JPH0923598A - 磁石埋込形モータ - Google Patents

磁石埋込形モータ

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JPH0923598A
JPH0923598A JP7167213A JP16721395A JPH0923598A JP H0923598 A JPH0923598 A JP H0923598A JP 7167213 A JP7167213 A JP 7167213A JP 16721395 A JP16721395 A JP 16721395A JP H0923598 A JPH0923598 A JP H0923598A
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rotor
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rotor core
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和成 楢崎
Yukio Honda
幸夫 本田
Hiroshi Murakami
浩 村上
Yoshinari Asano
能成 浅野
Tomokuni Iijima
友邦 飯島
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は回転子鉄心内部に磁石を配しリラク
タンストルクを積極的に活用することにより小型高出力
化、高効率化を実現する磁石埋込形モータに関するもの
であり、リラクタンストルクを利用する場合に生ずる磁
束と電流との関係の改善しモータを高効率化する事を目
的とする。 【構成】 第1の磁石106を回転子円筒部表面の形状
に沿って円弧形状に配置した、あるいは略長方形形状の
磁石を回転子円筒部表面近傍から回転子円筒部表面近傍
まで配置した事でid電流による磁束の発生量を減少さ
せる。そのため総合磁束と総合電流との直交性は改善さ
れ、単位電流に対するトルクが増加して高効率モータが
実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリラクタンストルクを利
用し小型高出力、高効率を実現する磁石埋込形モータに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、モータを搭載する機器の小型高出
力化、また省エネルギーの観点から、搭載されるモータ
も同様に小型高出力化、高効率化を図る事が望まれてい
る。
【0003】永久磁石を用いたモータの小型高出力化、
高効率化は、磁石によるトルク成分であるマグネットト
ルクを有効に活用すると共に、回転子鉄心内部に磁石を
配し、回転子鉄心の磁気抵抗(リラクタンス)の大小に
よるリラクタンストルク成分を積極的に活用することに
より実現できる。
【0004】以下、従来の磁石埋込形モータについて図
15を参照しながら説明する。図15において、552
は回転子鉄心、553は回転子円筒部表面、554は回
転子鉄心の磁石挿入穴、556は第1の磁石、558は
第2の磁石、560は軸穴、562は固定子、564は
固定子巻線を挿入するスロット(実際の巻線は省略)、
570はq軸磁束通路、580はd軸磁束通路である。
またd軸とq軸方向を図15に示す。磁石の極性N、S
は固定子112側のみを示す。
【0005】以上のように構成された従来の磁石埋込形
モータについて、詳細に構成を説明すると共にその動作
について説明する。
【0006】回転子鉄心552は0.5mm程度の珪素
鋼板を積層して作られている。回転子円筒部表面553
は固定子562に対面している回転子の円筒形状した外
形を表す。そして回転子鉄心552は第1の磁石55
6、第2の磁石558を挿入するための磁石挿入穴55
4があけられている。そして磁石挿入穴554には図1
5に示すように第1の磁石556と第2の磁石558が
挿入されている(特にことわりがない場合は挿入穴に磁
石は隙間なく入っている事とする)。また珪素鋼板の中
央に軸を通すための軸穴560が設けられている。ここ
で、図15の形状は逆円弧形状に磁石が2層に配置され
ており、2層逆円弧形状という事とする。これらの回転
子に対し、固定子562は回転子と半径方向全周に0.
