JPH09246175A - 位置検出方法及びその装置並びに露光方法及びその装置 - Google Patents

位置検出方法及びその装置並びに露光方法及びその装置

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JPH09246175A
JPH09246175A JP8079565A JP7956596A JPH09246175A JP H09246175 A JPH09246175 A JP H09246175A JP 8079565 A JP8079565 A JP 8079565A JP 7956596 A JP7956596 A JP 7956596A JP H09246175 A JPH09246175 A JP H09246175A
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mark
grating
marks
wavelength
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JP8079565A
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Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上の全ての微細パターンの位置をより高
精度に検出する。 【解決手段】0N次検出法による干渉式アライメント法
により、得られる光量信号IA、IBより基板上の複数
箇所の格子マークの位置ΔXjn' を、回路SA及び回路
CAにより(各波長毎に)検出する。また、回路SAで
は、光量信号IA、IBの相対走査に伴う変化及び格子
マークの設計データに基づいて、各格子マークの段差相
当量δn を、段差のマーク表面近傍の入射光ビームの各
半波長に対する剰余として、各波長毎に算出する。そし
て、回路WEGAで各格子マークの段差相当量に応じて
検出誤差が大きなマークの検出位置には小さな重みを、
誤差が小さなマークの検出位置には大きな重みを付けて
最小2乗法による統計処理により基板上の全ての微細パ
ターンの位置(配列座標)を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出装置及び
その装置並びに露光方法及びその装置に係り、更に詳細
には複数個の位置計測用のマークの位置を検出し、この
複数の検出位置を統計処理して基板上の微細パターン領
域の位置を算出する位置検出方法及びその装置、並びに
算出された配列座標に基づいて基板上の各微細パターン
領域を順次露光位置へ位置決めしつつ重ね焼き露光を行
なう露光方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子又は液晶表示素子等をフォト
リソグラフィ工程で製造する際に、フォトマスク又はレ
チクル等(以下、一例として「レチクル」を使用する)
のパターン像を投影光学系を介して感光材が塗布された
ウエハ上の各ショット領域に投影する投影露光装置が使
用されている。この種の投影露光装置として近年は、ウ
エハを2次元的に移動自在なステージ上に載置し、この
ステージによりウエハを歩進(ステッピング)させて、
レチクルのパターン像をウエハ上の各ショット領域に順
次露光する動作を繰り返す、所謂ステップ・アンド・リ
ピート方式の露光装置、特に、縮小投影型の露光装置
(ステッパー)が多用されている。
【0003】例えば半導体素子はウエハ上に多数層の回
路パターンを重ねて露光することにより形成されるの
で、2層目以降の回路パターンをウエハ上に投影露光す
る際には、ウエハ上の既に回路パターンが形成された各
ショット領域とレチクルのパターン像との位置合わせ、
即ちウエハとレチクルとの位置合わせ(アライメント)
を正確に行う必要がある。このアライメントを行うため
に、ウエハ上には以前の工程で形成(露光転写)された
位置検出マーク(アライメントマ−ク)が形成されてお
り、このアライメントマ−クの位置を検出することで、
ウエハ(ウエハ上の回路パターン)の正確な位置を検出
することができる。
【0004】近年、ウエハ(又はレチクル)上のアライ
メントマークを凹凸から成る1次元、又は2次元の格子
状にし、その格子マーク上に周期方向に対称的に傾斜し
た2つのコヒーレントビームを投射し、格子マークから
同一方向に発生する2つの回折光成分を干渉させて格子
マークの周期方向の位置や位置ずれを検出する方法(以
下、「干渉式アライメント法」と称する)が、例えば
(A)特開昭61−208220号公報、(B)特開昭
61−215905号公報等で提案された。このうち公
報(A)は2つの対称的なコヒーレントビームの周波数
を同一にしたホモダイン方式を開示し、公報(B)は2
つの対称的なコヒーレントビームの間に一定の周波数差
を持たせたヘテロダイン方式を開示している。
【0005】またヘテロダイン方式では、2つの送光ビ
ーム間の周波数差を基準交流信号とし、格子マークから
発生した2つの回折光成分の干渉光(ビート光)を光電
検出した信号と基準交流信号との位相差を計測し、それ
を格子マークの周期方向に関する基準点からの位置ずれ
量として検出している。
【0006】干渉式アライメント法を実現する光学系と
しては、格子マークへのコヒーレントビーム(レーザビ
ーム)の入射方法から、大きく3つに分けられる。
【0007】1つは、格子マークの周期(=P)方向に
対して対称的な±N次方向から、2本のレーザビームを
入射し、格子マーク上に振幅の周期がP/Nの干渉縞を
形成させ、これより垂直上方に反射・回折する回折光
(両入射光の±N次回折光の合成光束:Nは自然数)を
受光し、その光量変化に基づいて格子マークの位置を検
出するタイプ(以下、「±N次検出法」と略称する)で
ある。
【0008】2つめは、2本のビームを格子マークの周
期に対する±N/2次方向から対称的に入射し、格子マ
ーク上に振幅の周期が2P/Nの干渉縞を形成させ、一
方の(第1の)入射光の0次回折光(正反射光)と他方
の(第2の)入射光のN次回折光の合成光束と、第2の
入射光の0次回折光と第1の入射光のN次回折光の合成
光束とを独立に受光し、両光束の光量変化の各位相より
得られる、2つの検出位置の平均値を、格子マークの位
置とするタイプ(以下、「0N次検出法」と略称する)
である。
【0009】3つめは、格子マークに対して、ビームを
1本のみ入射し、反射・回折する2つの±N次回折光を
基準格子上に結像させ、基準格子からの透過光の光量変
化より格子マークの位置を検出するタイプ(以下、「基
準格子法」と略称する)である。
【0010】なお、これら3つの方式による格子マーク
検出位置には、原理的に全く差は生じない。ただし、±
N次検出法、0N次検出法は、ヘテロダイン、ホモダイ
ンのいずれの方式へも適応可能だが、基準格子法は入射
光束が1本であり、必然的にホモダイン方式に限定され
る。
【0011】また、上記の干渉式アライメント法の光源
を、波長が異なる複数のビーム、又は白色ビームとし、
光源(検出光)が単色であるための問題点、すなわち格
子マーク(位置検出マーク)の段差(深さ)に関する非
対称性や、レジスト厚の変動によって、大きな位置検出
誤差が生じるという問題を低減する方策も、(C)特開
平6−82215号公報によって提案されている。
【0012】このような位置検出マークは、以前の露光
工程にて回路パターンと同時に各ショット毎に露光転写
されたものである。従って、次の回路パターンの露光時
に、これらの1ショット毎にその中の位置検出マークを
検出し、その検出位置に基づいて新たなパターンを重ね
合わせても良いが、多数のショット(及び露光回数)毎
のマーク位置検出に要する時間がかさみ、露光装置の処
理能力(スループット)が低下する。
【0013】そこで、露光時の位置合わせ方式として、
ステッパーでは、例えば特開昭61−44429号公報
等に開示されるような、エンハンスト・グローバル・ア
ライメント(以下、「EGA」という)方式が一般的に
採用されている。このEGAは、ウエハ上の各ショット
毎に形成されている上記位置検出マーク(アライメント
マーク)のうち、特定の10個程度を選びそれらの位置
を検出し、得られた検出位置を統計処理して全ショット
の「配列座標系」を求め、その配列座標系に従って、重
ね合わせ露光を行なうものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】一般にどのような種類
の位置検出センサ(例えば前述の干渉式アライメントセ
ンサ)を使用しても、その検出位置には多少の検出誤差
がつきまとう。例えば、干渉式アライメント法において
は、格子マークの非対称性や、レジスト厚の変動が検出
誤差の原因となる。
【0015】これを更に詳述すると、一般にウエハ等の
表面に形成される位置合わせ、位置計測用のマーク(ア
ライメントマーク)は、その表面に微少な段差を持って
作られるが、半導体加工工程上のエッチングやスパッタ
等のウエハプロセス、あるいはフォトレジスト層の塗布
ムラによって、多少の非対称性を有している。その非対
称性はマーク位置検出時の精度低下を招く。
【0016】特に、格子マークから発生した2つの回折
光の相互干渉光を光電検出し、その光電信号を利用する
干渉式アライメント法においては、格子マークの非対称
性はマーク自体の振幅反射率の非対称性となって位置検
出精度の劣化に作用する。すなわち、格子マークを構成
するラインの溝底部の深さ(段差)等が格子周期方向に
差を持ったり、レジスト層の厚みに部分的な差があった
場合、マーク自体の振幅反射率の絶対値と位相とは、溝
底部の深さやレジスト厚の変化に応じて非対称になる。
この結果、格子マークから発生する回折光も例えば0次
光に対して右方向に発生する正の次数と左方向に発生す
る負の次数とで強度や位相が異なったものになってしま
う。このうち強度の差は位置検出精度を殆ど低下させな
いが、位相の変化は位置検出精度に大きな影響を与え
る。
【0017】また、格子マークの振幅反射率や回折効率
は、マークの段差やレジスト厚によっても大きく変動す
る。これは、マークの段差によって、マーク上面で反射
する光と、マーク下面で反射する光との位相差が変化し
たり、レジスト厚の変化によって、レジストによる多重
干渉効果が変動するためである。また、検出光の波長が
変化するとこれらの影響も大きく変動する、すなわち、
同一のマークの位置検出であっても波長が異なればマー
クの段差等の影響によって位置検出誤差が異なる。
【0018】この点、EGA方式によれば、これらの位
置検出誤差は平均化され低減されうるとも言えなくなく
もない。
【0019】しかしながら、従来のEGA方式による平
均化は、各マークの検出位置に含まれる検出誤差の大小
を考慮して行なわれるものではなく、また従来の位置検
出センサには、検出誤差の大小の程度を推定する能力は
なく、従ってEGA方式の平均化効果にも自ずと限界が
あった。
【0020】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その目的は、基板上の全ての微細パターンの位置を
より高精度に検出することができる位置検出方法及びそ
の装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】ところで、上述したマー
ク段差やレジスト厚の変動による格子マークの振幅反射
率や回折効率の変動等や、位置検出精度は、種々のマー
ク条件のもとでマーク自体の振幅反射率を想定すること
により、シミュレーションすることができる。
【0022】ここで、このような、ミュレーション結果
の一例について図8に基づいて説明する。このシミュレ
ーション結果は、レジスト層で被覆されたウエハ上の格
子マークに対称的な2方向から一定の周波数差をもつコ
