JPH09256126A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法

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JPH09256126A
JPH09256126A JP8093518A JP9351896A JPH09256126A JP H09256126 A JPH09256126 A JP H09256126A JP 8093518 A JP8093518 A JP 8093518A JP 9351896 A JP9351896 A JP 9351896A JP H09256126 A JPH09256126 A JP H09256126A
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昌也 蛭川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗面化処理の際の拡面率が高く、高い静電
容量が得られる電解コンデンサ用アルミニウム箔を得
る。 【解決手段】 純アルミニウムを熱間圧延、冷間圧延
を経てアルミニウム箔にする電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔の製造方法において、熱感圧延工程の最終パ
スで純アルミニウム薄板を50%以上の圧下率で圧延す
るとともに、熱間圧延後、該薄板をコイル巻き上げする
際に、該薄板の巻き上げ時温度を200〜250℃にす
る。 【効果】 粗面化処理の際の均一なエッチングピット
が高密度で得られ、高い静電容量を得ることが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電解コンデン
サ、特に中、低圧電解コンデンサの電極に好適な電解コ
ンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の電解コンデンサ用アルミニウム
箔の製造方法としては、一般のアルミニウム箔を製造す
る際とほぼ同様の工程を経るのが一般的であり、すなわ
ち、インゴットの溶製(溶解、鋳造)を経て、熱間圧延
が行われ、最終的に冷間圧延で0.1mm程度の厚みの
箔にされる。ただし、コンデンサ電極用のアルミニウム
箔では、さらにその後、静電容量を増大させることを目
的として、該アルミニウム箔に電解を行い、アルミニウ
ム箔の表面にエッチングピットを均一に多数形成して表
面積を拡大する粗面化処理が施される。この粗面化処理
は、塩酸を主体としたエッチング液中で交流或いは直流
を用いた電解エッチングが行われるのが通常である。
【0003】この粗面化処理の際に、例えば不均一で且
つ局部的なエッチングがされると、有効な表面積拡大が
行われず、十分な静電容量が得られなかったり、アルミ
ニウム箔の表面箇所によって溶解減量のバラツキが生じ
たり、化成処理後の静電容量にバラツキが生じたり、強
度低下を招いたりという問題があり、品質の安定化とい
う意味では、大きな課題になっている。これは処理前に
おけるアルミニウム箔の表面性状や組織状態が粗面化に
おける作用に大きく影響するためであり、これら表面性
状や組織状態を改善する方法が提案されている。
【0004】例えば、特開昭64−71504号には、
熱間圧延で圧延材を400℃以上に昇温し、400〜2
50℃にかけて速やかに温度を低下させて熱間圧延を終
了した後、250℃以下に維持しつつ冷間圧延すること
により不純物を固溶させ、粗面化の際に不都合を起こす
不純物の析出を阻止して粗面化処理を改善する方法が示
されている。また特開平4−88153号には、粗熱間
圧延後、アルミニウム圧延材を放置して再結晶を完了さ
せ、次いで400℃以上で仕上げ圧延を行うことにより
粗大再結晶粒の生成を防止して圧延組織を微細化し、さ
らに不純物元素の拡散、析出を防止してエッチングピッ
トの均一な発生を促す方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の改良方法のうち前者では、温度管理が容易でなく、製
造効率が悪いという問題がある。また、後者では、熱間
仕上がり温度が高いため実工程上は冷却に時間を要す
か、強制的に冷却する必要があり、製造効率が悪いとい
う問題がある。さらに、これらの方法のいずれも、熱間
上がりの結晶粒は静的再結晶を経て生成されており、こ
の静的再結晶を経て生成される結晶粒は、たとえ前述し
た後者の従来方法を持ってしても結晶粒を十分に微細化
することは困難である。したがって、上記従来方法によ
り製造されたアルミニウム箔は、いずれもエッチング開
始時間に不均一で局部的なエッチングが少なからず発生
し、腐食減量が比較的多いにかかわらず、静電容量とし
ては満足のいくものが得られないという問題がある。
【0006】本発明は、上記事情を背景としてなされた
ものであり、効率的かつ効果的に粗面化処理の作用を向
上させて、エッチングピットの均一、高密度の形成を可
能にし、よって得られるアルミニウム箔の静電容量を飛
躍的に向上させることができる電解コンデンサ電極用ア
ルミニウム箔の製造方法を提供するものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方
法のうち第1の発明は、純アルミニウムを熱間圧延、冷
間圧延工程を経てアルミニウム箔にする電解コンデンサ
電極用アルミニウム箔の製造方法において、熱間圧延工
