JPH09241267A - 有機ケイ素化合物とその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物とその製造方法

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JPH09241267A
JPH09241267A JP8051867A JP5186796A JPH09241267A JP H09241267 A JPH09241267 A JP H09241267A JP 8051867 A JP8051867 A JP 8051867A JP 5186796 A JP5186796 A JP 5186796A JP H09241267 A JPH09241267 A JP H09241267A
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Japan
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group
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polysilane
general formula
catechol
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JP8051867A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Shono
達哉 庄野
Shigefumi Kashiwamura
成史 柏村
Manabu Ishifune
学 石船
Ryoichi Nishida
亮一 西田
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリシランの置換基としてカテコールを導入す
るに際し、重合後に水酸基の脱保護を行い易く、且つ脱
保護の際にポリシランの品質低下を殆ど生じないポリシ
ランの新規な製造方法を提供することを主な目的とす
る。 【解決手段】一般式(1)で示されるジハロシランと一
般式(6)で示されるジハロシランとの混合物を電極反
応に供して、一般式(7)で示されるカテコールの水酸
基をアセトナイドで保護したポリシランを製造し、得ら
れたポリシランを酸処理して、一般式(8)で示される
カテコールを側鎖に有するポリシランを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な有機ケイ素
化合物(ジハロシラン)とその製造方法およびそれを原
料とするポリシランの製造方法に関する。
【0002】本発明のジハロシランは、新規な化合物で
あり、ケイ素化学工業の出発原料として有用である。ま
た、カテコールを側鎖に有するポリシランは、極めて高
い水溶性を有するため、フォトレジスト材料などとして
有用である。
【0003】
【従来技術とその問題点】従来、アルカリ水溶液などの
種々の溶媒に可溶なポリシランとして、フェノール基を
側鎖に有するポリシランが検討されてきた(特開昭63-1
12021号公報、特開平6-256525号公報)。しかしなが
ら、このポリシランは、シリコン原子当たり1つしか水
酸基を有していないため、水溶液への可溶性に限界があ
り、高濃度溶液の作製あるいは高分子量体の可溶性の点
で問題があった。ポリシランをフォトレジストなどの光
・電子材料として用いるには、薄膜の形状で用いるのが
一般的であるが、高濃度溶液あるいは高分子量体溶液が
作製できないと、必要な膜厚を有するポリシラン薄膜の
形成が困難な場合がある。
【0004】そこで、水溶液に対する溶解度のより高い
ポリシランとして、シリコン原子あたり2つの水酸基を
有する、カテコールを側鎖に持つポリシランが検討され
ている(特開平7-252272号公報、International Chemic
al Congress of Pacific Basin Societies, IO78(199
5))。
【0005】しかしながら、水酸基は重合反応中に反応
するので、保護基で保護する必要があるが、このポリシ
ランは、カテコールの保護基であるメチレンジオキシ或
いはジメトキシなどを重合反応後、わずかしか脱保護す
ることができないため、溶解性を改善することができな
い。また、脱保護を進めるためには、強い脱保護条件が
必要であり、その際ポリシラン主鎖のSi-Si結合の開裂
による分子量の低下など、品質の低下を生じることが多
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、ポ
リシランの置換基としてカテコールを導入するに際し、
重合後に水酸基の脱保護を行い易く、且つ脱保護の際に
ポリシランの品質低下を殆ど生じないポリシランの新規
な製造方法を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、重合後
