JPH09227183A - 多孔質造粒セメント及びその製造方法 - Google Patents

多孔質造粒セメント及びその製造方法

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JPH09227183A
JPH09227183A JP2923196A JP2923196A JPH09227183A JP H09227183 A JPH09227183 A JP H09227183A JP 2923196 A JP2923196 A JP 2923196A JP 2923196 A JP2923196 A JP 2923196A JP H09227183 A JPH09227183 A JP H09227183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セメントペースト、モルタル又はコンクリート
の流動性を向上させ、かつセメント硬化物の強度を増大
できる新規なセメントを提供する。 【解決手段】セメントスラリーを噴霧乾燥して、球状の
多孔質造粒体よりなる造粒セメントを得る。セメントス
ラリーに混和剤、例えば高性能減水剤、高性能AE減水
剤、凝結遅延剤等を添加混合し、それを噴霧乾燥しもよ
い。例えば、セメント40〜60重量%からなるセメン
トスラリーを、30〜300℃の気中にて噴霧乾燥して
粒子径が60〜200μmの球状の多孔質造粒体よりな
る造粒セメントを得る。得られた多孔質造粒セメント
に、液状混和剤、蓄熱物質(マスコンクリートの発熱防
止用)等を含浸させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なセメント及び
その製造方法、特にセメントの球状の多孔質造粒体から
なる多孔質造粒セメント及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、高機能性素材の一つとしてマイクロカプセルがあ
り、多くの分野で研究開発が進められているが、建設分
野においても、その機能を生かした利用方法が検討され
ている。しかし、特にこれまでの利用分野が医薬・医療
や化粧品、食料品の分野が主であるために、安定性と衛
生性の観点から、使用できる原料(及びその純度)が制
限され、また製造における管理が厳しく、さらに製品の
回収・貯蔵・運搬に手間がかかり、その製造価格はマイ
クロカプセルの容器のみでも非常に高価なものとなって
いた。そこで製造価格を低く抑えることができれば、マ
イクロカプセルの利用分野は建設分野を含めてさらに広
がるものと考えられる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題に鑑
み鋭意研究の結果、原料にセメントを使用したセメント
スラリーを噴霧乾燥することによって造粒し、セメント
をマイクロカプセル容器とした“セメントの球状造粒
体”を得ることに成功し、本発明をなすに至った。得ら
れた球状造粒体は表面が多孔質となり、低コストなマイ
クロカプセル容器としても利用可能となるものである。
すなわち本発明は、下記構成の多孔質造粒セメント及び
その製造方法である。 (1)セメントスラリーの噴霧乾燥により得られた球状
の多孔質造粒体よりなることを特徴とする多孔質造粒セ
メント。 (2)球状の多孔質造粒体の粒子径が60〜200μm
であることを特徴とする請求項1記載の多孔質造粒セメ
ント。 (3)前記(1)項又は(2)項記載の多孔質造粒セメ
ントが混和材料であることを特徴とする多孔質造粒セメ
ント。 (4)多孔質造粒セメントが混和剤を含有するものであ
ることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか
に記載の多孔質造粒セメント。 (5)混和剤が、高性能減水剤、高性能AE減水剤又は
凝結遅延剤から選ばれた1種又は2種以上であることを
特徴とする(4)項記載の多孔質造粒セメント。 (6)混和剤が、蓄熱物質であることを特徴とする請求
項4記載の多孔質造粒セメント。 (7)多孔質造粒セメントの表面又は/及び内部に、メ
チルセルロース、ポリビニルアルコール等のバインダ物
質が付着又は含有してなることを特徴とする(1)項な
いし(6)のいずれかに記載の多孔質造粒セメント。
【0004】(8)セメントスラリーを噴霧乾燥して、
球状の多孔質造粒体よりなる造粒セメントを得ることを
特徴とする多孔質造粒セメントの製造方法。 (9)セメントスラリーに混和剤を添加混合し、それを
噴霧乾燥して、混和剤を含有する球状の多孔質造粒体よ
りなる造粒セメントを得ることを特徴とする多孔質造粒
