JPH09265992A - 燃料電池の電極構造 - Google Patents

燃料電池の電極構造

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JPH09265992A
JPH09265992A JP8077013A JP7701396A JPH09265992A JP H09265992 A JPH09265992 A JP H09265992A JP 8077013 A JP8077013 A JP 8077013A JP 7701396 A JP7701396 A JP 7701396A JP H09265992 A JPH09265992 A JP H09265992A
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JP
Japan
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catalyst
electrode
fuel cell
electrolyte membrane
catalyst layer
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JP8077013A
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Shinichi Hirano
伸一 平野
Futoshi Fujikawa
太 藤川
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体高分子型燃料電池において、発電効率を有
効にすることができ、しかもコスト的にも有利な燃料電
池の電極構造を提供する。 【解決手段】第2触媒層432については、重量比20
パーセントの白金を担持したカーボンブラックを80m
g、重量比55%のPTFE分散溶液(TEFLON FEP120-
J)を79mgとを調製し、これを純水40mlおよび
イソプロパノール40mlと混合し超音波洗浄器を用い
て分散させた。第1触媒層431については、40%の
白金を担持したカーボンブラックを40mgおよびPT
FE分散溶液(TEFLON FEP120-J)29mgを混合して
分散溶液を調製した。アノード側電極接合体およびカソ
ード側電極接合体を構成した後、カソード側電極接合体
およびアノード側電極接合体をそれぞれ触媒層側が対面
する姿勢で向き合わせ、その間に固体高分子電解質膜を
挟んで接合した。そして、プレス治具を用いて固定し、
約155℃の温度で電極接合体の単位面積当たり約25
kgf/cm2 の圧力でホットプレスすることにより固
体高分子電解質膜電極接合体を製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解質膜型燃料電池の
電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は電解質を介しての酸化還元反
応に基づく電力をさまざまな用途に利用しようとするも
のであって、このために電解質の両側に電極を配し反応
ガスを供給するとともに、電力を回収できるように構成
している。燃料電池の1つの形態として固体高分子型燃
料電池が知られている。固体高分子型燃料電池は、一般
的に、水素イオン導電性の固体高分子を白金触媒を担持
したカーボン電極で挟み込んで構成される発電素子すな
わち固体高分子−電極接合体及び反応ガスを供給するた
めのガス通路溝が設けられ、発電素子を両側から支持す
るガス分離部材とを積層した構造を有する。そして、一
方の電極に燃料ガスを供給し、他方の電極に酸化剤ガス
を供給して、燃料ガスと酸素の化学エネルギーを直接電
気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを
抽出するようになっている。固体高分子型燃料電池にお
いて、水素と酸素による電気化学反応が生じると電極間
に電流が発生するとともに、カソード側に水が生成す
る。そして、固体高分子型燃料電池においては、他の燃
料電池と比較して動作温度が約80℃と比較的低温であ
るために、可搬型の電源、特に電気自動車用のパワーソ
ースに適している。
【0003】しかし、自動車用として用いる場合には、
燃料である水素ガスは、可搬型のタンク又は可搬型の改
質装置等により自動車で確保する必要がある。一方、酸
化剤ガスとしては、システムの軽量化、コスト面等の理
由から空気が使用される。この場合、純酸素に比較して
酸素分圧が約1/5と低下するので、燃料電池の反応の
中で酸素還元反応速度及び物質移動の問題が生じる。こ
の問題に対して、一般的には、空気を圧縮して燃料電池
に供給する方法が取られる。しかし、この場合、空気圧
