JPH09208816A - ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物

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JPH09208816A
JPH09208816A JP3904996A JP3904996A JPH09208816A JP H09208816 A JPH09208816 A JP H09208816A JP 3904996 A JP3904996 A JP 3904996A JP 3904996 A JP3904996 A JP 3904996A JP H09208816 A JPH09208816 A JP H09208816A
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JP
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weight
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polyethylene terephthalate
resin
epoxy
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JP3904996A
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Kazuaki Matsumoto
一昭 松本
Kazufumi Hirobe
和史 広部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性、機械的強度性、流動性に優れ、
かつ高温で長時間滞留させても粘度変化の起こりにくい
ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ゲルマニウム系触媒を用いて重合
された、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主たる
構成成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂10
0重量部に対し、(B)分子内にエポキシ基を少なくと
も2個有するエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂0.
05〜50重量部、(C)ジブチルフタレート吸油量が
400ml/100g以下であるカーボンブラック0.01
〜5重量部、及び(D)強化充填剤2〜150重量部を
配合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐湿熱性、機械的強度
性、流動性に優れ、かつ高温で長時間滞留させても粘度
変化の起こりにくいポリエチレンテレフタレート系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、
機械的性質、化学的性質等に優れるため、従来から繊
維、フィルム、成形用材料等として広く用いられてい
る。ポリエチレンテレフタレート系樹脂の重合時に用い
られる触媒としては、アンチモン化合物が工業的には最
も有利であるため一般的に用いられているが、このほか
にも、ゲルマニウム化合物、スズ化合物、チタン化合物
等が知られている。また、カーボンブラックをポリエチ
レンテレフタレート系樹脂に添加する方法は、樹脂を黒
色に着色する目的、樹脂に摺動性を与える目的、樹脂に
帯電防止性を付与する目的等で古くから一般的に用いら
れている。更に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は
分子内にエステル結合を有するため、高温高湿度等の条
件に長時間さらされるとエステル結合が加水分解を受け
るため、機械的強度が低下する、すなわち耐湿熱性が低
下するという問題点がある。このため、電気炊飯器用途
等、耐湿熱性を必要とする用途へのポリエチレンテレフ
タレート系樹脂の適用が制限されている。これを改善す
るため、例えば特開昭46−5389では、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂に、分子中にカルボジイミド基を
有する化合物を配合し、強度低下を防ぐ方法が示されて
いる。また、特公昭47−13860では、ポリエチレ
ンテレフタレートにエポキシ化合物等の多官能性化合物
を添加することにより、分子量が増大し、衝撃強度を改
良できることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分子内
にカルボジイミド基を有する化合物は高価であると共
に、該化合物をポリエチレンテレフタレート樹脂に配合
した場合、着色しやすいという欠点を有している。ま
た、多官能のエポキシ化合物を添加して耐湿熱性をある
程度改善することもできるが、この方法では得られた樹
脂を高温で長時間滞留させると、樹脂の粘度が上昇し流
動性が徐々に悪化してしまう。これらの問題に対し本発
明者らは、エポキシ化合物を添加する際に、ゲルマニウ
ム触媒を用いて重合されたポリエチレンテレフタレート
系樹脂を用いることにより、樹脂の流動性を保持したま
ま、耐湿熱性に優れた樹脂が得られることを見い出した
(特願平7−61826、同61827、同6182
8)。ところが、耐湿熱性をさらに向上させるためにエ
ポキシ化合物を多量に添加した場合や、低エポキシ当量
エポキシ化合物を用いた場合、更には微量の不純物が混
入した場合などには、ゲルマニウム触媒を用いて重合さ
れたポリエチレンテレフタレート樹脂を用いても、なお
かつ高温滞留時に粘度の上昇が起こり、流動性が低下し
てしまうことが判明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するため鋭意検討を行った結果、ゲル
マニウム系触媒を用いて重合されたポリエチレンテレフ
タレート系樹脂に、分子中にエポキシ基を2個以上有す
る化合物と、必要に応じ、強化充填剤とを、それぞれ特
定量添加し、これになおかつ特定のカーボンブラックを
特定量添加することにより、優れた耐湿熱性、機械的強
度を保持したまま、樹脂の粘度変化が抑えられることを
見出し、本発明に至った。
【0005】即ち、本発明の第1は、(A)ゲルマニウ
ム系触媒を用いて重合された、エチレンテレフタレート
繰り返し単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレ
フタレート系樹脂100重量部に対し、(B)分子内に
エポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ化合物及び
/又はエポキシ樹脂0.05〜50重量部、(C)ジブチ
ルフタレート吸油量が400ml/100g以下であるカ
