JPH09286803A - 中分子ヘパリン、アミノ酸誘導体および医薬組成物 - Google Patents

中分子ヘパリン、アミノ酸誘導体および医薬組成物

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JPH09286803A
JPH09286803A JP3015097A JP3015097A JPH09286803A JP H09286803 A JPH09286803 A JP H09286803A JP 3015097 A JP3015097 A JP 3015097A JP 3015097 A JP3015097 A JP 3015097A JP H09286803 A JPH09286803 A JP H09286803A
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heparinyl
heparin
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修一 田中
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一基 中村
Hironari Otani
裕也 大谷
Yukihiro Nishimura
幸容 西村
Chiaki Shimada
千明 島田
Seiichi Takeda
誠一 武田
Kenzo Kawai
健蔵 河合
Chizuko Kitagawa
知津子 北川
Masaaki Kuwabara
正明 桑原
Tomoyuki Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパ
リニル−アミノ酸または−アミノ酸低級アルキルエステ
ル、および中分子ヘパリンのアミノ酸誘導体を有効成分
とする医薬組成物を提供する。 【解決手段】 平均分子量8,500〜9,500を有す
る中分子ヘパリン、中分子ヘパリンから誘導される中分
子ヘパリニルアミノ酸誘導体および中分子ヘパリニルア
ミノ酸誘導体の1種を有効成分とするヘパリン活性医薬
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中分子ヘパリンの
アミノ酸誘導体に関する。より具体的には、中分子ヘパ
リニル−アミノ酸または−アミノ酸低級アルキルエステ
ルに関する。また、本発明は、中分子ヘパリンのアミノ
酸誘導体を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ヘパ
リンは、肝、小腸、肺、皮膚などに存在する複雑な構造
をもつヘテロ多糖であり、分子量4,000〜20,000の酸性
ムコ多糖である。すなわち、糖鎖はD−グルコサミン、
D−グルクロン酸を含んでおり、グルコサミンのアミノ
基は部分的に硫酸エステルになっている。強い血液抗凝
固活性を有しており、汎発性血管内血液凝固症候群(D
IC)の治療、種々の血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞
症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、術中・
術後の血栓塞栓症など)の治療および予防のほか、血液
透析・人工心肺などの体外循環装置使用時や血管カテー
テル挿入時または輸血および血液検査の際などにおける
血液凝固の防止に用いられている。
【0003】しかし、ヘパリンは抗Xa活性に基づく強
力な血液抗凝固作用を有することから、血液凝固時間の
延長に伴う出血傾向の憎悪という重篤な副作用がある。
また、脂質分解作用による高中性脂肪血症や遊離脂肪酸
増加、低HDL血症、あるいは長期連用による血小板減
少症の発症も知られている。
【0004】一方、血液体外循環時の灌流血液の凝固防
止やDICの治療には、メシル酸ガベキサートやメシル
酸ナファモスタットなどの蛋白分解酵素阻害剤も用いら
れているが、これらの薬剤は、代謝産物であるグアニジ
ン化合物によって消化器障害が発現する。さらに、分子
量が539ダルトンと小さく、ダイアライザーから透析除
去されるため、回路内凝血、特にダイアライザー後の静
脈側ドリップチャンバー内で凝血が発生する。
【0005】近年、ヘパリンの解重合により得られる分
子量約5,000ダルトン以下の低分子量分画である低分子
ヘパリン(ダルテパリンナトリウム)に、血液凝固第X因
子に対する阻害活性及び活性化部分トロンボプラスチン
時間に対する延長作用の比率の増大が確認され、出血傾
向が比較的少ない血液抗凝固剤として使用されつつあ
る。しかしながら、この低分子ヘパリン製剤によっても
前記の副作用を完全に改善するには至っておらず、ま
た、高用量での使用においてヘパリンよりも高い頻度で
骨多孔症が発生することが認められている。
【0006】また、ヘパリンとグリシンとの化合物であ
るヘパリニルグリシンが、出血傾向の少ない血液抗凝固
剤であることが報告されているが、このものは血液抗凝
固活性も低下してしまうという問題点があるため、実用
化されるには至っていない。
【0007】以上のように、上記のヘパリンをはじめと
する血液抗凝固剤は、出血傾向の増大という重篤な副作
用などが発現するおそれがあるものの、特に、血液透析
・人工心肺などの体外循環装置使用時の血液凝固防止に
は欠かせない薬剤であり、また、代替すべき適当な他の
薬物もないことから、ある程度の危険性を承知の上で、
使用せざるを得ないのが現状であった。
【0008】一方、ヘパリンは前述の血液抗凝固活性の
他に、リポ蛋白リパーゼ活性化作用、抗血小板凝集作
用、血圧低下作用、抗補体作用、癌転移抑制作用および
肥満細胞からの脱顆粒阻害作用などの多くの生理活性を
有することが知られている。しかしながら、血液抗凝固
活性に伴う出血傾向があまりに強いため、血液抗凝固目
的以外に用いることはできなかった。
【0009】本発明者らは、出血傾向などの副作用の少
ない血液抗凝固剤について検討した結果、ヘパリンを解
重合して平均分子量8,500〜9,500の中分子ヘパ
リンの画分を採取し、さらにこの中分子ヘパリンをアミ
ノ酸誘導体化した化合物がこの目的を達成することを見
出し、本発明を完成するに至った。また、本発明の中分
子ヘパリニルアミノ酸誘導体は、本来ヘパリンが有して
いる各種の生理活性を損なうことなく、出血傾向を軽減
することができるため、従来、重篤な副作用ゆえに適用
できなかった種々の疾病に対しても有効に使用すること
ができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は平
均分子量8,500〜9,500を有する中分子ヘパリン
である。
【0011】本発明の第2は上記の中分子ヘパリンから
誘導される中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体であり、よ
り具体的には、中分子ヘパリニルアミノ酸または中分子
ヘパリニルアミノ酸低級アルキルエステルである。
【0012】さらに、具体的には、中分子ヘパリニルア
ミノ酸誘導体が、 一般式:NH2CH(R1)COOR2 [式中、R1は、H;アミノ酸のα−アミノ基のNおよ
びα位のCと共にピロリジン環を形成するか;または、
OHで置換されていてもよいフェニル、OH、NH2
SH、SCH3、COOH、CONH2、グアニジノ(N
2C(=NH)NH−)、インドリルおよび1H−イミ
ダゾリルからなる群から選ばれる基で置換されていても
よい低級アルキルであり、R2は、Hまたは低級アルキ
ルである]で示される化合物である。
【0013】本発明のアミノ酸は、好ましくは天然のア
ミノ酸であるか、より好ましくは必須アミノ酸である。
【0014】本発明の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体
には抗凝血活性および腎メサンギウム細胞増殖抑制活
性、癌転移抑制活性、補体活性化抑制活性、肺水腫抑制
活性、腎疾患抑制活性、ラジカルスカベンジャー活性お
よび肥満細胞からの脱顆粒阻害作用を示すことが確認さ
れているところから、本発明の第3の態様は、中分子ヘ
パリニルアミノ酸誘導体を含むこれらの活性を有する医
薬組成物である。
【0015】本発明で用いる中分子ヘパリンは、解重合
ヘパリンの平均分子量8,500〜9,500の画分をい
う。最小分子量が4,500、最大分子量12,500で
あり、分子量5,000〜10,000が中分子ヘパリン
中70%以上のものをいう。
【0016】また、本発明で用いるアミノ酸は、合成
物、天然物を問わずアミノ基とカルボキシル基を有する
化合物であれば特に制限はないが、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
