JPH09227701A - 親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法 - Google Patents
親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法Info
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- JPH09227701A JPH09227701A JP3947896A JP3947896A JPH09227701A JP H09227701 A JPH09227701 A JP H09227701A JP 3947896 A JP3947896 A JP 3947896A JP 3947896 A JP3947896 A JP 3947896A JP H09227701 A JPH09227701 A JP H09227701A
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- resin film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、濾過用フィルター,隔膜等に用いら
れ、親水性と長期間安定な耐熱性を有する多孔質熱可塑
性樹脂フィルムを提供することにある。 【解決手段】放電処理または紫外線照射処理により−O
H基および−COOH基を付与された多孔質熱可塑性樹
脂フィルムの細孔表面に、親水化処理された−OH基を
有する金属酸化物の微粒子が形成された親水性多孔質熱
可塑性樹脂フィルムであって、多孔質熱可塑性樹脂フィ
ルムを放電処理または紫外線照射処理により親水化処理
し−OH基および−COOH基を付与する第一工程と、
該多孔質熱可塑性樹脂フィルムの細孔表面に金属アルコ
キシドの加水分解・縮重合物を存在させて乾燥し金属酸
化物の微粒子を形成する第二工程と、該金属酸化物の微
粒子を親水化させる第三工程から得ることができる。
れ、親水性と長期間安定な耐熱性を有する多孔質熱可塑
性樹脂フィルムを提供することにある。 【解決手段】放電処理または紫外線照射処理により−O
H基および−COOH基を付与された多孔質熱可塑性樹
脂フィルムの細孔表面に、親水化処理された−OH基を
有する金属酸化物の微粒子が形成された親水性多孔質熱
可塑性樹脂フィルムであって、多孔質熱可塑性樹脂フィ
ルムを放電処理または紫外線照射処理により親水化処理
し−OH基および−COOH基を付与する第一工程と、
該多孔質熱可塑性樹脂フィルムの細孔表面に金属アルコ
キシドの加水分解・縮重合物を存在させて乾燥し金属酸
化物の微粒子を形成する第二工程と、該金属酸化物の微
粒子を親水化させる第三工程から得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濾過用フィルタ
ー,隔膜等に用いられ、親水性と長期間安定な耐熱性を
有する多孔質熱可塑性樹脂フィルムに関するものであ
る。
ー,隔膜等に用いられ、親水性と長期間安定な耐熱性を
有する多孔質熱可塑性樹脂フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本来疎水性のフィルムを親水性に改質す
るという目的で多くの試みがなされている。例えばフッ
素樹脂を金属ナトリウムとナフタレンの錯体で処理する
方法、界面活性剤を塗布する方法、界面活性剤を塗布す
る方法あるいは特開昭56−63772号公報に記載さ
れているようにポリビニールアルコール、ポリエチレン
グリコールのような水溶性高分子を多孔体の細孔内に合
浸させ、前記高分子を熱処理、アセタール化処理、エス
テル化処理、重クロム酸処理、電離性放射線照射等によ
り親水化する方法が知られている。また、特開平2−1
96834号公報に開示してあるように、フッ素樹脂の
表面改質にAr Fレーザーを照射して親水化する方法、無
機ケイ素存在下でエキシマレーザーを照射する方法(特
開平6−172560号公報)、金属酸化物を付着させ
る方法(特開平6−32935号公報)、無機粉末を混
合充填する方法(特開昭59−166541号公報)な
ども知られている。また、ポリプロピレンやポリエチレ
ンに関しては、重クロム酸カリウムと硫酸の混酸で処理
する方法が知られている。
るという目的で多くの試みがなされている。例えばフッ
素樹脂を金属ナトリウムとナフタレンの錯体で処理する
方法、界面活性剤を塗布する方法、界面活性剤を塗布す
る方法あるいは特開昭56−63772号公報に記載さ
れているようにポリビニールアルコール、ポリエチレン
グリコールのような水溶性高分子を多孔体の細孔内に合
浸させ、前記高分子を熱処理、アセタール化処理、エス
テル化処理、重クロム酸処理、電離性放射線照射等によ
り親水化する方法が知られている。また、特開平2−1
96834号公報に開示してあるように、フッ素樹脂の
表面改質にAr Fレーザーを照射して親水化する方法、無
機ケイ素存在下でエキシマレーザーを照射する方法(特
開平6−172560号公報)、金属酸化物を付着させ
る方法(特開平6−32935号公報)、無機粉末を混
合充填する方法(特開昭59−166541号公報)な
ども知られている。また、ポリプロピレンやポリエチレ
ンに関しては、重クロム酸カリウムと硫酸の混酸で処理
する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記界
面活性剤を塗布する方法は、界面活性剤が多孔体に十分
付着しないため脱落しやすく、親水性が保持されにくい
という問題があった。また、特開昭56−63772号
公報に記載の方法は、放射線照射により多孔体の分解劣
化を生じ、機械的強度が著しく低下する。さらに、熱処
理、アセタール化、エステル化は水溶性ポリマーの一部
を疎水性とするので、親水度合が低下するという問題が
あった。また、特開平2−196834号公報に記載の
方法は、表面層の改質であり、多孔体の内部に至る全体
の親水化は不十分であった。特開平6−172560号
公報に記載の方法は、装置が高価なためコスト高になる
問題があった。特開平6−32935号公報、特開昭5
9−166541号公報の方法においては、多孔質基材
自体と親水化粒子の化学的結合がないため、熱膨張収
縮、機械的引っ張り等の負荷がかかる場合の親水化皮膜
の脱落に対する不安から長期的な親水性には問題があ