程の最終パスで純アルミニウム薄板を50%以上の圧下
率で圧延するとともに、熱間圧延後、該薄板をコイル巻
き上げする際に、該薄板の巻き上げ時温度を200〜2
50℃の範囲に設定することを特徴とする。第2の発明
は、第1の発明において、熱間圧延工程における最終パ
ス直前の純アルミニウム薄板の温度を350℃以下にす
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、熱間圧延の際に純アルミニウ
ム圧延材は従来よりも温度が低いごく限られた適温範囲
でコイルに巻き取られた際、板の表面層は、上記の温度
及び加工率の範囲では強いせん断力が働き、動的再結晶
が生じる。この層の厚みは少なくとも1mmはあり、動
的再結晶により粒径は20μm以下になる。したがって
動的再結晶粒は、静的再結晶粒(>100μm)と明ら
かに区別できる。この再結晶粒が20μmを越えている
と、冷間圧延した後のアルミニウム箔の表面組織が粗大
な組織になり、粗面化処理の際に不均一エッチングピッ
トの生成を招き、充分な拡面率が得られない。従来材で
は静的再結晶が生じているため結晶粒は数十〜百μmを
越えており、そのため十分な拡面率が得られていない。
これは、再結晶粒が粗大になると、冷間圧延前におい
て、粒界には他の不純物元素が高濃度に偏析した状態に
なっており、冷間圧延を行ってもその効果が現れて局部
的エッチングに至るものと考えられる。なお、再結晶粒
径は、好ましくは10μm以下と考えられる。
【0009】上記した微細な再結晶粒(20μm以下、
望ましくは10μm以下)は、熱間圧延の最終パスの圧
下率が50%以上で、コイル時巻き上げ時の温度が25
0℃以下でなければ得られない。ここで、上記圧下率が
50%未満であると圧延材に十分なせん断力が与えられ
ず、よって動的再結晶の誘起エネルギが不足するため、
再結晶核が少なくなり、結晶粒が粗大化する。なお、同
様の理由で最終パスの圧下率は70%以上とするのが望
ましい。また、コイル巻き上げ時の温度が250℃を越
えていると、コイル状態で再結晶が進行する際に結晶粒
が粗大化して、上記粒径を満たすことが困難になる。ま
た、後述する不純物のFe析出量が増大する。一方、当
該温度が200℃未満であると、温度が低すぎて動的再
結晶が良好に進行せず、また、圧延性が非常に悪くな
り、冷間圧延時にサイドクラックが生じやすくなる。こ
のため、コイル巻き上げ時の温度を上記範囲に限定す
る。ここで、コイル巻き上げ時の温度としては、巻き上
げ直後の温度によって表現することができる。なお、上
記温度は、上記と同様の理由により、さらに215〜2
35℃の範囲が望ましい。
【0010】また、上記熱間圧延の際に、最終パス直前
の純アルミニウム薄板の温度を350℃以下にするのが
望ましい。これは、最終パス直前迄に温度が350℃以
下にならないと、仕上げ温度が必然的に高くなり、巻き
上げ時の純アルミニウム薄板の温度を適温に調整するこ
とが困難になり、強制冷却等が必要になるためであり、
また、不純物のFeの析出が促進されるためであり、上
記条件を満たすのが望ましい。また、同様の理由で該温
度は300℃以下が一層望ましい。
【0011】巻き上げ時温度を適温にしてコイルにした
純アルミニウム薄板は、その後の冷間圧延によって細粒
でFeの析出が抑制された純アルミニウム箔になる。こ
のアルミニウム箔は、少なくとも表面層の2μmの部分
において、Fe量の析出量が15ppm以下であること
が期待される。このFe析出量が15ppmを越える
と、粗面化処理の際に不均一、局部的なエッチング形態
になり、所望の静電容量が得られない。好ましくは、F
e析出量は10ppm以下であり、更に好ましくは5p
pm以下である。従来材ではFe固溶量は5ppmが限
度であり、その他のFeは数十μm以上の量で析出した
状態にあり、粗面化処理の際に不均一なエッチングピッ
トを招くことになる。
【0012】上記のようにして製造されたアルミニウム
箔は、Feの析出が抑制され、また、表面層は微細な加
工組織を呈している。このアルミニウム箔を粗面化処理
することにより従来法の欠点である不均一、局部エッチ
ングが抑制され、均一なピットが高密度で形成される。
したがって、このアルミニウム箔を電解コンデンサに用
いることにより高い静電容量が安定して得られることに
なる。
【0013】
【発明の実施形態】本発明で用いられる純アルミニウム
は、その純度が特に限定されるものではないが、良好な
効果を得るためには、純度が99.98〜99.996
%でFe量が20〜70ppmの純アルミニウムが望ま
しい。ここで、不純物中のFeは微量であれば、機械的
性質に有利に働くが、その含有量が多くなると逆に障害
になり、また、アルミニウム箔にした状態でその多くが
析出して粗面化処理の際に不均一なエッチングピットの
形成を招くので、上記含有量が望ましい。なお、上記純
度、Fe含有量において、その他に微量の元素(不純物
や意図的に含有させたもの)を含有することができる。
【0014】上記した純アルミニウムは常法により溶製
し、所望により均質化処理を施したものを使用すること
ができる。熱間圧延に際しては480〜530℃に加熱
して圧延するのが望ましい。熱間圧延では、工程全体の
圧下率が特に限定されるものではないが、最終パスで圧
下率50%以上で、例えば5〜8mm厚程度のアルミニ
ウム薄板に圧延する。熱間圧延後のコイル巻き上げ時に
