JPH09227760A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH09227760A
JPH09227760A JP3935396A JP3935396A JPH09227760A JP H09227760 A JPH09227760 A JP H09227760A JP 3935396 A JP3935396 A JP 3935396A JP 3935396 A JP3935396 A JP 3935396A JP H09227760 A JPH09227760 A JP H09227760A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐油性と耐熱性を有し、さらに柔軟性、ゴム
弾性、耐衝撃性にも優れた成形体を与える熱可塑性エラ
ストマー組成物の提供。 【解決手段】 スチレン・共役ジエンブロック共重合体
の水素添加物(成分(A))30〜80重量%および炭
化水素系ゴム用軟化剤(成分(B))70〜20重量%
からなる混合物に、該混合物100重量部に対して、下
記の成分(C)が5〜300重量部、および下記の成分
(D)が1〜50重量部の割合で配合されてなる熱可塑
性エラストマー組成物。 成分(C):ポリエステル系エラストマー 成分(D):結合単位が下記式(1); 【化1】 (ここで、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハ
ロゲン、炭化水素、置換炭化水素基からなる群から選択
されるものであり、互いに同一でも異なってもよい)か
らなり、クロロホルム中で測定した、30℃の固有粘度
が0.1〜0.80dl/gの範囲にあるポリフェニレ
ンエーテル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐油性、ゴム弾性
(圧縮永久歪)、耐熱性に優れ、柔軟性、機械強度、耐
衝撃性が良好な熱可塑性エラストマー組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、工程合理化やリサイクルの問題よ
り、従来よりも熱可塑性エラストマーによる加硫ゴム代
替が求められてきている。しかし、スチレン・共役ジエ
ンブロック共重合体の水素添加物を主成分とするスチレ
ン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性やゴム弾性(圧縮
永久歪)には優れるものの、耐油性や耐熱性に劣ること
から、加硫ゴムが使われている用途の全てを代替はでき
なかった。
【0003】そこで、スチレン系熱可塑性エラストマー
の耐油性や耐熱性を向上させる試みとして、ポリオレフ
ィン系炭化水素系樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂
を添加する手法は特公平6−80124号公報、特開平
7−100184号の各公報に記載されている。しか
し、いずれの方法も、耐油性、耐熱性ともに、加硫ゴム
代替用途の全てを満足させるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は到達し得なかった耐油性と耐熱性を有し、さらに、柔
軟性、ゴム弾性(圧縮永久歪)、耐衝撃性にも優れた成
形体を与える熱可塑性エラストマー組成物の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者等は、上記問題点を解決するた
めに鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル系エラストマ
ーとポリフェニレンエーテル樹脂を添加することによ
り、優れた耐油性と耐熱性を示すことを見い出し、本発
明を完成させるに到ったものである。すなわち、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン・共役ジエ
ンブロック共重合体の水素添加物(成分(A))30〜
80重量%および炭化水素系ゴム用軟化剤(成分
(B))70〜20重量%からなる混合物に、該混合物
100重量部に対して、下記の成分(C)が5〜300
重量部、および下記の成分(D)が1〜50重量部の割
合で配合されてなる熱可塑性エラストマー組成物であ
る。 成分(C):ポリエステル系エラストマー 成分(D):結合単位が下記式(1);
【0006】
【化2】
【0007】(ここで、R1,R2,R3,R4はそれ
ぞれ水素、ハロゲン、炭化水素、置換炭化水素基からな
る群から選択されるものであり、互いに同一でも異なっ
てもよい)からなり、クロロホルム中で測定した、30
℃の固有粘度が0.1〜0.80dl/gの範囲にある
ポリフェニレンエーテル樹脂。
【0008】
【発明の実施の形態】
[1]組成物 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜
成分(D)よりなり、JIS−K6301準拠によるJ
IS−A硬度が20〜95、好ましくは30〜90、特
に好ましくは35〜85の範囲のものが好ましい。JI
S−A硬度が上記範囲未満では、成形性(離型性)に劣
るものとなり、上記範囲を超える場合には、ゴム弾性に
劣るものとなる。
【0009】(1)配合材 成分(A):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物 スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物と
しては、その共役ジエンがブタジエン単独、イソプレン
単独、或いは、イソプレンとブタジエンの混合物からな
る重合体ブロックであり、具体的には、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下