り、親水性も十分ではなかった。
面活性剤を塗布する方法は、界面活性剤が多孔体に十分
付着しないため脱落しやすく、親水性が保持されにくい
という問題があった。また、特開昭56−63772号
公報に記載の方法は、放射線照射により多孔体の分解劣
化を生じ、機械的強度が著しく低下する。さらに、熱処
理、アセタール化、エステル化は水溶性ポリマーの一部
を疎水性とするので、親水度合が低下するという問題が
あった。また、特開平2−196834号公報に記載の
方法は、表面層の改質であり、多孔体の内部に至る全体
の親水化は不十分であった。特開平6−172560号
公報に記載の方法は、装置が高価なためコスト高になる
問題があった。特開平6−32935号公報、特開昭5
9−166541号公報の方法においては、多孔質基材
自体と親水化粒子の化学的結合がないため、熱膨張収
縮、機械的引っ張り等の負荷がかかる場合の親水化皮膜
の脱落に対する不安から長期的な親水性には問題があ
り、親水性も十分ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来技
術の問題点を解決するためになされたもので、多孔質熱
可塑性樹脂フィルムの表面はもとより内部組織表面に親
水基を導入したフィルムを提供できるものである。本発
明における多孔質熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリ
スルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、
ポリエチレンの他、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(CTFE)等からなる疎水性
フッ素樹脂フィルムが使用され、厚さ1〜200μm、
孔径0.01〜5μm 、特に0.1〜1μmの孔径を有
するフィルムが好適に用いられる。特に耐薬品性、耐熱
性等の点からPTFEが好ましく、焼成品もしくは未焼
成品の何れも使用しうる。
術の問題点を解決するためになされたもので、多孔質熱
可塑性樹脂フィルムの表面はもとより内部組織表面に親
水基を導入したフィルムを提供できるものである。本発
明における多孔質熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリ
スルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、
ポリエチレンの他、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(CTFE)等からなる疎水性
フッ素樹脂フィルムが使用され、厚さ1〜200μm、
孔径0.01〜5μm 、特に0.1〜1μmの孔径を有
するフィルムが好適に用いられる。特に耐薬品性、耐熱
性等の点からPTFEが好ましく、焼成品もしくは未焼
成品の何れも使用しうる。
【0005】なお、多孔質熱可塑性樹脂フィルムは種々
の方法で得ることができる。例えば、PTFEフィルム
は特公昭58−25332号公報、特公昭51−189
91号公報、特公昭42−13560号公報等に記載さ
れた延伸法、あるいは特公昭42−4974号公報に記
載された起泡剤を用いる方法等によって得ることができ
る。本発明において好ましい第一処理工程は、上記の多
孔質熱可塑性樹脂フィルムに紫外線照射または、H2 、
O2 、Ar、CO2 、Air、H2 O等のガスを用いた
低温プラズマ放電処理を施して、XPS(X線光電子分
光法)により検知されるO/Cの値を処理前に比べて増
加させ、またFT−IR(フーリエ変換型赤外吸収法)
により検知される−OH基(3400〜3500c
m-1)および−COOH基(1700cm-1付近)を増
加させ、次の工程における金属アルコキシドの加水分解
・縮重合物との結合を化学的により強固とするものであ
る。
の方法で得ることができる。例えば、PTFEフィルム
は特公昭58−25332号公報、特公昭51−189
91号公報、特公昭42−13560号公報等に記載さ
れた延伸法、あるいは特公昭42−4974号公報に記
載された起泡剤を用いる方法等によって得ることができ
る。本発明において好ましい第一処理工程は、上記の多
孔質熱可塑性樹脂フィルムに紫外線照射または、H2 、
O2 、Ar、CO2 、Air、H2 O等のガスを用いた
低温プラズマ放電処理を施して、XPS(X線光電子分
光法)により検知されるO/Cの値を処理前に比べて増
加させ、またFT−IR(フーリエ変換型赤外吸収法)
により検知される−OH基(3400〜3500c
m-1)および−COOH基(1700cm-1付近)を増
加させ、次の工程における金属アルコキシドの加水分解
・縮重合物との結合を化学的により強固とするものであ
る。
【0006】第一処理工程が低温プラズマ放電処理の場
合、使用するガス種にもよるが通常、0.5〜50W・
sec /cm2 、ガス全圧0.01〜10torrの条件
下で照射するのがよい。また、第一処理工程が紫外線照
射の場合、照射時にフィルムに接触させて親水化補助剤
として用いる化合物にもよるが、通常波長150〜27
0nmの紫外線を6J/cm2 以上、好ましくは6〜5
00J/cm2 のエネルギー強度で照射するのがよい。
水酸化アルミニウム、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、水
酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ア
ルミニウムエトキシド、蟻酸、酢酸等の化合物を親水化
補助剤として用いることができる。本発明においては、
これら化合物の水溶液が好ましく用いられ、特に親水基
を有するアルミニウム化合物、ホウ素化合物またはリチ
ウム化合物の水溶液であることが好ましい。また、溶質
の溶解度を上げるために、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ塩を添加してもよい。
合、使用するガス種にもよるが通常、0.5〜50W・
sec /cm2 、ガス全圧0.01〜10torrの条件
下で照射するのがよい。また、第一処理工程が紫外線照
射の場合、照射時にフィルムに接触させて親水化補助剤
として用いる化合物にもよるが、通常波長150〜27
0nmの紫外線を6J/cm2 以上、好ましくは6〜5
00J/cm2 のエネルギー強度で照射するのがよい。
