JPH09225258A - 排ガスの脱硫方法 - Google Patents

排ガスの脱硫方法

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JPH09225258A JP8038274A JP3827496A JPH09225258A JP H09225258 A JPH09225258 A JP H09225258A JP 8038274 A JP8038274 A JP 8038274A JP 3827496 A JP3827496 A JP 3827496A JP H09225258 A JPH09225258 A JP H09225258A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 排ガス中の硫黄酸化物をMg系脱硫剤を
含む処理液で吸収し、処理液を脱硫、酸化、複分解の各
工程を循環させて再生しつつ、処理液に水酸化カルシウ
ムを加えて硫黄酸化物を二水石膏として固定して除去す
る脱硫方法において、複分解工程へ過剰量の処理液を供
給するとともに、脱硫工程のpHが一定になるように複
分解工程で水酸化カルシウムを添加する。 【効果】 簡易かつ小型の設備でのダブルアルカリ法に
よる排ガスの脱硫が可能となり、脱硫塔でのスケールの
発生もなく、負荷変動に対しても安定な運転が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油や石炭等の燃
焼排ガスのような硫黄酸化物を含有する排ガスの脱硫方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の排ガスの湿式脱硫方法の代表的な
ものとして、石灰石膏法が知られている。この方法は、
脱硫塔へ炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを吸収剤と
して直接加えるため、処理液中にカルシウムイオンが溶
解している。そのため、これが脱硫塔内で硫黄酸化物等
と反応すると、二水石膏、二水亜硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム等の析出物からなるスケールが脱硫塔や配管
内で生じるため、円滑な運転の維持が困難であるととも
にその除去に大変手間がかかった。また、水酸化カルシ
ウムは本来二分子の亜硫酸ガスを吸収可能な脱硫剤であ
るが、一分子の亜硫酸ガスを吸収した脱硫剤である亜硫
酸カルシウムは、同様な脱硫剤である亜硫酸マグネシウ
ムと比較すると大幅に溶解度が低いため、処理液の硫黄
酸化物の吸収効率が低く、脱硫塔や循環ポンプ等設備の
大型化を招き、経済性の面でも問題があった。
【0003】一方、脱硫塔での硫黄酸化物の吸収を塩基
性ナトリウム、アンモニアあるいは塩基性マグネシウム
等の塩基性脱硫剤を使用して行い、脱硫塔外で生石灰を
用いて複分解を行なって脱硫剤を再生するダブルアルカ
リ法も知られている。ダブルアルカリ法はスケールの発
生が生じにくく、特に塩基性マグネシウムを脱硫剤とし
て用いる方法は、硫黄酸化物の吸収効率もよく、生成し
た亜硫酸マグネシウムの溶解度が大きく、吸収塔でのス
ケールの発生の少ない方法の一つである。しかし、塩基
性脱硫剤を用いるこの方法では、複分解工程で二水石膏
と水酸化マグネシウムという二種類の結晶が析出し、そ
の分離が容易ではないため、装置が複雑になるという問
題点があった。
【0004】また、石灰石膏法とダブルアルカリ法との
折衷的な方法として川崎マグネシウム石膏法が知られて
いる(実用公害防止技術集覧(1)、化学工業社出版、
p.14)。この方法は脱硫剤に水酸化マグネシウムと
水酸化カルシウムの混合スラリーを用いて脱硫工程で硫
黄酸化物を吸収させ、次いでこの処理液を硫酸によりp
Hを2.0−4.0に調整しつつ空気等により酸化する
ことにより硫酸マグネシウムと二水石膏を生成させ、沈
降分離工程と遠心分離器により二水石膏と硫酸マグネシ
ウム水溶液とに分離する。分離された硫酸マグネシウム
水溶液は水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合
スラリーが加えられる脱硫剤再生工程に循環供給され、
ここで混合スラリー中の水酸化カルシウムの一部と複分
解反応することにより水酸化マグネシウムと二水石膏が
生成し、これと残部の水酸化カルシウムを含む混合液は
脱硫剤として吸収工程へ循環供給される。しかし、この
方法は脱硫塔内に水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウ
ムと二水石膏とを導く点では石灰石膏法と同じであり、
脱硫塔内や循環ポンプ・配管へのスケール付着が起こり
