JPH09256145A - 複合材料の作製方法 - Google Patents

複合材料の作製方法

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JPH09256145A
JPH09256145A JP8067559A JP6755996A JPH09256145A JP H09256145 A JPH09256145 A JP H09256145A JP 8067559 A JP8067559 A JP 8067559A JP 6755996 A JP6755996 A JP 6755996A JP H09256145 A JPH09256145 A JP H09256145A
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JP8067559A
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Hitoshi Nishino
仁 西野
Shinichi Tada
進一 多田
Hiroyasu Morizaki
弘康 森崎
Shigeru Morikawa
茂 森川
Yoshiyuki Yamada
良行 山田
Hisashi Sakai
久 坂井
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザーアブレーション法により複合材料を
作製する場合に、ターゲットと作製物との間で組成ずれ
が発生しにくく、所定の組成の薄膜を得る場合に、成膜
条件を広く安定して取ることが可能である複合材料の作
製方法を得る。 【解決手段】 2種以上の成分を所定の組成比で含有す
るターゲット10を作製するとともに、減圧真空維持さ
れる成膜室6内で、基板3に対向させて、ターゲット1
0を配設し、ターゲット10にレーザー光5を照射して
ターゲット10よりプルーム15を発生させて基板3上
に蒸着させて、レーザーアブレーション法により基板3
上に複合材料を作製するに、成膜室6を真空排気した
後、成膜室内に不活性ガスを導入して、成膜室内の圧力
を0.01〜5Torrに維持して、複合材料を作製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材料の作製方
法に関する。こういった複合材料のなかで、最近注目さ
れているものとしては、所謂、ビスマス−テルル系の複
合材料がある。この複合材料は、例えば熱電材料として
利用できる特性を備えたものであり、ペルチエ効果を利
用した冷房、ペルチエ効果を利用した冷暖房、ペルチエ
効果を利用した温度制御、ゼーベック効果を利用した熱
発電、ゼーベック効果を利用した熱あるいは赤外線セン
サ等の分野に利用することができる。この材料にあって
は、これを薄膜あるいは小型の素子として形成すること
が可能であり、例えば、ICなど半導体素子と一体化し
た薄膜冷却素子、半導体レーザーの一体型冷却素子、光
学素子の温度制御素子、プリンタヘッドの温度制御素
子、腕時計の電池、さらには赤外線センサ、流量センサ
等の熱電変換を利用した各種センサ等として利用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】発明者らは、このような複合材料の作製
において、レーザーアブレーション法を採用することを
提案する。この方法を採用する場合は、従来手法である
結晶成長法、粉末成長法に対して、工程の簡略化、量産
性の向上、酸素等の不純物の混入の防止、グレイン構造
の膜を得てその性能の向上、さらには熱電材料自体とし
ての性能指数の向上等、様々な点で有利である。さて、
このような手法を採る場合は、所定の組成のターゲット
を予め作製し、このターゲットを成膜室内で成膜対象の
基板に対向させて配設し、ターゲットにレーザー光を照
射して、ターゲットからプルームを発生させ、基板上に
蒸着させて目的物を得ることとなる。さらに、この手法
においては、組成の異なったターゲットを適宜使用し
て、例えば、材料の厚み方向、あるいは、それに垂直方
向で組成の異なった複合材料を得ることも可能である。
従来法である結晶成長法及び粉末焼結法等を採用して複
合材料を作製する場合と比較すると、素子の設計目的に
則し、さらに、比較的組成の安定したものを容易に得る
ことができる。従来、このような複合材料をレーザーア
ブレーションにより作製する場合は、成膜室内の真空度
を高真空状態に維持すればする程、好ましい物性の材料
を得ることが可能と考えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、レーザーアブレ
ーション法を採用して複合材料を作製する場合、例え
ば、材料としてテルル化ビスマス(Bim Ten 、m=
2、n=3)を例にとると、蒸気圧の高い組成物である
テルル側が膜から抜けやすく、最適な成膜条件の範囲が
狭く、成膜条件の選択にあって、誤った条件を採用する
と局所的な組成ずれが発生しやすいという問題があっ