単に「水添S−B−S」と略記することがある。)、ス
チレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素
添加物(以下単に「水添S−I−S」と略記することが
ある。)、或いは、スチレン・イソプレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下単に
「水添S−BI−S」と略記することがある。)を挙げ
ることができる。
【0010】これらスチレン・共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物は、重量平均分子量が50,000〜
500,000、好ましくは120,000〜450,
000、特に好ましくは150,000〜400,00
0、スチレン含有量が5〜50重量%、好ましくは8〜
45重量%、特に好ましくは10〜40重量%、1,2
−ミクロ構造が20%未満、好ましくは15%未満、水
素添加率が95%以上、好ましくは97%以上のブロッ
ク共重合体を用いることが重要である。
【0011】ここで「重量平均分子量」は、ゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量である。 (条件)機器 :150C ALC/GPC(MILL
IPORE社製) カラム:AD80M/S(昭和電工社製)3本 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 温度 :140℃ 流速:1ml/分 注入量:200μl 濃度:2mg/ml(酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出はF
OXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aによ
り波長3.42μmで測定。)
【0012】上記スチレン・共役ジエンブロック共重合
体の水素添加物の重量平均分子量が50,000未満の
ものはゴム弾性、機械的強度に劣り、500,000を
超えるものは成形性に劣る傾向となる。これらスチレン
・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の製造方法
としては、例えば、特公昭40−23798号公報に記
載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒
中でスチレン・共役ジエンブロック共重合体を合成し、
次いで、例えば、特公昭42−8704号、特公昭43
−6636号、特開昭59−133203号、特開昭6
0−79005号の各公報に記載された方法により、不
活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法
等を挙げることができる。
【0013】また、水添S−I−S並びに水添S−BI
−Sは、特開平2−102212号並びに特開平3−1
88114号に記載された方法、即ちスチレンとイソプ
レン又はイソプレン−ブタジエンとを全モノマー100
重量部に対し、0.01〜0.2重量部の開始剤として
アルキルリチウム化合物及び0.04〜0.8重量部の
カップリング剤と、開始剤100重量部に対して0.1
〜400重量部のルイス塩基との存在下、不活性溶媒
中、−20〜80℃で1〜50時間逐次重合させ、次い
でイソプレン又はイソプレン−ブタジエンブロックを水
素添加して得られる。市販品としては、例えば、シェル
ジャパン社製「クレイトンG1650、1651」、ク
ラレ社製「セプトン2006、4055」「ハイブラー
HVS−3」、旭化成工業社製「タフテックH107
1」、日本合成ゴム社製「ダイナロン1320P」等を
挙げることができる。
【0014】成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤 炭化水素系ゴム用軟化剤としては、重量平均分子量が3
00〜2,000、好ましくは500〜1,500のも
のを挙げることができる。この様な炭化水素系ゴム用軟
化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者
を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が
全炭素中の50重量%以上を占めるものがパラフィン系
オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45重量%
のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が3
0重量%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区分
されている。これらの中ではパラフィン系オイルを用い
ることが耐候性の点より好ましい。
【0015】本発明で用いるパラフィン系オイルとして
は、40℃動粘度が20〜800cSt(センチストー
クス)、好ましくは50〜600cSt、流動点が0〜
−40℃、好ましくは0〜−30℃、及び、引火点(C
OC)が200〜400℃、好ましくは250〜350
℃のオイルが好適に使用される。該炭化水素系ゴム用軟
化剤は、硬度調整及び成形時の溶融流動性を調節するた
めに重要である。
【0016】成分(C):ポリエステル系エラストマー 本発明のポリエステル系エラストマーは、JIS−K7
203による曲げ弾性率が1000MPa以下、好まし
くは0〜600MPa、特に好ましくは10〜600M
Paのものが好ましい。このようなポリエステル系エラ
ストマーには、ハード成分に芳香族ポリエステル、ソフ
ト成分に脂肪族ポリエーテルを用いたポリエステルポリ
エーテルブロック共重合体、ハード成分に芳香族ポリエ
