JPH09229191A - セラミックス製ピストンピン及びその表面加工方法 - Google Patents
セラミックス製ピストンピン及びその表面加工方法Info
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- JPH09229191A JPH09229191A JP3994396A JP3994396A JPH09229191A JP H09229191 A JPH09229191 A JP H09229191A JP 3994396 A JP3994396 A JP 3994396A JP 3994396 A JP3994396 A JP 3994396A JP H09229191 A JPH09229191 A JP H09229191A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難加工材であるセラミックス製ピストンピン
を安く、精度よく仕上げることのできる表面加工法を提
供する。 【解決手段】 セラミックス製円柱形状ピストンピン1
4の側面を一対の板27,27で挟み、これらの板2
7,27を振動させてピストンピン14を自転回転させ
つつ、このピストンピン14の周囲にピストンピン14
よりも低硬度の砥粒39を含む液を供給し、振動する板
27と自転するピストンピン14の側面との間に介在し
た砥粒でピストンピン14の側面表面を研磨する。 【効果】 砥粒が低硬度であるから、ピストンピンの表
面に傷を付ける心配が無く、極めて良好な面粗度が得ら
れると共に、軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が
発生するために加工能率が良く、加工所要時間の短縮を
も図れる。
を安く、精度よく仕上げることのできる表面加工法を提
供する。 【解決手段】 セラミックス製円柱形状ピストンピン1
4の側面を一対の板27,27で挟み、これらの板2
7,27を振動させてピストンピン14を自転回転させ
つつ、このピストンピン14の周囲にピストンピン14
よりも低硬度の砥粒39を含む液を供給し、振動する板
27と自転するピストンピン14の側面との間に介在し
た砥粒でピストンピン14の側面表面を研磨する。 【効果】 砥粒が低硬度であるから、ピストンピンの表
面に傷を付ける心配が無く、極めて良好な面粗度が得ら
れると共に、軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が
発生するために加工能率が良く、加工所要時間の短縮を
も図れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス製ピス
トンピン及びその加工方法に関する。
トンピン及びその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平5−149429号公報
「ピストンピン」に、セラミックス製ピストンピンが示
され、金属製のピストンピンを、高強度で軽量なセラミ
ックス製ピストンピンに置き換える研究が進んでいる。
「ピストンピン」に、セラミックス製ピストンピンが示
され、金属製のピストンピンを、高強度で軽量なセラミ
ックス製ピストンピンに置き換える研究が進んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
ス製ピストンピンはセラミックスを焼き固めたものであ
るから、表面は滑らかでなく、ピストンに嵌合するピス
トンピンでは、この点が問題となる。即ち、粗さのため
に相手側のピストンの雌孔部を削って傷める虞れがあ
る。また、ピストンピン自体に大きな力が掛かるが、面
粗度が大きい場合、表面の微細な凹部が「ノッチ」とな
って亀裂始点になり、強度が低下するという不都合もあ
る。そこで、本発明の第1の目的は、これらの問題を解
決したセラミックス製ピストンピンを提供することにあ
る。
ス製ピストンピンはセラミックスを焼き固めたものであ
るから、表面は滑らかでなく、ピストンに嵌合するピス
トンピンでは、この点が問題となる。即ち、粗さのため
に相手側のピストンの雌孔部を削って傷める虞れがあ
る。また、ピストンピン自体に大きな力が掛かるが、面
粗度が大きい場合、表面の微細な凹部が「ノッチ」とな
って亀裂始点になり、強度が低下するという不都合もあ
る。そこで、本発明の第1の目的は、これらの問題を解
決したセラミックス製ピストンピンを提供することにあ
る。
【0004】上記課題を解決するための一方法としてダ
イヤモンド砥粒とラップ盤を使用してのセラミックス製
ピストンピンの表面を仕上加工する試みが為されてい
る。しかし、通常のダイヤモンド砥粒をベースとしたラ
ッピングではクラックを伝搬させながら脆性加工するた
め結果的に被加工物に傷がつくこと、また、ダイヤモン
ドが高価であって、生産コストが嵩むという不都合があ
る。ダイヤモンド砥粒による研磨については後述の比較
例で説明する。そこで、本発明の第2の目的は、難加工
材であるセラミックス製ピストンピンを安く、精度よく
仕上げることのできる表面加工法を提供することにあ
る。
イヤモンド砥粒とラップ盤を使用してのセラミックス製
ピストンピンの表面を仕上加工する試みが為されてい
る。しかし、通常のダイヤモンド砥粒をベースとしたラ
ッピングではクラックを伝搬させながら脆性加工するた
め結果的に被加工物に傷がつくこと、また、ダイヤモン
ドが高価であって、生産コストが嵩むという不都合があ
る。ダイヤモンド砥粒による研磨については後述の比較
例で説明する。そこで、本発明の第2の目的は、難加工
材であるセラミックス製ピストンピンを安く、精度よく
仕上げることのできる表面加工法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、ピストンピンを、材質がセラミックス
で表面のあらさが0.1Sを超えず、且つ表面に点在す
る凹部の面積率が0.1%を超えないものとした。従来
のダイヤモンド研磨で得られる表面あらさは0.3S程
度であるが、相手材の摩耗を考えると表面あらさは小さ
いほど良く、加工時間及びコストの点から0.03S〜
0.8Sの範囲が好しく、少くとも0.1Sにする必要
がある。凹部の面積率も小さいほど良く、0.1%を限
度とする。従来のダイヤモンド研磨に比較して表面あら
さが小さくなり且つ凹部が格段に少ないので、ピストン
ピン自体の強度が高まるとともに相手側部材であるピス
トンのピンボス部の摩耗量が減少し、エンジンの出力向
上と高寿命化とが図れる。また、相手側のピストン材の
凝着を防止できるため、低摩擦化が図れる。
に、請求項1は、ピストンピンを、材質がセラミックス
で表面のあらさが0.1Sを超えず、且つ表面に点在す
る凹部の面積率が0.1%を超えないものとした。従来
のダイヤモンド研磨で得られる表面あらさは0.3S程
度であるが、相手材の摩耗を考えると表面あらさは小さ