た。従って、所望の組成の膜を得ようとすると、ターゲ
ットとして、テルルリッチなものを予め作製しておき、
所望の組成の実現できる最適な成膜条件を選択して、成
膜をおこなう必要があった。しかしながら、このような
比較的狭い範囲の最適成膜条件の割り出し作業は、煩雑
且つ長時間を要するものであり、多数の予備実験を必要
とし、作業手間が多大となるという問題があった。さら
に、例えば、傾斜機能化熱電材料を対象とする場合、成
膜方向(膜厚方向)に組成が変化した材料を得ることが
好ましいが、組成の変化を制御するに、製品組成とター
ゲット組成との間で、明確な関係を確保できないと製品
品質を良好に制御しにくいという問題があった。
【0004】従って、本発明の目的は、レーザーアブレ
ーション法により複合材料を得る場合に、ターゲットと
作製物との間で、局所的な組成ずれが発生しにくく、所
定の組成の薄膜(製品)を得る場合に、ターゲット組成
との間で、成膜条件を広く安定して取ることが可能であ
る複合材料の作製方法を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕この目的を達成するための本発明による熱電材
料の作製方法の第1の特徴手段は、2種以上の成分を所
定の組成比で含有するターゲットを作製するとともに、
減圧真空維持される成膜室内で、基板に対向させて、前
記ターゲットを配設し、前記ターゲットにレーザー光を
照射して前記ターゲットよりプルームを発生させて前記
基板上に蒸着させて、レーザーアブレーション法により
前記基板上に複合材料を作製する複合材料の作製方法に
おいて、前記成膜室を真空排気した後、前記成膜室内に
不活性ガスを導入して、前記成膜室内の圧力を0.01
〜5Torrに維持して、前記複合材料を作製すること
にある。これが請求項1に係わる。 〔作用・効果〕この手法にあっては、レーザーアブレー
ションを適用する場合に、一担、成膜室内を所定の真空
状態として、例えば空気内に含まれる酸素を充分に除去
した後、成膜室内に不活性ガスを導入して、成膜室内の
内圧を所定の圧力状態に維持する。このような処理工程
にあって、先ず最初の真空化処理により、ターゲットを
構成する組成成分以外のものの、作製物内へ取り込みを
防止することが可能となる。最も代表的な例は、複合物
が複合酸化物となることを抑制できる。さて、この状態
で、成膜をおこなうと、蒸気圧の高い成分の脱離を起こ
すことともなりやすい。従って、本方法にあっては、成
膜室内を、不活性ガスで従来使用されていた状態の圧力
より高い状態まで昇圧する。このようにすると、問題と
なる高蒸気圧成分の局所的な脱離が抑制され、所定の組
成のものを容易に得られることとなる。この場合、組成
に関する作製条件が安定するため、比較的広い範囲に成
膜条件を振っても、安定して膜の作製ができる。ここ
で、成膜室内の圧力を0.01Torrより低く選択す
ると、高蒸気圧成分の脱離部を形成しやすい。一方、5
Torrより高く選択すると、形成されるプルームが小
さくなり、成膜効率が低くなる。
【0006】〔構成〕前記の第1の特徴手段において、
複合材料が、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、アン
チモン(Sb)、セレン(Se)から選択される少なく
とも2種以上の成分を含み、組成式
【0007】
【化2】(BixSb1-x)m (TeySe1-y)n m=2±δ1 n=3±δ2 0≦x≦1 0≦y≦1 −1≦δ1≦1 −1.5≦
δ2≦1.5 で表される材料であることが好ましい。これが請求項2
に係わる第2の特徴手段である。 〔作用・効果〕上記の本願独特の手法を採用して、例え
ば、熱電材料として有用な上記組成の複合材料を得るこ
とが可能である。結果、従来手法である結晶成長法、粉
末成長法に対して、工程の簡略化、量産性の向上、酸素
等の不純物の混入の防止、グレイン構造の膜を得ること
によるその性能の向上、さらには熱電材料自体としての
性能指数の向上等、様々な点で有用性を発揮することが
できる。さらに、従来の手法にあっては、局所的な組成
ずれを発生する慮があり、成膜条件の最適化作業に多大
な労力を要したが、成膜条件が広がり安定した成膜が可
能となった。
【0008】〔構成〕さらに、前記の第2の特徴手段に
おいて、前記レーザーアブレーション法を適応するに、
前記レーザー光の波長を193〜1064nmに、レー
ザーパワー密度を10〜10万mJ/cm2に、前記基
板の温度を100℃以上、600℃以下に設定して前記
複合材料を作製することが好ましい。これが、請求項3
に係わる第3の特徴手段である。 〔作用・効果〕本願第3の特徴手段を採用する場合は、
レーザーアブレーション法により、熱電材料を得ること
ができるのであるが、レーザー波長、パワー密度、基板
温度が記載の範囲を逸脱すると、以下のような問題を生
じることとなる。レーザー波長が1064nmより長波
長となると組成ずれが大きくなり制御しにくい。一方、
193nmより短波長では、レーザー光の扱いが困難に