縮装置を駆動するためのエネルギーを消費するために、
その分、燃料電池全体のエネルギー効率は低下すること
に注意すべきである。このような事情に鑑み、低酸素分
圧下でも高いエネルギー効率を達成するために、さまざ
まな手法が提案されている。たとえば、触媒物質(80
℃程度の低温状態で活性を有するのは通常は白金触媒で
ある)を微粒化させることによって触媒活性を向上させ
ること、触媒物質密度を増加すること、触媒担持カーボ
ンを増加すること等が提案されている。触媒活性を向上
させることによって酸素還元反応速度を改善することが
でき、したがって燃料電池の性能を改善することができ
る。
【0004】しかし、上記のような方法で触媒活性を向
上させることは酸素還元反応速度を高めることには寄与
するものの、物質の移動抵抗を増大させる結果となると
いう問題がある。また、別の問題として比較的低温状態
において触媒活性を有する白金系触媒は高価であるの
で、その使用量を抑えつつ燃料電池の性能改善を図るこ
とができることがコスト的な観点から望ましい。特開平
7−134993号公報には、カソード電極側で発生す
る生成水を効率的に除去することによって燃料電池の性
能を向上させるようにした技術が開示されている。上記
公報に開示された燃料電池は、固体高分子からなる電解
質膜とこの電解質膜の両側に配置した燃料極と空気極と
を備えている。そして、上記燃料極と空気極は、電解質
膜面に面接して配置された触媒層とその反対側に配置さ
れたガス拡散層を有しており、空気極のガス拡散層に
は、触媒層側ほど疎水性が高くなるように疎水性の傾斜
が設けられ、燃料極のガス拡散層には、触媒層側ほど疎
水性が低くなるように疎水性の傾斜が設けられている。
この開示された燃料電池においては、上記の構成により
燃料極側では、燃料極側電解質の水素イオンとともにに
移動して減少する水を補充でき、電解質の含水率の低下
を抑制できるとともに、空気極側では、触媒層での水の
フラッディングによるガス拡散疎外が起こりにくくなっ
て電池性能を改善することができると記載されている。
【0005】
【解決しようとする課題】上記特開平7−134993
号に開示される燃料電池は、電極のアノード側またはカ
ソード側の水分の供給及び排除を効果的に制御する構造
を提供するものであって、いわば物質移動の面から電池
性能を改善しようとするものである。この構成では、1
面的には一定の効果を奏することができるものの、上記
したような触媒活性及び物質移動の問題の両方の要因を
総合的に勘案したものではなく、電池性能改善効果にお
いて一定の限界性を有するものである。本発明は、以上
のような事情に鑑みて構成されたもので、上記特開平7
−34993号公報等に開示される公知のものとは異な
る手法によって、性能を改善することができ、しかもコ
スト的にも有利な燃料電池の電極構造を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下のように構成される。すなわち、本発
明は電解質膜を有し該電解質膜の両側に配置される触媒
電極とを備えた燃料電池の電極構造において、前記触媒
電極における触媒物質の密度が、上記電解質膜との界面
近傍において極大値を有することを特徴とする燃料電池
の電極構造である。好ましい態様では、前記触媒電極が
触媒物質の密度の異なる複数の触媒電極層を積層して構
成される。この場合、好ましくは、電解質膜との界面か
ら離れた触媒電極層ほど厚くなるように形成される。ま
た、触媒電極のイオン伝導体、触媒物質及び反応ガスと
からなる三界相反応領域におけるイオン伝導体の密度を
電解室膜との界面近傍において極大値を有することが好
ましい。前記触媒物質は白金、または白金合金であっ
て、該触媒物質の密度は、触媒担持体に対して10〜6
0重量%の範囲であるのが好ましい。触媒物質の含有量
が低すぎると、所望の触媒活性を得るとが困難となり、
重量比が多すぎる場合には白金量に見合った活性が得ら
れずコスト的に不利となる。発明者らの経験では触媒物
質の含有量が担持体に対して約60重量%を越える場合
には、良好な触媒分散状態を得ることはできず、性能面
での改善が期待できない。また、前記電解質膜は固体高
分子電解質膜であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】燃料電池の電極反応は、電解質膜
の両側の触媒層の内部で生じ、その反応が活発であるほ
ど燃料電池から取り出すことができるエネルギーは増大
する。すなわち、燃料電池の性能は向上する。しかし、
上記電極反応によって生じる電流は、触媒層の厚さ方向
に一様ではなく、電解質膜の界面に近い位置ほど活発で
あり、界面から離れるにしたがって、反応活性は低下す
る。本発明はこのような燃料電池における電極反応現象
の実態に着目してなされたものであって、電極反応の最