5mm程度のギャップを保ち固定されており、回転子は
回転自在である。ここで固定子562には3相の巻線5
64(図示せず)が巻かれおり各相の巻線562に電流
を流す事により回転界磁を作成し、回転子は回転界磁に
同期して回転する。
【0007】図15において、d軸は磁石による磁束の
方向を、q軸はそれと直交した方向にとる。そこでq軸
方向に電流(q軸電流iq)を加えることにより磁石磁
束によるマグネットトルクTmが発生する(一般的な動
作)。
【0008】ここで、図15に回転子ではq軸、d軸電
流を流した時の磁束の通路であるq軸磁束通路570と
d軸磁束通路580を示す。q軸磁束通路570は第1
の磁石556と第2の磁石558の間を主として通る。
即ち回転子鉄心552のみを通るのに対し、d軸磁束通
路580は回転子鉄心552よりも透磁率の悪い磁石に
より磁束の通過が妨げらる事が理解できる。そこで、回
転子鉄心552のq軸とd軸の磁束の通り易さの差によ
ってリラクタンストルクTrが発生する。q軸、d軸の
磁束の通り易さはモータ定数であるインダクタンスL
q、Ldを用いて表される。即ち図15ではLq>Ldとな
っている。(数1)にトルク式を示す。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、ψ:磁石の鎖交磁束、Ld,Lq:
d,q軸インダクタンス、id,iq:d,q軸固定子電流
である。(数1)で第1項は磁石の磁束を利用したマグ
ネットトルクTm、第2項はリラクタンストルクTrを示
す。iqは従来の表面磁石型モータのトルク電流を示
す。また、上式で逆突極モータでリラクタンストルクT
rを発生させるためidは負の値を与える。idの負の値
は電流位相を進める方向である。
【0011】ここで、id,iqをベクトル加算した総合
電流をIとおくと、id,iqは(数2)となる。
【0012】
【数2】
【0013】ここで、θは電流位相進み量を示す。(数
2)を(数1)に代入すると(数3)が得られる。
【0014】
【数3】
【0015】ここで、(数3)より得られる電流位相進
み量とマグネットトルクTm、リラクタンストルクTr、
総合トルク(Tm+Tr)との関係を図16に示す。
【0016】図16では電流位相が30度進んだ場合に
総合トルクは最大トルクが得られている。このように電
流位相を最適な位相に制御する事により、Tm以上の総
合トルクを得る事ができ小型高出力化を図れる事とな
る。
【0017】同一電流で最大トルクを得る電流位相θt
は(数3)を電流位相θで偏微分し零とおく事により
(数4)で得られる。
【0018】
【数4】
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁石埋込形モー
タにおいては、逆円弧形状に磁石を配し、リラクタンス
トルクを得るためにLqを大きく設計すれば良いと考え
られていた。しかし、Lq、(Ld−Lq)を大きくする
に従ってと磁束とトルクとの直交関係が悪くなる。その
ため効率向上率が悪くなるという課題を有していた。
【0020】この事を図を用いて説明する。磁束と電流
との関係を図17に示す。ここで総合磁束Φはφ、Lq
iq、Ldid、総合電流Iはid、iqから構成される。
図17において総合磁束Φと総合電流Iとは60度程度
の位相となっている。しかしФとIは90度の位相で最
も効率よく発生した磁束をトルク化できる事となる。即
ちトルクは(数5)で与えられる。
【0021】
【数5】
【0022】即ち、電流と磁束との直交関係が悪くなる
と印加電流に対しトルクが有効に発生できないため駆動
効率の悪いモータとなる。
【0023】さらに、最大トルクを得るため電流位相進
みを行うと位相進みの分、図18に示すようにTmは減
少するという本質的な課題があった。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の磁石埋込形モータは回転子鉄心と、回転子
の内部に配置した1極分の磁石が回転子円筒部表面の形
状に沿った円弧形状の第1の磁石と、第1の磁石とは分
