JPH09209161A - 無電解めっき層形成用シートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法 - Google Patents

無電解めっき層形成用シートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法

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JPH09209161A
JPH09209161A JP4066796A JP4066796A JPH09209161A JP H09209161 A JPH09209161 A JP H09209161A JP 4066796 A JP4066796 A JP 4066796A JP 4066796 A JP4066796 A JP 4066796A JP H09209161 A JPH09209161 A JP H09209161A
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layer
metal
plating layer
forming
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JP4066796A
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Takashi Takayanagi
丘 高柳
Makoto Tanaka
田中  誠
Toshihiro Oda
年弘 尾田
Yasunori Kobayashi
靖典 小林
Masaji Shigyo
正路 執行
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写法を利用する金属パターンの形成方法を
改良した新規な金属パターンの形成方法を提供する。 【解決手段】 プラスチックフィルムの表面に設けられ
た膨潤性の水性樹脂層の上に、金属もしくは金属化合物
の微粒子が水に分散された塗布液を塗布することによ
り、膨潤性の水性樹脂層中に金属及び金属化合物の微粒
子を分散させ、次いで乾燥して膨潤性の水性樹脂層を無
電解めっき用下地層とすることからなる無電解めっき層
形成用シートの製造方法;及び無電解めっき層形成用シ
ートに無電解めっき層及びフォトレジスト層が形成され
た感光性シートのフォトレジスト層をパターン状に露
光、現像して、無電解めっき層の上にレジストパターン
を形成させる工程;レジスト不在領域に電解めっき層を
形成する工程;レジストパターンとめっき層とを同時に
基板上に転写する工程;そしてプラスチックフィルムを
剥がし取る工程を順次行なう金属パターンを形成させる
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属パターンの形
成方法、そしてその金属パターンの形成方法に有利に用
いることができる感光性シート、及びその感光性シート
の作成に用いられる無電解めっき層形成用シートの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化が進
み、プリント配線基板などの金属配線の高密度化や多層
化への要求が高くなりつつある。例えば、プリント配線
基板の製法としては、パネルめっき法やパターンめっき
法に代表されるエッチングを利用するサブトラクティブ
法あるいはフルアディティブ法に代表されるアディテイ
ブ法が知られている。この内、サブトラクティブ法は、
銅等の金属の配線をエッチングにより形成する必要があ
るが、エッチング法では、サイドエッチ等が発生するた
め、配線の断面が台形になる傾向があり、高度に微細化
された金属配線の形成には適していないという問題があ
る。更に、エッチング法では金属の利用効率が悪く、ま
た生成する多量のエッチング廃液の処理が問題となる。
【0003】これに対して、アディティブ法は、基板上
にフォトレジストを用いて形成した配線ネガパターン
(配線パターンに対応するネガパターン)の領域に無電
解めっきにより、選択的に銅などの金属を析出させて配
線パターンを生成させる方法である。この方法は、サイ
ドエッチの問題があるサブトラクティブ法とは異なり、
配線幅の限界が緩和され、従って高密度の配線パターン
の形成が可能となるという利点がある。また、エッチン
グ処理を行なわないため、エッチング処理廃液の処理の
問題もなくなり、さらに金属の利用効率も高くなる。し
かしながら、無電解めっきによる配線パターンの形成は
時間が掛り、生産効率が良くないという問題が発生す
る。また、配線基板に無電解めっきを施すためには、脱
脂、酸処理、めっき用触媒付与、基板表面の活性化など
複雑な前処理が必要となる。このため、この無電解めっ
きを利用する方法に代る方法として、表面に導電性を有
する支持体を用い、その表面上にフォトレジストで、配
線ネガパターンを形成させ、次にレジスト不存在領域に
電解めっき法により銅などの金属の層を形成し、これを
絶縁基板に転写することによりプリント配線基板を製造
する転写法が開発されている。この転写法では、エッチ
ングに起因する前記の問題点がなく、また金属層の形成
に要する時間が短いため、従って、短い時間で高密度の
配線パターンを製造することができるとの利点がある。
【0004】上記の転写法は、たとえば、特開昭63−
187695号公報に記載されている。この公報に記載
の転写法は、ステンレススチールシート等の導電性基材
(支持体)の上にレジストパターンを形成し、次いでそ
の導電性基材の露出部に電気めっき層を形成し、最後に
レジストパターンと電気めっき層とを一緒に基板上に転
写する方法である。また、特開昭63−283886号
公報には、導電性膜(例、フィルム表面に離型層を介し
て真空蒸着やプラズマビームデポジッション法などで形
成した金属膜層)を有するフィルム表面にレジストパタ
ーンを形成し、次いでその導電性膜露出部に電解もしく
は電解めっき層を設け、最後にそのめっき層を絶縁性基
板に転写する方法が記載されている。
【0005】また、特開平2−122691号公報に
は、金属テープなどの銅めっきが可能な支持体上にフォ
トレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をフォト