ン、チロシン、セリン、トレオニン、システイン、メチ
オニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン
酸、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、ト
リプトファン、プロリンなどのα−アミノ酸またはその
誘導体類が好適に用いられる。これらのアミノ酸はD
体、L体またはDL体のいずれでもよい。本発明の低級
アルキルとは飽和の直鎖または分枝状の、炭素原子1〜
6個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜4個を
含む炭化水素残基をいう。例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどが包含さ
れる。本発明の化合物には一般に生体内において遊離形
と実質的に同様の生理活性または薬理活性を発揮するも
の、例えば、本発明の化合物の誘導体および医薬的に許
容される塩、付加塩、水和物などは本発明の技術的範囲
に含まれるものである。
【0017】中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の製造 (1)中分子ヘパリンの調製 通常のヘパリンを酵素分解法、亜硝酸分解法、過酸化水
素分解法などの常法により解重合した後に、例えば、限
外濾過などの分画手段を用いて分画したもので、平均分
子量が8,500〜9,500の画分からなる。
【0018】例えば、ヘパリンを水に溶解し、陽イオン
交換樹脂を加えてpH3.30〜3.40とした後、濾過
する。濾液に過酸化水素水を加え、加圧加熱して解重合
する。加熱終了後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を
加えて、限外濾過を繰り返して分子量分画を行う。エタ
ノールによる再結晶を行い、中分子ヘパリンを得る。
【0019】(2)中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の
調製 前述の中分子ヘパリンを、例えば、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を
用いてカルボキシル基をエステル化した後、上記アミノ
酸のエステル体を加えて中分子ヘパリニルアミノ酸エス
テルとし、さらにアルカリ条件下で加水分解して中分子
ヘパリニルアミノ酸を得る。例えば、中分子ヘパリンを
水に溶解し、pH4.75に調整後、対応するアミノ酸
エステル塩酸塩(中分子ヘパリンに対するモル比、1:
100)を加える。
【0020】さらに、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(中分子ヘパリ
ンに対するモル比、1:50)の水溶液を徐々に加え、
約4時間攪拌反応させた後、水および臭化ヘキサデシル
トリメチルアンモニウム水溶液をアンモニウム塩の沈澱
物が生じなくなるまで加える。次いでこの沈澱物を分離
後、沈澱物にヨウ化ナトリウムのエタノール溶液を加え
る。攪拌後、濾過し、沈澱物をエタノールで再結晶し
て、白色粉末の中分子ヘパリニルアミノ酸エステルを得
る。
【0021】この中分子ヘパリニルアミノ酸エステルに
水酸化ナトリウム水溶液を加え、窒素気流下、0〜5℃
にて長時間攪拌する。反応液を酢酸でpH5に調整後、
濾過し、濾液にエタノールを加えて、白色粉末の中分子
ヘパリニルアミノ酸を得る。
【0022】こうして得られる中分子ヘパリニルアミノ
酸誘導体は、通常の方法により製剤化し、注射剤や経口
剤として投与することができる。例えば以下のような投
与法によって投与されるが、その投与量あるいは投与速
度は、通常本剤投与後、全血凝固時間または全血活性化
部分トロンボプラスチン時間を測定しつつ、年齢、症
例、適応領域あるいは目的によって決定される。
【0023】例えば、静脈内点滴投与法では、中分子ヘ
パリニルアミノ酸誘導体の5,000〜50,000ヘパ
リン単位に相当する量を5%ブドウ糖注射液、生理食塩
液またはリンゲル液1,000mlで希釈し、1分間に
20〜30滴前後の速度で静脈内に点滴投与する。ま
た、静脈内間歇注射法では、中分子ヘパリニルアミノ酸
誘導体の5,000〜50,000ヘパリン単位に相当す
る量を4〜8時間毎に静脈内に注射する。皮下注射・筋
肉内注射法では、1回5,000〜10,000ヘパリン
単位に相当する量の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体を
4時間毎に皮下注射または筋肉内注射する。
【0024】体外循環時(血液透析・人工心肺)におけ
る使用において、人工腎では各患者の適正使用量は透析
前のヘパリン感受性試験の結果に基づいて算出される
が、全身ヘパリン化法の場合、通常透析開始に先だっ
て、1,000〜3,000ヘパリン単位に相当する量の
中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体を投与し、透析開始後
は、1時間あたり500〜1,500ヘパリン単位に相
当する量を持続的に、または1時間毎に500〜1,5
00ヘパリン単位に相当する量を間歇的に追加する。局
所ヘパリン化法の場合は、1時間あたり1,500〜2,
500ヘパリン単位に相当する量を持続注入する。ま
た、人工心肺灌流時では、術式・方法によって異なる
が、150〜300ヘパリン単位/kgに相当する量を投
与し、更に体外循環時間の延長に応じて適宜追加投与す
る。
【0025】経口投与の場合は、500〜2,000ヘ
パリン単位/gに相当する量の中分子ヘパリニルアミノ
酸誘導体を1日1〜数回服用する。外用剤の場合は、1
00〜500ヘパリン単位/gに相当する量の中分子ヘ
パリニルアミノ酸誘導体の軟膏として用いられ、適量を
1日1〜数回塗擦またはガーゼなどに延ばして貼付す
る。
【0026】座剤の場合は、1,000〜4,000ヘパ
リン単位/gに相当する量の中分子ヘパリニルアミノ酸
誘導体を1日1〜2回肛門または膣に適用する。
【0027】薬理実験 I. in vitroにおけるAPTT測定 本発明の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体における出血
傾向の低減効果を調べるために、各化合物の活性化部分
トロンボプラスチン時間(APTT)に対する影響を測
定した。ヒト正常血漿(Coagulation Control Plasma
(Normal)Level 1:Pacific Hemostasis製)9容量
に、種々の濃度に調製したヘパリン、中分子ヘパリンお
よび中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体水溶液1容量を加
えて被験血漿とする。別にPBS(−)1容量をとり、
被験血漿と同様に操作し、対照血漿とする。被験血漿お
よび対照血漿につき、活性化部分トロンボプラスチン試
薬(APTTテストワコー:和光純薬工業製)および塩
化カルシウム溶液を添加後、血漿凝固時間自動測定器(A
melung-coagulometer)を用いて、各血漿のAPTTを測
定した。結果を表1に示す。ヒト正常血漿におけるAP
TT延長作用は、いずれの化合物においてもヘパリンに
比べて軽度であり、出血傾向が低下していることが明ら
かになった。
【0028】II.in vitro における抗Xa活性測定 本発明の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の血液抗凝固
活性を調べるために、各化合物の抗Xa活性を測定し、
ヘパリン、低分子ヘパリンおよび低分子ヘパリニルアミ
ノ酸誘導体と比較した。なお、低分子ヘパリンはヘパリ
ンを常法により解重合したもの、また、低分子ヘパリニ
ルアミノ酸誘導体は、この低分子ヘパリンを原料とし、
前述の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の調製法に準じ
て製した。ヒト正常血漿(Coagulation Control Plas
ma(Normal)Level 1:PacificHemostasis製)2容量
に、種々の濃度に調製したヘパリン、中分子ヘパリンお
よび中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体水溶液2容量を加
え、さらに緩衝液(50mMの2−アミノ−2−ヒドロキシル
−1,3−プロパンジオール、pH8.4)を6容量加えて被験
血漿とする。
【0029】被験血漿につき、Xa因子、基質液および
反応停止液を添加後、405nmにおける吸光度から残存す