なる。さらに、レーザーパワー密度が10mJ/cm2
より小さいと、形成速度が極端に低下し、アブレーショ
ンしにくくなる。一方、10万mJ/cm2 より大きい
と形成が早すぎ、グレイン構造が不安定となりやすく、
性能指数が低下しやすい。さらに、レーザー光の繰り返
し数に関しては、これが高ければ高い程、その生産性を
向上できる。成膜基板温度は低くても形成速度が低下す
ることはないが、温度が高くなりすぎると、基板から形
成物の再蒸発が起こり、組成ずれが起こり易くなる。温
度が100℃より低い場合においては、顕著な熱電特性
を得にくい。さらに、600℃より高いと、ビスマス−
テルル系材料では、融点を越えるため、組成ずれが著し
くなり、成膜しにくくなる。ここで、150℃以上の基
板温度で作製したものが優れた熱電特性を示すことを、
発明者らは見出した。
【0009】〔構成〕さらに、第3の特徴手段におい
て、前記レーザーアブレーション法を適応するに、前記
レーザー光の波長を193〜300nmに、レーザーパ
ワー密度を30〜10000mJ/cm2に設定して前
記複合材料を作製することがこのましい。これが請求項
4に係わる本願第4の特徴手段である。本願第4の特徴
手段を採用する場合は、成膜条件がマイルドなものとな
っている。即ち、同じくレーザーアブレーション手法に
あって、レーザー光の波長が比較的短く、レーザーパワ
密度が比較的低い方が形成できる複合材料の粒径を小さ
く抑えられる。従って、第4の特徴手段を採用する場合
は、粒径がサブミクロンオーダーである良好な構造のも
のを得ながら、材料形成を安定しておこない、熱電材料
として好ましい特性を有する複合材料を得ることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本願の実施例を以下に説明する。
説明にあたっては、以下、レーザーアブレーション装置
1の構成、レーザーアブレーション条件、さらには、本
願のレーザーアブレーション法により作製される複合材
料2の物性について、順に説明する。
【0011】1 レーザーアブレーション装置1 図1にレーザーアブレーション装置1を使用して、シリ
コン基板3上にテルル化ビスマスを主成分とする複合材
料2を作製している状況を示している。装置1は、Kr
Fエキシマレーザー4を備えるとともに、このレーザー
4から照射されるレーザー光5により、成膜をおこなう
成膜室6を備えて構成されている。前記KrFエキシマ
レーザー4は、1パルス200〜450mJ(通常使用
300mJ)のもので、レーザー光成形用の成形用光学
系9としてのレンズを挟むことで照射面積を通常0.0
5cm2 とできる。さらにの基本波は248nmであ
り、繰り返し周波数は1〜200Hzである。装置に
は、このレーザー4から照射されるレーザー光5を前記
成膜室6内に導くために、成膜室6に設けられる石英入
射窓8の手前に、先に説明したレーザー光成形用の成形
用光学系9が備えられている。前記成膜室6には、ター
ゲット10を保持するためのターゲット保持台11と、
この保持台11に対向して設けられ、且つ前記基板3を
所定の成膜基板温度に維持可能な基板保持台12を備え
ている。さらに、成膜室6は、室内を所定の真空度に保
持するために、真空ポンプ13を備えた排気機構14を
備えている。複合材料2の作製にあたっては、前記ター
ゲット保持台11にターゲット10を保持するととも
に、基板保持台12に基板3を保持して材料の作製をお
こなう。この場合に、レーザー光5がターゲット10に
照射されて(当てられて)、レーザーアブレーションを
おこなうことができる。さらに、所定の時点で、成膜室
6内に、不活性ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス等)
を供給できる不活性ガス供給機構20を備えている。さ
らに、この不活性ガスの充填状態で、成膜室6内の圧力
は、所定の圧力に調節可能に構成されている。
【0012】2 成膜方法 複合材料2の作製にあたっては、原材料である各種元素
(実施の形態の場合は、ビスマス、テルル、アンチモ
ン、セレンから選択される少なくとも2種以上)を所定
の組成比で含有するターゲット10(所定の組成比の固
溶体)が作製されるとともに、減圧真空維持される前記
成膜室6内で、ターゲット10を成膜対象の基板3対向
して配設する。そして、成膜室内の圧力を1×10-5T
orr以下まで一担低下させて、不純物成分となりやす
い元素を成膜室内から排気する。その後、例えばアルゴ
ンといった不活性ガスを、不活性ガス供給機構20から
成膜室内に導入し、成膜室内の圧力を0.01〜5To
rrの範囲内の圧力状態に調節する。このように圧力調
節がされた段階で、ターゲット10にレーザー光5が照
射され、ターゲット10よりプルーム15が発生され
て、基板3上に蒸着され、複合材料を作製する。
【0013】以上が、本願の方法を採用する場合の装置
構成及び複合材料の概括的な作製状況である。
