JPH0925521A - 良加工性熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
良加工性熱延鋼板の製造方法Info
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- JPH0925521A JPH0925521A JP17101195A JP17101195A JPH0925521A JP H0925521 A JPH0925521 A JP H0925521A JP 17101195 A JP17101195 A JP 17101195A JP 17101195 A JP17101195 A JP 17101195A JP H0925521 A JPH0925521 A JP H0925521A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は冷延、焼鈍過程の省略などにより大
幅なエネルギー消費量の低減と酸洗性改善、耐2次加工
性の向上を念頭においた深絞り用良加工性熱延鋼板の製
造方法を提供するものである。 【構成】 Ti、Nbを少なくともC、N当量含んだ極
低炭素鋼のスラブを熱延する際に、Ar3 変態点以下7
00℃以上の温度で合計圧下率が70%以上の圧延を必
要に応じ摩擦係数を制御して行ない、仕上温度が730
℃以上で、かつ加工発熱で連続熱延中の最低温度より3
0℃以上高い仕上温度で圧延し、700℃以下で巻き取
ることを特徴とする成形性に優れた熱延鋼板の製造方
法。
幅なエネルギー消費量の低減と酸洗性改善、耐2次加工
性の向上を念頭においた深絞り用良加工性熱延鋼板の製
造方法を提供するものである。 【構成】 Ti、Nbを少なくともC、N当量含んだ極
低炭素鋼のスラブを熱延する際に、Ar3 変態点以下7
00℃以上の温度で合計圧下率が70%以上の圧延を必
要に応じ摩擦係数を制御して行ない、仕上温度が730
℃以上で、かつ加工発熱で連続熱延中の最低温度より3
0℃以上高い仕上温度で圧延し、700℃以下で巻き取
ることを特徴とする成形性に優れた熱延鋼板の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の内板の
ような深絞り加工に供される鋼板を製造する方法に関す
るものである。
ような深絞り加工に供される鋼板を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】深絞り用鋼板の標準的な製造工程を以下
に記する。本発明は極低炭素鋼を対象にしているので、
その製造工程を中心に説明する。高炉から得られる銑鉄
は4%程度のCを含むが、純酸素を吹き込むことにより
転炉段階で、0.05%程度まで低減される。極低炭素
鋼を製造するにはその後、真空脱ガス装置での脱炭が行
なわれ、最近では10ppm 程度までCを下げることが可
能になってきた。現在、日本ではほどんどの深絞り用鋼
板が連続鋳造により製造されている。
に記する。本発明は極低炭素鋼を対象にしているので、
その製造工程を中心に説明する。高炉から得られる銑鉄
は4%程度のCを含むが、純酸素を吹き込むことにより
転炉段階で、0.05%程度まで低減される。極低炭素
鋼を製造するにはその後、真空脱ガス装置での脱炭が行
なわれ、最近では10ppm 程度までCを下げることが可
能になってきた。現在、日本ではほどんどの深絞り用鋼
板が連続鋳造により製造されている。
【0003】連続鋳造で製造されたスラブは3つのルー
トで熱間圧延へ供される。1つはCC−DR(Continuo
us Casting and Direct Rolling)と称され、再加熱する
ことなしに直接熱延される場合で、熱エネルギー的には
最も効率的なルートである。この場合、鋳片の温度が大
きく下がらないように、設備的な対策が必要なことと、
鋳片の手入れができないため、表面品質の劣化を招く可
能性があるなどの欠点もある。深絞り用鋼板は外板に使
用されることが多いため、表面品質は特に厳しいので、
現在のところCC−DRはほとんど適用されていない。
トで熱間圧延へ供される。1つはCC−DR(Continuo