いほど良く、加工時間及びコストの点から0.03S〜
0.8Sの範囲が好しく、少くとも0.1Sにする必要
がある。凹部の面積率も小さいほど良く、0.1%を限
度とする。従来のダイヤモンド研磨に比較して表面あら
さが小さくなり且つ凹部が格段に少ないので、ピストン
ピン自体の強度が高まるとともに相手側部材であるピス
トンのピンボス部の摩耗量が減少し、エンジンの出力向
上と高寿命化とが図れる。また、相手側のピストン材の
凝着を防止できるため、低摩擦化が図れる。
【0006】請求項2は、セラミックス製ピストンピン
の中央部に対して両端部を先細りテーパ形状としたもの
である。ピストンピンの端部における応力集中を緩和す
ることができるので、ピストンピンの破損及びピストン
ピン/ピンボス部の焼付けや摩耗を抑えることができ、
ピストンピンの高寿命化、高性能化及び低摩擦化が図れ
る。
の中央部に対して両端部を先細りテーパ形状としたもの
である。ピストンピンの端部における応力集中を緩和す
ることができるので、ピストンピンの破損及びピストン
ピン/ピンボス部の焼付けや摩耗を抑えることができ、
ピストンピンの高寿命化、高性能化及び低摩擦化が図れ
る。
【0007】請求項3は、セラミックス製円柱形状ピス
トンピンの側面を一対の板で挟み、これらの板を振動さ
せてピストンピンを自転回転させつつ、このピストンピ
ンの周囲にピストンピンよりも低硬度の砥粒と加工液を
供給し、振動する板と自転するピストンピンの側面との
間に介在した砥粒でピストンピンの側面表面を研磨する
ことでセラミックス製ピストンピンの表面加工を実施す
る。振動させることでピストンピンを自転回転させつつ
加工するので、ワークを回転回転させる主軸台並びにモ
ータが不要であるから、装置全体が簡単になる。砥粒が
低硬度であるから、ピストンピンの表面に傷を付ける心
配が無く、極めて良好な表面あらさが得られると共に、
軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するため
に加工能率が良く、加工所要時間の短縮をも図れる。す
なわち、従来の脆性加工では脱落したワーク粉がワーク
に再度引っ掛かるという不都合があるが、本発明ではワ
ークと砥粒とを反応させて、脱落したワーク粉を消失さ
せることができる。さらに、振動は固相反応を促進させ
る効果も併せ持つ。
トンピンの側面を一対の板で挟み、これらの板を振動さ
せてピストンピンを自転回転させつつ、このピストンピ
ンの周囲にピストンピンよりも低硬度の砥粒と加工液を
供給し、振動する板と自転するピストンピンの側面との
間に介在した砥粒でピストンピンの側面表面を研磨する
ことでセラミックス製ピストンピンの表面加工を実施す
る。振動させることでピストンピンを自転回転させつつ
加工するので、ワークを回転回転させる主軸台並びにモ
ータが不要であるから、装置全体が簡単になる。砥粒が
低硬度であるから、ピストンピンの表面に傷を付ける心
配が無く、極めて良好な表面あらさが得られると共に、
軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するため
に加工能率が良く、加工所要時間の短縮をも図れる。す
なわち、従来の脆性加工では脱落したワーク粉がワーク
に再度引っ掛かるという不都合があるが、本発明ではワ
ークと砥粒とを反応させて、脱落したワーク粉を消失さ
せることができる。さらに、振動は固相反応を促進させ
る効果も併せ持つ。
【0008】請求項4は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる材料の砥粒で研磨すること
で、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法で
ある。例えば、中央部にFe3O4の砥粒、端部にCr2
O3の砥粒を供給することで円筒形状であったピストン
ピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成する
ことができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセ
ラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施で
き、砥粒の材質を使い分けることで先細りテーパ部を形
成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生
産プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる材料の砥粒で研磨すること
で、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法で
ある。例えば、中央部にFe3O4の砥粒、端部にCr2
O3の砥粒を供給することで円筒形状であったピストン
ピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成する
ことができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセ
ラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施で
き、砥粒の材質を使い分けることで先細りテーパ部を形
成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生
産プロセスが極めて簡単になる。
【0009】請求項5は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる平均粒径の砥粒で研磨する
ことで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方
法である。例えば、中央部に1μmの砥粒、端部に0.
5μmの砥粒を供給することで円筒形状であったピスト
ンピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成す
ることができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材である
セラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施
でき、砥粒の粒径を使い分けることで先細りテーパ部を
形成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき
生産プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる平均粒径の砥粒で研磨する
ことで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方
法である。例えば、中央部に1μmの砥粒、端部に0.