脱保護しやすい保護基を有するカテコールを持つジハロ
シランとグルニャール試薬を用いるその製造方法、およ
び本発明のジハロシランを用いるカテコールを側鎖に有
するポリシランの製造方法を開発することに成功し、従
来の水酸基を有するポリシランの問題点を大幅に軽減す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記の有機ケイ素化
合物およびその製造方法を提供するものである。
【0009】1.一般式(1)
【0010】
【化12】
【0011】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロシラン。
【0012】2.一般式(2)
【0013】
【化13】
【0014】(式中、X1は、ハロゲン原子を表す。)
で表される水酸基をアセトナイドで保護したハロゲン化
カテコールにMgを作用させて作製したグリニャール試
薬に、一般式(3)
【0015】
【化14】
【0016】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または2個以上が異なるハロゲン原子を
表す。)で表されるトリハロシランを反応させて、一般
式(1)
【0017】
【化15】
【0018】(式中、RおよびXは、上記に同じ。)で
表されるジハロシランを製造する方法。
【0019】3.カテコールを側鎖に有するポリシラン
の製造方法であって、一般式(1)
【0020】
【化16】
【0021】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロシランを、特定の金属を陽極に用いる
電極反応に供することにより、一般式(4)
【0022】
【化17】
【0023】(式中、Rは出発原料に対応して上記に同
じ。pは、10〜10000の整数である。)で示され
る水酸基をアセトナイドで保護したカテコールを側鎖に
有するポリシランを製造し、ついでこれを酸で処理する
ことにより、一般式(5)
【0024】
【化18】
【0025】(式中、Rは、出発原料に対応して上記に
同じ。mは、0または正の整数で、nは、10〜100
00の整数である。m+nは、10〜10000の整数
である。)で表されるカテコールを側鎖に有するポリシ
ランを製造する方法。
【0026】4.カテコールを側鎖に有するポリシラン
の製造方法であって、一般式(1)
【0027】
【化19】
【0028】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロシランと、一般式(6)
【0029】
【化20】
【0030】(式中、R1およびR2は、同一または相異
なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アミノ基またはシリル基を表す。Xは、同一また
は相異なるハロゲン原子を表す。)で示されるジハロシ
ランとの混合物を、特定の金属を陽極に用いる電極反応
に供することによる、一般式(7)
【0031】
【化21】
【0032】(式中、R、R1およびR2は、出発原料に
対応して同じ。lは、0または正の整数で、pは、10
〜10000の整数である。l+pは、10〜1000
0の整数である。)で示される水酸基をアセトナイドで
保護したカテコールを側鎖に有するポリシランを製造
し、ついでこれを酸で処理することにより、一般式
(8)
【0033】
【化22】
【0034】(式中、R、R1およびR2は、出発原料に
対応して同じ。lは、正の整数であり、mは、0または
正の整数であり、nは、10〜10000の整数であ
る。l+m+nは、10〜10000の整数である。)
で表されるカテコールを側鎖に有するポリシランを製造
する方法。
【0035】
【発明の実施の形態】以下においては、上記項1乃至4
の発明をそれぞれ本願第1発明乃至本願第4発明とい
い、これらを総括して単に本発明という。
【0036】I.本願第1発明 本願第1発明によるジハロシランは、一般式(1)
【0037】
【化23】
【0038】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で示される。
【0039】一般式(1)のジハロシランにおいて、R
で示されるアルキル基の炭素数は、1〜10である。ア
リール基としては、フェニル基、炭素数1〜6のアルキ
ル基を1つ以上置換基として有するフェニル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基を1つ以上置換基として有する
p−アルコキシフェニル基、炭素数1〜10のアルコキ
シ基を1つ以上置換基として有するm−アルコキシフェ
ニル基などがあげられる。Rがアミノ基の場合には、1
つ以上の水素が炭素数1〜10のアルキル基で置換され
ていてもよい。シリル基におけるケイ素数は、1〜10
である。ケイ素原子にはさらにアルキル基、アリール基
などの置換基があってもよい。
