JPH09286891A - 粘着ゲル基剤および粘着組成物 - Google Patents

粘着ゲル基剤および粘着組成物

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JPH09286891A
JPH09286891A JP10163096A JP10163096A JPH09286891A JP H09286891 A JPH09286891 A JP H09286891A JP 10163096 A JP10163096 A JP 10163096A JP 10163096 A JP10163096 A JP 10163096A JP H09286891 A JPH09286891 A JP H09286891A
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龍也 目野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚刺激性が低くかつ薬物放出性に優れてお
り、しかも展膏が容易で安価に製造可能であり、更にイ
ンピーダンスが小さくかつ塩析や分極が生じないために
イオントフォレーシスにも好適である、経皮または経粘
膜適用の親水性粘着ゲル基剤及び親水性粘着組成物を提
供すること。 【構成】 メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体ま
たはメトキシエチレンマレイン酸共重合体、N−ビニル
アセトアミド架橋体、多官能エポキシ化合物、水および
多価アルコールからなることを特徴とする粘着ゲル基
剤、並びにその粘着ゲル基剤を含有する粘着組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮または経粘膜
に対して適用するのに好適な粘着ゲル基剤およびそれを
含む粘着組成物に関する。より詳細には、本発明は、経
皮治療システム(TTS)の原理またはイオントフォレ
ーシスの原理を用いた経皮、経粘膜薬物投与に使用する
のに特に好適な粘着ゲル基剤及び粘着組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、外用製剤分野では種々の剤型が開
発され、関心が次第に高まりつつある。その理由は、皮
膚や粘膜から局所性または全身性にその薬理作用を期待
する薬物を投与した場合、薬物の持続性が期待できるこ
と、薬物の吸収速度の調節が容易であり投与過剰による
副作用の防止が可能なこと、経口投与に見られるような
肝臓による初回通過効果による代謝の影響などが少なく
薬物の有効利用が可能であること、肝臓障害などを伴う
薬物でも比較的安全に投与できること等の利点を有する
為である。
【0003】従来、TTSを利用した治療に用いる粘着
組成物としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系
またはシリコーン系などの親油性基剤を含有するものが
知られている。また、親水性粘着剤としてポリアクリル
酸ナトリウムやカルボキシビニルポリマーなどの親水性
基剤をベースポリマーとしたパップ剤が知られている。
さらに、粘着力を上げるためにメトキシエチレン無水マ
レイン酸共重合体を多官能エポキシ化合物で架橋した粘
着組成物が特開昭56−154421号公報または特開
昭59−204117号公報に開示されている。
【0004】一方、イオントフォレーシスを利用した治
療に用いる粘着組成物に含有される基剤は水溶性の基剤
であることが必須であり、従来、カラヤガム系の基剤、
ポリビニルアルコール系の基剤などが知られている。ま
た、金属で架橋させた水溶性ポリマーを基剤とした粘着
組成物は通電時にゲルの凝集力が低下して粘着力が落ち
るため、それを改善させるために無水マレイン酸共重合
体またはマレイン酸共重合体、多官能エポキシ化合物お
よび多価アルコールを含有する粘着組成物が特開昭63
−92683号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の親油性粘着組成物については有機溶剤を必要とし、
製造時に多くの熱量を必要とし、またエマルジョン型の
アクリル系粘着剤に見られるように界面活性剤を必要と
するという問題があった。また、このような親油性の粘
着組成物は皮膚刺激性が比較的大きく、製造時における
作業環境にも問題があった。更に、このような親油性粘
着組成物を用いたパップ剤については未だ十分な粘着力
が得られていなかった。
【0006】また、特開昭56−154421号公報や
特開昭59−204117号公報に開示されている従来
の親水性粘着組成物には、展膏時の粘度が低いために厚