5μmの砥粒を供給することで円筒形状であったピスト
ンピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成す
ることができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材である
セラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施
でき、砥粒の粒径を使い分けることで先細りテーパ部を
形成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき
生産プロセスが極めて簡単になる。
【0010】請求項6は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる供給量の砥粒で研磨するこ
とで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法
である。例えば、中央部に対して5倍の量の砥粒を端部
に供給することで円筒形状であったピストンピンの両端
に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、砥粒の
供給量を使い分けることで先細りテーパ部を形成できる
から、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産プロセ
スが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる供給量の砥粒で研磨するこ
とで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法
である。例えば、中央部に対して5倍の量の砥粒を端部
に供給することで円筒形状であったピストンピンの両端
に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、砥粒の
供給量を使い分けることで先細りテーパ部を形成できる
から、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産プロセ
スが極めて簡単になる。
【0011】請求項7は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる性質のパッドで砥粒を介し
て加圧することで、中央部と両端部との研磨量に差をつ
ける加工方法である。例えば、中央部をフェルト板の
み、端部を樹脂ゴムで付勢したフェルト板で研磨する
と、円筒形状であったピストンピンの両端に連続的なゆ
るい先細りテーパ部を形成することができる。振動と低
硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス製ピストンピ
ンの全体的な表面加工を実施でき、パッドを使い分ける
ことで先細りテーパ部を形成できるから、1プロセスで
研磨と成形とが実施でき生産プロセスが極めて簡単にな
る。
部と両端部とを互いに異なる性質のパッドで砥粒を介し
て加圧することで、中央部と両端部との研磨量に差をつ
ける加工方法である。例えば、中央部をフェルト板の
み、端部を樹脂ゴムで付勢したフェルト板で研磨する
と、円筒形状であったピストンピンの両端に連続的なゆ
るい先細りテーパ部を形成することができる。振動と低
硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス製ピストンピ
ンの全体的な表面加工を実施でき、パッドを使い分ける
ことで先細りテーパ部を形成できるから、1プロセスで
研磨と成形とが実施でき生産プロセスが極めて簡単にな
る。
【0012】請求項8は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる振動数で研磨することで、
中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法であ
る。例えば、中央部を250Hz、端部を330Hzで
研磨することで円筒形状であったピストンピンの両端に
連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、振動数
を部位に応じて使い分けることで先細りテーパ部を形成
できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産
プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる振動数で研磨することで、
中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法であ
る。例えば、中央部を250Hz、端部を330Hzで
研磨することで円筒形状であったピストンピンの両端に
連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、振動数
を部位に応じて使い分けることで先細りテーパ部を形成
できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産
プロセスが極めて簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明のピストンピンを
備えたピストンの断面図であり、ピストン1にコンロッ
ド2の小端部3を下から挿入し、セラミックス製ピスト
ンピン10で両者を結合した形態を示す。セラミックス
製ピストンピン10において、コンロッド2の小端部3
に係合する部分を中央部11、ピストン1のピンボス
4,4に係合する部分を端部12,12と呼ぶことにす
る。中央部11及び端部12,12に集中的に大きな荷
重が掛かることは周知の通りである。
づいて以下に説明する。図1は本発明のピストンピンを
備えたピストンの断面図であり、ピストン1にコンロッ
ド2の小端部3を下から挿入し、セラミックス製ピスト
ンピン10で両者を結合した形態を示す。セラミックス
製ピストンピン10において、コンロッド2の小端部3
に係合する部分を中央部11、ピストン1のピンボス
4,4に係合する部分を端部12,12と呼ぶことにす
る。中央部11及び端部12,12に集中的に大きな荷
重が掛かることは周知の通りである。
【0014】図2(a),(b)は本発明に係るピスト
ンピンの説明図である。(a)は中加工後のピストンピ
ンを示し、ピストンピン中加工品14は次の工程で製造
されるものである。圧粉成形工程→脱脂工程→焼結工程
→ダイヤモンド砥粒による粗加工→ダイヤモンド砥粒に
よる中加工。この段階でのピストンピン中加工品14は
単純円柱である。(b)は加工(含む超加工)済のピス
トンピン10を示し、本発明に係る装置及び方法にて、
ピストンピン10の円周面を全体的に研磨し、且つ中央
部11に比べて左右の端部12,12を先細りテーパ形
状にしたことを特徴とする。このテーパの作用は後述す
る。
ンピンの説明図である。(a)は中加工後のピストンピ
ンを示し、ピストンピン中加工品14は次の工程で製造
されるものである。圧粉成形工程→脱脂工程→焼結工程
→ダイヤモンド砥粒による粗加工→ダイヤモンド砥粒に
よる中加工。この段階でのピストンピン中加工品14は
単純円柱である。(b)は加工(含む超加工)済のピス
トンピン10を示し、本発明に係る装置及び方法にて、
ピストンピン10の円周面を全体的に研磨し、且つ中央
部11に比べて左右の端部12,12を先細りテーパ形
状にしたことを特徴とする。このテーパの作用は後述す
る。
【0015】図3は本発明に係るピストンピンの表面加
工装置の分解斜視図であり、ピストンピンの表面加工装
置20(以下「表面加工装置20」と記す。)は、例え
ば、ベース21に固定壁22と可動壁23とを平行に配
置し、固定壁21の内側面中央部にフェルト板25、内
面両側にゴム板26,26を貼りつけ、更にこのゴム板
26,26の内側面にフェルト板27,27を貼りつ
け、一方、可動壁23の内側面に中央及び両側に振動子
28,29,29を貼りつけ、そのうちの中央の振動子
28の内側面にフェルト板25を貼りつけ、両側の振動