【実施例】以下、具体的な作製条件及び作製物の特性を
説明するとともに、不活性ガスによる成膜室内の圧力調
節をおこなわない従来手法の場合についても説明する。 1 第1の実施例 この例は、最も一般的なテルル化ビスマスの作製状況を
示すものであり、表1に成膜条件及び作製された作製物
の状態と示す。
【表1】 作製対象物 複合材料(テルル化ビスマス) 基板材料 石英ガラス 基板温度 200℃ 成膜室内圧力 アルゴン充填状態で0.01〜5Torr レーザー波長 248nm レーザー発振出力 300mJ/Pulse レーザー発振周波数 40Hz レーザーパワー密度 6000mJ/cm2 レーザー発振時間 10分 ターゲット組成 Bi:Te 2 :3 作製物組成 Bi:Te 2 :2.94〜3.06
【0014】さて、上記表1の条件により、所定の組成
を有する目的物を得ることができるが、成膜室内の圧力
によっては、ターゲットと作製物との間に組成の異なっ
た部位が出やすいという問題が発生する。このような状
況について以下、説明する。以下に示す表は、成膜室内
の圧力を一担、10-6まで低め、その後、成膜室内にお
いて、順次、アルゴンガスを充填していく状態で、各成
膜室内の圧力を段階的に変化させて成膜をおこなった場
合の膜の組成の関係を示している。(ここで、ターゲッ
トは表1のものと同一である)。
【0015】
【表2】 成膜室内圧力(Torr) 1×10-6 1×10-2 5×10-2 1×10-1 5×10-1 1×10-0 Te/Bi(モル比) 1.13 1.46 1.47 1.51 1.50 1.53 成膜室内圧力(Torr) 1×10 Te/Bi(モル比) 1.23
【0016】このように、ターゲットの組成が一定の場
合に、成膜室内の内圧を不活性ガスの充填により適切に
調節すると、成膜室内の圧力が所定の圧力域内にある場
合に、組成のずれた部位を形成しにくく、ターゲットと
ほぼ同一の組成のものを安定して得ることができる。さ
らに、このように比較的高い圧力状態にあっては、レー
ザーアブレーションの条件を比較的広い範囲にわたって
変更した場合にあっても、安定した状態で目的物を得る
ことができる。ここで、不活性ガス(上記の例では具体
的にはアルゴン)を成膜室内に充填する目的は、複合材
料を構成する各成分にあって、その内の蒸気圧の高い組
成の組成成分の減少を抑制・制御することにある。一
方、不活性ガスの充填により当初の目的(高蒸気圧側の
成分の減少の抑制)は満足できるものの、余りに成膜室
内の圧力を上昇させると、形成されるプルームが小さく
なって、基板上への成膜が困難となりやすく、適当な圧
力状態がある。
【0017】2 第2の実施例 上記の例にあっては、テルル化ビスマスの例を示した
が、Bi−Te−Sb−Se系の複合材料を作製する場
合の例について、以下説明する。上述の例に於ける表1
に対応する成膜条件及び形成される作製物物性を表3
に、さらに、成膜室内に不活性ガス(アルゴン)を充填
し、成膜室内内圧を比較的高い側に維持した場合の状態
を表4に示した。
【0018】
【表3】 作製対象物 Bi−Te−Sb−Se系の複合材料 基板材料 石英ガラス 基板温度 275℃ 成膜室内圧力 アルゴン充填状態で0.5Torr レーザー波長 248nm レーザー発振出力 300mJ/Pulse レーザー発振周波数 100Hz レーザーパワー密度 5900mJ/cm2 レーザー発振時間 5分 ターゲット組成 Bi:Te 1 :5.68 Bi:Sb 1 :2.95 作製物組成 Bi:Te:Sb 1 :5.67:2.93
【0019】
【表4】 成膜室内圧力(Torr) 5×10-6 5×10-1 Te/Bi(モル比) 3.82 5.67 Sb/Bi(モル比) 2.04 2.93
【0020】この例の場合にあっても、成膜室内の圧力
を比較的高圧側に維持しながら、成膜する方が、組成ず
れを生じた部位を形成しにくい。
【0021】3 第3の実施例 さて、これまで説明してきた例にあっては、成膜室内の
圧力の調整用にアルゴンを充填する場合について説明し
てきた。しかしながら、本願の方法にあっては、複合材
料と複合して複合物を形成しないガスであればいかなる
ガスをも使用することができる。このようなガスの一例
として同じく不活性ガスの一例であるヘリウムを成膜室
内の圧力調整用に使用して、成膜をおこなった場合を、
以下に示す。この例に関して、表1に対応する成膜条件
及び形成される作製物物性を表5に、表2に対応するも
のを表6に示した。
【表5】 作製対象物 複合材料(テルル化ビスマス) 基板材料 石英ガラス 基板温度 200℃(同上) 成膜室内圧力 ヘリウム充填状態で0.1Torr レーザー波長 248nm レーザー発振出力 300mJ/Pulse レーザー発振周波数 40Hz レーザーパワー密度 7400mJ/cm2 レーザー発振時間 10分 ターゲット組成 Bi:Te 2 :3 作製物組成 Bi:Te 2 :2.92〜3
【0022】
【表6】 成膜室内圧力(Torr) 5×10-6 1×10-1 Te/Bi(モル比) 1.10 1.46