も活発に生じる電解質膜界面近傍の触媒層領域において
より活発な反応を促すように構成するものである。すな
わち、触媒層の電解質膜近傍においては、電極反応が促
進される環境を作るために触媒物質密度を高めるととも
に、これに対応してイオン伝導体密度を高めることによ
ってこの領域での高い反応活性を維持し、かつ電解質膜
界面から離れるにしたがって、両物質の密度を低下させ
ることによって触媒層における物質移動抵抗を極力少な
くしている。すなわち、電解質膜から離れるにしたがっ
て、触媒物質密度及びイオン伝導体密度を減少させるこ
とによって、物質移動抵抗を低下させることができる。
さらに、別の観点において、イオン伝導体密度の減少に
よってカソード側の電極反応によって発生する水分の拡
散性を向上させることができる。
【0008】本発明の上記構成によってアノード側から
電解質膜を介して移動してきたプロトンすなわちH+
アノード電極において集電されて外部仕事をして外部回
路を経由してカソード電極に供給される電子とのカソー
ド側における結合を最も効率的に行わせることができる
ものである。すなわち本発明によって酸化還元反応速度
を高く維持することができるとともに、燃料電池の電解
質膜及びその両側に配置される触媒層、拡散層を通じて
の物質移動抵抗を極力低く抑えることができるものであ
る。触媒物質は、代表的には白金または白金合金(Pt/C
r,Pt/Co,Pt/Rh,Pt/Ni)等であり、塩還元法などで導電性
と耐腐食性を有するカーボンブラックを担持体として上
記触媒物質を担持させたものを使用する。触媒物質密度
は触媒物質と担持体との重量比を変化させることによっ
て調節する。また、上記のイオン伝導体としてはスルホ
ン酸基を有するフッ素樹脂などがあげられる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (本発明の実施例にかかる固体高分子電解質膜電極接合
体)全体構造 図1には、本発明の1実施例にかかる単一の固体高分子
電解質膜電極接合体からなる燃料電池の断面の概略が示
されている。本例の燃料電池1は中央に固体高分子電解
質膜2を備えその一方の側に燃料としての水素が供給さ
れる酸化電極すなわちアノード電極3、他方の側に還元
反応用の酸素源としての空気が供給される還元極すなわ
ちカソード電極4を備える基本構造になっている。アノ
ード電極3は、カーボンクロス31、その内側に拡散層
32さらにその内側に触媒層33を積層して接合するこ
とによって構成されている。そして、アノード電極3の
外側には、ガスの分離及び発電した電力の集電機能を有
する溝付ガス分離板30が設けられている。そして、ア
ノード電極3と溝付ガス分離板30とでアノード電極側
接合体が構成される。
【0010】溝付ガス分離板30は、内部を燃料ガスで
ある水素ガスがプロトンH+ を電解質膜側に供給しつつ
流通するアノードガス通路34を画成するための溝を備
えている。カーボンクロス31の拡散層32との面接触
部は、水素分子から発生する電子を集電する集電部を構
成する。カソード電極側も同様な構成になっており、カ
ーボンクロス41、拡散層42、触媒層43の積層接合
構造を有する。そしてカーボンクロス41の外側には溝
付ガス分離板40を備えており、酸素ガスが外部に漏れ
出ないようにまた、カーボンクロス表面を屈曲しつつ延
びる溝をガスがショートパスしないように分離を行なう
役割をもつ。そして、溝付ガス分離板40は、電解質膜
側からのプロトンH+ と接触して水を生成する酸素を流
通させるカソードガス通路44を画成する約1mm程度
の深さを有する溝を有している。そして、カソード電極
4と溝付ガス分離板40とでカソード側電極接合体が構
成される。
【0011】上記構成によって図1に概念的に示すよう
にアノード側から電解質膜2を介して移動してきたプロ
トンすなわちH+ とアノード電極3において集電されて
外部仕事をして外部回路を経由してカソード電極4に供
給される電子とのカソード電極側で結合される。すなわ
ちアノード電極側では、水素分子が電子を奪われること
によってプロトンH+ が発生し、カソード電極側では、
電解質膜2を介して伝導されたプロトンH+ と外部負荷
を有する外部回路からの電子とカソードガス通路から供
給される酸素分子とが反応して水分子が生成する。カソ
ード電極4の中間の電解質膜2から各電極3、4に至る
積層状態の詳細が図2に示されており、電解質膜2の外
側には触媒層が第1触媒層431、第2触媒層432の
2層が隣接接合状態で設けられている。そして、その外
側に拡散層42が設けられ、さらにその外側にカーボン
クロス41が接合されて電極が構成される。なお、その
外側に上記のように溝付ガス分離板40が接合されて全
体の接合体が構成される。カーボンクロス カーボンクロス31、41は、固体高分子電解質膜電極