【0040】Xで示されるハロゲン原子は、Cl、Br
またはIである。ハロゲン原子としては、Clがより好
ましい。
【0041】II. 本願第2発明 本願第2発明は、本願第1発明のジハロシラン(1)の
製造方法を提供するものである。
【0042】本願第2発明における出発原料としては、
一般式(2)
【0043】
【化24】
【0044】(式中、X1は、ハロゲン原子を表す。)
で表される水酸基をアセトナイドで保護したハロゲン化
カテコールにMgを作用させて作製したグリニャール試
薬と、一般式(3)
【0045】
【化25】
【0046】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または2個以上が異なるハロゲン原子を
表す。)で表されるトリハロシランとを用いる。
【0047】一般式(3)におけるX1は、ハロゲン原
子(Cl、Br、I)であり、その中でもBrが特に好
ましい。
【0048】なお、本願第2発明で使用する水酸基をア
セトナイドで保護したハロゲン化カテコール(2)は、
既知の化合物であり、”Bulletin of Chem. Soc. of Ja
pan,1991,64, 175”および“Organic Synthesis Collec
tive vol.II,95”に示される方法などにより、製造でき
る。また、一般式(3)で表されるトリハロシランも、
既知の化合物であり、フェニルトリクロロシラ、メチル
トリクロロシランなどが、一般に市販されている。
【0049】原料および生成物中のRおよびXは、本願
第1発明で定義したRおよびXに同じである。また、グ
リニャール試薬を作製する際の溶媒は、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの通常のグリニャール反応
に用いられるエーテル系の溶媒であればよく、特に限定
されない。Mgについても、グリニャール反応に用いられ
る通常のMgであればよい。
【0050】III. 本願第3発明 本願第3発明において、出発原料として一般式(1)
【0051】
【化26】
【0052】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロシランを用い、それを特定の金属を陽
極に用いる電極反応に供することによって、まず、一般
式(4)
【0053】
【化27】
【0054】(式中、Rは、出発原料に対応して同じ。
pは、10〜10000の整数である。)で示される、
水酸基をアセトナイドで保護した形態のカテコール基を
有するポリシランを製造する。
【0055】原料として使用する一般式(1)のジハロ
シランのRおよびXは、本願第1発明のRおよびXと同
じものであればよい。また、この原料は、1種を単独で
使用しても良く、あるいは2種以上を混合使用しても良
い。ジハロシランはできるだけ高純度であることが好ま
しく、例えば、使用に先立って、蒸留や再結晶法などに
より精製しておくことが好ましい。
【0056】電極反応に際しては、一般式(1)で示さ
れるジハロシランを溶媒に溶解して使用する。溶媒とし
ては、非プロトン性の溶媒が広く使用でき、具体的には
プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチレンスルホキシド、1,2−ジメト
キシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p
−ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなど
が例示される。これらの溶媒は、単独でもあるいは2種
以上の混合物としても使用できる。これらの中では、
1,2−ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフランが
より好ましい。溶媒中のジハロシランの濃度は、低すぎ
る場合には、電流効率が低下するのに対し、高すぎる場
合には、支持電解質が溶解しないことがある。従って、
溶媒中のジハロシランの濃度は、通常0.01〜3mol/l程度
であり、より好ましくは0.05〜1.5mol/l程度である。
【0057】電極反応に使用する支持電解質としては、
塩化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウムなどの安価
なリチウム塩の他に、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リ
チウムなどの過塩素酸アルカリ金属塩;過塩素酸テトラ
−n−ブチルアンモニウムなどの過塩素酸テトラアルキ
ルアンモニウムなどが例示される。これらの支持電解質
は、単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用し
ても良い。これらの支持電解質の中でも、塩化リチウム
および過塩素酸リチウムが最も好ましい。