ステル、ソフト成分に脂肪族ポリエステルを用いたポリ
エステルポリエステルブロック共重合体が挙げられる。
【0017】(イ)ポリエステルポリエーテルブロック
共重合体 ポリエステルポリエーテルブロック共重合体は、炭素
数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、芳
香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、および
重量平均分子量が400〜6,000のポリアルキレ
ンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応、
または、エステル交換反応により得られたオリゴマーを
重縮合させたものである。
【0018】本発明で用いる炭素数2〜12の脂肪族及
び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原
料、特にポリエステルエラストマーの原料として公知の
ものを用いることができ、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げら
れ、好ましくは、1,4−ブタンジオール、エチレング
リコール、特に好ましくは1,4−ブタンジオールを主
成分とするものであり、1種または2種以上を使用する
ことができる。
【0019】芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステ
ルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として
公知のものが使用でき、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げる
ことができ、好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、特に好ましくは、テレフタル酸を
主成分とするものであり、これらの2種以上を併用して
もよい。また、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステル
としては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタ
レート、ジメチルフタレート、2,6−ジメチルナフタ
レート等のジメチルエステルが挙げられ、好ましくはジ
メチルテレフタレート、2,6−ジメチルナフタレート
であり、特に好ましくは、ジメチルテレフタレートであ
り、これらは2種以上を併用することができる。また、
上記以外に3官能のジオール、その他のジオールや他の
ジカルボン酸及びそのエステルを少量共重合してもよ
く、さらに、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸または
脂環族ジカルボン酸、または、そのアルキルエステル等
も共重合成分として使用してもよい。
【0020】ポリアルキレンエーテルグリコールとして
は、重量平均分子量が400〜6,000のものが使用
されるが、好ましくは500〜4,000、特に好まし
くは600〜3,000のものである。分子量が400
未満では、共重合体のブロック性が不足し、重量平均分
子量が6,000を超えるものは、系内での相分離によ
りポリマーの物性が低下する。ここで、ポリアルキレン
エーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリ(1,2および1,3プロピレンエーテル)グ
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポ
リヘキサメチレンエーテルグリコール、エチレンオキシ
ドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共重合
体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック
又はランダム共重合体等が挙げられる。特に好ましくは
ポリテトラメチレンエーテルグリコールである。ポリア
ルキレンエーテルグリコールの含有量は、生成するブロ
ック共重合体に対し、5〜95重量%であることが望ま
しく、好ましくは10〜85重量%、特に好ましくは、
20〜80重量%であることが望ましい。含有量が95
重量%より多くなると、縮重合によりポリマーを得るの
は難しい。
【0021】(ロ)ポリエステルポリエステルブロック
共重合体 本発明のポリエステルポリエステルブロック共重合体
は、上記重量平均分子量が400〜6,000のポリ
アルキレンエーテルグリコールのかわりに、脂肪族ま
たは脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールと縮合したポ
リエステルオリゴマー、脂肪族ラクトンまたは脂肪族
モノオールカルボン酸から合成されたポリエステルオリ
ゴマーと、前記炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂
環族ジオールと、芳香族ジカルボン酸またはそのアル
キルエステルとを原料とし、エステル化反応またはエス
テル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させた
ものである。
【0022】の例としては、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
ジシクロヘキシル−4,4′−ジカルボン酸等の脂環式
ジカルボン酸またはコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうちの一種以上と
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール等のジオ