接合体において、溝付ガス分離板30、40のすぐ内側
に配置される電極部分の基層を成す部分であって、基本
的に上記のアノード電極反応、カソード電極反応にかか
る電子の移動を担う集電部材としての役割を持つ。さら
に、各電極3、4における物質移動、特にアノードガ
ス、カソードガスをイオン伝導体、触媒物質及び反応ガ
スとからなる三界相反応領域に対して効果的に供給する
ことができるようになっていること、およびカソード電
極4において発生する水分の排出を効果的に行うことが
できるようになっていることが望ましい。
【0012】本例においては、アノード側カーボンクロ
ス31およびカソード側カーボンクロス41はいずれも
カーボン繊維を織って構成されるカーボンクロスを用い
る。本例において電極として使用されるカーボンクロス
は米国E−TEK社製の商品名: “A”Cloth であり、
重量は、116g/m2 、厚さは、0.35mmであ
る。本例の電極を構成するに当たってフッ素樹脂(ポリ
テトラフルオロエチレン(以下PTFEという))分散
溶液(約0.2μm程度の粒径のPTFEが54〜55
重量パーセント含まれており、所定量の界面活性剤とと
もに安定分散している(三井・デュポンフロロケミカル
(株)から商品名TEFLON FEP120-Jとして提供されてい
る))によってカーボンクロスの表面処理を行い撥水性
を付与した。このカーボンクロスの撥水化処理は、PT
FEを界面活性剤とともに分散させた溶液を49wtパ
ーセントに希釈した溶液中に上記カーボンクロスを5分
間浸した後濾紙で余分な溶液を拭き取り、その後、窒素
雰囲気の電気炉中で温度340℃で1時間PTFEを焼
結させた。拡散層 拡散層は、カーボンクロスの内側に触媒層と接触するよ
うに設けられるものであって、電極と同様に触媒層に対
し、および触媒層からの物質移動が効果的に行われるよ
うに機能する必要があるとともに、触媒層と電極との間
に介在する媒体として集電機能を効果的に発揮するもの
でなければならない。
【0013】本例では、拡散層は、カーボンブラックと
PTFEとの焼結体として構成されている。両者の重量
比は、6:4であり、その単位面積当たりの密度は、そ
れぞれ2.4mg、1.6mgである。なお、カーボン
ブラックとしては、Cabot Corporation から提供されて
いる商標名Vulcan XC-72( 表面積250m2 /g)を用
いた。 拡散層の製造 カーボンブラック315mgと上記市販のPTFE分散
溶液389mgを40mlの純水および40mlのイソ
プロパノールとともに混合し、超音波洗浄器を用いて分
散させた。この分散調製液を上記の電極として撥水処理
したカーボンクロス上にスプレーを用いドライヤーを用
いて乾燥させながら吹きつけた。上記分散溶液がカーボ
ンクロス上に付着する率は5〜30%である。吹きつけ
完了後、約50kgのローラーによって拡散層を形成し
たカーボンクロスを約0.2〜0.5mmの厚さに圧縮
した。次に、上記の窒素雰囲気の電気炉中で約300℃
〜350℃で約1時間PTFEを焼結させることによっ
てのカーボンクロス上に拡散層を形成した。
【0014】触媒層 (カソード電極側)本例では、カソード電極側の触媒層
は2層から構成されており、電解質膜側の第1触媒層
は、本例では、ほぼ10μmであり、その外側に隣接す
る拡散層側の第2触媒層は、は20μmの厚さに仕上げ
られている。触媒としては、上記カーボンブラック(Vu
lcan XC-72)に白金を担持させたものを用いた。しか
し、触媒金属である白金の密度は第1触媒層の方が高く
白金/カーボン比で第1触媒層は40パーセントPt/
C(重量パーセント)、第2触媒層は20パーセントP
t/C(重量パーセント)である。なお白金の平均粒径
は約2.5nmである。各触媒層の組成は、図3に示す
通りである。なお、図3において、Nafionは、デュポン
社から提供される電解質膜の商品名ポリマー含有液であ
り、そのポリマーの構造は、図4に示すAciplex-S(100
4) と同様のものである。このポリマー含有液Nafion
は、水とエタノールを等量混合した溶液中に所定量のポ
リマーを分散させたものである。本例では、ポリマーの
濃度は、5wtパーセントのものを使用している。カソ
ード電極側の触媒層の製造について説明する。触媒層を
形成するに当たってまず、所定量の原料を含む分散溶液
を調製する。第2触媒層432については、重量比20
パーセントの白金を担持したカーボンブラックを160
mg、重量比55%のPTFE分散溶液(TEFLON FEP12
0-J)を158mgとを調製し、これを純水40mlお
よびイソプロパノール40mlと混合し超音波洗浄器を
用いて分散させた。第1触媒層431については、40