るXa因子を測定した。結果を表1に示す。APTTお
よび抗Xa活性の結果から、血液抗凝固能の指標となる
抗Xa/APTT活性比を求めた。結果を表1に示す。ヘ
パリンを解重合して中分子画分を選別し、さらにアミノ
酸誘導体とすることにより、血液抗凝固活性を維持しつ
つ、重篤な出血傾向を軽減できることが明らかになっ
た。
【0030】
【表1】 中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸のAPTT、抗Xa活性 および抗Xa/APTT活性比 APTT 抗Xa活性 抗Xa/APTT比 化 合 物 用量 ヘハ゜リン比 IC50 1/ヘハ゜リン比 (μg/ml)* (μg/ml) ヘパリン 4.79 1.00 0.69 1.00 1.00 低分子ヘパリン 65.0 13.57 2.842
0.2442 3.31 低分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 2000.0 417.54
6000 0.0001 0.05 低分子ヘハ゜リニルアスハ゜ラキ゛ン酸 516.7 107.87 11138 0.0001 0.01 低分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 303.6 63.38 609.36 0.0011 0.07 低分子ヘハ゜リニルフ゛ロリン 650.0 135.70 106.24 0.0065 0.89低分子ヘハ゜リニルセリン 240.0 50.10 59.09 0.012 0.59 中分子ヘパリン 14.79 3.09 1.23 0.562 1.74 中分子ヘハ゜リニルク゛リシン 53.70 11.21 18.88 0.037 0.41 中分子ヘハ゜リニルアラニン 30.90 6.45 4.38 0.159 1.02 中分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 85.11 17.77 27.61 0.025 0.45 中分子ヘハ゜リニルアスハ゜ラキ゛ン酸 31.56 6.59 63.21 0.011 0.07 中分子ヘハ゜リニルヒスチシ゛ン 57.54 12.01 26.37 0.026 0.32 中分子ヘハ゜リニルロイシン 35.96 7.51 8.71 0.080 0.60 中分子ヘハ゜リニルメチオニン 35.48 7.41 24.61 0.028 0.21 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 40.27 8.41 30.98 0.022 0.19 中分子ヘハ゜リニルフ゜ロリン 28.18 5.88 1.91 0.363 2.14 中分子ヘハ゜リニルセリン 26.86 5.61 10.96 0.063 0.36中分子ヘハ゜リニルチロシン 38.90 8.12 8.34 0.083 0.68 * 凝固時間を100秒に延長した濃度
【0031】副作用の指標であるAPTTについては、
本発明の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体は、いずれ
も、血液凝固時間を100秒に延長した濃度は、ヘパリ
ンの6〜17倍であり、ヘパリンと比較して明らかな副
作用の低減が認められた。また、低分子ヘパリン(1
3.57)との比較においても同等若しくはそれ以上の
副作用の低減が確認された。従来、低分子ヘパリンの血
液抗凝固作用の指標として、抗Xa/APTT活性比が
用いられ、この比が高いほど出血傾向が弱く、かつ血液
抗凝固能が強いとされている(長沼信治ら、医学ジャー
ナル、第27巻、55頁、1991年)。通常のヘパリ
ンを1としたときの抗Xa/APTT活性比は、中分子
ヘパリニルプロリンが2.14と高活性を示した他、低
分子ヘパリニルアミノ酸に比べて同等若しくはそれ以上
の活性を示した。
【0032】III.中分子ヘパリニルアミノ酸の腎メサ
ンギウム細胞増殖抑制効果 近年、ヘパリンの薬理作用の一つとして、腎メサンギウ
ム細胞の増殖抑制効果が報告されていることから(Cas
tellot,J.J.et al.,アメリカン・ジャーナル・オブ・
パソロジー(Am.J.Pathol.),第120巻、427
頁、1985年)、ヘパリンの有するこの腎メサンギウ
ム細胞増殖抑制効果について、中分子ヘパリニルアミノ
酸のうち、中分子ヘパリニルフェニルアラニンを被験薬
物とし、ヘパリンを対照として検討した。
【0033】(1)糸球体および腎メサンギウム細胞の
培養 糸球体は種類の異なる篩を連続的に用いる方法(sievin
g method)により単離した。体重約150gのWistar
系雄性ラット(日本チャールス・リバー)をエーテルで
麻酔し、背部を剃毛した後、頸動脈を切断し、放血し
た。放血終了後、ラットをクリーンベンチ内に入れ、背
部側から腎臓を摘出し、PBS(−)(カルシウムおよ
びマグネシウムを含まないリン酸緩衝液)を満たしたシ
ャーレに保存した。腎臓の被膜を剥離し、腎皮質を細切
した。この細片を金属篩(篩サイズ355μm、125
μm、75μmの順)上に置き、スパーテルで押し潰しな
がら篩を通過させ、篩サイズ75μmの篩上に残った糸
球体を回収しPBS(−)に懸濁した。この懸濁液を1
000rpmで5分間遠心分離し、上澄を除去し、得られ
た糸球体を0.2%トリプシン液で37℃、20分間、
さらに0.1%コラゲナーゼ液で37℃、40分間イン
キュベーションした。その後、糸球体を洗浄し、20%
牛胎児血清(Biowhittaker製)および0.66U/mlの
インスリンを含有するRPMI 1640培養液(日水
製薬製)に懸濁し、5%炭酸ガス存在下、37℃で培養
した。培養7日目に培養液を交換し、それ以降は2〜3
回/週の頻度で培養液を交換した。培養21日目に糸球
体周囲に増殖した腎メサンギウム細胞を培養フラスコか
らトリプシン−EDTA溶液で剥離し、継代した。本実
施例では、第3〜10継代細胞を用いた。
【0034】(2)腎メサンギウム細胞増殖に対する中
分子ヘパリニルフェニルアラニンの効果 腎メサンギウム細胞を20%牛胎児血清添加培養液に加
え、24−ウェルのマイクロプレート(コーニング製)
を用い、細胞数5〜8×103cell/wellの条件で24
時間培養した。さらに、0.4%牛胎児血清添加培養液
に置換して3日間培養した後、10%牛胎児血清添加培
養液に置換し、被験薬物または対照薬物を添加した。4
日後に細胞をトリプシン−EDTA溶液で剥離し、Cou
lter Counter(日科機製)を用いて細胞数を測定し
た。なお、各薬物の添加量は全容量の1/10容量とし
た。下式に示す制御率により腎メサンギウム細胞増殖に
対する抑制効果を評価した。
【数1】
【0035】実験の結果、対照のヘパリンは1〜100
μg/mlの用量において、腎メサンギウム細胞増殖を用
量依存的に40.5〜83.5%抑制した。一方、中分子
ヘパリニルフェニルアラニン100μg/mlの抑制率
は、95.0%であり、腎メサンギウム細胞増殖抑制効
果が認められた。
【0036】IV.中分子ヘパリニルアミノ酸の癌転移抑
制効果 ヘパリンのグリシン誘導体であるヘパリニルグリシンに
癌転移抑制効果作用が報告されていることから(Villa
nueva,G.B.et al.,アナルズ・ニューヨーク・アカデ
ミー・オブ・サイエンシズ(Ann.N.Y.Acad.Sc
i.)、第556巻、496頁、1989年)、中分子ヘ
パリニルアミノ酸誘導体の癌転移抑制作用について、ヘ
パリンを対照とし、in vitroケモインベーションアッセ
イ法およびマウスの実験的腫瘍肺転移系を用いて検討し
た。
【0037】(1)癌細胞 Fidlerの方法(Fidler,I.J.,ネイチャー(Natur
e),第242巻、148頁、1973年)に準じて作成
した肺高転移性のB16マウスメラノーマ細胞(B16
−F7またはF10)を使用した。5%牛胎児血清含有
F12/DME(1:1)培養液中、5%炭酸ガス存在
下、37℃で培養した細胞を実験に供した。
【0038】(2)実験動物 生後7週齢の雄性C57BL/6NCrj系マウス(日本
チャールス・リバー)を使用した。
【0039】(3)癌転移抑制効果の検討 操作 ケモインベーション誘発因子の調製 Sub−confluentな状態にある3T3細胞を無血清F1
2/DME(1:1)培地中で37℃炭酸ガスインキュ
ベーター内で24時間培養後の培養上清を無血清F12
/DME(1:1)培地で2倍希釈したものをケモイン
ベーション誘発因子とした。
【0040】in vitroケモインベーション法 24穴プレートウェル内に上記で調製したケモインベー
ション誘発因子700μlを入れ、チャンバー内には0.