やすいという問題点は解消していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、処理
液の硫黄酸化物の吸収効率が高く、簡略かつ小型の設備
で実施可能な排ガスの脱硫方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、脱硫塔内や循環ポン
プ・配管へのスケールの付着や閉塞を阻止し、円滑な運
転が維持できる排ガスの脱硫方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、マグネシウ
ム系脱硫剤を使用するダブルアルカリ法におけるプロセ
スの簡略化につき鋭意検討した結果、従来は複分解工程
で得られた二水石膏と水酸化マグネシウムを分離して、
水酸化マグネシウムスラリーだけを脱硫塔へ戻していた
が、脱硫塔へ戻す処理液中に水酸化カルシウムが含まれ
ないようにすれば、二水石膏と水酸化マグネシウムを分
離せずに混合スラリーとして脱硫塔へ戻しても脱硫塔内
でスケールが発生せず、また脱硫工程での処理液のpH
を基準にして複分解工程で塩基性カルシウム化合物を添
加すれば、負荷変動があっても複分解工程以降に大容量
の緩衝槽を設けずに処理液を直接脱硫工程へ戻しても安
定した運転が可能であることを見い出し本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、硫黄酸化物を含む排
ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排
ガス中に含まれる硫黄酸化物を処理液中に吸収させる脱
硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ
処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換す
る酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合
物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグ
ネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有
し、複分解工程で得られた混合スラリーを脱硫工程に戻
すとともに、処理液から二水石膏を系外に取り出す脱硫
方法において、複分解工程へ供給する酸化工程処理液の
流量を硫黄酸化物の吸収量から算出される理論流量より
大きくし、かつ脱硫工程での処理液のpHが一定値を保
つように複分解工程で塩基性カルシウム化合物を添加す
ることを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排ガスの脱硫方法
について説明する。
【0010】本発明の排ガスの脱硫方法においては、硫
黄酸化物を含む排ガスは、脱硫工程においてマグネシウ
ム系脱硫剤を主成分として含む水溶液からなる処理液と
接触して、硫黄酸化物が処理液に吸収される。
【0011】複分解工程から脱硫工程へ戻される処理液
は、水酸化マグネシウムと二水石膏と微量の亜硫酸カル
シウムとを含み、少量の硫酸マグネシウムが溶解した混
合スラリーであるが、処理液中の水酸化マグネシウムは
脱硫剤として消費されるので、脱硫工程では水酸化マグ
ネシウム微粒子は消失している。
【0012】脱硫工程に適した装置としては、これら気
液を効率良く接触させるような構造を持つ塔からなり、
脱硫剤を含む水溶液をノズルで噴霧し、これに対して向
流または並流でガスを流す型式のものが挙げられる。処
理液は二水石膏粗粒子を含んでいるので、ノズルは詰り
が生じないようなものであることが必要とされる。な
お、気液接触の効率向上のために充填物や棚段等を内部
に設置してもよい。
【0013】脱硫工程を出る処理液(以下、「脱硫工程
処理液」と略)は、マグネシウム系脱硫剤水溶液と硫黄
酸化物が反応して生成した亜硫酸マグネシウム、亜硫酸
水素マグネシウムおよび硫酸マグネシウムが混在した組
成の水溶液であり、二水石膏が懸濁物として含まれてい
る。
【0014】脱硫工程では、通常、処理液の温度は50
〜60℃とされる。また、脱硫工程では、亜硫酸マグネ
シウムの水への溶解度が低いので、その析出を防止する
ため、空気等を吹き込み酸化して水への溶解度の高い硫
酸マグネシウムとし、亜硫酸マグネシウムの濃度をその
溶解度以下に制御するのが一般的である。空気等の吹き
込みをせずに、脱硫工程での亜硫酸マグネシウム濃度を
その溶解度以下に制御する方法として、後述の酸化工程
を出る処理液の一部を脱硫工程に循環し、脱硫工程での
亜硫酸マグネシウム濃度を希釈する方法も知られてい
る。なお、脱硫工程における処理液のpHについては、
5.0〜6.2とされるが、複分解工程で添加する塩基
性カルシウム化合物との関係については後述する。