エッチングしてレジストパターン形成し、そのレジスト
除去領域に銅めっきを施し、銅めっき層表面を粗面化
し、次にレジストパターンを除去し、銅めっき層を下側
にして絶縁性基板上に接着剤を用いて接着し、最後に支
持体を除去する方法により絶縁性基板上に金属パターン
を形成させる方法が記載されている。
【0006】上記の方法のうち、金属層を最初に形成す
るための支持体(基材)として金属シートや金属テープ
を用いる方法は、その金属シートや金属テープなどが高
価で重量もあるため、経済性および作業性に劣るという
問題がある上に、その金属シートなどの上に形成された
金属層を絶縁基板に転写する際に、その金属シートなど
と金属層との剥離が円滑に進みにくいという欠点もあ
る。また、蒸着法などを利用する金属層の形成は時間が
かかり、作業性や経済性に欠けるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、転写法を利用する金属パターンの形成方法を改
良した新規な金属パターンの形成方法を提供することで
あり、特に、作業性や経済性に優れ、かつ表面の平滑性
の高い金属パターンを形成する方法を提供することにあ
る。また、本発明は、プリント配線基板の製造方法に適
した転写法を利用する改良された金属パターンの形成方
法を提供することも、その目的とする。さらに、本発明
は、転写法を利用する金属パターンの形成方法の実施に
際して有利に用いることができる感光性シート、及びそ
の感光性シート作成に使用される無電解めっき層形成用
シートの製造方法を提供すること、特に無電解めっき用
下地層を、特性の変動がなく安定して形成することがで
きる作業性に優れた無電解めっき層形成用シートの製造
方法を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フィルムの表面に設けられた膨潤性の水性樹脂層の上
に、金属もしくは金属化合物の微粒子が水中に分散され
た塗布液を塗布することにより、膨潤性の水性樹脂層中
に金属及び金属化合物の微粒子を分散させ、次いで乾燥
して膨潤性の水性樹脂層を無電解めっき用下地層とする
ことからなる無電解めっき層形成用シートの製造方法に
ある。
【0009】上記本発明の無電解めっき層形成用シート
の製造方法の好ましい態様は、下記の通りである。 1)膨潤性の水性樹脂層とプラスチックフィルム表面と
の間に接着性樹脂からなる下塗層が設けられている。 2)膨潤性の水性樹脂層が、架橋された水性樹脂層であ
る。また本発明は、上記方法により得られた無電解めっ
き層形成用シートの無電解めっき用下地層上に、無電解
めっき層及びフォトレジスト層が、この順で形成されて
なる感光性シートにもある。
【0010】さらに本発明は、上記の感光性シートのフ
ォトレジスト層をパターン状に露光させ、次いで現像す
ることにより、無電解めっき層の上にレジストパターン
を形成させる工程;レジスト不在領域の無電解めっき層
露出表面上に電解めっき層を形成する工程;レジストパ
ターンとめっき層とを同時に基板上に転写する工程;そ
してプラスチックフィルムを剥がし取る工程を順次行な
うことにより基板の上に金属パターンを形成させる方法
にある。
【0011】上記本発明の金属パターンの形成方法の好
ましい態様は、下記の通りである。 1)基板の上に形成された金属パターンの表面をエッチ
ング処理して、めっき層の表面を平滑化する工程を更に
含む。 2)感光性シートの無電解めっき用下地層と無電解めっ
き層とが一体化されていて、それらの境界が明確でな
く、無電解めっき層部分の金属相が無電解めっき用下地
層部分にまで無電解めっき層部分よりも疎な状態で侵入
している。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明で用いる感光性シー
ト及び感光性シート作成に使用される無電解めっき層作
成用シートの製造方法、そしてその感光性シートを用い
る本発明の金属パターンの形成方法について、詳しく説
明する。本発明の金属パターンの形成方法に用いられる
感光性シートは、プラスチックフィルムの表面に設けら
れた膨潤性の水性樹脂に金属もしくは金属化合物の微粒
子が分散されてなる無電解めっき用下地層の上に無電解
めっき層そしてフォトレジスト層がこの順に形成された
構成を有する。この感光性シートの製造に際しては、ま
ず、プラスチックフィルムの上に膨潤性の水性樹脂に金
属及び金属化合物の微粒子が分散されてなる無電解めっ
き用下地層からなる無電解めっき層形成用シートを用意
する。
【0013】無電解めっき層形成用シートの構成を図1
に模式的に示す。図1において、無電解めっき層形成用
シート10は、プラスチックフィルム(支持体として機
能する)11、疎水性バインダからなる下塗層12、そ
して、膨潤性の水性樹脂に金属および金属化合物の微粒
子が分散されてなる無電解めっき用下地層13からな
る。上記の無電解めっき層形成用シートで支持体として
用いるプラスチックフィルムの形成材料については特に
限定はない。例えば、セルロースエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェ
ノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリエ
チレン−1,6−ナフタレート)、ポリスチレン、ポリ
オレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホンな
どのプラスチック材料を挙げることができる。これらの
プラスチック材料は、二種以上混合して用いてもよく、
またそれぞれのプラスチック材料からなるフィルムを積
層して用いてもよい。上記のプラスチックフィルム支持
体材料は、高い寸度安定性を有することが望ましい。す
なわち、本発明の無電解めっき層形成用シートのプラス
チックフィルム支持体は、熱膨張係数が1×10-4/℃
以下であることが望ましく、また湿度寸法変化率が1×
10-4%RH以下(特に1×10-5%RH以下)である
ことが望ましい。従って、前記のプラスチック材料のな
かで、本発明の無電解めっき層形成用シートの支持体フ
ィルムの材料として用いるのに特に適しているのはポリ
エチレンテレフタレートであり、なかでも二軸延伸、熱