%の白金を担持したカーボンブラックを40mgおよび
PTFE分散溶液(TEFLON FEP120-J)29mgを混合
して分散溶液を調製する。上記PTFE分散溶液中にお
いては約0.2μm程度の粒径のPTFEが54〜55
重量パーセント含まれており、所定量の界面活性剤とと
もに安定分散している。
【0015】つぎに、上記で調製した2種類の触媒層用
の分散溶液の内、先ず第2触媒層用の分散溶液をスプレ
ーを用いて上記の拡散層を形成した半製品の拡散層の面
上に吹きつけて、第2触媒層432を形成した。そし
て、上記拡散層形成の場合と同様に、窒素雰囲気の電気
炉中でPTFEのガラス転移温度付近(約300〜35
0℃)でPTFEの焼結処理を約1時間かけて行った。
次に同様な要領で、白金密度のやや高い第1触媒層用分
散溶液を上記で形成した第2触媒層431の表面にスプ
レーを用いて吹きつけ、裏側触媒層用の分散溶液を塗布
した。次に同様な拡散層、第2触媒層と同様な要領で焼
結処理を行って、第2触媒層432の上に第1触媒層4
31を形成した。次に上記のようにして形成したカーボ
ンクロス41、このカーボンクロス41上の拡散層4
2、拡散層上の第2、第1各触媒層432、431から
なる固体高分子電解質膜電極接合体半製品の第1触媒層
431の表面上から上記の高分子電解質溶液Nafionを塗
布する。本例では、Nafionを適当なブラシに浸漬してNa
fionを含ませて第1触媒層431の表面に塗布した。塗
布量は約0.6mg/cm2であった。 (アノード電極側)本例のアノード電極側の触媒層は触
媒密度を均一とした単一層から構成されている。そし
て、上記のカーボンブラック(Vulcan XC-72)に白金を
担持したもの(20%Pt/C、平均白金粒径2.5n
m)を0.4mg/cm2 となるように触媒層を上記カ
ソード側の触媒層を形成する手法と同じ要領で、分散液
の拡散層表面への吹きつけおよびその後のPTFEの焼
結処理を行なうことによって形成した。この場合、カー
ボンブラックの量は、触媒層、拡散層あわせて約4.0
mg/cm2 程度となるように調製した。そして、溝付
ガス分離板30を除くアノード側電極接合体全体として
約0.35mm程度とした。
【0016】電解質膜 固体高分子電解質膜は、無孔性の高分子材料であって、
フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(以下PTF
Eという))から構成することができる。本例の電解質
膜は、旭化成(株)から提供される商品名: Aciplex-S
(1004) である。その厚さは、約2〜6mil(約50
〜150μm)程度である。この化学構造は、図4に示
す通りである。上記したように固体高分子型燃料電池に
おける基本的な動作によれば、アノード電極で燃料ガス
である水素から電子が奪われる反応が生じ、これによっ
て電子と水素イオン(プロトンH+ )が発生し、電子は
負荷を通り、一方プロトンH+は、電解質膜中を伝導し
てカソード電極に到達する。カソード電極において、プ
ロトンH+ は、酸素の反応することによって反応水を生
成する。すなわち、電解質膜は上記の基本動作から明ら
かなようにプロトンH+ をカソード側に伝導する役割を
果たすとともに、未反応水素ガスが分子状態でカソード
側に進入することを防止する役割を持つものである。な
おプロトンH+ が電解質膜中をカソード側に向かって移
動する場合には水分子を伴って移動するので、電解質膜
は、このための水分子を保有する水分子保有機能も有し
ていなければならない。また、イオン伝導体基(本例で
はスルホン酸基)を有する電解質膜では単位重量当たり
のスルホン酸基の重量の比すなわちスルホン酸基当量
は、約500〜1500(g/eq)でことが好まし
い。電解質膜は、(1)プロトンH+ の伝導機能、
(2)アノードガス通路の水素ガスとカソードガス通路
の酸素ガス(空気)とを隔離するためのセパレーション
機能、および(3)所定の保水機能を有する必要がある
この条件を満たすものであれば、任意のものを使用する
ことができる。電解質膜のアノード側にはアノード側触
媒層、カソード側にはカソード側触媒層が形成される。
【0017】電極接合体の形成 上記のようにしてアノード側電極接合体およびカソード
側電極接合体を構成した後、カソード側電極接合体およ
びアノード側電極接合体をそれぞれ触媒層側が対面する
姿勢で向き合わせ、その間に固体高分子電解質膜を挟ん
で接合した。そして、プレス治具を用いて固定し、約1
55℃の温度で電極接合体の単位面積当たり約25kg
f/cm2 の圧力でホットプレスすることにより固体高
分子電解質膜電極接合体を製造した。
【0018】(比較例にかかる固体高分子電解質膜電極
接合体)比較例の構成では、カソード側電極もアノード
側電極と同様に単一の触媒層から構成した。触媒層を形
