JPH09208986A - 酸化防止剤製剤 - Google Patents

酸化防止剤製剤

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JPH09208986A
JPH09208986A JP8040748A JP4074896A JPH09208986A JP H09208986 A JPH09208986 A JP H09208986A JP 8040748 A JP8040748 A JP 8040748A JP 4074896 A JP4074896 A JP 4074896A JP H09208986 A JPH09208986 A JP H09208986A
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fatty acid
acid ester
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antioxidant
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順康 川田
Masahiro Atsumi
昌弘 厚見
Eriko Yaguchi
会利子 矢口
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Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
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OKATSUNE SHOJI KK
Tama Biochemical Co Ltd
Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱い性に優れ、油脂類及び油脂含有食品ない
し食品素材等への配合が容易な液状化された粘度の低い
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルの酸化防止剤製剤で
あって、しかも180℃程度の高温下においても褐変す
ることがない酸化防止剤製剤を提供することを目的とす
る。 【解決手段】L−アスコルビン酸脂肪酸エステルが、動
植物油、炭化水素、ビタミン類及び中鎖脂肪酸トリグリ
セライド等の油性物質に均一に分散された酸化防止剤製
剤を提供する。さらに、界面活性剤を配合することによ
り、分散状態が安定な分散液を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、L−アスコルビン
酸脂肪酸エステルが、油性物質に均一に分散されている
酸化防止剤製剤に関する。更に詳しくは、液状であり、
且つ粘度が低いため、取扱いが容易で、油脂類及び油脂
含有食品ないし食品素材に配合が容易な酸化防止剤製剤
に関する。さらに、本発明は、180℃程度の高温下で
褐変することがない酸化防止剤製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】L−アスコルビン酸(別名:ビタミン
C)は、強い還元作用を持ち、水溶性の酸化防止剤とし
て、多くの食品に添加され、安全で且つ栄養強化剤とし
ても使用できることから、好んで使用されていた。
【0003】L−アスコルビン酸の脂肪酸エステルとし
て、先に、わが国において食品添加物として使用が認め
られていた、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル
に続いて、最近、L−アスコルビン酸パルミチン酸エス
テルが新たに食品添加物として使用できることになっ
た。L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル及びL−
アスコルビン酸パルミチン酸エステルは、脂溶性の酸化
防止剤として油脂や油脂含有食品に広く使用され、L−
アスコルビン酸と同様にその還元作用により、有効な酸
化防止機能を発揮する。L−アスコルビン酸脂肪酸エス
テルにおけるエステル結合は体内で容易に酵素分解さ
れ、ビタミンCと脂肪酸(パルミチン酸又はステアリン
酸)になり、各々が有効成分としてはたらくことから安
全性も高く評価されている。
【0004】一方、前記のようなL−アスコルビン酸脂
肪酸エステルは、他の酸化防止剤との併用により、大き
な相乗効果を得ることができる。例えば、従来より油溶
性の酸化防止剤として使用されているトコフェロール
は、通常原料由来でトコフェロールを含んでいるような
植物油に添加しても、効果は低い。しかし、前記のよう
な植物油に、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを添加
すると相乗的な酸化防止効果が発揮される。従って、L