固定されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、経
済性、寸度安定性、強度、平面性等を考慮すると特に好
ましい。また、特開平6−25916号公報に記載され
ているポリエチレン−2,6−ナフタレート、特開平6
−55615号公報に記載されているシンジオタクチッ
クポリスチレン(SPS)も好ましい支持体材料であ
る。無電解めっき層形成用シートで支持体として用いる
プラスチックフィルムの厚さについても特に限定はない
が、通常は、6〜200μm(特に、50〜180μ
m)の範囲で適宜決定される。また、このプラスチック
フィルムは、透明であっても、不透明であってもよく、
また所望により、染料や顔料(例、二酸化チタン)、滑
剤(例、シリカ、炭酸カルシウム)などの添加剤、充填
剤を含んでいてもよい。
【0014】本発明の無電解めっき層形成用シートは、
プラスチックフィルム(支持体)の上に、膨潤性の水性
樹脂層を形成した後、あるいは膨潤性の水性樹脂層を有
するプラスチックフィルムを用意し、その膨潤性の水性
樹脂層上に、金属もしくは金属化合物の微粒子が水に分
散された塗布液を塗布及び乾燥、あるいは塗布、水洗及
び乾燥することにより得ることができる。すなわち上記
塗布により、膨潤性の水性樹脂層中に金属及び金属化合
物の微粒子が分散するので、次の乾燥により、膨潤性の
水性樹脂層は無電解めっき用下地層となる。
【0015】上記無電解めっき用下地層は、通常、膨潤
性の水性樹脂及び金属もしくは金属化合物の微粒子を含
む塗布液をフィルム上に塗布、乾燥することにより得ら
れるが、本発明では、上記のように膨潤性の水性樹脂層
の上に、金属等の微粒子を含む塗布液を塗布、乾燥する
ことにより得る。即ち、本発明では、膨潤性の水性樹脂
層の形成工程と、この水性樹脂層を無電解めっき用下地
層とする工程が、それぞれ別に行なわれる。従ってこれ
らの工程のための膨潤性の水性樹脂層形成用塗布液及び
金属もしくは金属化合物の微粒子を含む塗布液は、別個
に調製される。無電解めっき用下地層を一回の塗布で形
成する際に使用される、水性樹脂と金属もしくは金属化
合物の微粒子を含む塗布液は、必ずしも安定性が良好と
は言えず、調製後、時間の経過と共に、微粒子同士の凝
集等が発生する等の問題があるため、調製した塗布液を
常に管理する必要があること、また同じ塗布液を長い時
間使用することはできないため、小量づつ調製しなけれ
ばならないとの問題がある。本発明で使用される金属も
しくは金属化合物の微粒子を含むが水性樹脂をほとんど
含まない塗布液は非常に安定であり、しかも膨潤性の水
性樹脂層にこの塗布液を塗布、乾燥することにより形成
される無電解めっき用下地層は、膨潤性の水性樹脂及び
金属もしくは金属化合物の微粒子を含む塗布液を用いて
形成された下地層と、層の構成及び性能において、差が
見られない。従って、本発明の方法により無電解めっき
用下地層を形成した方が、効率よく安定して良好な特性
の下地層を得ることができる。また、プラスチックフィ
ルムの表面と膨潤性の水性樹脂層との間に下塗層を設け
た場合(図1に示すように)、下塗層の膜の硬度を変化
させることにより、水性樹脂層内における金属もしくは
金属化合物の微粒子の分散の程度を調整することができ
る。即ち、下塗層を硬い膜にすると、微粒子が水性樹脂
層内部に入り込み難くなり表面における微粒子の濃度が
上昇するが、下塗層を柔らかい膜にすると、微粒子の浸
入が下塗層で遮断されないため、微粒子は水性樹脂層内
部まで入り込み易くなり均一に分散されると考えられ
る。従って、金属等微粒子の膨潤性の水性樹脂層の表面
付近の濃度を上昇させたい場合(例えば無電解めっきを
迅速に行なうために)は、下塗層を硬い膜にすれば良
い。
【0016】上記無電解めっき用下地層は、プラスチッ
クフィルムの表面に、接着性樹脂からなる下塗層を介し
て設けられていることが好ましい。この下塗層は、主と
して、プラスチックフィルム支持体の表面に、無電解め
っき用下地層を均一、かつ確実に固定させ、そして、そ
の均一な固定状態を長期にわたって維持する機能を有す
る。上記の下塗層の接着性樹脂としては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、イタコン酸、無水
マレイン酸、酢酸ビニル、ブタジエン、そしてスチレン
などのモノマーから誘導される単独重合体もしくは共重
合体などの疎水性バインダ、そしてそれらを架橋剤
(例、2,4−ジクロロ−6−オキシ−S−トリアジ
ン)で架橋させた材料を挙げることができる。その例と
しては、ブタジエン/スチレン共重合体ラテックスや塩
化ビニリデンラテックスを挙げることができる。用いる
重合体の分子量(重量平均分子量)は、5000以上、
特に2万以上、200万以下であることが望ましい。ま
た、融点は120℃〜250℃にあることが望ましい。
【0017】下塗層の厚みは通常0.01〜5.0μm
の範囲(好ましくは0.1〜1.0μm)から選ばれ
る。上記の下塗層は、プラスチックフィルム支持体の表
面に、接着性樹脂を溶融塗布、もしくは接着性樹脂溶液
を塗布乾燥するような一般的な方法で形成することがで
きる。なお、その接着剤樹脂の塗布の前に、接着剤樹脂
と支持体プラスチックフィルム表面との接着性を向上さ
せるために、プラスチックフィルム表面に公知の表面処
理(例、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処
理、火炎処理、化学処理)を施すことが望ましい。ま
た、上記の下塗層形成後のプラスチックフィルム支持体
は、高温で保存した場合でも、その縦横の寸法変化が少
ないものであることが好ましい。
【0018】上記の下塗層が付設されたプラスチックフ
ィルム(支持体)の、その下塗層の上には、膨潤性の水
性樹脂層が形成され、更にその上に金属もしくは金属化
合物の微粒子が水分散された塗布液が塗布乾燥されるこ
とにより、膨潤性の水性樹脂層中に金属との微粒子が分
散されて無電解めっき用下地層が形成され、無電解めっ
き層形成用シートが得られる。無電解めっき用下地層
は、表面が親水性で、かつ膨潤性であるため、無電解め
っき層形成用シートを無電解めっき液に浸漬した場合
に、めっき液が無電解めっき用下地層の内部深くまで浸