1%BSA含有F12/DME(1:1)培地中に懸濁
されたB16−F7細胞5×104個(200μl)を添
加した。中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体をチャンバー
内に500μg/mlとなるように加え、24穴プレート
に蓋をした後、炭酸ガスインキュベーター内で24時間
静置した。その後チャンバーを取り出し、チャンバー中
のメンブレン下面に浸潤したB16−F7細胞をギムザ
染色後、メンブレンを切り出し、スライドグラス上に封
入した。封入終了後、B16−F7細胞を顕微鏡下(×
200)で、Miller ocular discを用いて、0.202
5mm2あたりの浸潤細胞数をカウントした。
【0041】結果 結果を表2に示す。表から明らかなように、中分子ヘパ
リンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸は、メチオニンお
よびフェニルアラニン誘導体以外すべて浸潤癌細胞数を
減少させた。特に中分子ヘパリン、アスパラギン酸誘導
体、セリン誘導体およびアルギニン誘導体については、
ヘパリンを上回る浸潤癌細胞数抑制効果が確認された。
【0042】
【表2】 B16−F7細胞の浸潤阻害効果 化合物 浸潤細胞数(%)平均±SE(N) 無添加 100 ヘパリン 76±11(6) 中分子ヘパリン 65±11(6) 中分子ヘパリニルアスパラギン酸 61±16(6) 中分子ヘパリニルセリン 67±16(3) 中分子ヘパリニルアルギニン 72± 6(6) 中分子ヘパリニルヒスチジン 81±26(3) 中分子ヘパリニルチロシン 85±24(3) 中分子ヘパリニルプロリン 90±22(6) 中分子ヘパリニルロイシン 93±16(3) 中分子ヘパリニルグリシン 97± 5(3) 中分子ヘパリニルアラニン 97±17(3) 中分子ヘパリニルメチオニン 104± 8(3)中分子ヘパリニルフェニルアラニン 133± 7(3)
【0043】(4)中分子ヘパリニルアスパラギン酸お
よび中分子ヘパリニルセリンの癌転移抑制効果の検討 中分子ヘパリニルアスパラギン酸および中分子ヘパリニ
ルセリンにつき、さらに検討を加えた。B16−F10
癌細胞(1×105個/マウス)を対照薬物(10、3
0、100μg/マウス)または被験薬物(100、3
00、1000μg/マウス)と同時にマウス尾静脈内
に投与し、20日後に肺を摘出して、癌細胞生着による
肺結節数を測定した。同量の癌細胞と同容量の溶媒のみ
を投与する対照群および無処置正常群を設定し、比較し
た。一群の例数は6ないし7匹とした。また、同容量の
対照薬物または被験薬物をマウス尾静脈内に投与し、そ
の1時間後にネンブタール麻酔下腹部大動脈より採血
(3.8%クエン酸ナトリウム溶液:血液=1:9)
し、遠心分離後、血漿サンプルを得た。この血漿サンプ
ルに試薬を加え、アメルング−コアグロメーターKC1
0A(アメルング製)を用いてAPTTを測定した。な
お、対照として同容量(0.1ml)のPBS(−)(溶
媒)を投与した群を設けた。一群の例数は3または5匹
とした。
【0044】肺メラノーマ結節数の測定結果並びに当該
投与量におけるAPTT値を表3に示す。中分子ヘパリ
ニルアスパラギン酸および中分子ヘパリニルセリンは、
統計学的に有意(p<0.01)な結節形成抑制効果を
示した。APTT値より判断して、ヘパリンでは出血助
長の副作用のために癌転移抑制薬としての応用は不可能
であるのに対し、中分子ヘパリニルアミノ酸は出血傾向
が軽減されていることから、癌転移抑制薬としての臨床
応用が期待できる。
【0045】
【表3】 中分子ヘパリニルアミノ酸のAPTT値および肺メラノーマ結節数 増加抑制効果 化合物 APTT(秒) 肺メラノーマ結節数 (対照に対する減少率%) 平均±S.D. (N) 平均±S.D.(N) 無処置正常群 0±0 (6)** 対照 23.7±1.9 (3) 271±77 (7) 10μg/マウス 22.9±1.2 205±49 (7) [24] ヘパリン 30μg/マウス 180< 111±36 (7)** [59] 100μg/マウス 180< 49±20 (7)** [82] 中分子 100μg/マウス 24.3±2.3 (3) 164±62 (7) [39] ヘパリニル 300μg/マウス 27.9±0.7 (3) 170±20 (7) [37]アスパラギン 1000μg/マウス 32.4±2.4 (3) 118±30 (7)** [56] 中分子 100μg/マウス 21.9±1.2 (3) 202±98 (7) [25] ヘパリニル 300μg/マウス 29.2±0.9 (3) 158±81 (7) [42]セリン 1000μg/マウス 61.4±11.3 (5) 111±44 (7)** [59] ** 対照に対して危険率1%未満で有意差あり(チューキー法による)
【0046】V.中分子ヘパリニルアミノ酸の補体活性
化抑制効果 中分子ヘパリニルアミノ酸の抗補体作用について、clas
sical pathwayの活性化に基づく感作ヒツジ赤血球の溶
血反応を指標とし、メシル酸ナファモスタットを陽性対
照として検討した。なお、被験薬物はin vitro試験では
ゼラチンベロナール緩衝液(GVB)に、in vivo試験
では生理食塩液に溶解して使用した。
【0047】生後6週齢の雄性Hartley系モルモット
(日本チャールス・リバー)を購入し、12時間の明暗
サイクル(明期:7時〜19時)、温度23±2℃、湿
度50±5%の条件下で1週間の予備飼育後、実験に供
した。実験当日までの予備飼育の期間は、自由に摂食・
摂水させた。
【0048】(2)補体活性化抑制効果の検討 in vitroにおけるモルモット補体classical pathway
活性化による感作ヒツジ赤血球の溶血反応に対する作用
【0049】操作 5×108cells/mlの濃度になるように感作ヒツジ赤血
球(デンカ生検)をGVBに浮遊させる。この液200
μlにGVBで溶解、希釈した補体(乾燥補体、デンカ
生検)を加え、さらにGVBを加えて全量1.5mlとし
た。37℃の恒温槽中で1時間反応させた後に、300
0rpmで10分間遠心分離し、上清のヘモグロビン量の
測定波長542nmにおける吸光値を測定した(UVID
EC−77Σ)。同時に物理的溶血として補体の代わり
にGVBを加えたもの、及び100%溶血として補体及
びGVBの代わりに純水を加えた検体の吸光値を測定し
た。各被験薬物の作用検討は、補体の活性化による溶血
率が約50%となる条件下で行った。また、被験薬物の
添加量は、全容量の1/100容とした。
【0050】結果 ヘパリンは2〜50μg/mlの用量において9.6〜8
3.4%の溶血抑制作用を示し、そのIC50値は20.
1μg/mlであった。中分子ヘパリンも同様に、10〜
400μg/mlの用量において、10〜97.8%の溶血
抑制作用を示したが、そのIC50値は66.8μg/ml
とヘパリンの約3.3倍であり、作用の低下が認められ
た。しかしながら、中分子ヘパリンにフェニルアラニン
を導入した場合、IC50値は中分子ヘパリンの0.0
9倍の6.1μg/mlとなり、また、チロシンを導入した
場合には、IC50値は中分子ヘパリンの0.32倍の
21.4μg/mlとなり、中分子ヘパリンに比べて溶血抑
制作用は増強した(表4)。
【0051】in vivoにおけるモルモット補体classic
al pathway活性化による感作ヒツジ赤血球の溶血反応に
対する作用 操作 1010cells/mlの感作ヒツジ赤血球浮遊液1mlをモル
モット背中足静脈より静脈内投与し、その3分後に外頸
静脈より0.5mlの血液を採取した。直ちに、その血液
に0.01%のEDTA−Salineを4.5ml加え、20
00rpmで10分間遠心分離し、上清のヘモグロビン量
の測定波長542nmにおける吸光値を測定した。被験薬
物は感作ヒツジ赤血球投与の1分前に背中足静脈より静
脈内投与した。
【0052】
【表4】 in vitroにおける補体classical pathway活性化による感作ヒツジ赤血球溶血 に対する中分子ヘパリニルアミノ酸の抑制効果 補体活性化抑制作用 APTTを100秒に延長する濃度 IC50 (μg/ml) (μg/ml) アミノ酸 ヘハ゜リン ヘハ゜リン ヘハ゜リン ヘハ゜リン ヘハ゜リン ヘハ゜リン 中分子 低分子 中分子 低分子 なし 47.9 147.9 650.0 20.1 66.8 208.0 グリシン 104.7 537.0 − 35.2 157.6 − アスパラギン酸 144.5 315.6 − 25.9 79.2 −フェニルアラニン 239.9 402.7 3036.0 2.9 6.1 55.8 アラニン 128.8 309.0 − 45.8 150.9 − メチオニン 153.1 354.8 − 26.4 71.9 − アルギニン 245.5 851.1 − 56.1 166.4 − チロシン 323.6 389.0 − 9.2 21.4 − ヒスチジン 288.4 575.4 − 64.9 191.5 − プロリン 117.5 281.8 − 46.5 80.5 − セリン − 268.6 − − 119.4 −ロイシン − 359.6 − − 78.6 −
【0053】結果 陽性対照であるメシル酸ナファモスタットは、0.1〜
1.0mg/kgの静脈内投与によって8.5〜76.6%の
抑制作用を示した。中分子ヘパリニルフェニルアラニン
も3〜30mg/kgの静脈内投与によって23.8〜91.