ーボンブラック0.01〜5重量部、及び(D)強化充填
剤2〜150重量部を配合してなるポリエチレンテレフ
タレート系樹脂組成物を内容とする。
【0006】本発明の第2は、(A)ゲルマニウム系触
媒を用いて重合された、エチレンテレフタレート繰り返
し単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂100重量部に対し、(B)分子内にエポキ
シ基を少なくとも2個以上有するエポキシ化合物及び/
又はエポキシ樹脂0.05〜50重量部、(C)ジブチル
フタレート吸油量が400ml/100g以下であるカー
ボンブラック0.05〜5重量部、(D)強化充填剤2〜
150重量部、及び(E)珪酸塩化合物及び珪酸からな
る群から選ばれる無機化合物の1種以上0.1〜60重量
部を配合してなるポリエチレンテレフタレート系樹脂組
成物を内容とする。
【0007】本発明に用いられる(A)ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂は、重合時の触媒にゲルマニウム系
触媒を用いて重合されたものである。重合反応触媒とし
て用いられるゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲル
マニウム等のゲルマニウム酸化物、ゲルマニウムテトラ
エトキシド、ゲルマニウムテトライソプロポキシド等の
ゲルマニウムアルコキシド、水酸化ゲルマニウム及びそ
のアルカリ金属塩、ゲルマニウムグリコレート、塩化ゲ
ルマニウム、酢酸ゲルマニウム等が挙げられ、これらは
単独又は2種以上組み合わせて用いられる。中でも二酸
化ゲルマニウムを用いるのが好ましい。ゲルマニウム化
合物の添加量は、ポリエチレンテレフタレートに対して
0.005〜0.1重量%が好ましく、0.01〜0.05重量
%がさらに好ましい。0.05重量%未満では、(A)ポ
リエチレンテレフタレート系樹脂の重合が進行しにく
く、また0.1重量%を越えると、得られた樹脂に多くの
ゲルマニウム系触媒が残存するため好ましくない副反応
が生じる場合がある。また、添加時期は重合反応開始前
の任意の時点でよい。
【0008】また、本発明に用いられるポリエチレンテ
レフタレート系樹脂は、エチレンテレフタレート繰り返
し単位を主たる構成成分とするもので、好ましくは少な
くとも80%、より好ましくは85%以上、さらに好ま
しくは90%以上のエチレンテレフタレート繰り返し単
位を含むものである。エチレンテレフタレート繰り返し
単位が80%未満では、ポリエチレンテレフタレート樹
脂の特徴である優れた物性バランスが崩れる傾向があ
る。共重合成分としては公知の酸成分、アルコール及び
/又はフェノール成分、あるいはこれらのエステル形成
性誘導体が使用できる。酸成分としては炭素数8〜22
の2価以上の芳香族カルボン酸、炭素数4〜12の2価
以上の脂肪族カルボン酸、さらには炭素数8〜15の2
価以上の脂環式カルボン酸、及びこれらのエステル形成
性誘導体等が挙げられる。具体的には、テレフタル酸以
外に、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ビス(p−カルボキシフェニル)メタンアントラセンジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイ
ン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、及びこれらのエステル形成
性誘導体等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み
合わせて用いられる。
【0009】アルコール及び/又はフェノール成分とし
ては、炭素数3〜15の2価以上の脂肪族アルコール、
炭素数6〜20の2価以上の脂環式アルコール、炭素数
6〜40の2価以上の芳香族アルコール又はフェノー
ル、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
具体的には、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキ
サンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ール、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、及びこれらのエステル形成性誘導体等が
挙げられる。また、p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸のようなオキシ酸及びこれらのエス
テル形成性誘導体、ε−カプロラクトンのような環状エ
ステル等も使用可能である。さらに、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール単位を高分
子鎖中に一部共重合させたものを用いることもできる。
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0010】上記のポリエチレンテレフタレート系樹脂
の製造方法は、用いる触媒以外は特に限定されず、公知
の種々の重合方法を用いることができる。例えば、ま
ず、テレフタル酸とエチレングリコールとを無触媒又は
触媒(スズ化合物やチタン化合物等が用いられる)の存
在下に直接エステル化させる方法、あるいはテレフタル
酸ジメチルとエチレングリコールとを触媒(マグネシウ
ム、亜鉛、コバルト、カルシウム、マンガン等の化合物
が用いられる)の存在下にエステル交換させる方法等に
よって、低重合度の重合体を合成し、次いでこの低重合
度の重合体を、高温、高真空下で、ゲルマニウム化合物
からなる重合触媒を添加して溶融重縮合あるいは固相重
縮合によって縮合重合を行い、エステル交換と脱エチレ
ングリコールを行うことによって、ポリエチレンテレフ
タレート系樹脂を製造する方法を挙げることができる。
低重合度の重合体を縮合重合させる際に、ゲルマニウム
化合物以外の他の触媒、例えば一般に良く用いられてい
るアンチモン系触媒等を用いて重合されたポリエチレン
テレフタレート系樹脂を用いると、耐湿熱性の改善効果
に劣る上、流動性が低下する等の他、高温滞留時に粘度
上昇やゲル化等の副反応が生じる。
【0011】なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
を製造する際には、色調を改良する等の目的でリン酸化
合物、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸モ
ノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸
メチルジエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプ
ロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン
酸トリベンジル、リン酸トリシクロヘキシル、亜リン酸
トリメチル、亜リン酸メチルジエチル、亜リン酸トリエ
チル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリブチ
ル、亜リン酸トリフェニル等の化合物を単独又は2種以
上組み合わせてエステル化反応あるいはエステル交換反
応後に添加してもよい。
【0012】さらに、得られたポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂の結晶化度を高める目的で、重合時に通常良
く知られた各種結晶核剤を、単独又は2種以上組み合わ
せて添加してもよい。
【0013】なお、前記の如く製造されるポリエチレン
テレフタレート系樹脂は、通常0.35〜1.20の固有粘
度〔フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン
=50/50(重量比)、0.5%(重量比、以下同様)
濃度、25℃、以下同様〕を有するものであるが、結晶
化速度、流動性、機械的強度等とのバランスの面から、
固有粘度0.40〜0.95のものが好ましく、0.50〜0.
90のものがさらに好ましい。0.35未満では機械的強
度が低下し、また1.20を越えると流動性が低下する。
【0014】本発明に用いられる(B)分子内にエポキ
シ基を少なくとも2個有するエポキシ化合物及び/又は
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリン等との反応により合成されるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、同様の反応により合成される
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリン等との反応により合成さ
れるハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂あるい
はハロゲン化ビスフェノールA型フェノキシ樹脂のうち
末端を封鎖あるいは変性していないもの、ノボラック樹
脂とエピクロルヒドリン等との反応により合成されるノ
ボラック型エポキシ樹脂、多価の脂肪族、脂環式、芳香
族アルコールとエピクロルヒドリンとの反応により合成
されるグリシジルエーテル化合物、不飽和基を複数有す
る脂肪族もしくは脂環式化合物を酢酸と過酢酸とでエポ
キシ化したエポキシ化合物、多価の脂肪族、脂環式、芳
香族アミンとエピクロルヒドリンとの反応により合成さ
れるグリシジルアミン化合物、含窒素ヘテロ環を複数有
する化合物とエピクロルヒドリン等との反応により合成
されるエポキシ化合物等が挙げられる。
【0015】エポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂の
分子中に含まれるエポキシ基が2個未満では、得られた
重合の耐湿熱性改善効果がほとんど認められない。ま
た、エポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂の分子中に
エステル結合を有していると、エポキシ化合物及び/又
はエポキシ樹脂自体の耐湿熱性が劣る上、成形加工時に
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とのエステル交換反
応等の副反応を生じる等の問題があるため、エポキシ化
合物及び/又はエポキシ樹脂は分子中にエステル結合を
有しないものを用いるのが好ましい。
【0016】これらエポキシ化合物及び/又はエポキシ
樹脂の具体例としては、例えばエピコート828、エピ
コート1001、エピコート152(共に油化シェルエ
ポキシ株式会社製)等の商品名で知られるエポキシ樹
脂、デナコールEM−125、デナコールEX−110
1、デナコールEX−1102、デナコールEX−11
03(共に長瀬化成工業株式会社製)等の商品名で知ら
れるエポキシエマルジョン、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のア
ルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグ
リシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エ
リスリットポリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
ポリグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエ
ーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリ
グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリ
グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエー
テル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジグリ
シジルアニリン、テトラグリシジル4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン、トリグリシジルトリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート両末端が封鎖あるいは変
性されていないテトラブロモビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、両末端が封鎖されていないテトラブロモビスフ
ェノールA型フェノキシ樹脂、等が挙げられる。これら
は単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0017】(B)エポキシ化合物及び/又はエポキシ
樹脂のエポキシ当量は、好ましくは2500以下、さら
に好ましくは2400以下、更に好ましくは2300以
下である。エポキシ当量が2500を越えると、耐湿熱
性が劣る傾向がある。
【0018】(B)分子内にエポキシ基を少なくとも2
個有するエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂の使用
量は、使用する化合物のエポキシ当量や分子量、反応性
等によっても異なるが、(A)ポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂100重量部に対して、0.05〜50重量
部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.