【0058】支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、
通電が困難乃至は不可能となって反応が進行しないのに
対し、高すぎる場合には、電流が流れすぎて反応に必要
な電位が確保できなかったり、支持電解質の金属イオン
が陰極で還元されて多量に生成し、それが形成されたポ
リシランのSi-Si結合を開裂して分子量が低下するなど
の問題が生じる。したがって、溶媒中の支持電解質の濃
度は、通常0.05〜5mol/l程度であり、より好ましくは、
0.1〜3mol/l程度であり、特に好ましくは、0.15〜2.0mo
l/l程度である。
【0059】本願第3発明の電極反応においては、電極
反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通
電助剤を併用することにより、通電性の向上を図っても
良い。通電助剤としては、AlCl3、Al(OEt)3などのAl
塩;FeCl2、FeCl3などのFe塩;MgCl2などのMg塩;ZnCl2
などのZn塩;SnCl2などのSn塩;CoCl2などのCo塩;PdCl
2などのPd塩;VCl3などのV塩;CuCl2などのCu塩;CaCl
2などのCa塩などが好ましいものとして例示される。こ
れらの通電助剤は、単独で使用しても良く、あるいは2
種以上を併用しても良い。これら通電助剤の中でも、Al
Cl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2、CuCl2などがより好まし
い。溶媒中の通電助剤の濃度は、低すぎる場合には、通
電性の向上が充分に達成されず、一方、高すぎる場合に
は、通電助剤が還元されて、反応に関与しなくなる。従
って、溶媒中の通電助剤の濃度は、通常、0.01〜6mol/l
程度であり、より好ましくは0.03〜4mol/l程度であり、
特に好ましくは0.05〜3mol/l程度である。
【0060】本願第3発明の電極反応においては、陽極
として、MgまたはMgを主成分とする合金を使用する。Mg
を主成分とする合金としては、例えば、Alを3〜10%
程度含有するものが挙げられる。また、JIS H 6125-196
1に規定されている1種(MGA1)、2種(MGA2、通称AZ6
3)、3種(MGA3)などが挙げられる。陰極としては、
電流を通じうる物質であれば特に限定されないが、SUS3
04、316などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、Al、N
i、Coなどの各種金属;炭素材料などが例示される。陰
陽極ともにMgあるいはMgを主成分とする合金を用いる場
合には、陰陽極の極性を一定時間間隔毎に切り換えても
良い。これによって、陰極上に付着した金属塩などを除
去できる。切替の間隔は、1秒乃至10分程度の範囲で
行うことが好ましい。電極の形状は、通電を安定して行
いうる限り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、円
錐状、円盤状、球状、あるいはそれらをバスケットに収
容したもの、板状体をコイル状に巻いたものなどが好ま
しい。電極表面の酸化皮膜は、必要ならば、予め除去し
ておく。電極からの酸化皮膜の除去は任意の方法で行え
ば良く、例えば、電極を酸により洗浄した後、エタノー
ルおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する
方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれ
らの方法を組み合わせた方法などにより行うことができ
る。
【0061】本願第3発明の電極反応は、例えば、
(a)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に
一般式(1)で表されるジハロシランおよび支持電解
質、必要に応じて通電助剤を溶媒とともに収容し、好ま
しくは機械的もしくは磁気的に攪拌しつつ、所定量の電
流を通電することにより電極反応を行わせる方法、
(b)陽極および陰極を設置した電解槽、反応液貯槽、
ポンプ、配管などから構成される流動式電極反応装置を
用いて、反応液貯槽に一般式(1)のジハロシラン、支
持電解質、溶媒、必要に応じて通電助剤を投入し、それ
らから構成される反応溶液をポンプにより電極反応装置
内を循環させつつ、所定量の電流を通電することによ
り、電解槽内で電極反応を行わせる方法などにより行う
ことができる。
【0062】電極反応時の反応容器或いは反応装置内
は、乾燥雰囲気であればよいが、乾燥した窒素または不
活性ガス雰囲気であることがより好ましく、さらに脱酸
素し、乾燥した窒素雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気で
あることが特に好ましい。通電量は、ジハロシラン
(1)中のハロゲンを基準として、1F/mol程度以上あれ
ば良く、通電量を調整することにより、分子量の制御が