透してくる。そして、その無電解めっき用下地層の内部
に分散している金属もしくは金属化合物の微粒子を核と
して無電解めっきがなされるため、その下地層の表面に
形成される無電解めっき層はその下地層と強固に接合し
た状態となる。従って、プラスチックフィルム支持体上
に、その後の処理を進めるのに充分な強度を有する無電
解めっき層が形成されることになる。
【0019】無電解めっき用下地層となる膨潤性の水性
樹脂層を形成する樹脂は、一般に水溶性樹脂もしくはポ
リマーラテックスから選ばれ、その例としては、ゼラチ
ンおよびその誘導体(例、フタル化ゼラチン、マレイン
化ゼラチンなどのアシル化ゼラチン、アクリル酸、メタ
クリル酸もしくはアミドなどでゼラチンにグラフトさせ
たグラフト化ゼラチン)、ポリビニルアルコールおよび
その変性物、ポリビニルピロリドンおよびその変性物、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸/ジアクリレート共重
合体のようなポリマーを挙げることができる。これらの
ポリマーは単独でも、また組合せて用いることもでき
る。また、これらのポリマーに、塗膜の粘着性を低減
し、ブロッキング性を向上させるためにメチルセルロー
スなどのセルロース誘導体を併用することもできる。ま
た、膨潤性を向上させるフェノールやレゾルシン、異物
付着防止のためのイオン系ポリマー、アニオンまたはカ
チオン界面活性剤、特開昭49−3972号公報記載の
マレイン酸系共重合体、コロイダルシリカ、食塩などの
電解質をなどを添加してもよい。
【0020】膨潤性の水溶性樹脂層(無電解めっき用下
地層となる)は、架橋されていることが望ましい。その
ような水溶性架橋剤の例は、特開平3−141347号
公報、特開平3−137637号公報に記載されてい
る。具体的な化合物の例としては、下記のものを挙げる
ことができる。水性樹脂がポリビニルアルコールである
場合には、ブチルアルデヒドのようなアルデヒド化合物
やホウ酸などが利用できる。水性樹脂がアクリル酸誘導
体の場合には、アルミニウム、亜鉛等の多価金属イオン
やカルボキシル基と反応するN−メチロール尿素、ポリ
−N−メチロールアクリルアミドが利用できる。ゼラチ
ンまたはゼラチン誘導体の場合には、米国特許第332
5287号明細書、同第3288775号明細書、同3
549377号明細書、ベルギー特許第6602226
号明細書などに記載されているトリアジン系化合物、米
国特許第3291624号明細書、同第3232764
号明細書、フランス特許第1543694号明細書、英
国特許第1270578号明細書などに記載されている
ジアルデヒド系化合物、米国特許第3091537号明
細書、特公昭49−26580号公報などに記載されて
いるエポキシ系化合物、米国特許第3642486号明
細書などに記載されているビニル化合物、そして米国特
許第3392024号明細書などに記載されているエチ
レンイミン系化合物あるいはメチロール系化合物が利用
できる。特に好ましい架橋剤は2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム塩などのジク
ロロ−S−トリアジン誘導体である。なお、膨潤性の水
性樹脂層(無電解めっき用下地層)を、プラスチックフ
ィルム支持体の上に下塗層を介して設ける場合には、架
橋剤を、その下塗層に導入することもできる。
【0021】膨潤性の水性樹脂層の厚みは、後述する無
電解めっき用下地層と同じであり、0.005〜5μm
(好ましくは0.01〜1μm)である。上記の膨潤性
の水性樹脂層は、下塗層は、プラスチックフィルム支持
体の表面あるいは下塗層表面に、水溶性樹脂もしくはポ
リマーラテックスを水(所望により少量の有機溶剤が使
用される)で希釈した塗布液(膨潤性の水溶性樹脂層形
成用塗布液)を塗布、乾燥することにより形成すること
ができる。前記水溶性架橋剤などの架橋剤を使用する場
合は、膨潤性の水溶性樹脂層形成用塗布液に添加し、そ
の塗布液を支持体または下塗層の表面に塗布したのち、
加熱して(乾燥時の温度を高くして)、塗布層を架橋さ
せる。これにより、その水溶性樹脂層(即ち、下地層)
の強度を高めることができる。
【0022】上記の膨潤性の水性樹脂層に金属もしくは
金属化合物の微粒子が分散された無電解めっき用下地層
は、例えば、金属塩もしくは金属錯体など、そして還元
剤(また、さらに必要により保護コロイド)を含む水溶
液を調製し、その水溶液中の金属塩もしくは金属錯体な
どの還元反応により金属もしくは金属化合物の微粒子を
析出させて金属もしくは金属化合物の微粒子を含む塗布
液とし、これを膨潤性の水性樹脂層の上に塗布乾燥させ
る方法により形成させることができる。また、最初から
金属もしくは金属化合物の微粒子を含む塗布液を調製
し、これを膨潤性の水性樹脂層表面に塗布乾燥させる方
法によっても無電解めっき用下地層を形成することも可
能である。あるいは、金属塩もしくは金属錯体などを含
む水溶液を調製し、膨潤性の水性樹脂層上にその水溶液
を塗布し、次いでその塗布層中に還元剤を浸透させるこ
とにより金属塩もしくは金属錯体などを還元させ金属も
しくは金属化合物の微粒子を析出させ、最後に乾燥させ
る方法により形成することができる。
【0023】用いる金属は、基本的には導電性を持つも
のであり、その例としては、Au、Pt、Pd、Ag、
Cu、Ni、Fe、Ro、Cr、Snなどの金属を挙げ
ることができる。また金属化合物としては、それらの金
属の塩、酸化物、硫化物などがある。金属化合物や出発
原料の具体例としては、PdS、SnS、Ag2 S、P
dCl2 、SnCl2 、AgCl、PdF2 、AgF
2 、SnF2 、PdO2、SnO2 、Ag2 O、HAu
Cl4 、H2 PtCl6 を挙げることができる。また、
この例示された金属塩や金属錯体以外にも、他の金属の
塩化物、硫化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、酸化
物、各種の錯体などを用いることができる。市販されて
いる製品の例としては、石原産業株式会社製のSN−1
00A及びSN−100N、三菱マテリアル株式会社製
のT1を挙げることができる。
【0024】還元剤の例としては、次亜リン酸ナトリウ
