JPH09254248A - 繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体およびその製造方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体およびその製造方法Info
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- JPH09254248A JPH09254248A JP6433196A JP6433196A JPH09254248A JP H09254248 A JPH09254248 A JP H09254248A JP 6433196 A JP6433196 A JP 6433196A JP 6433196 A JP6433196 A JP 6433196A JP H09254248 A JPH09254248 A JP H09254248A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空隙率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂を
外殻層とする中空部分を有する繊維強化熱可塑性樹脂中
空成形体。 【解決手段】強化繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂シー
ト同士を、該シートのマトリックスである熱可塑性樹脂
の融点以下で溶融するホットメルト接着剤で積層接着し
た2層シートの両面に熱可塑性樹脂製非通気性フィルム
を貼合してなる多層シートを、マトリックスである熱可
塑性樹脂の溶融温度以上に予熱してその厚み方向に膨張
させたのち、予熱状態を保持しつつ、成形完了時におい
て予熱後の多層シートの厚み以上のキャビティクリアラ
ンスをキャビティの少なくとも1部に有するように設計
された一対の成形型間に配し、次いで型締を行なったの
ち、または型締を行いつつ、いずれか一方もしくは両方
の成形型の成形面に予め設けた複数の真空吸引孔から真
空吸引を行なう。
外殻層とする中空部分を有する繊維強化熱可塑性樹脂中
空成形体。 【解決手段】強化繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂シー
ト同士を、該シートのマトリックスである熱可塑性樹脂
の融点以下で溶融するホットメルト接着剤で積層接着し
た2層シートの両面に熱可塑性樹脂製非通気性フィルム
を貼合してなる多層シートを、マトリックスである熱可
塑性樹脂の溶融温度以上に予熱してその厚み方向に膨張
させたのち、予熱状態を保持しつつ、成形完了時におい
て予熱後の多層シートの厚み以上のキャビティクリアラ
ンスをキャビティの少なくとも1部に有するように設計
された一対の成形型間に配し、次いで型締を行なったの
ち、または型締を行いつつ、いずれか一方もしくは両方
の成形型の成形面に予め設けた複数の真空吸引孔から真
空吸引を行なう。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化熱可塑性樹
脂中空成形体およびその製造方法に関する。
脂中空成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維を含む繊維強化熱可塑性
樹脂シート(シート状成形素材)をマトリックスである
熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱すると、該シートを
製造する際の加熱、加圧時の主として繊維に対する残留
応力が開放されて(スプリングバック)厚み方向に膨張
するという性質を利用して、該シートをマトリックス樹
脂の溶融温度以上に予め加熱して繊維強化熱可塑性樹脂
シートを厚み方向に膨張させ、この膨張したシートを予
熱状態を維持しながら一対の成形型間に供給し、型締ク
リアランスが予熱前の原料シート厚みより大きくなるよ
うに型締するといういわゆる膨張成形法により、原料の
シート厚よりは厚いが予熱による膨張時の厚みよりは薄
い、空隙率の大きい多孔性の成形体を製造することはよ
く知られており、かくして得られた空隙率の高い多孔性
の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、軽量で、強度的に優
れ、また吸音性や断熱性にも優れるために、自動車内装
材、家電製品、建築材料などの広い分野で使用されてい
る。
樹脂シート(シート状成形素材)をマトリックスである
熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱すると、該シートを
製造する際の加熱、加圧時の主として繊維に対する残留
応力が開放されて(スプリングバック)厚み方向に膨張
するという性質を利用して、該シートをマトリックス樹
脂の溶融温度以上に予め加熱して繊維強化熱可塑性樹脂
シートを厚み方向に膨張させ、この膨張したシートを予
熱状態を維持しながら一対の成形型間に供給し、型締ク
リアランスが予熱前の原料シート厚みより大きくなるよ
うに型締するといういわゆる膨張成形法により、原料の
シート厚よりは厚いが予熱による膨張時の厚みよりは薄
い、空隙率の大きい多孔性の成形体を製造することはよ
く知られており、かくして得られた空隙率の高い多孔性
の繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、軽量で、強度的に優
れ、また吸音性や断熱性にも優れるために、自動車内装
材、家電製品、建築材料などの広い分野で使用されてい
る。
【0003】しかし、近年、吸音性や断熱性の更なる向
上が要求され、そのために本発明者らはこのような空隙
率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂を中空部の外殻
とする中空成形体を開発すべく検討したが、従来の膨張
成形法により得られる成形体の厚みは予熱後の膨張厚み
以下に限られ、所望の成形体の厚みが原料シートの予熱
後の膨張厚みより厚い部分を有し、かつ中空部を形成す
る外殻が空隙率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂か
らなる中空成形体を製造することはできなかった。
上が要求され、そのために本発明者らはこのような空隙
率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂を中空部の外殻
とする中空成形体を開発すべく検討したが、従来の膨張
成形法により得られる成形体の厚みは予熱後の膨張厚み
以下に限られ、所望の成形体の厚みが原料シートの予熱
後の膨張厚みより厚い部分を有し、かつ中空部を形成す
る外殻が空隙率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂か
らなる中空成形体を製造することはできなかった。
【0004】このため、本発明者らは成形型内で該膨張
シートを片側または両側から真空吸引し、該シートを厚
み方向に両側に分断させて中空部を形成させる方法につ
いて検討したところ、真空吸引それ自体は該膨張シート
が高い通気性を有するために、その両面にあらかじめ非
通気性フィルムを貼合することにより可能となるが、成
形体の厚みが予熱後の膨張シートの厚みを越える場合に
は、中空部が得られなかったり、たとえ中空部が得られ
ても、その中空部は膨張シートの不特定の部位で該シー
トの組織の断裂が生じた結果のものであるため、中空部
が設計通りに再現できず、得られた中空成形体を形成す
る外殻層の厚みが部位により異なり、その結果強度が部
位により異なったり、中空部そのものが形成されずに所
定の形状の成形体が得られないなどの問題があった。
シートを片側または両側から真空吸引し、該シートを厚
み方向に両側に分断させて中空部を形成させる方法につ
いて検討したところ、真空吸引それ自体は該膨張シート
が高い通気性を有するために、その両面にあらかじめ非
通気性フィルムを貼合することにより可能となるが、成
形体の厚みが予熱後の膨張シートの厚みを越える場合に
は、中空部が得られなかったり、たとえ中空部が得られ
ても、その中空部は膨張シートの不特定の部位で該シー
トの組織の断裂が生じた結果のものであるため、中空部
が設計通りに再現できず、得られた中空成形体を形成す
る外殻層の厚みが部位により異なり、その結果強度が部
位により異なったり、中空部そのものが形成されずに所
定の形状の成形体が得られないなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは上記の問題を解決し、繊維強化熱可塑性樹
脂シートを原料として、中空部を形成する外殻が空隙率
の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる繊維強化
熱可塑性樹脂中空成形体を製造すべく更に検討の結果、
本発明に至った。
本発明者らは上記の問題を解決し、繊維強化熱可塑性樹