ールのうちの一種以上とを縮合した構造のポリエステル
オリゴマーが挙げられ、の例としてε−カプロラクト
ン、ω−オキシカプロン酸等から合成されたポリカプロ
ラクトン系ポリエステルオリゴマーが挙げられる。
【0023】(ハ)ポリエステル系エラストマーの製造
方法 本発明におけるエステル化、エステル交換、重縮合反応
は、常法に従って行うことができる。これらの反応にお
ける触媒としては、それぞれ、スズ、チタン、亜鉛、マ
ンガンなどのアルコラート、塩化物、酸化物など公知の
触媒のうち1種、または、2種以上を使用することがで
き、有機チタン系触媒、特に、テトラブチルチタネート
が望ましい。また、助剤として、リン酸、亜リン酸、次
亜リン酸、または、それらの金属塩などを加えてもよ
い。特に、次亜リン酸アルカリ金属塩を添加すること
は、末端カルボキシル基の含有率が減少し耐加水分解性
が良くなることから好ましい。
【0024】次亜リン酸アルカリ金属塩としては、次亜
リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リ
チウムなどが挙げられ、特に次亜リン酸ナトリウムが望
ましい。この次亜リン酸アルカリ金属塩の添加量は、生
成するポリエステル系エラストマーに対し、1〜1,0
00ppm、好ましくは3〜200ppm、より好まし
くは5〜80ppmである。1ppm未満では、添加の
効果が十分に得られず、また、1,000ppmより多
く添加しても、更にそれ以上の効果を期待することがで
きず、かえって重縮合反応を阻害するので好ましくな
い。添加方法としては、次亜リン酸アルカリ金属塩を溶
液状、スラリー状、固体状のどの状態で溶融ポリエステ
ル系エラストマーに添加してもよく、添加時期として
は、好ましくは少なくとも重縮合反応終了前、すなわち
エステル化反応前又はエステル交換反応前から重縮合反
応終了の前までの間で、どの時期に添加してもよい。特
に、減圧重縮合開始直前に、スラリー状で添加すること
が重合性の低下が少なく好ましい。
【0025】また、反応工程において、ほかの添加剤が
存在していてもよい。例えばヒンダードフェノール系酸
化安定剤、ヒンダードアミン系酸化安定剤、リン系酸化
安定剤、硫黄系酸化安定剤、トリアゾール系耐光安定剤
などのほか、公知の他の添加剤が使用される。特に、本
発明では、ヒンダードフェノール系酸化安定剤をポリマ
ーに対し、0.01〜1重量%添加するのが効果上、一
層好ましい。エステル化、または、エステル交換反応は
通常120〜250℃、好ましくは150〜230℃で
行われ、溶融重縮合反応は、通常10torr以下の減
圧下、200〜280℃で2〜6時間行われる。
【0026】通常、溶融重合して得られたポリマーは、
融点以上の温度で保持され、順次反応缶から吐出、ペレ
ット化が行われる。なお、ここで得られたペレットは、
必要に応じて、さらに固相重合してもよい。このような
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、
市販のポリマーである「ペルプレンP」(東洋紡績社製
商品名)や「ハイトレル」(東レ・デュポン社製商品
名)、「ローモッド」(日本ジーイープラスチック社製
商品名)、「ニチゴーポリエスター」(日本合成化学工
業社製商品名)、「帝人ポリエステルエラストマー」
(帝人社製商品名)等があり、ポリエステルポリエステ
ルブロック共重合体としては市販のポリマーである「ペ
ルプレンS」(東洋紡績社製商品名)がある。 成分(D):ポリフェニレンエーテル樹脂 本発明で用いるポリフェニレンエーテル樹脂は、結合単
位が下記式(1);
【0027】
【化3】
【0028】(ここで、R1,R2,R3,R4はそれ
ぞれ水素、ハロゲン、炭化水素、置換炭化水素基からな
る群から選択されるものであり、互いに同一でも異なっ
てもよい。)からなり、クロロホルム中で測定した、3
0℃の固有粘度が0.1〜0.8dl/gであるものが
好ましい。より好ましくは固有粘度が0.2〜0.7d
l/gのものであり、とりわけ好ましくは0.25〜
0.6dl/gのものである。固有粘度が0.1dl/
g未満では組成物の耐衝撃性が不足し、0.8dl/g
を越えると成形性が不満足である。
【0029】このようなポリフェニレンエーテル樹脂と
しては公知のものを用い得る。具体的な例としては、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニ
ル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジ
クロロ−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げら
れ、また、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノー
ル類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2
−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごと
きポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。なか
でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−ト
リメチルフェノールとの共重合体が好ましく、特に好ま
しくは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル)である。
【0030】(2)付加的配合剤(任意成分) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記成分
