JPH09270208A - 耐火電線 - Google Patents

耐火電線

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JPH09270208A
JPH09270208A JP9009068A JP906897A JPH09270208A JP H09270208 A JPH09270208 A JP H09270208A JP 9009068 A JP9009068 A JP 9009068A JP 906897 A JP906897 A JP 906897A JP H09270208 A JPH09270208 A JP H09270208A
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JP
Japan
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weight
parts
electric wire
platinum
refractory layer
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JP9009068A
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English (en)
Inventor
Jiro Hiroishi
治郎 廣石
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で電線として必要な柔軟性を有しかつ十
分な耐火性を有するとともに、400〜500℃といっ
た比較的低い温度の加熱にも亀裂や脱落のない耐火層を
有する耐火電線を提供する。 【解決手段】 導体1外周に、直接若しくは他の層を介
して、実質的に柔軟性を発現するシリコーン重合体10
0重量部に対し、平均繊維長0.3〜30mm、繊維径
0.1〜50μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で
0.5重量%未満、軟化温度900℃〜1100℃であ
るガラス繊維を0.5〜60重量部、シリカ粉末を5〜
150重量部、前記シリコーン重合体に対する白金含有
量が0.1〜100ppmになる量の白金化合物または
白金とを混練してなる混和物を0.2〜2mm厚に押出
被覆した耐火層2を有する絶縁線心6の上に、または該
絶縁線心6が複数本合わされた上にシース4が施されて
なる耐火電線7。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常用電源路等に
用いられる耐火電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から耐火電線としては、導体の上に
ガラスマイカテープ、プラスチックマイカテープ等のマ
イカテープを巻き付けて耐火層を設け、さらにこの上に
ポリエチレン樹脂等を押出被覆して絶縁層を設け、さら
にその上にポリ塩化ビニル等を押出被覆して外部保護層
を設けたものが知られている。
【0003】しかし、このようにマイカテープを巻き付
けて耐火層を設けた耐火電線では、マイカテープの巻き
付け工程に時間がかかるため生産性が悪い、またマイカ
テープに使用されるマイカが割れやすく剥がれやすいた
め作業者の作業環境にもよくない、品質安定性に欠ける
等の問題がある。しかも、マイカテープを用いた耐火電
線は、マイカテープを数回重ね巻しないと、十分な耐火
性が得られないため、硬く加工性が悪いという問題があ
る。さらにマイカテープは比較的高価なので耐火電線の
価格が高い原因となっている。このようなマイカテープ
を用いた耐火電線の生産性、作業性、加工性、価格の問
題に対して、オレフィン系樹脂に中空ガラスビーズを混
合した混合物を耐火層とした耐火電線が特開平6−52
727号で提案されている。
【0004】しかし、特開平6−52727号に示され
ているような、ガラスビースのごときガラス粉末をオレ
フィン系樹脂に混合したものを耐火層とした場合、燃焼
が激しいときには、耐火層のオレフィン系樹脂が軟化流
動して垂れ落ち、その際ガラス粉末も一緒に導体上から
垂れ落ちてしまったり、あるいは耐火層のオレフィン系
樹脂が燃焼してガラス粉末が付着媒体であるオレフィン
系樹脂を失い、導体上から脱離してしまったりして燃焼
時および燃焼後に絶縁特性が保持できないことがあり、
耐火性能が不十分である。
【0005】また、シリコーンに無機質粉末を混合した
混合物を耐火層とした耐火電線が、特開昭49−417
5号、特公昭57−25930号、特開昭51−149
578号、特開平5−254912号等で提案されてい
る。シリコーンは燃焼させても、他の有機ポリマと異な
り燃焼後にシリカとなって灰残が一部残ることから、こ
れが燃焼中および燃焼後の絶縁物として利用できる可能
性がある。そして、燃焼後も確実に残る無機質の粉末を
シリコーンに混合することにより、より燃焼後の絶縁残
を多くして耐火性を出せる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリコーンゴ
ムに代表される柔軟性を有するシリコーンに粉末状の無
機材を混入しただけのものは、燃焼させると絶縁残が確
かに多く残るものの、残る絶縁残は極めて脆く、少しの
負荷がかかっても脱落してしまったり、また自然に脱落
してしまうこともあり、耐火電線の耐火層としては極め
て不十分である。このように従来から提案されているシ
リコーンゴムに無機粉末を単に混入しただけのものを耐
火層とした電線では、耐火層の燃焼時の脱落の問題や、
亀裂発生の問題があり、耐火電線として実用化するには
甚だ問題のあるものであった。
【0007】また、従来から提案されている上記のシリ
コーンゴムに無機粉末を混合したものを耐火層とした線
は、消防庁告示の耐火試験における加熱温度曲線のよう
に比較的急激に温度を840℃まで上昇させた場合は耐
火層は脆いながらも無機化して固まってある程度残るも
のがあるものの、例えば400℃〜500℃程度のあま
り高くない温度においた場合は、シリコーンの有機分の
脱離のみが進み、例えばガラス粉末の軟化等による無機
粉末によるバインダー効果が十分に発揮されないため、
この種の耐火層は極めて脆くなり脱落しやすいという問
題があることを新たに見出した。本発明の目的は、上記
の問題を解決し、常温で電線として必要な柔軟性を有し
かつ十分な耐火性を有するとともに、400〜500℃
といった比較的低い温度の加熱にも亀裂や脱落のない耐
火層を有する耐火電線を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、導体外周に、直接若しくは他の
層を介して、イ)実質的に柔軟性を発現するシリコーン
重合体100重量部に対し、ロ)平均繊維長0.3〜3
0mm、繊維径0.1〜50μm、アルカリ金属含有量
が酸化物換算で0.5重量%未満、軟化温度900℃〜
1100℃であるガラス繊維を0.5〜60重量部、
ハ)シリカ粉末を5〜150重量部、ニ)前記シリコー
ン重合体に対する白金含有量が0.1〜100ppmに
なる量の白金化合物または白金とを混練してなる混和物
を0.2〜2mm厚に押出被覆した耐火層を有する絶縁
線心の上に、または該絶縁線心が複数本合わされた上に
シースが施されてなることを特徴とする耐火電線が提供
される。また、本発明においては、導体外周に、直接若
しくは他の層を介して、イ)実質的に柔軟性を発現する
シリコーン重合体100重量部に対し、ロ)平均繊維長
0.3〜30mm、繊維径0.1〜50μm、アルカリ
金属含有量が酸化物換算で0.5重量%未満、軟化温度
900℃〜1100℃であるガラス繊維を0.5〜60
重量部、ハ)シリカ粉末を5〜150重量部、ニ)前記
シリコーン重合体に対する白金含有量が0.1〜100
ppmになる量の白金化合物または白金とを混練してな
る混和物を0.2〜2mm厚に押出被覆した耐火層と、
さらにこの耐火層の外側に設けた絶縁層とを有する絶縁
線心の上に、または該絶縁線心が複数本合わされた上に
シースが施されてなることを特徴とする耐火電線が提供
される。さらに、本発明においては、前記耐火電線にお
いて、導体と耐火層の間にガラスマイカテープまたはプ
ラスチックマイカテープの被覆層を設けたことを特徴と
する耐火電線が提供される。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
図2に本発明の耐火電線の一実施例の断面図を示す。図
中、1は導体、2はシリコーン重合体100重量部、平
均繊維長0.3〜30mm、繊維径0.1〜50μm、
アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5重量%未満、
軟化温度900℃〜1100℃であるガラス繊維0.5
〜60重量部、シリカ粉末5〜150重量部、白金とし
て0.1〜100ppmの白金化合物または白金を混練
してなる混和物を0.2〜2mm厚に押出被覆して設け
た耐火層、6は導体1と耐火層2とからなる絶縁線心、
4はポリ塩化ビニル、難燃性ポリオレフィン等によりな
るシースを示す。本実施例においては、従来、耐火層の
上に設けていた絶縁層の役割を耐火層が兼ねている。
【0010】図1に本発明の耐火電線の別の一実施例の
断面図を示す。図中、1は導体、2はシリコーン重合体
100重量部、平均繊維長0.3〜30mm、繊維径
0.1〜50μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で
0.5重量%未満、軟化温度900℃〜1100℃であ
るガラス繊維0.5〜60重量部、シリカ粉末5〜15
0重量部、白金として0.1〜100ppmの白金化合
物または白金を混練してなる混和物を0.2〜2mm厚
に押出被覆して設けた耐火層、3はオレフィン系樹脂を
主成分とする絶縁層、4はポリ塩化ビニル、難燃性ポリ
オレフィン等によりなるシースを示す。
【0011】また、図4に本発明の他の一実施例の断面
図を示す。図中、1は導体、5はガラスマイカテープ、
プラスチックマイカテープまたは合成マイカテープを縦
添被覆して設けた被覆層、2はシリコーン重合体100