脂シートを原料として、中空部を形成する外殻が空隙率
の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる繊維強化
熱可塑性樹脂中空成形体を製造すべく更に検討の結果、
本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、強化繊維を含
む繊維強化熱可塑性樹脂シート同士を、該シートのマト
リックスである熱可塑性樹脂の融点以下で溶融するホッ
トメルト接着剤で積層接着した2層シートの両面に熱可
塑性樹脂製非通気性フィルムを貼合してなる多層シート
を、マトリックスである熱可塑性樹脂の溶融温度以上に
予熱してその厚み方向に膨張させたのち、予熱状態を保
持しつつ、成形完了時において予熱後の多層シートの厚
み以上のキャビティクリアランスをキャビティの少なく
とも1部に有するように設計された一対の成形型間に配
し、次いで型締を行なったのち、または型締を行いつ
つ、いずれか一方もしくは両方の成形型の成形面に予め
設けた複数の真空吸引孔から真空吸引を行なうことを特
徴とする外殻がその外層に熱可塑性樹脂製非通気製フィ
ルムを貼合した多孔性繊維強化熱可塑性樹脂からなる繊
維強化熱可塑性樹脂中空成形体の製造方法を提供するも
のである。
む繊維強化熱可塑性樹脂シート同士を、該シートのマト
リックスである熱可塑性樹脂の融点以下で溶融するホッ
トメルト接着剤で積層接着した2層シートの両面に熱可
塑性樹脂製非通気性フィルムを貼合してなる多層シート
を、マトリックスである熱可塑性樹脂の溶融温度以上に
予熱してその厚み方向に膨張させたのち、予熱状態を保
持しつつ、成形完了時において予熱後の多層シートの厚
み以上のキャビティクリアランスをキャビティの少なく
とも1部に有するように設計された一対の成形型間に配
し、次いで型締を行なったのち、または型締を行いつ
つ、いずれか一方もしくは両方の成形型の成形面に予め
設けた複数の真空吸引孔から真空吸引を行なうことを特
徴とする外殻がその外層に熱可塑性樹脂製非通気製フィ
ルムを貼合した多孔性繊維強化熱可塑性樹脂からなる繊
維強化熱可塑性樹脂中空成形体の製造方法を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において原料として使用される強化繊維を含む繊
維強化熱可塑性樹脂シートは、予熱により膨張して空隙
率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂シートを形成す
るものであればその製造法を問わず適用可能であり、例
えば、繊維束に複数本のストランド状針を突き刺して繊
維を互いに絡まり合わせたマット状ストランド強化繊維
と熱可塑性樹脂を積層し、加熱、加圧してシート状とす
る方法、強化繊維と強化繊維を含んでいてもよい熱可塑
性樹脂粒体を混合し、加熱、加圧してシート状とする方
法、或いは強化繊維と熱可塑性樹脂粉末を水中で均一に
分散させ、これを抄造して不織材料を製造し、この不織
材料を加熱、加圧してシート状とする方法(抄造法)な
どの公知の方法により製造される各種の繊維強化熱可塑
性樹脂シートが使用され、特に限定されるものではない
が、これらのうちでも、均質で、高い膨張倍率を得るこ
とができ、また膨張倍率を比較的容易に調整することの
できる抄造法により製造された繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートが最も好ましく使用される。
本発明において原料として使用される強化繊維を含む繊
維強化熱可塑性樹脂シートは、予熱により膨張して空隙
率の高い多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂シートを形成す
るものであればその製造法を問わず適用可能であり、例
えば、繊維束に複数本のストランド状針を突き刺して繊
維を互いに絡まり合わせたマット状ストランド強化繊維
と熱可塑性樹脂を積層し、加熱、加圧してシート状とす
る方法、強化繊維と強化繊維を含んでいてもよい熱可塑
性樹脂粒体を混合し、加熱、加圧してシート状とする方
法、或いは強化繊維と熱可塑性樹脂粉末を水中で均一に
分散させ、これを抄造して不織材料を製造し、この不織
材料を加熱、加圧してシート状とする方法(抄造法)な
どの公知の方法により製造される各種の繊維強化熱可塑
性樹脂シートが使用され、特に限定されるものではない
が、これらのうちでも、均質で、高い膨張倍率を得るこ
とができ、また膨張倍率を比較的容易に調整することの
できる抄造法により製造された繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートが最も好ましく使用される。
【0008】このような繊維強化熱可塑性樹脂シートに
おいて、シート中の強化繊維の含量、種類、繊維径、繊
維長などによって膨張倍率や物性も異なるため、これら
は所望の膨張倍率、物性などに応じて適宜選択される
が、強化繊維含量が少なすぎると膨張性が乏しくなっ
て、十分な空隙を有する多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂
成形体が得られないため、シート中の強化繊維含量は少
なくとも10重量%以上、好ましくは20重量%以上、
より好ましくは30重量%以上であることが必要であ
り、また、その上限は特に限定されないが、強化繊維含
量が多すぎるとバインダーとなる熱可塑性樹脂量が少な
すぎる結果となって形状保持が困難となるため、一般的
には80重量%以下である。
おいて、シート中の強化繊維の含量、種類、繊維径、繊
維長などによって膨張倍率や物性も異なるため、これら
は所望の膨張倍率、物性などに応じて適宜選択される
が、強化繊維含量が少なすぎると膨張性が乏しくなっ
て、十分な空隙を有する多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂
成形体が得られないため、シート中の強化繊維含量は少
なくとも10重量%以上、好ましくは20重量%以上、
より好ましくは30重量%以上であることが必要であ
り、また、その上限は特に限定されないが、強化繊維含
量が多すぎるとバインダーとなる熱可塑性樹脂量が少な
すぎる結果となって形状保持が困難となるため、一般的
には80重量%以下である。
【0009】かかる繊維強化熱可塑性樹脂シートに用い
られる強化繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、線状ス
テンレスなどの金属繊維などの無機繊維、アラミド繊維
などの有機繊維、天然繊維あるいはこれらの混合物が挙
げられるが、低コストで高い補強効果が得られるガラス
繊維が好んで使用される。かかる強化繊維の繊維径は、
通常1〜50μm、好ましくは3〜30μmであり、繊
維長は補強効果の点から3mm以上、好ましくは5mm
以上であるが、たとえば強化繊維としてガラス繊維を使
用し、抄造法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製造
する場合には、シート中のガラス繊維の含量が30〜6
0重量%、繊維径が10μm以上、繊維長が10〜30
mm程度であることが好ましく、また、その膨張性を活
かすために、該シートの目付けは400〜6000g/
m2 の範囲であることが好ましい。また、マトリックス
樹脂とのぬれ性を向上させるために、繊維表面にサイジ
ング処理(例えば特開平4−300923号公報)を行
ってもよい。
られる強化繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、線状ス
テンレスなどの金属繊維などの無機繊維、アラミド繊維
などの有機繊維、天然繊維あるいはこれらの混合物が挙
げられるが、低コストで高い補強効果が得られるガラス
繊維が好んで使用される。かかる強化繊維の繊維径は、
通常1〜50μm、好ましくは3〜30μmであり、繊
維長は補強効果の点から3mm以上、好ましくは5mm
以上であるが、たとえば強化繊維としてガラス繊維を使
用し、抄造法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製造
する場合には、シート中のガラス繊維の含量が30〜6
0重量%、繊維径が10μm以上、繊維長が10〜30
mm程度であることが好ましく、また、その膨張性を活
かすために、該シートの目付けは400〜6000g/
m2 の範囲であることが好ましい。また、マトリックス
樹脂とのぬれ性を向上させるために、繊維表面にサイジ
ング処理(例えば特開平4−300923号公報)を行
ってもよい。
【0010】マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテ
ル、スチレン・アクリロニトリル共重合体などの一般的
な熱可塑性樹脂、それらの変性体、EPMやEPDMな
どの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいは
これらを用いたポリマーアロイなどが挙げられる。尚、
本発明における熱可塑性樹脂とはこれらを全て包含する
意味で使用するものである。
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテ
ル、スチレン・アクリロニトリル共重合体などの一般的
な熱可塑性樹脂、それらの変性体、EPMやEPDMな
どの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいは
これらを用いたポリマーアロイなどが挙げられる。尚、
本発明における熱可塑性樹脂とはこれらを全て包含する
意味で使用するものである。
【0011】また、二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シート
同士を接着するための接着剤は、これを接着した2層シ
ートが予熱されるまでは両シートが剥がれることのない
ような接着力を必要とするが、成形時においては接着力
が著しく低下して、この2層シートを成形面から真空吸
引する際には、積層している両層が容易に剥離するもの
であることが必要である。このため、本発明に適用され
る接着剤としては、原料シートのマトリックスである熱
可塑性樹脂の融点以下で溶融するホットメルト接着剤が
使用されるが、予熱した2層シートを賦形するまでの温
度低下を考慮すれば、該マトッリクス樹脂の融点より5
0℃より低い融点または軟化点を有するホットメルト接
着剤であることが好ましい。このような接着剤を使用す
ることにより、予熱前の2層シートはこれが剥離するこ
となく強固に接合された一体のシートとして取り扱うこ
とができるが、これをマトリックスである熱可塑性樹脂
の溶融温度以上に予熱し、この予熱状態を維持しつつ成
形型間に供給した場合には、接着剤が予熱温度で溶融し
て接着力が著しく低下し、成形面からこれを真空吸引す
ればその接着界面で2層が容易に乖離する。乖離した2
層は層と層との間に中空部を形成せしめながら、該中空
部の外殻としてそれぞれの成形面に吸引される。このよ
うなホットメルト接着剤は、上記の性質を有するもので
ある限り特に限定されるものではないが、代表的にはエ
チレン−酢酸ビニル共重合物が挙げられる。
同士を接着するための接着剤は、これを接着した2層シ
ートが予熱されるまでは両シートが剥がれることのない
ような接着力を必要とするが、成形時においては接着力
が著しく低下して、この2層シートを成形面から真空吸
引する際には、積層している両層が容易に剥離するもの
であることが必要である。このため、本発明に適用され
る接着剤としては、原料シートのマトリックスである熱
可塑性樹脂の融点以下で溶融するホットメルト接着剤が
使用されるが、予熱した2層シートを賦形するまでの温
度低下を考慮すれば、該マトッリクス樹脂の融点より5
0℃より低い融点または軟化点を有するホットメルト接
着剤であることが好ましい。このような接着剤を使用す
ることにより、予熱前の2層シートはこれが剥離するこ
となく強固に接合された一体のシートとして取り扱うこ
とができるが、これをマトリックスである熱可塑性樹脂
の溶融温度以上に予熱し、この予熱状態を維持しつつ成
形型間に供給した場合には、接着剤が予熱温度で溶融し
て接着力が著しく低下し、成形面からこれを真空吸引す
ればその接着界面で2層が容易に乖離する。乖離した2
層は層と層との間に中空部を形成せしめながら、該中空
部の外殻としてそれぞれの成形面に吸引される。このよ
うなホットメルト接着剤は、上記の性質を有するもので
ある限り特に限定されるものではないが、代表的にはエ
チレン−酢酸ビニル共重合物が挙げられる。
【0012】二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シート同士を
接着するにあたっては、必ずしもシートの全面にわたっ
て接着する必要はなく、部分的に接着してもよいが、両
シートが接着層を介することなく直接接している部分で
は、各シートのマトリックス樹脂がともに溶融状態で接
触して一体化し、真空吸引しても剥離しにくくなるた
め、少なくともその後の賦形過程において成形面からの
真空吸引により両シートを剥離せしめる必要の或る部分
(中空形成部分)については、シート同士が直接接する
ことのないように全面もしくは広い部分で接着しておく
ことが好ましい。
接着するにあたっては、必ずしもシートの全面にわたっ
て接着する必要はなく、部分的に接着してもよいが、両
シートが接着層を介することなく直接接している部分で
は、各シートのマトリックス樹脂がともに溶融状態で接
触して一体化し、真空吸引しても剥離しにくくなるた
め、少なくともその後の賦形過程において成形面からの
真空吸引により両シートを剥離せしめる必要の或る部分
(中空形成部分)については、シート同士が直接接する
ことのないように全面もしくは広い部分で接着しておく
ことが好ましい。
【0013】このような2層シートは、予熱され、膨張
した状態においてすでに多くの空隙を有し、通気性が高
いため、この状態で真空吸引しても全く意味をなさな
い。このため2層シートの両面には、熱可塑性樹脂から
なる非通気性のフィルムまたはシートを貼合しておくこ
とが必要であり、この非通気性のフィルムまたはシート
は、接着前の二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートのそれ
ぞれの片面に予め貼着していてもよいし、二枚の繊維強
化熱可塑性樹脂シートを接着して2層シートとしたのち
に貼着してもよい。かかるフィルムまたはシートの貼着
方法は任意であり、2層シートとする前または後に接着
剤によって貼着してもよいが、一般には原料である繊維
強化熱可塑性樹脂シートを製造する際の加熱、圧着時に
同時に当該フィルムまたはシートをその片面に配し、熱
融着により貼着したり、予熱した2層シートの両面に直
接重ねて熱融着により貼着されるが、熱融着による貼着
が好ましい。
した状態においてすでに多くの空隙を有し、通気性が高
いため、この状態で真空吸引しても全く意味をなさな
い。このため2層シートの両面には、熱可塑性樹脂から
なる非通気性のフィルムまたはシートを貼合しておくこ
とが必要であり、この非通気性のフィルムまたはシート
は、接着前の二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートのそれ
ぞれの片面に予め貼着していてもよいし、二枚の繊維強
化熱可塑性樹脂シートを接着して2層シートとしたのち
に貼着してもよい。かかるフィルムまたはシートの貼着
方法は任意であり、2層シートとする前または後に接着
剤によって貼着してもよいが、一般には原料である繊維
強化熱可塑性樹脂シートを製造する際の加熱、圧着時に
同時に当該フィルムまたはシートをその片面に配し、熱
融着により貼着したり、予熱した2層シートの両面に直
接重ねて熱融着により貼着されるが、熱融着による貼着
が好ましい。
【0014】この非通気性のフィルムまたはシートとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテ
ル、スチレン・アクリロニトリル共重合体などの一般的
熱可塑性樹脂、それらの変性体、EPMやEPDMなど
の熱可塑性エラストマーなどからなる単層もしくは多層
フィルム、シートが使用されるが、2層シートの予熱時
および真空吸引時など成形工程中に剥離したり破断する
ことのないように、その材質、厚みなどは適宜選択され
る。また、原料の繊維強化熱可塑性樹脂シートのマトリ
ックス樹脂と同種または類似の材質、あるいはマトリッ
クス樹脂より融点の低い材質からなるフィルムまたはシ
ートを使用するような場合には、予熱時にそのフィルム
またはシートも同時に溶融してマトリックス樹脂中に溶
け込み、非通気性を失うことがあるので注意が必要であ
る。
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテ
ル、スチレン・アクリロニトリル共重合体などの一般的
熱可塑性樹脂、それらの変性体、EPMやEPDMなど
の熱可塑性エラストマーなどからなる単層もしくは多層
フィルム、シートが使用されるが、2層シートの予熱時
および真空吸引時など成形工程中に剥離したり破断する
ことのないように、その材質、厚みなどは適宜選択され
る。また、原料の繊維強化熱可塑性樹脂シートのマトリ
ックス樹脂と同種または類似の材質、あるいはマトリッ
クス樹脂より融点の低い材質からなるフィルムまたはシ
ートを使用するような場合には、予熱時にそのフィルム
またはシートも同時に溶融してマトリックス樹脂中に溶
け込み、非通気性を失うことがあるので注意が必要であ
る。
【0015】本発明においては、このような非通気性の
フィルムまたはシートが最外層として表皮層を兼ねても
よいが、更に加飾の目的でこのような非通気性のフィル
ムまたはシートの上にさらに表皮材が貼合されていても
よい。かかる表皮材は、それぞれの使用目的に応じてそ