(A)〜成分(D)以外にも、各種目的に応じて任意の
配合成分を配合することができる。具体的には、酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋
剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等
の各種添加物を添加することができる。これらの中でも
特に酸化防止剤を添加することが重要であり、フェノー
ル系、ホスファイト系、チオエーテル系等の各種酸化防
止剤の少なくとも一種を使用することができる。
【0031】また、ポリエステル系エラストマーを高分
子化する目的で、ビスオキサゾリン化合物、ジエポキシ
化合物等の二官能性化合物やその他多官能性化合物、ト
リフェニルホスファイト等のモノホスファイトやビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のジホスフ
ァイトで例示される亜リン酸エステル類を添加すること
は有効であり、触媒として、無水炭酸カリウム等のアル
カリ金属塩を加えることもできる。
【0032】更に、本発明の効果を著しく損なわない範
囲内で、各種熱可塑性樹脂、各種エラストマー、各種可
塑剤等の付加的配合材を配合することができる。各種熱
可塑性樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレン
ランダム共重合体といったプロピレン系重合体や低密度
ポリエチレン(分岐状エチレン重合体)、中密度、高密
度ポリエチレン(直鎖状エチレン重合体)といったエチ
レン系重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と
いったエチレンと不飽和化合物またはその無水物(アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸、およびこれ
らの無水物など)の共重合体などのオレフィン系樹脂;
スチレン単独重合体、アクリルニトリル・スチレン樹
脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂など
のスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0033】この中でもプロピレン単独重合体、プロピ
レン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレ
ンランダム共重合体といったプロピレン系重合体は成形
外観の点から特に好ましい。各種エラストマーとして
は、成分(A)に記載されたスチレン・共役ジエンブロ
ック共重合体の水素添加物以外のゴム弾性を持つもので
あり、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ポリイソブチレン等のオレフィン類の単独重合体;エチ
レン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、非共役ジエ
ンとして、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メ
チレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどを用いたエ
チレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EP
DM)、エチレン・ブテン共重合体ゴム(EBM)、エ
チレン・オクテン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン
・ブテン共重合体ゴム等のオレフィン系共重合体ゴム;
エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−イソプレン
共重合体、エチレン−クロロプレン共重合体等のエチレ
ンとジエンとの共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸メチル共重合体等のエチレンと有機酸エステ
ルとの共重合体等;アクリル酸エステルと架橋のための
少量のモノマーとの共重合体(ACM)、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル重合体ゴム(ANM)等のア
クリルゴム、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体
ゴム、エチレン−アクリルゴム(AEM)等のアクリル
系重合体ゴム;天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系
ゴム;ブチルゴム;ニトリルゴム;クロロプレンゴム;
シリコーンゴム;フッ素ゴム;ウレタンゴム;軟質塩化
ビニル樹脂、塩素化ポリエチレンなどの塩素系軟質樹
脂;上述のオレフィン系共重合体ゴムを含むオレフィン
系熱可塑性エラストマーで、市販品としては、三菱化学
社製「サーモラン」、三井石油化学工業社製「ミラスト
マー」、住友化学社製「住友TPE」、AES社製「サ
ントプレーン」等を挙げることができる。
【0034】(2)配合比 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構成する各成分
の配合割合は、成分(A)が成分(A)と成分(B)の
合計量のうち30〜80重量%、好ましくは35〜75
重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。上記
範囲未満では機械強度に劣り、上記範囲を超える場合に
は柔軟性、成形性に劣るものとなる。一方、成分(B)
の配合割合としては、成分(A)と成分(B)の合計量
のうち70〜20重量%、好ましくは65〜25重量