重量部、平均繊維長0.3〜30mm、繊維径0.1〜
50μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5重
量%未満、軟化温度900℃〜1100℃の範囲にある
ガラス繊維0.5〜60重量部、シリカ粉末5〜150
重量部、白金として0.1〜100ppmの白金化合物
または白金を混練してなる混和物を0.2〜2mm厚に
押出被覆して設けた耐火層、3はオレフィン系樹脂を主
成分とする絶縁層、4はポリ塩化ビニル、難燃性ポリオ
レフィン等によりなるシースを示す。
【0012】本発明における耐火層のシリコーン重合体
としては、シリコーンゴム、シリコーン樹脂が形態上の
分類から挙げられるが、実質的に柔軟性を有するシリコ
ーン系重合体であればよく、特にシリコーンゴムが一般
的である。そして、シリコーンゴムとしてはメチルシリ
コーン、メチルビニルシリコーン、メチルビニルフェニ
ルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコー
ン重合体が挙げられ、線状分子構造を主とするシリコー
ン重合体が好ましい。
【0013】また本発明におけるシリコーン重合体に
は、架橋処理を施しても施さなくてもよい。
【0014】耐火層に架橋処理を施すには、耐火層に架
橋剤として2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド
等の有機過酸化物や白金化合物等の公知のシリコーン架
橋剤を混入しておき、押出被覆後、これまた公知の加熱
手段で適宜加熱処理して架橋してやればよい。また、こ
れら架橋剤等を加えた場合でも、あえて加熱による架橋
処理を施さなくてもよい。架橋処理を施したもの、ある
いは架橋剤を混入して加熱処理せず未架橋のものは、架
橋剤を混入していないものに比べ加熱時より灰が残りや
すいが、耐火層表面に微小な亀裂が生じやすくなる傾向
も見られる。しかし、いずれにしても本発明の範囲であ
れば耐火性能は十分なものが得られる。
【0015】また、シリコーンゴムの粘度は百万〜2千
万センチストークスのものが代表的に挙げられるが、こ
れのみに限定されるものではない。また、最初から押出
可能な適度な粘度を有するシリコーンゴムを用い、これ
に上記のガラス繊維を混入してもよいし、あるいは粘度
の低い液状のシリコーンを付加重合あるは縮合重合させ
て得られるシリコーンゴムを用い、液状のシリコーンの
ときに上記ガラス繊維を混入したのち重合を進めて適度
な柔軟性を有する押出組成物を得てもよい。
【0016】また、本発明において、耐火層2を形成す
るための混和物に混入させるガラス繊維としては、平均
繊維長0.3〜30mm、繊維径0.1〜50μm、ア
ルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5重量%未満、軟
化温度900℃〜1100℃範囲のものである必要があ
る。
【0017】混入させるガラス繊維の平均繊維長が短か
すぎると、燃焼時に耐火層の収縮が激しく、耐火層に大
きな亀裂を生じたり、またガラス繊維の導体とのからみ
付きおよびガラス繊維同士のからみ付き度が少ないた
め、耐火層が脆くなり脱落しやすくなる。このことから
ガラス繊維の長さが0.3mm以上のものが必要であ
る。また、混入させるガラス繊維が長すぎると、耐火層
を押出被覆する際の押出性が悪くなるほか、押出混和物
の均一混練混合性も悪くなり、その結果、特性の安定し
た耐火電線が得られなくなる。このようなことからガラ
ス繊維の平均繊維長は30mm以下とするのが好まし
い。ガラス繊維の径は、0.1〜50μmである。ガラ
ス繊維径が小さすぎるとガラス繊維の配合による燃焼時
の耐火層の補強効果が十分に得られない。また、ガラス
繊維径が大きすぎるとガラス繊維の柔軟性が低下し、ガ
ラス繊維の配合による補強効果が十分に得られない。
【0018】ガラス繊維のアルカリ金属含有量は酸化物
換算で0.5重量%未満とする。0.5重量%以上とな
ると高温中の電気絶縁特性の低下が大きくなるほか、
0.5重量%以上含有するものは軟化温度も低く補強効
果も小さい。
【0019】このガラス繊維の軟化温度は900℃以上
である必要がある。軟化温度が900℃に満たないガラ
ス繊維では、燃焼時に耐火層の亀裂発生が十分に抑えら
れない。セラミックス繊維の中には1100℃でも軟化
しないものがあるが、そのようなセラミックス繊維は脆
いため、燃焼時の耐火層の亀裂発生を抑制する効果が少
ない。
【0020】このガラス繊維は、例えば成分からの分類
名で言えばホウケイ酸ガラス、高シリカガラス等が挙げ
られる。ガラス繊維はガラス繊維の複数本を樹脂等によ
り集束させたものを用いてもよいし各種の表面処理を施
したものを適宜用いてもよい。
【0021】また、本発明における耐火層の混和物のガ
ラス繊維の配合量は、他に配合するガラス粉末等の配合
量、種類によって適正な配合量の範囲は変わってくる
が、これを考慮してシリコーン重合体100重量部に対
し0.5〜60重量部とするのが好ましい。より好まし
くは1〜30重量部である。ガラス繊維の配合量が0.