【0015】本発明の方法においては、処理液中に含ま
れる二水石膏の系外への取り出しは、脱硫工程処理液あ
るいは後述する酸化工程処理液から二水石膏を分離する
ことにより行われる。これら処理液では、二水石膏以外
の固型分を殆ど含まないので、容易に分離できる。
【0016】脱硫工程処理液からの二水石膏の分離除去
は、脱硫工程処理液を脱硫塔から別途取り出して実施し
て残液を脱硫塔へ戻してもよいし、あるいは次の酸化工
程へ導く途中の脱硫工程処理液に対して実施してもよ
い。二水石膏の分離除去には、湿式サイクロン、遠心沈
降器、ドルシックナー等の湿式分級器が使用でき、特に
湿式サイクロンが好ましい。分離された二水石膏は系外
へ取り出され、セメント用や石膏ボード用等に広く用い
ることができる。
【0017】脱硫工程処理液は、次いで酸化工程へ導か
れる。酸化工程では処理液に対して酸素を含むガスを接
触させ、処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マ
グネシウムが酸化されて硫酸マグネシウムおよび硫酸を
生成する。通常、処理液中の硫酸マグネシウムの濃度は
3〜10重量%であり、pHは1〜3であるが、装置の
耐蝕性のために中和してもよい。酸化工程では、通常槽
型反応器が用いられ、処理液は攪拌混合してもよいし、
しなくてもよい。
【0018】酸化工程で供給される酸素を含むガス中の
酸素以外のガス成分は、脱硫工程処理液に対して不活性
なものであればその種類は問わない。酸素を含むガスと
しては、通常空気が用いられる。
【0019】酸化工程を出た処理液(以下、「酸化工程
処理液」と略)は、次いで複分解工程へ導かれる。本発
明の方法では、複分解工程へ供給するこの処理液の流量
を、吸収工程における処理液の硫黄酸化物の吸収量から
これを全て二水石膏へ変換するのに必要とされる最小量
の処理液の流量として算出される理論流量より大きくす
る。すなわち、再生される硫酸マグネシウムの量より過
剰な量の硫酸マグネシウムを含む酸化工程処理液を複分
解工程へ供給する。理論流量に対するこの処理液の供給
流量の割合として表わされる過剰率は、1.07〜1
0.0の範囲が好ましく、1.2〜5.0の範囲がより
好ましい。過剰率が1.07未満の場合には、負荷量の
変動があった場合に複分解工程での未反応水酸化カルシ
ウムが脱硫工程へ流出するおそれがあり、その場合には
脱硫塔内塔でスケールが発生するおそれがある。一方、
過剰率が10を超えると、複分解槽内での硫酸カルシウ
ムの濃度が薄くなるので、二水石膏の生長が遅くなると
ともに、循環する処理液の流量がそれだけ増加するの
で、複分解槽に大型のものが必要となるため好ましくな
い。
【0020】また、亜硫酸ガス等の硫黄酸化物の発生量
が変動した場合には、上述した過剰率を一定に保ったま
ま硫黄酸化物の量に連動させて処理液の流量を調整する
ことが好ましい。なお、ここでは酸化工程処理液の流量
の調整について説明したが、脱硫工程処理液が一定の割
合で酸化工程処理液として複分解工程へ送液されるので
あれば、脱硫工程処理液の流量を対象として過剰率を上
述のようにして調整しても同じ結果が得られる。
【0021】本発明の脱硫方法は、上述したようにして
供給される硫酸マグネシウムと硫酸とを主成分とする酸
化工程処理液に対して、複分解工程では塩基性カルシウ
ム化合物を添加して攪拌混合する。ここで硫酸が塩基性
カルシウム化合物と反応して二水石膏が生成するととも
に、硫酸マグネシウムと塩基性カルシウムが反応して二
水石膏と水酸化マグネシウムが生成する。
【0022】複分解工程では、通常槽型反応器が用いら
れ、反応温度は高い程好ましいが、操作・運転上からは
脱硫工程と同程度の温度でよい。滞留時間は4〜5時間
以上とするのが好ましく、これによって生成する二水石
膏は、一般に平均粒子径(長径)が70μm以上、通常
は200μmまでの粗大粒子に成長する。一方、水酸化
マグネシウムは1μm以下、通常0.3〜1μm程度の
微小粒子であり、これらが粒子間で凝集してみかけ上1
0〜20μm程度の大きさとなる。
【0023】複分解工程で使用する塩基性カルシウム化
合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭
酸カルシウムまたはこれらの混合物が好ましく、反応槽
に供給する形状としては粉末でもよいが、これらの水ス
ラリーが作業性の点で最も好ましい。
【0024】本発明の方法では、この複分解工程での塩
基性カルシウム化合物の添加を、脱硫工程での処理液の
pHが所定の一定値、例えば5.9を保つように制御し
て実施する。
【0025】従来のダブルアルカリ法における複分解工
程での塩基性カルシウム化合物の添加は、硫酸マグネシ
ウムの複分解反応が完結するように、複分解槽のpHに
基づいて実施されていた。しかし、複分解工程において