−アスコルビン酸脂肪酸エステルは、今後さらに広く油
脂類や食品素材等に単独で、又は他の酸化防止剤製剤と
併用して使用されることが期待され、この点でも有用な
ものである。
【0005】前記エステルを酸化防止剤として使用する
には、白色粉末状L−アスコルビン酸パルミチン酸エス
テル及びL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルを、
直接、油脂類等に添加し、溶解させることにより行われ
ていた。
【0006】多様な油脂類、油脂含有食品及び食品素材
等に添加する際、粉体のままよりも、液体として配合す
る方が、取扱いが容易なため便利である。このため、L
−アスコルビン酸脂肪酸エステルの液状化が検討されて
いる。現在は、油溶性の天然界面活性剤のレシチンを用
いて、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを可溶化させ
た液状化製剤が一般的に使用されている。さらに、レシ
チン以外の他の界面活性剤を用いた可溶化も検討されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】L−アスコルビン酸
は、経時安定性が悪く、油脂類に対する溶解性も乏しい
ため、添加剤として配合し難いもので、実際的な使用に
おいては問題が多くあった。
【0008】L−アスコルビン酸の脂肪酸エステルは、
経時安定性は改善されるものの、油脂類に対する溶解性
は依然改善されないままで、油脂類の温度を約100℃
程度に上げた状態で溶解していた。また、かさ比重が大
きい粉末であるので、操作中に粉末が空気中に散在した
りし、その取扱いも不便であった。このような点から油
脂類等への配合が困難であった。
【0009】配合を容易にするため液状化が検討され、
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを可溶化することに
よって液状化された製剤を得ることはできるが、これは
可溶化の際、レシチンを多量に使用するものであったの
で、低温(約5℃程度)下に置かれると、固化し、流動
性が消失し、取り扱いが困難となった。しかも、このレ
シチンは、高温(例えば、テンプラ等の加熱温度180
℃)で褐変するという性質を有しているため、レシチン
可溶化液状化酸化防止剤製剤が、例えば揚げ油に添加さ
れると、レシチンの前記性質が顕著に現れ、配合された
油に高温で褐変現象が現れる。これらの点を考慮して、
他の界面活性剤を用いて、可溶化する方法も検討されて
いるが、これは、粘性の非常に大きい製剤となり、L−
アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量を上げると、流
動性が消失してしまう。このように、これまで実際の使
用において、取扱いが便利で、油脂類及び油脂含有食品
ないし食品素材への配合が容易となるような液状化製剤
は見いだされていなかった。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
油脂類及び油脂含有食品ないし食品素材等に容易に配合
できるL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの酸化防止剤
製剤を提供することを基本目的とする。さらに、本発明
は、テンプラ油等の高温で使用される油脂類に配合され
ても褐変することのない酸化防止剤製剤を提供すること
も目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的に鑑み鋭意研
究を重ねた結果、可溶化のために多量のレシチンを使用
することなく、油性物質にL−アスコルビン酸脂肪酸エ
ステルを分散させることによって、180℃程度の高温
下で褐変することがない液状酸化防止剤製剤が作成され
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、請求項1記載の発明は、L−アスコ
ルビン酸脂肪酸エステルが、油性物質に均一に分散され
ていることを特徴とする酸化防止剤製剤である。L−ア
スコルビン酸脂肪酸エステルを、油性物質に分散させて
いるため、粘性が低く、しかも多量のレシチンを用いて
可溶化していないため、高温下で褐変することのない液
状の酸化防止剤製剤を得ることができる。請求項2〜6
は、好ましい実施態様を示している。即ち、請求項2記
載の発明は、請求項1記載の発明において、L−アスコ
ルビン酸脂肪酸エステルが、L−アスコルビン酸パルミ
チン酸エステル及び/又はL−アスコルビン酸ステアリ
ン酸エステルとしたものである。これにより、酸化防止
効果の高い酸化防止剤製剤が得られる。請求項3記載の
発明は、請求項1又は2記載の発明において、油性物質
が、ナタネ油、大豆油、コーン油、コメ油、オリーブ