15〜30重量部である。(B)エポキシ化合物及び/
又はエポキシ樹脂が0.05重量部未満の場合には、得ら
れた成形体の機械的強度、耐湿熱性等の改善効果が少な
く、50重量部を越えると得られる組成物の流動性が大
幅に低下する。
【0019】本発明に用いられる(C)カーボンブラッ
クとしては、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法
等の公知の方法によって製造されるものを使用すること
ができる。
【0020】カーボンブラックのジブチルフタレート吸
油量(アイソトープメーターを使用し、粉末状カーボン
ブラックにジブチルフタレートを添加した時の最大トル
ク70%から求めたカーボンブラック100g当りのジ
ブチルフタレート吸油量)は、400ml/100g以
下、好ましくは350ml/100g以下、さらに好まし
くは300ml/100g以下である。ジブチルフタレー
ト吸油量が400ml/100gを越えると樹脂の機械的
強度が低下する。カーボンブラックの粒径には特に限定
はないが、数平均粒径200nm以下のものが、樹脂中
での分散性に優れるため好ましい。また、樹脂中での分
散性や樹脂との密着性を高めるため、表面処理を施した
カーボンブラックを用いることもできる。
【0021】(C)カーボンブラックの添加量は、0.0
1〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部、更に好ま
しくは0.05〜3重量部である。0.01重量部未満では
樹脂の粘度変化を防止する効果に乏しく、5重量部を越
えると機械的強度等が低下する。
【0022】また、作業性を高めるために、予め多量の
カーボンブラックをポリエチレンテレフタレート系樹脂
及び/または本発明の効果を損なわない範囲でその他の
樹脂と混練し、これを本発明の難燃性樹脂組成物に混合
することもできる。この際、ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂と予め混練する場合には、前に述べたものと同
様の理由によりゲルマニウム系触媒を用いて重合された
ものを用いるのが好ましい。また、予め混練する際に
は、樹脂の劣化を防ぐために各種安定剤を添加すること
もできる。カーボンブラックと樹脂とを予め混合する際
には、樹脂とカーボンブラックとの割合は、5重量%/
95重量%〜70重量%/30重量%が好ましい。5重
量%/95重量%よりもカーボンブラックが少ないと予
め混練することにより樹脂の劣化が進行し、70重量%
/30重量%よりもカーボンブラックが多いと混練時の
加工が困難になり好ましくない。
【0023】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物は、以上の成分のほかに、更に(D)強化充填
剤が必要であり、公知慣用のものがそのまま使用でき
る。強化充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズ、ガラスフレ
ーク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
などが挙げられる。該強化充填剤としては、ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維状強化剤が好ましく、作業性
の面から、集束剤にて処理されたチョップドストランド
ガラス繊維を用いるのが好ましい。また、樹脂と繊維状
強化剤との密着性を高めるため、繊維状強化剤の表面を
カップリング剤で処理したものが好ましく、バインダー
を用いたものであってもよい。
【0024】前記カップリング剤としては、例えばγ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合
物が、またバインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、
ウレタン樹脂等が好ましく用いられるが、これらに限定
されるものではない。これらは単独又は2種以上組み合
わせて用いられる。
【0025】該強化充填剤にガラス繊維を用いる場合、
直径1〜20μm、長さ0.01〜50mm程度が好まし
い。繊維長が短すぎると強化の効果が十分でなく、逆
に、長すぎると成形品の表面性や押出加工性、成形加工
性が悪くなる。
【0026】(D)強化充填剤物は、1種又は2種以上
組み合わせて使用でき、その使用量は(A)ポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂組成物100重量部に対して2
〜150重量部までであり、好ましくは3〜140重量
部までであり、さらに好ましくは5〜120重量部であ
る。強化充填剤の使用量が150重量部を越えると押出
加工性、成形加工性が低下し、また、2重量部未満では
機械的強度等の諸物性が大幅に劣る。
【0027】更に本発明では、(E)珪酸塩化合物及び
珪酸からなる群から選ばれる1種以上の無機化合物を用
いることにより、成形ハイサイクル化の要求に対して充
分満足しうる成形流動性、離型性を付与することができ
る。該無機化合物の中で、珪酸塩化合物とは化学組成に
してSiO2 単位を含む粉体状、粒状、針状、板状など
の形状を持つ化合物であって、例えば、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、タルク、マイ
カ、ワラストナイト、カオリン、珪藻土、ベントナイ
ト、クレーなどが挙げられる。なかでもタルク、マイ
カ、カオリンが好ましい。
【0028】かかる(E)無機化合物は1種あるいは2
種以上混合して使用でき、その使用量は、(A)ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂100重量部に対して、0.