可能となる。また、0.1F/mol程度以上の通電量で生成し
たポリシランを系外に取り出し、残存する原料ジハロシ
ランを回収して、再使用することも可能である。反応時
間は、原料ジハロシランの量、支持電解質や通電助剤の
量などに関係する反応溶液の抵抗などに異なりうるの
で、適宜定めればよい。反応時の温度は、通常-20℃か
ら使用する溶媒の沸点までの温度範囲にあり、より好ま
しくは-5〜30℃程度の範囲内にあり、もっとも好ましく
は、0〜25℃程度の範囲内にある。
【0063】本願第3発明の電極反応においては、通常
の電極還元反応においては必須とされている隔膜は、使
用しても良いが、必須ではないので、操作が簡便とな
り、実用上有利である。
【0064】本願第3発明では、ついで、以上のように
して得られた一般式(4)の水酸基をアセトナイドで保
護したカテコールを側鎖に有するポリシランを酸で処理
して保護基を取りくことにより、一般式(5)
【0065】
【化28】
【0066】(式中、Rは出発原料に対応して同じ。m
は、0または正の整数で、nは、10〜10000の整
数である。m+nは10〜10000の整数である。)
で示されるカテコールを側鎖に有するポリシランを製造
する。
【0067】一般式(4)で示されるポリシランの酸処
理は、テトラヒドロフラン溶媒中であるいはテトラヒド
ロフラン−アルコール混合溶媒中でプロトン酸を触媒と
して行う。プロトン酸としては、塩酸、硫酸、p−トル
エンスルホン酸、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-
BBN)などが使用できる。混合溶媒を用いる場合は、
アルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールおよびこれらの混合物が使用できる。その際、
テトラヒドロフラン/アルコールの割合は、特に限定さ
れるものではないが、通常1/10〜10/1程度の範
囲にある。
【0068】一般式(5)において、mは、脱保護され
ていない構造単位の存在を示している。この存在比率
は、脱保護条件(例えば、プロトン酸の濃度、反応時間
など)によって制御することができる。
【0069】IV. 本願第4発明 本願4発明は、出発原料として一般式(1)
【0070】
【化29】
【0071】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表
す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を表す。)
で表されるジハロシランと、一般式(6)
【0072】
【化30】
【0073】(式中、R1およびR2は、水素原子、アル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基またはシ
リル基を表す。R1とR2とは、互いに同一であってもよ
く、あるいは2つ以上が相異なってもよい。Xは、同一
または相異なるハロゲン原子を表す。)で示されるジハ
ロシランのと混合物を用いる以外は、本願第3発明と異
なるところはない。
【0074】即ち、これらのジハロシラン混合物を、電
極反応に供することによって、水酸基をアセトナイドで
保護したカテコールを側鎖に有するポリシランを製造
し、ついで、それを酸で処理することによって、カテコ
ールを側鎖に有するポリシランを製造する。
【0075】出発原料の一方として用いる一般式(6)
で表されるジハロシランのR1およびR2は、アルキル基
としては、炭素数1〜10程度のものである。アリール
基としては、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基を
一つ以上置換基として有するフェニル基、p−アルコキ
シフェニル基、m−アルコキシフェニル基などがあげら
れる。フェニル基の置換基としてのアルコキシ基は、炭
素数1〜10程度のものである。アミノ基の場合は、1
つ以上の水素が炭素数1〜10のアルキル基で置換され
ていてもよい。シリル基は、ケイ素数1〜10であり、
ケイ素上にはさらにアルキル基、アリール基などの置換
基があってもよい。Xで示されるハロゲン原子は、C
l、BrまたはIである。ハロゲン原子としては、Cl
がより好ましい。
【0076】電極処理により得られる水酸基をアセトナ
イドで保護したカテコールを側鎖に有するポリシラン
は、一般式(7)
【0077】
【化31】
【0078】(式中、R、R1およびR2は、出発原料に
対応して同じ。lは、0または正の整数で、pは、10
〜10000の整数である。l+pは、10〜1000
0の整数である。)で表される。
【0079】一般式(7)のポリシランを酸処理するこ
とにより得られるポリシランは、一般式(8)
【0080】
【化32】
【0081】(式中、R、R1およびR2は、出発原料に
対応して同じ。lは、正の整数であり、mは、0または