us Casting and Direct Rolling)と称され、再加熱する
ことなしに直接熱延される場合で、熱エネルギー的には
最も効率的なルートである。この場合、鋳片の温度が大
きく下がらないように、設備的な対策が必要なことと、
鋳片の手入れができないため、表面品質の劣化を招く可
能性があるなどの欠点もある。深絞り用鋼板は外板に使
用されることが多いため、表面品質は特に厳しいので、
現在のところCC−DRはほとんど適用されていない。
【0004】2つ目のルートはスラブを冷塊にし、その
後加熱炉で再加熱して熱間圧延に供するルートである。
3つ目は1と2の中間で、スラブを完全に冷やす前に加
熱炉に入れる方式で、HCR(Hot Charge)と称されて
いる。スラブ温度がγ→α変態を起こす前に、再加熱さ
れる場合をAルート、一度γ/α変態点以下になる場合
をBルートと名付けられている。深絞り用極低炭素鋼は
通常上記2あるいは3のBルートで製造されている。再
加熱の温度は1150℃〜1250℃が一般に採用され
ている。
後加熱炉で再加熱して熱間圧延に供するルートである。
3つ目は1と2の中間で、スラブを完全に冷やす前に加
熱炉に入れる方式で、HCR(Hot Charge)と称されて
いる。スラブ温度がγ→α変態を起こす前に、再加熱さ
れる場合をAルート、一度γ/α変態点以下になる場合
をBルートと名付けられている。深絞り用極低炭素鋼は
通常上記2あるいは3のBルートで製造されている。再
加熱の温度は1150℃〜1250℃が一般に採用され
ている。
【0005】熱間圧延は一般に数回の粗圧延を行なった
後、5〜7スタンドの連続熱間圧延機でAr3 変態点以
上の仕上温度で行ない、板厚2〜4mmの熱延板を製造す
る。巻取温度は極低炭素鋼の場合は700℃以上の高温
の方が炭窒化物が粗大に析出するため、材質の観点から
は好ましいが、酸洗性の劣化や材質のバラツキが起きや
すい欠点があるため、600℃以下の低温巻取でも高温
巻取に匹敵する材質が得られる技術の開発が要望されて
いる。
後、5〜7スタンドの連続熱間圧延機でAr3 変態点以
上の仕上温度で行ない、板厚2〜4mmの熱延板を製造す
る。巻取温度は極低炭素鋼の場合は700℃以上の高温
の方が炭窒化物が粗大に析出するため、材質の観点から
は好ましいが、酸洗性の劣化や材質のバラツキが起きや
すい欠点があるため、600℃以下の低温巻取でも高温
巻取に匹敵する材質が得られる技術の開発が要望されて
いる。
【0006】仕上げ後の冷却はγ→α変態の時に速く冷
やすことにより、熱延組織を微細にできるためROT(R
un-out Table)の前段で急冷する方式がよく用いられ
る。熱延コイルは放冷後、酸洗され、冷間圧延により
0.8mm前後の板厚に仕上げられる。冷延コイルは電解
洗浄により表面に付着した油などを取り除いてから焼鈍
に供される。通常、焼鈍は生産性の観点より連続焼鈍に
よって行なわれる。しかし、連続焼鈍炉の通板には幅や
厚さの制限があるため、一般に箱焼鈍も併用されてい
る。
やすことにより、熱延組織を微細にできるためROT(R
un-out Table)の前段で急冷する方式がよく用いられ
る。熱延コイルは放冷後、酸洗され、冷間圧延により
0.8mm前後の板厚に仕上げられる。冷延コイルは電解
洗浄により表面に付着した油などを取り除いてから焼鈍
に供される。通常、焼鈍は生産性の観点より連続焼鈍に
よって行なわれる。しかし、連続焼鈍炉の通板には幅や
厚さの制限があるため、一般に箱焼鈍も併用されてい
る。
【0007】深絞り用鋼板は表面処理を施されて製品と
なることが多い。主な表面処理は溶融亜鉛めっきと各種
の電気めっきである。また、自動車のガソリンタンクに
は鉛の溶融めっきであるターンめっきが施される。
なることが多い。主な表面処理は溶融亜鉛めっきと各種
の電気めっきである。また、自動車のガソリンタンクに
は鉛の溶融めっきであるターンめっきが施される。
【0008】電気めっき用鋼板とターンめっき用鋼板の
場合は上記の焼鈍材を原板として用いるが、溶融亜鉛め
っきの鋼板の場合は、冷延鋼板を原板として用い、連続
焼鈍と溶融めっきを炉中で行なうことができる連続溶融