子29,29の内側面にゴム板26,26を貼りつけ、
更にこのゴム板26,26の内側面にフェルト板27,
27を貼りつけたものである。
工装置の分解斜視図であり、ピストンピンの表面加工装
置20(以下「表面加工装置20」と記す。)は、例え
ば、ベース21に固定壁22と可動壁23とを平行に配
置し、固定壁21の内側面中央部にフェルト板25、内
面両側にゴム板26,26を貼りつけ、更にこのゴム板
26,26の内側面にフェルト板27,27を貼りつ
け、一方、可動壁23の内側面に中央及び両側に振動子
28,29,29を貼りつけ、そのうちの中央の振動子
28の内側面にフェルト板25を貼りつけ、両側の振動
子29,29の内側面にゴム板26,26を貼りつけ、
更にこのゴム板26,26の内側面にフェルト板27,
27を貼りつけたものである。
【0016】31はリテーナであり、被加工材としての
ピストンピン14の軸方向及び径方向の一定以上の移動
を抑え、寸法精度良く加工するための治具である。3
2,32は固定壁22から水平に延びたロッドであり、
このロッド32,32にビス33,33(一方は不図
示)でリテーナ31を固定し、ビス34,334一方は
不図示)で可動壁23を固定する。35は中央の加工液
容器、36,36は両側の加工液容器、37,37は中
央の加工液供給管、38・・・(・・・は複数個を示す。以下
同様。)は両側の加工液供給管である。
ピストンピン14の軸方向及び径方向の一定以上の移動
を抑え、寸法精度良く加工するための治具である。3
2,32は固定壁22から水平に延びたロッドであり、
このロッド32,32にビス33,33(一方は不図
示)でリテーナ31を固定し、ビス34,334一方は
不図示)で可動壁23を固定する。35は中央の加工液
容器、36,36は両側の加工液容器、37,37は中
央の加工液供給管、38・・・(・・・は複数個を示す。以下
同様。)は両側の加工液供給管である。
【0017】図4は本発明のピストンピンの表面加工装
置の端部断面図であり、リテーナ31で保持したピスト
ンピン14を左右のフェルト板27,27に接触させた
状態を示す。このフェルト板27,27の当りは可動壁
23を図左右に移動させることで簡単に調整できると共
に、ゴム板26,26の弾性付勢作用でフェルト板2
7,27を常にピストンピン14に当接させることがで
きる。
置の端部断面図であり、リテーナ31で保持したピスト
ンピン14を左右のフェルト板27,27に接触させた
状態を示す。このフェルト板27,27の当りは可動壁
23を図左右に移動させることで簡単に調整できると共
に、ゴム板26,26の弾性付勢作用でフェルト板2
7,27を常にピストンピン14に当接させることがで
きる。
【0018】以上の構成からなる表面加工装置の作用を
次に述べる。図5は本発明に係る表面加工原理図であ
り、ピストンピン14の側面を一対のフェルト板27,
27で挟み、一方のフェルト板27をゴム板26を介し
て振動子29で振動させる。同時にピストンピン14の
周囲にピストンピン14よりも低硬度の砥粒39を含む
加工液を供給し、振動するフェルト板27と自転するピ
ストンピン14の側面との間に介在した砥粒39・・・で
ピストンピン14の側面表面を研磨する。この際に、ピ
ストンピン14は、一定速度で自転する(回転方向は図
の矢印と逆であることもある)。従って、ピストンピン
14を強制回転させる必要が無い。すなわち、従来の加
工方法ではワークを主軸台でモータを駆動源として強制
回転させるが、本発明では主軸台やモータが不要であ
る。
次に述べる。図5は本発明に係る表面加工原理図であ
り、ピストンピン14の側面を一対のフェルト板27,
27で挟み、一方のフェルト板27をゴム板26を介し
て振動子29で振動させる。同時にピストンピン14の
周囲にピストンピン14よりも低硬度の砥粒39を含む
加工液を供給し、振動するフェルト板27と自転するピ
ストンピン14の側面との間に介在した砥粒39・・・で
ピストンピン14の側面表面を研磨する。この際に、ピ
ストンピン14は、一定速度で自転する(回転方向は図
の矢印と逆であることもある)。従って、ピストンピン
14を強制回転させる必要が無い。すなわち、従来の加
工方法ではワークを主軸台でモータを駆動源として強制
回転させるが、本発明では主軸台やモータが不要であ
る。
【0019】低硬度の砥粒39で高硬度のワークを加工
することは、一見加工の常識に反するものであるが、軟
質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するために
加工が進行する。この技術をメカノケミカルポリシング
(MCP)法と呼び、従来の機械的加工法と比較する
と、化学的加工法であるといえる。
することは、一見加工の常識に反するものであるが、軟
質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するために
加工が進行する。この技術をメカノケミカルポリシング
(MCP)法と呼び、従来の機械的加工法と比較する
と、化学的加工法であるといえる。
【0020】図6は本発明の加工装置の平面視作用説明
図であり、本装置20ではピストンピン14の中央部1
1と端部12,12を独立して加工することができるも
のである。すなわち、想像線で示す加工液供給管37,
37,38・・・から加工液を滴下しつつ、振動子28,
29,29を作動させることで、フェルト板25で中央
部11、ゴム板26,26付きフェルト板27,27で
端部12,12を加工することができる。その結果、図
2(b)に示したピストンピン10が製造できる。
図であり、本装置20ではピストンピン14の中央部1
1と端部12,12を独立して加工することができるも
のである。すなわち、想像線で示す加工液供給管37,
37,38・・・から加工液を滴下しつつ、振動子28,
29,29を作動させることで、フェルト板25で中央
部11、ゴム板26,26付きフェルト板27,27で
端部12,12を加工することができる。その結果、図
2(b)に示したピストンピン10が製造できる。
【0021】
【実施例】本発明に係る実施例を次に説明する。しか
し、本発明は以下の実施例に限るものではない。 実施例1〜4及び比較例1; 被加工物; 形状;円柱 寸法;23mm直径×57mm長さ 材質;Si3N4(窒化けい素) 表面あらさ;0.8S この被加工物は前処理工程(粗加工及び中加工)で、上
記あらさに加工したものを使用する。
し、本発明は以下の実施例に限るものではない。 実施例1〜4及び比較例1; 被加工物; 形状;円柱 寸法;23mm直径×57mm長さ 材質;Si3N4(窒化けい素) 表面あらさ;0.8S この被加工物は前処理工程(粗加工及び中加工)で、上
記あらさに加工したものを使用する。
【0022】実施例1の条件; 中央部加工液; 構成;水+砥粒+界面活性剤 濃度;水3+砥粒1 砥粒;#5000(1.0μm)のFe3O4 供給量;1 ml/秒 中央部パッドの材質;フェルト板 中央部の振動数;250Hz
【0023】端部加工液; 構成;水+砥粒+界面活性剤 濃度;水1+砥粒1 砥粒;#10000(0.5μm)のCr2O3 供給量;5 ml/秒 パッドの材質;フェルト板+樹脂ゴム 振動子の振動数;330Hz
【0024】比較例1の条件; ラップ材; 構成;ダイヤモンドペースト 砥粒;1μm 装置;通常のラップ盤
【0025】
【表1】
【0026】実施例1は、加工時間が20分で、加工面
の面粗度(表面あらさ)は0.05S、ポア(凹部)面
積率は0.02%であった。このピストンピンは12.
5トンで曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピス
トンに図1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜
7トン(油圧加振)の条件で単体モータリングテストを
実施した。この条件下で連続90時間のテストしたとこ
ろ、相手材(ピストン)の摩耗は3μmであった。
の面粗度(表面あらさ)は0.05S、ポア(凹部)面
積率は0.02%であった。このピストンピンは12.