の片面または両面に貼合され、中空成形体の成形後にそ
の表面に接着剤等で貼着してもよいが、通常は中空成形
体の形成と同時に貼着される。後者の方法により表面加
飾する場合、表皮材としては通気性表皮材が用いられ、
たとえばポリエステエル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ンなどの一般的な熱可塑性樹脂繊維やこれらの混合物か
らなる織布または不織布が使用される。このような表皮
材は、予熱前または予熱後の多層シートに重ね合わせ、
前者の場合にはその後予熱し、また後者の場合にはその
まま、予熱状態を維持しながら成形型間に供給し、真空
吸引して賦形することにより、表皮材はその網目構造に
よってその下層の予熱により加熱された非通気性フィル
ムまたはシートとのアンカーリング効果により実用に十
分な接着強度を発現する。この際、強度が不十分である
ような場合には、予め表皮材の裏面または非通気性フィ
ルムまたはシートの表皮材側に、ホットメルト接着剤な
どで接着剤層を部分的もしくは全面にラミネートしてい
てもよいが、接着剤層をラミネートすることにより表皮
材の通気性を損なわないように注意する必要がある。ま
た、この際の接着剤は真空吸引の際に剥離しないよう
に、2層シートを形成せしめるときに使用する接着剤よ
りも溶融温度の高い樹脂成分からなるものが好ましい。
フィルムまたはシートが最外層として表皮層を兼ねても
よいが、更に加飾の目的でこのような非通気性のフィル
ムまたはシートの上にさらに表皮材が貼合されていても
よい。かかる表皮材は、それぞれの使用目的に応じてそ
の片面または両面に貼合され、中空成形体の成形後にそ
の表面に接着剤等で貼着してもよいが、通常は中空成形
体の形成と同時に貼着される。後者の方法により表面加
飾する場合、表皮材としては通気性表皮材が用いられ、
たとえばポリエステエル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ンなどの一般的な熱可塑性樹脂繊維やこれらの混合物か
らなる織布または不織布が使用される。このような表皮
材は、予熱前または予熱後の多層シートに重ね合わせ、
前者の場合にはその後予熱し、また後者の場合にはその
まま、予熱状態を維持しながら成形型間に供給し、真空
吸引して賦形することにより、表皮材はその網目構造に
よってその下層の予熱により加熱された非通気性フィル
ムまたはシートとのアンカーリング効果により実用に十
分な接着強度を発現する。この際、強度が不十分である
ような場合には、予め表皮材の裏面または非通気性フィ
ルムまたはシートの表皮材側に、ホットメルト接着剤な
どで接着剤層を部分的もしくは全面にラミネートしてい
てもよいが、接着剤層をラミネートすることにより表皮
材の通気性を損なわないように注意する必要がある。ま
た、この際の接着剤は真空吸引の際に剥離しないよう
に、2層シートを形成せしめるときに使用する接着剤よ
りも溶融温度の高い樹脂成分からなるものが好ましい。
【0016】本発明は、このような二枚の繊維強化熱可
塑性樹脂シート同士を接着剤で積層した2層シートの両
面に非通気性のフィルムまたはシートが貼合されてなる
多層シートを、膨張、真空吸引して繊維強化熱可塑性樹
脂中空成形体を製造するものであるが、目的とする成形
体の中空部分の成形体厚みは、原料多層シートの膨張厚
み以上であることが必要であり、このため、本発明に適
用される一対の成形型は、成形完了後において、予熱後
の膨張した多層シートの厚み以上のキャビティクリアラ
ンスをキャビティの少なくとも一部に有するように設計
されていることが必要である。
塑性樹脂シート同士を接着剤で積層した2層シートの両
面に非通気性のフィルムまたはシートが貼合されてなる
多層シートを、膨張、真空吸引して繊維強化熱可塑性樹
脂中空成形体を製造するものであるが、目的とする成形
体の中空部分の成形体厚みは、原料多層シートの膨張厚
み以上であることが必要であり、このため、本発明に適
用される一対の成形型は、成形完了後において、予熱後
の膨張した多層シートの厚み以上のキャビティクリアラ
ンスをキャビティの少なくとも一部に有するように設計
されていることが必要である。
【0017】また、本発明の方法においては、成形過程
における型締の際に、形成されるべき中空部の外周部分
のクリアランスが原料多層シートの予熱前の厚み以上、
予熱後の厚み以下となるようにすることが必要である。
このクリアランスが予熱前の厚み以下であると、型締後
にキャビティが完全な密閉状態となって、成形面からの
真空吸引時に原料多層シートを介しての型外からの空気
の流入が阻害されて、十分な中空部を形成することがで
きない。また、クリアランスが予熱前の厚み以上である
と、真空吸引を行っても膨張した多層シートから空気が
流入し過ぎて吸引効果が生ぜず、同様に中空部を形成す
ることができない。クリアランスが上記範囲にあるとき
は、膨張した多層シートの片面もしくは両面のそれぞれ
の成形面から吸引されるとともに、真空吸引時に型外の
空気が原料多層シートを介して適度に流入し、溶融して
接着力の低下した接着層が乖離して各シートがそれぞれ
の側の成形面に吸着され、中空部が形成される。尚、中
空部を形成せしめる部分以外のクリアランスは目的とす
る成形体の形状に応じて適宜選ばれるが、一般には原料
多層シートの予熱前の厚み以上、予熱後の厚み以下とさ
れる。また、真空吸引は膨張した多層シートの片面もし
くは両面からのいずれであってもよいが、片面からの場
合には接着層が乖離することなく、その反対面も吸引面
に向かって同時に吸引されることがあるため、両面から
吸引することが特に好ましい。
における型締の際に、形成されるべき中空部の外周部分
のクリアランスが原料多層シートの予熱前の厚み以上、
予熱後の厚み以下となるようにすることが必要である。
このクリアランスが予熱前の厚み以下であると、型締後
にキャビティが完全な密閉状態となって、成形面からの
真空吸引時に原料多層シートを介しての型外からの空気
の流入が阻害されて、十分な中空部を形成することがで
きない。また、クリアランスが予熱前の厚み以上である
と、真空吸引を行っても膨張した多層シートから空気が
流入し過ぎて吸引効果が生ぜず、同様に中空部を形成す
ることができない。クリアランスが上記範囲にあるとき
は、膨張した多層シートの片面もしくは両面のそれぞれ
の成形面から吸引されるとともに、真空吸引時に型外の
空気が原料多層シートを介して適度に流入し、溶融して
接着力の低下した接着層が乖離して各シートがそれぞれ
の側の成形面に吸着され、中空部が形成される。尚、中
空部を形成せしめる部分以外のクリアランスは目的とす
る成形体の形状に応じて適宜選ばれるが、一般には原料
多層シートの予熱前の厚み以上、予熱後の厚み以下とさ
れる。また、真空吸引は膨張した多層シートの片面もし
くは両面からのいずれであってもよいが、片面からの場
合には接着層が乖離することなく、その反対面も吸引面
に向かって同時に吸引されることがあるため、両面から
吸引することが特に好ましい。
【0018】次に、本発明の製造方法を図面に基づいて
説明する。本発明においては、図1に示されるように一
対の成形型が使用され、両成形型のいずれか一方もしく
は両方が型締装置(図示していない)に固定、連結され
て、上下もしくは横方向に移動できるように開閉可能と
なっている。(図1においては、上下方向に移動可能な
上型(1)と下型(2)からなる成形型を用いた場合を
示している。) この成形型は、中空部を形成させるために、上記したよ
うに、成形完了後において、予熱後の膨張した多層シー
トの厚み以上のキャビティクリアランスをキャビティの
少なくとも一部(所望の中空部分)に有するように設計
されている。さらに、両成形型の成形面には真空吸引用
の小孔(3)が適当数設けられており、これらは適宜集
合されて真空吸引装置(4)に接続されている。この真
空吸引用の小孔の孔径は、通常は極めて小さいが、それ
でも成形体表面の意匠面にそれが転写されて悪影響を与
える場合には、成形面の全部または一部を多孔質金属板
(5)等に代替し、該金属板を介して真空吸引を行って
もよい。かかる成形型の材質は、金属材料、木、樹脂な
ど一般に使用される各種材料のなかから、必要な精度、
強度などによって適宜選択される。
説明する。本発明においては、図1に示されるように一
対の成形型が使用され、両成形型のいずれか一方もしく
は両方が型締装置(図示していない)に固定、連結され
て、上下もしくは横方向に移動できるように開閉可能と
なっている。(図1においては、上下方向に移動可能な
上型(1)と下型(2)からなる成形型を用いた場合を
示している。) この成形型は、中空部を形成させるために、上記したよ
うに、成形完了後において、予熱後の膨張した多層シー
トの厚み以上のキャビティクリアランスをキャビティの
少なくとも一部(所望の中空部分)に有するように設計
されている。さらに、両成形型の成形面には真空吸引用
の小孔(3)が適当数設けられており、これらは適宜集