5重量部未満では、ガラス繊維による補強効果が十分得
られなくなり、燃焼時に耐火層に大きな亀裂が生じた
り、耐火層が脆くなって脱落しやすくなる。60重量部
を超えると混和物の押出性が悪くなるほか、混練性も悪
くなり品質の安定した耐火電線が得られなくなる。
【0022】また、本発明において、耐火層の混和物に
は白金化合物または白金を微量混入させる。シリコーン
重合体に白金化合物または白金を混入させて難燃化する
こと自体は公知であるが、本発明においては、特定のガ
ラス繊維とを併せて用いることにより、難燃性ではな
く、燃焼時に亀裂なくしっかりと灰が残りやすいなると
いう耐火性を向上させる働きをしている。いわゆる難燃
剤の中でも、白金化合物または白金のみがこのような耐
火性能を向上させる作用を有しており、他の難燃剤で
は、耐火性能の向上に寄与しないばかりかむしろ高温加
熱中の絶縁抵抗を低下させる。
【0023】この白金化合物または白金の配合量はシリ
コーン重合体に対する白金含有量は0.1〜100pp
mが好ましい。0.1ppm未満では燃焼時に亀裂が発
生したり、脆くなったりして十分な耐火性能が発揮され
ない。また大量に配合しても耐火性能向上にはあまり寄
与しないばかりか、かえって高価な白金を使用すること
による電線のコスト上昇が著しくなってしまう。
【0024】本発明において、耐火層の混和物には微小
なシリカ粉末を混入させる。微少なシリカ粉末を混入さ
せたシリコーン重合体は高温に曝す前のゴム状状態にお
いてその機械的特性が向上することは公知であるが、本
発明においては白金化合物または白金と特定のガラス繊
維とを併せて用いているために、燃焼時に堅くしっかり
と灰を残すことができ、導体上から脱落させないように
することができる。シリカ粉末の配合量は、シリコーン
重合体100重量部に対して5〜150重量部である。
5重量部未満であると、燃焼時に耐火層が脆くなり、導
体から脱落するような事態が起こり得るため好ましくな
い。150重量部を越えると耐火層混和物が硬くなりす
ぎたり、まとまりが悪くなったりして、押出加工性に劣
る。このシリカ粉末の種類としては、粉末の製法から湿
式シリカ、乾式シリカ等が挙げられる。
【0025】また、本発明の耐火電線における耐火層に
は、さらにセラミックス粉末、ガラス粉末、天然マイカ
粉末、合成フッ素マイカ粉末、粘土鉱物粉を加えてもよ
い。なお、これらの、セラミックス粉末、粘土鉱物粉、
マイカ粉等は加えすぎると混和物の柔軟性が失われ、押
出加工性が悪くなるため、配合量は適宜選択するように
する。これらの粉末の配合できる量は、多くてもシリコ
ーン重合体100重量部に対して350重量部程度であ
る。そして、これらの混練できる量は、各粉末の種類、
大きさ、形状によっても異なり、また本発明において必
須に配合される、特定軟化温度、特定繊維長のガラス繊
維の配合量、種類によっても変わってくるので、適宜選
択する必要がある。なお、混練の手段としては、バンバ
リーミキサーやロールなど公知の混練手段が使用でき
る。
【0026】本発明における耐火層は、以上述べた組成
よりなる混和物を耐火層の厚みが0.2〜2mmとなる
ように導体上に押出被覆して形成される。耐火層の厚み
が0.2mmより小さいと、燃焼時に亀裂が入りやすく
なるほか、耐火層が薄すぎるため燃焼中の電気絶縁特性
が低く、耐火性能が不十分である。厚みが2mmを越え
ると電線の外径が太くなり、施工性が悪くなる。また、
高温中の絶縁抵抗が低下することがあり好ましくない。
【0027】また、本発明の耐火電線においては、上記
の構成の耐火層の上に絶縁層を設けてもよい。絶縁層と
しては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共
重合体等のオレフィン系樹脂、エチレンプロピレンゴ
ム、シリコーンゴム等のゴムあるいはそれらの架橋体を
主成分とするものなどが挙げられるが、電気特性の優れ
るものであれば、特に限定されるものではない。
【0028】本発明の耐火電線の導体としては、銅、ニ
ッケル、銀あるいはニッケルめっき銅、銀めっき銅、ス