ヒーレントな送光ビームを照射する場合を想定し、格子
マークから垂直に発生した±1次回折光の相互干渉光、
すなわち干渉ビート光の状態(振幅、位相等)を観察
(計算)することで得られたものである。
【0023】なお、上記のシミュレーションで想定した
ウエハ上の格子マークの形状は、計測方向に、凸部、凹
部が各幅が4μm、周期P=8μmで並ぶものである。
格子マークの断面を図9(1)に、その1周期分の拡大
図を、図9(2)に示すが、マークの段差h、レジスト
厚dをパラメータとし、マークの凹部には傾きt= 0.1
%のテーパーがあるものとした。また、マークの凹部で
はレジスト表面が、0.3 ・hだけへこむものとし、レジ
スト表面の形状は正弦関数(周期P)とし、ウエハ、レ
ジストの屈折率は、それぞれ3.5 、1.66とした。なお、
図9(1)ではスペースの都合で格子マークの本数を5
本としたが、実際の格子マークはそれより本数が多いも
のが一般的である。
【0024】また、想定した検出光学系は、検出用レー
ザビームの波長が633nm (He-Neレーザ)であり、マーク
の周期Pに対する±1次の方向から対称的に2本のビー
ムを入射し、垂直上方に反射・回折する光束(両入射光
の±1次回折光の合成光束)を受光し、位置検出するも
の(前述の「±1次検出法」(「±N次検出法」のN=
1))とした。ただし、検出光学系として、2本のビー
ムをマークの周期Pに対する±0.5次の方向から対称
的に入射する「01次検出法」や、±1次回折光を使用
する「基準格子法」であっても、前述の如く結果は全く
同じである。
【0025】図8(1)、(2)において、横軸はレジ
スト厚d[μm]を示し、縦軸は位置検出誤差[μm]
を示す。図8(1)には、マーク段差hが、50、100 、
150、200nm の場合を、図8(2)には、マーク段差h
が、250 、300 、350 、400nmの場合のシミュレーショ
ン結果がそれぞれ示されている。
【0026】検出誤差は、レジスト厚の変化によっても
変動するが、マーク段差hが100 及び300nm の場合に
は、変動も少なくその絶対精度も良好であることがわか
る。
【0027】検出光の波長が 633nm、レジストの屈折率
が1.66であるから、マーク表面近傍(レジスト中)の検
出光の波長は381nm であり、従って上記のマーク段差10
0 及び300nm は、それぞれその1/4及び3/4にほぼ
等しい。また、図示は省略したが、検出光のレジスト中
波長の5/4及び7/4‥‥の段差、即ち(2m+1)
/4倍(mは0以上の整数)の段差のマークでの検出誤
差も、極めて小さくなることが、シミュレーションの結
果、判明した。
【0028】以上のシミュレーション結果より、位置検
出マークの段差が検出光のレジスト中波長の(2m+
1)/4倍であれば、干渉式アライメントにおける検出
誤差は極めて小さいことが分かる。従って、マーク位置
の検出と同時にマーク段差量の検出ができれば、段差量
によってその検出位置が含む検出誤差の大小をある程度
正確に推定できると考えられる。
【0029】本発明は、単一波長の照明光による干渉式
アライメント法において、マークの段差が、照明光の波
長の(正確には照明光のレジスト中の波長の)、(2m
+1)/4倍(mは0以上の整数)であると、位置検出
誤差がほとんど生じないという上記のようなシミュレー
ション上の結果に基づいて着想されたものであり、本発
明は以下のような方法及び構成を採用する。
【0030】請求項1に記載の発明は、微細パターン、
及び特定の方向に周期性(周期=P)を持って凹部と凸
部を繰り返す位置検出用の格子マークが、複数ケ所(M
個以上)にそれぞれ形成された基板に対し、前記複数ケ
所の格子マークの前記周期方向の位置を検出し、かつそ
れらの検出位置を統計処理して、前記基板全面の前記微
細パターンの位置を検出する位置検出方法であって、前
記複数ケ所の格子マーク上に、可干渉な光ビームの対を
それぞれ入射し、振幅分布の周期が2P/N(Nは自然
数)でその周期方向が前記各格子マークの周期方向に等
しい干渉縞をそれぞれ形成するとともに、前記各干渉縞
と前記格子マークとを前記周期方向に相対走査する第1
工程と;前記複数ケ所の格子マークによる前記入射光ビ
ームの反射・回折光のうち、第1の光ビームの正反射光
と第2の光ビームのN次回折光との合成光束である第1
の合成光束と、前記第2の光ビームの正反射光と前記第
1の光ビームのN次回折光との合成光束である第2の合
成光束とを、順次かつそれぞれ別々に受光して光電変換
する第2工程と;前記第2工程で順次得られる前記第
1、第2の合成光束の各光量信号の前記相対走査に伴う
変化より、前記複数ケ所の格子マークの位置を順次検出
する第3工程と;前記複数箇所の各格子マークの段差相
当量を、前記第2工程で順次得られる第1、第2の合成
光束の各光量信号の前記相対走査に伴う変化と前記各格
子マークの設計データとに基づいて、前記各格子マーク
の段差を前記入射光ビームの当該各格子マーク表面近傍
の媒質中での波長の半分で除した剰余として、順次算出
する第4工程と;前記複数ケ所の中のj番目(jは1か
らM)の格子マークの前記段差相当量が、前記入射光ビ
ームの当該j番目の格子マーク表面近傍での波長の1/
4に近い場合には、該j番目の格子マークの検出位置に
大きな重みを付け、前記波長の1/4から離れている場
合には、該j番目の格子マークの検出位置に小さな重み
を付けて前記複数箇所の格子マークの検出位置を統計処
理して前記基板全面の前記微細パターンの位置を算出す
る第5工程とを含む。
【0031】これによれば、第1ないし第3工程で、各
格子マークのそれぞれについて0N次検出法による干渉
式アライメント法と同様の検出が行なわれ、得られる2
つの光量信号(前記第1、第2の合成光束の光量信号)
より、従来と同様に各格子マークの位置がそれぞれ検出
される。
【0032】また、第4工程において、複数箇所の各格
子マークの段差相当量が、第2工程で順次得られる第
1、第2の合成光束の光量信号の相対走査に伴う変化及
び各格子マークの設計データに基づいて、各格子マーク
の段差を入射光ビームの格子マーク表面近傍の媒質中で
の波長の半分で除した剰余として、順次算出される。こ
れは、上記シミュレーションの結果、明らかになった
「検出精度に大きく影響を与える、段差をレジスト中波
長の1/2で除した剰余」を段差相当量として各波長毎
に検出するものである。なお、この段差相当量として
は、剰余としての段差、あるいはこれに相当する光の位
相量のいずれの形態で検出してもよい。これにより、位
置検出すべき格子マークの段差が、検出光のレジスト中
波長の(2m+1)/4倍という条件に適合するか否
か、あるいは、検出光のレジスト中波長が位置検出すべ
き格子マークの段差の4/(2m+1)倍という条件に
適合するか否かを、容易に判定することが可能となる。
【0033】そして、第5工程において、複数ケ所の中
のj番目(jは1からM)の格子マークの段差相当量
が、入射光ビームの当該j番目の格子マーク表面近傍で
の波長の1/4に近い場合には、該j番目の格子マーク
の検出位置に大きな重みを付け、波長の1/4から離れ
ている場合には、該j番目の格子マークの検出位置に小
さな重みを付けて、複数箇所の格子マークの検出位置を
統計処理して基板全面の微細パターンの位置を算出す
る。ここで、各波長の1/4とは、上記の(2m+1)
/4のm=0の場合に相当するが、段差相当量は上記の
如く半波長に対する剰余なので、m>0の場合は考慮す
る必要がないので、段差相当量が入射光ビームの格子マ
ーク表面近傍での各波長の1/4相当量に近いとは、結
果的に段差相当量が入射光ビームの格子マーク表面近傍
での各波長の(2m+1)/4倍に近いということに他
ならない。従って、第5工程においては、段差相当量か
ら推定される検出誤差の大きいマークの検出値には小さ
な重みを、検出誤差の小さいマークの検出値には大きな
重みを付けた新規の統計処理により、基板全面の微細パ
ターンの位置が算出されることになり、従来に比べて高
精度に基板全面の微細パターンの位置(配列座標)を算
出することができる。
【0034】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、第1工程において、前記複数ケ所の格子マーク
上に、可干渉な光ビームの対を波長の異なる複数組それ
ぞれ入射し、振幅分布の周期が2P/N(Nは自然数)
でその周期方向が前記各格子マークの周期方向に等しい
干渉縞をそれぞれ形成するとともに、前記各干渉縞と前
記各格子マークとを前記周期方向にそれぞれ相対走査
し、前記第2ないし第4工程の処理を、各波長毎に行っ
て前記各格子マークの位置及び段差相当量を各波長毎に
検出し前記第5工程において、それぞれの波長での前記
格子マークの位置検出結果及び段差相当量の検出結果を
用いて、各波長毎に前記複数箇所の格子マークの検出位
置を前記重み付け統計処理を行い、前記基板全面の前記
微細パターンの位置を算出するようにしてもよい。これ
によれば、検出光束が複数波長化され、それぞれの波長
での位置検出結果及び段差相当量の検出結果を用いて、
上記の重み付けをする新規の統計処理が行なわれるの
で、さらに高精度に基板全面の微細パターンの位置(配
列座標)を算出することができる。
【0035】請求項3に記載の発明は、感光基板上の微
細パターンが形成された所定のショット領域を露光位置
に順次位置決めしつつ、マスクに形成されたパターンを
前記各ショット領域に転写して重ね焼き露光を行なう露
光方法であって、露光開始に先だって、請求項1又は2
に記載の位置検出方法により前記感光基板上の各ショッ
ト領域の配列座標を算出後、この算出された配列座標に
従ってショット領域を露光位置に順次位置決めしつつ重
ね焼き露光を行なうことを特徴とする。
【0036】これによれば、前記の如く、感光基板上の
ショット領域の配列座標が従来より高精度に算出され、
この算出された配列座標に従ってショット領域を露光位
置に順次位置決めしつつ重ね焼き露光が行なわれるの
で、結果的により高精度な重ね合わせが実現される。
【0037】請求項4に記載の発明は、微細パターン、
及び特定の方向に周期性(周期=P)を持って凹部と凸
部を繰り返す位置検出用の格子マークが、複数ケ所(M
個以上)にそれぞれ形成された基板に対し、前記複数ケ
所の格子マークの前記周期方向の位置を検出し、かつそ
れらの検出位置を統計処理して、前記基板全面の前記微
細パターンの位置を検出する位置検出装置であって、前
記複数ケ所の格子マーク上に、振幅分布の周期が2P/
N(Nは自然数)でその周期方向が前記各格子マークの
周期方向に等しい干渉縞をそれぞれ形成すべく、可干渉
な光ビームの対をそれぞれ入射する送光光学系と;前記
複数ケ所の格子マークによる前記入射光ビームの反射・
回折光のうち、第1の光ビームの正反射光と第2の光ビ
ームのN次回折光との合成光束である第1の合成光束
と、前記第2の光ビームの正反射光と前記第1の光ビー
ムのN次回折光との合成光束である第2の合成光束と
を、それぞれ別々に光電変換する受光手段と;前記各格
子マークと前記干渉縞とを前記周期方向に相対走査する
相対走査手段と;前記受光手段より得られる前記第1、
第2の合成光束の光量信号の前記相対走査に伴う変化よ
り、前記複数ケ所の格子マークの位置をそれぞれ検出す
る位置検出手段と;前記複数箇所の各格子マークの段差
相当量を、前記受光手段より得られる前記第1、第2の
合成光束の光量信号の前記相対走査に伴う変化と前記各
格子マークの設計データとに基づいて、前記各格子マー
クの段差を前記入射光ビームの当該各格子マーク表面近
傍の媒質中での波長の半分で除した剰余として、それぞ
れ検出する段差検出手段と;前記複数ケ所の中のj番目
(jは1からM)の格子マークの前記段差相当量が、前
記入射光ビームの当該j番目の格子マーク表面近傍での