1〜60重量部、好ましくは1〜45重量部、さらに好
ましくは2〜30重量部である。使用量が0.1重量部未
満の場合、流動性、離型性に対して効果が小さくなり、
60重量部を越えた場合、難燃性樹脂組成物の機械的強
度が低下する。
【0029】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物には、(F)結晶化促進剤を添加することによ
り、更に離型性を向上させると共に、成形体表面の光沢
を向上させることができ、特に低温金型での離型性及び
表面光沢を向上させることができる。該結晶化促進剤と
しては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサ
イド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリテト
ラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオ
キシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキ
シド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラ
ン付加重合体等のポリアルキレングリコールあるいはそ
の末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物と
いったポリアルキレングリコール類、ポリ−ε−カプロ
ラクトン等の脂肪族ポリエステル類、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート等のポリエステル系単位と、下記一般式(I)
【0030】
【化1】
【0031】(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキル基
を、kは5以上の整数で、k個のR1はそれぞれ異なっ
てもよい)
【0032】
【化2】
【0033】(式中、R2 は炭素数2〜5のアルキル基
を、Xは2価の結合基又は直接結合を表し、m及びnは
それぞれ1以上の整数で且つm+nは3以上の整数を表
し、m及びn個のR2 はそれぞれ異なってもよい)で表
される分子量400以上のポリエーテル単位とからな
る、ポリエチレンテレフタレート系樹脂よりもガラス転
移温度の低いポリエステル−ポリエーテル共重合体、ポ
リエチレンテレフタレート−ポリ−ε−カプロラクトン
共重合体、ポリテトラメチレングリコール−ポリ−ε−
カプロラクトン共重合体等の、ポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂よりもガラス転移温度の低いポリエステル−
脂肪族ポリエステル共重合体、ネオペンチルグリコール
ジベンゾエート、ジオクチルフタレート、トリフェニル
ホスフェート、ブタン−1,3−ジオールアジペートオ
リゴマー、ブタン−1,4−ジオールアジペートオリゴ
マー、ヘキサン−1,6−ジオールアジベートオリゴマ
ー、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケートといっ
た可塑剤等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み
合わせて用いられる。結晶化促進剤として有機のカルボ
ン酸金属塩を用いた場合は、耐湿熱性及び流動性が低下
するので好ましくない。
【0034】上記結晶化促進剤のなかで、機械的強度、
耐熱性やブルーミング性等の点からポリエステル−ポリ
エーテル共重合体が好ましい。該共重合体のポリエステ
ル単位としては、エチレンテレフタレート単位及び/又
はテトラメチレンテレフタレート単位を主たる構成成分
とするポリアルキレンテレフタレートが機械的強度、成
形性や離型性などの点から好ましい。
【0035】また、ポリエーテル単位としては、一般式
(I)及び/又は一般式(II)で表される単位であって、
一般式(I)中のR1 の具体例としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソプロピレン、テトラメチレン基等
が挙げられ、一般式(II)中のR2 の具体例としては、例
えばエチレン、プロピレン、イソプロピレン、テトラメ
チレン等が挙げられ、更にXの具体例としては、例え
ば、−C(CH3 2 −、−CH2 −、−S−、−SO
2 −、−CO−等の2価の結合基、あるいは直接結合が
挙げられる。更に、ポリエーテル単位においては、一般
式(I)中のkは5以上の整数、一般式(II)中のm及
びnは1以上の正数であってかつ、m+nは3以上であ
る整数を表し、いずれも分子量が400以上の単位であ
る。ポリエーテル単位の分子量としては、より好ましく
は600〜6000、更に好ましくは800〜3000
である。分子量が400未満では、樹脂組成物の離型性
や成形体の表面光沢改善の効果が小さく、6000を越
えると均質な共重合体が得られ難くなり、樹脂組成物に
添加した場合、機械的強度の低下などを招くので好まし
くない。
【0036】該ポリエーテル単位の具体例としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンオキシド
・プロピレンオキシド)共重合体、ポリ(エチレンオキ
シド・プロピレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重
合体、ビスフェノールAあるいはビスフェノールSなど
のビスフェノール類のエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシド
付加重合体などの残基が挙げられる。これらは、単独あ
るいは2種以上混合して用いられるが、特に、一般式(I
I)で表されるポリエーテル単位を1種以上からなる場
合、熱安定性及び得られる樹脂組成物を低温金型で成形
した場合の離型性及び成形体の表面性などの点から好ま
しい。これらの中では、ビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加重合体、ビスフェノールAのプロピレンオキ
シド付加重合体、ビスフェノールAのテトラヒドロフラ
ン付加重合体、ビスフェノールAのエチレンオキシド・
プロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのエ
チレンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのプロピ
レンオキシド付加重合体、ビスフェノールSのテトラヒ
ドロフラン付加重合体、ビスフェノールSのエチレンオ
キシド・プロピレンオキシド付加重合体などが好ましく
用いられる。
【0037】該共重合体におけるポリエーテル単位の共
重合量は、得られた共重合体100重量%において、3
〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、更に好ま
しくは25〜50重量%である。3重量%未満では、低
温金型で成形した際の離型性や表面光沢が不充分であ
り、60重量%を越えると成形体の機械的強度や耐湿熱
性等が低下する傾向がある。
【0038】該共重合体の固有粘度は0.35以上であ
り、好ましくは0.40〜2.00、更に好ましくは0.50
〜1.50である。固有粘度が0.35未満では得られる樹
脂組成物の耐熱性の低下が見られ、2.00を越えると分
散性が低下して、得られる樹脂組成物の機械的強度が低
下するので好ましくない。
【0039】該(F)結晶化促進剤の添加量は結晶化促
進剤の種類及び分子量によっても異なるが、概ね、
(A)ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部
に対して0.05〜50重量部であり、例えば、ポリアル
キレングリコール類、脂肪族ポリエステル類、可塑剤な
どの低分子量の結晶化促進剤の場合は、0.05〜30重
量部、上記ポリエステル−ポリエーテル共重合体あるい
はポリエステル−脂肪族ポリエステル共重合体などの場
合は0.5〜50重量部である。更に、ポリエステル−ポ
リエーテル共重合体の添加量において、好ましくは1〜
40重量部、更に好ましくは2〜35重量部である。添
加量が上記の下限量未満では、低温金型での離型性や表
面光沢が不充分であり、また上記の上限量を越えると、
難燃性樹脂組成物の機械的強度、耐熱性や耐湿熱性等が
低下する。
【0040】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物には、さらに必要に応じて、酸化防止剤などの
熱安定剤を使用することができる。該安定剤としては、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、n−オク
タデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ビス−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、N,N−ビス−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレートなどのフェノール系抗酸化剤、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ
ステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトール−ジ−ホスファイトなどの燐系酸化防
止剤、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリ
ル−チオプロピオネート)などのチオエーテル系酸化防
止剤などが挙げられる。
【0041】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物に難燃性が必要となる場合には、ハロゲン化ポ
リスチレン、ハロゲン化エポキシ化合物、ハロゲン化フ
ェノキシ樹脂、ハロゲン化ポリカーボネート等のハロゲ
ン系難燃剤、及び三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、アンチモン酸ナトリウム、等のアンチモン化合物に
代表される難燃助剤等を添加することにより、本発明の
組成物を難燃化することができる。
【0042】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物には、さらに紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、
離型剤、可塑剤、核剤、顔料、染料、帯電防止剤、分散
剤、相溶化剤、抗菌剤、などの添加剤を単独または2種
類以上併せて使用することができる。さらに、必要に応
じ本発明以外の無機化合物を併用してもよい。
【0043】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物には、機械的特性、流動性、耐湿熱性などを損
なわない範囲でさらに他の任意の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂
以外の飽和あるいは不飽和のポリエステル系樹脂、液晶
ポリエステル系樹脂、ポリエステルエステルエラストマ
ー系樹脂、ポリエステルエーテルエラストマー系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリサルホン系樹脂、
ポリアリレート系樹脂、ポリフッ素化エチレン系樹脂等
を単独あるいは2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0044】本発明のポリエチレンテレフタレート系樹
脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではない。
例えば上記に挙げられた成分を予め均一に混合した後、
単軸あるいは多軸の押出機に供給し、230〜330℃
で溶融混合され、続いて冷却してペレットとして製造さ
れる。
【0045】本発明で製造された熱可塑性樹脂組成物の
成形加工法は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹
脂について一般に用いられている成形法、すなわち射出
成形、中空成形、押出成形、シート成形、ロール成形、
プレス成形、積層成形、溶融キャスト法によるフィルム
成形、紡糸等の成形方法が適用できる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下では特にことわりがない限り、「部」は重量部
を、「%」は重量%を意味する。また、各種特性の評価
は、下記の評価方法で行なった。
【0047】評価方法 得られた樹脂組成物を熱風乾燥機を用いて140℃で4
時間以上乾燥した後、50t射出成形機を用い、シリン
ダー温度270℃、金型温度120℃にて成形を行い、
ASTM1号ダンベル、及び厚み1/4インチ、幅12
mm、長さ127mmのバーを得て、以下の評価を行なっ
た。
【0048】<引張強度>ASTM1号ダンベルを、A