ム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、
水素化ホウ素カリウム、ホルムアルデヒド、ヒドラジ
ン、アスコルビン酸などの無機もしくは有機の還元剤を
挙げることができる。還元剤は、金属塩や金属錯体に対
して、モル比で1/2〜2の割合で使用することが好ま
しい。
【0025】本発明の金属もしくは金属化合物の微粒子
を含む塗布液は、酸化スズの微粒子(好ましくはアンチ
モンを含有する酸化スズ)と酸化スズ以外の金属もしく
は金属化合物の微粒子とを含有していることが好まし
い。酸化スズの添加量は、金属、金属化合物の重量の1
0〜1000倍量加えることが好ましく、特に20〜5
00倍量が好ましい。酸化スズに対するアンチモンの量
は、0.1〜50重量%の範囲が好ましい。また、上記
酸化スズ微粒子の平均粒子径は、0.01〜0.5μm
が好ましい。上記酸化スズを含む無電解めっき用下地層
上に、無電解めっきを行なった場合、得られるめっき層
の形成速度は、含まない場合に比べて2〜3倍以上とな
り、短時間で所望の層厚の無電界めっき層を得ることが
できる。
【0026】上記の金属もしくは金属化合物の微粒子の
大きさは、通常0.0003〜10μm(好ましくは
0.001〜1.0μm)の範囲にはいるものであるこ
とが好ましい。
【0027】本発明の膨潤性の水性樹脂層に塗布される
金属もしくは金属化合物の微粒子が水中に分散された塗
布液は、金属もしくは金属化合物の微粒子を塗布液中
に、0.01〜5重量%含んでいることが好ましく、特
に0.01〜1重量%含んでいることが好ましい。また
上記塗布液は、保護コロイドを含んでいる好ましい。保
護コロイドの例としては、ゼラチンおよびその誘導体
(例、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどのア
シル化ゼラチン、アクリル酸、メタクリル酸もしくはア
ミドなどでゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチ
ン)、ポリビニルアルコールおよびその変性物、ポリビ
ニルピロリドンおよびその変性物、ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸/ジアクリレート共重合体のようなポリマ
ーを挙げることができる。その塗布液中の含有量は、
0.01〜5重量%が好ましく、特に0.01〜1重量
%が好ましい。上記塗布液の塗布量は、最終的に得られ
る無電解めっき用下地層における水性樹脂と金属もしく
は金属化合物の微粒子との重量比率は、通常は0.01
〜10000、好ましくは0.1〜1000(水性樹脂
/金属もしくは金属化合物の微粒子)の範囲になるよう
に調整される。なお、得られる無電解めっき用下地層の
厚さは通常、0.005〜5μm(好ましくは0.01
〜1μm)である。
【0028】膨潤性の水性樹脂層に塗布される金属もし
くは金属化合物の微粒子が水中に分散された塗布液は、
金属塩あるいは金属錯体等の金属化合物を含む液と、モ
ル比で該金属化合物の1/1000〜1/10の範囲の
重量の還元剤を含む液とを混合、反応させた液でも良
い。このように、還元により得られる金属又は金属化合
物の微粒子濃度を更に低下させることにより、微粒子含
有塗布液の安定性は更に向上する。上記金属もしくは金
属化合物の微粒子が水中に分散された塗布液を調製する
に際して、得られる塗布液全量に対して、金属塩あるい
は金属錯体等の金属化合物は一般に0.001〜1重量
%、好ましくは0.01〜1重量%となるように添加さ
れる。上記塗布液を用いた場合、金属生成のための出発
原料である金属塩や金属錯体の金属化合物が、形成され
た無電解めっき用下地層中に存在しており、無電解めっ
きの進行と共に無電解めっき浴中の還元剤により、上記
金属化合物も還元される。この場合、一般に、上記金属
化合物も還元されたのちメッキの還元反応が起こる。例
えば、金属化合物としてPdCl2 を用いて、還元によ
り析出したPdの金属微粒子と還元されていないPdC
l2 を含む無電解めっき用下地層中を形成し、これを硫
酸銅のEDTA浴に浸漬した場合、Pdの金属微粒子を
核として銅メッキが施されると共に、浴中にホルマリン
によりPdCl2 も還元されてPdの金属微粒子が生成
し、これが銅メッキの核となるため、メッキ層の形成は
拡大する。しかしながら、Pdの金属微粒子を無電解め
っき用下地層中に、高濃度で存在させようとした場合、
PdCl2 の還元時に発生する水素ガスのため、生成し
たPdの金属微粒子が凝集し易くなることから、高濃度
の金属微粒子を含む液の作成は極めて困難である。上記
方法により、即ち凝集し難い条件である、低濃度でPd
の金属微粒子(及びPdCl2 )を含む下地層形成用の
液を作成し、これを用いて下地層の形成そして無電解メ
ッキを行なうことにより、下地層と密着性に優れた無電
解メッキ層を簡便に形成することができる。
【0029】無電解めっき用下地層の上には公知の方法
もしくはそれに準じる方法によって前述した無電解めっ
き層が形成される。利用できる無電解めっき液に特に制
限は無く、市販の各種の処理液を用いることができる。
一般的には、銅めっきの場合には、硫酸銅のEDTA浴
やロッシェル塩浴などが用いられる。ニッケルめっきの
場合には、硫酸ニッケルあるいは塩化ニッケルなどを用
いた酸性浴、または30〜60℃の液温の低温中性浴、
アンモニアアルカリ性浴、苛性アルカリ浴などが用いら
れる。また、コバルトめっきの場合には、硫酸コバルト
あるいは塩化コバルトなどのコバルト塩を用いた中性乃
至アルカリ条件のクエン酸浴、酒石酸浴などが用いられ
る。無電解めっき層の層厚みは、通常0.1〜1.0μ
m(好ましくは、0.2〜0.5μm)が選ばれる。
【0030】上記無電解めっき層は、前述のように無電
解めっき用下地層の内部にまでアンカー効果によって浸
透するため、その下地層から容易に離脱しないように形
成される。すなわち、公知の一般的な方法でプラスチッ
クフィルムの表面に無電解めっき(化学めっき)を施す
場合には、ブラストのような物理的粗面化処理あるいは
クロム混酸を用いるエッチングのような化学的な方法を
利用して、表面処理を予め行なう必要がある。このよう
な一般的な方法でプラスチックフィルムの表面処理を行