波長の1/4に近い場合には、該j番目の格子マークの
検出位置に大きな重みを付け、前記波長の1/4から離
れている場合には、該j番目の格子マークの検出位置に
小さな重みを付けて前記複数箇所の格子マークの検出位
置を統計処理して前記基板全面の前記微細パターンの位
置を算出する演算手段とを有する。
【0038】これによれば、送光光学系により複数箇所
の格子マーク上に、振幅分布の周期が2P/N(Nは自
然数)でその周期方向が前記格子マークの周期方向に等
しい干渉縞をそれぞれ形成すべく、可干渉な光ビームの
対がそれぞれ入射され、相対走査手段によりこれらの干
渉縞と各格子マークとが周期方向にそれぞれ相対走査さ
れる。
【0039】次に、受光手段において、複数ケ所の格子
マークによる入射光ビームの反射・回折光のうち、第1
の光ビームの正反射光と第2の光ビームのN次回折光と
の合成光束である第1の合成光束と、第2の光ビームの
正反射光と第1の光ビームのN次回折光との合成光束で
ある第2の合成光束とが、それぞれ別々に光電変換され
る。位置検出手段では、受光手段より得られる第1、第
2の合成光束の光量信号の相対走査に伴う変化より複数
箇所の格子マークの位置をそれぞれ検出し、また、段差
検出手段では、複数箇所の各格子マークの段差相当量
を、受光手段より得られる第1、第2の合成光束の光量
信号の相対走査に伴う変化と各格子マークの設計データ
とに基づいて、各格子マークの段差を入射光ビームの当
該各格子マーク表面近傍の媒質中の波長の半分で除した
剰余として、それぞれ算出する。
【0040】そして、演算手段では、複数ケ所の中のj
番目(jは1からM)の格子マークの段差相当量が、入
射光ビームの当該j番目の格子マーク表面近傍での波長
の1/4に近い場合には、該j番目の格子マークの検出
位置に大きな重みを付け、波長の1/4から離れている
場合には、該j番目の格子マークの検出位置に小さな重
みを付けて複数箇所の格子マークの検出位置を統計処理
して基板全面の微細パターンの位置を算出する。
【0041】従って、請求項1に記載の場合と同様に、
従来に比べて高精度に基板全面の微細パターンの位置
(配列座標)を算出することができる。
【0042】ここで、位置検出手段は、請求項5に記載
の発明の如く、相対走査に伴う第1の合成光束と第2の
合成光束の各光量信号変化の各位相に基づいてそれぞれ
求めた検出位置の平均値を格子マークの位置として検出
するようにすることが望ましい。
【0043】また、段差検出手段は、請求項6に記載の
発明の如く、各格子マークの凹部と凸部の各幅の比率
と、相対走査に伴う第1の合成光束と第2の合成光束の
各光量信号変化の位相差及びコントラストとに基づいて
各格子マークの段差相当量を算出するようにしても良
い。あるいは、請求項7に記載の発明の如く、格子マー
クより反射・回折する0次回折光とN次回折光との光量
比を計測する光量比計測手段を更に有する場合には、段
差検出手段は、各格子マークの凹部凸部の各幅の比率
と、相対走査に伴う第1の合成光束と第2の合成光束と
の各光量信号変化の位相差と、光量比計測手段により得
られた光量比とに基づいて各格子マークの段差相当量を
算出するようにしてもよい。後者の場合には、0次回折
光とN次回折光との光量比が直接的に計測されているの
で、コントラストに基づいて光量比を算出する前者の場
合に比べて一層高精度に段差相当量を算出することがで
きる。
【0044】また、請求項8に記載の発明の如く、前記
送光光学系に代えて、複数ケ所の格子マーク上に、順次
振幅分布の周期が2P/N(Nは自然数)でその周期方
向が前記各格子マークの周期方向に等しい干渉縞を形成
すべく、可干渉な光ビームの対を波長の異なる複数組入
射する送光光学系が設けられている場合には、前記受光
手段、前記位置検出手段及び前記段差検出手段は、前記
複数の異なる波長毎に前記それぞれの処理を行ない、前
記演算手段は、それぞれの波長での前記各格子マークの
位置検出結果及び段差検出結果を用いて前記統計処理を
行なうように構成してもよい。かかる場合には、請求項
2に記載の発明と同様に、検出光束が複数波長化され、
それぞれの波長での位置検出結果及び段差相当量の検出
結果を用いて、上記の重み付けをする新規の統計処理が
行なわれるので、さらに高精度に基板全面の微細パター
ンの位置(配列座標)を算出することができる。
【0045】この場合において、送光光学系は、請求項
9に記載の発明の如く、前記複数ケ所の格子マーク上に
波長の異なる複数組の可干渉な光ビームの対を波長毎に
時分割的に入射するようにしてもよい。かかる場合に
は、受光光学系や信号処理系の構成が簡略化される。こ
こで、時分割的とは、異なる波長の光ビームの対を交互
に格子マーク上に入射する場合も含まれる。
【0046】請求項10に記載の発明は、感光基板上の
微細パターンが形成された所定のショット領域を露光位
置に順次位置決めしつつ、マスクに形成されたパターン
を前記各ショット領域に転写して重ね焼き露光を行なう
露光装置であって、前記請求項4ないし9のいずれか一
項に記載の位置検出装置を前記感光基板上の各ショット
領域の配列座標系の検出用として備え、この検出された
配列座標系に従って重ね焼き露光を行なうことを特徴と
する。
【0047】これによれば、請求項3に記載の発明と同
様に、感光基板上のショット領域の配列座標が従来より
高精度に算出され、この算出された配列座標に従ってシ
ョット領域を露光位置に順次位置決めしつつ重ね焼き露
光が行なわれるので、結果的により高精度な重ね合わせ
が実現される。
【0048】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図7に
基づいて説明する。
【0049】図1には、本発明に係る位置検出装置10
0を含んで構成された一実施例の露光装置200の主要
部の構成が示されている。この露光装置200は、いわ
ゆるステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光
装置(ステッパー)である。
【0050】この露光装置200は、光軸AX方向が鉛
直軸方向(Z軸方向)とされた投影光学系PLと、この
投影光学系PLの上方に配置され、光軸AXにほぼ直交
する水平面内にマスクとしてのレチクルRを保持するレ
チクルステージRSTと、投影光学系PLの下方に配置
され、基板としてのウエハWを保持するウエハステージ
WSTと、位置検出装置100と、主制御装置106と
を備えている。
【0051】この露光装置200では、投影光学系PL
としては両側テレセントリックで所定の縮小倍率、例え
ば1/4の投影光学系が使用されている。
【0052】レチクルステージRSTは、不図示の駆動
系によりXY2次元方向の微小移動と、光軸AX回りの
微小回転が可能に構成されている。
【0053】ウエハステージWSTは、駆動モータを含
む駆動系16によって投影レンズPLの光軸AXと垂直
な面(XY平面)内で2次元方向に駆動されるようにな
っている。この駆動方式は、モータによって送りネジを
回転させる方式、又はリニアモータによってステージ本
体を直接運動させる方式のいずれでもよい。このウエハ
ステージWST上に、不図示のウエハホルダを介してウ
エハWが吸着保持されている。このウエハステージWS
Tの移動位置(座標位置)はレーザ干渉計17によって
逐次計測される。このレーザ干渉計17の計測値は主制
御装置106に入力され駆動系21のフィードバック制
御に使われる。この他、レーザ干渉計17の計測値は後
述する位置検出回路120にも入力されるようになって
いる。
【0054】また、前記ウエハステージWSTの一部に
は、フィデューシャルマーク(基準マーク)板FPが設
けられている。このマーク板FPには石英ガラスの表面
にクロム層でライン・アンド・スペースをパターニング
した基準マークFG(周期は後述するウエハ上の格子マ
ークMGjと同一)が形成されている(図2参照)。実
際の位置検出においては、ウエハW上の格子マークの位
置検出に先立って、この基準マークFGの位置を検出
し、装置に依存する様々な誤差を補正するが、その詳細
は後述する。
【0055】ここで、本実施例では、ウエハホルダを介
してウエハステージWST上に吸着保持された状態で
は、ウエハWの表面は投影光学系PLに関してレチクル
Rと共役面とされているものとする。このため、後述す
るように、レチクルRとウエハW上のショット領域とが
アライメントされた状態では、不図示の光源からの露光
光によりレチクルRが照明されると、レチクルRのパタ
ーン面に形成された回路パターンが投影光学系を介して
1/4縮小倍率でウエハW上に投影され、ウエハW上の
ショット領域上に回路パターンの像が結像され、このよ
うにして、当該ショット領域上に既に形成された微細パ
ターン上にレチクルRの回路パターンが重ね焼きされる
ようになっている。
【0056】主制御装置106は、CPU(中央演算処
理装置)、ROM、RAM等を含んで構成されたミニコ
ンピュータ(又はマイクロコンピュータ)から成り、装
置全体を統括制御する。
【0057】前記位置検出装置100は、この露光装置
200では、いわゆるオフアクシスアライメント光学系
を構成する位置検出機構系110と位置検出回路120
とから構成されている。以下、この位置検出装置100
について、詳述する。
【0058】図2には、位置検出装置100を構成する
位置検出機構系110の具体的構成例がウエハステージ
WST等とともに拡大して示されている。この位置検出
機構系110は、送光光学系102と、受光光学系10
4とを備えている。
【0059】この内、送光光学系102は、2つの半導
体レーザ光源LS1 、LS2 、ミラー1、ダイクロイッ
クミラー2、ミラー4、回転ラジアル格子板RRG、コ
リメータレンズ5、光束選択部材6、平行平板ガラスで
構成された調整光学系7、8、9、ビームスプリッタ
(ハーフミラー)10及び対物レンズ11等を含んで構
成されている。ここで、この送光光学系102について
上記構成各部の作用とともに説明する。
【0060】前記2つのレーザ光源LS1 、LS2 はそ
れぞれ異なる波長λ1 、λ2 のレーザビームLB1 、L
B2 を射出する。本実施例では、例えば、レーザ光源L
S1はλ1 =670nm を射出し、レーザ光源LS1 はλ1
=780nm を射出するものとする。そして、これらのレー
ザ光源(以下、適宜「レーザ」という)を駆動するレー
ザ電源3は、一定の周波数で2つのレーザを交互に点灯
させるとともに、どちらのレーザが点灯しているかのレ
ーザ点灯信号L0 を発生する。なお、この交互点灯の繰
り返し周波数は、後述するビート周波数2・Δfの1/
100程度以下とする。
【0061】2本のビームLB1 、LB2 は、ミラー1
又はダイクロイックミラー2を介して同軸のビームLB
0 としてミラー4に入射し、ここで反射されて回転ラジ
アル格子板RRGに入射する。この格子板RRGは、一
方向に等角速度で回転軸C0の回りに高速回転してお
り、この格子板RRGによって回折された各次数の回折
光の周波数を、角速度に応じた分だけ増減させる作用を
有する。
【0062】図3には、この回転ラジアル格子板RRG
の拡大斜視図が示されている。この回転ラジアル格子板
RRGは、円板状部材から成り、この格子板RRGには
円周方向に沿って所定ピッチ間隔で透過型の位相回折格
子RGが360度に渡って形成されている。ここでは、
この格子板RRGの回転軸C0 がXYZ座標系のX軸と
平行に設定されているものとする。ビームLB0 が格子
板RRGの格子RGに垂直に入射すると、0次光D0 以
外に各種の回折光が発生するが、本実施例では±1次回
折光を用いてヘテロダイン方式を実現するので、図2、
図3では格子板RRGからの±1次回折光のみを示して
ある。
【0063】さて、ビームLB0 が格子板RRGの格子