油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマワリ油、落花生油、ア
ーモンド油、綿実油、魚油、鯨油、サメ油、魚肝油、ミ
ンク油、アボガド油、ホホバ油、ラード、スクアレン、
中鎖脂肪酸トリグリセライド、ビタミンA、D及びE及
びそれらの誘導体から成る群より選ばれる1種以上とし
たものである。これらの油性物質中に、L−アスコルビ
ン酸脂肪酸エステルは均一に分散される。請求項4記載
の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載の発明にお
いて、さらに界面活性剤を含むとしたものである。請求
項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、界面
活性剤がグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、縮合レシノレート、ソルビタン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン及びス
テロールから成る群より選ばれる1種以上としたもので
ある。これらの界面活性剤を加えることによって、分散
状態の安定な分散液を得ることができる。請求項6記載
の発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載の発明にお
いて、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルが酸化防止剤
全重量に対して0.1〜70重量%としたものである。
このような配合量とすることによって、L−アスコルビ
ン酸脂肪酸エステルが均一に分散した液状化製剤を得る
ことができる。
【0013】尚、本願において数値範囲の記載はその範
囲に属する任意の値を示し、両端の値に限定されない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の酸化防止剤製剤は、油性
物質にL−アスコルビン酸脂肪酸エステルが均一に分散
した粘性の低い液状化酸化防止剤製剤である。従って、
取扱い易く、油脂類及び油脂含有食品ないし食品素材に
容易に配合することができる。また、可溶化剤としてレ
シチンを多量に使う必要がないので、レシチンの欠点で
ある高温(180℃程度)での褐変現象が現れない。従
って、揚げ油のような高温にて使用するような油脂類に
も安心して配合することができる。
【0015】本発明に使用されるL−アスコルビン酸脂
肪酸エステルは、L−アスコルビン酸と脂肪酸からなる
モノエステル、ジエステル、トリエステル等であり、そ
のエステルの酸部分としては、例えばラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン
酸、ベヘニン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール
酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等が挙
げられる。それらの中で、L−アスコルビン酸パルミチ
ン酸エステル及びL−アスコルビン酸ステアリン酸エス
テルが特に好ましく、L−アスコルビン酸パルミチン酸
エステルが最も好ましい。Lアスコルビン酸パルミチン
酸エステルは、分子量が小さい分、L−アスコルビン酸
ステアリン酸に比べて同量を添加した場合の効果が若干
高くなる。
【0016】本発明において、L−アスコルビン酸脂肪
酸エステルは前記群からなる1種を選んでも使用しても
良く、また2種以上を混合して使用しても良い。L−ア
スコルビン酸脂肪酸エステルの配合量は、酸化防止剤製
剤全重量に対して0.1〜70重量%が好ましく、1〜
30重量%がより好ましい。有効な酸化防止効果を示す
には、0.1重量%以上必要であり、且つ、流動性のあ
る液体として製造されるには、70重量%以下が好まし
い。
【0017】本発明に使用される油性物質は、常温下で
液状の油性物質であって、動植物油、炭化水素、ビタミ
ン類、中鎖脂肪酸トリグリセライド等である。具体的に
は、動植物油脂としては、ナタネ油、大豆油、コーン
油、コメ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマ
ワリ油、落花生油、アーモンド油、綿実油、魚油、鯨
油、サメ油、魚肝油、ミンク油、アボガド油、ホホバ
油、ラード等が挙げられる。炭化水素としては、スクア
レンが挙げられる。中鎖脂肪酸トリグリセライドは、炭
素数が6〜24の任意の範囲にある脂肪酸基を持つトリ
グリセライドの単一物又は混合物である。ビタミン類と
しては、ビタミンA、D及びE及びそれらの誘導体が挙
げられる。これらの中で、特に好ましいのは、ナタネ油