5トンで曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピス
トンに図1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜
7トン(油圧加振)の条件で単体モータリングテストを
実施した。この条件下で連続90時間のテストしたとこ
ろ、相手材(ピストン)の摩耗は3μmであった。
【0027】これに対して比較例1は、加工時間が90
分で、加工り面の面粗度は0.30S、ポア面積率は
0.53%であった。
分で、加工り面の面粗度は0.30S、ポア面積率は
0.53%であった。
【0028】図7は面粗度とポア面積率の説明図であ
り、JISB 0601「表面粗さの定義と表示」によ
り、サンプル断面から一定長さ抜取った領域における山
谷の最大高さをRmaxと呼び、0.8μmであれば
「0.8S」と表示する。また、ポア面積率は規定はな
いが、図において、表面粗さを大きく超える凹部(平面
積S1,S2,・・・)があった場合に、単位面積当りの
凹部の面積の合計(S1+S2+・・・)を画像解析によ
り求め、その割合を百分率で表示したものである。特
に、ダイヤモンド砥粒で仕上加工を実施すると、ダイヤ
モンドがワークより硬いために、砥粒の引っ掻き作用に
よりがワークを構成する粒子が欠落して前記凹部を刻設
することになる。従って、比較例1ではポア面積率が実
施例1の20倍以上となる。
り、JISB 0601「表面粗さの定義と表示」によ
り、サンプル断面から一定長さ抜取った領域における山
谷の最大高さをRmaxと呼び、0.8μmであれば
「0.8S」と表示する。また、ポア面積率は規定はな
いが、図において、表面粗さを大きく超える凹部(平面
積S1,S2,・・・)があった場合に、単位面積当りの
凹部の面積の合計(S1+S2+・・・)を画像解析によ
り求め、その割合を百分率で表示したものである。特
に、ダイヤモンド砥粒で仕上加工を実施すると、ダイヤ
モンドがワークより硬いために、砥粒の引っ掻き作用に
よりがワークを構成する粒子が欠落して前記凹部を刻設
することになる。従って、比較例1ではポア面積率が実
施例1の20倍以上となる。
【0029】比較例1のピストンピンは11.4トンで
曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピストンに図
1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜7トン
(油圧加振)の条件で単体モータリングテストを実施し
た。この条件下で連続60時間のテストしたところ、相
手材(ピストン)の摩耗は45μmであった。即ち、面
粗度が実施例1の6倍の0.3Sであったためとに、相
手材(ピストン)側が大きく摩耗した。これに対して、
実施例1は面粗度が小さいことと両端部に好ましいテー
パが付いているために相手材(ピストン)側の摩耗を極
く小さくすることができた。
曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピストンに図
1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜7トン
(油圧加振)の条件で単体モータリングテストを実施し
た。この条件下で連続60時間のテストしたところ、相
手材(ピストン)の摩耗は45μmであった。即ち、面
粗度が実施例1の6倍の0.3Sであったためとに、相
手材(ピストン)側が大きく摩耗した。これに対して、
実施例1は面粗度が小さいことと両端部に好ましいテー
パが付いているために相手材(ピストン)側の摩耗を極
く小さくすることができた。
【0030】以上の結果を考察すると、比較例1は硬い
ダイヤモンド砥粒で機械的にピストンピン表面を研磨す
るために、同表面に傷が残ること、表面が加工圧及び熱
で変質すること、から面粗度が悪く、強度も小さくなる
ことが分かった。これに対して、実施例1は軟らかい酸
化物で化学的にピストンピン表面を研磨するために、同
表面に傷が残らず、表面が加工圧及び摩擦熱で変質する
心配もないこと、から面粗度が良く、強度も大きく、且
つ加工所要時間が1/4〜1/5に短縮可能となった。
ダイヤモンド砥粒で機械的にピストンピン表面を研磨す
るために、同表面に傷が残ること、表面が加工圧及び熱
で変質すること、から面粗度が悪く、強度も小さくなる
ことが分かった。これに対して、実施例1は軟らかい酸
化物で化学的にピストンピン表面を研磨するために、同
表面に傷が残らず、表面が加工圧及び摩擦熱で変質する
心配もないこと、から面粗度が良く、強度も大きく、且
つ加工所要時間が1/4〜1/5に短縮可能となった。
【0031】次に、装置 において砥粒の材質や粒径、
パッドの構造、振動数などのファクターについて調査し
た。細かいデータは省略し、結果のみを列挙する。 砥粒の材質;Fe3O4をCr2O3に変更することで、
研磨能力が1.5倍になった。 砥粒の粒径;砥粒の平均粒径を1.0μmから0.5
μmに変更することで、研磨能力が3倍になった。 加工液濃度;砥粒:水を1:3から1:1に変更する
ことで、研磨能力が2倍になった。
パッドの構造、振動数などのファクターについて調査し
た。細かいデータは省略し、結果のみを列挙する。 砥粒の材質;Fe3O4をCr2O3に変更することで、
研磨能力が1.5倍になった。 砥粒の粒径;砥粒の平均粒径を1.0μmから0.5
μmに変更することで、研磨能力が3倍になった。 加工液濃度;砥粒:水を1:3から1:1に変更する
ことで、研磨能力が2倍になった。
【0032】加工液供給量;加工液の供給量を1 m
l/秒から5 ml/秒に変更することで、研磨能力が
2倍になった。 パッドの構造;フェルト板のみのパッドを樹脂ゴムつ
きフェルト板に変更することで、研磨能力が1.5倍に
なった。 振動数;250Hzを330Hzに変更することで、
研磨能力が1.06倍になった。
l/秒から5 ml/秒に変更することで、研磨能力が
2倍になった。 パッドの構造;フェルト板のみのパッドを樹脂ゴムつ
きフェルト板に変更することで、研磨能力が1.5倍に
なった。 振動数;250Hzを330Hzに変更することで、
研磨能力が1.06倍になった。
【0033】上記〜を適用することにより、ピスト
ンピンの中央部に対して両端部を20倍程度高い能力で
研磨することができた。一方、中央部へ滴下した加工液
と端部へ滴下した加工液とは、中央部と端部との境目で
混合する。この結果、中央部と端部との境目に段が発生
せず、この部分が滑らかな斜面となり、図2(b)の如
く両端部が僅かに先細りテーパとなったピストンピンを
製造することができたわけである。勿論、上記〜の
全てを変更する必要はなく、要求に応じてそのうちの1
つ又は複数を変更すれば、ピストンピンにテーパや凹部
を形成することが可能である。
ンピンの中央部に対して両端部を20倍程度高い能力で
研磨することができた。一方、中央部へ滴下した加工液
と端部へ滴下した加工液とは、中央部と端部との境目で
混合する。この結果、中央部と端部との境目に段が発生
せず、この部分が滑らかな斜面となり、図2(b)の如
く両端部が僅かに先細りテーパとなったピストンピンを
製造することができたわけである。勿論、上記〜の
全てを変更する必要はなく、要求に応じてそのうちの1
つ又は複数を変更すれば、ピストンピンにテーパや凹部
を形成することが可能である。
【0034】更にまた、砥粒は被加工物より低硬度の酸
化物であればよい。なお、次に示す(化学式)は参考例
を表記したものであり、当該化学式の物質に限るもので