RGに垂直に入射すると、図3にも示される如く、格子
板RRGの格子RGからは、レーザLS1の点灯時に
は、波長λ1 のビームLB1 から作られた1次回折ビー
ム±D11(破線)が、レーザLS2の点灯時には、波長
λ2 のビームLB2 から作られた1次回折ビーム±D12
(2点鎖線)が発生する。各波長毎に1次回折ビームの
回折角θは以下のように表される。
【0064】
【数1】sin θn =λn /Prg ………(1) ここで添字n は各波長の区別を表し(n=1,2,
3)、Prgは格子RGの周期を表す。
【0065】一方、格子板RRGから発生した前記1次
回折ビームは波長によらず一定の周波数偏移Δfを受け
る。すなわち、格子板RRGの格子RGがビームLB0
を横切る速度をVとすると、Δf=V/Prgで表され、
+1次回折ビームの周波数は0次光D0 の周波数よりΔ
fだけ高くなり、−1次回折ビームの周波数は0次光D
0 の周波数よりΔfだけ低くなる。このように、回転ラ
ジアル格子板RRGは、一種の周波数シフターとして機
能する。
【0066】上記のようにして周波数シフトされた2つ
の波長成分の+1次回折ビーム+D1n(n=1、2)か
ら成る送光ビーム+LF及び−1次回折ビーム−D1n
(n=1、2)からなる送光ビーム−LFと、0次光D
0 とは、図2に示されるように、コリメータレンズ5に
より主光線が互いに平行になるように変換され、光束選
択部材6に達する。この光束選択部材6は、いわゆるフ
ーリエ変換面に置かれる空間フィルタとして機能し、こ
こでは0次光D0 が遮断され、1次回折光±D1nによる
送光ビーム±LFが通過する。
【0067】その後、送光ビーム±LFは傾斜量が可変
な平行平板ガラスで構成された調整光学系7、8、9を
介してビームスプリッタ(ハーフミラー)10に達す
る。
【0068】調整光学系7は送光ビーム+LFと送光ビ
ーム−LFとのフーリエ空間での間隔を変えることな
く、レンズ5の光軸に対して偏心させる機能を有し、調
整光学系8、9は送光ビーム+LFと送光ビーム−LF
との夫々の光軸に対する位置を個別に調整する機能を有
する。すなわち、調整光学系7は対物レンズ11の光軸
を中心とした放射方向に関する送光ビーム(±LF)の
ウエハWに対する傾きを調整し、調整光学系8、9は、
ウエハW上での対物レンズ11の光軸に対する送光ビー
ム+LF、−LFの開き角を調整する。
【0069】その送光ビーム±LFはビームスプリッタ
10で2つに分割され、一方(反射光)は対物レンズ1
1に入射し、それぞれ平行光束となって各波長毎に異な
る角度で、ウエハWに入射する。
【0070】ここで、ウエハW上には、図6に示される
ような断面形状を有する複数の格子マーク(位置検出マ
ーク)MGi (i=1,2,………)が予め形成されて
おり、図2では格子マーク(位置検出マーク)MGj
(複数個のマークの中のj番めのマーク)が送光ビーム
±LFの入射位置に丁度位置している。
【0071】従って、この格子マークMGj上には、波
長λ1 の送光ビーム±D11の干渉によって作られた干渉
縞及び波長λ2 の送光ビーム±D12の干渉によって作ら
れた干渉縞のが、レーザLS1、LS2の点灯に同期し
て、同一周期、同一位相で交互に現れる。さらに、送光
ビーム+LFと−LFとの間の周波数差2・Δfのた
め、その干渉縞は格子マークMGj上を一方向(格子マ
ークMGの周期方向)に等速度で移動しているように観
測される。そしてその移動速度は、回転ラジアル格子板
RRGの格子RGの速度Vに比例している。これより明
らかなように、本実施例では回転ラジアル格子板RRG
によって相対走査手段が構成されている。
【0072】なお、図2から明らかなように、ウエハW
表面(格子マークMGj)とラジアル格子板RRGと
は、コリメータレンズ5と対物レンズ11との合成系に
よって互いに共役(結像関係)になるように配置されて
いる。そのためラジアル格子板RRGの格子RGの±1
次回折光による回折像が、ウエハWの格子マークMGj
上に形成されるが、0次光D0 が遮へいされているため
格子RGの振幅分布の周期の1/2の明暗像(干渉縞強
度分布)が形成される。
【0073】本実施例では、その干渉縞のウエハW上で
の振幅の周期Pif(強度分布の周期の2倍)を、格子マ
ークMGjの周期Pmgの2/N倍(Nは自然数)に設定
する。このとき、上記2波長のいずれについても、一方
の(第1の)入射ビーム(例えば+LF)の格子マーク
MGjによる0次回折光(正反射光)と、他方の(第2
の)入射ビーム(例えば−LF)の格子マークMGjに
よるN次回折光とは、同一方向に発生し互いに干渉する
第1の合成光束となり、また第2の入射ビームの格子マ
ークMGjによる0次回折光と、第1の入射ビームの格
子マークMGjによるN次回折光も、同一方向に発生
し、互いに干渉し合う第2の合成光束となる。そしてこ
れらの第1、第2の合成光束は、光源である入射ビーム
±LFの周波数差に応じて、周波数2・Δfで強度変調
されたビート光となっている。
【0074】なお、このように、各0次回折光と各N次
回折光を同一方向に発生させるためには、別の見方をす
れば対物レンズ11の焦点距離をF0 として各波長毎の
送光ビーム±LFのフーリエ変換面(ビ−ムスプリッタ
ー近傍)上での間隔DLn を、格子マークMGjの検出
方向について
【数2】 DLn =±N・F0・λn/Pmg ………(2) に設定すればよい。このような各波長毎の間隔DLn の
設定は、回転ラジアル格子板RRGの格子RGの周期や
コリメータレンズ5の焦点距離を適当に定めることで調
整可能である。
【0075】さらには、格子マークMGjが多少デフォ
ーカス(光軸AX方向にずれる)した状態でもその検出
位置に誤差が生じないように、送光ビーム±LFは格子
マークMG(ウエハW)に等傾角で入射すること、すな
わちフーリエ変換面上で光軸AXから格子マークMGj
の検出方向にそれぞれ、DLn /2だけ離れた位置を通
ることが望ましい。
【0076】すなわち、本実施例の位置検出装置100
の構成は、従来の「0N次法」の構成に近いものとな
る。
【0077】ところで、光学系5、11等にわずかでも
色収差があると、ウエハW上に形成される干渉縞は、そ
れぞれの色で相互に位置ずれ(位相ずれ)、及び周期ず
れを起こしてしまう恐れがある。そこで、このようなず
れを補正するために、図2中の調整光学系7、8、9を
用いる。これらの光学系7、8、9は平行平板ガラスで
構成され、その材料として色分散の大きいものを用いる
と、各波長成分毎にウエハW上に形成される干渉縞の相
互の位置ずれや位相ずれを微小に変化させることができ
る。あるいは調整光学系7、8、9として、色分散の小
さい平行平板ガラスと色分散の大きい平行平板ガラスと
を組み合わせ、色分散の大きい平行平板ガラスの傾き調
整で各波長成分毎の干渉縞の相互の関係を補正し、その
補正によって生じる送光ビーム±LFのウエハW上での
全体的な傾き誤差に関しては、色分散の小さい平行平板
ガラスの傾き調整で補正することができる。
【0078】次に、前記受光光学系104について説明
する。この受光光学系104は、前記対物レンズ11、
集光レンズ(フーリエ変換レンズ)12、参照格子S
G、空間フィルタ13、受光手段としての光電変換器
(ディテクタ)15a、15b及び基準信号発生用の光
電変換器14とを有している。ここで、この受光光学系
104について、上記構成各部の作用とともに説明す
る。
【0079】前述したような干渉縞によって照明された
格子マークMGjから発生した第1、第2の合成光束
A、Bは、対物レンズ11、ビームスプリッタ10を通
過してそれぞれ光電変換器(ディテクタ)15a、15
bに入射し、その光量信号は電気信号IA、IBに変換
される。この光電信号IA、IBは、レーザ光源LS
1、LS2の交互の点灯により、波長λ1 の光束による
信号と波長λ2 の光束による信号とが、交互に現れる。
そして各波長での信号は、上記の干渉縞が格子マークM
Gj部分を照射する間、いずれもビート周波数2・Δf
と同じ周波数で変化する正弦波となる。
【0080】一方、コリメータレンズ5の方からビーム
スプリッタ10を透過した光束(送光ビーム±LF)
は、集光レンズ(フーリエ変換レンズ)12に入射す
る。そして、透過型の参照格子SG上に重畳して照射さ
れる。ここでも参照格子SGはコリメータレンズ5と集
光レンズ12との合成系に関して回転ラジアル格子板R
RGと共役に配置されている。このため参照格子SG上
にも1次ビーム±LFの2光束干渉による1次元の干渉
縞が形成され、それはビート周波数2・Δfに対応した
速度で移動する。
【0081】そこで、参照格子SGの周期とその干渉縞
の周期とを適当に定めると、参照格子SGから発生した
±1次回折光が同一方向に干渉ビームBmsとなって進
み、それは空間フィルタ13を透過してディテクタ14
に受光される。このディテクタ14の光電信号Imsも、
ビート周波数2・Δfと同じ周波数の正弦波となり、そ
の信号Imsがヘテロダイン方式の基準信号となる。もち
ろんこの基準信号Imsも、レーザ光源LS1、LS2の
交互の点灯により、交互に波長λ1 の光束による信号と
波長λ2 の光束による信号とに変化する。
【0082】なお、以上説明した本実施例の位置検出機
構系110では、光源として半導体レーザを用いるが、
この場合半導体レーザ(LS1 、LS2 )と各ミラー
1、2とのそれぞれの間に非点収差除去用の整形光学系
(傾斜した複数枚の平行平板ガラス等)を設け、1本に
合成されたビームLB0 の各波長成分毎の光束成分をほ
ぼ等しい径にするのが好ましい。
【0083】図4には、位置検出装置100を構成する
位置検出回路120の一例が示されている。この位置検
出回路120は、位相差検出回路SAと、検出位置補正
回路CAと、重み付けEGA処理回路WEGAとを含ん
で構成されている。ここで、この位置検出回路120を
構成する各回路の役割を簡単に説明する。
【0084】本実施例のようなヘテロダイン方式の場
合、前述の如く、上記の干渉縞が格子マークMGj部分
あるいは、基準マークFGを照射するとき、各光電信号
IA、IB及びImsは、いずれもビート周波数2・Δf
と同じ周波数の正弦波となる。これらの信号の一例が図
5に示されている。
【0085】この内、図5(1)は、ディテクタ15a
の出力である、第1の合成光束中の光量信号IAを示
し、同図(2)はディテクタ15bの出力である光量信
号IBを示す。また、同図(3)はディテクタ14の出
力である基準信号Imsを示す。これらの信号の間には基
準信号Imsを基準として、ΔA、ΔBの位相差が存在す
る。そしてこれらの位相差量は、格子マークMGjの位
置及び段差量に対応したものとなっている。またレーザ
光源を多波長化した場合、これらの信号の位相関係(Δ
A、ΔB)やその振幅(最大値AMAX,BMAX,最小値AMI
N,BMIN )の値は光源波長毎に異なったものとなる。
【0086】図4の位置検出回路120においては、位
相差検出回路SAにより、まずこれらの位相差ΔA、Δ
Bが検出される。この位相差を格子マークMGjの位置
に変換するには、N・Pmg/(2π)倍(Nは前述の如
く格子マークMGjの周期Pmgと格子マークMGj上に
形成する干渉縞の振幅の周期の比の倍)すれば良いが、
従来技術の説明の項で述べたとおり、「0N次法」で
は、これら2つの位相差からそれぞれ求めた検出位置の
平均値が、各波長についての格子マークMGjの検出位
置であるので、位相差検出回路SAは平均値ΔXnとし
て、
【数3】 ΔXn={ΔAn・N・Pmg/(2π)+ΔBn・N・Pmg/(2π)}/2 …………(3) を出力する。ここで添字nは、検出光の波長の区別を表
す。すなわちレーザ光源が多波長である場合には各波長
(λn )毎にこれを検出する。具体的には、図2中のレ