めっきラインで焼鈍と表面処理を同時に行なう。焼鈍さ
れたコイルは形状矯正とプレスの際に生じるストレッチ
ャーストレインの発生を防止するために1%程度の調質
圧延に供される。
場合は上記の焼鈍材を原板として用いるが、溶融亜鉛め
っきの鋼板の場合は、冷延鋼板を原板として用い、連続
焼鈍と溶融めっきを炉中で行なうことができる連続溶融
めっきラインで焼鈍と表面処理を同時に行なう。焼鈍さ
れたコイルは形状矯正とプレスの際に生じるストレッチ
ャーストレインの発生を防止するために1%程度の調質
圧延に供される。
【0009】以上の標準的な製造工程に対して最近、I
F鋼で熱間圧延を一部Ar3 変態点以下で積極的に行な
い深絞り用熱延鋼板を製造する技術が開発されている。
その理由は従来のようにAr3 変態温度以上での仕上圧
延を狙っていて、偶然操業上のトラブルなどでAr3 変
態温度以下で若干熱延された場合は成品板の材質が劣化
するが、熱延条件を工夫するとAr3 変態温度以上で仕
上圧延された材料と同等もしくはそれ以上の材質を得る
ことができることが分かってきたためである。
F鋼で熱間圧延を一部Ar3 変態点以下で積極的に行な
い深絞り用熱延鋼板を製造する技術が開発されている。
その理由は従来のようにAr3 変態温度以上での仕上圧
延を狙っていて、偶然操業上のトラブルなどでAr3 変
態温度以下で若干熱延された場合は成品板の材質が劣化
するが、熱延条件を工夫するとAr3 変態温度以上で仕
上圧延された材料と同等もしくはそれ以上の材質を得る
ことができることが分かってきたためである。
【0010】しかし、この場合、熱延板を再結晶させる
ことが必要となる。そのため、再結晶温度以上の高温巻
取が必須になる。しかし、高温巻取はスケールの生成が
著しく、それを除去するために酸洗時間が長くなること
や、Pの粒界偏析が顕著になり2次加工性の劣化を招く
などの欠点が生じる。しかし、低温で巻き取ったのでは
優れた特性を得ることが難しい。そこで、これらの問題
点を解決する方策として、低温巻取した熱延板を連続焼
鈍により再結晶処理することが考えられるが、この場合
は製造コストが高くなるという経済的欠点がある。
ことが必要となる。そのため、再結晶温度以上の高温巻
取が必須になる。しかし、高温巻取はスケールの生成が
著しく、それを除去するために酸洗時間が長くなること
や、Pの粒界偏析が顕著になり2次加工性の劣化を招く
などの欠点が生じる。しかし、低温で巻き取ったのでは
優れた特性を得ることが難しい。そこで、これらの問題
点を解決する方策として、低温巻取した熱延板を連続焼
鈍により再結晶処理することが考えられるが、この場合
は製造コストが高くなるという経済的欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、Ar
3 変態点以下で仕上圧延して深絞り用熱延鋼板を製造す
る場合に大きな障害になる問題点は以下のとおりであ
る。 1)熱延板が再結晶していないと加工性が確保できな
い。2)鋼板が薄くなり表面積が増えるので酸洗コスト
が増す。3)冷延鋼板のように短時間熱処理で再結晶処
理をするのと異なり、高温の熱延巻取処理ではPの粒界
偏析が顕著になる。本発明は、これらの問題点を解決し
て、高温巻取相当の材質を達成し、酸洗性および2次加
工性の劣化を回避する深絞り用良加工性熱延鋼板(表面
処理原板も含む)の製造方法を提供するものである。
3 変態点以下で仕上圧延して深絞り用熱延鋼板を製造す
る場合に大きな障害になる問題点は以下のとおりであ
る。 1)熱延板が再結晶していないと加工性が確保できな
い。2)鋼板が薄くなり表面積が増えるので酸洗コスト
が増す。3)冷延鋼板のように短時間熱処理で再結晶処
理をするのと異なり、高温の熱延巻取処理ではPの粒界
偏析が顕著になる。本発明は、これらの問題点を解決し
て、高温巻取相当の材質を達成し、酸洗性および2次加
工性の劣化を回避する深絞り用良加工性熱延鋼板(表面
処理原板も含む)の製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはフェライト
域熱延の再結晶に関する研究を重ね、加工発熱が生じた