セメントの製造方法。 (10)セメント40〜60重量%からなるセメントス
ラリーを、30〜300℃の気中にて噴霧乾燥して粒子
径が60〜200μmの球状の多孔質造粒体よりなる造
粒セメントを得ることを特徴とする多孔質造粒セメント
の製造方法。 (11)セメント40〜60重量%、混和剤0.1〜4
0重量%からなるセメントスラリーを、30〜300℃
の気中に噴霧乾燥して粒子径が60〜200μmの球状
の多孔質造粒体よりなる造粒セメントを得ることを特徴
とする多孔質造粒セメントの製造方法。 (12)セメント40〜60重量%からなるセメントス
ラリーを、30〜300℃の気中にて噴霧乾燥して粒子
径が60〜200μmの球状の多孔質造粒体よりなる造
粒セメントを得た後、それに液状混和剤を含浸させるこ
とを特徴とする多孔質造粒セメントの製造方法。 (13)混和剤が、高性能減水剤、高性能AE減水剤又
は凝結遅延剤から選ばれた1種又は2種以上であること
を特徴とする前記(9)項,(11)項又は(12)項
のいずれかに記載の多孔質造粒セメントの製造方法。 (14)混和剤が、蓄熱物質であることを特徴とする
(9)項,(11)項又は(12)項のいずれかに記載
の多孔質造粒セメントの製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明の多孔質造粒セメントは、以下のごとくして製造
される。 (1)多数のセメント粒子を溶媒(例えば、水)中に分
散し、セメントスラリーとする。 (2)このセメントスラリーを、小さなノズルから加熱
気体中へ噴霧したり、回転円盤から遠心力により微細な
液滴として、加熱気体中に吹き飛ばす。これらの処理操
作時に、噴霧又は吹き飛ばされたスラリーは加熱気体中
において液体(溶媒)の表面張力により小さな球状粒子
体となる。その球状粒子体は、加熱乾燥機内の加熱気体
中を飛行し、自重で落下する間に、溶媒が蒸発し乾燥さ
れ、その残部が穴となり粒子表層に多数の連通細孔とし
て残る。 (3)そのようにして、多孔質で微細な球状の造粒セメ
ントが得られる。原料のセメント粒子径は、1〜80μ
mであるが、得られたそれらの集合体である球状の多孔
質造粒体(多孔質造粒セメント)の粒子径は60〜20
0μmとなる。
【0006】次に、上記のごとくして製造された多孔質
造粒セメント(後記、実施例2により製造)の電子顕微
鏡写真を図1に示し、その観察結果から表面状態を説明
する。図1の電子顕微鏡写真から看取されるごとく、造
粒セメントの表面は多数のセメント粒子が集合して多孔
質状態となっていることが理解できる。セメントスラリ
ーを原料として噴霧乾燥法を適用すると、溶媒の表面張
力及びセメント自体の水硬性に基づくバインダー効果に
よって、特殊な添加剤を使用しなくても造粒が可能とな
る。よって本発明によれば、セメント以外の他の粉末を
原料に用いたマイクロカプセルの製造に比べ、製造価格
が安価(セメント自体も安いことと併せて)となる。ま
た、原料セメントの粒子径は1〜80μmであるが、こ
の程度の粒子径の原料を用いて噴霧乾燥すると、それら
の集合体である60〜200μmの粒子径の多孔質造粒
体が安定して得られるのである。なお、あまり大きな造
粒粒体は噴霧乾燥途中で崩壊してしまう。
【0007】ところで、一般にモルタル、コンクリート
等のセメント硬化体の強度は、セメントと骨材からなる
固体材料系の充填性が高い程、大きいとされている。そ
して充填性については、粗骨材と細骨材の連続粒度分布
曲線のFuller−Tompson曲線にセメントの
粒度も適合するようにすれば、最密充填状態となること
が知られており、したがって、セメントと骨材をFul
ler−Tompson曲線に合致するように粒度調整
すれば、強度の高いセメント硬化体の製造が可能とな
る。一方、現状のセメント硬化体の粒度分布はFull
er−Tompson曲線に対して、2μm以下の微粉
及び50〜200μmの粗粉が欠落している。しかる
に、本発明の多孔質造粒セメントの粒子径は60〜20
0μmであり、さらに粒形が球状であることから、セメ
ントに添加すると充填性が高くなり、高強度化が発現で
きることとなる。実験において、表1に示す組成のモル
タル(多孔質造粒セメントは実施例1により得られたも
のを使用)を型枠内に入れて、養生硬化させ、圧縮強度
を測定した。その結果を図2に示す。なお、試料No1
(○)は、本発明の多孔質造粒セメントを配合していな
い通常のモルタルであり、試料No2(●)は本発明の
多孔質造粒セメントを10%置換配合したモルタルであ
り、そして試料No3(▲)は本発明の多孔質造粒セメ
ントを20%置換配合したモルタルである。
【0008】
【表1】
【0009】表1及び図2に示す結果から、モルタル配