正の整数であり、nは、10〜10000の整数であ
る。l+m+nは10〜10000の整数である。)で
表される。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。
【0083】(a)ポリシランの置換基としてカテコー
ルを導入するに際し、重合後の水酸基の脱保護がしやす
く、得られるポリシランの水溶液などへの可溶性が著し
く向上する。
【0084】(b)温和な条件下で脱保護ができるの
で、脱保護の際にポリシランの品質低下(主鎖結合の開
裂による分子量の低下など)をほとんど生じることな
く、所望のポリシランが得られる。
【0085】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0086】なお、実施例1〜2は、本願第1発明およ
び第2発明の具体例であり、実施例3〜9は、本願第
3、4発明の具体例である。
【0087】実施例1 トルエン500mlにカテコール110g(1.0mol)と五酸化二
リン28.4g(0.20mol)を溶解させ、約75℃に加熱し
た。この溶液に、アセトン147ml(2.0mol)を3時間か
けて滴下した。滴下開始から30分毎に五酸化二リン28.4
gを4回追加した。滴下終了後、その混合溶液をさらに
1時間程度、約75℃に保ったまま攪拌させ、反応を完結
させた。この反応溶液の上層を分離し、25%水酸化ナト
リウム水溶液(150ml)により後処理した後、水で数回
洗浄した。続いて、溶媒を留去し、減圧蒸留により生成
物を単離し、1,2−イソプロピリデンジオキシベンゼン
を60%の収率で得た。
【0088】次に、合成した1,2−イソプロピリデンジ
オキシベンゼン7.5g(0.5)を四塩化炭素50mlに溶解さ
せ、それに触媒としての鉄粉1.0gを加えて氷冷下(-10
〜0℃)で臭素0.056molを滴下した。滴下中は、アスピ
レータで吸引し、発生するHBrを除去しながら反応を
進行させた。反応終了後、炭酸水素ナトリウム(粉末
状)で十分に中和させ、次いで抽出を行った。続いて、
溶媒を留去し、減圧蒸留により生成物を単離し、4−ブ
ロモ−1,2−イソプロピリデンジオキシベンゼンを収率
60%で得た。
【0089】さらに、この4−ブロモ−1,2−イソプロ
ピリデンジオキシベンゼン11.5g(0.05mol)を窒素雰
囲気下THF50ml中で削り粉状のマグネシウム1.46g
(0.06mol)とゆっくり反応させ、グリニャール試薬を
得た後、これを、-15℃程度に冷却したメチルトリクロ
ロシラン6.72g(0.045mol)のTHF溶液(20ml)に滴
下した。滴下終了後、1晩攪拌し、続いて多量のn-ヘキ
サンを加えてマグネシウム塩を沈殿させ、これをアルミ
ナカラムで除去した。エバポレータで溶媒を留去後、残
渣を減圧蒸留して、(3,4-イソプロピリデンジオキシフ
ェニル)メチルジクロロシランを収率56%で得た。
【0090】得られたジクロロシランのIRおよび1
−NMRチャートを図1および図2にそれぞれ示す。
【0091】実施例2 メチルトリクロロシランの代わりにフェニルトリクロロ
シラン9.51gを用いる以外は、実施例1と同様にして反
応を行ったところ、(3,4-イソプロピリデンジオキシフ
ェニル)フェニルジクロロシランを収率50%で得た。
【0092】実施例3 三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)およびステ
ンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1mm×5cm)を装着し
た内容積30mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に
無水塩化リチウム0.4gおよび無水塩化第一鉄0.24gを
収容し、50℃で1mmHgに加熱減圧して、塩化リチウムお
よび塩化第一鉄を乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反
応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノ
ンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。
これに予め蒸留により精製した(3,4-イソプロピリデン
ジオキシフェニル)メチルジクロロシラン1.3g(5mmo
l)およびメチルフェニルジクロロシラン0.95g(5mmo
l)をシリンジで加え、マグネティックスターラーによ
り反応溶液を攪拌しながら、ウォーターバスにより反応
器を室温に保持しつつ、定電流電源により通電した。通
電は、ジクロロシラン中の塩素を基準として1.5F/molの
通電量となるよう約10時間通電した。
【0093】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加
えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出