1%の溶血抑制作用を示した。中分子ヘパリニルアミノ
酸は低分子ヘパリニルアミノ酸と比較すると明らかによ
り強力な溶血抑制効果および補体活性化抑制作用を示し
た。
【0054】VI.中分子ヘパリニルアミノ酸の肺水腫抑
制効果 中分子ヘパリニルアミノ酸のサソリ毒誘発肺水腫抑制効
果について検討した。 (1)実験動物 生後6週齢の雄性Wistar系ラット(日本チャールス・
リバー)を購入し、12時間の明暗サイクル(明期:7
時〜19時)、温度23±2℃、湿度50±5%および
換気オールフレッシュ15回/時間の条件下で1週間の
予備飼育後、実験に供した。
【0055】(2)肺水腫抑制効果の検討 操作 Lineu,F.M.およびIone,M.D.M.の方法(トキシコ
ン(Toxicon)、第31巻、1207頁、1993年)に
準じて操作した。すなわち、ラットにヘパリン、中分子
ヘパリンまたは中分子ヘパリニルアミノ酸あるいは同容
量のSalineを静脈内に投与し、30分後にサソリ毒
(Tityus serrulatus venom,シグマ製)を静脈内に投
与した。1時間後にラットを致死せしめ、瀉血後、肺を
摘出し、湿重量を測定した。肺の湿重量よりLBI(L
ung/Body Index:Lung weight(g)×100/B
ody weight(g))および炎光光度計(MF−303
型、日本分光工業製)により肺組織中Na+/K+比を求
め、各被験化合物の肺水腫抑制効果を算定した。一群の
例数は4〜14匹とし、群間の有意性は、Bartlett法
にて分散の均一性を確認した後、Duncan法により検定
した。
【0056】結果 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミ
ノ酸のサソリ毒誘発肺水腫に対する抑制効果を表5に示
した。その結果、ヘパリンにはサソリ毒誘発肺水腫抑制
効果は認められなかったが、中分子ヘパリンおよび中分
子ヘパリニルアミノ酸はいずれも対照群に比べてLBI
を減少させ、ヒスチジン、メチオニン、アルギニン、チ
ロシン誘導体では有意な肺水腫抑制効果が確認された。
また、フェニルアラニン、ヒスチジン、アルギニンおよ
びチロシン誘導体では、Na+/K+比の値においても改
善効果が認められた。
【0057】
【表5】 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸の サソリ毒誘発肺水腫に対する作用 化合物 LBI Na+/K+ (平均値±S.E.) (平均値±S.E.) 正常群 0.47±0.01** 0.81±0.02** 対照群 0.73±0.02 1.54±0.13 ヘパリン 0.81±0.02 1.87±0.26 中分子ヘパリン 0.69±0.05 1.77±0.18 中分子ヘパリニルアラニン 0.69±0.07 1.54±0.20 中分子ヘパリニルアスパラギン酸 0.72±0.01 1.70±0.03 中分子ヘパリニルフェニルアラニン 0.66±0.08 1.39±0.29 中分子ヘパリニルグリシン 0.70±0.05 1.61±0.18 中分子ヘパリニルヒスチジン 0.64±0.03* 1.36±0.15 中分子ヘパリニルロイシン 0.75±0.06 1.94±0.19 中分子ヘパリニルメチオニン 0.65±0.03* 1.59±0.13 中分子ヘパリニルプロリン 0.69±0.06 1.79±0.25 中分子ヘパリニルアルギニン 0.52±0.02** 1.00±0.07** 中分子ヘパリニルセリン 0.66±0.03 1.64±0.15中分子ヘパリニルチロシン 0.59±0.04** 1.18±0.11 投与量:5000μg/kg *および**:対照に対して危険率5%および1%未満でそれぞれ有意差あり
【0058】VII.中分子ヘパリニルアミノ酸の腎疾患
治療効果 微小変化型ネフローゼ症候群に近似した病態を生ずるこ
とが知られているピューロマイシンアミノヌクレオシド
(PAN)腎疾患モデルを用い、被験薬物に中分子ヘパ
リニルフェニルアラニンを選択し、中分子ヘパリニルア
ミノ酸誘導体の腎疾患治療効果について検討した。
【0059】(1)実験動物 生後6週齢の雄性Crj:CD系ラット(日本チャール
ス・リバー)を使用した。
【0060】(2)腎疾患抑制効果の検討 ラットをエーテルで麻酔し、先端にシリコンチューブ
(内径0.7mm、外径1.3mm、イマムラ製)を付けたア
ルザ浸透圧ポンプ(モデル2002、アルザ製)を頸部
皮下に埋め込んだ。シリコンチューブは右頸静脈内に挿
入固定した。ラットが覚醒した後、100mg/kgのPA
Nを腹腔内に単回投与して腎疾患を惹起した。腎疾患惹
起後1、4、7、10および14日目にラットを代謝ケ
ージ内に収容して採尿し、尿量および尿中蛋白濃度(マ
イクロTP−テストワコー、和光純薬工業製)を測定
し、尿中蛋白排泄量/日を算出した。中分子ヘパリニル
フェニルアラニンの投与量は0.3、1および3mg/kg/d
ayとし、投与期間は2週間とした。各群の動物数は6例
とした。結果を表6に示す。その結果、中分子ヘパリニ
ルフェニルアラニン、3mg/kg/day投与群において、4
日目以降に有意な尿中蛋白排泄抑制効果が認められた。
これは文献によるヘパリンの尿中蛋白排泄抑制効果を大
幅に凌駕するものであった。
【0061】
【表6】中分子ヘパリニルフェニルアラニンの尿中蛋白排泄抑制効果(抑制率(%)) 1日 4日 7日 10日 14日 ヘハ゜リン 3.45mg/kg/day 44.71) 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 0.3mg/kg/day -25.0 52.8 8.3 11.5 37.1 1mg/kg/day 25.0 67.1 30.1 -5.4 43.7 3mg/kg/day 33.3 93.7** 65.6* 63.7* 61.2 1)Diamond,J.R., Karnovsky,M.J., リーナル・フィジオロジー(Renal Physio l.)、第9巻、366頁(1986年) *および**:対照に対して5%および1%未満の危険率で有意差あり(ダンカ ン法)
【0062】VIII.中分子ヘパリニルアミノ酸のラジカ
ルスカベンジャー効果 ヘパリンは、ラジカルスカベンジャーとしての作用を有
することが報告されている(Hiebert,L.M.、Liu,Ji-mi
n、アテロスクレローシス(Atherosclerosis)、第83
巻、47頁、1990年)そこで、キサンチン(X)お
よびキサンチンオキシダーゼ(XO)を用い、これらの
化合物から発生したフリーラジカルによる培養細胞の傷
害に対するラジカルスカベンジャーとしての中分子ヘパ
リニルアミノ酸誘導体の傷害抑制効果を検討した。
【0063】(1)培養細胞 培養細胞にはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUV−EC:大
日本製薬製)を使用し、20%ウシ胎児血清、ウシ脳抽
出液、Epidermal Growth Factor(EGF)、ハイドロ
コーチゾン、ゲンタマイシンおよびアンフォテリシンを
含むヘパリンフリーの血管内皮細胞培養用添加因子セッ
ト(EGM−MV添加因子セット:三光純薬製)を含有
するM−199培地(大日本製薬製)を用いて培養し
た。
【0064】(2)HUV−ECがフリーラジカルによ
って受ける傷害に対する中分子ヘパリニルフェニルアラ
ニン、中分子ヘパリニルチロシンおよび中分子ヘパリニ
ルロイシンの効果 フラスコ内でサブコンフルエントな状態のHUV−EC
を0.25%トリプシン:0.25%EDTA=1:1の
混合溶液で処理後、回収し、6穴プレートに1.5×1
5cells/wellの細胞密度で分注した後、1%ウシ胎児
血清のみを含有するM−199培地を用いて24時間培
養した。その後にX(0.01μM/ml)およびXO
(0.2U/ml)(ともに和光純薬工業製)を培地中に
24時間作用させることによりフリーラジカルを発生さ
せた。X及びXO作用24時間後にプレート中のHUV
−ECを再び前記のトリプシン:EDTA=1:1混合
溶液で処理した後、回収した。回収された細胞浮遊液に
同量の0.2%トリパンブルー溶液を加え、この混液中
の細胞質・核全体が青染された細胞(死細胞)と非染色
細胞(生細胞)を区別し、血球計算盤を用いてそれぞれ
の細胞数を計測し、セルバイアビリティー(生細胞数/
全細胞数)を求めた。なお、ヘパリンおよび中分子ヘパ
リニルアミノ酸誘導体はPBS(−)に溶解した後、5
0μg/mlの用量でXおよびXOを作用させると同時に
培地中に添加した。また、XおよびXOを作用させない
正常群並びにヘパリンあるいは中分子ヘパリニルアミノ
酸誘導体の溶媒のみを添加した対照群も設けた。
【0065】実験の結果を表7に示す。XとXOによる
傷害により、対照群においては著しいセルバイアビリテ
ィーの低下がみられたが、中分子ヘパリニルフェニルア
ラニン、中分子ヘパリニルチロシンあるいは中分子ヘパ
リニルロイシンを添加することにより、統計学的に有意