成するために実施例と同様に分散溶液を調製した。この
場合、白金担持カーボンブラック(Vulcan XC-72)は白
金重量比Pt/C20パーセントを160mg、PTF
E分散溶液(FEP120-J) 158mgを用いて上記と同様
に分散液を調製し、スプレーによる吹きつけによって触
媒層を形成した。なお、吹きつけによる分散液の付着率
は吹きつけ量の15〜20%である。その後同様に焼結
処理を行なった。他の構成は、実施例と同じである。こ
のようにして形成した実施例および比較例にかかる固体
高分子電解質膜電極接合体からなる燃料電池による発電
の実験を行った。その結果を図5に示す。図5に示す結
果から明らかなように本発明の実施例にかかる燃料電池
では、比較例にかかるものに比して発生電圧に関し、5
00mA/cm2 において約25mV程度高くなること
が判明した。このことは、燃料電池の発電効率が約60
%から62%に向上することを意味するものである。単
一の固体高分子電解質膜電極接合体からなる燃料電池構
成におけるこの実験結果によれば、多数の積層構造から
成る燃料電池においては発電効率の向上は顕著なものと
なる。
【0019】なお、本例では、カソード電極側の触媒層
を触媒密度が異なる2層によって構成したが、さらに多
くの密度が異なる層を積層して構成することもできる。
この場合、電解質膜側の触媒密度が高くなるように積層
する。また、本例では、アノード電極は単一の均一な触
媒密度を有する触媒層によって形成したが、かならずし
もこのようにする必要はなく、カソード電極と同様に複
数の触媒密度の異なる層を積層して構成することもでき
る。さらに、本例では、触媒密度の異なる層をそれぞれ
積層することによって、触媒層を構成したが、触媒密度
勾配が電解質膜側から拡散層側に向かって減少するよう
な構成であれば単一の層であってもよい。さらに、触媒
層の製造において、上記のような触媒勾配が得られる手
法であれば、スプレー、ブラシ塗布によらず薄い10〜
100μm程度の薄い層を形成するために、公知の任意
の手段を用いることができる。
【0020】
【発明の効果】上記したように、本発明では、固体高分
子電解質膜燃料電池において、簡単な構成でしかも製造
コストを増大させることなく、発電効率の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる固体高分子型燃料電
池の電極接合体の概略断面図、
【図2】図1の燃料電池の各層の積層状態を示す断面図
【図3】カソード側触媒層の組成を示すグラフ、
【図4】イオン伝導体を構成するPTFEの構造の一例
を示す図、
【図5】燃料電池の特性を示すための電圧と電流密度と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料電池 2 固体高分子電解質膜 3 アノード電極 4 カソード電極 43、33 触媒層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質膜を有し該電解質膜の両側に配置さ
    れる触媒電極とを備えた燃料電池の電極構造において、 前記触媒電極における触媒物質の密度が、上記電解質膜
    との界面近傍において極大値を有することを特徴とする
    燃料電池の電極構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記触媒電極が触媒物
    質の密度の異なる複数の触媒電極層を積層して構成され
    ていることを特徴とする燃料電池の電極構造。
  3. 【請求項3】請求項2において、電解質膜との界面から
    離れた触媒電極層ほど厚くなっていることを特徴とする
    燃料電池の電極構造。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、触媒電
    極のイオン伝導体、触媒物質及び反応ガスとからなる三
    界相反応領域におけるイオン伝導体の密度を電解室膜と
    の界面近傍において極大値を有することを特徴とする燃
    料電池の電極構造。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記触媒物質が白金、
    または白金合金であって、該触媒物質の密度は、触媒担
    持体に対して10〜60重量%の範囲であることを特徴
    とする燃料電池の電極構造。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかにおい
    て、前記電解質膜が固体高分子電解質膜であることを特
    徴とする燃料電池の電極構造。
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