はない。例えば、被加工物が窒化ケイ素(Si3N4)の
ときには、チタン酸化物(TiO,TiO2),クロム
酸化物(Cr2O3),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe
3O4),ケイ素酸化物(SiO2),セリウム酸化物
(CeO2),バリウム炭酸化物(BaCO3),カルシ
ウム炭酸化物(CaCO3),マグネシウム酸化物(M
gO)又はインジウム酸化物(In2O3)のうちの少な
くとも1種とする。
化物であればよい。なお、次に示す(化学式)は参考例
を表記したものであり、当該化学式の物質に限るもので
はない。例えば、被加工物が窒化ケイ素(Si3N4)の
ときには、チタン酸化物(TiO,TiO2),クロム
酸化物(Cr2O3),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe
3O4),ケイ素酸化物(SiO2),セリウム酸化物
(CeO2),バリウム炭酸化物(BaCO3),カルシ
ウム炭酸化物(CaCO3),マグネシウム酸化物(M
gO)又はインジウム酸化物(In2O3)のうちの少な
くとも1種とする。
【0035】被加工物が炭化ケイ素(SiC)のときに
は、チタン酸化物(TiO,TiO2),クロム酸化物
(Cr2O3),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe3O4),ケ
イ素酸化物(SiO2),セリウム酸化物(CeO2),
バリウム炭酸化物(BaCO3),カルシウム炭酸化物
(CaCO3),マグネシウム酸化物(MgO)又はイ
ンジウム酸化物(In2O3)のうちの少なくとも1種と
する。
は、チタン酸化物(TiO,TiO2),クロム酸化物
(Cr2O3),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe3O4),ケ
イ素酸化物(SiO2),セリウム酸化物(CeO2),
バリウム炭酸化物(BaCO3),カルシウム炭酸化物
(CaCO3),マグネシウム酸化物(MgO)又はイ
ンジウム酸化物(In2O3)のうちの少なくとも1種と
する。
【0036】被加工物がアルミナ(Al2O3)のときに
は、チタン酸化物(TiO,TiO2),ケイ素酸化物
(SiO2),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe3O4)又は
マグネシウム酸化物(MgO)のうちの少なくとも1種
とすればよい。
は、チタン酸化物(TiO,TiO2),ケイ素酸化物
(SiO2),鉄系酸化物(Fe2O3,Fe3O4)又は
マグネシウム酸化物(MgO)のうちの少なくとも1種
とすればよい。
【0037】尚、本実施例の表面加工装置20は、3個
の独立した振動子28,29,29を備えたのでピスト
ンピンの部位に応じて振動数を変更するのに適してい
る。しかし、振動数を一律にして、砥粒の材質、粒径、
供給量を変更するだけでもテーパ加工は可能であるか
ら、本発明方法を実施するための装置は、表面加工装置
20に限るものではない。
の独立した振動子28,29,29を備えたのでピスト
ンピンの部位に応じて振動数を変更するのに適してい
る。しかし、振動数を一律にして、砥粒の材質、粒径、
供給量を変更するだけでもテーパ加工は可能であるか
ら、本発明方法を実施するための装置は、表面加工装置
20に限るものではない。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、ピストンピンを、材質がセラミック
スで表面のあらさが0.1Sを超えず、且つ表面に点在
する凹部の面積率が0.1%を超えないものとした。従
来のダイヤモンド研磨で得られる表面あらさは0.3S
程度であるが、相手材の摩耗を考えると表面あらさは小
さいほど良く、加工時間及びコストの点から0.03S
〜0.8Sの範囲が好しく、少くとも0.1Sにする必
要がある。凹部の面積率も小さいほど良く、0.1%を
限度とする。従来のダイヤモンド研磨に比較して表面あ
らさが小さくなり且つ凹部が格段に少ないので、ピスト
ンピン自体の強度が高まるとともに相手側部材であるピ
ストンのピンボス部の摩耗量が減少し、エンジンの出力
向上と高寿命化とが図れる。また、相手側のピストン材
の凝着を防止できるため、低摩擦化が図れる。
する。請求項1は、ピストンピンを、材質がセラミック
スで表面のあらさが0.1Sを超えず、且つ表面に点在
する凹部の面積率が0.1%を超えないものとした。従
来のダイヤモンド研磨で得られる表面あらさは0.3S
程度であるが、相手材の摩耗を考えると表面あらさは小
さいほど良く、加工時間及びコストの点から0.03S
〜0.8Sの範囲が好しく、少くとも0.1Sにする必
要がある。凹部の面積率も小さいほど良く、0.1%を
限度とする。従来のダイヤモンド研磨に比較して表面あ
らさが小さくなり且つ凹部が格段に少ないので、ピスト
ンピン自体の強度が高まるとともに相手側部材であるピ
ストンのピンボス部の摩耗量が減少し、エンジンの出力
向上と高寿命化とが図れる。また、相手側のピストン材
の凝着を防止できるため、低摩擦化が図れる。
【0039】請求項2は、セラミックス製ピストンピン
の中央部に対して両端部を先細りテーパ形状としたもの
である。ピストンピンの端部における応力集中を緩和す
ることができるので、ピストンピンの破損及びピストン
ピン/ピンボス部の焼付けや摩耗を抑えることができ、
ピストンピンの高寿命化、高性能化及び低摩擦化が図れ
る。
の中央部に対して両端部を先細りテーパ形状としたもの
である。ピストンピンの端部における応力集中を緩和す
ることができるので、ピストンピンの破損及びピストン
ピン/ピンボス部の焼付けや摩耗を抑えることができ、
ピストンピンの高寿命化、高性能化及び低摩擦化が図れ
る。
【0040】請求項3は、セラミックス製円柱形状ピス
トンピンの側面を一対の板で挟み、これらの板を振動さ
せてピストンピンを自転回転させつつ、このピストンピ
ンの周囲にピストンピンよりも低硬度の砥粒と加工液を
供給し、振動する板と自転するピストンピンの側面との
間に介在した砥粒でピストンピンの側面表面を研磨する
ことでセラミックス製ピストンピンの表面加工を実施す
る。振動させることでピストンピンを自転回転させつつ
加工するので、ワークを回転回転させる主軸台並びにモ
ータが不要であるから、装置全体が簡単になる。砥粒が
低硬度であるから、ピストンピンの表面に傷を付ける心
配が無く、極めて良好な表面あらさが得られると共に、
軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するため
に加工能率が良く、加工所要時間の短縮をも図れる。す
なわち、従来の脆性加工では脱落したワーク粉がワーク
に再度引っ掛かるという不都合があるが、本発明ではワ
ークと砥粒とを反応させて、脱落したワーク粉を消失さ
せることができる。さらに、振動は固相反応を促進させ
る効果も併せ持つ。
トンピンの側面を一対の板で挟み、これらの板を振動さ
せてピストンピンを自転回転させつつ、このピストンピ
ンの周囲にピストンピンよりも低硬度の砥粒と加工液を
供給し、振動する板と自転するピストンピンの側面との
間に介在した砥粒でピストンピンの側面表面を研磨する
ことでセラミックス製ピストンピンの表面加工を実施す
る。振動させることでピストンピンを自転回転させつつ
加工するので、ワークを回転回転させる主軸台並びにモ
ータが不要であるから、装置全体が簡単になる。砥粒が
低硬度であるから、ピストンピンの表面に傷を付ける心
配が無く、極めて良好な表面あらさが得られると共に、