にセルバイアビリティーの低下を抑制することができ
た。また、この抑制効果はヘパリンを上回るものであっ
た。
【0066】
【表7】 キサンチンおよびキサンチンオキシダーゼ誘発細胞傷害に対する 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の傷害抑制効果 セルバイアビリティー(%) 化 合 物 平均値±標準誤差(例数) 正常 100.0±0.0 (3)** 対照 51.6±3.3 (3) ヘパリン 84.2±9.6 (3) 中分子ヘパリニルフェニルアラニン 94.8±5.4 (3)* 中分子ヘパリニルチロシン 93.1±6.3 (3)*中分子ヘパリニルロイシン 92.6±8.2 (3)* * 対照に対して危険率5%未満にて有意差あり ** 対照に対して危険率1%未満にて有意差あり(チューキー法による)
【0067】XI.中分子ヘパリニルアミノ酸のアレルギ
ー抑制効果 近年、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹など
のアレルギー性疾患が増加する傾向にあるが、これらの
疾患は肥満細胞からの脱顆粒を主たる発症原因のひとつ
とする。一方、ヘパリンには肥満細胞からの脱顆粒を阻
害する作用のあることが知られている。(T.Ahmed et.a
l.、アメリカン・レビュー・オブ・レスピレイトリー・
ディシーズ(Am. Rev. Respir. Dis.)、第145巻、
566頁、1992年)。そこで、本発明の中分子ヘパ
リニルアミノ酸誘導体のアレルギー抑制効果について、
ラット48時間の同種受動的皮膚アナフィラキシー(P
CA)反応に対する作用を指標とし、検討した。
【0068】(1)実験動物 生後8週齢の雄性Wistar系ラット(日本チャールス・リ
バー)および5週齢の雌性Wistar系ラット(日本チャー
ルス・リバー)を12時間の明暗サイクル(明期:7時
〜19時)、室温23±2℃、湿度50±5%および換
気オールフレッシュ15回/時間の条件下で1週間の予
備飼育をした後、実験に供した。
【0069】(2)中分子ヘパリニルフェニルアラニン
のラット48時間同種PCA反応に対する作用 操作 Stotlandらの方法(カナディアン・ジャーナル・オブ・
フィジオロジー・アンド・ファーマコロジー(Can. J.
Physiol. Pharmacol.)、第52巻、1119頁、19
74年)に準拠して抗ovalbumin(OVA)ラット血清
を調製した。すなわち、雌性ラットの脾臓を摘出して4
日後に、OVA(生化学工業製)2.0mg/mlを含む生
理食塩液と2%水酸化アルミニウムゲル(和光純薬工業
製)の等量混合液1.0mlを四肢の皮下に4分割して投
与し、さらに百日咳死菌体(和光純薬工業製)2×10
10cell/1.0mlを腹腔内に投与することにより感作し
ておく。投与5日後にOVA2.0mg/mlを含む生理食
塩液と2%水酸化アルミニウムゲルの等量混合液をさら
に1.0ml投与し、追加感作した。最終感作から2週間
後に麻酔下にて腹部大動脈より採血し、血液を遠心分離
し、抗OVAラット血清を採取した。このもののラット
48時間PCA抗体価は128であった。
【0070】このようにして得られた抗OVAラット血
清を生理食塩液で抗体価が16となるように希釈し、そ
の100μl/siteを雄性ラットの剃毛した背部皮内の
6箇所に投与して受動感作させた。感作48時間後に体
重1kgあたり0.3、3.0および30.0mgの中分子ヘ
パリニルフェニルアラニンを10ml/kgの液量となるよ
うに尾静脈内に投与した。対照には同容量の生理食塩液
を用いた。投与5分後に1mgのOVAを含有するエバン
スブルー生理食塩液溶液1mlを尾静脈内に投与した。こ
のOVAはPCA反応を誘発し、その強度はエバンスブ
ルー(色素)が感作部位の周囲の組織へ拡散する程度に
比例する。OVA含有エバンスブルー生理食塩液溶液を
投与して30分後に断頭放血致死させ、Katayamaらの方
法(マイクロバイオロジー・アンド・イムノロジー(Mi
crobiol.Immunol.)、第22巻、89頁、1978年)
により、ラット背部皮膚の感作部位の組織内色素漏出量
(μg/site)ならびに色素漏出部位面積(mm2)を測定
した。なお、一群の例数は4〜5匹とした。また、群間
の有意性は、Bartlett法にて分散の均一性を確認した
後、Spjotvoll & Stoline法(補正チューキー法)を用
いて検定することにより確認した。
【0071】結果 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体のラット48時間PC
A反応に対する抑制効果を表8に示す。
【表8】 中分子ヘパリニルフェニルアラニンのラット48時間PCA反応に 対する抑制効果 用量 組織内色素漏出量 色素漏出部位面積 (mg/kg) (μg/site) (mm2) (平均値±標準誤差) (平均値±標準誤差) 生理食塩水(対照) 40.02±4.46 130.50±11.39 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 0.3 31.80±2.89 191.14±79.08 3.0 29.40±4.13 90.84±10.10 30.0 13.08±0.43** 82.02±3.74 **:対照に対して危険率1%未満で有意差あり(Spjotvoll & Stoline法)
【0072】中分子ヘパリニルフェニルアラニン投与群
において、組織内色素漏出量ならびに色素漏出部位面積
を用量依存的に抑制する傾向が認められ、特に30.0m
g/kg投与群においては組織内色素漏出量を生理食塩液
(対照)投与群と比べて約30%と有意(P<0.0
1)に減少させ、アレルギー反応の抑制効果が顕著であ
った。アレルギー性疾患に用いる薬剤には、症状の改善
もさることながら、発症を未然に防止する効果を併せ持
つことが要求される。本発明の中分子ヘパリニルアミノ
酸誘導体は、上記の結果より、アレルギー性疾患の予防
剤や治療剤として用い得る。
【0073】実施例 実施例1 中分子ヘパリンの調製 ヘパリン(サイエンティフィック・プロテイン・ラボラ
トリーズ製)3gを水に溶かして52.5mlとしたもの
に、陽イオン交換樹脂(Dowex HCR-W2 20-50mesh)を加え
てpH3.30〜3.40とした後、濾過する。濾液に3
0%過酸化水素水(三菱瓦斯化学製)3.5mlを加え、
オートクレーブ中、123℃、1.4kgf/cm2、1
0分間の条件で加圧加熱して解重合する。加熱終了後、
反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH6.8と
し、限外濾過(ウルトラフリーCL:ミリポア製、ウル
トラセント-10:東ソー製、モルカットII:ミリポア
製、モルカットL:ミリポア製)を繰り返して分子量分
画を行った。エタノールによる再結晶で、白色粉末の中
分子ヘパリン(2.1g、収率70.10%)を得た。
【0074】実施例2 中分子ヘパリニルアミノ酸(アラニン、アルギニン、ア
スパラギン酸、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、メチ
オニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、チロシ
ン)の調製 中分子ヘパリン0.64gに水を加えて15mlとし、
pH4.75に調整後、対応するアミノ酸エステル塩酸
塩(中分子ヘパリン1Mに対して、100M)を加える
(L−アラニンメチルエステル塩酸塩:シグマ製、L−
アルギニンメチルエステル二塩酸塩:シグマ製、L−ア
スパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩:シグマ製、L−
グリシンメチルエステル塩酸塩:半井テスク製、L−ヒ
スチジンメチルエステル二塩酸塩:半井テスク製、L−
ロイシンメチルエステル塩酸塩:東京化成製、L−メチ
オニンメチルエステル塩酸塩:シグマ製、L−フェニル
アラニンメチルエステル塩酸塩:アルドリッチ製、L−
プロリンメチルエステル塩酸塩:東京化成製、L−セリ
ンメチルエステル塩酸塩:半井テスク製、L−チロシン
メチルエステル塩酸塩:和光純薬工業製)。
【0075】さらに、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(半井テスク製)
0.98gの水溶液5mlを徐々に加え、4時間攪拌し
た後、少量の水および臭化ヘキサデシルトリメチルアン
モニウム(半井テスク製)の5%水溶液をアンモニウム塩
の沈澱物が生じなくなるまで加える。次いでこの沈澱物
を遠心分離により完全に分離後、沈澱物にヨウ化ナトリ
ウム(半井テスク製)の5%エタノール溶液50mlを加
える。1時間攪拌後、濾過し、沈澱物をエタノールで再
結晶して、白色粉末の中分子ヘパリニルアミノ酸エステ
ルを得る。この中分子ヘパリニルアミノ酸エステルに