離しており異なる形状の第2の磁石とを備えたものであ
る。
【0025】本発明による更に他の磁石埋込形モータ
は、第1の磁石の1極分の磁石が回転子円筒部表面近傍
から回転子円筒部表面近傍まで配置した略長方形形状を
備えたものである。
【0026】本発明による更に他の磁石埋込形モータ、
各々1極分の回転子鉄心が回転子の回転方向の逆側部分
に空隙や切り欠きや磁石に対して大きい磁石挿入穴の少
なくとも1つを設けたものである。
【0027】
【作用】本発明は上記した構成によって、回転子円筒部
表面近傍に回転子鉄心に比べ磁束透磁率が小さい第1の
磁石を配置(正円弧形状)する事により、id電流によ
る磁束の発生量は減少する。即ちインダクタンスLdは
減少する。インダクタンスLdを小さくする事により磁
束と電流との直交性は改善され高効率モータとなる。
【0028】また、回転子の内部に回転子円筒部表面近
傍から回転子円筒部表面近傍まで配置した略長方形形状
の磁石を配置する事により、作成が簡単で低価格の磁石
を用いてインダクタンスLdを小さくし高効率なモータ
となる。
【0029】さらに、各々1極分の磁束が発生する回転
子鉄心の回転子の回転方向の逆側部分に空隙や切り欠き
を設ける事により、マグネットの磁束は回転子の回転方
向側が強くなる。この事は電流位相進みを考慮すると電
流と磁石磁束による誘起電圧の符号が異なり負のトルク
Tmを発生させる場合の磁束を減少させ、かわりに電流
と磁束が同符号の正のトルクTmを発生させる場合の磁
束を増加させる事となり、電流位相進みによるトルクT
m減少分を抑え総合トルクを大きくさせ高効率なモータ
となる。
【0030】
【実施例】以下本発明の磁石埋込形モータの実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0031】第1の実施例では、回転子の内部に回転子
円筒部表面の形状に沿って円弧形状の磁石を配置する事
によりインダクタンスLdを小さくし高効率なモータに
するものである。
【0032】図1は本発明の第1の実施例にあたる磁石
埋込形モータの断面図である。図1において、102は
回転子鉄心、103は回転子円筒部表面、104は回転
子鉄心の磁石挿入穴、106は第1の磁石、108は第
2の磁石、110は軸穴、112は固定子、114は固
定子巻線を挿入するスロット(実際の巻線は省略)であ
る。N、Sは固定子112側の磁石の極性のみを表す。
【0033】図1は従来例に対し、第1の磁石106の
形状と、それに伴って回転子鉄心102と磁石挿入穴1
04が異なる。ここで、回転子構成に関しては従来例と
同じ所は簡単に述べる。
【0034】回転子鉄心102は外形が円形に打ち抜か
れた珪素鋼板を積層して作られている。そのため、回転
子円筒部表面103は円筒形状を示す。そして回転子鉄
心102は第1の磁石106、第2の磁石108を挿入
するための磁石挿入穴104が設けられている。そして
磁石挿入穴には図1に示すように第1の磁石106と第
2の磁石108が挿入されている。ここで、第1の磁石
106は回転子円筒部表面近傍に配置される。磁石は回
転子鉄心に比べ磁束透磁率が小さい。また珪素鋼板の中
央に軸穴110が設けられている。
【0035】ここで、図1の第1の磁石106あるいは
回転子の形状を正逆円弧形状という事とする。これらの
回転子に対し、また回転子と全周に固定子112が存在
する。固定子112の固定子巻線を挿入するスロット1
14にはu、v、wの3相の巻線が巻回されている。巻
線に電流を流す事により回転界磁を作成し、回転子は回
転界磁に同期して回転する。
【0036】図1の構成の回転子を有するモータの特性
を図2、図3を用いて説明する。図2(a)は第1の実
施例において固定子巻線にid電流を流した場合の磁束
線図である。磁束はインダクタンスLと電流に比例す
る。そこで、磁束が少ないとインダクタンスが小さい事
を意味する。図2(b)は第1の実施例においてにiq
電流を流した場合の磁束線図を示す。図2(a)と比較
すればidを流すよりもiqを流す場合の方が磁束が多く