ーザ電源3より発生するレーザ点灯信号L0 がレーザL
S1 の点灯を示す間に取り込んだ信号IA、IB、及び
Imsより求めた検出位置がΔX1 であり、レーザLS2
の点灯を示す間に取り込んだ信号IA、IB、及びIms
より求めた検出位置がΔX2 である。
【0087】さらに、位相差検出回路SAは、各入力信
号IA、IB、及び不図示のコンソール等から入力した
格子マークMGjの凹部、凸部の各幅a,bに基づいて
格子マークMGjの段差相当量δn を、真の段差を波長
λn の検出光束の格子マークMGjの表面近傍での波長
λrnの半分λrn/2で除した剰余である光の位相量とし
て算出する。格子マークMGjの表面近傍での波長λrn
とは、例えば格子マークMGjが、レジストやガラス
(PSG)等の透明物質で覆われている場合には、その
透明物質(媒体)中での波長を意味し、格子マークの表
面がむき出しになっている場合には、空気中の波長、す
なわちλn そのものを意味する。また、段差相当量δn
の算出アルゴリズムは本発明(実施例)の特徴であり、
その詳細については後述する。
【0088】ところで、上記の検出位置ΔXn とは基準
信号Imsに対する位置ずれ(位相ずれ)量を検出したも
のであり、ウエハW上の格子マークMGjそのものの位
置を検出したものではない。従って、基準信号Imsから
求める上記位置ずれ量と、ウエハW上の位置を対応させ
るには、ウエハW上又はウエハステージWST上に位置
基準が必要である。
【0089】前述した基準マークFGは、この位置基準
となるマークであり、ウエハW上の格子マークMGjの
位置検出に先立って、先ず基準マークFGの位置を検出
し、基準信号Imsから求める上記位置ずれ量と、ウエハ
ステージWST上の位置との関係を求めておく(ベース
ラインチェック)。具体的には、先ず、基準マークFG
が位置検出ビーム±LF照射位置に位置するようウエハ
ステージWSTを移動する。このウエハステージWST
の移動は、主制御装置106によりレーザー干渉計17
の出力をモニタしつつ駆動系16を介して行なわれる。
【0090】そして、位相差検出回路SAでは上記のよ
うな位置検出を基準マークFGに対して行ない、基準信
号Imsに対する基準マークFGの位置ΔFXn を求め
る。検出位置補正回路CAは、この各波長毎の検出位置
ΔFXn と、このときのレーザー干渉計17の出力LFG
を不図示のメモリに記憶する。この場合において、各波
長での干渉縞の位置がウエハW(及び基準マークFG)
上で完全に一致するように光学系が調整されていれば、
ΔFXn は各波長λn で等しくなる。
【0091】次に、主制御装置106により格子マーク
MGjの各設計座標値(Xj,Yj)に基づいてウエハ
ステージWSTが移動され、ウエハW上のM個の格子マ
ークMGjの位置検出が順次行なわれるが、検出位置補
正回路CAは、そのステージ位置でのレーザー干渉計1
7の出力LMGj と、メモリに記憶した基準マークFG検
出位置での出力LFGの差に、各波長毎の検出結果ΔXn
を加え、さらに上記ΔFXn を引いた値Xjn'を、j番
目の格子マークMGjの各波長λn での検出位置 とし
て出力する。また、上記の段差相当量δn についても、
j番目の格子マークMGjの各波長λn での検出段差相
当量δjnとして出力する。
【0092】以上により求まった検出位置ΔXjn' 、段
差相当量δjnをもとに、重み付けEGA処理回路WEG
Aは、ウエハW上のM個の格子マークMGjの「配列座
標系」を算出する。この配列座標系とは、従来のEGA
と同様、6個のパラメータSx ,Sy ,Rx ,Ry ,O
x ,Oy により表される座標変換系であるが、その算出
方法の詳細は後述する。
【0093】なお、これまでの説明では、説明の簡略化
のために、検出方向がX方向の各格子マークMGjにつ
いて、X方向についてのみ位置検出を行なうものとした
が、一般にアライメント装置は、2次元の位置検出が必
要であり、実際には、露光装置200では上記と同様の
位置検出装置(不図示)がY方向用としても設けられて
おり、当然ながらこの位置検出装置を用いてY方向の位
置についてもY方向の格子マークの位置検出を行なうよ
うになっている。
【0094】次に、本実施例の特徴である、格子マーク
MGjの段差量の検出原理及び方法について説明する。
【0095】図6には、格子マークMGjの一例が拡大
して示されており、凹部の幅がa、凸部の幅がb、両部
間の段差はhであるとする。なお、図6及び以下の説明
では、簡略化のために格子マークMGj上にレジストは
塗布されていない、すなわちλrn=λn となっているも
のとする。また、凹部、凸部のそれぞれの波長λ(λは
上記λn (n=1,2)のいずれか)の検出光に対する
振幅反射率は、φa 、φb であるとする。なお、このと
きに振幅反射率φa 、φb は、深さ方向に(図6中上下
方向に)同一位置の面内での反射光の振幅を表わすもの
とする。具体的に説明すれば、この基準面を格子マーク
MGjの凸部の表面とすると、例えばφa は、凹部表面
での振幅反射率に、段差hの往復光路差(位相差)に相
当する因子、すなわちexp(4πih/λ)を掛けた
ものとなる。φb についても同様であるが、ここではマ
ークMGjの凸部表面を基準面としているので、光路差
(=0)の因子はexp(4πi0/λ)=1となる。
従って、φa とφb の位相差が求まれば、段差量hを求
めることができる。
【0096】一般に、図6中の凹部、凸部のそれぞれか
ら発生する回折光の回折方向に対する振幅分布は、si
nc関数として表される。例えば、幅aの凹部から発生
する回折光の振幅分布は、図6の段差パターンの周期方
向に対して、
【数4】 ψA(u) = φa・sin(πau)/(πu)………(4) となる。ここでuは、回折角Θに対し、
【数5】 u = sinΘ/λn ………(5) であり、同様に幅bの凸部から発生する回折光の振幅分
布は、
【数6】 ψB(u) = φb・sin(πbu)/(πu) (6) である。これらは、u=0(0次回折光)では、それぞ
れ、a・φa 、b・φbとなる。
【0097】そして、凹部,凸部が、図7の如くピッチ
Pで周期的に並んだパターンからの回折光の振幅分布
は、
【数7】 ψ(u) ={ψA(u) +ψB(u)・exp(πiPu)}×Pir(u) ……(7) Pir(u) = sin(lπPu)/ sin(πPu) ……(8) (lは周期的格子マークMGjの繰り返しの数(整
数))となる。(7)式の導出に際し、凹部の中心を回
折光の位相の基準としたが、勿論凸部の中心を基準とし
てもかまわない。
【0098】上記のPir(u)は、回折格子の「周期
項」と呼ばれるものであり、格子マークMGjの繰り返
し数lが大きければ、K次回折光に相当する、u=K/
P(Kは整数)でのみ0でない値lをもち、それ以外で
はほとんど0となる。本実施例においては格子マークM
Gjからの0次回折光とN次回折光のみを使用するの
で、Pir(u)を一定値(l)としてよい。また、
(7)式中の exp(πiPu)は、0次回折光(u=
0)に於ては1となり、±N次回折光(u=±N/P)
に於ては(−1)N となる。これより、図6に示される
ような格子マークMGjから発生する0次及びN次回折
光、ψ0 、ψN は、それぞれ、
【数8】 ψ0 =a・φa +b・φb ………(9) ψN =a'・φa +(−1)N・b'・φb ………(10) a' =P・sin(Nπa/P)/π ………(11) b' =P・sin(Nπb/P)/π ………(12) となる。
【0099】このように、回折光振幅ψ0 、ψN が、振
幅反射率φa 、φb から導出される過程を、複素数の極
座標で表示したものが図7である。なお、図7中では、
簡略化のためにφa を実数(Real軸上)としているが、
φa 、φb 間の位相差(4πh/λ=ωとする)が不変
であれば、φa を複素数としても導かれる結果は変わら
ない。また図7では、簡略化のためにN=1の場合のみ
が図示されているが、以下の議論は2以上のNについて
も同様に成り立つものである。
【0100】図7(1)は、振幅反射率φa 、φb よ
り、0次回折光振幅ψ0 が決定されることを表し、図7
(2)は、振幅反射率φa 、φb より、1次回折光振幅
ψ1 が決定されることを表す。前述の如く振幅反射率φ
a と振幅反射率φb の間の位相差はωであるとしてい
る。図7(3)は、同図(1)、(2)より得られたψ
0,ψ1 を同一の極座標上に書き表したものであり、図中
のψ0 とψ1 の位相差(0次回折光と1次回折光の位相
差)Δは、図5の合成光束A、Bの光量信号IA、IB
の「位相差」(すなわちΔB−ΔA)の半分の量に等し
い。すなわち、光量信号IAn 、IBn から測定できる
量である。もちろん、これはN=1の場合のみに限った
ことではなく、任意のN(ψN )で正しい。
【0101】また、ψN とψ0 の大きさの比(|ψN
|:|ψ0 |)についても上記の合成光束の光量信号I
An ,IBn から測定することが可能である。両信号I
An 、IBn の最大値AMAXn、BMAXnは、ψ0 とψN が
同位相で振幅加算された状態での強度であり、最小値A
MINn、BMINnは、ψ0 とψN が逆位相で振幅加算された
状態での強度であるから、
【数9】 AMAXn≒BMAXn≒(|ψ0 |+|ψN |)2 ………(13) AMINn≒BMINn≒(|ψ0 |−|ψN |)2 ………(14) となる。また、両信号のコントラストγは、
【数10】 γ=(AMAXn−AMINn)/(AMAXn+AMINn) =2・|ψ0 |・|ψN |/(|ψ0 |2 +|ψN |2 )……(15) であるから、コントラストγを計測すれば、(15)式よ
り、
【数11】 |ψN |=β・|ψ0 | ………(16) β={1±√(1−γ2 )}/γ ………(17) となって、比βが求まる。式(17)中の±は、一義的に
は決定できないが、一般にN次回折光の強度は0次回折
光よりも弱いので、−(マイナス)の方を採用する。そ
して、これによりψN を、
【数12】 ψN =β・ψ0 ・exp(iΔ) ………(18) と表すことが可能となる。
【0102】以上のΔ及びβが求まると、上記の、振幅
反射率から回折光振幅を導出した過程を逆にたどり、回
折光振幅ψ0 、ψN から、格子マークMGjの振幅反射
率φa 、φb を求めることができる。具体的には、既知
となったパラメータをもとに、式(9)、(10)からな
る連立方程式を解けばよい。
【0103】一般に半導体集積回路の加工において、パ
ターン線幅の制御性は優れている。従って、格子マーク
MGjの凹部、凸部の幅a、bは、ほぼ設計値通りとな
っており、即ち既知である。そして、凹部、凸部の幅
a、bより算出されるa',b'も同じく既知である。こ
のため、式(9)、(10)からなる連立方程式中で、未
知の変数(計測されていない変数)はφa 、φb のみで
あり、従って連立方程式をφa 、φb について解くこと
ができる。その結果、
【数13】 φa ={b'・ψ0 −(−1)N・b・ψN } /C ………(19) φb =(a'・ψ0 −a・ψN )/C ………(20) (C=a・b' −(−1)N・a'・b)を得る。(ψN
には、式(18)が代入される。) 式(19)、(20)中で、ψ0 の位相は既知ではないが、
最終結果としてφa とφb の位相差(=ω)が分かれば
良いので、ψ0 の位相(Real軸とのなす角)は任意の値
であって構わない。
【0104】以上により、式(19)、(20)から、φa
、φb の値(複素数)が求まる。そして、φa 、φbの
実数部、虚数部から両者それぞれの位相(ωa、ωb)が
求まる。即ち、
【数14】 ωa = tan-1{Im(φa)/Re(φa)} ………(21) ωb = tan-1{Im(φb)/Re(φb)} ………(22) である。そして、両者の差ωb −ωa =ωとして、φa