0.1N水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、窒素
気流下、0〜5℃で2日間攪拌する。反応液を酢酸でp
H5に調整後、濾過し、濾液にエタノールを加えて、白
色粉末の中分子ヘパリニルアミノ酸を得た。各収率を表
9に示す。
【0076】
【表9】 中分子ヘパリニルアミノ酸の収率(中分子ヘパリンを原料とした収率) アミノ酸 収率(%) アミノ酸 収率(%) グリシン 44.1 メチオニン 63.2 アラニン 39.4 フェニルアラニン 68.6 アルギニン 36.6 プロリン 38.3 アスパラギン酸 70.1 セリン 60.3 ヒスチジン 65.0 チロシン 57.5 ロイシン 49.7
【0077】中分子ヘパリニルアミノ酸の機器分析 (1)HPLC分析による分子量の測定 ヘパリン、中分子ヘパリン、および中分子ヘパリンの各
アミノ酸誘導体を0.1M硫酸ナトリウム水溶液で5m
g/mlに調整し、試料溶液とする。一方、ポリエチレ
ングリコール(分子量10,000:アルドリッチ製、
分子量8,500および平均分子量3,000:東京化成
製、平均分子量1,450:関東化学製)を標準物質と
し、試料溶液と同様に調整し、標準溶液とする。試料溶
液および標準溶液につき、以下の測定機器および操作条
件でHPLC分析を行い、検量線法により、ヘパリン、
中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸の分子
量を測定した。結果を表10に示す。 使用機器 送液ポンプ:LC−10AD(島津製作所製) 示差屈折計:RI−8020(東ソー製) オ―トサンプラ―:KMT−60A−11(協和精密製) デ―タ処理装置:C−R3A(島津製作所製) カラム:TSK−Gel G3000PWXL(7.8mm×30cm:東ソー製) を2本連結して使用 操作条件 流速:1.0ml/分 圧力:43kg/cm2 感度:RI 512×10-6 RIVFS カラム温度:40℃ 検出感度:8〜10 注入量:200μl
【0078】
【表10】 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸の分子量化 合 物 最大分子量 最小分子量 平均分子量 ヘパリン 18,000 7,000 13,000-14,000 中分子ヘハ゜リン 12,500 4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルク゛リシン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルアラニン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルアスハ゜ラキ゛ン酸 12,500-13,500 3,500-4,500 9,000-10,000 中分子ヘハ゜リニルヒスチシ゛ン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルロイシン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルメチオニン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルフ゜ロリン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500 中分子ヘハ゜リニルセリン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500中分子ヘハ゜リニルチロシン 12,500-13,500 3,500-4,500 8,500-9,500
【0079】(2)赤外吸収スペクトルの測定 中分子ヘパリン、および中分子ヘパリンの各アミノ酸誘
導体をそれぞれ約3mg秤量し、約100mgの臭化カ
リウムと混ぜ合わせ、ハンディープレスでペレットを作
成した。このものにつき、臭化カリウム錠剤法により、
以下の測定機器および操作条件で赤外吸収スペクトルを
測定した。結果を表11に示す。 使用機器 フーリエ変換赤外分光計:FT−200(堀場製作所製) 操作条件 スキャン回数:50回 測定分解能:4cm-1 ゲイン:AUTO 測定範囲:4,000〜400cm-1 装置関数:ハップガンツェル(H−G) スペクトル:%T 走査速度:5mm/秒
【0080】
【表11】 中分子ヘパリニルアミノ酸の赤外吸収スペクトル 化 合 物 波 数(cm-1 中分子ヘハ゜リン 3,316-3,645(OH,COOH),1,727(COO),1,622(CO) 中分子ヘハ゜リニルク゛リシン 3,273-3,623(OH,COOH),1,727(COO),1,668(CO),1,550(NH) 中分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 3,200-3,600(OH,COOH),1,739(COO),1,667(CO),1,541(NH) 中分子ヘハ゜リニル 3,300-3,600(OH,COOH),1,739(COO),1,676(CO),1,543(NH) アスハ゜ラキ゛ン酸 中分子ヘハ゜リニル 3,150-3,600(OH,COOH),1,730(COO),1,667(CO),1,541(NH) フェニルアラニン 中分子ヘハ゜リニルフ゜ロリン 3,140-3,630(OH,COOH),1,748(COO),1,657(CO),1,531(NH)中分子ヘハ゜リニルセリン 3,280-3,610(OH,COOH),1,729(COO),1,667(CO),1,531(NH)
【0081】(3)アミノ酸分析 中分子ヘパリン、および中分子ヘパリンの各アミノ酸誘
導体約100μgを試料用試験管に秤量し、この試験管
を反応バイアル瓶に入れ減圧乾燥した。次に反応バイア
ル瓶の底に加水分解用6N塩酸(1%フェノール含有)
100μlを入れ、減圧下、反応バイアル瓶内の空気を
窒素で置換した後、105℃で24時間加熱し、加水分
解した。冷却後、試料用試験管を取り出し、0.02N
塩酸100μlを加えてよく混合し、フィルターで濾過
し、濾液を試料溶液とした。試料溶液と加水分解前の原
料を用いて、以下の測定機器および操作条件でアミノ酸
の含有量を測定した。その結果すべての中分子ヘパリニ
ルアミノ酸において、中分子ヘパリンに対するカルボン
酸の約90%以上の比率でアミノ酸に置換していた。 使用機器 アミノ酸自動分析計:L−8500(日立製作所製) 操作条件 溶離液:クエン酸緩衝液(pH3.5、4.0、5.5) 流速:溶離液 0.15ml/分 ニンヒドリン溶液 0.2ml/分 カラム:イオン交換樹脂 (日立カスタムイオン#2620、4.6mm×80mm) カラム温度:50〜65℃ 注入量:標準溶液 10μl 試料溶液 30μl
【0082】(4)1Hおよび13C−NMRスペクトル
の測定 中分子ヘパリン、および中分子ヘパリンの各アミノ酸誘
導体をD2Oに溶解し、1Hおよび13C−NMRスペクト
ルを測定した(XL−300:バリアン製、300MH
z、75.4MHz)。結果を図1〜図12に示す。
【0083】(5)元素分析 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリンの各ア
ミノ酸誘導体につき、CHN CORDER(柳本製)
を用い、燃焼法により測定した。結果を表12に示す。
【表12】 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸の元素分析 化 合 物 炭素(%) 水素(%) 窒素(%) 酸素・イオウ(%) ヘパリン 22.25 3.82 2.11 71.83 中分子ヘハ゜リン 22.23 3.95 2.04 71.79 中分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 26.73 4.79 7.70 60.79 中分子ヘハ゜リニルアスハ゜ラキ゛ン酸 26.53 4.71 4.00 64.77 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 30.33 4.63 3.63 61.42 中分子ヘハ゜リニルフ゜ロリン 30.33 4.63 3.63 61.42中分子ヘハ゜リニルセリン 25.03 4.41 3.60 66.97
【0084】(6)ウロン酸の定量 カルバゾール硫酸法(Bitter-Muirの改良法:アナリティ
カル・バイオケミストリー(Anal. Biochem.)、第4巻、
330頁、1962年)により、ウロン酸含量を測定し
た。ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリンの
各アミノ酸誘導体の水溶液0.5mlを試験管にとり、
氷水で冷却しながら3.0mlの硫酸溶液(四ホウ酸ナ
トリウム10水和物(キシダ化学製)0.95gを濃硫酸
100mlに溶かしたもの)を滴下し、0.1mlの0.