発生している事が理解できる。即ち、従来例で述べたよ
うにLd<Lqであり、(数1)よりTrを発生する。
【0037】次に従来の第1の磁石と第2の磁石が両方
とも凸部が回転軸側に向いた円弧形状(2層逆円弧形
状)である場合のid、iqを与えた場合の磁束線図を図
3(a)、(b)に示す。図2(a)の磁束が図3
(a)の磁束よりすくなくなり、第1の実施例のインダ
クタンスLdが従来例より小さくなっている事が分か
る。また第1の磁石と第2の磁石との隙間を保つ事によ
りLqの大きさは保たれる。そのため図2、図3ともイ
ンダクタンスの差(LdーLq)の値は同じであり、リラ
クタンストルクは同様に有効に活用できる。
【0038】ここで、図4にインダクタンスLd変化と
電流,磁束間の角度との関係を示す。即ち、(数4)よ
りインダクタンスの差(Ld−Lq)を一定に保ったまま
インダクタンスLdが大の場合(図4a)とLdが小の場
合(図4b)(Ld=0の極端な例)を計算した総合電
流Iの位相θtと総合磁束Φとの角度βを求めた結果を
図4に示す。
【0039】即ちインダクタンスLdを小さくする事に
より電流と磁束との直交性は良くなり効率向上が可能と
なる。
【0040】さらに、図5、図6、図7に同様に正円弧
形状の磁石を設けた他の回転子の構造を示す(固定子は
同様であるため省略)。図5は第2の磁石109がラジ
アル方向に配置した略長方形形状である。磁極は固定子
112側を判断できない場合はN、Sの両方を記す。図
6は第2の磁石111の個数を減らした構成である。図
7は第1の磁石107の円周側の磁石側面がq軸磁束通
路の確保のため2つの側面の延長線が回転軸中心の内側
で交わる構成である。全てにおいて同様にインダクタン
スLdを小さくでき高効率化を図れる事は言うまでもな
い。
【0041】ここで、図1、図5、図6、図7及び後述
の図14において、第1の磁石の固定子側は薄い回転子
鉄心104に覆われていても、磁石表面がそのまま固定
子に対面してもどちらでも良い事は言うまでもない。
【0042】次に本発明の第2の実施例の磁石埋込形モ
ータについて説明する。第2の実施例では、回転子の内
部に回転子円筒部表面近傍から回転子円筒部表面近傍ま
で配置した略長方形形状の磁石を配置する事により、作
成が簡単で低価格の磁石を用いてインダクタンスLdを
小さく高効率なモータにするものである。
【0043】図8は本発明の第2の実施例にあたる磁石
埋込形モータの断面図である。図8において、202は
回転子鉄心、103は回転子円筒部表面、204は回転
子鉄心の磁石挿入穴、206は第1の磁石、108は第
2の磁石、110は軸穴である。固定子112、固定子
巻線を挿入するスロット114の図は省略した。
【0044】第1の実施例に対し第2の実施例は第1の
磁石206の形状と、形状変化に伴って回転子鉄心20
2、磁石挿入穴204が異なっている。
【0045】図8の構成の回転子は第1の実施例で述べ
たのと同様の考え方によりインダクタンスLdを小さく
し効率向上が可能である。しかし図8に示すように第1
の磁石206の回転子鉄心円筒部外形側に第1の実施例
に比べて厚い回転子鉄心がある。そのため第1の実施例
ほどインダクタンスLdは小さくならないが従来例の図
15に対してインダクタンスLdを十分小さくする事が
可能である。また第1の磁石206は図8のAに示すよ
うに回転中心側の磁石角部がインダクタンスLq磁束通
路の確保のため面取りによりカットされている。
【0046】第2の実施例は第1の磁石206の断面が
略長方形のため作成しやすく、後加工の工数が少なくて
磁石作成費が安い磁石を用いて効率向上が可能である。
【0047】図8のAに示すカットの形状ははR形状等
でも良い。次に本発明の第3の実施例の磁石埋込形モー
タについて説明する。
【0048】第3の実施例では、1極分の回転子鉄心が
回転子の回転方向の逆側に切り欠きを備え磁束方向を変
更する事により電流位相進み制御を行った場合のマグネ
ットトルクの減少を抑え高効率のモータを実現するもの
である。