過剰に供給された硫酸マグネシウムを目標とする反応
率、換言すれば脱硫工程での処理液の硫黄酸化物の吸収
量に見合った量だけ反応させるという調整を複分解槽で
のpHに基づいて実施することはできない。これは、水
酸化マグネシウムの溶解度が溶存硫酸マグネシウムの濃
度、液温等により微妙に変化するためである。
【0026】排ガス脱硫設備では、ボイラーの稼動状況
により負荷が変動する場合があり、夜間には日中の1/
3程度に負荷が低下することがある。脱硫工程、酸化工
程、複分解工程の処理液の滞留時間は、通常それぞれ2
〜3時間、2〜3時間、5〜7時間のようにかなり長
い。このため、従来のようにこれら各工程での処理を独
立的に取り扱ったのでは、脱硫工程へ混合スラリーを戻
す前に大容量の緩衝槽(貯槽)がなければ、負荷変動が
あった場合に、その時点における脱硫工程での水酸化マ
グネシウムの消費量とは無関係に、10〜14時間前の
水酸化マグネシウムの消費量に対応する量の混合スラリ
ーが複分解槽から送液されてくるので、脱硫工程のpH
をコントロールすることは困難である。ところが、複分
解槽への塩基性カルシウム化合物の添加量を上述のよう
にして調整・制御すれば、脱硫工程へ戻される混合スラ
リーの流量だけでなく水酸化マグネシウムの濃度も変化
するので、大きな緩衝槽を配設することなく脱硫工程で
の処理液のpHを一定に保つことができる。また、複分
解工程へ供給される処理液中には複分解反応させる量よ
りも多量の硫酸マグネシウムが溶解しているので、この
ような制御によって複分解槽で塩基性カルシウム化合物
が一時的に多少余分に加えられてもpHが上昇し過ぎる
ことはない。
【0027】本発明の方法では、複分解工程で処理液中
の硫酸マグネシウムが100%反応しないため、系内の
いずれにある処理液を系外へブローしても硫酸マグネシ
ウムが同伴され、その分だけマグネシウム損失となり、
系内の処理液の硫酸マグネシウム濃度は徐々に薄くな
る。そのため、処理液の塩濃度を検知して水酸化マグネ
シウムを系内に補給してやる必要がある。本発明の方法
において、最も固型分の濃度が低く、かつ溶解成分とし
ての硫酸マグネシウムの純度が最も高いのは、酸化工程
処理液である。したがって、酸化工程処理液の密度を測
定して、その測定値に基いて水酸化マグネシウムスラリ
ーを補給してやるのが適当である。
【0028】本発明の脱硫方法においては、種々の変形
が可能である。例えば、酸化工程処理液の一部を脱硫工
程(脱硫塔)に戻してもよい。脱硫塔に酸化工程処理液
を加えると、脱硫塔内の処理液中の硫酸マグネシウムの
割合が増加し、亜硫酸塩の割合が減少することになり、
亜硫酸マグネシウムの析出を生じにくくすることができ
る。また、本発明の脱硫方法は、硫黄酸化物の他に塩化
水素等をも含有する排ガスについても適用することが可
能である。
【0029】
【実施例】以下、本発明の排ガスの脱硫方法を図面を参
照しつつ実施例に従い説明するが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。 実施例1 本実施例は、重油だきボイラーの排ガスの脱硫処理の例
であり、図1にこのプロセスの概要を示した。
【0030】マグネシウム系脱硫剤が溶解し、二水石膏
粗粒子を懸濁物として含む処理液を、脱硫塔1の上方か
ら500t/hrでシャワー状に流下させ、下方より導
入した硫黄酸化物を含有する排ガスG1と気液接触さ
せ、硫黄酸化物は亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグ
ネシウム等として処理液中に吸収・固定し、硫黄酸化物
が除去された排ガスG2を上方より塔外へ排出した。
【0031】脱硫塔に供給された排ガスは、高温のため
工水をノズルで噴霧し冷却した。最大負荷時の排ガス流
量は105 wetNm3 /hrで、SO2 濃度は200
0ppmであった。
【0032】脱硫塔1の底部に流下した硫黄酸化物を吸
収した脱硫液は、水酸化マグネシウムスラリー供給タン
ク7より新たに供給された処理液とともにポンプP1と
配管L1を介して塔上部へ送り流下させ、この繰り返し
によって脱硫塔1内を連続的に循環させた。塔底には、
亜硫酸マグネシウムの析出を防止するために、空気を吹
き込んだ。また、配管L1から一部の処理液を65t/
hrで石膏分離機2へ導き、処理液中に懸濁していた二
水石膏を分離して1.4t/hrで系外に排出し、残液
は脱硫塔へ戻した。なお、処理液中の二水石膏の濃度は
約2%であった。脱硫塔内の処理液の塩濃度は、全硫黄
分を硫酸マグネシウム換算で表わすと7.5重量%で、
そのうち亜硫酸マグネシウムと亜硫酸水素マグネシウム
の合計濃度は硫酸マグネシウム換算で1.5重量%であ
った。排ガスG2のSO2 濃度は100ppmで脱硫率
は95%であった。