軟質砥粒と硬質ワークとの間で固相反応が発生するため
に加工能率が良く、加工所要時間の短縮をも図れる。す
なわち、従来の脆性加工では脱落したワーク粉がワーク
に再度引っ掛かるという不都合があるが、本発明ではワ
ークと砥粒とを反応させて、脱落したワーク粉を消失さ
せることができる。さらに、振動は固相反応を促進させ
る効果も併せ持つ。
【0041】請求項4は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる材料の砥粒で研磨すること
で、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法で
ある。例えば、中央部にFe3O4の砥粒、端部にCr2
O3の砥粒を供給することで円筒形状であったピストン
ピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成する
ことができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセ
ラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施で
き、砥粒の材質を使い分けることで先細りテーパ部を形
成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生
産プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる材料の砥粒で研磨すること
で、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法で
ある。例えば、中央部にFe3O4の砥粒、端部にCr2
O3の砥粒を供給することで円筒形状であったピストン
ピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成する
ことができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセ
ラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施で
き、砥粒の材質を使い分けることで先細りテーパ部を形
成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生
産プロセスが極めて簡単になる。
【0042】請求項5は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる平均粒径の砥粒で研磨する
ことで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方
法である。例えば、中央部に1μmの砥粒、端部に0.
5μmの砥粒を供給することで円筒形状であったピスト
ンピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成す
ることができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材である
セラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施
でき、砥粒の粒径を使い分けることで先細りテーパ部を
形成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき
生産プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる平均粒径の砥粒で研磨する
ことで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方
法である。例えば、中央部に1μmの砥粒、端部に0.
5μmの砥粒を供給することで円筒形状であったピスト
ンピンの両端に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成す
ることができる。振動と低硬度砥粒とで難加工材である
セラミックス製ピストンピンの全体的な表面加工を実施
でき、砥粒の粒径を使い分けることで先細りテーパ部を
形成できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき
生産プロセスが極めて簡単になる。
【0043】請求項6は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる供給量の砥粒で研磨するこ
とで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法
である。例えば、中央部に対して5倍の量の砥粒を端部
に供給することで円筒形状であったピストンピンの両端
に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、砥粒の
供給量を使い分けることで先細りテーパ部を形成できる
から、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産プロセ
スが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる供給量の砥粒で研磨するこ
とで、中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法
である。例えば、中央部に対して5倍の量の砥粒を端部
に供給することで円筒形状であったピストンピンの両端
に連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、砥粒の
供給量を使い分けることで先細りテーパ部を形成できる
から、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産プロセ
スが極めて簡単になる。
【0044】請求項7は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる性質のパッドで砥粒を介し
て加圧することで、中央部と両端部との研磨量に差をつ
ける加工方法である。例えば、中央部をフェルト板の
み、端部を樹脂ゴムで付勢したフェルト板で研磨する
と、円筒形状であったピストンピンの両端に連続的なゆ
るい先細りテーパ部を形成することができる。振動と低
硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス製ピストンピ
ンの全体的な表面加工を実施でき、パッドを使い分ける
ことで先細りテーパ部を形成できるから、1プロセスで
研磨と成形とが実施でき生産プロセスが極めて簡単にな
る。
部と両端部とを互いに異なる性質のパッドで砥粒を介し
て加圧することで、中央部と両端部との研磨量に差をつ
ける加工方法である。例えば、中央部をフェルト板の
み、端部を樹脂ゴムで付勢したフェルト板で研磨する
と、円筒形状であったピストンピンの両端に連続的なゆ
るい先細りテーパ部を形成することができる。振動と低
硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス製ピストンピ
ンの全体的な表面加工を実施でき、パッドを使い分ける
ことで先細りテーパ部を形成できるから、1プロセスで
研磨と成形とが実施でき生産プロセスが極めて簡単にな
る。
【0045】請求項8は、円柱形状ピストンピンの中央
部と両端部とを互いに異なる振動数で研磨することで、
中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法であ