合セメントの一部を本発明の多孔質造粒セメントで置換
することによって試験体の重量(充填性)と強度が大き
くなること、そして20%置換した場合、養生硬化モル
タルの圧縮強度が材令14〜28日で20%以上増大す
ることが理解される。
【0010】また、一般に、フレッシュコンクリートの
流動性は、セメントと骨材からなる固体材料系の充填性
が高い程、大きいとされている。なお充填構造について
は、前述のごとく粗骨材と細骨材の連続粒度分布曲線の
Fuller−Tompson曲線にセメントの粒度も
適合するようにすれば、最密充填状態となることが知ら
れており、したがって、セメントと骨材をFuller
−Tompson曲線に合致するように粒度調整すれ
ば、流動性の高いフレッシュコンクリートの製造が可能
となる。これを実証するごとく、モルタル配合セメント
の20%を本発明の多孔質造粒セメントで置換したモル
タルのフロー値は、表1に示すとおり、10%以上向上
している。したがって、本発明に係る多孔質の球状セメ
ント粒子体を用いると、流動性の高いフレッシュコンク
リートの製造が可能となり、かつ高強度なコンクリート
を製造することが可能となる。
【0011】さらに本発明の多孔質造粒セメントは、他
の物質を、例えば高性能減水剤、高性能AE減水剤、凝
結遅延剤等の混和剤あるいはマスコンクリート発熱防止
用の蓄熱物質を内蔵するマイクロカプセルとして利用で
きる。すなわち、本発明の多孔質造粒セメントは、多孔
質であるため、内部に他の物質を含浸又は封入しておけ
ば、経時的に細孔を通して内部の物質が徐々に外部へ放
出する機能を発揮する。よって、本発明の多孔質造粒セ
メントはマイクロカプセルの担体(容器)として利用で
きる。上記、他の物質の含浸又は封入方法としては、以
下の方法が挙げられる。 (a)噴霧乾燥する際に、同物質を予め、スラリー中に
セメント粒子と共に溶解又は懸濁しておく。 (b)内部物質を液状となし、これを造粒した後の多孔
質造粒セメントに含浸させる。 多孔質造粒セメントを製造する際に分散剤を添加すると
造粒効果を高められるが、この分散剤は乾燥後は、粒子
内部に保持されることとなる。その結果、分散剤含有セ
メント壁マイクロカプセルとなるが、これをセメントス
ラリーに添加し、練り混ぜを行うと、その後に分散剤が
徐放され、モルタル又はフレッシュコンクリートに高い
流動性を長時間にわたって、持続・付与することができ
る。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を説明する。 実施例1:普通ポルトランドセメント1kgを水1kg
に加えて、良く撹拌してセメント50wt%(セメント
/水+セメント)のセメントスラリーを調製した。次い
で、該セメントスラリーをスプレードライヤー「型式F
OC−16」(大川原加工機(株)製)を使用し、下記
条件で噴霧乾燥処理した。 スプレードライヤーディスク回転数:7000〜110
00rpm スラリー原液処理量:10〜30kg/h 入口温度:200℃ 出口温度:90〜110℃ 以上により得られたセメントの球状造粒体は、粒径が6
0〜200μmで多孔質のものであった。
【0013】実施例2:普通ポルトランドセメント1k
gと分散剤(マイティー100((株)花王製))10
g、を水1kgに加えて、良く撹拌してセメント wt
%(セメント/水+セメント)のセメントスラリーを調
製した。次いで、該セメントスラリーをスプレードライ
ヤー「「型式OD−25G」(大川原加工機(株)製)
を使用し、下記条件で噴霧乾燥処理した。 スプレードライヤーディスク回転数:7000〜110
00rpm スラリー原液処理量:10〜30kg/h 入口温度:200℃ 出口温度:90〜110℃ 以上により得られたセメントの球状造粒体は、粒径が6
0〜200μmでほとんどが図1の顕微鏡写真に示すご
とく均一形状の粒揃で、かつ多孔質のものであった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれは、以下の優れた各種効果
が得られる。 (1)本発明の多孔質造粒セメントを、モルタル又はフ
レッシュコンクリート中のセメントの一部として置換使
用すれば、その養生硬化後に高強度のセメント硬化体を
取得することができる。 (2)また、本発明の多孔質造粒セメントを、モルタル
又はフレッシュコンクリート中のセメントの一部として
置換使用すれば、流動性を向上させることができる。 (3)本発明の多孔質で球状の造粒セメントは、セメン
トを原料とする噴霧乾燥法により容易に製造することが
できる。これには、特殊なバインダーが不要なため、製