合されて真空吸引装置(4)に接続されている。この真
空吸引用の小孔の孔径は、通常は極めて小さいが、それ
でも成形体表面の意匠面にそれが転写されて悪影響を与
える場合には、成形面の全部または一部を多孔質金属板
(5)等に代替し、該金属板を介して真空吸引を行って
もよい。かかる成形型の材質は、金属材料、木、樹脂な
ど一般に使用される各種材料のなかから、必要な精度、
強度などによって適宜選択される。
【0019】本発明の製造方法においては、かかる一対
の成形型(1、2)を開放状態とし、この両成形型間
に、前記した二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、
6’)を接着剤(13)で積層した2層シートの両面に
非通気性のフィルムまたはシート(7、7’)が貼合さ
れてなる多層シート(8)(図4)を該シートのマトリ
ックス樹脂の溶融温度以上に予熱して厚み方向に膨張さ
せた膨張シート(9)を、予熱状態を維持しながら配置
する。(図1) この際、必要に応じて表皮材(10)は膨張シートの片
面ないしは両面に予め貼合されていてもよいし、単に該
膨張シートと重ね合わせて配置してもよい。後者の場
合、たとえば上下に移動する成形装置を使用する場合に
おいて、膨張シートの上面を表皮材で加飾する場合に
は、膨張シートの上に直接表皮材を載置してもよいし、
図1に示されるようにパーティング面との間で保持可能
となるクランプ枠(11)で表皮材端部を保持し、表皮
材が膨張シートの上部になるように配置してもよい。ま
た、膨張シートの下面を表皮材で加飾する場合には、あ
らかじめ下型の成形面に表皮材を載置し、この上に膨張
シートを重ね置いてもよく、膨張シートの両面を表皮材
で加飾する場合にはこれらの方法を組み合わせてもよ
い。
の成形型(1、2)を開放状態とし、この両成形型間
に、前記した二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、
6’)を接着剤(13)で積層した2層シートの両面に
非通気性のフィルムまたはシート(7、7’)が貼合さ
れてなる多層シート(8)(図4)を該シートのマトリ
ックス樹脂の溶融温度以上に予熱して厚み方向に膨張さ
せた膨張シート(9)を、予熱状態を維持しながら配置
する。(図1) この際、必要に応じて表皮材(10)は膨張シートの片
面ないしは両面に予め貼合されていてもよいし、単に該
膨張シートと重ね合わせて配置してもよい。後者の場
合、たとえば上下に移動する成形装置を使用する場合に
おいて、膨張シートの上面を表皮材で加飾する場合に
は、膨張シートの上に直接表皮材を載置してもよいし、
図1に示されるようにパーティング面との間で保持可能
となるクランプ枠(11)で表皮材端部を保持し、表皮
材が膨張シートの上部になるように配置してもよい。ま
た、膨張シートの下面を表皮材で加飾する場合には、あ
らかじめ下型の成形面に表皮材を載置し、この上に膨張
シートを重ね置いてもよく、膨張シートの両面を表皮材
で加飾する場合にはこれらの方法を組み合わせてもよ
い。
【0020】上記した多層シートの予熱において、予熱
温度は該シートを構成する強化繊維やマトリックス樹脂
である熱可塑性樹脂の種類、強化繊維の含量などによっ
ても異なるが、予熱温度が低いと十分な膨張性が得られ
ず、また、ホットメルト接着剤が溶融せず、中空部の生
成が困難となったり、表皮材を貼合する場合には表皮材
と非通気性のフィルムまたはシートとの接着性にも劣る
ため、少なくともマトリックス樹脂の溶融温度以上に予
熱することが必要である。また、かかる予熱により膨張
した膨張シートは、この予熱状態を保持し、若干の温度
低下はあったとしても、溶融温度以下にならないように
成形型間に供給する必要がある。しかし、あまりに高温
に加熱することはマトリックス樹脂の劣化を招くばかり
でなく、ハンドリングが困難となるため、たとえば強化
繊維としてガラス繊維を使用し、マトリックス樹脂とし
てポリプロピレン系樹脂を使用する場合には、その予熱
温度は通常180〜220℃程度である。
温度は該シートを構成する強化繊維やマトリックス樹脂
である熱可塑性樹脂の種類、強化繊維の含量などによっ
ても異なるが、予熱温度が低いと十分な膨張性が得られ
ず、また、ホットメルト接着剤が溶融せず、中空部の生
成が困難となったり、表皮材を貼合する場合には表皮材
と非通気性のフィルムまたはシートとの接着性にも劣る
ため、少なくともマトリックス樹脂の溶融温度以上に予
熱することが必要である。また、かかる予熱により膨張
した膨張シートは、この予熱状態を保持し、若干の温度
低下はあったとしても、溶融温度以下にならないように
成形型間に供給する必要がある。しかし、あまりに高温
に加熱することはマトリックス樹脂の劣化を招くばかり
でなく、ハンドリングが困難となるため、たとえば強化
繊維としてガラス繊維を使用し、マトリックス樹脂とし
てポリプロピレン系樹脂を使用する場合には、その予熱
温度は通常180〜220℃程度である。
【0021】予熱状態が維持された膨張シートを成形型
間に配置した後、型締を開始し、所定のキャビティクリ
アランスになったところで型締を完了する。(図2) この型締完了時において、形成されるべき中空部の外周
部分の型外周クリアランスは原料多層シートの予熱前の
厚み以上、予熱後の厚み以下となっていることが必要で
あり、図2においては該クリアランスに相当する両成形
型のそれぞれのパーティング面間(h)が上記範囲とな
るように設定されている。型締完了の位置制御は、型に
固定、連結されている型締装置の型締完了位置を制御す
る方法など任意の方法で行われるが、高価な制御装置を
必要とせず、しかも確実である点で、予め型外周クリア
ランスがhとなるように位置設定したストッパー(1
2)により行なう方法が好ましい。
間に配置した後、型締を開始し、所定のキャビティクリ
アランスになったところで型締を完了する。(図2) この型締完了時において、形成されるべき中空部の外周
部分の型外周クリアランスは原料多層シートの予熱前の
厚み以上、予熱後の厚み以下となっていることが必要で
あり、図2においては該クリアランスに相当する両成形
型のそれぞれのパーティング面間(h)が上記範囲とな
るように設定されている。型締完了の位置制御は、型に
固定、連結されている型締装置の型締完了位置を制御す
る方法など任意の方法で行われるが、高価な制御装置を
必要とせず、しかも確実である点で、予め型外周クリア
ランスがhとなるように位置設定したストッパー(1
2)により行なう方法が好ましい。
【0022】型締完了後、真空吸引装置を作動させ、成
形型の成形面に設けた真空吸引用の小孔(3)または多
孔質金属板(5)を通じて真空吸引する。かかる吸引に
より、膨張シートの厚みより広いキャビティクリアラン
スを有する部分(中空部形成部分)においては、二枚の
接着された繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、6’)が
それぞれに外側に向かって引っ張られ、予熱による熱に
よって溶融して接着力の著しく低下している接着剤層が
乖離し、乖離した繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、
6’)は両シート間に中空部(14)を形成せしめなが
ら、その外層に非通気性フィルム(7、7’)を貼合し
た中空部の外殻(15、15’)として、型形状を転写
しながらそれぞれの成形面に吸引される。(図3) この際、繊維強化熱可塑性樹脂シートは予熱によりそれ
ぞれに膨張し、すでに多孔性となっているため、該シー
トに由来する外殻も空隙を有する多孔性の構造となって
いる。ここで、真空吸引の程度は、膨張シートの予熱温
度や膨張倍率、中空部分の大きさ、型締完了時における
中空部外周部分のクリアランスなどの成形条件によって
も異なり、また、一般には型内での減圧度が高い程型形
状の転写性も良好となり、また、表皮材を同時に貼合す
る場合はその接着性も向上するので好ましいが、通常は
型内の圧力が0.5kg/cm2 以下、好ましくは0.3kg
/cm2 以下となる程度まで真空吸引される。
形型の成形面に設けた真空吸引用の小孔(3)または多
孔質金属板(5)を通じて真空吸引する。かかる吸引に
より、膨張シートの厚みより広いキャビティクリアラン
スを有する部分(中空部形成部分)においては、二枚の
接着された繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、6’)が
それぞれに外側に向かって引っ張られ、予熱による熱に
よって溶融して接着力の著しく低下している接着剤層が
乖離し、乖離した繊維強化熱可塑性樹脂シート(6、
6’)は両シート間に中空部(14)を形成せしめなが
ら、その外層に非通気性フィルム(7、7’)を貼合し
た中空部の外殻(15、15’)として、型形状を転写
しながらそれぞれの成形面に吸引される。(図3) この際、繊維強化熱可塑性樹脂シートは予熱によりそれ