みのコントロールが困難であるという問題があった。
【0007】一方、イオントフォレーシス用の従来のカ
ラヤガム系の基剤、ポリビニルアルコール系の粘着組成
物には粘着力が低くまた経時安定性に劣るという問題が
あった。
【0008】また、特開昭63−92683号公報に開
示されている従来の親水性粘着組成物には、展膏時の粘
度が低いために展膏を可能とするためにベースポリマー
の量を増やさなければならないという問題や、かかるベ
ースポリマーを溶解させるためにアルカリで中和しなけ
ればならないという問題があった。そのため、上記従来
の親水性粘着組成物においては薬物の拡散抵抗の増加ま
たは輸率の減少が引き起こされ、実質的に薬物の透過性
が減少してしまうという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を鑑みてなされたものであり、皮膚刺激性が低く
かつ薬物放出性に優れており、しかも展膏が容易で安価
に製造可能であり、更にインピーダンスが小さくかつ塩
析や分極が生じないためにイオントフォレーシスにも好
適である、経皮または経粘膜適用の親水性粘着ゲル基剤
及び親水性粘着組成物を提供することを目的とする。
【0010】そこで、本発明者らは、上記の目的を達成
すべく鋭意研究を重ねた結果、基剤成分がメトキシエチ
レン無水マレイン酸共重合体またはメトキシエチレンマ
レイン酸共重合体、N−ビニルアセトアミド架橋体、多
官能エポキシ化合物、水および多価アルコールからなる
粘着ゲル基剤、並びにその粘着ゲル基剤と薬物および/
または電解質を含有する粘着組成物が上記目的の達成に
有効であることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の粘着ゲル基剤は、皮膚
または粘膜に適用される粘着組成物用の粘着ゲル基剤で
あって、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体また
はメトキシエチレンマレイン酸共重合体、N−ビニルア
セトアミド架橋体、多官能エポキシ化合物、水および多
価アルコールからなることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の粘着組成物は、皮膚または
粘膜に適用される粘着組成物であって、メトキシエチレ
ン無水マレイン酸共重合体またはメトキシエチレンマレ
イン酸共重合体、N−ビニルアセトアミド架橋体、多官
能エポキシ化合物、水および多価アルコールからなる粘
着ゲル基剤を含有することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の粘着ゲル基剤およ
び粘着組成物の好適な実施形態についてさらに詳細に説
明する。
【0014】本発明の粘着ゲル基剤は、前述のように、
メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体またはメトキ
シエチレンマレイン酸共重合体、N−ビニルアセトアミ
ド架橋体、多官能エポキシ化合物、水および多価アルコ
ールからなるものであり、本発明の粘着組成物は上記本
発明の粘着ゲル基剤を含有するものである。
【0015】本発明の粘着ゲル基剤および粘着組成物は
それぞれ常温かつ無溶剤で製造可能な親水性の粘着ゲル
基剤および粘着組成物であり、メトキシエチレン無水マ
レイン酸共重合体またはメトキシエチレンマレイン酸共
重合体をベースポリマーとすることで輸率の減少すなわ
ち薬物透過の減少を極力抑えることができる。また、架
橋剤として多官能エポキシ化合物を使用することで、使
用時の付着力の低下を抑えることが可能となり、かつベ
ースポリマーのカルボキシル基をエポキシ基と反応させ
ることによりpHが上昇することで皮膚刺激性が低減し
かつイオントフォレーシス用に使用した場合に薬物の水
素イオンとの競合が減って薬物の皮膚または粘膜透過性
が高まる。さらに、多価アルコールの添加により粘着組
成物の凝集力、保水力および薬物溶解性の上昇が可能に
なる。
【0016】また、本発明の粘着ゲル基剤および粘着組
成物においては、ゲル化剤として後述するN−ビニルア
セトアミド架橋体を用いることで、粘着ゲル基剤および
粘着組成物がチキソトロピックな粘性を有する非ニュー
トン液体(ゲル)となり、展膏時における液だれが防止
され、展膏が容易になる。また、本発明にかかるN−ビ
ニルアセトアミド架橋体は解離性の官能基を持たないこ
とから薬物等と競合することがなく、薬物等の塩析が防
止され、イオントフォレーシス用に使用した場合には分
極の発生が防止される。さらに、本発明にかかるN−ビ
ニルアセトアミド架橋体は多価アルコールや電解質との
相溶性が大きいことから、適用中における水の揮散が抑