、φb の位相差ωが求まる。位相差ωは、その絶対値
として最大で4π[rad] までの値をとり得るが、三角関
数(tan-1 )の周期性から、ωの値が2πを越える場
合、ω−2πをωとし、ωの値が負であるときには、ω
が正になるまで2πを加えたものをωとする。
【0105】この位相差ωは、前述の如く段差hの往復
光路差(位相差)に相当するものであり、
【数15】ω=4πh/λ、すなわち、 h=ω・λ/(4π) ………(23) の関係より、最終的に段差hを求めることができる。但
し、ここでの段差hは、上記のωの決定方法より、0か
らλ/2の範囲となる。すなわち、真の段差に対して、
検出光束の半波長で剰余をとったもの(以下、「h’」
とする)となる。
【0106】なお、以上の説明は図6の如くレジストに
覆われていないマークに対するものであったが、レジス
トやガラス(PSG)等の透明膜に覆われたマークにつ
いても上記論理はほとんどそのまま適用できる。但し、
上記論理中で振幅反射率はφa 、φb は、透明膜とマー
ク表面との多重干渉を考慮したものとし、(23)式中の
波長λは、透明膜中の波長(空気中の波長を透明膜の屈
折率で割った値)であるとすれば良い。
【0107】本実施例においては、以上の原理により、
格子マークMGjの段差量を計測する。すなわち、図4
中の位相差検出回路SAは、まず前述の位置検出時に求
めた各光量信号IA、IBの基準信号Imsとの位相差Δ
A、ΔBの差の半分の量Δを算出する。次に、位相差検
出回路SAでは内部の不図示のピークホールド回路及び
ボトムホールド回路により、両信号の最大値AMAXn、B
MAXn、及び最小値AMINn、BMINnを検出し、これよりそ
れぞれの信号のコントラストγを算出する。なお、両信
号のコントラストは段差パターンによほどの非対称性が
ない限り等しいが、もし異なる場合はその平均値を採用
する。
【0108】位相差検出回路SAは、さらにコントラス
トγと式(17)からψN とψ0 の大きさの比βを求め、
このβと上記位相差Δと式(18)からψN とψ0 の正確
な(複素数としての)関係を求める。
【0109】そして、位相差検出回路SAは、例えばコ
ンソール(不示図)からオペレーターが入力する等の手
段により与えられた、格子マークMGjの凹部、凸部の
各幅a、b及び周期Pの値と式(11)、(12)とを用い
てa'、b' の値を算出し、これを式(19)、(20)に
代入し、φa 、φb の値(複素数)を算出する。そし
て、さらに式(21)、(22)より、φa 、φb のそれぞ
れの位相ωa 、ωb を求め、その差ωを前述の如く算出
する。なお、一般にはウエハ上の複数個の格子マークM
Gjの凹部、凸部の各幅a,bは、すべてのマークで等
しい値である。
【0110】この位相差ωより、前述の如く(23)式か
ら、段差h’を求めることももちろん可能である。しか
し、重み付けEGA回路WEGAにおいては、検出位置
補正回路CAによる各格子マークMGjの(あるいはさ
らに各波長毎の)検出位置ΔXjn' に対する重み付け
を、段差量そのものではなく、段差量の各検出波長に対
する位相量に基づいて行なうので、位相差検出回路SA
からの出力値は、段差h’よりも、その位相量である方
が好ましい。その位相量δn とは、段差hの往復の位相
量ωの半分(δn =ω/2)である。この位相量δn も
真の位相量に対して、検出光の半波長相当の位相差
(π)で剰余をとったものとなる。
【0111】もちろん、重み付けEGA回路WEGAに
おいて、上記検出位置ΔXjn' に対する重み付けを、段
差量そのものに基づいて行なってもよく、その場合には
位相差検出回路SAの出力値を、段差h’とすればよ
い。しかし、(23)式から求まる段差h’は、格子マー
クMGがレジスト等で覆われていると、レジスト等の屈
折率(格子マーク近傍での屈折率)の影響を受けるが、
δ=ω/2の関係は、レジストの屈折率の影響を受けな
いので、上記選択は、位相量δn に基づいて行なった方
がよい。
【0112】但し、(23)式による段差h’の算出時
に、波長λとして真空中の波長を使用するなら、h’は
段差量としては正確な値ではないが、位相量δn と同じ
くレジストの屈折率の影響を受けなくなる。
【0113】以上の説明では、格子マークMGjの例と
して、図6の如く、凹部と凸部の境界(側壁)が垂直な
マークについて段差相当量を検出する場合について説明
したが、側壁にテーパーのあるようなマークであって
も、もちろん高精度な段差検出が可能である。この場
合、入力する凹部、凸部の各幅a、bは、a+b=Pで
はなくなるが、上記と同様これらa、bの値に基づいて
マーク段差を算出すれば良い。
【0114】次に、本実施例の重み付けEGA処理回路
WEGAについて説明する。
【0115】この重み付けEGA処理回路WEGAは、
上で説明した格子マークMGjの検出位置ΔXjn'、段
差相当量δjnをもとに、ウエハW上のM個の格子マーク
MGjの「配列座標系」を算出する。なお、従来のEG
Aにおいても同様であるが、一般にウエハ上にステッパ
−等を用いて露光形成された微細パターンの各ショット
領域の配列精度は極めて良好であり、M個の格子マーク
の配列座標系すなわち、このM個の格子マークMGj
(j=1,2,………,M)を含むMショットの配列座
標系は、全ショットの配列座標系とほとんど等価である
と考えてよい。
【0116】本実施例の重み付けEGA処理回路WEG
Aは、各格子マークMGjの上記各検出位置ΔXjn' 及
び各設計座標値(Xj ,Yj )の統計処理において、各
検出位置Xjn' に含まれると推定される検出誤差に、逆
比例するような重み付けを行なう。検出誤差の推定は、
前述した「検出光束のレジスト中波長の(2m+1)/
4倍のマーク段差では、検出誤差が極めて小さくな
る。」という原理に基づいたもので、格子マークMGj
の各波長λn による検出段差相当量δjnが、π/2[ra
d] (検出光束の波長λn の1/4に相当(m=0:段
差相当量δjnは、半波長の剰余なのでm>0は考慮しな
くて良い)に近いか否かによって行ない、その格子マー
クMGjでの重み量を決定する。
【0117】この結果、最終的な配列座標系には、より
検出誤差の少ないマークの(及び波長での)検出位置が
より大きく反映され、検出誤差の大きなマークの(及び
波長での)検出位置(検出誤差)はあまり影響を及ぼさ
なくなるため、従来の重み付けを行なわない方法により
得られた配列座標系に比べより高精度なものとなる。
【0118】上記重みWjn(j番めのマークの波長λn
での位置検出結果Xjn' に対する重み)としては、例え
【数16】 Wjn=cos(δjn−π/2) …………(24) や、
【数17】 Wjn=[1+cos{2・(δjn−π/2)}]/2 …………(25) を使用する。もちろんウェイトWjnは、上記以外にもδ
jnがπ/2近傍で大きく、π/2から離れる程小さくな
るものであればどのようなものであっても良い。
【0119】一般に、EGAでは、前述の如きj番めの
X方向計測用の格子マークMGjの設計位置(Xj ,Yj
)、及びそのX方向の検出位置をXjn'との間に、
【数18】 Xjn' =Sx・Xj+Rx・Yj+Ox+ΔXjn …………(26) なる線型な関係を当てはめ、この時の残差ΔXjnの2乗
和(j及びnについての和)が、最小になるように(最
小2乗法)、パラメータSx,Rx,Oxの各値を決定す
る。また、同様にk番めのY方向計測用の格子マークM
Gkの設計位置を(Xk ,Yk )、そのY方向の検出位
置をYkn' として、これらの間の関係、
【数19】 Ykn' =Ry・Xk+Sy・Yk+Oy+ΔYkn …………(27) から、残差ΔYknの2乗和が最小となるようにパラメー
タSy,Ry,Oyの各値を決定する。ここで、Sx 、Sy
はそれぞれX、Y方向へのマーク位置の(すなわちウ
エハの)伸縮量であり、Rx、Ryは、マーク位置の(す
なわちウエハの)回転量である。この回転量Rx、Ry
は、厳密に言えば、EGAに先立って行なわれるレチク
ルRとウエハWのグローバルアライメント(回転位置合
わせ)時の残存回転量と、ウエハ配列座標系の直交度誤
差と、上記Sx 、Sy との関数であるが、ここでは、説
明の簡略化のため、回転量Rx、Ryとする(このように
考えても結果的な差異はない)。
【0120】以前(前層)の露光工程でのパターンニン
グ(露光転写)は、回路パターンもマークも、もちろん
設計値通りに行なわれている。しかし、露光後の熱プロ
セス等により、ウエハに伸縮などが発生したり、前述し
たグローバルアライメントの精度等に起因してこれらの
線型誤差が生じるわけである。
【0121】残差ΔXjnの2乗和とは、
【数20】 ΣΔXjn2 =Σ(Xjn'−Sx・Xj−Rx・Yj−Ox)2 …………(28) であり、これを最小とするパラメータSx,Rx,Ox
は、
【数21】 ∂ΣΔXjn2 /∂Sx =0 …………(29) ∂ΣΔXjn2 /∂Rx =0 …………(30) ∂ΣΔXjn2 /∂Ox =0 …………(31) (偏微分値が0、即ち極小値)より、求めることができ
る。同様にして、(27)式で表されたY側のパラメータ
Sy,Ry,Oyも求めることができる。
【0122】従来のEGAではこれらのパラメータの決
定に際し、各マークの検出誤差を考慮するようなことは
なかったが、本実施例においては前述のマークの段差相
当量δjnにより決まる重みWjnにより、各マークの検出
誤差を考慮(重み付け)して各パラメータの決定を行な
う。具体的には(28)式の代わりに、
【数22】 ΣΔXjn2 =Σ{Wjn・(Xjn'−Sx・Xj−Rx・Yj−Ox)2 }……(32) を用いて、残差ΔXjnの重み付け2乗和を算出する。こ
れにより、重みWjnの大きな検出値Xjn' は、偏微分に
よるパラメータSx,Rx,Ox の決定に際しても大きな
「重み」を持つこととなる。パラメータSx,Rx,Ox
は、この新たな値をもとに、(29)〜(31)式から求め
るが、その方法は従来のEGAと同様である。
【0123】また、上記(29)〜(31)式は、以下の行
列式、
【0124】
【数23】
【0125】と等価であるので、上記の行列式(34)を
解くことにより、パラメータSx,Rx,Ox が求まるこ
とも従来のEGAと同様である。もちろん、行列式の中
に重みWjnが含まれる点は従来のEGAとは異なる。
【0126】同様に、Y側のパラメータSy,Ry,Oy
についても上記と同様に重み付けした2乗和
【数24】 ΣΔYkn2 =Σ{Wkn・(Xkn'−Ry・Xk+Sy・Yk+Oy)2 }……(35) をそれぞれ偏微分することにより決定する。
【0127】以上により、パラメータSx,Sy,Rx,Ry,
Ox,Oy が決定され、これらのパラメータによって、ウ
エハW上の各露光ショットの配列が推定さる。即ち、各
ショット領域の設計位置が(Xe,Ye)であるとすると
き、(26)式、(27)式に従って、各ショット領域の実
際の位置(Xe',Ye')が、
【数25】 Xe'=Sx・Xe+Rx・Ye+Ox ………(36) Ye'=Ry・Xe+Sy・Ye+Oy ………(37) として算出される(検出される)。
【0128】次に、本実施例の露光装置200による重
ね合わせ露光時の処理の流れについて、簡単に説明す
る。
【0129】前提として、ウエハW上には、前層露光時
に所定のショット領域(微細パターン領域)及び各ショ
ット領域に付随するX方向位置計測用の格子マーク及び
Y方向位置計測用の格子マークが既に形成され、現像等
の処理の後、ウエハステージWST上にウエハが搭載さ
れ、前述したグローバルアライメントは完了しているも
のとする。
【0130】 まず、最初に、前述したベースライン