【0023】この場合も同様に、成膜室内の不活性ガス
充填による圧力調整により組成ずれが少ないものを、広
い成膜条件範囲で得ることができる。
【0024】〔別実施形態〕上記の実施例においては、
テルル化ビスマスが主成分であるBi−Te系の熱電材
料を作製する例を示したが、Bi−Te系の他、Bi−
Sb系、Bi−Se系等、ビスマス、テルル、アンチモ
ン、セレンから選択される少なくとも2種以上を含む複
合材料の作製、さらには、PZT、BST等の複合材料
の作製の場合にあっても、本願の手法を適応できる。上
記の実施例においては、KrFエキシマレーザーを採用
したが、ネオジム(Nd3+)YAGレーザー等を使用し
てもよい。この場合は、装置をコンパクトにできる利点
がある。一例として、ネオジム(Nd3+)YAGレーザ
ーを使用する場合は、表1に示した成膜条件が、対応す
る部分のみ下記の表7のようになる。
【0025】
【表7】 成膜室内圧力 アルゴン充填状態で0.5Torr レーザー波長 266nm レーザーパワー密度 200mJ/cm2 レーザー発振周波数 10Hz
【0026】さらに、基板としては、シリコン基板の
他、ガラス等、平滑なもの全てを使用できる。ガラスを
使用する場合は、製品が安価になる。上記の実施例にお
いては、成膜室内全体に関して、真空排気後、不活性ガ
スの導入をおこなう例を示したが、これは、作業開始前
に成膜室内にあるガスを真空排気しながら、不活性ガス
を導入する、所謂、置換操作としてもよい。この場合
も、ミクロ的に見れば成膜室内の真空排気の後、不活性
ガスの導入が行われることとなる。当然、成膜時には、
この場合も成膜室内の不活性ガス圧力は0.01〜5T
orrに維持する。
【0027】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーアブレーション装置の構成を示す図
【符号の説明】
2 複合材料 3 基板 4 レーザー 5 レーザー光 6 成膜室 10 ターゲット 15 プルーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 茂 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 山田 良行 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 坂井 久 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の成分を所定の組成比で含有す
    るターゲット(10)を作製するとともに、減圧真空維
    持される成膜室(6)内で、基板(3)に対向させて、
    前記ターゲット(10)を配設し、前記ターゲット(1
    0)にレーザー光(5)を照射して前記ターゲット(1
    0)よりプルーム(15)を発生させて前記基板(3)
    上に蒸着させて、レーザーアブレーション法により前記
    基板(3)上に複合材料を作製する複合材料の作製方法
    であって、 前記成膜室(6)を真空排気した後、前記成膜室内に不
    活性ガスを導入して、前記成膜室内の圧力を0.01〜
    5Torrに維持して、前記複合材料を作製する複合材
    料の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記複合材料が、ビスマス(Bi)、テ
    ルル(Te)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)か
    ら選択される少なくとも2種以上の成分を含み、組成式 【化1】(BixSb1-x)m (TeySe1-y)n m=2±δ1 n=3±δ2 0≦x≦1 0≦y≦1 −1≦δ1≦1 −1.5≦
    δ2≦1.5 で表される材料である請求項1記載の複合材料の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記レーザーアブレーション法を適応す
    るに、前記レーザー光の波長を193〜1064nm
    に、レーザーパワー密度を10〜10万mJ/cm
    2に、前記基板(3)の温度を100℃以上、600℃
    以下に設定して前記複合材料を作製する請求項2記載の
    複合材料の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザーアブレーション法を適応す
    るに、前記レーザー光の波長を193〜300nmに、
    レーザーパワー密度を30〜10000mJ/cm2に
    設定して前記複合材料を作製する請求項3記載の複合材
    料の作製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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