制され、また電荷移動媒体としての電解質が豊富に保持
されることにより安定な通電状態および/または薬物透
過性が維持される。
【0017】本発明の粘着組成物は上記本発明の粘着ゲ
ル基剤を含有するものであり、該組成物を経皮・経粘膜
投与製剤として用いる場合は薬物をさらに含有し、イオ
ントフォレーシス用製剤として用いる場合は薬物および
/または電解質をさらに含有してもよい。
【0018】本発明において使用されるメトキシエチレ
ン無水マレイン酸共重合体は水中で加水分解されメトキ
シエチレンマレイン酸共重合体となるが、その配合量は
メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体として約5〜
35重量%(得られる組成物基準)であることが好まし
い。上記配合量が約5重量%未満では凝集力が十分では
なく、剥離時に膏体残りが発生する傾向にあり、他方約
35重量%を超えるとポリマーが室温で溶解せず実用的
ではなくなる傾向にある。
【0019】本発明において使用されるN−ビニルアセ
トアミド架橋体は、下記一般式: [式中、R1,R2は同一でも異なっていてもよく、水素
原子またはメチル基を示す]で表わされるN−ビニルア
セトアミドを主繰返し単位とする主鎖を架橋剤にて架橋
してなるポリマーであり、乾燥時の平均粒子径が10μ
m以下の微粒子状であることが好ましい。また、本発明
にかかるN−ビニルアセトアミド架橋体の主鎖の平均重
合度は100〜500000であることが好ましく、架
橋密度は1/10000〜1/10であることが好まし
い。更に、上記架橋剤としては1分子中に重合可能な不
飽和基を少なくとも2個以上有する化合物が用いられ、
例えばN,N’−低級アルキレンビスアクリルアミド、
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジビニル化合物、ポリア
リル化合物、N,N’−低級アルキレンビス(N−ビニ
ルカルボン酸アミド)、N,N’−ポリアルキレングリ
コールビス(N−ビニルカルボン酸アミド)、N,N’
−キシリレンビス(N−ビニルカルボン酸アミド)が挙
げられる。また、かかる架橋剤の含量は0.01〜10
モル%(モノマー成分基準)が好ましい。
【0020】本発明にかかるN−ビニルアセトアミド架
橋体としては、例えば昭和電工株式会社製PNVA(G
X−205)、同PNVA(NA−010)、同PNV
A(NA−300)が挙げられるが、その中でもPNV
A(GX−205)が特に好ましい。本発明にかかるN
−ビニルアセトアミド架橋体の配合量は約1〜8重量%
(得られる組成物基準)であることが好ましい。上記配
合量が約1重量%未満では粘度が不十分となる傾向にあ
り、他方約8重量%を超えると凝集力が落ちる傾向にあ
る。
【0021】本発明において使用される多官能エポキシ
化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエ
ーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポ
リグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙
げられる。本発明にかかる多官能エポキシ化合物の配合
量は、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体100
gに対して約6〜180ミリエポキシ当量であることが
好ましい。なお、エポキシ当量はグラム当量をエポキシ
基の数で割ったものとして定義される。上記配合量が約
6ミリエポキシ当量未満では成形能を有さない傾向にあ
り、他方約180ミリエポキシ当量を超えると粘着性が
無くなる傾向にある。
【0022】本発明において使用される多価アルコール
としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどが挙
げられ、中でもポリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン
が好ましい。これらは単独で使用してもよく、あるいは
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。本発明にか
かる多価アルコールの配合量は約10〜60重量%(得
られる組成物基準)であることが好ましい。上記配合量
が約10重量%未満では十分な凝集力が得られない傾向
にあり、他方約60重量%を超えると粘着性が無くなる
傾向にある。
【0023】本発明の粘着組成物に含有される薬物は特
に限定されるものではないが、TTS用として用いる場
合は、例えばサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル
酸グリコール、l−メントール、カンフル、ニコチン酸
ベンジル、イブプロフェン、ピロキシカム、ケトプロフ
ェン、インドメタシン、スプロフェン、ロキソプロフェ
ン、ジクロフェナク、フルルビプロフェンなどの皮膚刺
激剤および鎮痛消炎剤;アムシノニド、吉草酸酢酸プレ
ドニゾロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾ
ン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒド
ロコルチゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセ
トニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、
フルドキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸ク
ロベタゾール、ベタメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸
ヒドロコルチゾンなどの副腎皮質ホルモン剤;アミノ安
息香酸エチル、リドカイン、テトラカイン、プロカイン
などの局所麻酔剤;プロプラノロール、ピンドロール、
カルテオロール、チモロールなどのβ−遮断薬;ニトロ
グリセリン、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、ジルチ
アゼムなどの冠血管拡張剤;プロカテロール、イソプロ
テレノール、テオフィリンなどの気管支喘息治療剤;ジ
フェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カ
ルビノキサミン、メキタジン、フマル酸クレマスチンな
どの抗ヒスタミン剤;トラニラスト、フマル酸ケトチフ
ェン、アゼラスチン、オキサトミド、アンレキサノクス
などの抗アレルギー剤;クロニジンなどの血圧降下剤;
その他抗菌剤;ホルモン剤;生薬エキスなどが挙げられ
る。
【0024】イオントフォレーシス用として用いる場合
は、上記本発明の粘着組成物(粘着ゲル基剤)に溶解
し、陽イオンまたは陰イオンに解離するものであれば、
あらゆる治療分野における薬剤が使用可能であり、特に
分子量100〜1000000の薬物が広く用いられ
る。
【0025】このような薬物群としては抗微生物薬、抗
悪性腫瘍薬、ホルモン剤、抗アレルギー薬、肝疾患用
薬、糖尿病治療薬、代謝性医薬品、血液用薬、抗炎症
剤、中枢神経系作用薬、末梢神経作用薬、循環器官作用
薬、呼吸器官作用薬、消化器官作用薬、麻薬、頻尿治療
剤が挙げられる。本発明にかかる薬物の配合量は特に制
限されず、用いる薬物に応じて適宜選択されるが、約5
0重量%以下(得られる組成物基準)であることが好ま
しく、0.000001〜50重量%であることが特に
好ましい。
【0026】陽イオンに解離しうる種々の薬物の例とし
てはバカンピシリン、スルタミシリン、セフポドキシム
プロキセチル、セフテラムピボキシル、セフメノキシ
ム、セフォチアム、ドキシサイクリン、ミノサイクリ
ン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、ロキタマイ
シン、アミカシン、アルベカシン、アストロマイシン、
ジベカシン、ゲンタマイシン、イセパマイシン、カナマ
イシン、ミクロノマイシン、シソマイシン、ストレプト
マイシン、トブラマイシン、エタンブトール、イソニア
ジド、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、
アシクロビル、クロラムフェニコール、クリンダマイシ
ン、ホスホマイシン、バンコマイシン、アクラルビシ
ン、ブレオマイシン、シタラビン、ダカルバジン、ニム
スチン、ペプロマイシン、プロカルバジン、ビンブラス
チン、ビンクリスチン、ビンデシン、カルシトニン類、
パラチロイドホルモン(PTH)、顆粒球コロニー形成
刺激因子(G−CSF)、メカセルミン、アリメマジ
ン、クロルフェニラミン、クレマスチン、メキタジン、
アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミド、メチルメ
チオニンスルホニウムクロライド、コルヒチン、カモス
タット、ガベキサート、ナファモスタット、ミゾリビ
ン、ピロキシカム、プログルメタシン、エモルファゾ
ン、チアラミド、ブプレノルフィン、エルゴタミン、フ
ェナセチン、リルマザホン、トリアゾラム、ゾピクロ
ン、ニトラゼパム、クロナゼパム、アマンタジン、ブロ
モクリプチン、クロルプロマジン、スルトプリド、クロ
ルジアゼポキシド、クロキサゾラム、ジアゼパム、エチ