水酸化アルミニウム、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、水
酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ア
ルミニウムエトキシド、蟻酸、酢酸等の化合物を親水化
補助剤として用いることができる。本発明においては、
これら化合物の水溶液が好ましく用いられ、特に親水基
を有するアルミニウム化合物、ホウ素化合物またはリチ
ウム化合物の水溶液であることが好ましい。また、溶質
の溶解度を上げるために、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ塩を添加してもよい。
【0007】この場合、上記化合物を多孔質熱可塑性樹
脂フィルムに接触させた状態で紫外線が照射されるが、
上記化合物の水溶液を含浸、塗布などにより多孔質の内
部組織表面に浸透するように接触させるのがよい。紫外
線光源としては、例えば改質が困難な多孔質フッ素樹脂
フィルムのC−F結合(539kJ/mol)を1光子
または少量ではあるが2光子で切断するものであればよ
く、C−F結合を切断するフォトンエネルギーは、波長
が270nm以下が好ましい。しかし、波長が短かすぎ
るとフィルムによる光の吸収が強いので、光化学反応が
生じるための十分なエネルギーがフィルム厚さ方向に達
しにくくなる。従って、波長が150〜270nmの紫
外線であることが好ましい。紫外線光源は低圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、YAGレーザ(4倍波)、メタル
ハライドランプ、エキシマランプ等を用いることができ
るが、特に低圧水銀ランプ(波長185nm、254n
m)、エキシマランプ(波長222nm)が好ましい。
脂フィルムに接触させた状態で紫外線が照射されるが、
上記化合物の水溶液を含浸、塗布などにより多孔質の内
部組織表面に浸透するように接触させるのがよい。紫外
線光源としては、例えば改質が困難な多孔質フッ素樹脂
フィルムのC−F結合(539kJ/mol)を1光子
または少量ではあるが2光子で切断するものであればよ
く、C−F結合を切断するフォトンエネルギーは、波長
が270nm以下が好ましい。しかし、波長が短かすぎ
るとフィルムによる光の吸収が強いので、光化学反応が
生じるための十分なエネルギーがフィルム厚さ方向に達
しにくくなる。従って、波長が150〜270nmの紫
外線であることが好ましい。紫外線光源は低圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、YAGレーザ(4倍波)、メタル
ハライドランプ、エキシマランプ等を用いることができ
るが、特に低圧水銀ランプ(波長185nm、254n
m)、エキシマランプ(波長222nm)が好ましい。
【0008】かかる光源からの紫外線を照射することに
より、多孔質フッ素樹脂フィルムのC−F結合(539
kJ/mol)を切断する。この際、フッ素原子との結
合エネルギーがC−F結合(539kJ/mol)以上
の原子を存在させることにより、切断されたフッ素原子
は前記原子と結合し、トラップされる。フッ素原子は電
気陰性度が4.0と大きいので、炭素原子(電気陰性
度:2.5)より小さい原子を存在させることでC−F
間の再結合を阻むことができる。また、その原子とフッ
素原子との結合は、その結合エネルギーがC−F結合よ
り高いので、再切断されにくい。従って、多孔質フッ素
樹脂フィルムであってもフッ素原子の一部を親水基と置
換することができる。この紫外線照射による処理は、他
の多孔質熱可塑性樹脂フィルムにも同様に適用すること
ができる。
より、多孔質フッ素樹脂フィルムのC−F結合(539
kJ/mol)を切断する。この際、フッ素原子との結
合エネルギーがC−F結合(539kJ/mol)以上
の原子を存在させることにより、切断されたフッ素原子
は前記原子と結合し、トラップされる。フッ素原子は電
気陰性度が4.0と大きいので、炭素原子(電気陰性
度:2.5)より小さい原子を存在させることでC−F
間の再結合を阻むことができる。また、その原子とフッ
素原子との結合は、その結合エネルギーがC−F結合よ
り高いので、再切断されにくい。従って、多孔質フッ素
樹脂フィルムであってもフッ素原子の一部を親水基と置
換することができる。この紫外線照射による処理は、他
の多孔質熱可塑性樹脂フィルムにも同様に適用すること
ができる。
【0009】かかる第一処理工程により、表面の多孔質
熱可塑性樹脂フィルム樹脂のポリマーの主鎖、側鎖或い
は末端にC−OH、C−COOH、C−O−C等のC−
O結合を有する親水基が導入される。以上のエネルギー
照射処理により得られる多孔質熱可塑性樹脂フィルム
は、XPS法において、O/C値が処理前より増加し、
またFT−IR(フーリエ変換型赤外吸収法)によって
検知される−OH基(3400〜3500cm-1)およ
び−COOH基(1700cm-1付近)が増加し 、次の
効果が現れる。 フィルムの金属アルコキシドの加水分解・縮重合物溶
液に対する濡れ性が向上する。 C−OH基、C−COOH基を核として、金属アルコ
キシドの加水分解・縮重合物が共有結合または水素結合
で強固で安定な結合をし、微粒子を形成する。
熱可塑性樹脂フィルム樹脂のポリマーの主鎖、側鎖或い
は末端にC−OH、C−COOH、C−O−C等のC−
O結合を有する親水基が導入される。以上のエネルギー
照射処理により得られる多孔質熱可塑性樹脂フィルム
は、XPS法において、O/C値が処理前より増加し、
またFT−IR(フーリエ変換型赤外吸収法)によって
検知される−OH基(3400〜3500cm-1)およ
び−COOH基(1700cm-1付近)が増加し 、次の
効果が現れる。 フィルムの金属アルコキシドの加水分解・縮重合物溶
液に対する濡れ性が向上する。 C−OH基、C−COOH基を核として、金属アルコ
キシドの加水分解・縮重合物が共有結合または水素結合
で強固で安定な結合をし、微粒子を形成する。
【0010】次に、第二処理工程における金属アルコキ
シドの加水分解・縮重合物とは、金属アルコキシドを適
宜の手段で加水分解・縮重合させてなるものであり、こ
こで用いる金属アルコキシドには、一般式;R1 nM
(OR2 )m−n(式中、R1、R2 はアルキル基、M