テンレススチールクラッド銅、クロムめっき銅、ニッケ
ルクラッド銅等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0029】また、本発明の耐火電線においては、耐火
層の上または絶縁層の上に、ポリ塩化ビニル、難燃性ポ
リオレフィン等の樹脂組成物や紙テープ、難燃性発泡テ
ープ、ガラステープ等の有機材や無機材からなるテープ
によるシースを設ける。
【0030】また、導体と押出により設ける耐火層の間
にガラスマイカテープ、プラスチックマイカテープ等の
マイカテープによる第二の耐火層の役割を果たす被覆層
を設けてもよい。マイカテープによる第二の耐火層を設
けることにより、耐火性が向上する。この被覆層はマイ
カテープをラップ巻して設けてもよいし、縦添え包皮し
て設けてもよい。ラップ巻する場合は、従来の耐火電線
のように、何回も重ね巻してもよいが、本発明の耐火電
線では、混和物の押出からなる耐火層を設けてあるの
で、マイカテープの重ね巻数は少なくても耐火性の向上
は十分に得られる。
【0031】さらに、マイカテープを縦添え包皮する場
合は、それを重ねて包皮するのが難しかったが、本発明
では重ねて包皮しなくても十分な耐火性を有する。従っ
て、マイカテープによる第二の耐火層を設ける場合で
も、それを導体上に縦添え包皮し、その上にガラス繊維
を含む上記の耐火層を押出被覆することにより、効率的
かつ容易に耐火電線が製造できる。また、本発明の耐火
電線においてシースを設けた場合、このシースの下に、
断熱性、難燃性等を付与するために、難燃性紙テープ、
難燃発泡テープ、ガラステープ等のテープを巻回しても
よい。
【0032】以上詳細に説明したように、本発明の耐火
電線は、導体外周に、実質的に柔軟性を発現するシリコ
ーン重合体100重量部、平均繊維長0.3〜30m
m、繊維径0.1〜50μm、アルカリ金属含有量が酸
化物換算で0.5重量%未満で軟化温度900℃〜11
00℃の範囲にあるガラス繊維0.5〜60重量部、シ
リカ粉末5〜150重量部、および、白金化合物または
白金0.1〜100ppmを含む混和物を押出被覆して
0.2〜2mm厚の耐火層を設けた絶縁線心の上にシー
スを施してなるもので、高温に加熱される前の常温下で
柔軟性を有し可撓性を有するものであるが、高温に曝さ
れたり、炎に曝されたりして燃焼したときには、耐火層
中に特定のガラス繊維と白金化合物または白金とを含む
ことによりこの耐火層がしっかりと導体上に残るもので
ある。その結果、本発明の耐火電線は、燃焼中および燃
焼後も十分な絶縁性能を有し耐火性に優れるものであ
る。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。 (実施例1〜12、比較例1〜14)表1、表2に示す
各種組成を2本ロールを用いて混練して耐火層となる混
和物を得た。得られた混和物を外径1.4mmの銅導体
上に0.5mm厚に押出被覆して耐火層を形成し、さら
にこの上にポリエチレンを0.8mm厚に押出被覆して
絶縁層を形成して絶縁線心を得た。得られた絶縁線心を
2本撚り合わせ、その外周にポリ塩化ビニルからなるシ
ースを押出被覆して図3に示す構成の耐火電線を各種製
造した。 (実施例13)耐火層を0.8mm厚とし、絶縁層を形
成しない以外は、実施例1〜12、比較例1〜14と同
様の方法で、図2に示す構成の耐火電線を製造した。
【0034】実施例1〜13、比較例1〜14につい
て、耐火層の押出性、得られた耐火電線の耐火性能につ
いて以下のように評価を行った。 (押出性)上記混和物の押出性が良好で問題がなかった
ものについては○、押出性不良のものは×として、その
結果を表1、表2に示した。
【0035】(耐火性能)得られた実施例1〜13、比
較例1〜14の耐火電線について、電気加熱炉を用いて
850℃まで昇温し引き続き850℃にて30分間保持
するという加熱処理を行った。そして加熱処理中の絶縁
抵抗測定と、加熱処理後の耐火層の外観評価を行った。
加熱処理中の抵抗測定は、昇温中は50℃ごとに、85
0℃保持中は5分ごとに測定し、測定値が一つでも0.
4MΩ以下となったものを×、全て0.4MΩ以上であ
ったものを○、全て10MΩ以上であったものを◎とし
た。加熱処理後の電線の外観評価は、耐火層の脱落が生
じたもの、耐火層に大きな亀裂が生じたもの、あるい耐
火層の変形が著しく導体の露出を生じたものを×とし
た。そして、耐火層が導体を覆った状態で大きな亀裂な
くしっかりと残存したものを◎、小さな亀裂はあるもの
の、導体を覆った状態で残ったものを○とした。その結
果を表1、表2に示した。また、得られた耐火電線につ
いて、450℃まで昇温し引き続き450℃にて30分
間保持するという加熱処理を行った。この加熱処理後の
耐火電線について850℃加熱処理と同様の耐火層の外
観評価を行った。その結果を表1、表2に示した。
【0036】実施例において、各種混和物に使用した材
料を下記に示す。 シリコーンゴム1:東芝シリコーン社製TSE2502
U シリコーン重合体100重量部に対し、シリカ5〜60
重量部、白金5〜30ppm含有。白金化合物または白
金以外の難燃剤含有。 シリコーンゴム2:東レダウコーニングシリコーン社製
SE1607 シリコーン重合体100重量部に対しシリカ5〜60重
量部、白金5〜30ppm含有。白金化合物または白金
以外の難燃剤含有。 シリコーンゴム3:東芝シリコーン社製TSE2425
U シリコーン重合体100重量部に対し、シリカ5〜60
重量部含有。白金化合物または白金、その他の難燃剤含
有せず。 シリコーンゴム4:東レダウコーニングシリコーン社製
SH410 シリカおよび白金化合物または白金、その他の難燃剤含
有せず。 シリコーンゴム5:東芝シリコーン社製TSE201 シリカおよび白金化合物または白金、その他の難燃剤含
有せず。 ガラス繊維1:日東紡績社製CST、軟化温度975
℃、平均繊維長約13mm、繊維径10μm、アルカリ
金属含有量が酸化物換算で0.1重量%未満 ガラス繊維2:日東紡績社製CST、軟化温度975
℃、平均繊維長約6mm、繊維径10μm、アルカリ金
属含有量が酸化物換算で0.1重量%未満 ガラス繊維3:日東紡績社製CST、軟化温度975
℃、平均繊維長約0.6mm、繊維径10μm、アルカ
リ金属含有量が酸化物換算で0.1重量%未満 ガラス繊維4:日東紡績社製CST、軟化温度975
℃、平均繊維長約0.2mm、繊維径10μm、アルカ
リ金属含有量が酸化物換算で0.1重量%未満 ガラス繊維5:日東紡績社製CS、軟化温度840℃、
平均繊維長約13mm、繊維径10μm、アルカリ金属
含有量が酸化物換算で0.5〜1.0重量% セラミックス繊維1:三井鉱山マテリアル社製アルマッ
クス、アルミナ繊維、耐熱温度1300℃、平均繊維長
約13mm、繊維径10μm セラミックス繊維2:三井鉱山マテリアル社製アルマッ
クス、アルミナ繊維、耐熱温度1300℃、平均繊維長
約0.2mm、繊維径10μm ガラス粉 :日本琺瑯釉薬社製、軟化温度575℃ 合成マイカ粉:コープケミカル社製 MK100 白金ペースト:東芝シリコーン社製TC20 酸化亜鉛:難燃剤 水酸化アルミニウム:難燃剤 架橋剤:2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド系
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1、表2の結果から以下のことがわか
る。実施例1と比較例2、3、11〜13の比較から、
特定の平均繊維長、繊維径、アルカリ金属含有量、軟化
温度を有するガラス繊維を用いるとともにシリカ、およ
び白金化合物または白金が配合されている混和物を用い
ると、加熱後においても耐火層の脱落がなく、良好な電
気抵抗を保持することができる。それに対して、白金化
合物または白金を含有しないものは例え他の難燃剤が配
合されていても、加熱後の耐火層が脱落してしまうこと
がわかる。また、各実施例と比較例1との比較から、ガ
ラス繊維の軟化温度が900〜1100℃の範囲でも、
繊維長が規定以下の長さのものしか含有しない混和物を
用いたものは、加熱後の耐火層に亀裂が発生することが
わかる。また、比較例5、10から、軟化温度が900
℃以下のガラス繊維しか含有しないものは、850℃加
熱後の耐火層に亀裂が生じることがわかる。また、比較
例4、7のように、耐熱温度が非常に高いセラミックス
繊維を含有するものはセラミックス繊維が脆いため加熱
後の耐火層に亀裂が発生してしまう。また、比較例6の
ように、ガラス繊維の量が規定量より多すぎると、押出
性が悪く良好な被覆層が形成できないことがわかる。比
較例8のように、ガラス繊維を含まず、ガラス粉のみの
ものでは、加熱後の耐火層が導体上に保持されず、必要
な電気絶縁性が維持できないことがわかる。また、実施
例8と実施例9との比較より、白金化合物または白金以
外の難燃剤を含まないものは、加熱中の絶縁抵抗がより
高くなっていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の耐火電線は、導体上に、シリコ
ーン重合体、平均繊維長0.3〜30mm、繊維径0.
1〜50μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.
5重量%未満、軟化温度900℃〜1100℃であるガ
ラス繊維、白金化合物または白金、シリカ粉末を混練し
てなる混和物を押出被覆した耐火層が設けられているの
で柔軟性を有するとともに、十分な耐火性を有し、しか
も400〜500℃といった比較的低い温度に加熱され
たときでも、亀裂や脱落の起こらない耐火層を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火電線の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の耐火電線の別の一実施例を示す断面図
である。
【図3】本発明の耐火電線の一他の一実施例を示す断面
図である。
【図4】本発明の耐火電線の一実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 導体 2 耐火層 3 絶縁層 4 シース 5 マイカテープによる被覆層 6 絶縁線心 7 耐火電線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体外周に、直接若しくは他の層を介し
    て、 イ)実質的に柔軟性を発現するシリコーン重合体100
    重量部に対し、 ロ)平均繊維長0.3〜30mm、繊維径0.1〜50
    μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5重量%
    未満、軟化温度900℃〜1100℃であるガラス繊維
    を0.5〜60重量部、 ハ)シリカ粉末を5〜150重量部、 ニ)前記シリコーン重合体に対する白金含有量が0.1
    〜100ppmになる量の白金化合物または白金とを混
    練してなる混和物を0.2〜2mm厚に押出被覆した耐
    火層を有する絶縁線心の上に、または該絶縁線心が複数
    本合わされた上にシースが施されてなることを特徴とす
    る耐火電線。
  2. 【請求項2】 導体外周に、直接若しくは他の層を介し
    て、 イ)実質的に柔軟性を発現するシリコーン重合体100
    重量部に対し、 ロ)平均繊維長0.3〜30mm、繊維径0.1〜50
    μm、アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5重量%
    未満、軟化温度900℃〜1100℃であるガラス繊維
    を0.5〜60重量部、 ハ)シリカ粉末を5〜150重量部、 ニ)前記シリコーン重合体に対する白金含有量が0.1
    〜100ppmになる量の白金化合物または白金とを混
    練してなる混和物を0.2〜2mm厚に押出被覆した耐
    火層と、さらにこの耐火層の外側に設けた絶縁層とを有
    する絶縁線心の上に、または該絶縁線心が複数本合わさ
    れた上にシースが施されてなることを特徴とする耐火電
    線。
  3. 【請求項3】 前記導体と前記耐火層の間にマイカテー
    プの被覆層を設けたことを特徴とする請求項1または2
    に記載の耐熱電線。
  4. 【請求項4】 前記マイカテープが合成マイカを使用し
    たものであることを特徴とする請求項3記載の耐火電
    線。
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CN112185619A (zh) * 2020-10-28 2021-01-05 安徽派斯客网络科技有限公司 一种高压硅胶绝缘电线

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