%、特に好ましくは60〜30重量%である。
【0035】上記成分(B)の配合割合が上記範囲を越
えるものは熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性や成形
性が劣り、上記範囲未満のものは、機械強度に劣るもの
となる。また、成分(C)の配合割合は、成分(A)と
成分(B)の合計量100重量部に対して5〜300重
量部、好ましくは7〜200重量部、特に好ましくは1
0〜100重量部である。
【0036】上記成分(C)の配合割合が上記範囲を越
えるものは熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性やゴム
弾性(圧縮永久歪)に劣り、上記範囲未満のものは、機
械強度、耐熱性、耐油性に劣るものとなる。さらに、成
分(D)の配合割合は、成分(A)と成分(B)の合計
量100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3
〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
上記成分(D)の配合割合が上記範囲を越えるものは熱
可塑性エラストマー組成物の柔軟性や成形性に劣り、上
記範囲未満のものは、耐熱性、ゴム弾性(圧縮永久歪)
に劣るものとなる。
【0037】(3)配合方法 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を得るための方法
は、溶融法、溶液法、懸濁法等、特に限定されないが、
実用的には溶融混練する方法が望ましい。具体的な溶融
混練する方法としては、粉状又は粒状の上記成分(A)
乃至成分(D)を前述の配合割合の範囲内で、必要であ
れば、付加的配合材の項に記載の添加物と共に、ヘンシ
ェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等に
より均一に混合した後、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロール、一軸又は二軸等の多軸混練押出機等の通常
の混練機にて混練ブレンドする方法を挙げることができ
る。
【0038】各成分の溶融混練の温度は、100℃〜4
00℃の範囲、好ましくは150℃〜300℃の範囲、
特に好ましくは180℃〜280℃の範囲である。更
に、各成分の混練順序及び方法は、特に限定されるもの
ではなく、成分(A)〜成分(D)及び付加的配合材成
分を一括で混練する方法、成分(A)乃至成分(D)の
うちの一部を混練した後、付加的配合材成分を含めた残
りの成分を混練する方法でもよい。
【0039】[II]成形体 本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成形体を製造す
る方法としては、押出成形法、ブロー成形法、回転成
形、プレス成形、射出成形法(インサート射出成形法、
二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ
射出成形法、インジェクションプレス成形法)等の各種
成形法を用いることができる。特に射出成形法、(共)
押出成形法が好ましい。
【0040】成形するにあたっては、乾燥した材料を用
いることが重要であり、乾燥温度は20〜150℃、好
ましくは50〜130℃、より好ましくは80〜120
℃で、乾燥時間は1〜24時間、好ましくは1〜10時
間、より好ましくは1〜5時間で行うことが必要であ
る。更に、乾燥を減圧下で行うとより効果的であり、減
圧下で乾燥することにより、乾燥温度を低く、乾燥時間
も短くすることが可能である。乾燥しない材料で成形し
た場合には、成形品表面に荒れが生じたり、物性の低下
を招くことがある。
【0041】射出成形における条件としては、一般に1
00〜300℃、好ましくは150〜280℃、特に好
ましくは200〜260℃の成形温度、50〜1,00
0kg/cm2 、好ましくは100〜800kg/cm
2 の射出圧力で成形される。また、ランナー、スプール
類等の製品以外の成形部分や不良成形品等をリサイクル
して使用することもできる。
【0042】[III]用途 本発明の熱可塑性組成物からなる成形体は、各種工業部
品として使用することができる。具体的には、インスト
ルメントパネル、センターパネル、センターコンソール
ボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハ
ンドル、エアバックカバー等の自動車内装部品、バンパ
ー、モール等の自動車外装部品、ラック&ピニオンブー
ツ、サスペンションブーツ、等速ジョイントブーツなど
の自動車機能部品、掃除機バンパー、リモコンスイッ
チ、OA機器の各種ロールや各種キートップ等の家電部
品、水中眼鏡、水中カメラカバー等の水中使用製品、各
種カバー部品、密閉性、防水性、防音性、防振性等を目
的とした各種パッキン付き工業部品、カールコード電線
被覆、ベルト、ホース、チューブ、消音ギアなどの電
気、電子部品、スポーツ用品、等に使用することができ
る。
【0043】
【実施例】以下に示す実施例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 [I]評価方法 これら実施例及び比較例における各種評価は、以下に示
す試験方法によって行った。但し、(1)〜(5)の測
定試料はインラインスクリュータイプ射出成形機(東芝
機械社製小型射出成形機;IS90B)にて、射出圧力
500kg/cm2、射出温度240℃、金型温度40
℃にて成形した120mm×120mm×3mmシート
の横方向打ち抜きにより得た。
【0044】 (1)JIS−A硬度〔−〕 JIS−K−6301に準拠 (2)圧縮永久歪〔%〕 JIS−K−6301に準拠 変形回復性の目安としてた圧縮永久歪(70℃×22時