し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テトラヒドロフラン
4mlを用いて再沈した。
【0094】その結果、重量平均分子量6800の(3,4-イ
ソプロピリデンジオキシフェニル)メチル−コ−フェニ
ルメチルポリシランが収率20%で得られた。得られた
ポリシランの1H−NMRチャートを図3に示す。
【0095】次に得られたポリシランをテトラヒドロフ
ラン5mlに溶解させ、それに6N塩酸5mlを加えて24時間
攪拌した。その結果、保護基の一部(約30%)が脱保護
されたカテコールタイプの側鎖を有するポリシランが得
られた。その1H−NMRチャートを図4に示す。
【0096】実施例4 用いるジクロロシランの量を、(3,4-イソプロピリデン
ジオキシフェニル)メチルジクロロシラン0.76g(3mmo
l)およびメチルフェニルジクロロシラン1.33g(7mmo
l)とする以外は、実施例3と同様にして電極反応を行
った。
【0097】その結果、重量平均分子量10300の(3,4-
イソプロピリデンジオキシフェニル)メチル−コ−フェ
ニルメチルポリシランが収率39%で得られた。
【0098】次に、保護基の脱保護を行ったところ、保
護基の一部が脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有
するポリシランが得られた。
【0099】実施例5 用いるジクロロシランの量を、(3,4-イソプロピリデン
ジオキシフェニル)メチルジクロロシラン0.26g(1mmo
l)およびメチルフェニルジクロロシラン1.7g(9mmo
l)とする以外は、実施例3と同様にして電極反応を行っ
た。
【0100】その結果、重量平均分子量9100の(3,4-イ
ソプロピリデンジオキシフェニル)メチル−コ−フェニ
ルメチルポリシランが収率37%で得られた。
【0101】次に、保護基の脱保護を行ったところ、保
護基の一部が脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有
するポリシランが得られた。
【0102】実施例6 用いるジクロロシランの量を、(3,4-イソプロピリデン
ジオキシフェニル)メチルジクロロシラン2.6g(10mmo
l)とする以外は、実施例3と同様にして電極反応を行
った。
【0103】その結果、重量平均分子量6600の(3,4-イ
ソプロピリデンジオキシフェニル)メチルポリシランが
収率18%で得られた。
【0104】得られたポリシランの1H−NMRチャー
トを図5に示す。
【0105】次に、保護基の脱保護を行ったところ、保
護基の一部が脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有
するポリシランが得られた。
【0106】実施例7 用いるジクロロシランを(3,4-イソプロピリデンジオキ
シフェニル)フェニルジクロロシラン3.2g(10mmol)
とする以外は、実施例3と同様にして電極反応を行っ
た。
【0107】その結果、高分子量の(3,4-イソプロピリ
デンジオキシフェニル)フェニルポリシランが良好な収
率で得られた。
【0108】次に、保護基の脱保護を行ったところ、保
護基の一部が脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有
するポリシランが得られた。
【0109】実施例8 陰陽極ともにMgを用い、その極性を15秒毎に切り換
えるとともに、支持電解質として無水過塩素酸リチウム
1.0gを用いる(但し、通電助剤は用いない)以外は、
実施例3と同様にして電極反応を行った。
【0110】その結果、その結果、重量平均分子量5200
の(3,4-イソプロピリデンジオキシフェニル)メチル−
コ−フェニルメチルポリシランが収率14%で得られた。
【0111】保護基の脱保護をした結果、保護基の一部
(約30%)が脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有
するポリシランが得られた。
【0112】実施例9 保護基の脱保護条件として、塩酸を加えた後、溶媒環流
条件下で36分間で加熱・攪拌する以外は、実施例3と同
様にして脱保護を行った。
【0113】その結果、保護基の49.5%を脱保護するこ
とができた。
【0114】得られたポリシランを水酸化ナトリウム水
溶液への溶解度を確認したところ、水酸基をジメトキシ
タイプで保護し、脱保護したものと比較して、25倍以
上の溶解性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたジクロロシランのIRチャ
ートである。
【図2】実施例2で得られたジシクロシランの1H−N
MRチャートである。
【図3】実施例3で得られた(3,4-イソプロピリデンジ
オキシフェニル)メチルポリシランの1H−NMRチャ
ートである。