【0033】脱硫工程処理液をポンプP2と配管L2に
より脱硫塔から酸化槽3へ供給し、空気を曝気して酸化
して硫酸マグネシウム7.5重量%と少量の硫酸の水溶
液とした。この酸化工程処理液を配管L3によって、理
論流量からの過剰率を3.0として36t/hrで複分
解槽4へ供給した。複分解槽4には、水酸化カルシウム
供給タンク5から配管L4により30重量%の水酸化カ
ルシウムの水スラリーを、脱硫塔内の処理液のpHが
5.9となるように制御して加え、攪拌機により攪拌混
合しながら硫酸マグネシウムおよび硫酸と水酸化カルシ
ウムとの反応を行わせ、二水石膏と水酸化マグネシウム
の固体粒子を生成した。反応温度は50℃であった。
【0034】得られた二水石膏および水酸化マグネシウ
ムの固体粒子を含み、未反応の硫酸マグネシウムを経時
平均的には5.0重量%の濃度で溶解した水スラリー
は、配管L7を介して脱硫塔1に循環供給した。
【0035】この脱硫塔に供給される排ガスは、夜間に
はSO2 濃度は2000ppmのままであったが、排ガ
ス流量が4×104 wetNm3 /hrに低下した。し
かし、複分解槽での二水石膏の生成は順調であり、また
脱硫塔内の処理液のpHも5.9を保つことができた。
【0036】
【発明の効果】本発明の排ガスの脱硫方法により、マグ
ネシウム系脱硫剤を用いるダブルアルカリ法の脱硫プロ
セスが、二種類の固体粒子を分別することなく、簡略か
つ小型の設備で実施可能となった。二水石膏が処理液と
ともに系内を循環するが、これは不活性なSSとして扱
えばよく、脱硫塔や配管等にスケールが付着することは
なく、安定運転が維持され、効率の良い排ガス脱硫が実
施できた。また、複分解槽へ供給される処理液の流量は
やや増加するものの、大容量の緩衝槽を設けることなく
亜硫酸ガスの負荷変動に対して安定した運転が継続でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硫方法に用いた装置の一つの構成例
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 脱硫塔 2 石膏分離機 3 酸化槽 4 複分解槽 5 水酸化カルシウム供給タンク 6 水酸化マグネシウムスラリー補給タンク 7 脱水機 G1 脱硫前排ガス G2 脱硫後排ガス P ポンプ L 配管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄酸化物を含む排ガスをマグネシウム
    系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫
    黄酸化物を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程
    処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシ
    ウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化
    工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液
    中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏
    とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得ら
    れた混合スラリーを脱硫工程に戻すとともに、処理液か
    ら二水石膏を系外に取り出す脱硫方法において、複分解
    工程へ供給する酸化工程処理液の流量を硫黄酸化物の吸
    収量から算出される理論流量より大きくし、かつ脱硫工
    程での処理液のpHが一定値を保つように複分解工程で
    塩基性カルシウム化合物を添加することを特徴とする排
    ガスの脱硫方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001347133A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 湿式排煙脱硫設備
JP2019116420A (ja) * 2017-06-30 2019-07-18 宇部興産株式会社 石膏の製造方法及びセメント組成物の製造方法
CN114028934A (zh) * 2021-11-20 2022-02-11 邢台润天环保科技有限公司 一种钙镁复合脱硫塔及其烟气超净排放的脱硫系统
CN120838159A (zh) * 2025-07-21 2025-10-28 上海力皇环保工程有限公司 一种烟气治理净化设备

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