めた。す
なわち、測定試料溶液における妨害イオンM+の活量を
一定に保ち、ナトリウムイオンの活量を変化させて電極
間電位差を測定し、ネルンスト応答を示さなくなるナト
リウムイオンの活量を求め、これを妨害イオンM+の活
量で除して求めた。この数値が低いほど良好な選択性を
示す。
【0079】
【表3】
【0080】表3から明らかなように、本発明のキラル
なビス(12−クラウン−4)をニュートラルキャリヤー
として用いると、選択係数(logKNa,K)の全てにおいて
光学不活性ビス(12−クラウン−4)化合物(ラセミ混
合物)にまさる好結果が得られている。さらに、ナトリ
ウムイオンに対する検出下限は約1桁の向上が認められ
る。これは、ナトリウムイオンの水素イオンに対する選
択性がキラルなビス(12−クラウン−4)で向上するこ
とに基づくものと考えられる。キラルなビス(12−クラ
ウン−4)のR,R(+)体とS,S(−)体の間に
は、性能に大きな相違は認められない。
【0081】また、R,R−(+)−ドデシル,メチル
−ビス(12−クラウン−4)を用いたイオン選択性電
極について応答時間および再現性を試験したところ、次
の表4に示すように非常に優れている。
【0082】 [表4] 応答時間および再現性
【0083】 Na+濃度の変化 t90(分) Eav(mV) Edev(mV)
【0084】 10-6 →10-4(M) 2 −201 <±1
【0085】 10-4 →10-2(M) 4 −90 <±1
【0086】 10-2 →10(M) 4 20 <±1
【0087】実施例7:イオン選択性電極感応膜の性能
試験
【0088】実施例4に示す本発明のキラルなビス(12
−クラウン−4)を用いて調製した感応膜について、実
施例6と同様に、選択係数(logKNa,M)および検出下限
(logANa)を調べた。比較のために、対応する光学不活
性なビスクラウン化合物(ラセミ混合物)を用いた場合
についても試験を行った。
【0089】その結果を表5に示す。表に示すように、
キラルなビスクラウン化合物を用いた感応膜は、光学不
活性なビスクラウン化合物(ラセミ混合物)より、選択
係数および検出下限において向上している。
【0090】
【表5】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(Ia)で表されることを
    特徴とするナトリウムイオン選択性ビス(12−クラウン
    −4)化合物。 【化1】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、Aは2価の
    有機基を示す。)
  2. 【請求項2】 下記の一般式(Ib)で表されることを
    特徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合
    物。 【化2】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、XおよびY
    は原子鎖を構成する架橋原子数が2〜6である2価の有
    機基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して水素また
    はC1〜C20の炭化水素基を示し、nは1〜7の整数で
    ある。)
  3. 【請求項3】 下記の一般式(Ic)で表されることを
    特徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合
    物。 【化3】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、Zは−CO
    O−、−CH2O−または−CONH−を含む2価の有
    機基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して水素また
    はC1〜C20のアルキル基を示し、pおよびqはp+q
    ≦6を満たす0〜6の整数である。)
  4. 【請求項4】 下記の一般式(II)で表されることを
    特徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合
    物。 【化4】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、R1および
    2はそれぞれ独立して水素またはC1〜C20のアルキル
    基を示し、pおよびqはそれぞれ独立して0、1または
    2である。)
  5. 【請求項5】 下記の一般式(III)で表されること
    を特徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合
    物。 【化5】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、R1および
    2はそれぞれ独立して水素またはC1〜C20のアルキル
    基を示し、pおよびqはそれぞれ独立して0、1または
    2である。)
  6. 【請求項6】 下記の一般式(IV)で表されることを
    特徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合
    物。 【化6】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、R1および
    2はそれぞれ独立して水素またはC1〜C20のアルキル
    基を示し、pおよびqはそれぞれ独立して0、1または
    2である。)
  7. 【請求項7】 下記の一般式(V)で表されることを特
    徴とする請求項1のビス(12−クラウン−4)化合物。 【化7】 (但し、式中*はキラルな炭素原子を示し、pおよびq
    はそれぞれ独立して0、1または2である。)
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7に記載のビス(12−
    クラウン−4)化合物の少なくとも一種をニュートラル
    キャリヤーとして含有することを特徴とするナトリウム
    イオン選択性電極用感応膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008076491A3 (en) * 2006-09-21 2008-12-31 Medtronic Inc Sensor for implantable medical device

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