計測を行なう。ここで、ベースライン量とは、レチクル
Rの中心CCr のウエハ側への投影点(ほぼ光軸AX上
に一致している)と、図1に示される位置検出機構系1
10の検出中心点Rf4のウエハ側への投影点との間の
X、Y方向の位置関係にほかならない。その位置関係
は、基準マーク板FPの対応したマークFGと、検出中
心点Rf4の投影点との位置ずれ量を位置検出装置100
で検出するとともに、その時のウエハステージWSTの
座標位置をレーザ干渉計17によって検出することで求
めることができる。
【0131】 次に、ウエハW上の複数のショット領
域の中の特定の数箇所、例えば8〜15箇所のショット
領域にそれぞれ付設された格子マークから成るX方向、
Y方向それぞれの位置検出用のアライメントマークの位
置及び段差相当量をX、Y方向位置検出用の位置検出装
置100をそれぞれ用いて、前述した如く、各波長毎に
求める。
【0132】 次いで、位置検出装置100の位置検
出回路120では、これらの検出位置のデータ、検出段
差相当量、マークの設計値のデータ、ショット配列の設
計値のデータ等から前述した重み付けEGA処理を行な
って、ウエハ上の全てのショット領域の配列座標系を求
め、メモリに格納して置く。
【0133】 そして、実際の露光の際には、ステッ
プ・アンド・リピート方式でステッピングと露光を繰り
返す。このステッピングの際に、主制御装置106によ
り、メモリに格納されたショット配列座標に従って、レ
ーザ干渉計17の出力をモニタしつつ駆動系16を介し
てウエハステージWSTの2次元移動が行なわれ、ウエ
ハW上のショット領域が順次投影光学系PLのイメージ
フィールド内に位置決めされる。
【0134】この場合、演算された配列座標に従って、
ウエハステージWSTの2次元移動を行なうだけで、各
ショットがレチクルRとアライメントされる。そして、
各位置決め位置で不図示の露光光源からの露光光により
レチクルRが照明されると、レチクルの回路パターンが
各ショット領域に重ね合わせ露光される。
【0135】これまでの説明から明かなように、本実施
例では、位相差検出回路SAによって段差検出手段が構
成され、位相差検出回路SAと検出位置補正回路CAに
よって位置検出手段が構成され、重み付けEGA回路W
EGAによって演算手段が構成されている。
【0136】以上説明したように、本実施例によると、
EGAによるショット配列の算出に際し、各アライメン
トマーク(格子マーク)の位置検出の誤差の程度を、各
マークの段差相当量に基づいて推定し、この誤差の程度
に応じて重み付けをして最小2乗法を用いた統計的処理
によりショット配列の座標系を算出しているので、この
算出された配列座標系に従ってウエハステージWSTの
2次元移動が行なわことにより、結果的に、従来に比べ
て高精度な重ね合わせが可能となる。
【0137】また、本実施例によると、複数波長のそれ
ぞれについて格子マークの位置検出、段差相当量の検出
を行なっているので、それぞれの波長での位置検出結果
及び段差検出結果を用いて、上記重み付けEGAの処理
が行なわれ、この際に重み付けは、各格子マークに対す
る各波長の優劣(段差対波長の関係)に対しても行なわ
れ、より一層高精度な重ね合わせが可能となる。
【0138】しかしながら、本発明が必ずしも上記実施
例のような多波長レーザ光源を使用する場合に限定され
ることはなく、単一波長の光源を使用しても良い。単一
の波長による検出結果を使用する場合、重み付けは各格
子マークの検出結果そのものに対して、すなわちウエハ
面内での各格子マークの段差量の加工精度バラツキや、
レジストの塗布ムラに対して行なわれることになる。
【0139】なお、上記実施例では、複数の波長の光束
を交互に格子マークに照射して位置検出を行なう場合に
ついて例示したが、本発明がこれに限定されるものでは
なく、例えば、格子マークMGに対し、複数波長の光束
を同時に照射し、受光部においてダイクロイックミラー
を用いて第1、第2の合成光束を波長毎に分離し、各波
長毎に別々に設けたディテクタによりそれぞれ受光する
ようにしてもよい。このようにした場合には、受光光学
系や信号処理系が多少複雑になるものの、各波長につい
ての検出を同時に行なえるため、計測時間が短くて済む
というメリットがある。
【0140】また、上記実施例では、段差検出におい
て、ψN とψ0 の大きさの比の算出は、光量信号IAn
,IBn のコントラストから算出するものとしたが、
本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、N次
回折光と0次回折光の光量比自体を測定し、その平方根
を用いてもよい。
【0141】N次回折光と0次回折光の光量比の検出方
法としては、例えば、図2中の光束選択部材6の近傍
に、送光ビーム±LFの少なくともどちらか一方を遮光
可能なシャッタを設け、上述の位置検出の終了後、また
は開始前に、このシャッタにより±LFのどちらか一方
を遮光し、このときにディテクタ15a、15bより得
られる光量信号IA,IBの各強度比を求めればよい。
このときには、格子マークMGに入射するビームは、各
波長につき一本であるから、それぞれの光量信号IA,
IBには、ビートはなく、DC信号となっている。そし
て、前記シャッタにより例えば送光ビーム−LFを遮光
した場合、ディテクタ15aには、送光ビーム+LFの
格子マークMGによる0次回折光のみが入射し、光量信
号IAは各波長での0次回折光の光量を示し、ディテク
タ15bには、送光ビーム+LFの格子マークMGによ
る1次回折光のみが入射し、光量信号IBは各波長での
N次回折光の光量を示すことになる。
【0142】なお、このようにどちらか一方の送光ビー
ムを遮光すると、位置検出、段差量検出はともに不可能
となる。また、一般にシャッタの開閉には、かなりの時
間を要するので、各レーザ光源LS1、LS2の各点灯
中にシャッタを開閉するのではなく、シャッタを開きレ
ーザ光源LS1、LS2を交互に点灯し、光量信号光I
A,IBをそれぞれ受光した後、シャッタを閉じてレー
ザを再び交互点灯し各波長毎の0次回折光とN次回折光
の光量を計測すると良い。
【0143】このように、0次回折光とN次回折光の光
量を直接計測する方式では、(17)式の符号の決定に関
する不確定さが残る前述のコントラストからの算出法に
比べ、ψN とψ0 の大きさの比をより正確に測定するこ
とができる。
【0144】なお、上記実施例では、説明を簡略化する
ために、周波数シフターとして回転ラジアル格子板RR
Gを用いる場合を例示したが、本発明がこれに限定され
るものではなく、周波数シフターとして2つの音響光学
変調器(AOM)を用いたり、中心波長λ1 で発振する
第1のゼーマンレーザ光源と中心波長λ2 で発振する第
2のゼーマンレーザ光源とを光源として用いてもよい。
また、各種ダイクロイックミラーはプリズム等の分散素
子に置き換えてもよい。
【0145】また、上記実施例では、2つの波長の検出
光を用いる場合を例示したが、2波長に限らず任意の複
数波長の検出光を用いてもよい。
【0146】なお、上記実施例では、位置検出用入射ビ
ーム±LFのそれぞれで周波数を異ならせるヘテロダイ
ン方式を採用した場合、換言すれば、格子マークと干渉
縞とを周期方向に相対走査する相対走査手段を、波長の
異なる複数組の可干渉な光ビームの対うちの、第1の光
ビームの周波数と第2の光ビームの周波数とを僅かに異
ならせ、これにより形成される干渉縞を格子マーク上で
周期方向に等速度で移動させる手段(回転ラジアル格子
板)により構成した場合を例示したが、本発明がこれに
限定されるものではない。例えば、入射ビーム±LFの
周波数を等しくし(ホモダイン方式)、代わりに位置検
出時にウエハステージWSTを検出方向に走査させる方
式を採用し、このウエハステージWSTにより格子マー
クと干渉縞とを周期方向に相対走査する相対走査手段を
構成しても良い。この場合にも、各信号はウエハステー
ジWSTの走査スピードに比例した等しいビート周波数
を持つ正弦波となり、上記と同様の検出が行なえる。か
かるホモダイン方式では、周波数シフター(回転ラジア
ル格子板RRG等)が不要で、送光光学系が簡素化され
るというメリットがある。
【0147】一方、ヘテロダイン方式では、検出中はウ
エハステージWSTを停止させて置けばよく、ヘテロダ
インによる高S/N化の他にも、ウエハステージWST
を等速で走査させるための制御機構が不要であること、
また、検出中に、ウエハステージWST位置をモニタす
るレーザ干渉系22の出力(LFG,LMG)の揺らぎ(主
に空気揺らぎ)を平均化できるというメリットもある。
【0148】なお、上記実施例中で説明した位置検出回
路120及び主制御装置106の機能は、実際には、ソ
フトウェアにより実現可能であり、従って、単一のコン
ピュータによってこれらを構成することも勿論可能であ
る。
【0149】また、上記実施例では、オフアクシスアラ
イメント検出系に本発明に係る位置検出装置が適用され
る場合について説明したが、その他のスルーザレンズ
(TTL)アライメント検出系やスルーザレチクル(T
TR)アライメント検出系にも本発明の位置検出方法及
びその装置は、同様に適用できるものである。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
「干渉式アライメント」において、格子マークの位置の
みならず、その段差相当量をも検出することが可能とな
り、この格子マークの段差相当量に基づいて、その格子
マークの検出位置に伴う検出誤差を推定することができ
る。そして、格子マークを複数個検出し、それぞれの検
出位置にそれぞれの検出誤差に逆比例するような重みを
つけて、マーク検出位置とマーク及び微細パターンの配
列座標の設計データを用いた統計処理(重み付けEG
A)をすることから、基板上の全ての微細パターンの位
置(配列座標系)を従来に比べてより高精度に検出する
ことができるという効果がある。
【0151】特に、請求項3、請求項10に記載の発明
では、上記の微細パターンの配列座標系の検出結果(算
出結果)に基づいて重ね合わせ露光するため、従来に比
べより高精度な重ね合わせ(アライメント)が可能とな
る。
【0152】さらに、請求項2、請求項8、9に記載の
発明のように、干渉式アライメントの検出光束を複数波
長化することで、さらに高精度な微細パターンの位置検
出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る露光装置の構成を示す図であ
る。
【図2】図1の位置検出装置を構成する位置検出機構系
の概略構成を示す図である。
【図3】回転ラジアル格子板による回折ビームの発生の
様子を示す斜視図である。
【図4】図1の位置検出装置を構成する位置検出回路の
一例を示すブロック図である。
【図5】(1)は図1のディテクタ15aの出力である
光束Aの光量信号IAを示す線図、(2)はディテクタ
15bの出力である光量信号IBを示す線図、(3)は
ディテクタ14の出力である基準信号Imsを示す線図で
ある。
【図6】格子マークMGの一例を拡大して示す図であ
る。
【図7】回折光振幅ψ0 、ψN が振幅反射率φa 、φb
から導出される過程を、複素数の極座標で表示する図で
あって、(1)は振幅反射率φa 、φb より、0次回折
光振幅ψ0 が決定されることを表す図、(2)は振幅反
射率φa 、φb より、1次回折光振幅ψ1 が決定される
ことを表す図、(3)は同図(1)、(2)より得られ
たψ0,ψ1 を同一の極座標上に書き表した図である。
【図8】本発明着想の起因となったシミュレーションの
結果の一例を示す図であって、(1)はマーク段差h
が、50、100 、150 、200nm の場合の結果を横軸レジス
ト厚d[μm]、縦軸位置検出誤差[μm]として示す