【0049】図9は本発明の第3の実施例にあたる磁石
埋込形モータの断面図である。図9において、302は
回転子鉄心、304は回転子鉄心の磁石挿入穴、306
は磁石、110は軸穴、316は切り欠きである。
【0050】本実施例では図1に示す第1の実施例の第
2の磁石108、第2の磁石108を挿入するための磁
石挿入穴104をなくして切り欠き316を付加してい
る。固定子112、固定子巻線を挿入するスロット11
4の図は省略した。
【0051】切り欠き316は軸方向に回転子鉄心30
2を貫通している。その効果を図10〜図14を用いて
説明する。
【0052】図10に電流進みがない場合の各々1相分
の電流、磁石磁束による誘起電圧波形とトルクを示す。
図10〜図12の縦軸は適当な数値を与え大きさの目安
を示す。トルクは見やすくするため、トルク=2×電流
×誘起電圧で求めた値を表示している。電流位相進みが
ないため電流と誘起電圧の符号が同じであり1相分のト
ルクが負を示す所がない。図10の1相分のTmを発生
している場合は、図23において電流位相進みが0度に
対応しTmは最大である。ここで、モータの発生するト
ルクは例えば固定子に3相の電流を流す場合には120
度ずつ位相のずれた3つのトルクを加算すれば得られ
る。
【0053】図11は従来例における1相分の位相進み
電流、磁石磁束による誘起電圧波形とトルクを示す。図
11では30度電流位相を進めている。電流位相を進め
ると図11に示すように、誘起電圧波形と電流との位相
がずれて電流位相が進んだ分だけ負のトルクが発生する
事になりマグネットトルクの減少の原因となる。図11
のトルクを発生している場合のTmの減少分を図23に
示す。
【0054】従来に対し図9のように切り欠き316を
設ける事で負のトルクを発生させる部分で磁石の磁束を
減少させる。図13に30度位相進みの正弦波電流を加
える場合の電流が同符号である180度区間の電流印加
位置及び切り欠きによる磁石磁束の方向の変化を示す。
また、図12は第3の実施例における1相分の位相進み
電流、磁石磁束による誘起電圧波形とトルクを示す。
(誘起電圧波形は厳密にはこのようにはならず歪んだ波
形となるがその働きを理解するのには図12で十分と考
える。)図12と図13に示すように負のトルクを発生
させる磁束を減少させる。またその分の磁束は正のトル
クを発生させる所に行き、正のトルクを発生させるのに
寄与する磁束を増大させ正のトルクを増大させる。
【0055】図14に電流位相とトルクを示す。即ち負
のトルクは減少させ、正のトルクは増大し、図23に示
したTmの減少分が少なくなるため、総合トルクが増加
する事となる(厳密には,リラクタンストルクは従来に
対して小さくなる。)。
【0056】このように電流位相を進めてもTmがあま
り減少せず同一電流に対するトルク発生量が増加する事
になり、小型高効率を実現可能となる。
【0057】また、図15に各1極の回転方向の逆側の
回転子円筒部表面に空隙318を設けた場合の6極の磁
極、磁石306を減少した場合の回転子を示す。図16
に空隙318の場合と空隙318を鉄心に変えた(空隙
がない)場合のシミュレーションによる総合トルク結果
を示す。空隙318により総合トルクが増加する事が明
かであり、同様の効果を得る事は言うまでもない。
【0058】次に本発明の第3の実施例における他の回
転子構造を図17〜18に示す。図17に回転子鉄心表
面の40%程度まで切り欠きを大きくした図を示す。ま
た図18は磁極の端部ほど切り欠き量を多くしているた
めエアーギャップ(磁気抵抗)は端部ほど大きくなって
おり、磁極中心に向けて誘起電圧が大きくなる。ちなみ
に図9に示す切り欠きの1極分の回転子鉄心表面に対す
る割合は9%程度である。即ち,通常は3%〜15%程
度で良いと考える。しかし40〜60程度の大きい位相
進みでよく駆動する場合は切り欠きが45%程度までは
効果があると考えられる。
【0059】さらに、図18は第1の実施例と第3の実
施例を供に採用した場合の図である。図17は各1極の
回転方向の逆側の磁石挿入穴305の形状を磁石形状に