は金属、mは金属Mの原子価、nは0≦n≦m−1とな
る整数である)で表される各種金属のアルコキシドが含
まれる。上記の一般式中、n=0となるアルコキシド、
つまり金属Mに直接結合するアルキル基を持たないアル
コキシド(以下、非アルキル金属アルコキシドという)
には、金属Mがシリコン、バリウム、ホウ素、カルシウ
ム、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、チタニウ
ム、錫、亜鉛、ジルコニウムである下記a〜kの11種
のアルコキシドが挙げられる。
シドの加水分解・縮重合物とは、金属アルコキシドを適
宜の手段で加水分解・縮重合させてなるものであり、こ
こで用いる金属アルコキシドには、一般式;R1 nM
(OR2 )m−n(式中、R1、R2 はアルキル基、M
は金属、mは金属Mの原子価、nは0≦n≦m−1とな
る整数である)で表される各種金属のアルコキシドが含
まれる。上記の一般式中、n=0となるアルコキシド、
つまり金属Mに直接結合するアルキル基を持たないアル
コキシド(以下、非アルキル金属アルコキシドという)
には、金属Mがシリコン、バリウム、ホウ素、カルシウ
ム、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、チタニウ
ム、錫、亜鉛、ジルコニウムである下記a〜kの11種
のアルコキシドが挙げられる。
【0011】a)テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラフエノキシシランなどのシリコンアル
コキシド b)バリウムジエトキシド、バリウムジイソプロポキシ
ド、バリウム−n−ブトキシドなどのバリウムアルコキ
シド c)トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイ
ソプロポキシボランなどのホウ素アルコキシド d)カルシウムジエトキシド、カルシウムジイソプロポ
キシドなどのカルシウムアルコキシド e)リチウムメトキシドなどのリチウムアルコキシド f)マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジイソプ
ロポキシドなどのマグネシウムアルコキシド g)アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミ
ニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−se
c−ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキ
シドなどのアルミニウムアルコキシド h)チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−
n−プロポキシド、チタニウムテトライソプロボキシ
ド、チタニウムテトラ−n−ブトキシドなどのチタニウ
ムアルコキシド i)テトラエトキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テト
ラ−n−ブトキシ錫などの錫アルコキシド j)ジエトキシ亜鉛などの亜鉛アルコキシド k)ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテト
ライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキ
シドなどのジルコニウムアルコキシド
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラフエノキシシランなどのシリコンアル
コキシド b)バリウムジエトキシド、バリウムジイソプロポキシ
ド、バリウム−n−ブトキシドなどのバリウムアルコキ
シド c)トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイ
ソプロポキシボランなどのホウ素アルコキシド d)カルシウムジエトキシド、カルシウムジイソプロポ
キシドなどのカルシウムアルコキシド e)リチウムメトキシドなどのリチウムアルコキシド f)マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジイソプ
ロポキシドなどのマグネシウムアルコキシド g)アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミ
ニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−se
c−ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキ
シドなどのアルミニウムアルコキシド h)チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−
n−プロポキシド、チタニウムテトライソプロボキシ
ド、チタニウムテトラ−n−ブトキシドなどのチタニウ
ムアルコキシド i)テトラエトキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テト
ラ−n−ブトキシ錫などの錫アルコキシド j)ジエトキシ亜鉛などの亜鉛アルコキシド k)ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテト
ライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキ
シドなどのジルコニウムアルコキシド
【0012】上記のn=0となるアルコキシドに加え、
n≧1となるアルコキシド、つまり金属Mに直接結合す
るアルキル基を持つアルコキシド(以下、アルキル金属
アルコキシドという)を用いることができる。このアル
キル金属アルコキシドとしては、トリメトキシメチルシ
ラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシフエニ
ルシラン、トリエトキシフエニルシラン、ジメトキシジ
メチルシラン、ジエトキシジメチルシランなどが挙げら
れる。なお、上記の一般式以外のアルコキシドとして、
末端にアミノ基を有する3−アミノプロピルジエトキシ
メチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミ
ノプロピル)ジメトキシメチルシランなど、末端にグリ