なって、その上に無電解めっきを行なった場合、その無
電解めっき層は通常の取り扱いでは問題がないが、その
後、本発明の金属パターンの形成方法のようなフォトレ
ジスト層形成、未硬化フォトレジスト層の溶出処理、電
解めっき処理、そしてめっき層の基板への転写などの所
定の各種処理を行なう場合に、それらの途中でプラスチ
ッキフィルムの表面からの剥離が発生しやすいことが問
題となる。これに対して、本発明における無電解めっき
用下地層の上に形成される無電解めっき層は、そのめっ
き金属相が無電解めっき層用下地層の内部から生成する
ようになり、このため、形成される無電解めっき層と無
電解めっき下地層とは、前者の脚部が後者の内部に食い
込んでアンカリング効果を示すような複合構造を形成し
ながら一体化する。そして、無電解めっき下地層は、下
塗層などの効果により、プラスチックフィルムにしっか
りと固着している。従って、本発明の無電解めっき層付
きシートにおける無電解めっき層は、そののちの各種処
理の間でも、プラスチックフィルムから剥離することな
く、転写工程においてプラスチックフィルムを基板から
剥ぎ取る時に初めてプラスチックフルムと分離されるよ
うになる。
【0031】無電解めっき層の上にはフォトレジスト層
が形成される。フォトレジストとしては通常はネガ型が
用いられる。また、現像廃液の処理の簡便さを考慮する
とアルカリ水溶液で現像可能なフォトレジストであるこ
とが好ましい。フォトレジスト層は、フォトレジスト溶
液をウエブ塗布などの塗布法により無電解めっき層の表
面に形成してもよく、またドライフィルム化されたレジ
ストフィルムなどを無電解めっき層の表面にラミネート
法などによって積層してもよい。なお、アディティブ法
用として市販されているめっきレジスト、感光性ソルダ
ーレジストなどを用いることもできる。本発明で用いる
感光性シートは、上記のようにして調製される感光性レ
ジストが表面に形成された感光性シートをその代表例と
するものである。
【0032】次に、本発明の感光性シートを用いる金属
パターンの形成方法について、図面を参照しながら説明
する。図2は、本発明の金属パターンの形成方法に従っ
て、基板上に金属パターンを形成させる工程を模式的に
示す図である。すなわち、まず、図1に示した本発明の
無電解めっき層形成用シート10(プラスチックフィル
ム支持体11、疎水性バインダからなる下塗層12、そ
して膨潤性の水性樹脂に金属及び金属化合物の微粒子が
分散されてなる無電解めっき用下地層13)の上に、上
記の方法により無電解めっき層14、そしてフォトレジ
スト層(感光性レジスト層)15を積層することによ
り、本発明の感光性シート21を製造する(イ)。
【0033】次いで、この感光性シート21のフォトレ
ジスト層15を、配線パターン状などの形状のフォトマ
スク22を用いてパターン状に露光させ(ロ)、次いで
現像することによって、無電解めっき層14の上にレジ
ストパターン15aを形成させる(ハ)。上記の露光現
像により形成されたレジストパターン15aにより、部
分的に露出面とされた無電解金属めっき層の露出表面上
には、次に公知の方法もしくはそれに準じる方法によっ
て電解めっき層23が形成される(ニ)。本発明で用い
る電解めっき液には特に制限はなく、市販の処理液もし
くはそれに類似する処理液を用いることができる。具体
的には、銅めっきの場合には、ほう弗化銅の低濃度浴や
高濃度浴、硫酸銅の電鋳浴、光沢浴、一般浴、そしてピ
ロリン酸銅の光沢浴などを用いることができる。ニッケ
ルめっきの場合には、硫酸ニッケルあるいは塩化ニッケ
ルを用いるトリニッケル浴、光沢浴ワイズベルグ浴など
が用いられる。勿論、電解めっきは単独の金属のめっき
に限られるものではなく、合金メッキを利用することも
できる。本発明の金属パターンの形成方法で形成される
電解めっき層は通常10〜50μmの範囲の厚さを持つ
ようにされる。ただし、所望により、それよりも厚く、
あるいは薄くすることもできる。なお、次の工程で行な
われるレジストパターンと電解金属めっき層の基板への
転写を考慮すると、電解めっき層の厚さは、レジストパ
ターンの厚さとほぼ同等とすることが好ましい。
【0034】次に、上記のようにして形成したレジスト
パターンと電解めっき層とを同時に基板24の上に転写
する(ホ)。基板としては、公知のもの、もしくはそれ
に準じるものが利用される。その例としては、ポリイミ
ドフィルムなどのプラスチックフィルム基板、ガラスエ
ポキシ基板などの複合材料基板を挙げることができる。
なお、基板は、必ずしもフィルムもしくはシート状であ
る必要はない。レジストパターンと電解めっき層との基
板への転写は、通常、基板の表面に接着剤層25を設け
た上で、その接着剤層の表面にレジストパターンと電解
めっき層とが接するようにして積層し、加熱加圧して、
接着する方法が利用される。この場合の接着剤として
は、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂などの材料からなるもので、ホットメルト接着
剤あるいは熱硬化型接着剤が用いられる。また、光硬化
型ソルダーレジストとして市販されているものも利用す
ることができる。接着剤は、ドライフィルム化された接
着剤シートであってもよい。
【0035】そして、上記の転写が終了後に、感光性シ
ートのプラスチックフィルムを積層体から手を用いて、
あるいは機械的に、剥がし取る(ヘ)ことによって、目
的の金属パターンが得られる(ト)。なお、所望によ
り、基板上に残留しているレジストパターンを溶解など
の方法により除去することもできる。なお、基板上に形
成された金属パターンの表面の平滑性もしくは光沢性を
更に向上させるためには、その表面をソフトエッチング
処理することもできる。このソフトエッチング処理は、
公知の方法であり、たとえば、酸化剤である過硫酸アン
モニウムあるいは過硫酸ナトリウムの5〜10%程度の
水溶液で、目的の金属表面を数十秒〜数分処理すること
によって実施することができる。
【0036】上記金属パターンの形成方法において、電
解めっき層23が形成された(ニ)後、レジストパター
ン15aを先に除去してから、(ホ)及び(へ)と同様
の操作を行なってレジストパターンを持たない金属パタ
ーンを作成することもできる。また基板24の裏側に同