ぞれに膨張し、すでに多孔性となっているため、該シー
トに由来する外殻も空隙を有する多孔性の構造となって
いる。ここで、真空吸引の程度は、膨張シートの予熱温
度や膨張倍率、中空部分の大きさ、型締完了時における
中空部外周部分のクリアランスなどの成形条件によって
も異なり、また、一般には型内での減圧度が高い程型形
状の転写性も良好となり、また、表皮材を同時に貼合す
る場合はその接着性も向上するので好ましいが、通常は
型内の圧力が0.5kg/cm2 以下、好ましくは0.3kg
/cm2 以下となる程度まで真空吸引される。
【0023】なお、上記においては型締完了後に真空吸
引を開始する方法について述べたが、型締開始後、中空
部外周部分のクリアランスが膨張シートの厚みと同等な
いしはそれより小さくなる状態まで型締を進行して型内
が真空吸引可能の状態になれば、型締を継続しながら真
空吸引を開始し、型締と真空吸引を並行して行ってもよ
い。勿論、この場合には成形完了まで両操作を並行する
必要はなく、真空吸引を行ないながら先に型締が完了し
てもよい。
引を開始する方法について述べたが、型締開始後、中空
部外周部分のクリアランスが膨張シートの厚みと同等な
いしはそれより小さくなる状態まで型締を進行して型内
が真空吸引可能の状態になれば、型締を継続しながら真
空吸引を開始し、型締と真空吸引を並行して行ってもよ
い。勿論、この場合には成形完了まで両操作を並行する
必要はなく、真空吸引を行ないながら先に型締が完了し
てもよい。
【0024】いずれの方法であっても、型内を十分に真
空吸引したのち成形体を冷却し、真空吸引を停止して成
形型を開けて成形体を取り出すと、中空部を形成する外
殻が空隙を有する多孔性繊維強化熱可塑性樹脂からなる
繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体を得ることができる。
(図5) 成形型からの成形体の取り出しを容易にするために、た
とえば成形面に収納可能な突き出しピンを設け、成形型
を開いたのちに該ピンを突き出して成形体を成形面から
突き出させるようにすることも可能である。
空吸引したのち成形体を冷却し、真空吸引を停止して成
形型を開けて成形体を取り出すと、中空部を形成する外
殻が空隙を有する多孔性繊維強化熱可塑性樹脂からなる
繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体を得ることができる。
(図5) 成形型からの成形体の取り出しを容易にするために、た
とえば成形面に収納可能な突き出しピンを設け、成形型
を開いたのちに該ピンを突き出して成形体を成形面から
突き出させるようにすることも可能である。
【0025】かかる方法において、表皮材を膨張シート
と重ね合わせて使用した場合には、その成形過程におい
て表皮材が非通気性フィルムまたはシートを介して基材
と強固に一体的に接合され、また、表皮材を使用せず、
非通気性のフィルムまたはシートを表皮層を兼ねて最外
層とする場合に、成形面にあらかじめシボ模様等の微細
な凹凸を設けておくことにより、得られた中空成形体の
表面には該シボ模様等が性格に転写され、外観の良好な
製品とすることができる。
と重ね合わせて使用した場合には、その成形過程におい
て表皮材が非通気性フィルムまたはシートを介して基材
と強固に一体的に接合され、また、表皮材を使用せず、
非通気性のフィルムまたはシートを表皮層を兼ねて最外
層とする場合に、成形面にあらかじめシボ模様等の微細
な凹凸を設けておくことにより、得られた中空成形体の
表面には該シボ模様等が性格に転写され、外観の良好な
製品とすることができる。
【0026】かくして、型形状を正確に転写し、原料の
繊維強化熱可塑性樹脂シートが膨張した、その外層に熱
可塑性樹脂製非通気性フィルムが貼合されてなる空隙率
の高い多孔性繊維強化熱可塑性樹脂を外殻とし、必要に
よりさらにその表面に表皮材を貼合してなる軽量性およ
び強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体が得ら
れ、該中空成形体はその性質を利用して各種の用途、特
に断熱材、吸音材などとして、またこれらの性質を具備
した内装材として、自動車部品、家電製品部品、保温保
冷容器等として幅広く使用することができる。
繊維強化熱可塑性樹脂シートが膨張した、その外層に熱
可塑性樹脂製非通気性フィルムが貼合されてなる空隙率
の高い多孔性繊維強化熱可塑性樹脂を外殻とし、必要に
よりさらにその表面に表皮材を貼合してなる軽量性およ
び強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体が得ら
れ、該中空成形体はその性質を利用して各種の用途、特
に断熱材、吸音材などとして、またこれらの性質を具備
した内装材として、自動車部品、家電製品部品、保温保
冷容器等として幅広く使用することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、繊維強化熱可塑
性樹脂シートを原料として、その外層に熱可塑性樹脂製
非通気性フィルムが貼合されてなる空隙率の高い多孔性
繊維強化熱可塑性樹脂を外殻とし、必要によりさらにそ
の表面に表皮材を貼合してなる軽量性および強度に優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体を容易に得ることが
でき、かくして得られた中空成形体はその性質を利用し
て各種の用途、特に断熱材、吸音材などとして、またこ
れらの性質を具備した内装材として、自動車部品、家電
製品部品、保温保冷容器等として幅広く使用することが
できる。
性樹脂シートを原料として、その外層に熱可塑性樹脂製
非通気性フィルムが貼合されてなる空隙率の高い多孔性
繊維強化熱可塑性樹脂を外殻とし、必要によりさらにそ
の表面に表皮材を貼合してなる軽量性および強度に優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体を容易に得ることが
でき、かくして得られた中空成形体はその性質を利用し
て各種の用途、特に断熱材、吸音材などとして、またこ
れらの性質を具備した内装材として、自動車部品、家電
製品部品、保温保冷容器等として幅広く使用することが
できる。
【0028】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明がこれによって限定されるものでないことはいう
までもない。
本発明がこれによって限定されるものでないことはいう
までもない。
【0029】実施例1 抄造法で得た繊維強化熱可塑性樹脂シート(マトリック
ス樹脂:ポリプロピレン、強化繊維:ガラス繊維、ガラ
ス繊維充填率:50重量%、平均ガラス繊維長:25m
m、平均ガラス繊維径:15μ、目付:1300g/m
2 、厚み1mm)二枚を、軟化点90℃のエチレン・酢
酸ビニル系ホットメルト接着剤で接着し、その両面にラ
ンダムポリプロピレンフィルム(溶融温度:155℃、
MFR:9、厚さ:60μ)にナイロンフィルム(溶融
温度:260℃、厚さ:25μ)をドライラミネートし
た2層フィルムをそれぞれポリプロピレンフィルム側が
上記シート側になるようにラミネートして多層シートを
得た。成形体の厚みが最小20mm、最大30mmとな
るように設計され、両金型面に0.5mmφの真空吸引
孔が多数配置された上下一対からなる成形型を型開き
し、両型間に210℃に予備加熱されてその厚みが14
mmまで膨張した前記多層シートを配置した。型外周ク
リアランス〔図2においては中空部の外周部に相当する
上下両型のそれぞれのパーティング面間(h)〕が5m
mとなる位置に設定されたストッパーまで両成形型を閉
じ、真空吸引孔を通してキャビティ内が約0.3気圧と
なるまで多層シート表面と各成形面の間を真空吸引す
る。成形体を冷却したのち真空吸引を停止し、キャビテ
ィ内を大気圧に復したのち金型を開き、成形品を取り出
した。得られた成形体は、型形状を正確に転写してお
り、また、設計どおりに成形体の厚みは最小20mm、
最大30mmであった。また、この成形体の断面をみる
と、多層シートの接着層の部分で原料の繊維強化熱可塑
性樹脂シートがほぼ完全に剥離されて、厚さ約7mmの
多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる外殻が形成さ
れ、成形体厚みが20mmの部分では約6mm幅の、厚
みが30mmの部分では約16mm幅の中空部が形成さ
れていた。
ス樹脂:ポリプロピレン、強化繊維:ガラス繊維、ガラ
ス繊維充填率:50重量%、平均ガラス繊維長:25m
m、平均ガラス繊維径:15μ、目付:1300g/m
2 、厚み1mm)二枚を、軟化点90℃のエチレン・酢
酸ビニル系ホットメルト接着剤で接着し、その両面にラ
ンダムポリプロピレンフィルム(溶融温度:155℃、
MFR:9、厚さ:60μ)にナイロンフィルム(溶融
温度:260℃、厚さ:25μ)をドライラミネートし