シジル基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチ
ルシランなど、末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシ
プロピルトリメトキシシランなどを用いることもでき
る。
n≧1となるアルコキシド、つまり金属Mに直接結合す
るアルキル基を持つアルコキシド(以下、アルキル金属
アルコキシドという)を用いることができる。このアル
キル金属アルコキシドとしては、トリメトキシメチルシ
ラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシフエニ
ルシラン、トリエトキシフエニルシラン、ジメトキシジ
メチルシラン、ジエトキシジメチルシランなどが挙げら
れる。なお、上記の一般式以外のアルコキシドとして、
末端にアミノ基を有する3−アミノプロピルジエトキシ
メチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミ
ノプロピル)ジメトキシメチルシランなど、末端にグリ
シジル基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチ
ルシランなど、末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシ
プロピルトリメトキシシランなどを用いることもでき
る。
【0013】金属アルコキシドを加水分解・縮重合させ
るには、無機または有機の酸や塩基を加えるとよい。一
般に、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸などが、有機酸
としては酢酸、蟻酸、蓚酸などが用いられる。塩基とし
ては、アンモニア、有機のアミノ化合物などが用いられ
る。金属アルコキシドの有機溶媒希釈液に水、酸、アル
カリ等を混入させ室温で撹拌すればよく、濃度、時間、
温度で任意に反応をコントロールする事ができる。反応
した金属アルコキシドの加水分解・縮重合物をフィルム
細孔に含浸した後、風乾し加熱乾燥することで時間と共
に縮合が進み金属酸化物となるが、50℃以上で樹脂フ
ィルムの耐熱温度以下、好ましくは80〜150℃で乾
燥させることで、フィルム細孔表面に強固に結合させる
ことができる。また、細孔表面に散在した−OH基、−
COOH基を核として金属酸化物の微粒子が結合するこ
とから、細孔の外面を被覆して目詰まりを起こすことが
なく、透過性能の低下が少ない。
るには、無機または有機の酸や塩基を加えるとよい。一
般に、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸などが、有機酸
としては酢酸、蟻酸、蓚酸などが用いられる。塩基とし
ては、アンモニア、有機のアミノ化合物などが用いられ
る。金属アルコキシドの有機溶媒希釈液に水、酸、アル
カリ等を混入させ室温で撹拌すればよく、濃度、時間、
温度で任意に反応をコントロールする事ができる。反応
した金属アルコキシドの加水分解・縮重合物をフィルム
細孔に含浸した後、風乾し加熱乾燥することで時間と共
に縮合が進み金属酸化物となるが、50℃以上で樹脂フ
ィルムの耐熱温度以下、好ましくは80〜150℃で乾
燥させることで、フィルム細孔表面に強固に結合させる
ことができる。また、細孔表面に散在した−OH基、−
COOH基を核として金属酸化物の微粒子が結合するこ
とから、細孔の外面を被覆して目詰まりを起こすことが
なく、透過性能の低下が少ない。
【0014】本発明では金属酸化物の微粒子の質量比
率、すなわち、該微粒子の形成前の多孔質熱可塑性樹脂
フィルム質量に対する形成後の多孔質熱可塑性樹脂フィ
ルム質量が、概ね1.05〜1.35であるのが好まし
い。空孔率、孔径により好ましい値の範囲は異なるが、
該比が1.05以下であると親水化が不十分で、1.3
5を越えると細孔内の目詰まりが生じ透過性が低下し、
さらには該目詰まりが生じることによりフィルム内部が
親水化処理されない。本発明では含浸工程を複数回行う
ことが好ましい。これにより金属アルコキシドの加水分
解・縮重合物の低濃度の液を用いることで、微粒子形成
をコントロールし透過性を高く維持することができる。
金属アルコキシドの濃度は20%以下、好ましくは10
%以下、より好ましくは3〜7%である。高濃度である
と細孔内の目詰まりが生じ易くなる。
率、すなわち、該微粒子の形成前の多孔質熱可塑性樹脂
フィルム質量に対する形成後の多孔質熱可塑性樹脂フィ
ルム質量が、概ね1.05〜1.35であるのが好まし
い。空孔率、孔径により好ましい値の範囲は異なるが、
該比が1.05以下であると親水化が不十分で、1.3
5を越えると細孔内の目詰まりが生じ透過性が低下し、
さらには該目詰まりが生じることによりフィルム内部が
親水化処理されない。本発明では含浸工程を複数回行う
ことが好ましい。これにより金属アルコキシドの加水分
解・縮重合物の低濃度の液を用いることで、微粒子形成
をコントロールし透過性を高く維持することができる。
金属アルコキシドの濃度は20%以下、好ましくは10
%以下、より好ましくは3〜7%である。高濃度である
と細孔内の目詰まりが生じ易くなる。
【0015】次に第三処理工程として、フィルム細孔表
面に形成した金属酸化物の微粒子の親水化処理工程を行
う。ここで細孔表面とは、多孔を構成している表面及び
内部組織表面を含む意味であって、この親水化処理によ
ると親水化される部分は、フィルム表面のみならず細孔
内部に形成した金属酸化物の微粒子表面である。親水化
処理に際しては、第一処理工程と同じく紫外線照射、ま
たは大気中のオゾン処理、酸処理、アルカリ処理によ
り、金属酸化物の微粒子に−OH基を導入する処理をし
て親水化することができる。上記の酸としてはフッ酸
等、アルカリとしてはNaOH、KOH、アンモニア等
を好適に用いることができる。
面に形成した金属酸化物の微粒子の親水化処理工程を行
う。ここで細孔表面とは、多孔を構成している表面及び
内部組織表面を含む意味であって、この親水化処理によ
ると親水化される部分は、フィルム表面のみならず細孔
内部に形成した金属酸化物の微粒子表面である。親水化
処理に際しては、第一処理工程と同じく紫外線照射、ま
たは大気中のオゾン処理、酸処理、アルカリ処理によ
り、金属酸化物の微粒子に−OH基を導入する処理をし