間)を測定した。 (3)引張強度〔kg/cm2 〕 JIS−K−6301に準拠 機械強度の目安として引張試験を行い、引張破断点強度
を測定した。 (4)耐油性 射出成形したテストピースより切り出した約2gをJI
S3号油の入ったガラス管内に120℃で、72時間浸
し、その前後での膨潤率〔%〕を測定した。 (5)MFR〔g/10分〕 JIS−K−7210に準拠 成形性の目安としてMFR〔230℃×2.16kg〕
を測定した。
【0045】[II]原材料 成分(A):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物
【0046】
【表1】
【0047】成分(B):炭化水素系ゴム用軟化材
【0048】
【表2】
【0049】成分(C):ポリエステル系エラストマー C−1:ジメチルテレフタレート60重量部、1,4−
ブタンジオール31重量部、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール(平均重量分子量1,000)35重量部
に対し、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタ
ン換算で、生成するポリマーに対して200ppm添加
し、150℃〜230℃で3.5時間エステル交換反応
を行い、ついで、生成するポリマーに対し、ヒンダード
フェノール系酸化安定剤〔チバ・ガイギー社製品、商品
名:Irganox1010〕0.18重量部を加え、
3torr以下の減圧下、230〜245℃で溶融重縮
合を行い、ポリエステル系エラストマー(ポリエステル
ポリエーテルブロック共重合体:密度1.19g/cm
3 、ショアーD硬度52、MFR(245℃、2.16
kg荷重)34g/10分)を製造した。
【0050】C−2:ジメチルテレフタレート54.4
重量部、1,4−ブタンジオール30重量部、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール(平均重量分子量1,0
00)42重量部に対し、C−1と同様な方法でポリエ
ステル系エラストマー(ポリエステルポリエーテルブロ
ック共重合体:密度1.17g/cm3 、ショアーD硬
度46、MFR(245℃、2.16kg荷重)30g
/10分)を製造した。
【0051】C−3:ジメチルテレフタレート48重量
部、1,4−ブタンジオール27重量部、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール(平均重量分子量1,00
0)50重量部に対し、C−1と同様な方法でポリエス
テル系エラストマー(ポリエステルポリエーテルブロッ
ク共重合体:密度1.15g/cm3 、ショアーD硬度
44、MFR(245℃、2.16kg荷重)35g/
10分)を製造した。
【0052】成分(D):ポリフェニレンエーテル樹脂 D−1:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル)(日本ポリエーテル社製 30℃クロロホル
ム中の固有粘度:0.32dl/g)。 その他の成分:プロピレン系樹脂
【0053】
【表3】
【0054】[III]実験例及び比較例 実施例1〜11及び比較例1〜10 表4〜5に示す配合組成(重量部)にて、まず成分
(A)〜成分(B)をヘンシェルミキサーで混合し、そ
の後、残りの成分と、表4〜5に示す配合組成の合計量
100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバ
ガイキー社製商品名「イルガノックス1010」)0.
2重量部とチオエーテル系酸化防止剤(白石カルシウム
社製商品名「シーノックス412S」)0.2重量部を
添加して混合する。次に圧縮比L/D=33、シリンダ
ー径45mmの二軸押出機にて240℃設定で溶融混練
して熱可塑性組成物のペレットを得た。このペレットを
100℃で4時間乾燥し、上述の通り射出成形してシー
トとし、上述の評価に供した。これらの評価結果は表4
〜5に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン・共役ジエンブロック共重合体
    の水素添加物(成分(A))30〜80重量%および炭
    化水素系ゴム用軟化剤(成分(B))70〜20重量%
    からなる混合物に、該混合物100重量部に対して、下
    記の成分(C)が5〜300重量部、および下記の成分
    (D)が1〜50重量部の割合で配合されてなる熱可塑
    性エラストマー組成物。 成分(C):ポリエステル系エラストマー 成分(D):結合単位が下記式(1); 【化1】 (ここで、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハ
    ロゲン、炭化水素、置換炭化水素基からなる群から選択
    されるものであり、互いに同一でも異なってもよい)か
    らなり、クロロホルム中で測定した、30℃の固有粘度
    が0.1〜0.80dl/gの範囲にあるポリフェニレ
    ンエーテル樹脂。
  2. 【請求項2】 成分(C)が、ポリエステルポリエーテ
    ルブロック共重合体である請求項1に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 成分(A)のスチレン・共役ジエンブロ
    ック共重合体の水素添加物の重量平均分子量が120,
    000〜450,000である請求項1又は2に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
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