場合に顕著な再結晶の促進が起こるという新しい知見を
得た。一見、加工発熱により温度が上昇するのであるか
ら、再結晶が促進するのは当たり前と考えられるが、再
結晶の促進状態を定量的に検討すると、単に材料が高温
状態に置かれたことによって再結晶が促進したと考える
だけでは理解できないほど再結晶が促進することが分か
った。
域熱延の再結晶に関する研究を重ね、加工発熱が生じた
場合に顕著な再結晶の促進が起こるという新しい知見を
得た。一見、加工発熱により温度が上昇するのであるか
ら、再結晶が促進するのは当たり前と考えられるが、再
結晶の促進状態を定量的に検討すると、単に材料が高温
状態に置かれたことによって再結晶が促進したと考える
だけでは理解できないほど再結晶が促進することが分か
った。
【0013】この原因は明確ではないが、加工によって
加えられたエネルギーが原子を励起し、熱エネルギーに
変わる時、その原子の励起が再結晶の促進に影響を与え
るのかも知れない。本発明はこの現象を利用したもの
で、その要旨とするところは、以下の通りである。
加えられたエネルギーが原子を励起し、熱エネルギーに
変わる時、その原子の励起が再結晶の促進に影響を与え
るのかも知れない。本発明はこの現象を利用したもの
で、その要旨とするところは、以下の通りである。
【0014】重量比でC:0.01%以下、N:0.0
1%以下、Al:0.005%以上1.0%以下、必要
に応じBを0.0002%以上0.005%以下を含
み、TiおよびNbのいずれか一方または双方を(C/
12+N/14)<(Ti/48+Nb/93+0.0
001)なる条件を満足するように含有する鋼のスラブ
を熱延する際に、Ar3 変態点以下700℃以上の温度
域において合計圧下率が70%以上の圧延を、必要に応
じ潤滑を施し摩擦係数が0.2以下で行ない。仕上温度
が730℃以上、かつ連続熱延中の最低温度より30℃
以上高い温度で圧延し、700℃以下で巻き取ることを
特徴とする良加工性熱延鋼板の製造方法にある。なお、
本発明でいう熱延鋼板とは、亜鉛等のめっきを施す表面
処理鋼板の原板を含めて称するものである。
1%以下、Al:0.005%以上1.0%以下、必要
に応じBを0.0002%以上0.005%以下を含
み、TiおよびNbのいずれか一方または双方を(C/
12+N/14)<(Ti/48+Nb/93+0.0
001)なる条件を満足するように含有する鋼のスラブ
を熱延する際に、Ar3 変態点以下700℃以上の温度
域において合計圧下率が70%以上の圧延を、必要に応
じ潤滑を施し摩擦係数が0.2以下で行ない。仕上温度
が730℃以上、かつ連続熱延中の最低温度より30℃
以上高い温度で圧延し、700℃以下で巻き取ることを
特徴とする良加工性熱延鋼板の製造方法にある。なお、
本発明でいう熱延鋼板とは、亜鉛等のめっきを施す表面
処理鋼板の原板を含めて称するものである。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいてCおよびN量を0.01%以下としたのは、これ
以上の添加は加工性の劣化を招くためである。C、N、
Ti、Nbの添加量の間に(C/12+N/14)<
(Ti/48+Nb/93+0.0001)の関係式を
満足するように限定したのは、この条件を満足すること
により鋼中のC、Nを大部分TiあるいはNbの炭窒化
物として析出させることができ、熱延時の集合組織形成
が深絞り性(r値)に好ましい結果になるためである。
おいてCおよびN量を0.01%以下としたのは、これ
以上の添加は加工性の劣化を招くためである。C、N、
Ti、Nbの添加量の間に(C/12+N/14)<
(Ti/48+Nb/93+0.0001)の関係式を
満足するように限定したのは、この条件を満足すること
により鋼中のC、Nを大部分TiあるいはNbの炭窒化
物として析出させることができ、熱延時の集合組織形成
が深絞り性(r値)に好ましい結果になるためである。
【0016】Alの含有量の下限を0.005%とした
のは、脱酸を十分に行なうためである。上限の1.0%
は加工性の観点で限定した。Bは2次加工性の向上に寄
与するので用途によっては、その効果が明瞭に現われる