て親水化することができる。上記の酸としてはフッ酸
等、アルカリとしてはNaOH、KOH、アンモニア等
を好適に用いることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の親水性多孔質熱可塑性樹脂フィ
ルムは、多孔質熱可塑性樹脂フィルムが放電処理または
紫外線照射処理により−OH基および−COOH基を付
与された後、該多孔質熱可塑性樹脂フィルム細孔表面に
金属アルコキシドを出発原料とする金属酸化物の微粒子
が強固に形成され、さらに該金属酸化物の微粒子表面が
親水化されているものであって、高温でも安定で高透過
性、耐酸化性を有し、長期的に性能を維持することがで
きる。
ルムは、多孔質熱可塑性樹脂フィルムが放電処理または
紫外線照射処理により−OH基および−COOH基を付
与された後、該多孔質熱可塑性樹脂フィルム細孔表面に
金属アルコキシドを出発原料とする金属酸化物の微粒子
が強固に形成され、さらに該金属酸化物の微粒子表面が
親水化されているものであって、高温でも安定で高透過
性、耐酸化性を有し、長期的に性能を維持することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下実施例を用いて本発明を具体
的に説明する。なお、文中において部とあるのは、重量
部を意味する。
的に説明する。なお、文中において部とあるのは、重量
部を意味する。
【0018】実施例1 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質フィル
ム(日東電工株式会社製、商品名NTF1122、公称
孔径0.2μm)を、メタノール中及び水中に順次10
分ずつ浸漬し、さらに4.1重量%のホウ酸水溶液に1
0分間浸漬し、細孔内にホウ酸水溶液を含浸させた。こ
のフィルムに出力650Wの低圧水銀ランプ(オーク
(株)製;VUV−65B−22−21、波長185n
m、254nm )で30分間照射した後、純水で洗浄し
風乾した。このフィルムをXPS法により分析したとこ
ろ、処理前はF/C=2.0、O/C=0.01であっ
たが、処理後はF/C=1.6、O/C=0.43であ
りFの比率が減少しOが増加していた。FT−IR分析
では、−OH基(3400〜3500cm-1)および−
COOH基(1700cm-1)が存在していた。さら
に、このフィルムをテトラエトキシシランゾル溶液(テ
トラエトキシシラン15部、イソプロピルアルコール4
50部、水5部、塩酸0.01部にて調整後24時間放
置)に浸漬し100℃で5分間乾燥した。この浸漬工程
を5回繰り返した後、このフィルムを親水化処理するた
め、再度ほう酸水中で、上記の低圧水銀ランプで20分
間照射した後純水で洗浄、風乾し本発明の親水性フィル
ムを得た。
ム(日東電工株式会社製、商品名NTF1122、公称
孔径0.2μm)を、メタノール中及び水中に順次10
分ずつ浸漬し、さらに4.1重量%のホウ酸水溶液に1
0分間浸漬し、細孔内にホウ酸水溶液を含浸させた。こ
のフィルムに出力650Wの低圧水銀ランプ(オーク
(株)製;VUV−65B−22−21、波長185n
m、254nm )で30分間照射した後、純水で洗浄し
風乾した。このフィルムをXPS法により分析したとこ
ろ、処理前はF/C=2.0、O/C=0.01であっ
たが、処理後はF/C=1.6、O/C=0.43であ
りFの比率が減少しOが増加していた。FT−IR分析
では、−OH基(3400〜3500cm-1)および−
COOH基(1700cm-1)が存在していた。さら
に、このフィルムをテトラエトキシシランゾル溶液(テ
トラエトキシシラン15部、イソプロピルアルコール4
50部、水5部、塩酸0.01部にて調整後24時間放
置)に浸漬し100℃で5分間乾燥した。この浸漬工程
を5回繰り返した後、このフィルムを親水化処理するた
め、再度ほう酸水中で、上記の低圧水銀ランプで20分
間照射した後純水で洗浄、風乾し本発明の親水性フィル
ムを得た。
【0019】この親水性フィルムを用いて、透過側を2
3.5cmHgに減圧して純水を透過させ、純水透過速
度を測定したところ9.7mL/cm2 /minであっ
た。この状態でフィルム1cm2 当たり10リットルの
純水濾過を行った後、一旦フィルムを取出し、乾燥器中
で60℃で15分間水分を除去した。そして再度濾過装
置にセットし、前記と同条件で純水を濾過したところ、
純水透過速度は変わらず親水化されていることが確認さ
れた。この純水透過速度は未処理の時点(アルコールで
湿潤化した後に純水に置換して測定した純水透過速度)
に比べて93%で、質量比は1.20であった。この親
水性フィルムをXPS法により分析したところ、F/C
=1.2、O/C=0.61、Si/C=0.20で、
Oのうち5%はOH基に由来していた。また、この親水
性フィルムは、図1のFT−IRチャート(透過法)に
示すように、−OH基(3400〜3500cm-1)お
よび−COOH基(1700cm -1付近)が存在してい
ることが判る。
3.5cmHgに減圧して純水を透過させ、純水透過速
度を測定したところ9.7mL/cm2 /minであっ
た。この状態でフィルム1cm2 当たり10リットルの
純水濾過を行った後、一旦フィルムを取出し、乾燥器中
で60℃で15分間水分を除去した。そして再度濾過装
置にセットし、前記と同条件で純水を濾過したところ、
純水透過速度は変わらず親水化されていることが確認さ
れた。この純水透過速度は未処理の時点(アルコールで
湿潤化した後に純水に置換して測定した純水透過速度)
に比べて93%で、質量比は1.20であった。この親
水性フィルムをXPS法により分析したところ、F/C
=1.2、O/C=0.61、Si/C=0.20で、
Oのうち5%はOH基に由来していた。また、この親水
性フィルムは、図1のFT−IRチャート(透過法)に
示すように、−OH基(3400〜3500cm-1)お
よび−COOH基(1700cm -1付近)が存在してい
ることが判る。
【0020】比較例1 テトラエトキシシランゾル付着フィルムの親水化のため
の低圧水銀ランプによる照射を行わない以外は、実施例
1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムは実施例
1と同様の条件では、純水が透過しなかった。このフィ
ルムをXPS法により分析したところ、F/C=0.2