及び中鎖脂肪酸トリグリセライドである。
【0018】或いは、油性物質の代わりに、グリセリン
及びプロピレングリコール等の溶剤を使用することもで
きる。
【0019】本発明において、油性物質は前記群からな
る1種を選んでも使用しても良く、また2種以上を混合
して使用しても良い。油性物質の使用量は、酸化防止剤
製剤全重量に対して、30〜99.9重量%が好まし
く、60〜98重量%がより好ましい。L−アスコルビ
ン酸脂肪酸エステルを均一に分散させるには、油性物質
の使用量は、前記範囲にあることが好ましい。
【0020】本発明の酸化防止剤製剤には、界面活性剤
を添加することができる。界面活性剤の添加によって、
分散液の分散状態を安定化させることができる。好まし
い界面活性剤は、非イオン性界面活性剤及び両性界面活
性剤である。具体的には、非イオン界面活性剤として、
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、縮
合レシノレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、サポニン、ステロール等
が挙げられる。これらの中で、特に、好ましいのは、グ
リセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びソ
ルビタン脂肪酸エステルである。尚、レシチン、酵素処
理レシチン及び酵素分解レシチン等のレシチン類は、ご
く微量を配合するのであれば、褐変の影響はないが、配
合しないことが好ましい。
【0021】本発明において、界面活性剤は、前記群か
らなる1種を選んで使用しても良く、また2種以上を混
合して使用しても良い。界面活性剤の使用量は、酸化防
止剤製剤全重量に対して、20重量%以下が好ましく、
1〜10重量%がより好ましい。20重量%より多く使
用しても増量による分散剤としての効果の上昇は見られ
ない。
【0022】次に、本発明に係るL−アスコルビン酸脂
肪酸エステルの分散液の製造方法について説明するが、
以下の例には限定されない。
【0023】70〜80℃に加熱させた油性物質に、界
面活性剤を溶解させ、ホモミキサーで攪拌した後、L−
アスコルビン酸脂肪酸エステルを混入し、約15分間良
く攪拌し、冷却し、本発明の酸化防止剤製剤とする。
【0024】或いは、次の方法でも製造することができ
る。
【0025】70〜80℃に加熱させた油性物質に、界
面活性剤及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとを溶
解させ、ホモミキサーで良く攪拌しながら冷却し、本発
明の酸化防止剤製剤とする。
【0026】前記の製造方法により得られた本発明の酸
化防止剤製剤は、混入されるL−アスコルビン酸脂肪酸
エステルの濃度により多少変化するが、粘度が約100
〜3000cpの範囲にある、流動性の白濁液体であ
る。
【0027】本発明の酸化防止剤製剤は、油脂類及び油
脂含有食品に混合攪拌することによって容易に配合する
ことができる。また、本発明の酸化防止剤製剤は、食品
の製造過程において、食品素材に練り込むことによって
配合することもできる。好ましい配合量は、例えば、食
用油に対して、0.1〜0.5重量%である。
【0028】本発明の酸化防止剤製剤が、単独で油脂類
及び油脂含有食品ないし食品素材等に配合される場合、
最終的に添加される配合量が同一ならば、粉末のL−ア
スコルビン酸の脂肪酸エステルを使用したときと同等の
効果がある。さらに、他の酸化防止剤製剤と併用する
と、その効果は相乗的に増大する。
【0029】本発明の酸化防止剤製剤は、0℃程度の低
温下に置かれても、固化は起こらず、流動性が消失する
ことがない。また、暗所、室温にて保存されるとき、少
なくとも6カ月間は、L−アスコルビン酸脂肪酸エステ
ルの消失は見られない。
【0030】本発明に係る酸化防止剤製剤は、食品の他
に、化粧品、医薬、飼料等に、添加することも可能であ
る。
【0031】以下、実施例により詳細に説明する。但
し、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、特
に断らない限り、%は重量%を表すこととする。
【0032】
【実施例】
<実施例1>分散性 (酸化防止剤製剤の試作)下記の処方で酸化防止剤製剤
を試作した。 L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル 10% ショ糖パルミチン酸エステル 2% ナタネ油 88% ナタネ油を70〜80℃に加熱し、そこにショ糖パルミ
チン酸エステルを加えて溶解させた。溶液をホモミキサ
ーで約6000rpmで攪拌しながら、L−アスコルビ
ン酸パルミチン酸エステルを混入し、15分間攪拌を続
けた。攪拌後、溶液を冷却して、本発明の酸化防止剤製
剤を得た。