125%カルバゾール溶液(カルバゾール(和光純薬工
業製)12.5mgを10mlのエタノールに溶かした
もの)を加え、十分混合した後、ガラス球で栓をし、沸
騰水浴中で20分間加熱する。室温に冷却後、530n
mにおける吸光度を測定した(UVIDEC-77Σ:日本分光工
業製)。
【0085】(7)硫酸基の定量 T.T.Terho et al.の方法(アナリティカル・バイオケミ
ストリー(Anal. Biochem.)、第41巻、471頁、19
71年)に準じ、ロジゾン酸法により硫酸基を測定し
た。すなわち、ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子
ヘパリンの各アミノ酸誘導体約0.2mgを含む1N塩
酸溶液0.5mlをガラス栓付試験管にとり、密栓す
る。沸騰水浴中で1時間加熱して加水分解した後、減圧
乾固して塩酸を除去し、このものを1.0mlの水に溶
かした。この溶液0.5mlをガラス栓付遠心管にと
り、エタノール2.0mlを加える。さらに1.0mlの
塩化バリウム溶液(2.0M酢酸10ml、5mM塩化
バリウム2ml、20mM炭酸水素ナトリウム8mlを
混合し、エタノールを加えて100mlとしたもの)、
および1.5mlのロジゾン酸ナトリウム溶液(ロジゾ
ン酸ナトリウム(和光純薬工業製)5mgを水20ml
に溶かし、100mgのL−アスコルビン酸を加えて溶
かし、さらにエタノールを加えて100mlとしたも
の)を加えてよく攪拌する。室温暗所に10分間放置し
た後、520nmにおける吸光度を測定した(UVIDEC-77
Σ:日本分光工業製)。結果を表13に示す。
【0086】
【表13】 ヘパリン、中分子ヘパリンおよび中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体の硫酸基 およびヘキソサミン含量 化 合 物 窒素(%) イオウ(%) 窒素/イオウ比 ヘキソサミン ヘパリン 2.11 12.06 5.73 30.34 中分子ヘハ゜リン 2.04 11.01 5.41 27.14 中分子ヘハ゜リニルアルキ゛ニン 7.70 13.91 1.81 25.13 中分子ヘハ゜リニルアスハ゜ラキ゛ン酸 4.00 11.97 2.99 22.36 中分子ヘハ゜リニルフェニルアラニン 3.63 12.19 3.36 35.22 中分子ヘハ゜リニルフ゜ロリン 3.63 10.96 3.02 29.47中分子ヘハ゜リニルセリン 3.60 10.08 2.80 25.21
【0087】実施例3 注射剤 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体250μg〜2.5mg
をとり、生理食塩液10mlを加えて溶かした後、アン
プルに充填、密封および滅菌して注射剤とする。
【0088】実施例4 錠剤 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体2.5〜10mgをと
り、賦形剤として乳糖300mgを加えて均等に混和し
たものを、直接圧縮成形して錠剤とする。
【0089】実施例5 カプセル剤 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体2.5〜10mgをと
り、賦形剤として乳糖300mgを加えて均等に混和し
たものをカプセルに充填してカプセル剤とする。
【0090】実施例6 坐剤 中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体5.0〜20mgをと
り、基剤としてマクロゴール2gを加えて均等に混和
し、一定の形状に成形して、坐剤とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中分子ヘパリンの13C NMRスペクトルを
示す。
【図2】 中分子ヘパリンの1H NMRスペクトルを示
す。
【図3】 中分子ヘパリニルフェニルアラニンの13
NMRスペクトルを示す。
【図4】 中分子ヘパリニルフェニルアラニンの1H N
MRスペクトルを示す。
【図5】 中分子ヘパリニルアルギニンの13C NMR
スペクトルを示す。
【図6】 中分子ヘパリニルアルギニンの1H NMRス
ペクトルを示す。
【図7】 中分子ヘパリニルセリンの13C NMRスペ
クトルを示す。
【図8】 中分子ヘパリニルセリンの1H NMRスペク
トルを示す。
【図9】 中分子ヘパリニルプロリンの13C NMRス
ペクトルを示す。
【図10】 中分子ヘパリニルプロリンのH NMR
スペクトルを示す。
【図11】 中分子ヘパリニルアスパラギン酸の13
NMRスペクトルを示す。
【図12】 中分子ヘパリニルアスパラギン酸の1H N
MRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/725 ACV A61K 31/725 ACV ADU ADU (72)発明者 中村 一基 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 大谷 裕也 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 西村 幸容 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 島田 千明 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 武田 誠一 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 河合 健蔵 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 北川 知津子 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 桑原 正明 宮城県仙台市青葉区柏木3−7−16 (72)発明者 安部 智之 大阪府大阪市城東区森之宮2−3−30 扶 桑薬品工業株式会社研究開発センター内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量8,500〜9,500を有す
    る中分子ヘパリン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中分子ヘパリンから誘
    導される中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体。
  3. 【請求項3】 アミノ酸誘導体が、アミノ酸またはアミ
    ノ酸低級アルキルエステルである、請求項2記載の中分
    子ヘパリニルアミノ酸誘導体。
  4. 【請求項4】 上記アミノ酸誘導体が、一般式: NH2CH(R1)COOR2 [式中、R1は、 ・H; ・アミノ酸のα−アミノ基のNおよびα位のCと共にピ
    ロリジン環を形成するか;または、 ・OHで置換されていてもよいフェニル、OH、N
    2、SH、SCH3、COOH、CONH2、グアニジ
    ノ、インドリルおよび1H−イミダゾリルからなる群か
    ら選ばれる基で置換されていてもよい低級アルキルであ
    り、 R2は、Hまたは低級アルキルである]で示される、請
    求項2記載の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体。
  5. 【請求項5】 アミノ酸が天然のアミノ酸である、請求
    項4記載の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体。
  6. 【請求項6】 アミノ酸が必須アミノ酸である、請求項
    5記載の中分子ヘパリニルアミノ酸誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルアミ
    ノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする抗凝血活
    性医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルアミ
    ノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする腎メサン
    ギウム細胞増殖抑制活性医薬組成物。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルアミ
    ノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする癌転移抑
    制活性医薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルア
    ミノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする補体活
    性化抑制活性医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルア
    ミノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする肺水腫
    抑制活性医薬組成物。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルア
    ミノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とする腎疾患
    治療用医薬組成物。
  13. 【請求項13】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルア
    ミノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とするラジカ
    ルスカベンジャー活性医薬組成物。
  14. 【請求項14】 請求項2に記載の中分子ヘパリニルア
    ミノ酸誘導体の少なくとも1種を有効成分とするアレル
    ギー性疾患予防および治療用医薬組成物。
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WO2019211973A1 (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 学校法人近畿大学 中分子ヘパリンまたは中分子ヘパリンのアミノ酸誘導体を含む医薬組成物

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