た2層フィルムをそれぞれポリプロピレンフィルム側が
上記シート側になるようにラミネートして多層シートを
得た。成形体の厚みが最小20mm、最大30mmとな
るように設計され、両金型面に0.5mmφの真空吸引
孔が多数配置された上下一対からなる成形型を型開き
し、両型間に210℃に予備加熱されてその厚みが14
mmまで膨張した前記多層シートを配置した。型外周ク
リアランス〔図2においては中空部の外周部に相当する
上下両型のそれぞれのパーティング面間(h)〕が5m
mとなる位置に設定されたストッパーまで両成形型を閉
じ、真空吸引孔を通してキャビティ内が約0.3気圧と
なるまで多層シート表面と各成形面の間を真空吸引す
る。成形体を冷却したのち真空吸引を停止し、キャビテ
ィ内を大気圧に復したのち金型を開き、成形品を取り出
した。得られた成形体は、型形状を正確に転写してお
り、また、設計どおりに成形体の厚みは最小20mm、
最大30mmであった。また、この成形体の断面をみる
と、多層シートの接着層の部分で原料の繊維強化熱可塑
性樹脂シートがほぼ完全に剥離されて、厚さ約7mmの
多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる外殻が形成さ
れ、成形体厚みが20mmの部分では約6mm幅の、厚
みが30mmの部分では約16mm幅の中空部が形成さ
れていた。
【0030】実施例2 成形面の真空吸引孔に代えて、真空吸引可能な多孔質金
属板を成形面に設け、かつ成形面に微細なシボ模様を刻
んだ成形型を用いる以外は実施例1と同様にして成形体
を得た。得られた成形体は、その表面にシボ模様を有
し、またその形状は型形状を正確に転写していた。ま
た、この成形体の断面は、実施例1で得た成形体と同様
に、厚さ約7mmの多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂から
なる外殻が形成され、成形体厚みが20mmの部分では
約6mm幅の、厚みが30mmの部分では約16mm幅
の中空部が形成されていた。
属板を成形面に設け、かつ成形面に微細なシボ模様を刻
んだ成形型を用いる以外は実施例1と同様にして成形体
を得た。得られた成形体は、その表面にシボ模様を有
し、またその形状は型形状を正確に転写していた。ま
た、この成形体の断面は、実施例1で得た成形体と同様
に、厚さ約7mmの多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂から
なる外殻が形成され、成形体厚みが20mmの部分では
約6mm幅の、厚みが30mmの部分では約16mm幅
の中空部が形成されていた。
【0031】実施例3 実施例1の方法において、融点が260℃で、目付50
g/m2 のポリエステル系不織布の片面に、約90℃で
軟化してナイロンとの接着性に良好なホットメルト接着
剤をラミネートした表皮材を、ホットメルト層がシート
側にくるように予熱された多層シートの両面に載置する
以外は実施例1と同様にして中空成形体を得た。得られ
た成形体は、その表面にポリエステル系不織布が強固に
貼着され、またその形状は型形状を正確に転写してい
た。また、この成形体の断面は、実施例1で得た成形体
と同様に、厚さ約7mmの多孔性の繊維強化熱可塑性樹
脂からなる外殻が形成され、成形体厚みが20mmの部
分では約6mm幅の、厚みが30mmの部分では約16
mm幅の中空部が形成されていた。
g/m2 のポリエステル系不織布の片面に、約90℃で
軟化してナイロンとの接着性に良好なホットメルト接着
剤をラミネートした表皮材を、ホットメルト層がシート
側にくるように予熱された多層シートの両面に載置する
以外は実施例1と同様にして中空成形体を得た。得られ
た成形体は、その表面にポリエステル系不織布が強固に
貼着され、またその形状は型形状を正確に転写してい
た。また、この成形体の断面は、実施例1で得た成形体
と同様に、厚さ約7mmの多孔性の繊維強化熱可塑性樹
脂からなる外殻が形成され、成形体厚みが20mmの部
分では約6mm幅の、厚みが30mmの部分では約16
mm幅の中空部が形成されていた。
【0032】実施例4 抄造法で得た繊維強化熱可塑性樹脂シート(マトリック
ス樹脂:ポリプロピレン、強化繊維:ガラス繊維、ガラ
ス繊維充填率:50重量%、平均ガラス繊維長:25m
m、平均ガラス繊維径:15μ、目付:1300g/m
2 、厚み1mm)と抄造法で得た繊維強化熱可塑性樹脂
シート(マトリックス樹脂:ポリプロピレン、強化繊
維:ガラス繊維、ガラス繊維充填率:30重量%、平均
ガラス繊維長:25mm、平均ガラス繊維径:15μ、
目付:2500g/m2 、厚み2mm)とを、軟化点9
0℃のエチレン・酢酸ビニル系ホットメルト接着剤で接
着し、その両面にランダムポリプロピレンフィルム(溶
融温度:155℃、MFR:9、厚さ:60μ)にナイ
ロンフィルム(溶融温度:260℃、厚さ:25μ)を
ドライラミネートした2層フィルムをそれぞれポリプロ
ピレンフィルム側が上記シート側になるようにラミネー
トして多層シートを得た。成形体の厚みが最小19m
m、最大40mmとなるように設計され、両成形面に
0.5mmφの真空吸引孔が多数配置された上下一対か
らなる成形型を型開きし、両型間に210℃に予備加熱
されてその厚みが17mmまで膨張した前記多層シート
を配置した。型外周クリアランス〔図2においては中空
部の外周部に相当する上下両金型のそれぞれのパーティ
ング面間(h)〕が7mmとなる位置に設定されたスト
ッパーまで両成形型を閉じ、真空吸引孔を通してキャビ
ティ内が約0.3気圧となるまで多層シート表面と各成
形面の間を真空吸引する。成形体を冷却したのち真空吸
引を停止し、キャビティ内を大気圧に復したのち型を開
き、成形品を取り出した。得られた成形体は、型形状を
正確に転写しており、また、設計どおりに成形体の厚み
は最小19mm、最大40mmであった。また、この成
形体の断面をみると、多層シートの接着層の部分で原料
の繊維強化熱可塑性樹脂シートがほぼ完全に剥離され
て、片面には厚さ約7mmの、また片面には厚さ10m
mの多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる外殻が形成
され、成形体厚みが19mmの部分では約2mm幅の、
厚みが40mmの部分では約23mm幅の中空部が形成
されていた。
ス樹脂:ポリプロピレン、強化繊維:ガラス繊維、ガラ
ス繊維充填率:50重量%、平均ガラス繊維長:25m
m、平均ガラス繊維径:15μ、目付:1300g/m
2 、厚み1mm)と抄造法で得た繊維強化熱可塑性樹脂
シート(マトリックス樹脂:ポリプロピレン、強化繊
維:ガラス繊維、ガラス繊維充填率:30重量%、平均
ガラス繊維長:25mm、平均ガラス繊維径:15μ、
目付:2500g/m2 、厚み2mm)とを、軟化点9
0℃のエチレン・酢酸ビニル系ホットメルト接着剤で接
着し、その両面にランダムポリプロピレンフィルム(溶
融温度:155℃、MFR:9、厚さ:60μ)にナイ
ロンフィルム(溶融温度:260℃、厚さ:25μ)を
ドライラミネートした2層フィルムをそれぞれポリプロ
ピレンフィルム側が上記シート側になるようにラミネー
トして多層シートを得た。成形体の厚みが最小19m
m、最大40mmとなるように設計され、両成形面に
0.5mmφの真空吸引孔が多数配置された上下一対か
らなる成形型を型開きし、両型間に210℃に予備加熱
されてその厚みが17mmまで膨張した前記多層シート
を配置した。型外周クリアランス〔図2においては中空
部の外周部に相当する上下両金型のそれぞれのパーティ
ング面間(h)〕が7mmとなる位置に設定されたスト
ッパーまで両成形型を閉じ、真空吸引孔を通してキャビ
ティ内が約0.3気圧となるまで多層シート表面と各成
形面の間を真空吸引する。成形体を冷却したのち真空吸
引を停止し、キャビティ内を大気圧に復したのち型を開
き、成形品を取り出した。得られた成形体は、型形状を
正確に転写しており、また、設計どおりに成形体の厚み
は最小19mm、最大40mmであった。また、この成
形体の断面をみると、多層シートの接着層の部分で原料
の繊維強化熱可塑性樹脂シートがほぼ完全に剥離され
て、片面には厚さ約7mmの、また片面には厚さ10m
mの多孔性の繊維強化熱可塑性樹脂からなる外殻が形成
され、成形体厚みが19mmの部分では約2mm幅の、
厚みが40mmの部分では約23mm幅の中空部が形成
されていた。
【図1】本発明の中空成形体の製造工程の概略を金型の
断面で示したものである。
断面で示したものである。
【図2】本発明の中空成形体の製造工程の概略を金型の
断面で示したものである。
断面で示したものである。
【図3】本発明の中空成形体の製造工程の概略を金型の
断面で示したものである。
断面で示したものである。
【図4】多層シートの断面を示したものである。
【図5】本発明の中空成形体の断面を示したものであ
る。
る。
1:上金型 2:下金型 3:真空吸引孔 4:真空吸引装置 5:多孔質金属板 6:繊維強化熱可