対し大きくした。さらに第1の磁石106と第2の磁石
108の2層の磁石において磁石間のq軸の磁束通路を
確保するために第1の磁石107が磁極中心から回転方
向へ移動させている。この事により、第1の実施例と第
3の実施例の相乗した効果が得られる。
【0060】また図18は1極分に相当する回転子鉄心
の両端部に切り欠き317を備えた場合である。図18
では磁石による誘起電圧が図12に示す場合よりさらに
中央部(電流位相が90度付近)が大きくなり,端部
(電流位相が0〜30度付近)は切り欠きにより小さく
なる。この構造は,駆動電流位相進みが小さく(30度
以内)リラクタンストルクの利用が少ない場合に特に有
効である。磁石による誘起電圧の位相と電流位相のズレ
が小さいため、電流の大きい部分で誘起電圧を大きくす
る事によって同様に同一電流に対するトルク発生量が増
加する事になり、小型高効率を実現可能となる。
【0061】第3の実施例は回転方向が時計回りか反時
計回りに片寄っている場合や、一方の回転方向のみに効
率が重視される場合に有効である。
【0062】ここで正弦波駆動について述べたが矩形波
駆動においても同様の効果が得られる事は言うまでもな
い。また、固定子の相数が変化しても同様の効果を得
る。
【0063】さらに磁石厚が厚いよりも磁束密度の高い
磁石を用い磁石厚が薄い方が空隙等が磁石によりさえぎ
られる事がないため磁石の磁束変更するための切り欠き
の効果がよりよく現れる。
【0064】1極に対し、磁石が1層、2層のみならず
さらに多層においても効果が有る事は言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】本発明は回転子の内部に配置した1極分
の磁石が回転子円筒部表面の形状に沿った円弧形状の第
1の磁石と、第1の磁石とは分離しており異なる形状の
第2の磁石とを備える事により、id電流による磁束の
発生量を減少させる事となる。そのため総合磁束と総合
電流との直交性は改善され、単位電流に対するトルクが
増加して高効率化、小型高出力のモータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にあたる磁石埋込形モー
タの断面図
【図2】本発明の第1の実施例において固定子巻線に電
流を流した場合の磁束線図
【図3】従来例の2層逆円弧形状において固定子巻線に
電流を流した場合の磁束線図
【図4】Ldと電流,磁束間の角度との関係を示す図
【図5】本発明の第1の実施例における他の回転子構造
を示す図
【図6】本発明の第1の実施例における他の回転子構造
を示す図
【図7】本発明の第1の実施例における他の回転子構造
を示す図
【図8】本発明の第2の実施例にあたる磁石埋込形モー
タの断面図
【図9】本発明の第3の実施例にあたる磁石埋込形モー
タの断面図
【図10】1相分の電流、磁石磁束による誘起電圧波形
とトルクを示す図
【図11】1相分の電流、磁石磁束による誘起電圧波形
とトルクを示す図
【図12】1相分の電流、磁石磁束による誘起電圧波形
とトルクを示す図
【図13】本発明の第3の実施例の回転子と正弦波電流
の印加位置と磁石磁束を示す図
【図14】本発明の第3の実施例における電流位相進み
量とTm、Tr、Tm+Trとの関係を示す図
【図15】本発明の第3の実施例における他の回転子構
造とそのシミュレーション結果を示す図
【図16】本発明の第3の実施例における他の回転子構
造とそのシミュレーション結果を示す図
【図17】本発明の第3の実施例における他の回転子構
造を示す図
【図18】本発明の第3の実施例における他の回転子構
造を示す図
【図19】本発明の第3の実施例における他の回転子構
造を示す図
【図20】従来例における磁石埋込形モータの断面図
【図21】従来例における電流位相進み量とTm、Tr、
Tm+Trとの関係を示す図
【図22】総合電流と総合磁束との関係を示す図
【図23】従来例における最大トルク電流位相とTmの
減少分との関係を示す図
【符号の説明】
106 第1の磁石 108 第2の磁石 104 磁石挿入穴 316 切り欠き 318 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 能成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 飯島 友邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転子鉄心の内部に複数個の永久磁石を有
    する磁石埋込形モータにおいて、固定子鉄心に巻線が巻
    回された固定子と、回転子鉄心と、一部あるいはその全
    てを前記回転子の内部に配置した1極分の磁石が回転子
    円筒部表面の形状に沿った円弧形状の第1の磁石と、前
    記第1の磁石とは分離しており異なる形状の第2の磁石
    とからなることを特徴とする磁石埋込形モータ。
  2. 【請求項2】第2の磁石の凸部が回転軸側に向いた円弧
    形状であることを特徴とする請求項1記載の磁石埋込形
    モータ。
  3. 【請求項3】第2の磁石がラジアル方向に配置した略長
    方形形状であることを特徴とする請求項1記載の磁石埋
    込形モータ。
  4. 【請求項4】回転子鉄心の内部に複数個の永久磁石を有
    する磁石埋込形モータにおいて、固定子鉄心に巻線が巻
    回された固定子と、回転子鉄心と、前記回転子の内部に
    配置した1極分の磁石が回転子円筒部表面近傍から回転
    子円筒部表面近傍まで配置した略長方形形状の第1の磁
    石と、前記第1の磁石とは分離しており異なる形状の第
    2の磁石とからなることを特徴とする磁石埋込形モー
    タ。
  5. 【請求項5】第1の磁石の円周側の磁石側面が磁束通路
    の確保のため前記2つの側面の延長線が回転軸中心の内
    側で交わることを特徴とする請求項1または4記載の磁
    石埋込形モータ。
  6. 【請求項6】第1の磁石の回転中心側の磁石角部が磁束
    通路の確保のため面取り等によりカットされていること
    を特徴とする請求項1または4記載の磁石埋込形モー
    タ。
  7. 【請求項7】回転子鉄心の内部に複数個の永久磁石を有
    する磁石埋込形モータにおいて、固定子鉄心に巻線が巻
    回された固定子と、回転子鉄心と、一部あるいはその全
    てを前記回転子の内部に配置した磁石とを備え、各々1
    極分の前記回転子鉄心が前記極の端部近傍から前記極の
    中心に向けて空隙や切り欠きや磁石に対して大きい磁石
    挿入穴の少なくとも1つを設けることを特徴とする磁石
    埋込形モータ。
  8. 【請求項8】各々1極分の前記回転子鉄心が前記回転子
    の回転方向の逆側部分に空隙や切り欠きや磁石に対して
    大きい磁石挿入穴の少なくとも1つを設けることを特徴
    とする請求項7記載の磁石埋込形モータ。
  9. 【請求項9】各々1極分の前記回転子鉄心が前記回転子
    の回転方向の逆側部分の前記極の端部近傍から前記極の
    中心に向けて端部ほど磁気抵抗が大きくなるよう空隙や
    切り欠きや磁石に対して大きい磁石挿入穴の少なくとも
    1つを設けることを特徴とする請求項7記載の磁石埋込
    形モータ。
  10. 【請求項10】各々1極分の回転子鉄心が磁束が前記回
    転子の回転方向の逆側部分の円筒部鉄心表面に前記1極
    分の回転子鉄心表面の3%〜45%程度の切り欠きを設
    けることを特徴とする請求項7記載の磁石埋込形モー
    タ。
  11. 【請求項11】回転子鉄心に設けた第2の磁石の磁石挿
    入穴の回転子の回転方向の逆側部分が磁石形状に対して
    大きいことを特徴とする請求項7記載の磁石埋込形モー
    タ。
  12. 【請求項12】第1の磁石が磁極中心から回転方向へ移
    動したことを特徴とする請求項7記載の磁石埋込形モー
    タ。
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