8、O/C=0.25となり、Fの比率が減少し、Oが
増加していることが確認された。しかしながら、このO
のうちOH基に由来のOは0.1%未満であった。
の低圧水銀ランプによる照射を行わない以外は、実施例
1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムは実施例
1と同様の条件では、純水が透過しなかった。このフィ
ルムをXPS法により分析したところ、F/C=0.2
8、O/C=0.25となり、Fの比率が減少し、Oが
増加していることが確認された。しかしながら、このO
のうちOH基に由来のOは0.1%未満であった。
【0021】比較例2 第一処理工程としての低圧水銀ランプ照射処理を行わな
い以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。この
フィルムは実施例1と同様の条件では、純水が透過しな
かった。このフィルム断面をX線マイクロアナリシス
(XMA)法で分析したところ、フィルム中心部にはS
i原子が少なかった。このことは、フィルム中心部の親
水化が不完全であったことを示している。また、FT−
IR分析では−COOH基(1700cm-1)が存在し
なかった。
い以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。この
フィルムは実施例1と同様の条件では、純水が透過しな
かった。このフィルム断面をX線マイクロアナリシス
(XMA)法で分析したところ、フィルム中心部にはS
i原子が少なかった。このことは、フィルム中心部の親
水化が不完全であったことを示している。また、FT−
IR分析では−COOH基(1700cm-1)が存在し
なかった。
【0022】実施例2 金属アルコキシドとしてトリメトキシボランゾル溶液
(トリメトキシボラン8部、イソプロピルアルコール4
50部、水5部、塩酸0.01部にて調整後24時間放
置)を用い、フィルムに付着した酸化ボランの親水化の
ために、低圧水銀ランプを20分間照射する代わりに、
希フッ酸水溶液(0.1%)に1分間浸漬した以外は実
施例1と同様にして親水性フィルムを得た。この親水性
フィルムを用いて、透過側を23.5cmHgに減圧し
て純水を透過させ、純水透過速度を測定したところ1
0.3mL/cm2 /minであった。実施例1と同条
件で洗浄後の純水透過速度を測定したところ、純水透過
速度は変わらず親水化されていることを確認した。この
純水透過速度は未処理の時点に比べて95%で、質量比
は1.15であった。
(トリメトキシボラン8部、イソプロピルアルコール4
50部、水5部、塩酸0.01部にて調整後24時間放
置)を用い、フィルムに付着した酸化ボランの親水化の
ために、低圧水銀ランプを20分間照射する代わりに、
希フッ酸水溶液(0.1%)に1分間浸漬した以外は実
施例1と同様にして親水性フィルムを得た。この親水性
フィルムを用いて、透過側を23.5cmHgに減圧し
て純水を透過させ、純水透過速度を測定したところ1
0.3mL/cm2 /minであった。実施例1と同条
件で洗浄後の純水透過速度を測定したところ、純水透過
速度は変わらず親水化されていることを確認した。この
純水透過速度は未処理の時点に比べて95%で、質量比
は1.15であった。
【0023】実施例3 金属アルコキシドとしてアルミニウムエトキシドゾル溶
液(アルミニウムエトキシド12部、イソプロピルアル
コール450部、水5部、塩酸0.01部にて調整後2
4時間放置)を用い、フィルムに付着した酸化アルミニ
ウムの親水化のための低圧水銀ランプ20分間照射の代
わりに、オゾン500ppmの雰囲気中に60分間暴露
した以外は実施例1と同様にして親水性フィルムを得
た。この親水性フィルムを用いて、透過側を23.5c
mHgに減圧して純水を透過させ、純水透過速度を測定
したところ8.5mL/cm2 /minであった。実施
例1と同条件で洗浄後の純水透過速度を測定したとこ
ろ、純水透過速度は変わらず親水化されていることを確
認した。この純水透過速度は未処理の時点に比べて87
%で、質量比は1.13であった。
液(アルミニウムエトキシド12部、イソプロピルアル
コール450部、水5部、塩酸0.01部にて調整後2
4時間放置)を用い、フィルムに付着した酸化アルミニ
ウムの親水化のための低圧水銀ランプ20分間照射の代
わりに、オゾン500ppmの雰囲気中に60分間暴露
した以外は実施例1と同様にして親水性フィルムを得
た。この親水性フィルムを用いて、透過側を23.5c
mHgに減圧して純水を透過させ、純水透過速度を測定
したところ8.5mL/cm2 /minであった。実施
例1と同条件で洗浄後の純水透過速度を測定したとこ
ろ、純水透過速度は変わらず親水化されていることを確
認した。この純水透過速度は未処理の時点に比べて87
%で、質量比は1.13であった。
【0024】実施例4 実施例1で用いたPTFE多孔質フィルムを、プラズマ
照射装置内で電極から5cmの距離に保持し、10-5t
orrに真空引きした後、Arガスを40cc(ST
P)/minで供給した。チャンバー内を5×10-2t
orrに保ち、13.56MHz、50Wの出力でプラ
ズマを発生させ、30秒間放電して該フィルムの予備親
水化処理を行った。このフィルムを実施例1と同様にし
てチタンテトラブトキシドゾル溶液(チタンテトラブト
キシド25部、イソプロピルアルコール450部、水5
部、塩酸0.01部にて調整後24時間放置)を用い
て、酸化チタンの微粒子を付着後、紫外線照射により親
水化処理して親水性フィルムを得た。この親水性フィル
ムを用いて、透過側を23.5cmHgに減圧して純水
を透過させ、純水透過速度を測定したところ10.1m
L/cm2 /minであった。実施例1と同条件で洗浄
後の純水透過速度を測定したところ、純水透過速度は変
わらず親水化されていることを確認した。この純水透過
速度は未処理の時点に比べて91%で、質量比は1.0
7であった。
照射装置内で電極から5cmの距離に保持し、10-5t
orrに真空引きした後、Arガスを40cc(ST
P)/minで供給した。チャンバー内を5×10-2t
orrに保ち、13.56MHz、50Wの出力でプラ
ズマを発生させ、30秒間放電して該フィルムの予備親
水化処理を行った。このフィルムを実施例1と同様にし
てチタンテトラブトキシドゾル溶液(チタンテトラブト