塑性樹脂シート 7:非通気性フィルム 8:多層シート 9:膨張シート 10:表皮材 11:クランプ枠 12:ストッパー 13:接着剤層 14:中空部 15:外殻 h:型締時の金型外周クリアランス
塑性樹脂シート 7:非通気性フィルム 8:多層シート 9:膨張シート 10:表皮材 11:クランプ枠 12:ストッパー 13:接着剤層 14:中空部 15:外殻 h:型締時の金型外周クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 22:00 (72)発明者 桝井 捷平 東京都中央区新川2丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 小林 雄司 東京都中央区新川2丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 船越 覚 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 長山 勝博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 藤巻 雅美 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 吉武 裕幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】外殻がその外層に熱可塑性樹脂製フィルム
を貼合してなる多孔性繊維強化熱可塑性樹脂からなる繊
維強化熱可塑性樹脂中空成形体。 - 【請求項2】強化繊維を含む繊維強化熱可塑性樹脂シー
ト同士を、該シートのマトリックスである熱可塑性樹脂
の融点以下で溶融するホットメルト接着剤で積層接着し
た2層シートの両面に熱可塑性樹脂製非通気性フィルム
を貼合してなる多層シートを、マトリックスである熱可
塑性樹脂の溶融温度以上に予熱してその厚み方向に膨張
させたのち、予熱状態を保持しつつ、成形完了時におい
て予熱後の多層シートの厚み以上のキャビティクリアラ
ンスをキャビティの少なくとも1部に有するように設計
された一対の成形型間に配し、次いで型締を行なったの
ち、または型締を行いつつ、いずれか一方もしくは両方
の成形型の成形面に予め設けた複数の真空吸引孔から真
空吸引を行なうことを特徴とする外殻がその外層に熱可
塑性樹脂製フィルムを貼合してなる多孔性繊維強化熱可
塑性樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体の製
造方法。 - 【請求項3】いずれか一方もしくは両方の成形型の成形
面に微細な凹凸模様を付した一対の成形型を用いる請求
項2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体の製造方
法。 - 【請求項4】予熱温度で熱可塑性樹脂製非通気性フィル
ムと接着可能な表皮材を、多層シートと一対の成形型の
いずれか一方もしくは両方の金型面との間に予め供給す
る請求項2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体の
製造方法。 - 【請求項5】繊維強化熱可塑性樹脂シートが抄造法繊維
強化熱可塑性樹脂シートである請求項2に記載の繊維強
化熱可塑性樹脂中空成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6433196A JPH09254248A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6433196A JPH09254248A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09254248A true JPH09254248A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13255159
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6433196A Pending JPH09254248A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 繊維強化熱可塑性樹脂中空成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09254248A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002166464A (ja) * | 2000-09-25 | 2002-06-11 | Honda Motor Co Ltd | 樹脂パネルの成形方法 |
| WO2013099828A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | 東レ株式会社 | 中空部を有する熱可塑性樹脂成形体およびその製造方法 |
| CN108790219A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-11-13 | 湖北鼎中新材料有限公司 | 一种ud无纬布及其无树脂快速制备方法 |
| KR20190097571A (ko) * | 2018-02-12 | 2019-08-21 | 이성열 | 바닥 매트 제조 장치, 제조 방법 및 이들에 의해 제조된 바닥 매트 |
| WO2019189582A1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 東レ株式会社 | 成形品の製造方法 |
| JP2022187114A (ja) * | 2021-06-07 | 2022-12-19 | 株式会社コバヤシ | 積層シートを素材とする包装用容器の製造方法 |
| WO2024090785A1 (ko) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 주식회사 엘지화학 | 성형체 |
| CN119950970A (zh) * | 2025-03-14 | 2025-05-09 | 宁波倍理医疗发展有限公司 | 一种双层球囊定型机构 |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP6433196A patent/JPH09254248A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002166464A (ja) * | 2000-09-25 | 2002-06-11 | Honda Motor Co Ltd | 樹脂パネルの成形方法 |
| WO2013099828A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | 東レ株式会社 | 中空部を有する熱可塑性樹脂成形体およびその製造方法 |
| JPWO2013099828A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2015-05-07 | 東レ株式会社 | 中空部を有する熱可塑性樹脂成形体およびその製造方法 |
| KR20190097571A (ko) * | 2018-02-12 | 2019-08-21 | 이성열 | 바닥 매트 제조 장치, 제조 방법 및 이들에 의해 제조된 바닥 매트 |
| WO2019189582A1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 東レ株式会社 | 成形品の製造方法 |
| KR20200132876A (ko) | 2018-03-30 | 2020-11-25 | 도레이 카부시키가이샤 | 성형품의 제조 방법 |
| CN108790219A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-11-13 | 湖北鼎中新材料有限公司 | 一种ud无纬布及其无树脂快速制备方法 |
| JP2022187114A (ja) * | 2021-06-07 | 2022-12-19 | 株式会社コバヤシ | 積層シートを素材とする包装用容器の製造方法 |
| WO2024090785A1 (ko) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 주식회사 엘지화학 | 성형체 |
| JP2025501993A (ja) * | 2022-10-28 | 2025-01-24 | エルジー・ケム・リミテッド | 成形体 |
| CN119950970A (zh) * | 2025-03-14 | 2025-05-09 | 宁波倍理医疗发展有限公司 | 一种双层球囊定型机构 |
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