【0033】(分散状態の比較)常温にて、ナタネ油1
00gに対して、L−アスコルビン酸パルミチン酸エス
テルが0.02%となるように、前記試作した酸化防止
剤製剤を添加し、良く混合攪拌した後、ナタネ油中のL
−アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を
目視及び光学顕微鏡で観察した。
【0034】(結果)目視では、L−アスコルビン酸パ
ルミチン酸エステルがナタネ油全体に均一に分散してい
るのが観察され、ナタネ油は、不透明であった。顕微鏡
下では、25〜50μmの長さの針状結晶が観察され、
凝集物は観察されなかった。
【0035】<比較例1>常温にて、ナタネ油100g
に、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステルが0.0
2%となるように、粉末を直接添加して良く混合攪拌
し、前記実施例1と同様にして、分散状態を観察した。
【0036】(結果)目視では、ナタネ油にL−アスコ
ルビン酸パルミチン酸エステルの塊の浮遊及び沈澱が観
察され、ナタネ油は透明であった。顕微鏡下では、30
〜80μmの長さの針状結晶及びその凝集物(直径約5
00μm)が観察された。
【0037】<実施例2>植物油における酸化防止効果
の測定 (自動酸化(AOM)試験による酸化防止効果テスト)
常温にて、コメ油100gに対して、L−アスコルビン
酸パルミチン酸エステルが0.02%となるように、前
記実施例1で試作した酸化防止剤製剤を添加した。
【0038】基準油脂分析方法のAOM試験法に従っ
て、酸化防止剤製剤の添加されたコメ油を180℃恒温
槽中に2時間静置した後、70℃に調製したAOM試験
器中に入れ、時間を追って過酸化物価を測定した。
【0039】結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】<比較例2>無添加のコメ油100gを用
いて、前記実施例2と同様の方法で、AOM試験を行っ
て、過酸化物価を測定した。結果は前記表1に示され
る。
【0042】<比較例3>粉末L−アスコルビン酸パル
ミチン酸エステルが0.02%となるように、直接コメ
油100gに添加し、良く攪拌したものを、前記実施例
2と同様の方法で、AOM試験を行って、過酸化物価を
測定した。結果は前記表1に示される。
【0043】実施例1より、本発明の酸化防止剤製剤
は、液状であるために、油脂類への添加が容易で、簡単
に配合することができ、しかもL−アスコルビン酸パル
ミチン酸エステルは油脂類中で均一に分散していた。一
方、比較例1で、粉末は、風等で、空気中に散在しやす
く、取扱いが不便であり、また、油脂類へ配合されると
き、かなり混合攪拌を行わねばならず、手間がかかるう
え、なお塊も残り、経時的な沈降が起こった。
【0044】さらに、実施例2において、本発明に係る
酸化防止剤製剤は、最終的添加濃度が同一であるとき、
比較例3の粉末のL−アスコルビン酸パルミチン酸エス
テルと同等の酸化防止効果を示した。従って、本発明品
は配合が容易な上、粉末と酸化防止効果は同等であるこ
とが示された。
【0045】<実施例3>加熱による褐変性 (ガードナー法及び目視による褐変性の評価試験)常温
にて、ナタネ油100gに対して、L−アスコルビン酸
パルミチン酸エステルが0.02%となるように、実施
例1で試作された酸化防止剤製剤を添加し、良く混合し
た。
【0046】前記ナタネ油を180℃に調製した恒温槽
に静置し、0分後、30分後、90分後、120分後の
溶液の色を目視で観察及び油脂分析試験法ガドーナー法
に従って測定した。
【0047】結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】<比較例4>次に示す組成の酸化防止剤製
剤を作成した。 L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル 10% レシチン 75% ナタネ油 15% 得られた酸化防止剤は、外観は暗褐色、透明であり、粘
チョウ性の液体であった。前記のようにして得られた酸
化防止剤を、室温にて、ナタネ油100gに対して、L
−アスコルビン酸パルミチン酸エステルが0.02%と
なるように、添加し、良く混合した後、実施例3と同様
にして溶液の色を観察した。結果は前記表2に示され
る。
【0050】本発明の分散液が配合された植物油は、高
温下に置かれても、褐変現象は全く見られなかった。一
方、比較例4のレシチン製剤が配合された油は、高温処
理を始めて30分で褐変化が観察され、高温処理に対応
して速やかに褐変化が起こることが観察された。従っ
て、本発明品はレシチンを可溶化剤として多量に使用す
ることがないので、褐変化現象を回避することができる
ことが示された。