は、アルミニウム薄板の上記したように所定の温度範囲
にあることが必要である。なお、熱間圧延の仕上げ温度
によっては強制冷却して上記温度範囲に調整することも
可能であるが、製造効率の点からは、上記温度範囲が得
られる仕上げ温度で熱間圧延を行うのが望ましい。ま
た、熱間圧延の最終パス直前のアルミニウム薄板の温度
は、上記したように350℃以下にするのが望ましく、
これは、熱間圧延の開始温度を低くするか圧延速度を小
さくすることによって達成することができる。
【0015】冷間圧延後の冷間圧延では、0.1mm厚
程度の箔に加工されるが、本発明としてはその厚さが特
に限定されるものではない。得られたアルミニウム箔
は、塩酸を用いた電解エッチング等によって粗面化処理
が行われる。本発明としてはこの粗面化処理の内容も特
に限定されるものではなく、常法に従って行うことがで
きる。本発明法により良好に粗面化処理されたアルミニ
ウム箔は、常法により電解コンデンサに組み込むことが
でき、得られたコンデンサは高い静電容量を発揮するこ
とができる。
【0016】
【実施例】所定の純度(99.992%Al、Fe含有
量35ppm)のアルミニウムシートインゴット(厚み
350mm、巾1050mm、長さ3500mm)を5
30℃に加熱して熱間圧延を開始して、一部比較法を除
いて最終パス直前(厚み30mm)までにアルミニウム
圧延薄板が350℃以下になるように圧下率、圧延スピ
ードを調整し、さらに、厚さ5mmになるように最終熱
間圧延工程を行った。圧延されたアルミニウム薄板は、
コイル巻き上げ時の温度が200〜250℃になるよう
にコイル巻き上げした。その後の冷間圧延は、常法と同
様にして冷間加工率30%前後で最終厚み0.1mmの
アルミニウム箔に仕上げた。また、比較のため、最終パ
スまでの温度、最終パスでの圧下率、コイル巻き上げ時
温度を変え、その他は同条件でアルミニウム箔を製造し
た。なお、コイル巻き上げ時温度は、巻き上げ直後のコ
イルの中間深さ位置で接触温度計によって測定した。
【0017】上記各アルミニウム箔において、途中の熱
間上り(冷間圧延前)の厚み8mmでの表面の結晶粒径
を調べるとともに、0.1mmの最終箔厚での表面層の
Feの析出量を調査し、表1に示した。なお、Feの析
出量の測定は、熱フェノールによる溶解抽出法で行っ
た。さらに、各アルミニウム箔に対し下記条件で電解エ
ッチングを行い、静電容量を測定した。それらの結果を
同じく表1に示した。 電解エッチング条件 (エッチング液) (温 度)(電流密度(AC50Hz)) (時間) HCl 400ml/l H2SO4 2ml/l 45℃ 0.4A/cm2 120秒 AlCl3・・6H2O 90ml/l H2O 残
【0018】
【表1】
【0019】表から明らかなように、本発明法によれ
ば、冷間圧延前に微細な再結晶粒が得られ、アルミニウ
ム箔にした状態で微細な加工組織が期待されるととも
に、Fe析出量が大幅に抑制されており、この結果、粗
面化処理によって静電容量が大幅に向上している。一
方、比較法によるものは、再結晶粒が粗大化またはFe
の多くの析出が認められ、粗面化処理によっても十分な
静電容量の増加が認められなかった。すなわち、静電容
量を効果的に増大させるためには微細な組織とFeの析
出の抑制の両方が達成されている必要があり、この達成
は本発明法によって初めてなし得ることが明らかになっ
た。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電解コンデ
ンサ電極用アルミニウム箔の製造方法によれば、純アル
ミニウムを熱間圧延、冷間圧延工程を経てアルミニウム
箔にする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方
法において、熱間圧延工程の最終パスで純アルミニウム
薄板を50%以上の圧下率で圧延するとともに、熱間圧
延後、該薄板をコイル巻き上げする際に、該薄板の巻き
上げ時温度を200〜250℃の範囲に設定するので、
Fe不純物の析出が抑制され、微細な組織が得られるの
で、エッチングピットが高密度で均一に形成され、高い
粗面化率が得られ、よって高い静電容量を安定して得る
ことができる。また、上記発明において、熱間圧延工程
の最終パス直前の純アルミニウム圧延薄板の温度を35
0℃以下にすれば、上記効果が一層顕著になり静電容量
もさらに増大する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純アルミニウムを熱間圧延、冷間圧延工
    程を経てアルミニウム箔にする電解コンデンサ電極用ア
    ルミニウム箔の製造方法において、熱間圧延工程の最終
    パスで純アルミニウム薄板を50%以上の圧下率で圧延
    するとともに、熱間圧延後、該薄板をコイル巻き上げす
    る際に、該薄板の巻き上げ時温度を200〜250℃の
    範囲に設定することを特徴とする電解コンデンサ電極用
    アルミニウム箔の製造方法
  2. 【請求項2】 熱間圧延工程における最終パス直前の純
    アルミニウム薄板の温度を350℃以下にすることを特
    徴とする請求項1記載の電解コンデンサ電極用アルミニ
    ウム箔の製造方法
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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