造コストを非常に低くすることができる。 (4)本発明の造粒セメントは多孔質であるため、各種
混和剤等の内部物質を含有せしめることができるため、
それを含有したものはその徐放効果があり、マイクロカ
プセルの容器として利用できる。よって、建設分野を含
めた多くの技術分野に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例により得られた多孔質造粒セメン
トの粒子構造を示す電子顕微鏡写真図。
【図2】本発明実施例及び比較例によるセメント硬化体
の圧縮強度のグラフ図。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントスラリーの噴霧乾燥により得られ
    た球状の多孔質造粒体よりなることを特徴とする多孔質
    造粒セメント。
  2. 【請求項2】球状の多孔質造粒体の粒子径が60〜20
    0μmであることを特徴とする請求項1記載の多孔質造
    粒セメント。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の多孔質造粒セメント
    が混和材料であることを特徴とする多孔質造粒セメン
    ト。
  4. 【請求項4】多孔質造粒セメントが混和剤を含有するも
    のであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の多孔質造粒セメント。
  5. 【請求項5】混和剤が、高性能減水剤、高性能AE減水
    剤又は凝結遅延剤から選ばれた1種又は2種以上である
    ことを特徴とする請求項4記載の多孔質造粒セメント。
  6. 【請求項6】混和剤が、蓄熱物質であることを特徴とす
    る請求項4記載の多孔質造粒セメント。
  7. 【請求項7】多孔質造粒セメントの表面又は/及び内部
    に、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等のバイ
    ンダ物質が付着又は含有してなることを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれかに記載の多孔質造粒セメント。
  8. 【請求項8】セメントスラリーを噴霧乾燥して、球状の
    多孔質造粒体よりなる造粒セメントを得ることを特徴と
    する多孔質造粒セメントの製造方法。
  9. 【請求項9】セメントスラリーに混和剤を添加混合し、
    それを噴霧乾燥して、混和剤を含有する球状の多孔質造
    粒体よりなる造粒セメントを得ることを特徴とする多孔
    質造粒セメントの製造方法。
  10. 【請求項10】セメント40〜60重量%からなるセメ
    ントスラリーを、30〜300℃の気中にて噴霧乾燥し
    て粒子径が60〜200μmの球状の多孔質造粒体より
    なる造粒セメントを得ることを特徴とする多孔質造粒セ
    メントの製造方法。
  11. 【請求項11】セメント40〜60重量%、混和剤0.
    1〜40重量%からなるセメントスラリーを、30〜3
    00℃の気中に噴霧乾燥して粒子径が60〜200μm
    の球状の多孔質造粒体よりなる造粒セメントを得ること
    を特徴とする多孔質造粒セメントの製造方法。
  12. 【請求項12】セメント40〜60重量%からなるセメ
    ントスラリーを、30〜300℃の気中にて噴霧乾燥し
    て粒子径が60〜200μmの球状の多孔質造粒体より
    なる造粒セメントを得た後、それに液状混和剤を含浸さ
    せることを特徴とする多孔質造粒セメントの製造方法。
  13. 【請求項13】混和剤が、高性能減水剤、高性能AE減
    水剤又は凝結遅延剤から選ばれた1種又は2種以上であ
    ることを特徴とする請求項9,11又は12のいずれか
    に記載の多孔質造粒セメントの製造方法。
  14. 【請求項14】混和剤が、蓄熱物質であることを特徴と
    する請求項9,11又は12のいずれかに記載の多孔質
    造粒セメントの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371397B1 (ko) * 2000-07-26 2003-02-06 이명규 타일부착용 시멘트 모르타르 조성물
JP2009196888A (ja) * 2001-09-06 2009-09-03 Wr Grace & Co Connecticut 新鮮なコンクリートまたはコーティング組成物を修飾する方法

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