様な金属パターンを形成してもよい。
【0037】上記のようにして得られた表面に金属パタ
ーンを有する基板は、そのまま単独で用いることもでき
るが、所望により、二枚以上積層して多層化することも
できる。その多層化は、例えば、公知のプレプリグなど
を用いることによって容易に実施することができる。
【0038】
【実施例】
[実施例1] (1)無電解めっき層形成用シートの作成 1)ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚さ100μm)の表面にコロナ放電処理を施し、そ
の処理表面に下記組成からなる塗布液を、塗布量が約6
mL/m2 となるようにワイヤーバーを利用して塗布
し、170℃で1分間乾燥して、下塗層を形成した。
【0039】 [下塗層組成] ブタジエン/スチレン共重合体ラテックス(固形分43%、 ブタジエン/スチレン重量比=32/68) 13mL 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンの ナトリウム塩(架橋剤)の1.6%水溶液 9mL ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム1%水溶液 1.6mL 蒸留水 78mL 2)上記のポリエチレンテレフタレートフィルム上の下
塗層の表面にコロナ放電処理を施したのち、その処理表
面に下記のようにして調製した膨潤性の水性樹脂層形成
用塗布液を塗布量が約9mL/m2 となるようにワイヤ
ーバーを利用して塗布し、150℃で2分間乾燥し、次
いで、その表面に金属あるいは金属化合物の微粒子含有
塗布液を塗布量が8.4mL/m2 となるようにワイヤ
ーバーを利用して塗布し、150℃で2分間乾燥し、無
電解めっき下地層を形成した。
【0040】[膨潤性の水性樹脂層形成用塗布液の調
製]ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製681)0.5
gを純水12.5gに加熱溶解させた水溶液と2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム
塩の2%水溶液0.164gとを混合してして膨潤性の
水性樹脂層形成用塗布液を得る。
【0041】[金属あるいは金属化合物の微粒子含有塗
布液の調製]塩化パラジウム0.6gを、5N塩酸3g
と純水339gとの混合物に完全に溶解させてA液を作
成する。次に、ポリビニルピロリドン(K90、東京化
成工業株式会社製、保護コロイド)0.9gを1Nの水
酸化ナトリウム水溶液30gと純水262.5gとの混
合物に溶解してB液を作成する。次いで、ホルマアルデ
ヒド0.6gを純水375gに溶解させたC液を作成す
る。上記のB液をスターラーを用いて撹拌(150rp
m)しながら、これにA液とC液とを同時にゆっくりと
添加する。添加に伴い水溶液の色が変化し、黒褐色透明
なパラジウムコロイド水溶液(金属あるいは金属化合物
の微粒子含有塗布液)が得られる。
【0042】(2)無電解めっき層付きシートの作成 上記(1)で作成した無電解めっき層形成用シートを2
0cm×20cmの正方形に切断して試験片を調製し
た。この試験片を界面活性剤水溶液(メルテックス社
製:メルテックスエンプレートPC−236:pH約
1)に5分間浸漬し、次いで1分間水洗して、無電解め
っき層形成層を膨潤させた。次に、試験片を市販の無電
解銅めっき液(メルテックス社製:メルプレートCU−
390)に浸漬し、約20℃で20分間無電解めっき操
作を行なった。試験片の上に析出した銅層(銅めっき
層)の層厚は約0.3〜0.4μmでほぼ均一であっ
た。このめっき操作において、めっき層形成用下地層か
らの金属微粒子の脱落は観察されなかった。この析出し
た銅層(銅めっき層)の表面に接着テープを貼り付けた
のち、そのテープを剥ぎ取る試験を行なったが、銅層の
剥離は発生しなかった。また、この銅めっき層の表面抵
抗を低抵抗表面抵抗計(三菱油化株式会社製のMCP−
TESTER LORESTA)を用いて測定したとこ
ろ約0.4〜0.6Ω/sqの値が得られた。なお、銅
めっき層は、表面側から見ると、強い赤銅色が観察さ
れ、一方、裏面側(PETフィルム側)から見ると、同
じく赤銅色が観察されるが、その金属光沢は表面側より
弱く、また金属光沢がまばらな状態となっていることが
確認された。すなわち、上記の銅めっき層と無電解めっ
き用下地層とは、一体化されており、無電解めっき層部
分の金属相が無電解めっき用下地層部分にまで無電解め
っき層部分よりも疎な状態で侵入した構造をとっている
ことが確認された。
【0043】(3)感光性シートの作成 無電解めっき層付きシートの無電解銅めっき層の上に、
アルカリ現像型のフォトレジストフィルム(富士写真フ
ィルム株式会社製A640)を2kg/cm、105
℃、1.0m/分の条件で貼り付けて感光性シートを作
成した。 (4)配線ネガパターンの形成 感光性シートのフォトレジストフィルムの表面に配線パ
ターンのマスクを用いて、パターン状の露光を施し、ア
ルカリ現像液で現像処理し、配線パターン状に無電解銅
めっき層を露出させ、レジストの配線ネガパターンを形
成した。 (5)電解めっき処理 上記の(4)で処理したシートを電解めっき液(リーロ
ナール社製の光沢剤カパーグリームPを5mL/Lの濃
度で添加した硫酸銅浴)に浸漬し、約20℃の温度で、
1.2A/dm2 の条件で電流を20分間流して、上記
(4)で露出させた無電解銅めっき層の表面に電解銅め
っき層を形成させた。
【0044】(6)金属パターンの基板への転写 別に用意したガラスエポキシ基板の上にソルダーレジス
トフィルム(デュポン社製:バクレル8030)を重ね
合せ、2kg/cm、105℃、1.0m/分の条件で
貼り付けた。上記のガラシエポキシ基板上のソルダーレ
ジストフィルムの上に、前記(5)で得た無電解めっき
層を有するシートを、その無電解めっき層がレジストフ
ィルム表面に接触するように重ね合せ、4kg/cm、
120℃、0.5m/分の条件でラミネートし、積層一
体化させた。次いで、その積層物からPETフィルムを
剥がし取ったところ、配線パターン状の銅めっき層とレ
ジスト配線ネガパターンとが、ガラスエポキシ基板上の
ソルダーレジストフィルムの上に転写されており、その