図、(2)はマーク段差hが、250 、300 、350 、400
nmの場合の結果を(1)と同様に示す図である。
【図9】(1)は図8のシミューレーション結果の前提
となる格子マークの断面を示す図、(2)はその1周期
分の拡大図である。
【符号の説明】
15a、15b ディテクタ(受光手段) 100 位置検出装置 102 送光光学系 200 露光装置 W ウエハ(基板) MG 格子マーク RRG 回転ラジアル格子板(相対走査手段) SAn 位相差検出回路(段差検出手段、位置検出手段
の一部) CAn 検出位置補正回路(位置検出手段の一部) WEGA 重み付けEGA回路(演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 525W 525X 525N

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細パターン、及び特定の方向に周期性
    (周期=P)を持って凹部と凸部を繰り返す位置検出用
    の格子マークが、複数ケ所(M個以上)にそれぞれ形成
    された基板に対し、前記複数ケ所の格子マークの前記周
    期方向の位置を検出し、かつそれらの検出位置を統計処
    理して、前記基板全面の前記微細パターンの位置を検出
    する位置検出方法であって、 前記複数ケ所の格子マーク上に、可干渉な光ビームの対
    をそれぞれ入射し、振幅分布の周期が2P/N(Nは自
    然数)でその周期方向が前記各格子マークの周期方向に
    等しい干渉縞をそれぞれ形成するとともに、前記各干渉
    縞と前記格子マークとを前記周期方向に相対走査する第
    1工程と;前記複数ケ所の格子マークによる前記入射光
    ビームの反射・回折光のうち、第1の光ビームの正反射
    光と第2の光ビームのN次回折光との合成光束である第
    1の合成光束と、前記第2の光ビームの正反射光と前記
    第1の光ビームのN次回折光との合成光束である第2の
    合成光束とを、順次かつそれぞれ別々に受光して光電変
    換する第2工程と;前記第2工程で順次得られる前記第
    1、第2の合成光束の各光量信号の前記相対走査に伴う
    変化より、前記複数ケ所の格子マークの位置を順次検出
    する第3工程と;前記複数箇所の各格子マークの段差相
    当量を、前記第2工程で順次得られる第1、第2の合成
    光束の各光量信号の前記相対走査に伴う変化と前記各格
    子マークの設計データとに基づいて、前記各格子マーク
    の段差を前記入射光ビームの当該各格子マーク表面近傍
    の媒質中での波長の半分で除した剰余として、順次算出
    する第4工程と;前記複数ケ所の中のj番目(jは1か
    らM)の格子マークの前記段差相当量が、前記入射光ビ
    ームの当該j番目の格子マーク表面近傍での波長の1/
    4に近い場合には、該j番目の格子マークの検出位置に
    大きな重みを付け、前記波長の1/4から離れている場
    合には、該j番目の格子マークの検出位置に小さな重み
    を付けて前記複数箇所の格子マークの検出位置を統計処
    理して前記基板全面の前記微細パターンの位置を算出す
    る第5工程とを含む位置検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程において、前記複数ケ所の
    格子マーク上に、可干渉な光ビームの対を波長の異なる
    複数組それぞれ入射し、振幅分布の周期が2P/N(N
    は自然数)でその周期方向が前記各格子マークの周期方
    向に等しい干渉縞をそれぞれ形成するとともに、前記各
    干渉縞と前記各格子マークとを前記周期方向にそれぞれ
    相対走査し、 前記第2ないし第4工程の処理を、各波長毎に行って前
    記各格子マークの位置及び段差相当量を各波長毎に検出
    し、 前記第5工程において、それぞれの波長での前記格子マ
    ークの位置検出結果及び段差相当量の検出結果を用い
    て、各波長毎に前記複数箇所の格子マークの検出位置を
    前記重み付け統計処理を行い、前記基板全面の前記微細
    パターンの位置を算出することを特徴とする請求項1に
    記載の位置検出方法。
  3. 【請求項3】 感光基板上の微細パターンが形成された
    所定のショット領域を露光位置に順次位置決めしつつ、
    マスクに形成されたパターンを前記各ショット領域に転
    写して重ね焼き露光を行なう露光方法であって、 露光開始に先だって、請求項1又は2に記載の位置検出
    方法により前記感光基板上の各ショット領域の配列座標
    を算出後、 この算出された配列座標に従ってショット領域を露光位
    置に順次位置決めしつつ重ね焼き露光を行なうことを特
    徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 微細パターン、及び特定の方向に周期性
    (周期=P)を持って凹部と凸部を繰り返す位置検出用
    の格子マークが、複数ケ所(M個以上)にそれぞれ形成
    された基板に対し、前記複数ケ所の格子マークの前記周
    期方向の位置を検出し、かつそれらの検出位置を統計処
    理して、前記基板全面の前記微細パターンの位置を検出
    する位置検出装置であって、 前記複数ケ所の格子マーク上に、振幅分布の周期が2P
    /N(Nは自然数)でその周期方向が前記各格子マーク
    の周期方向に等しい干渉縞をそれぞれ形成すべく、可干
    渉な光ビームの対をそれぞれ入射する送光光学系と;前
    記複数ケ所の格子マークによる前記入射光ビームの反射
    ・回折光のうち、第1の光ビームの正反射光と第2の光
    ビームのN次回折光との合成光束である第1の合成光束
    と、前記第2の光ビームの正反射光と前記第1の光ビー
    ムのN次回折光との合成光束である第2の合成光束と
    を、それぞれ別々に光電変換する受光手段と;前記各格
    子マークと前記干渉縞とを前記周期方向に相対走査する
    相対走査手段と;前記受光手段より得られる前記第1、
    第2の合成光束の光量信号の前記相対走査に伴う変化よ
    り、前記複数ケ所の格子マークの位置をそれぞれ検出す
    る位置検出手段と;前記複数箇所の各格子マークの段差
    相当量を、前記受光手段より得られる前記第1、第2の
    合成光束の光量信号の前記相対走査に伴う変化と前記各
    格子マークの設計データとに基づいて、前記各格子マー
    クの段差を前記入射光ビームの当該各格子マーク表面近
    傍の媒質中での波長の半分で除した剰余として、それぞ
    れ検出する段差検出手段と;前記複数ケ所の中のj番目
    (jは1からM)の格子マークの前記段差相当量が、前
    記入射光ビームの当該j番目の格子マーク表面近傍での
    波長の1/4に近い場合には、該j番目の格子マークの
    検出位置に大きな重みを付け、前記波長の1/4から離
    れている場合には、該j番目の格子マークの検出位置に
    小さな重みを付けて前記複数箇所の格子マークの検出位
    置を統計処理して前記基板全面の前記微細パターンの位
    置を算出する演算手段とを有する位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記位置検出手段は、前記相対走査に伴
    う前記第1の合成光束と第2の合成光束の各光量信号変
    化の各位相に基づいてそれぞれ求めた検出位置の平均値
    を前記各格子マークの位置として検出することを特徴と
    する請求項4に記載の位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記段差検出手段は、前記各格子マーク
    の前記凹部と凸部の各幅の比率と、前記相対走査に伴う
    前記第1の合成光束と前記第2の合成光束の各光量信号
    変化の位相差及びコントラストとに基づいて前記各格子
    マークの段差相当量を算出することを特徴とする請求項
    4又は5に記載の位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記各格子マークより反射・回折する0
    次回折光とN次回折光との光量比を計測する光量比計測
    手段を更に有し、 前記段差検出手段は、前記各格子マークの前記凹部凸部
    の各幅の比率と、前記相対走査に伴う前記第1の合成光
    束と前記第2の合成光束との各光量信号変化の位相差
    と、前記光量比計測手段により得られた前記光量比とに
    基づいて前記各格子マークの段差相当量を算出すること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記送光光学系に代えて、前記複数ケ所
    の格子マーク上に、順次振幅分布の周期が2P/N(N
    は自然数)でその周期方向が前記各格子マークの周期方
    向に等しい干渉縞を形成すべく、可干渉な光ビームの対
    を波長の異なる複数組入射する送光光学系が設けられ、 前記受光手段、前記位置検出手段及び前記段差検出手段
    は、前記複数の異なる波長毎に前記それぞれの処理を行
    ない、 前記演算手段は、それぞれの波長での前記各格子マーク
    の位置検出結果及び段差検出結果を用いて前記統計処理
    を行なうことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか
    一項に記載の位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記送光光学系は、前記複数ケ所の格子
    マーク上に波長の異なる複数組の可干渉な光ビームの対
    を波長毎に時分割的に入射することを特徴とする請求項
    8に記載の位置検出装置。
  10. 【請求項10】 感光基板上の微細パターンが形成され
    た所定のショット領域を露光位置に順次位置決めしつ
    つ、マスクに形成されたパターンを前記各ショット領域
    に転写して重ね焼き露光を行なう露光装置であって、 前記請求項4ないし9のいずれか一項に記載の位置検出
    装置を前記感光基板上の各ショット領域の配列座標系の
    検出用として備え、この検出された配列座標系に従って
    重ね焼き露光を行なうことを特徴とする露光装置。
JP8079565A 1996-02-09 1996-03-07 位置検出方法及びその装置並びに露光方法及びその装置 Pending JPH09246175A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7558643B2 (en) 2003-12-09 2009-07-07 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus, method of determining a model parameter, device manufacturing method, and device manufactured thereby
JP2017215429A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 株式会社ニコン 位置検出装置及び位置検出方法、露光装置及び露光方法、並びに、デバイス製造方法
CN117316793A (zh) * 2023-09-22 2023-12-29 西安奕斯伟材料科技股份有限公司 一种外延片表面台阶检测方法及装置

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