0.0002%以上の添加が必要である。しかし、過剰
の添加は加工性を劣化するので上限を0.005%とし
た。
のは、脱酸を十分に行なうためである。上限の1.0%
は加工性の観点で限定した。Bは2次加工性の向上に寄
与するので用途によっては、その効果が明瞭に現われる
0.0002%以上の添加が必要である。しかし、過剰
の添加は加工性を劣化するので上限を0.005%とし
た。
【0017】他の成分については特に限定しないが、強
度を高め、加工性を著しく悪くしない範囲であるMn<
1%、Si<1%、P<0.1%の添加は本発明の趣旨
を何等損ずるものではない。
度を高め、加工性を著しく悪くしない範囲であるMn<
1%、Si<1%、P<0.1%の添加は本発明の趣旨
を何等損ずるものではない。
【0018】熱延条件において、Ar3 変態点以下70
0℃以上の温度で合計圧下率が70%以上の圧延を行な
うとしたのは、Ar3 変態点以下で熱延された材料が、
Ar3 変態点以上で仕上圧延された材料と同等あるいは
それ以上の材質を示す条件で、深絞り用鋼板として好ま
しい再結晶集合組織の形成に必要な圧下率が少なくとも
70%以上必要なことを意味している。
0℃以上の温度で合計圧下率が70%以上の圧延を行な
うとしたのは、Ar3 変態点以下で熱延された材料が、
Ar3 変態点以上で仕上圧延された材料と同等あるいは
それ以上の材質を示す条件で、深絞り用鋼板として好ま
しい再結晶集合組織の形成に必要な圧下率が少なくとも
70%以上必要なことを意味している。
【0019】連続熱延中の最低温度より30℃以上高い
仕上温度で圧延すると限定したのは、加工発熱による温
度上昇が30℃以上になることにより、再結晶が顕著に
促進するためである。また、この際、仕上温度を730
℃以上としたのは、たとえ加工発熱による温度上昇が3
0℃以上になっても仕上温度が730℃以下になると再
結晶がしにくくなるためである。加工発熱による温度上
昇は通板速度、ロール温度、圧下率の増加、圧延温度の
低下などによって達成でき、どの手段を用いてもよい。
加工発熱による温度上昇の測定は、仕上各スタンド間に
放射温度計を設置して、仕上圧延中の最低温度TM を計
測し、最終の仕上温度TF との差(TF −TM)が30
℃以上となるように管理するとよい。
仕上温度で圧延すると限定したのは、加工発熱による温
度上昇が30℃以上になることにより、再結晶が顕著に
促進するためである。また、この際、仕上温度を730
℃以上としたのは、たとえ加工発熱による温度上昇が3
0℃以上になっても仕上温度が730℃以下になると再
結晶がしにくくなるためである。加工発熱による温度上
昇は通板速度、ロール温度、圧下率の増加、圧延温度の
低下などによって達成でき、どの手段を用いてもよい。
加工発熱による温度上昇の測定は、仕上各スタンド間に
放射温度計を設置して、仕上圧延中の最低温度TM を計
測し、最終の仕上温度TF との差(TF −TM)が30
℃以上となるように管理するとよい。
【0020】また、このAr3 変態点以下の熱延を潤滑
を施し摩擦係数が0.2以下で行うとしたのは、これに
より成品板のr値が顕著に上昇するためである。この理
由は表層のせん断変形によって形成される深絞り性に好
ましくない集合組織が摩擦係数を小さくすることによ
り、深絞り性に好ましい集合組織に変化するためであ
る。摩擦係数の下限は特に限定しないが、鋼板の通板性
を著しく劣化させないためには摩擦係数を0.05以上
に保つことが好ましい。
を施し摩擦係数が0.2以下で行うとしたのは、これに
より成品板のr値が顕著に上昇するためである。この理
由は表層のせん断変形によって形成される深絞り性に好
ましくない集合組織が摩擦係数を小さくすることによ
り、深絞り性に好ましい集合組織に変化するためであ
る。摩擦係数の下限は特に限定しないが、鋼板の通板性
を著しく劣化させないためには摩擦係数を0.05以上
に保つことが好ましい。
【0021】巻取温度の上限を700℃としたのは、こ
れ以上の温度で巻き取ると酸洗性や2次加工性の劣化を
回避することができないためである。巻き取られた熱延
コイルは、通常酸洗等で脱スケールし、必要に応じて1