解像力は約50μmであった。続いて、転写された銅め
っき層の表面を、過硫酸アンモンの12%水溶液を用い
30℃で、2分間処理した(ソフトエッチング)とこ
ろ、銅の光沢面が現われて、解像力の優れた配線基板が
得られた。
【0045】[実施例2]金属あるいは金属化合物の微
粒子含有塗布液として、実施例1で調製した金属あるい
は金属化合物の微粒子含有塗布液を25℃で48時間放
置したものを用いた以外は実施例1と同様にして無電解
めっき層形成用シートを作成した。上記の無電解めっき
層形成用シートを用い、実施例1と同様にして、無電解
めっき層の形成、レジストフィルムの積層、配線ネガパ
ターンの形成、電解めっき操作、そして転写操作を行な
って、最後にソフトエッチング操作を行なったところ、
表面に光沢面を有する配線パターン状の銅めっき層(解
像力:約50μm)とレジストネガパターンとを表面に
有するガラスエポキシ基板(配線基板)が得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の感光性シートにおける無電解め
っき層は、その下の膨潤性を有する親水性樹脂層によっ
てプラスチックフィルム支持体に適度な強度(電解めっ
きなどの操作では剥離することなく、一方、転写後のプ
ラスチックフィルム支持体の剥ぎ取りを円滑に実現す
る)を有する。従って、この本発明の感光性シートを用
いて転写法を利用する金属パターンの形成方法を実施し
た場合に、作業性や経済性に優れ、かつ表面の平滑性の
高い金属パターンを形成することができる。さらに、本
発明の金属パターンの形成方法は、高精細なプリント配
線基板の製造に特に有利に利用できる。また、上記感光
性シートは、本発明の製造方法により得られる無電解め
っき層形成用シートに無電解めっき層及びフォトレジス
ト層を形成することにより得られる。無電解めっき層形
成用シートは、本発明の無電解めっき層形成用シートの
製造方法により容易に、安定して作成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属パターンの形成方法で用いる無電
解めっき層形成用シートの構成の例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の金属パターンの形成方法の各工程を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
10 無電解めっき層形成用シート 11 プラスチックフィルム 12 下塗層 13 無電解めっき用下地層 14 無電解めっき層 15 フォトレジスト層 15a レジストパターン 21 感光性シート 22 フォトマスク 23 電解めっき層 24 基板 25 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 靖典 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 執行 正路 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの表面に設けられ
    た膨潤性の水性樹脂層の上に、金属もしくは金属化合物
    の微粒子が水に分散された塗布液を塗布することによ
    り、膨潤性の水性樹脂層中に金属及び金属化合物の微粒
    子を分散させ、次いで乾燥して膨潤性の水性樹脂層を無
    電解めっき用下地層とすることからなる無電解めっき層
    形成用シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 膨潤性の水性樹脂層とプラスチックフィ
    ルム表面との間に接着性樹脂からなる下塗層が設けられ
    ている請求項1に記載の無電解めっき層形成用シートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 膨潤性の水性樹脂層が、架橋された水性
    樹脂層である請求項1に記載の無電解めっき層形成用シ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法により得られた無
    電解めっき層形成用シートの無電解めっき用下地層上
    に、無電解めっき層及びフォトレジスト層が、この順で
    形成されてなる感光性シート。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の感光性シートのフォト
    レジスト層をパターン状に露光させ、次いで現像するこ
    とにより、無電解めっき層の上にレジストパターンを形
    成させる工程;レジスト不在領域の無電解めっき層露出
    表面上に電解めっき層を形成する工程;レジストパター
    ンとめっき層とを同時に基板上に転写する工程;そして
    プラスチックフィルムを剥がし取る工程を順次行なうこ
    とにより基板の上に金属パターンを形成させる方法。
  6. 【請求項6】 基板の上に形成された金属パターンの表
    面をエッチング処理して、めっき層の表面を平滑化する
    工程を更に含む請求項5に記載の金属パターンの形成方
    法。
  7. 【請求項7】 感光性シートの無電解めっき用下地層と
    無電解めっき層とが一体化されていて、それらの境界が
    明確でなく、無電解めっき層部分の金属相が無電解めっ
    き用下地層部分にまで無電解めっき層部分よりも疎な状
    態で侵入している請求項5に記載の金属パターンの形成
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019157158A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 三菱重工業株式会社 めっき層を有する成形品の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019157158A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 三菱重工業株式会社 めっき層を有する成形品の製造方法

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