STM D−790に従い引張試験を行い、最大強度を
求めた(MPa)。
【0049】<流動性>JIS K−7210に準じ、
280℃、予熱時間5分にてB法フローを測定し、流動
性を求めた(10-2cc/sec)。
【0050】<粘度変化率>JIS K−7210に準
じ、280℃、予熱時間5分および15分にてB法フロ
ー値を測定し、以下の式に従って粘度変化率を求めた
(%)。
【0051】<耐湿熱性>1/4インチバーを121℃
飽和加圧水蒸気下にて30時間保持して耐湿熱性処理を
行なった。耐湿熱性処理前後のバーをASTM D−7
90に従い曲げ試験を行い、最大強度を求め、以下の式
に従って曲げ強度保持率を求めた(%)。
【0052】<離型性>得られた樹脂組成物を140℃
にて4時間以上乾燥した後、50t射出成形機を用いて
シリンダー温度300℃、金型温度120℃にて厚み1
/4インチ(幅12mm、長さ127mm)のバーを射出成
形したとき、突き出しピンによる窪み、変形などがなく
良好な成形体が得られる最短の冷却時間(限界冷却時
間」を調べ、離型性を評価した。
【0053】<表面光沢>得られた樹脂組成物を140
℃にて4時間以上乾燥した後、50t射出成形機にてシ
リンダー温度270℃、金型温度90℃にて平板(厚み
2mm、縦横120mm)を成形し、表面の光沢を目視にて
観察して、次の基準にて判定評価した。 ○:成形体全面に良好な光沢有り。 △:成形体の一部が光沢に欠けるか、或いは成形体の光
沢に一部ムラがある。 ×:成形体に光沢がない部分の方が多いか、或いは成形
体の光沢ムラが激しい。
【0054】実施例1 (A−1)ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物と
して、二酸化ゲルマニウムを触媒とし用い製造されたポ
リエチレンテレフタレート(固有粘度0.75)を用い、
(B−1)エポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂とし
て、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、油化シェ
ルエポキシ株式会社製 エピコート828(エポキシ当
量:185)を用い、(C−1)カーボンブラックとし
て、数平均粒子径15nm、ジブチルフタレート吸油量
が60ml/100gであるカーボンブラックを用いた。
即ち、(A−1)100部に(B−1)2.0部、(C−
1)1.0を混合し、さらにヒンダードフェノール系抗酸
化剤として、旭電化株式会社製 アデカスタブAO−6
0を0.3部、チオエーテル系安定剤として、旭電化株式
会社製 アデカスタブAO−412Sを0.2部加え、ス
ーパーミキサーにて攪拌した後、日本製鋼所株式会社製
TEX44ベント付き二軸押出機にて、バレル温度2
60℃に設定し、ホッパーから投入した。さらに、同押
出機のサイドフィーダーから(D−1)を強化充填剤と
して、日本電気硝子株式会社製 T−196H/Pを4
4部投入して溶融押出することにより、樹脂組成物を得
た。
【0055】実施例2〜12 (A−2)ポリエチレンテレフタレート系樹脂として、
二酸化ゲルマニウムを触媒として用い製造されたポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度0.60)を用い、(B
−2)エポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂として、
ノボラック型エポキシ樹脂である、油化シェルエポキシ
株式会社製 エピコート180S65(エポキシ当量:
210)を用い、(B−3)エポキシ化合物及び/又は
エポキシ樹脂として、テトラブロモビスフェノールA型
エポキシ樹脂である、東都化成株式会社製 エポトート
YDB−420 (エポキシ当量:2000)を用い、
(C−2)カーボンブラックとして数平均粒子径30n
m、ジブチルフタレート吸油量が90ml/100gであ
るカーボンブラック、(C−3)カーボンブラックとし
て、数平均粒子径60nm、ジブチルフタレート吸油量
が120ml/100gであるカーボンブラック、(C−
4)カーボンブラックとして、(A−1)ポリエチレン
テレフタレート60部に(C−1)カーボンブラック4
0部を加えて予め、日本製鋼所株式会社製 TEX44
ベント付き二軸押出機にて、バレル温度260℃に設定
して溶融押出することにより作成したカーボンブラック
含有ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用い、(E−
1)無機化合物としてタルクである、日本タルク株式会
社製 ミクロエースK−1、(E−2)無機化合物とし
てマイカである、山口雲母株式会社製 A−21S等を
用い、さらに必要に応じて、難燃助剤として三酸化アン
チモンである、住友金属鉱山株式会社製 酸化アンチモ
ンC等を併用し、表1中に示す割合で混合した以外は実
施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。上記実施例1
〜12で得られた樹脂組成物の組成及び特性を表1に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】比較例1 (A’−1)ポリエチレンテレフタレート系樹脂に、ア
ンチモン系触媒である三酸化アンチモンを用いて重合さ
れた、固有値と0.75のものを用いた以外は上記実施例
1で用いた配合剤を用いて、配合割合及び配合方法は実
施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。
【0058】比較例2〜10 (B’−1)エポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂と
して、分子中にエポキシ基を1つ有し、かつ分子内にエ
ステル結合を有する化合物である、グリシジルメタクリ
レート(和光純薬工業株式会社製試薬 エポキシ当量1
42)、(C’−1)カーボンブラックとして、数平均
粒子径30nm、ジブチルフタレート吸油量が495ml
/100gであるカーボンブラック等を用い、更に表2
中に示す配合剤を表2中に示す割合で混合した以外は実
施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。上記比較例1
〜10で得られた樹脂組成物の組成及び特性を表2に示
す。
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2に示すように、本発明の樹脂