〜2%前後の圧下率でスキンパス圧延を行い形状矯正す
る。あるいは表面処理原板として供される。
れ以上の温度で巻き取ると酸洗性や2次加工性の劣化を
回避することができないためである。巻き取られた熱延
コイルは、通常酸洗等で脱スケールし、必要に応じて1
〜2%前後の圧下率でスキンパス圧延を行い形状矯正す
る。あるいは表面処理原板として供される。
【0022】
【実施例】表1に示した成分組成を有する鋼(鋼種A〜
Eは本発明鋼、F,Gは比較鋼)を表2に示す熱延条件
で熱延し、酸洗後スキンパスした。仕上圧延中の最低温
度TM としては、各スタンド間に放射温度計を設置して
測定した温度の最低値を取った。その他の製造条件は、
スラブ加熱温度は通常圧延材の場合は1200℃前後、
仕上温度がAr3 変態点以下の圧延の場合は1000℃
から1100℃の範囲で、熱延板の板厚は1.4mmに
し、酸洗後に1%のスキンパスを行った。
Eは本発明鋼、F,Gは比較鋼)を表2に示す熱延条件
で熱延し、酸洗後スキンパスした。仕上圧延中の最低温
度TM としては、各スタンド間に放射温度計を設置して
測定した温度の最低値を取った。その他の製造条件は、
スラブ加熱温度は通常圧延材の場合は1200℃前後、
仕上温度がAr3 変態点以下の圧延の場合は1000℃
から1100℃の範囲で、熱延板の板厚は1.4mmに
し、酸洗後に1%のスキンパスを行った。
【0023】熱延・巻取条件と成品板のr値、デスケー
リング時間、2次加工遷移温度を表2に示す。デスケー
リング時間は希塩酸に熱延板を浸し、スケールがなくな
るまでの時間である。2次加工遷移温度は絞り比1.7
で円筒に絞った円柱を頂角30度の円錐ポンチで押し込
んだ時に脆性的に円柱壁面が破壊する温度とした。El
はJIS5号引張試験片の圧延方向の全伸びを示す。
リング時間、2次加工遷移温度を表2に示す。デスケー
リング時間は希塩酸に熱延板を浸し、スケールがなくな
るまでの時間である。2次加工遷移温度は絞り比1.7
で円筒に絞った円柱を頂角30度の円錐ポンチで押し込
んだ時に脆性的に円柱壁面が破壊する温度とした。El
はJIS5号引張試験片の圧延方向の全伸びを示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】本発明の範囲を満足した実験番号1、2、
3、4、11、13、15、17の材料は優れた加工性
を示すだけでなく、酸洗時間も短く、耐2次加工性も優
れている。一方、従来法で製造された実験番号9と10
の材料は低温巻取ではr値が低く、高温巻取ではr値が
低いだけでなく酸洗性、耐2次加工性も悪い。仕上温度
が低かった実験番号5では、熱延板が十分に再結晶しな
かった可能性が高く、優れた加工性が得られなかった。
3、4、11、13、15、17の材料は優れた加工性
を示すだけでなく、酸洗時間も短く、耐2次加工性も優
れている。一方、従来法で製造された実験番号9と10
の材料は低温巻取ではr値が低く、高温巻取ではr値が
低いだけでなく酸洗性、耐2次加工性も悪い。仕上温度
が低かった実験番号5では、熱延板が十分に再結晶しな
かった可能性が高く、優れた加工性が得られなかった。
【0027】Ar3 変態点以下、700℃以上の温度で
合計圧下率が60%と低い実験番号6の材料は適正な集
合組織が発達しなかったためか、r値が低い。仕上温度
から仕上圧延中の最低温度を引いた値TF −TM が本発
明の範囲外である実験番号7、12、14、16、18
では熱延板が十分に再結晶しなかったためか、優れた加
工性が得られなかった。
合計圧下率が60%と低い実験番号6の材料は適正な集
合組織が発達しなかったためか、r値が低い。仕上温度
から仕上圧延中の最低温度を引いた値TF −TM が本発
明の範囲外である実験番号7、12、14、16、18
では熱延板が十分に再結晶しなかったためか、優れた加
工性が得られなかった。
【0028】巻取温度が高い実験番号8の材料は共に酸
洗性、耐2次加工性が悪かった。また、本発明鋼の範囲
を逸脱した鋼を用いた実験番号19、20では高いr値
が得られなかった。
洗性、耐2次加工性が悪かった。また、本発明鋼の範囲
を逸脱した鋼を用いた実験番号19、20では高いr値
