JPH09224694A - 糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

糖脂肪酸エステルの製造方法

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JPH09224694A
JPH09224694A JP3516496A JP3516496A JPH09224694A JP H09224694 A JPH09224694 A JP H09224694A JP 3516496 A JP3516496 A JP 3516496A JP 3516496 A JP3516496 A JP 3516496A JP H09224694 A JPH09224694 A JP H09224694A
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JP
Japan
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fatty acid
lipase
reaction
acid ester
sugar fatty
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JP3516496A
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English (en)
Inventor
Fusao Kondo
房男 近藤
Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
Yutaka Ito
裕 伊藤
Yoshihisa Koyaizu
津敬久 小柳
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖脂肪酸エステルを、連続的、かつ効率的に
製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 (a) リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第
1反応系に、糖類(A) 及び脂肪酸系化合物(B) を供給し
て、糖脂肪酸エステルを合成し、かつ該糖脂肪酸エステ
ルの合成で生じる水及びアルコールを含む副生物を、温
度30〜100℃、真空度100torr以下の条件で除去
する工程; (b) 工程(a) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第2
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
副生物を、温度30〜100℃、真空度100torr以下
の条件で除去する工程; (c) 工程(b) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第3
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
副生物を、温度30〜100℃、真空度100torr以下
の条件で除去する工程を有する糖脂肪酸エステルの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素反応を利用し
た糖脂肪酸エステルの製造方法に関する。詳細に述べる
と、複数工程で連続的にエステル化を行う糖脂肪酸エス
テルの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】リパーゼを用いて糖脂肪酸エステルを工業
的に製造する場合、耐熱性や活性を向上させ、回収を容
易にするため、リパーゼを固定化酵素とし、該固定化リ
パーゼを回分方式、又は連続反応方式で用いている。そ
して、リパーゼを用いて糖脂肪酸エステルを合成する
と、水分やアルコールなどの副生物の増加により、糖脂
肪酸エステルの合成反応が平衡に達し、合成反応が止ま
るので(Carl Millerらの論文、National AOCS Meeting
in New Orleans, 1987年5月19日)、該副生物を除去
し、該反応平衡を回避しながら合成反応を進行させる。
しかし、回分式反応では、1個の反応槽内で、攪拌しな
がら原料の仕込み、反応温度への昇温、エステル反応の
進行、糖脂肪酸エステルの回収、冷却、固定化リパーゼ
の回収・分離などの工程を行うので、リパーゼが担持体
からの脱離しやすく、回収歩留まりが低下し、また酵素
活性も低下し易い。また、攪拌槽を用いた回分方式で
は、反応液表面の気相部を減圧して、脱水及び脱アルコ
ールを容易に除去することができるが、反応基質が多い
反応の初期段階では、水及びアルコールなどの副生物の
量が特に多く、その後、副生物の量が少なくなるので、
圧力や温度などの除去条件を、反応段階に応じて設定し
なければならず煩雑である。一方、連続反応方式とし
て、温度調整器、水分調整などのプレカラム、固定化リ
パーゼ充填塔を連結した固定床を用いる方式が知られて
いるが、基質液を固定床を通過させるだけではリパーゼ
との接触時間が不足し反応が十分に進まないという欠点
がある。この欠点を解決する方法として、固定化リパー
ゼの固定床を通過した反応液に、乾燥窒素を通気しなが
ら脱水し、再び固定床を循環させて反応を進行させるル
ープ反応方式を2段階で行う方法が知られている(小杉
佳次、「油化学」第44巻、第10号 869〜874 頁、1995
年)。しかし、このループ反応方式では、循環のライン
で必要な脱水及び脱アルコールを行うのが困難であると
いう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の回分
方式及び連続方式による糖脂肪酸エステルの製造方法の
欠点を解決し、糖脂肪酸エステルを効率的に製造する方
法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に研究した結果、糖類及び脂肪酸系化合物を、リパーゼ
固定化粒子を懸濁させた系の連続工程で反応させ、同時
に副生物を所定の条件で除去することにより、合成反応
の平衡を防止し、糖脂肪酸エステルを効率的に製造でき
るという知見を得た。本発明はこの知見に基づいて完成
したものである。したがって、本発明は下記の糖脂肪酸
のエステル製造方法を提供する。 (A)炭素原子数5〜7個の単糖類、ヘキソースからなる
二糖類、炭素原子数5〜7個の単糖類と一価アルコール
とのエーテル化合物、炭素原子数4〜6個の糖アルコー
ル及びこれらの脱水縮合物から選ばれる少なくとも1種
の糖類、並びに(B) 炭素原子数6〜22個の飽和及び不
飽和脂肪酸、及び該脂肪酸と炭素原子数1〜4個の低級
アルコールとのエステル化物から選ばれる少なくとも1
種の脂肪酸系化合物を、有機溶媒の存在下で、リパーゼ
を用いてエステル化する糖脂肪酸エステルの製造方法で
あって、下記工程(a) 〜(d) を有することを特徴とする
製造方法:
【0005】(a) リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第1
反応系に、糖類(A) 及び脂肪酸系化合物(B) を供給し
て、糖脂肪酸エステルを合成し、かつ該糖脂肪酸エステ
ルの合成で生じる水及びアルコールを含む副生物を、温
度30〜100℃、真空度100torr以下の条件で除去
する工程; (b) 工程(a) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第2
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
℃、真空度100torr以下の条件で除去する工程; (c) 工程(b) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第3
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
℃、真空度100torr以下の条件で除去する工程;、及
び (d) 工程(c) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液から糖脂肪酸エステルを回収する工程であ
る。なお、前記の製造方法において、工程(c) を、リパ
ーゼ固定化粒子を懸濁させた第3反応系を新しい反応系
に代えて、少なくとも2回行うことにより、糖脂肪酸エ
ステル製造の効率向上を図ることができる。次に、本発
明を詳細に説明する。
【0006】本発明で用いる糖類(A) は、炭素原子数5
〜7個の単糖類、ヘキソースからなる二糖類、炭素原子
数5〜7個の単糖類と一価アルコールとのエーテル化合
物、炭素原子数4〜6個の糖アルコール及びこれらの脱
水縮合物から選ばれた少なくとも1種の糖類である。こ
れらの具体的な例を挙げると、炭素原子数5個の単糖類
には、アラビノース、リボース、キシロース、リキソー
ス、キシルロース、リブロース、2−デオキシリボース
などがあり、炭素原子数6個の単糖類にはグルコース、
ガラクトース、フラクトース、マンノース、ソルボー
ス、タロース、2−デオキシグルコース、6ーデオキシ
ガラクトース、6−デオキシマンノース、2−デオキシ
ガラクトースなどがあり、炭素原子数7個の単糖類には
アロヘプツロース、セドヘプツロース、マンノヘプツロ
ース、グルコヘプツロースなどがある。また、ヘキソー
スからなる二糖類の例を挙げると、マルトース、シュク
ロース、ソホロースなどがあり、糖アルコールの例を挙
げるとエリスリトール、リビトール、キシリトール、ア
リトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトー
ルスなどがある。また、炭素原子数5〜7個の単糖類と
一価アルコールとのエーテル化合物において、一価アル
コールは、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和の何れの炭
素鎖であってもよく、その炭素原子数1〜12個、特に
1〜6個であるのが好ましい。具体的な例を挙げると、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルアルコールなどが好ましい。
【0007】また、糖類と一価アルコールの結合位置は
特に制限されず、いずれの位置でもよい。これらのアル
キルグルコシド類は、ヘミアセタール性水酸基のアルキ
ル置換後の立体配置が、α、βそれぞれ単独であって
も、またαおよびβが任意の割合で混合していてもよ
い。また、本発明では、前記単糖類、二糖類、エーテル
化合物及び糖アルコールから得られる脱水縮合物を糖類
として使用することができる。なお、本発明に於いて
は、置換基を有しない炭素数5〜7個の単糖類、ヘキソ
ースからなる2糖類、及び炭素原子数4〜6個の糖アル
コールから選ばれる糖類を混合使用することにより、そ
の使用割合に応じた比率で効率よく糖脂肪酸エステルと
糖エーテル脂肪酸エステルとの混合物を同時に合成する
ことができる。また、本発明で用いる脂肪酸系化合物
は、炭素原子数6〜22個の飽和及び不飽和脂肪酸、並
びに該脂肪酸と炭素原子数1〜4個の低アルコールとの
エステル化物から選ばれる少なくとも1種の化合物であ
る。
【0008】該飽和及び不飽和脂肪酸の例を挙げると、
カプロン酸、ソルビン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、ペンタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン
酸、ドコセン酸、アラキドン酸、リシノレイン酸、ジヒ
ドロキシステアリン酸などがある。また本発明では該エ
ステル化物としては、前記脂肪酸と炭素原子数1〜4個
の低級アルコールとのエステル化物を用いる。この低級
アルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、及びブタノールなどがある。該エステル化物の具
体的な例を挙げると、カプロン酸メチル、カプロン酸エ
チル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ラウリン
酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ミ
リスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸
プロピル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、
パルミチン酸プロピル、、ステアリン酸メチル、ステア
リン酸エチル、ステアリン酸プロピル、オレイン酸メチ
ル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、リノール
酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸プロピル、リ
ノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リノレン酸プロピ
ル、エイコサン酸メチル、アラキドン酸メチル、ドコサ
ン酸メチル、ドコセン酸メチルなどがある。
【0009】前記脂肪酸系化合物の使用量は、通常糖類
1モルに対して0.5〜10モル、好ましくは0.5〜3モ
ルである。このように使用量を限定する理由は、0.5モ
ルよりも低いと糖脂肪酸エステルの合成反応速度が遅く
なるからであり、10モルよりも高くすると反応物から
の分離・回収が煩雑になるからである。本発明で使用す
る溶媒としては、親水性の強い糖類と疎水性の強い脂肪
酸又はその低級アルキルエステルとの双方を溶解する溶
媒であって、かつリパーゼの活性を阻害しない溶媒であ
る。また、この溶媒の沸点は100℃以上、特に140
〜200℃のものが好ましい。溶媒の沸点を100℃以
上とする理由は、本発明の副生物を除去する条件下で、
溶媒が反応液相中で安定でなければならないからであ
る。本発明の溶媒の例を挙げると、ブチロラクトン、ピ
コリン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノ
ン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘ
キサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプ
タノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノ
ン、5−ノナノン、アセトフェノン、ジイソブチルケト
ン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イソホロ
ンなどのケトン系溶媒;テトラヒドロチオフェン−1,
1−ジオキサシド(スルホラン)などである。本発明で
はこれらの溶媒を、単独で、又は2種以上組み合わせて
使用する。
【0010】該溶媒の使用量は、溶媒の種類、原料の脂
肪酸又はそのエステルの炭素鎖長、反応温度により適宜
選択することができる。通常、糖類1重量部に対し、該
溶媒1〜30重量部、特に1〜1 0重量部とするのが好
ましい。また、合成反応の温度は、使用するリパーゼの
至適温度を考慮して決めるが、通常30〜90℃、好ま
しくは50〜80℃である。本発明で用いる酵素はリパ
ーゼであり、加水分解酵素に属する酵素群を意味する。
このリパーゼの例を挙げると、豚膵臓由来リパーゼ、キ
ャンディダ由来酵母リパーゼ、及び菌体由来リパーゼが
ある。このリパーゼを産生する菌には、アスペルギルス
属、ムコール属、シュードモナス属、リゾプス属、ペニ
シリウム属、及びクロモバクテリウム属などがあり、こ
れらの菌のリパーゼをコードしたDNAで形質転換した
宿主に生産させたリパーゼを使用しても良い。なお、本
発明のリパーゼは、精製された又は粗精の酵素組成物に
含まれた形態で使用するか、また、エステル分解活性を
有する酵素を生産する菌体(処理菌体、休止もしくは静
止菌体)の乾燥品を直接、使用することも出来る。
【0011】なお、本発明のリパーゼによるエステル化
反応では、リパーゼは脂肪酸系化合物の中間結合体を形
成した後、糖類と反応するので、脂肪酸系化合物を過剰
に使用しても、モノエステルが優先的に合成され、界面
性能が低いジエステル、トリエステルなどの脂肪酸多置
換体の副生は低く押さえられる。また、本発明では、前
記リパーゼを含む酵素組成物を固定化酵素としての使用
する。該酵素組成物を固定化する担体の例を挙げると、
活性炭、多孔性ガラス、酸性白土、カオリナイト、アル
ミナ、シリカゲル、ベントナイト、ヒドロキシアパタイ
ト、燐酸カルシウム、金属酸化物などの無機物、デンプ
ン、グルテンなどの天然高分子、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、フェノールホルマリン樹脂、アクリル樹脂、
アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂などの合成高分子
がある。これらの担体のうち多孔性の合成高分子担体が
好ましい。例えば、多孔性ポリエチレン、多孔性ポリプ
ロピレン、多孔性フェノールホルマリン樹脂、多孔性ア
クリル樹脂などがある。前記担体にリパーゼを固定化す
る場合、通常、担体1gに対して精製された酵素組成物
を0.2〜500mg、好ましくは10〜30mgとなるよう
に固定する。この場合、酵素組成物はリパーゼを30〜
80%含んでいるのが好ましい。
【0012】なお、本発明で用いるリパーゼ固定化粒子
の比重は1.1〜2.0、好ましくは1.2〜1.5であり、そ
の平均粒径は100〜1,000μm 、好ましくは300
〜800μm とするのが適当である。市販されているリ
パーゼの固定化酵素の例を挙げると、Novozym 435 (NO
VONORDISK 社)がある。この固定化酵素は、マクロポー
ラスな陰イオン交換樹脂にリパーゼを固定化したもので
あって、酵素活性、耐熱性も高く、本発明にも適してい
る。該固定化酵素の平均粒子経は、約400mμ、真比
重1.4であり、通常、糖脂肪酸エステルの合成に用いる
反応液の比重が0.9〜1.1であるから重力沈降でも速や
かに沈降分離する。なお、本発明では、原料の糖1重量
部に対して、リパーゼを含む酵素組成物を0.01〜1重
量部、特に0.05〜0.5重量部となるように使用する。
酵素量が少ないと反応完結に時間がかかり生産効率が低
くない、逆に酵素量が多いと、反応液の均一な攪拌に支
障をきたす場合がある。この酵素組成物は、有効酵素含
有量の指標として用いられ、1グラム当たり、5,000
〜15,000PLUの酵素活性を有している。PLUと
は、酵素組成物1グラム当たり、60℃でのプロピルー
ラウリン酸エステルの生成速度(μ mol/min.) を示
す。
【0013】本発明の製造方法は、次のような連続工程
を有する。 (a) リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第1反応系に、糖
類(A) 及び脂肪酸系化合物(B) を供給して、糖脂肪酸エ
ステルを合成し、かつ該糖脂肪酸エステルの合成で生じ
る水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
℃、好ましくは50〜80℃、真空度100torr以下、
好ましくは5〜50torrの条件で除去する工程; (b) 工程(a) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第2
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
℃、好ましくは50〜80℃、真空度100torr以下、
好ましくは5〜50torrの条件で除去する工程; (c) 工程(b) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第3
反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
℃、好ましくは50〜80℃、真空度100torr以下、
好ましくは5〜50torrの条件で除去する工程;、及び (d) 工程(c) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
し、該反応液から糖脂肪酸エステルを回収する工程であ
る。
【0014】なお、各槽の反応液が連続的に溢流する為
には、均圧管等によって各槽の圧力を一定に保つ事が好
ましいが、上記圧力範囲内で断続的に溢流管を閉じ、各
槽の圧力を変化させる事も可能である。また、上記温度
範囲内で、反応速度の制御及び副生した水及びアルコー
ル類の分離条件の最適な条件を選択するために変化させ
る事が可能である。本発明の製造方法では、酵素を反応
器内に保持しつつ、同時に副生物である低級アルコール
や水を連続的に系外に除去しながら糖脂肪酸エステルの
合成反応を行う。本発明の工程(a) 〜(c) では、固定化
リパーゼ粒子の懸濁状態を維持する。懸濁状態とするこ
とにより、固定化リパーゼ粒子表面の反応液が常に更新
されるので、エステル化反応が速やかに進行し、かつ好
ましくないジエステルが増加を防止することができる。
なお、懸濁状態を維持するために攪拌を行う場合、固定
化リパーゼ粒子を形成する担体が、リパーゼと分離しな
いように攪拌状態を保持しなければならない。例えば、
攪拌状態として、0.2〜1.5KW/m3 の攪拌動力が必要で
ある。
【0015】なお、従来の多段攪拌槽では、固定化リパ
ーゼ粒子が反応液の溢流に伴い、反応槽から流失するの
で、固定化リパーゼ粒子を所定の濃度になるように新た
に供給しなければならなかった。これに対し、本発明で
は、固定化リパーゼ粒子の分離装置を用いて、反応液が
各工程を移動する際に、固定化リパーゼ粒子の流失を防
止する。この流出防止には、固定化リパーゼ粒子より細
かい目開きの金網を液出口に設ける方法(図2参照)、
溢流堰を設けオーバーフローした反応液中の酵素粒子を
重力で沈降させた後で、反応液を次の反応器へ流す方法
(図3参照)などがある。また、反応器外で分離する場
合、反応器を連結する配管の間に、重力沈降槽を設け
て、固定化酵素粒子を下層に分離し、元の反応器に戻す
方法がある。また、エステル化反応で生じる副生物を反
応系から除去する方法として、反応液の表面を減圧にし
て蒸発させる方法の他に、ゼオライト、モレキュラーシ
ーブ、PV膜などを用い、水もしくは低級アルコールな
どの副生物を反応系から除去する方法などが有る。
【0016】次に、図1〜3に基づき、本発明を実施す
る態様、及び実施に用いる装置について説明する。図1
に示す装置では、反応槽8は攪拌器、ジャケット13及び
オーバーフロー管16を備え、オーバーフロー管16は反応
槽8のほぼ中間に水平に設置されている。反応液の出口
14とオーバーフロー管16との連結部には、固定化リパー
ゼ粒子の分離装置が設けられている。この分離装置は、
例えば、図2に示すようにオーバーフロー管16の末端に
取り付けた、固定化リパーゼ粒子よりも小さい目開きの
金網17であり、また図3で示すように、オーバーフロー
管の途中に整流板19、及び重力沈降管18を設置し、重力
で沈降した固定化リパーゼ粒子を反応槽8に戻してい
る。
【0017】本発明の実施態様では、まず、各反応槽8
に固定化リパーゼ粒子と溶媒とを含む懸濁液を用意す
る。次に、タンク1、2及び3に収容されている糖類、
脂肪酸系化合物及び溶媒を、ポンプ5、6及び7により
第1反応槽(第1反応系)に連続的に供給する。第1反
応槽内で糖脂肪酸エステルの合成が行われ、副生する水
及びアルコールが留去される。また同時に供給される原
料に相当した量の反応液がオーバーフローし、固定化リ
パーゼ粒子を分離されて、第2反応槽(第2反応系)に
移る。さらに、第2反応槽内で糖脂肪酸エステルの合成
が進み、副生する水及びアルコールが留去され、供給さ
れる反応液に相当する量の反応液がオーバーフローし、
固定化リパーゼ粒子を分離されて、第3反応槽(第3反
応系)に移る。続いて、反応液は第3反応槽から、反応
液回収槽11に移り、こん反応液から常法で糖脂肪酸エス
テルを回収する。供給された糖類が、糖脂肪酸エステル
に転換される割合は、第1反応槽で10〜60%、第2
反応槽で20〜80%、第3反応槽で50〜95%であ
る。この実施態様では、各反応槽側面に設けられたジャ
ケット13で反応系の温度を調整し、真空ポンプ10によっ
て各反応槽中の反応液液面を所望の真空度にコントロー
ルすることにより、糖脂肪酸エステルの合成によって副
生した水またはアルコールなどをガス状態で除去する。
除去された水、アルコールなどは集合管15を経て凝縮器
9に至り、凝縮された後で凝縮液回収槽12に回収され
る。
【0018】
【発明の効果】本発明により、糖脂肪酸エステル合成に
用いた固定化リパーゼ粒子回収の煩雑さを解消し、低い
コストで、高い効率を維持ながら連続的に糖脂肪酸エス
テルを製造することができる。実施例と比較例に基づ
き、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は実施例の
範囲に制限されるものではない。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕容量2リットルの反応槽を有する図1に示
す装置に、分離装置として図2に示した形態で42メッ
シュの金網を装着した。該装置の反応槽に、Novo zym43
5 を32メッシュで篩分けした大きい粒径の固定化リパ
ーゼ粒子を、各反応槽に5g仕込み、溶媒としてシクロ
ヘキサノンをオーバーフローする位置まで仕込み、攪拌
動力1KW/m3の攪拌条件下で連続的に糖脂肪酸エステルの
合成反応を行った。反応条件および反応で得られた品質
は下記の通りであった。 反応温度 : 70 ℃ 反応液液面の圧力 : 40 torr カプリン酸メチルエステル供給速度: 20 g/時間 60%Aq.メチルグルコシド供給速度 : 30 g/時間 シクロヘキサノン供給速度 :130 g/時間
【0020】第3槽から流出した反応液は、常法により
アセチル化し、ガスクロマトグラフィーにて分析を行
い、溶媒を除いた反応物の組成(面積比)を測定した。
一方、各槽の固定化酵素は、ブタノールで洗浄した後酵
素活性を測定した。 GC分析組成 未反応メチルグルコシド(MG) : 4.8 % メチルグルコシドカプリン酸モノエステル: 69.5 % メチルグルコシドカプリン酸ジエステル : 2.7 % 未反応エステル、未反応脂肪酸 : 23.0 % 反応後の酵素活性(%) 第1槽 : 98 % 第2槽 : 98 % 第3槽 : 98 % 反応後の酵素活性(%)測定方法;使用した固定化リパ
ーゼ粒子を反応液から濾別し、t−BuOHで十分に洗
浄した後、室温で真空乾燥し、その0.2gを30ml三角
フラスコに精秤し、基質であるグリセリンとラウリン酸
メチルエステルを含有するt−BuOH溶液7mlを添加
し、50℃で15分間反応後、生成物であるグリセリル
ラウリン酸モノエステルをガスクロマトグラフィーで定
量した。併せて、ブランクとして、未反応の酵素で、同
様に酵素反応を行い、グリセリルラウリン酸モノエステ
ル生成量を測定し、固定化リパーゼ粒子の活性の基準
(100 %)とした。
【0021】〔実施例2〕容量2リットルの反応槽を有
する図1に示す装置に、分離装置として図3に示した形
態で各反応槽間を連結する配管に50mmφ、30mmHの
沈降管を設置し、その沈降管の下部に各反応槽の下部側
面に通じる経路を設けて、固定化リパーゼ粒子の流出を
防止した。固定化酵素Novozym435を篩分けしないで、そ
のままの粒径(平均粒径:400μm)で、各反応槽に
15g仕込み、溶媒としてシクロヘキサノンをオーバー
フローする位置まで入れ、攪拌動力1KW/m3の攪拌条件下
で、連続的に糖脂肪酸エステルの合成反応を行った。反
応条件および反応で得られた品質は下記の通りであっ
た。 反応温度 : 70 ℃ 反応圧力 : 40 torr カプリル酸メチルグルコシド供給速度: 24 g/時間 70%Aq.メチルグルコシド供給速度 : 28 g/時間 シクロヘキサノン供給速度 :200 g/時間
【0022】第3反応槽から流出した反応液を、常法に
よりアセチル化し、ガスクロマトグラフィー(GC)を
用いて分析を行い、溶媒を除いた反応物の組成(面積
比)を測定した。一方、各槽の固定化リパーゼ粒子は、
ブタノールで洗浄した後、実施例1と同様の方法で、残
存の酵素活性を測定した。 GC分析結果 未反応カプリル酸メチルグルコシド(MG) 4.8% メチルグルコシドカプリル酸モノエステル: 71.1% メチルグルコシドカプリル酸ジエステル : 2.3% 未反応エステル、未反応脂肪酸 : 21.8% 反応後の酵素活性(%) 第1反応槽 : 98 % 第2反応槽 : 98 % 第3反応槽 : 98 %
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる、多段落式の糖脂肪
酸エステル合成装置の概念図である。
【図2】金網を用いた、固定化リパーゼ粒子の分離装置
の概念図である。
【図3】沈降管を用いた固定化リパーゼ粒子の分離装置
の概念図である。
【符号の説明】
8 反応槽 9 凝縮器 10 真空ポンプ 11 反応液回収槽 12 凝縮液回収槽 13 ジャケット13 14 反応液の出口 15 集合管 16 オーバーフロー管 17 金網 18 重力沈降管 19 整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小柳 津敬久 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 炭素原子数5〜7個の単糖類、ヘキ
    ソースからなる二糖類、炭素原子数5〜7個の単糖類と
    一価アルコールとのエーテル化合物、炭素原子数4〜6
    個の糖アルコール及びこれらの脱水縮合物から選ばれる
    少なくとも1種の糖類、並びに(B) 炭素原子数6〜22
    個の飽和及び不飽和脂肪酸、及び該脂肪酸と炭素原子数
    1〜4個の低級アルコールとのエステル化物から選ばれ
    る少なくとも1種の脂肪酸系化合物を、有機溶媒の存在
    下で、リパーゼを用いてエステル化する糖脂肪酸エステ
    ルの製造方法であって、下記工程(a) 〜(d) を有するこ
    とを特徴とする製造方法: (a) リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第1反応系に、糖
    類(A) 及び脂肪酸系化合物(B) を供給して、糖脂肪酸エ
    ステルを合成し、かつ該糖脂肪酸エステルの合成で生じ
    る水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
    ℃、真空度100torr以下の条件で除去する工程; (b) 工程(a) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
    し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第2
    反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
    水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
    ℃、真空度100torr以下の条件で除去する工程; (c) 工程(b) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
    し、該反応液を、リパーゼ固定化粒子を懸濁させた第3
    反応系に供給し、かつ糖脂肪酸エステルの合成で生じる
    水及びアルコールを含む副生物を、温度30〜100
    ℃、真空度100torr以下の条件で除去する工程;、及
    び (d) 工程(c) の反応液からリパーゼ固定化粒子を分離
    し、該反応液から糖脂肪酸エステルを回収する工程。
  2. 【請求項2】 工程(c) を、リパーゼ固定化粒子を懸濁
    させた第3反応系を代えて、少なくとも2回行う請求項
    1記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008230986A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Kagawa Univ 新規な希少糖脂肪酸ジエステルおよびその製造方法
JP2023507446A (ja) * 2019-12-20 2023-02-22 エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー 酵素による糖エステルおよび/または糖アルコールエステルの製造方法

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JP2023507446A (ja) * 2019-12-20 2023-02-22 エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー 酵素による糖エステルおよび/または糖アルコールエステルの製造方法

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