【0051】<実施例4>粘度の測定 (各濃度の酸化防止剤製剤の作成)下記表3に示す組成
で、各濃度のL−アスコルビン酸パルミチン酸エステル
の分散液を試作した。
【0052】
【表3】
【0053】(粘度の測定)基準油脂分析法に従って、
各濃度の酸化防止剤製剤の粘度を測定した。
【0054】結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】<比較例5>上記表3に示す組成で、各濃
度のL−アスコルビン酸パルミチン酸エステルの可溶化
液を試作し、実施例4と同様にして、各溶液の粘度を測
定した。結果は前記表4に示される。
【0057】比較例5の可溶化液では、L−アスコルビ
ン酸パルミチン酸エステルの10%溶液でかなり粘度が
高く、これ以上濃度を上げると、流動性は消失するが、
本発明に係る分散液は、30%溶液においても流動性は
保たれていた。従って、本発明の分散液は、可溶化液と
比べて、流動性を保った状態のままで、高濃度のL−ア
スコルビン酸パルミチン酸エステルを含有することがで
きるものであることが示された。
【0058】
【発明の効果】本発明の酸化防止剤製剤は、L−アスコ
ルビン酸脂肪酸エステルが、油性物質中に均一に分散さ
れた液体である。これまでの粉末のL−アスコルビン酸
脂肪酸エステルに比べると、液体であるため、油脂及び
油脂含有食品ないし食品素材等に添加、配合が容易であ
り、また、液体の粘度も低く、取扱い性に優れたもので
ある。しかも、添加される油脂等の全重量に対して、最
終的なL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの添加量が同
一であるとき、粉末を直接添加したときと酸化防止効果
は同等である。また、配合が容易なため他の酸化防止剤
製剤との併用も容易であり、併用により相乗的に効果が
増大する。さらに、高温において褐変する性質を持つレ
シチンを可溶化剤として多量に使う必要がないため、高
温でも褐変現象を示さない。従って、例えば、高温で使
用される油脂、特に、揚げ油等の食用油にも安心して添
加することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厚見 昌弘 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 タマ 生化学株式会社内 (72)発明者 矢口 会利子 神奈川県横浜市西区南浅間町1番地の1 横浜油脂工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L−アスコルビン酸脂肪酸エステルが、油
    性物質に均一に分散されていることを特徴とする酸化防
    止剤製剤。
  2. 【請求項2】前記L−アスコルビン酸脂肪酸エステル
    が、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル及び/又
    はL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルであること
    を特徴とする請求項1記載の酸化防止剤製剤。
  3. 【請求項3】前記油性物質がナタネ油、大豆油、コーン
    油、コメ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマ
    ワリ油、落花生油、アーモンド油、綿実油、魚油、鯨
    油、サメ油、魚肝油、ミンク油、アボガド油、ホホバ
    油、ラード、スクアレン、中鎖脂肪酸トリグリセライ
    ド、ビタミンA、D及びE及びそれらの誘導体から成る
    群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の酸化防止剤製剤。
  4. 【請求項4】さらに界面活性剤を含むことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一に記載の酸化防止剤製剤。
  5. 【請求項5】前記界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステ
    ル、ショ糖脂肪酸エステル、縮合レシノレート、ソルビ
    タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
    テル、サポニン及びステロールから成る群より選ばれる
    1種以上であることを特徴とする請求項4記載の酸化防
    止剤製剤。
  6. 【請求項6】L−アスコルビン酸脂肪酸エステルが酸化
    防止剤製剤全重量に対して0.1〜70重量%である請
    求項1〜5のいずれか一に記載の酸化防止剤製剤。
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