が得られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明により、深絞り用鋼板を製造する
にあたって、スラブ加熱温度の低温化、冷延、焼鈍過程
の省略などにより大幅なエネルギー消費量の低減が可能
になり、地球に優しい技術が開示され、工業的に高い価
値がある。
にあたって、スラブ加熱温度の低温化、冷延、焼鈍過程
の省略などにより大幅なエネルギー消費量の低減が可能
になり、地球に優しい技術が開示され、工業的に高い価
値がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量比で C :0.01%以下、 N :0.01%以下、 Al:0.005%以上1.0%以下 を含み、TiおよびNbのいずれか一方または双方を
(C/12+N/14)<(Ti/48+Nb/93+
0.0001)なる条件を満足するように含有する鋼の
スラブを熱延する際に、Ar3 変態点以下700℃以上
の温度域における合計圧下率が70%以上で、仕上温度
が730℃以上、かつ連続熱延中の最低温度より30℃
以上高い温度で圧延し、700℃以下で巻き取ることを
特徴とする良加工性熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記仕上圧延が、潤滑を施し摩擦係数
0.2以下で行なうことを特徴とする請求項1記載の良
加工性熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記の鋼が、B:0.0002%以上
0.005%以下を含むことを特徴とする請求項1また
は2記載の良加工性熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17101195A JPH0925521A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 良加工性熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17101195A JPH0925521A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 良加工性熱延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0925521A true JPH0925521A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=15915448
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17101195A Pending JPH0925521A (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 良加工性熱延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0925521A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117225896A (zh) * | 2023-06-02 | 2023-12-15 | 燕山大学 | 一种绿色高效免酸洗技术带钢的热轧工艺 |
-
1995
- 1995-07-06 JP JP17101195A patent/JPH0925521A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117225896A (zh) * | 2023-06-02 | 2023-12-15 | 燕山大学 | 一种绿色高效免酸洗技术带钢的热轧工艺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050809 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20051227 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |