JPH09274916A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池

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JPH09274916A
JPH09274916A JP8081273A JP8127396A JPH09274916A JP H09274916 A JPH09274916 A JP H09274916A JP 8081273 A JP8081273 A JP 8081273A JP 8127396 A JP8127396 A JP 8127396A JP H09274916 A JPH09274916 A JP H09274916A
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hydroxide
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nickel hydroxide
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秀二 淺野
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康孝 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【課題】 高容量で、ニッケル正極板における活物質の
利用率が高く、さらに高温下においても信頼性のある長
寿命なアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 多孔性金属基板の微孔内奥部に、粒径の
小さな水酸化ニッケルを必要とする活物質総量の一部と
して充填し、その上側および/または外側に粒径の大き
な水酸化ニッケルを必要とする活物質総量の過半量で充
填した。またニッケルを主体とした多孔性基板には少量
のコバルトを含有させるとともに、水酸化ニッケルから
なる活物質粒子間にコバルト水酸化物を存在させること
で極板内全体に導電性ネットワークを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−カドミウ
ム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池
に関し、さらに詳しくはこれらの電池に用いられるニッ
ケル正極板の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池用ニッケル正極板の製法
としては、従来より主にニッケル塩を微孔内に含浸した
ニッケルの焼結多孔性基板をアルカリ溶液中で陰電解す
る方法、あるいは陰電解せずにアルカリ溶液中でニッケ
ル塩を水酸化ニッケルに転換処理する化学含浸法、熱分
解法、電解析出法などが知られている。また多孔性基板
の微孔中に充填される活物質としては、活物質利用率が
高く、かつ高容量密度の正極板を得るために、粒径が大
きな水酸化ニッケルと小さなそれとの併用が採られ、粒
径が小さな水酸化ニッケルが必要活物質総量の過半量を
占めていた。
【0003】このようなニッケル正極板を用いたニッケ
ル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池を通常の
室温下で適宜の電流値によって充放電をくり返すサイク
ル用途で使用している間は、上記のような水酸化ニッケ
ルを充填した極板では何ら問題なくその機能を発揮して
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近では電池
用途の広がりや機器の小型化などが進み、例えば太陽電
池の起電力を貯える蓄電用のバックアップ電池や屋外に
設置された機器の駆動用電池等においては、単なる高容
量化だけでなく、高温下においても長期間にわたり支障
なく使用できる高信頼性、つまり長寿命化が要求される
ようになってきている。そこで高温下で、JIS C
8705の7,3,9に規定されている耐久特性試験を
行ってみたところ、ニッケル正極側では極板の微孔内奥
部まで電解液が十分には到達しなく内奥部では液枯れを
生じ、そのために反応抵抗が大きくなっていることがわ
かった。この反応抵抗が大きくなっていることにより、
正極側の分極が大きくなり、早期に容量低下に至って高
温下での高信頼性、長寿命化は十分でないことが判明し
た。
【0005】また、アルカリ蓄電池を電源に用いる機器
の小型化につれて、電源としてより小さく、高容量密度
の電池が要望されていた。そこで、ニッケル塩溶液を基
板に含浸させ、アルカリ溶液中でこれを水酸化ニッケル
に転換する化学含浸法によって得た水酸化ニッケルを主
成分とする2つの層の間にサンドイッチ構造的に水酸化
コバルトあるいはコバルト酸化物を主成分とする層を形
成することにより、活物質の利用率、電池としての放電
電位特性を向上させるという方法も提案されている(特
公平6−77452号公報)。
【0006】この提案されている水酸化ニッケルを主成
分とする2つの層の間にサンドイッチ構造的に水酸化コ
バルトあるいはコバルト酸化物を主成分とする層を形成
する方法では、2つの層を形成する水酸化ニッケルの製
造処方が化学含浸法であり、その製造上から基板の微孔
内への活物質充填量は制限されて高容量密度の極板が得
難く、また充填した活物質も粒径的に大きく、その活物
質利用率も電解析出法で得られる水酸化ニッケルと比較
して低いという問題点があり、長期間にわたって導電性
を確保し、放電容量を一定値以上に保つのは難しかっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のアルカリ蓄電池は、ニッケル粉末を金属芯材
に焼結させ、多数の微孔をもった金属基板の孔部の内奥
部に、小さな粒径の水酸化ニッケルを必要とする活物質
総量の一部として充填するとともに、この水酸化ニッケ
ルの上側および/または外側に大きな粒径の水酸化ニッ
ケルを必要とする活物質総量の過半量で充填したニッケ
ル正極板を用いたものである。
【0008】本発明はまた、コバルトを含有したニッケ
ル主体の焼結基板と、この基板の微孔内部に充填された
活物質をなす水酸化ニッケルとの関係を、微孔の内奥部
には必要とする活物質総量の一部としてニッケル塩溶液
中での電解析出によって得られる水酸化ニッケルが存在
し、その上側および/または外側にコバルト塩溶液の含
浸によって得られるコバルト水酸化物が存在し、このコ
バルト酸化物の上側および/または外側に必要とする活
物質総量の過半量としてニッケル塩溶液の含浸によって
得られる水酸化ニッケルを存在させた状態としたもので
ある。
【0009】より好ましくは、水酸化ニッケル層間に存
在するコバルト水酸化物をニッケル塩溶液中での電解析
出によって得られる水酸化ニッケル粒子の表面部分、お
よびニッケル塩溶液の含浸によって得られる水酸化ニッ
ケル粒子の表面部分に連続状態で存在させたものであ
る。
【0010】さらにまた、ニッケル塩溶液の含浸によっ
て得られる水酸化ニッケルには、少量のコバルト水酸化
物を混在させることが活物質粒子相互間、活物質粒子と
基板との間の電子伝導を高める上で好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の本発明は、多孔
性金属基板の微孔の内奥部に粒径の小さな水酸化ニッケ
ルを必要活物質総量の一部として充填し、その上側およ
び/または外側に必要とする活物質総量の過半量を占め
る粒径の大きな水酸化ニッケルを充填したものであるの
で、基板の微孔内に密着した粒径の小さい水酸化ニッケ
ルは量的、厚み的に少なく、それよりも粒径の大きな水
酸化ニッケルは、量的、厚み的にも多大であることか
ら、極板の表面に近い水酸化ニッケル粒子間に適度な空
隙が形成できて電解液が導入し易く極板内部への電解液
の移動、拡散が良好にできる。従って本来電解液量が少
なく極板内奥部の充填活物質までは長期間にわたって電
解液が到達しにくいという前記の課題を解決でき、高容
量密度で、活物質の利用率も高く、しかも高温下におい
ても信頼性のある長寿命な電池とすることができる。
【0012】また請求項5に記載の本発明は、パンチン
グメタルなどの金属芯材に塗着するニッケルペースト中
に少量の酸化コバルトなどを添加し、焼結処理してコバ
ルトを含有した焼結ニッケル基板を作成し、この基板の
微孔内部に、ニッケル塩溶液での電解析出と後処理によ
り得られる水酸化ニッケルを必要とする活物質総量の一
部として充填し、その上側および/または外側にコバル
ト塩溶液の含浸と後処理によって得られるコバルト水酸
化物を存在させ、さらにこの上側および/または外側に
必要とする活物質総量のうちの過半量の水酸化ニッケル
をニッケル塩の含浸と後処理により存在させたものであ
る。さらに好ましくはこの最上側の水酸化ニッケルをそ
れ単独でなく、例えば硝酸ニッケルと硝酸コバルトとの
混合溶液として基板に含浸させ、アルカリ溶液中での転
換で水酸化ニッケルとする際、少量のコバルト水酸化物
を混在させて充填するものである。
【0013】基板の微孔内に密着し粒径的に小さな、電
解析出法によって得られた水酸化ニッケルは量的、厚み
的に少なく、一方化学含浸法によって得られた水酸化ニ
ッケルは、電解析出法によるそれよりも粒径的に大き
く、量的、厚み的にも多大であることから極板内部への
電解液の移動、拡散が良好にできるとともに、基板中お
よび活物質である水酸化ニッケル粒子間に存在するコバ
ルト水酸化物が基板と活物質粒子との間及び活物質粒子
相互間に導電性ネットワークを形成して極板全体の導電
性を高める。従って電解析出法で得られる水酸化ニッケ
ルを一部の活物質として微孔内に充填することとあいま
って、その高い充填密度を利用して高容量密度で、活物
質量の利用率が高く、長寿命なニッケル正極板とするこ
とができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0015】(実施例1)多孔度約80%のニッケル焼
結基板を用い、この基板の微孔内奥部に平均粒径6μm
の小さな粒径の水酸化ニッケルを充填した。この水酸化
ニッケルは、電解析出法における電解液として、濃度
3.5モル/l,pH2.0の硝酸ニッケル水溶液を用
意し、その液温度を80℃としてこれに前記の基板を浸
漬し、これを陰極として電解析出を行って得た。なおこ
の電解析出法による硝酸ニッケルの充填量は、その後の
アルカリ水溶液による転換後の水酸化ニッケル換算で必
要とする活物質総量の約20重量%とした。この後、前
記水酸化ニッケル充填済みの基板の乾燥を行い、引き続
いて前記の水酸化ニッケルよりも大きな、平均粒径15
μmの水酸化ニッケルを充填した。この粒径の大きな水
酸化ニッケルの基板微孔内への充填は、液温度80℃の
濃度3.0モル/l,pH1.5の硝酸ニッケル水溶液
中に乾燥基板を浸漬した後に、濃度4.0モル/l、液
温度60℃のか性ソーダ水溶液中に浸漬し、硝酸ニッケ
ルを水酸化ニッケルに転換した後乾燥を行い、引き続い
て水洗処理を行った。さらにこのニッケル塩の含浸、ア
ルカリ浸漬、水洗の一連の工程を複数回くり返して必要
とする活物質総量の残りの約80重量%を充填した。こ
の活物質充填後の基板を35×150mmに裁断し、本
発明の実施例によるニッケル正極板を作製した。この正
極板を用いて、負極として芯材にペースト状カドミウム
を塗着して後処理を施した公知のカドミウム負極板およ
びポリプロピレンの不織布からなる帯状のセパレータと
組み合わせて、図1に示す公称容量700mAhのAサ
イズの密閉型ニッケル−カドミウム蓄電池Aを作製し
た。
【0016】図1中、1はニッケル正極板、2はカドミ
ウム負極板、3はセパレータを示し、これらは全体が渦
巻状に巻回されて電池ケース4内に収容されている。な
お電池ケース4は、正極端子5を兼ねその中央部の弁室
に安全弁6を備えた封口板7と、その周縁部に設けた絶
縁性のガスケット8とにより上部開口部が封口されてい
る。9は巻回された正極板の上部と封口板とを電気的に
接続するリードであり、負極板はケース4とリード(図
示せず)で接続されている。
【0017】比較例として、実施例と同様に電解析出法
により必要とする活物質総量の約80重量%相当の粒径
の小さな水酸化ニッケルを極板の微孔内奥部に充填した
後、硝酸ニッケルの水溶液中に浸漬し、残りの約20重
量%相当の粒径の大きな水酸化ニッケルを前記粒径の小
さな水酸化ニッケルの上側および/または外側に充填し
て作成した正極板を用い、これ以外は電池Aと同じとし
て同サイズの密閉型ニッケル−カドミウム蓄電池を作製
し、比較例による電池Bを得た。
【0018】電池A,Bのサイクルの耐久特性評価をJ
IS C 8705の7,3,9に則って行った。図2
に雰囲気温度50℃でのサイクル数と放電時間との関係
を示す。また、図3に耐久特性評価における200サイ
クル目の放電電圧カーブを示す。極板内奥部の微孔まで
電解液の拡散が良好な電池Aは特性が良好であるが、電
池Bにおいては正極板内奥部での液拡散が不十分なた
め、特性劣化が早いサイクルで起こっている。また、放
電電圧カーブからも電池Bは放電初期の電圧降下が大き
く、中間電圧も下がっている。これは、極板中での電解
液の拡散が不十分なために反応抵抗が大きくなり、反応
に消費される電力量が大きくなったためと考えられる。
【0019】(実施例2)次に、水酸化コバルトによる
極板の導電性改善の具体例を説明する。
【0020】まず炭酸ニッケル粉末と酸化コバルト粉末
を重量比で90:10の割合で混合し、これをメチルセ
ルロースのエチレングリコール溶液で十分練合しペース
ト状として、孔をあけたニッケルメッキ鋼板の両面に塗
着乾燥し、1000℃で焼結を行い、多孔度約80%の
ニッケル焼結基板を作製した。一方電解析出法における
電解液として、濃度3.5モル/l,pH2.0の硝酸
ニッケル水溶液を用意し、その液温度を80℃としてこ
の中に前記基板を浸漬し、これを陰極として電解析出を
行った。なお電解析出による硝酸ニッケルの充填量は、
その後のアルカリ水溶液への浸漬による転換後の水酸化
ニッケル換算で必要とする活物質総量の約30重量%と
した。この後、充填基板の乾燥を行い、引き続いてこの
基板を濃度3.0モル/l,pH1.5、液濃度80℃
の硝酸コバルト水溶液中に浸漬し、硝酸コバルトの含浸
を行った後に、乾燥を施し、濃度4.0モル/l、液温
度60℃のか性ソーダ水溶液中に浸漬して水酸化コバル
トに転換し、引き続いて水洗処理を行った。その後、濃
度3.0モル/lの硝酸ニッケルと、濃度0.05モル
/lの硝酸コバルトとの混合水溶液を用い、液温度を8
0℃としてこれに基板を浸漬した後に、乾燥を行い、濃
度4.0モル/l、液温度60℃のか性ソーダ水溶液中
に浸漬し、硝酸ニッケル、硝酸コバルトをそれぞれ水酸
化ニッケル、水酸化コバルトに転換した後に水洗処理を
行った。さらにこのニッケル塩およびコバルト塩の混合
液の化学含浸、アルカリ浸漬、水洗の一連の工程を複数
回くり返して必要とする活物質総量の約70重量%の水
酸化ニッケルを充填した。この活物質充填後の基板を3
5×150mmに裁断し、本発明の実施例によるニッケ
ル正極板を作製した。この正極板を用い、前記同様公知
のカドミウム負極板と、セパレータとを組み合わせて、
公称容量700mAhのAサイズの密閉型ニッケル−カ
ドミウム蓄電池Cを作製した。比較例として、上記実施
例と同様にコバルトを添加したニッケル焼結基板を用い
て、電解析出法により必要とする活物質総量の70重量
%相当の水酸化ニッケルの充填を行った後、硝酸ニッケ
ルと硝酸コバルトとの混合水溶液に浸漬し、残りの30
重量%相当の水酸化ニッケルを充填して作製した正極板
を用いて、前記実施例同様にAサイズの密閉型ニッケル
−カドミウム蓄電池を作製し、比較例の電池Dを得た。
【0021】また、コバルトを添加したニッケル焼結基
板に化学含浸法により水酸化ニッケルを必要とする活物
質総量の約60重量%充填した後、硝酸コバルトの含浸
と後処理を行い、残りの約40重量%の水酸化ニッケル
をやはり化学含浸法により充填して作製した正極板を用
いて前記同様に密閉型ニッケル−カドミウム蓄電池を構
成し、第2の比較例による電池Eを得た。
【0022】さらに炭酸ニッケル粉末のみをメチルセル
ロースのエチレングリコール溶液と混練してペースト状
にし、これを開孔したニッケルメッキ鋼板に塗着、乾
燥、焼結の一連の工程を行ってニッケル焼結基板を作製
した。この基板を用いて前記同様に電解析出法により必
要とする活物質総量の約70重量%相当の水酸化ニッケ
ルの充填を行った後、硝酸コバルトの含浸と後処理を行
い、残りの約30重量%の水酸化ニッケルを硝酸ニッケ
ルと硝酸コバルトとの混合水溶液に浸漬し、アルカリで
水酸化物に転換して充填した正極板を第3の比較例と
し、前記同様比較例による電池Fを得た。
【0023】これらC,D,E,Fの各電池の活物質充
填密度と20℃の一定温度で0.1Cで15時間充電
し、0.2Cで終止電圧1.0Vまで放電するサイクル
を1サイクルとしたモードで充放電して、2サイクル目
の放電容量による電池特性を評価した。その結果を(表
1)に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(表1)から明らかなように、コバルトを
ニッケル焼結基板中に添加し、コバルト水酸化物の層を
電解析出法で得られる水酸化ニッケルと化学含浸法で得
られる水酸化ニッケルとの間に形成させた電池Cは、水
酸化ニッケルの層間にコバルト酸化物の層がない比較例
の電池Dよりも活物質の利用率が高い。これは、水酸化
ニッケルの層に挟まれたコバルト水酸化物が、電解析出
法で得られる水酸化ニッケルと化学含浸で得られる水酸
化ニッケルのそれぞれの周りにコバルト酸イオンとして
拡散してゆき、充電時に導電性が良好なオキシ水酸化コ
バルトになって、活物質の利用率を高めていると考えら
れる。また、電池Cは、化学含浸法で得られる水酸化ニ
ッケルの層間、粒子間にコバルト水酸化物を形成させた
比較例電池Eよりも、高容量密度で、活物質利用率も高
い。これは、化学含浸法で得られる水酸化ニッケルと比
較して、電解析出法で得られる水酸化ニッケルはその接
触表面積が大きく、水酸化ニッケル粒子の表面部分にコ
バルト水酸化物を形成させる効果が大きくなるためと考
えられる。さらに電池Cは、ニッケル焼結基板中にコバ
ルトを含有していない比較例の電池Fよりも活物質利用
率が高い。これは、基板中にコバルトが存在することに
より、基板と電解析出法、化学含浸法でそれぞれ含浸を
行った活物質との間の導電性が向上しているためと考え
られる。この導電性は、水酸化ニッケルの層間のコバル
ト水酸化物と焼結基板中に添加したコバルトとにより水
酸化ニッケルが挟まれた、極板のほぼ全体にわたる導電
性ネットワークの形成という相乗効果によりさらに向上
し、活物質の利用率が高くなっていると考えられる。
【0026】また、電池C,D,E,FのJIS C
8705の7,3,9に規定されているサイクルの耐久
特性評価を行った。図4に雰囲気温度50℃でのサイク
ル数と1サイクル目の容量を100としたときの各サイ
クルの容量比率(標準容量比率)との関係を示す。極板
中における導電性が高い電池Cは長期間にわたって特性
が良好である。しかし、電池Dでは水酸化ニッケル粒子
相互間での導電性が不十分なために早いサイクルで特性
劣化が起こっている。また、電池Eにおいても水酸化コ
バルト層の存在により水酸化ニッケル粒子相互間にはあ
る程度の導電性は確保されているが、不十分であり、特
性劣化が起こっている。電池Fにおいては水酸化ニッケ
ル粒子相互間の導電性はかなり確保されているが、基板
と活物質である水酸化ニッケルとの間の導電性は良くな
く、さらなる長期にわたっての特性を維持するための導
電性という面では不十分である。なお、本実施例では化
学含浸の際、ニッケル塩水溶液とコバルト塩水溶液との
混合溶液を用いたが、ニッケル塩水溶液のみとしてもよ
い。またニッケル塩としては硝酸塩を用いたが、硫酸塩
を用いた場合においてもほぼ同様の効果が得られること
はいうまでもない。
【0027】以上のように、この実施例では多孔性金属
基板中にコバルトを含有させ、電解析出法で得られる水
酸化ニッケルを必要とする活物質総量の一部として充填
した後に、コバルト水酸化物層を形成させ、ついで必要
とする総量のうち過半量の水酸化ニッケルを化学含浸法
により硝酸ニッケル水溶液の含浸あるいは硝酸ニッケル
と硝酸コバルトとの混合溶液の含浸と後処理により充填
し、基板−基板中のコバルト−電解析出法による水酸化
ニッケル−化学含浸による水酸化コバルト−化学含浸に
よる水酸化ニッケル−化学含浸による水酸化コバルト−
化学含浸による水酸化ニッケルという、模式的にはサン
ドイッチ構造にし、極板全体の導電性を相乗効果的に向
上させたものである。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ニッケル
正極板における極板内奥部の活物質粒子への電解液の拡
散、供給を良好にして、電解液量の少ないアルカリ蓄電
池で発生し易い極板内奥部での電解液の液枯れ状態を解
消し、さらにこれに加えてコバルトの酸化物あるいは水
酸化物によって極板の基板と活物質粒子間および活物質
粒子相互間に導電性ネットワークを形成しているので、
高容量密度で、活物質の利用率が高く、しかも高温下に
おいても信頼性のある長寿命なアルカリ蓄電池を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電池の破断斜視図
【図2】同電池の充放電サイクル数と放電時間との関係
を示す図
【図3】同電池の充放電200サイクル目の放電電圧カ
ーブを示す図
【図4】別な実施例における電池の充放電サイクル数と
1サイクル目の容量を100としたときの各サイクルで
の標準容量比率との関係を示す図
【符号の説明】
1 ニッケル正極板 2 カドミウム負極板 3 セパレータ 4 電池ケース

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル正極板と、負極板と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とを備え、前記ニッケル正極板は、
    多孔性金属基板の孔部の内奥部に小さな粒径の水酸化ニ
    ッケルを必要とする活物質総量の一部として充填し、こ
    の水酸化ニッケルの上側および/または外側に前記水酸
    化ニッケルよりも大きな粒径の水酸化ニッケルを必要と
    する活物質総量の過半量で充填しているアルカリ蓄電
    池。
  2. 【請求項2】小さな粒径の水酸化ニッケルと大きな粒径
    の水酸化ニッケルとの間に水酸化コバルトが存在してい
    る請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】小さな粒径の水酸化ニッケルの粒子表面
    と、大きな粒径の水酸化ニッケルの粒子表面にそれぞれ
    水酸化コバルトが存在している請求項1記載のアルカリ
    蓄電池。
  4. 【請求項4】多孔性金属基板は、金属芯材に一体化され
    たニッケル粉末の焼結体からなる請求項1〜3のいずれ
    かに記載のアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】ニッケル正極板と、負極板と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とを備え、前記ニッケル正極板は、
    コバルトを含有したニッケル主体の焼結体よりなる多孔
    性金属基板と、この基板の微孔内部に充填された活物質
    をなす水酸化ニッケルとからなり、前記基板の微孔内奥
    部には必要とする活物質総量の一部としてニッケル塩溶
    液中での電解析出と後処理によって得られる水酸化ニッ
    ケルを充填し、その上側および/または外側にコバルト
    塩溶液の含浸と後処理によって得られるコバルト水酸化
    物を存在させ、このコバルト水酸化物の上側および/ま
    たは外側に必要とする活物質総量の過半量としてニッケ
    ル塩溶液の含浸と後処理によって得られる水酸化ニッケ
    ルを存在させているアルカリ蓄電池。
  6. 【請求項6】ニッケル正極板と、負極板と、セパレータ
    と、アルカリ電解液とを備え、前記ニッケル正極板は、
    コバルトを含有したニッケル主体の焼結体よりなる多孔
    性金属基板と、この基板の微孔内部に充填された活物質
    をなす水酸化ニッケルとからなり、前記基板の微孔内奥
    部には必要とする活物質量の一部としてニッケル塩溶液
    中での電解析出と後処理によって得られかつ粒子の表面
    部分に水酸化コバルトを存在させた水酸化ニッケルを充
    填し、その上側および/または外側に必要とする活物質
    総量の過半量としてニッケル塩溶液の含浸と後処理によ
    って得られかつ粒子の表面部分に水酸化コバルトを存在
    させた水酸化ニッケルを充填しているアルカリ蓄電池。
  7. 【請求項7】ニッケル塩溶液の含浸によって得られる水
    酸化ニッケルには、少量のコバルト水酸化物が混在して
    いる請求項5または6に記載のアルカリ蓄電池。
  8. 【請求項8】電解析出によって得られた水酸化ニッケル
    の充填量が必要とする活物質総量の約30重量%であ
    り、化学含浸によって得られた水酸化ニッケルの充填量
    が前記必要とする活物質総量の約70重量%である請求
    項5または6記載のアルカリ蓄電池。
  9. 【請求項9】多孔性金属基板に含浸させた塩溶液が、硝
    酸ニッケルと硝酸コバルトとの混合水溶液である請求項
    6記載のアルカリ蓄電池。
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