る。例えば、中央部を250Hz、端部を330Hzで
研磨することで円筒形状であったピストンピンの両端に
連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、振動数
を部位に応じて使い分けることで先細りテーパ部を形成
できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産
プロセスが極めて簡単になる。
部と両端部とを互いに異なる振動数で研磨することで、
中央部と両端部との研磨量に差をつける加工方法であ
る。例えば、中央部を250Hz、端部を330Hzで
研磨することで円筒形状であったピストンピンの両端に
連続的なゆるい先細りテーパ部を形成することができ
る。振動と低硬度砥粒とで難加工材であるセラミックス
製ピストンピンの全体的な表面加工を実施でき、振動数
を部位に応じて使い分けることで先細りテーパ部を形成
できるから、1プロセスで研磨と成形とが実施でき生産
プロセスが極めて簡単になる。
【図1】本発明のピストンピンを備えたピストンの断面
図
図
【図2】本発明に係るピストンピンの説明図
【図3】本発明に係るピストンピンの表面加工装置の分
解斜視図
解斜視図
【図4】本発明のピストンピンの表面加工装置の端部断
面図
面図
【図5】本発明に係る表面加工原理図
【図6】本発明の加工装置の平面視作用説明図
【図7】面粗度とポア面積率の説明図
1…ピストン、10…ピストンピン(セラミックス製ピ
ストンピン)、11…中央部、12…端部(両端部)、
14…ピストンピン中加工品、20…表面加工装置、2
5,27…フェルト板、26…ゴム板、28,29…振
動子、35,36…加工液容器、37,38…加工液供
給管、39…砥粒。
ストンピン)、11…中央部、12…端部(両端部)、
14…ピストンピン中加工品、20…表面加工装置、2
5,27…フェルト板、26…ゴム板、28,29…振
動子、35,36…加工液容器、37,38…加工液供
給管、39…砥粒。
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】これに対して比較例1は、加工時間が90
分で、加工面の面粗度は0.30S、ポア面積率は0.
53%であった。
分で、加工面の面粗度は0.30S、ポア面積率は0.
53%であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】比較例1のピストンピンは11.4トンで
曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピストンに図
1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜7トンの
条件で単体油圧加振テストを実施した。この条件下で連
続60時間のテストしたところ、相手材(ピストン)の
摩耗は45μmであった。即ち、面粗度が実施例1の6
倍の0.3Sであったためとに、相手材(ピストン)側
が大きく摩耗した。これに対して、実施例1は面粗度が
小さいことと両端部に好ましいテーパが付いているため
に相手材(ピストン)側の摩耗を極く小さくすることが
できた。
曲げ破断した。また、アルミニウム合金製ピストンに図
1の要領で組込み、周波数15Hz、荷重0〜7トンの
条件で単体油圧加振テストを実施した。この条件下で連
続60時間のテストしたところ、相手材(ピストン)の
摩耗は45μmであった。即ち、面粗度が実施例1の6
倍の0.3Sであったためとに、相手材(ピストン)側
が大きく摩耗した。これに対して、実施例1は面粗度が
小さいことと両端部に好ましいテーパが付いているため
に相手材(ピストン)側の摩耗を極く小さくすることが
できた。
Claims (8)
- 【請求項1】 材質がセラミックスで表面のあらさが
0.1Sを超えず、且つ表面に点在する凹部の面積率が
0.1%を超えないことを特徴としたセラミックス製ピ
ストンピン。 - 【請求項2】 中央部に対して両端部が先細りテーパ形
状を呈した請求項1記載のセラミックス製ピストンピ
ン。 - 【請求項3】 セラミックス製円柱形状ピストンピンの
側面を一対の板で挟み、これらの板を振動させてピスト
ンピンを自転回転させつつ、このピストンピンの周囲に
ピストンピンよりも低硬度の砥粒と加工液を供給し、振
動する板と自転するピストンピンの側面との間に介在し
た砥粒でピストンピンの側面表面を研磨することを特徴
としたセラミックス製ピストンピンの表面加工方法。 - 【請求項4】 円柱形状ピストンピンの中央部と両端部
とを互いに異なる材料の砥粒で研磨することで、中央部
と両端部との研磨量に差をつけることを特徴とした請求
項3記載のセラミックス製ピストンピンの表面加工方
法。 - 【請求項5】 円柱形状ピストンピンの中央部と両端部
とを互いに異なる平均粒径の砥粒で研磨することで、中
央部と両端部との研磨量に差をつけることを特徴とした
請求項3記載のセラミックス製ピストンピンの表面加工
方法。 - 【請求項6】 円柱形状ピストンピンの中央部と両端部
とを互いに異なる供給量の砥粒で研磨することで、中央
部と両端部との研磨量に差をつけることを特徴とした請
求項3記載のセラミックス製ピストンピンの表面加工方
法。 - 【請求項7】 円柱形状ピストンピンの中央部と両端部
とを互いに異なる性質のパッドで砥粒を介して加圧する
ことで、中央部と両端部との研磨量に差をつけることを
特徴とした請求項3記載のセラミックス製ピストンピン
の表面加工方法。 - 【請求項8】 円柱形状ピストンピンの中央部と両端部
とを互いに異なる振動数で研磨することで、中央部と両
端部との研磨量に差をつけることを特徴とした請求項3
記載のセラミックス製ピストンピンの表面加工方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3994396A JPH09229191A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | セラミックス製ピストンピン及びその表面加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3994396A JPH09229191A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | セラミックス製ピストンピン及びその表面加工方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09229191A true JPH09229191A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12567048
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3994396A Pending JPH09229191A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | セラミックス製ピストンピン及びその表面加工方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09229191A (ja) |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP3994396A patent/JPH09229191A/ja active Pending
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