キシド25部、イソプロピルアルコール450部、水5
部、塩酸0.01部にて調整後24時間放置)を用い
て、酸化チタンの微粒子を付着後、紫外線照射により親
水化処理して親水性フィルムを得た。この親水性フィル
ムを用いて、透過側を23.5cmHgに減圧して純水
を透過させ、純水透過速度を測定したところ10.1m
L/cm2 /minであった。実施例1と同条件で洗浄
後の純水透過速度を測定したところ、純水透過速度は変
わらず親水化されていることを確認した。この純水透過
速度は未処理の時点に比べて91%で、質量比は1.0
7であった。
【0025】実施例5 実施例1において、PTFE多孔質フィルムの代わりに
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)多孔質フィルム(公
称孔径0.2μm、厚さ80μm) 、テトラエトキシシ
ランゾルの代わりに同濃度のテトラメトキシシランゾル
溶液を用いた以外は実施例1と同様の処理を行った。得
られた親水性フィルムを、透過側を23.5cmHgに
減圧して純水を透過させ、純水透過速度を測定したとこ
ろ41mL/cm2 /minであった。実施例1と同条
件で洗浄後の純水透過速度を測定したところ、純水透過
速度は変わらず親水化されていることを確認した。この
純水透過速度は未処理の時点に比べて90%であり、質
量比は1.28であった。
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)多孔質フィルム(公
称孔径0.2μm、厚さ80μm) 、テトラエトキシシ
ランゾルの代わりに同濃度のテトラメトキシシランゾル
溶液を用いた以外は実施例1と同様の処理を行った。得
られた親水性フィルムを、透過側を23.5cmHgに
減圧して純水を透過させ、純水透過速度を測定したとこ
ろ41mL/cm2 /minであった。実施例1と同条
件で洗浄後の純水透過速度を測定したところ、純水透過
速度は変わらず親水化されていることを確認した。この
純水透過速度は未処理の時点に比べて90%であり、質
量比は1.28であった。
【0026】
【図1】実施例1におけるPTFE多孔質フィルムのF
T−IRチャート(透過法)を示す。
T−IRチャート(透過法)を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 放電処理または紫外線照射処理により−
OH基および−COOH基を付与された多孔質熱可塑性
樹脂フィルムの細孔表面に、親水化処理された−OH基
を有する金属酸化物の微粒子が形成されていることを特
徴とする親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項2】 多孔質熱可塑性樹脂フィルムを放電処理
または紫外線照射処理により親水化処理し−OH基およ
び−COOH基を付与する第一工程と、該多孔質熱可塑
性樹脂フィルムの細孔表面に金属アルコキシドの加水分
解・縮重合物を存在させて乾燥し金属酸化物の微粒子を
形成する第二工程と、該金属酸化物の微粒子を親水化さ
せる第三工程とからなることを特徴とする親水性多孔質
熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 - 【請求項3】 金属酸化物の微粒子を親水化させる第三
工程が、紫外線照射、オゾン処理、酸処理およびアルカ
り処理から選ばれる処理により、−OH基を有する金属
酸化物とすることを特徴とする請求項2記載の親水性多
孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。 - 【請求項4】 金属酸化物の微粒子を形成する工程が、
繰り返されることを特徴とする請求項2記載の親水性多
孔質熱可塑性樹脂フィルムの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3947896A JPH09227701A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3947896A JPH09227701A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09227701A true JPH09227701A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12554181
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3947896A Pending JPH09227701A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 親水性多孔質熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09227701A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004182516A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Tokai Univ | 固体材料表面の光化学的改質方法 |
| JP2013257148A (ja) * | 2012-06-11 | 2013-12-26 | Hitachi High-Technologies Corp | コーティング装置、及びコーティング装置の前処理装置 |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP3947896A patent/JPH09227701A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004182516A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Tokai Univ | 固体材料表面の光化学的改質方法 |
| JP2013257148A (ja) * | 2012-06-11 | 2013-12-26 | Hitachi High-Technologies Corp | コーティング装置、及びコーティング装置の前処理装置 |
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