組成物は、機械的強度、耐湿熱性、流動性、粘度変化率
のいずれにおいても優れていることがわかる。また、無
機化合物を添加することにより、離型性にも優れた組成
物が得られることがわかる。
【0061】参考例1 二酸化ゲルマニウムを触媒として用いて製造されたポリ
エチレンテレフタレートオリゴマー(平均エチレンテレ
フタレート単位数約5〜8)を3500g、平均分子量
約1000のビスフェノールAのエチレンオキシド付加
重合体を1500g、および、アテガスタブAO−60
を25gを10リットル容積のオートクレーブ(日本耐
圧ガラス製)に投入して、窒素気流下で攪拌しながら2
90℃まで昇温した後、1Torr以下まで減圧した。1To
rr以下に達してから3時間攪拌した後、窒素で常圧まで
もどし重合を終了し、ポリエステル−ポリエーテル共重
合体(F−1)を得た。得られた共重合体の固有粘度は
0.7であった。
【0062】参考例2 ポリテトラメチレンテレフタレート(固有粘度0.9)を
3500g、平均分子量約1000のビスフェノールA
のエチレンオキシド付加重合体を1500g、および、
アデカスタブAO−60を25gを10リットル容積の
オートクレーブ(日本耐圧ガラス製)に投入して、窒素
気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した後、1Torr
以下まで減圧した。1Torr以下に達してから3時間攪拌
した後、窒素で常圧までもどし重合を終了し、ポリエス
テル−ポリエーテル共重合体(F−2)を得た。得られ
た共重合体の固有粘度は0.8であった。
【0063】実施例13〜16 配合剤を表3中に示す割合で混合した以外は実施例1と
同様にして、樹脂組成物を得た。実施例13〜16で、
得られた樹脂組成物の組成及び特性を表3に示す。尚、
比較の便宜上、実施例1、7の樹脂組成物の組成及び物
性も併せて掲記した。表3に示すように、結晶化促進剤
であるポリエステル−ポリエーテル共重合体を添加する
ことにより、低温金型で成形しても表面性良好な成形体
が得られることがわかる。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、耐湿熱
性、流動性、機械的強度等に優れ、かつ高温で長時間滞
留させても粘度の変化が少ないポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂組成物が提供される。また、該樹脂組成物か
らなる成形体は、高温高湿度下で長期間樹脂製品として
使用された場合でも機械的強度の低下が少なく、工業的
に頗る有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 67/02 63:00 71:02)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゲルマニウム系触媒を用いて重合
    された、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主たる
    構成成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂10
    0重量部に対し、 (B)分子内にエポキシ基を少なくとも2個有するエポ
    キシ化合物及び/又はエポキシ樹脂0.05〜50重量
    部、 (C)ジブチルフタレート吸油量が400ml/100g
    以下であるカーボンブラック0.01〜5重量部、及び (D)強化充填剤2〜150重量部を配合してなるポリ
    エチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ゲルマニウム系触媒を用いて重合
    された、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主たる
    構成成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂10
    0重量部に対し、(B)分子内にエポキシ基を少なくと
    も2個有するエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂0.
    05〜50重量部、(C)ジブチルフタレート吸油量が
    400ml/100g以下であるカーボンブラック0.05
    〜5重量部、(D)強化充填剤2〜150重量部、及び
    (E)珪酸塩化合物及び珪酸からなる群から選ばれる無
    機化合物の1種以上0.1〜60重量部を配合してなるポ
    リエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)分子内にエポキシ基を少なくとも
    2個有するエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂が、
    分子内にエステル結合を有しないエポキシ化合物及び/
    又はエポキシ樹脂である請求項1又は2記載のポリエチ
    レンテレフタレート系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更に、(F)結晶化促進剤を0.5〜50
    重量部配合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (F)結晶化促進剤がポリエステル−ポ
    リエーテル共重合体である請求項4記載のポリエチレン
    テレフタレート系樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6974846B2 (en) * 2002-04-29 2005-12-13 E. I. Du Pont De Nemours And Company Hydrolysis resistant polyester compositions and related articles and methods
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JP2020164818A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 東レ株式会社 高周波通信機器部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
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