【図4】実施例3で得られた保護基の一部(約30%)が
脱保護されたカテコールタイプの側鎖を有するポリシラ
ンの1H−NMRチャートである。
【図5】実施例6で得られた(3,4-イソプロピリデンジ
オキシフェニル)メチルポリシランの1H−NMRチャ
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石船 学 京都府京都市伏見区向島二ノ丸町151−4 −2A−404 (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 村瀬 裕明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表す。Xは、同
    一または相異なるハロゲン原子を表す。)で表されるジ
    ハロシラン。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、X1は、ハロゲン原子を表す。)で表される水
    酸基をアセトナイドで保護したハロゲン化カテコールに
    Mgを作用させて作製したグリニャール試薬に、一般式
    (3) 【化3】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表す。Xは、同
    一または2個以上が異なるハロゲン原子を表す。)で表
    されるトリハロシランを反応させて、一般式(1) 【化4】 (式中、RおよびXは、上記に同じ。)で表されるジハ
    ロシランを製造する方法。
  3. 【請求項3】カテコールを側鎖に有するポリシランの製
    造方法であって、一般式(1) 【化5】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表す。Xは、同
    一または相異なるハロゲン原子を表す。)で表されるジ
    ハロシランを特定の金属を陽極に用いる電極反応に供す
    ることにより、一般式(4) 【化6】 (式中、Rは出発原料に対応して上記に同じ。pは、1
    0〜10000の整数である。)で示される水酸基をア
    セトナイドで保護したカテコールを側鎖に有するポリシ
    ランを製造し、ついでこれを酸で処理することにより、
    一般式(5) 【化7】 (式中、Rは出発原料に対応して上記に同じ。mは、0
    または正の整数で、nは、10〜10000の整数であ
    る。m+nは、10〜10000の整数である。)で表
    されるカテコールを側鎖に有するポリシランを製造する
    方法。
  4. 【請求項4】カテコールを側鎖に有するポリシランの製
    造方法であって、一般式(1) 【化8】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アミノ基またはシリル基を表す。Xは、同
    一または相異なるハロゲン原子を表す。)で表されるジ
    ハロシランと、一般式(6) 【化9】 (式中、R1およびR2は、同一または相異なって、水素
    原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ
    基またはシリル基を表す。Xは、同一または相異なるハ
    ロゲン原子を表す。)で示されるジハロシランとの混合
    物を、特定の金属を陽極に用いる電極反応に供すること
    により、一般式(7) 【化10】 (式中、R、R1およびR2は、出発原料に対応して同
    じ。lは、0または正の整数で、pは、10〜1000
    0の整数である。l+pは、10〜10000の整数で
    ある。)で示される水酸基をアセトナイドで保護したカ
    テコールを側鎖に有するポリシランを製造し、ついでこ
    れを酸で処理することによって、一般式(8) 【化11】 (式中、R、R1およびR2は、出発原料に対応して同
    じ。lは、正の整数であり、mは、0または正の整数で
    あり、nは、10〜10000の整数である。l+m+
    nは、10〜10000の整数である。)で表されるカ
    テコールを側鎖に有するポリシランを製造する方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249493A (ja) * 2001-02-21 2002-09-06 Toagosei Co Ltd 保護されたカテコール基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2002338583A (ja) * 2001-05-22 2002-11-27 Toagosei Co Ltd 保護されたカテコール基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法

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