ゾラム、オキサゾラム、アミトリプチリン、イミプラミ
ン、ノルトリプチリン、セチプチリン、チクロピジン、
アトロピン、臭化ブチルスコポラミン、エペリゾン、臭
化パンクロニウム、チザニジン、臭化ピリドスチグミ
ン、ドブタミン、ドパミン、ベニジピン、ジルチアゼ
ム、ニカルジピン、ベラパミル、アセブトロール、アテ
ノロール、カルテオロール、メトプロロール、ニプラジ
ロール、ピンドロール、プロプラノロール、ジピリダモ
ール、ニコランジル、トラジピル、アジマリン、アプリ
ンジン、シベンゾリン、ジソピラミド、フレカイニド、
イソプレナリン、リドカイン、メキシレチン、プロカイ
ン、プロカインアミド、テトラカイン、ジブカイン、プ
ロパフェノン、キニジン、ヒドロクロロチアジド、トリ
クロルメチアジド、トリパミド、アゾセミド、アモスラ
ロール、ブドララジン、ブナゾシン、カドララジン、ク
ロニジン、デラプリル、エナラプリル、グアネチジン、
ヒドララジン、ラベタロール、プラゾシン、レセルピ
ン、テラゾシン、ウラジピル、ニコモール、エピネフリ
ン、エチレフリン、ミドドリン、パパベリン、クレンブ
テロール、フェノテロール、マブテロール、プロカテロ
ール、サルブタモール、テルブタリン、ツロブテロー
ル、チペピジン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、
シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ロキサチジン
アセタート、ベネキサート、オメプラール、ピレンゼピ
ン、スルピリド、シサプリド、ドンペリドン、メトクロ
プラミド、トリメブチン、コデイン、モルヒネ、フェン
タニル、ペチジン、オキシブチニン、リトドリン、テロ
ジリン及びそれらの塩が挙げられるがこれらに限定され
るものではない。
【0027】陰イオンに解離しうる種々の薬物の例とし
てはアモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリ
ン、ベンジルペニシリン、メチシリン、ピペラシリン、
スルベニシリン、チカルシリン、セファクロル、セファ
ドロキシル、セファレキシン、セファトリジン、セフィ
キシム、セフラジン、セフロキサジン、セファマンドー
ル、セファゾリン、セフメタゾール、セフミノクス、セ
フォペラゾン、セフォタキシム、セフォタテン、セフォ
キシチン、セフピラミド、セフスロジン、セフタジジ
ム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフゾナム、
アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、イメペネ
ム、ラタモキセフ、シプロフロキサシン、エノキサシ
ン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシ
ン、ビダラゾン、フルオロウラシル、メトトレキサー
ト、リン酸デキサメタゾンナトリウム、レボチロキシ
ン、リオチロニン、アンレキサノクス、クロモグリク
酸、トラニラスト、グリクラジド、インスリン類、ベン
ズブロマロン、カルバゾクロム、トラネキサム酸、アル
クロフェナク、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロ
フェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メフェナム
酸、スリンダク、チアプロフェン酸、トルメチン、スル
ピリン、ロベンザリット、ペニシラミン、アモバルビタ
ール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、チオ
ペンタール、フェニトイン、バルプロ酸、ドロキシド
パ、レボドパ、バクロフェン、ダントロレン、デノパミ
ン、フロセミド、アセタゾラミド、ブメタニド、カンレ
ノ酸、エタクリン酸、アラセプリル、カプトプリル、リ
シノプリル、メチルドパ、クロフィブラート、プラバス
タチン、プロブコール、アルプロスタジル、アミノフィ
リン、テオフィリン、カルボシステイン及びそれらの塩
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0028】また、本発明の粘着組成物は前述のように
電解質を含んでもよく、このような電解質としては例え
ば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、陽イオン交換樹
脂、陰イオン交換樹脂などが挙げられる。本発明にかか
る電解質の配合量は特に制限されず、用いる電解質に応
じて適宜選択されるが、約0.01〜10重量%(得ら
れる組成物基準)であることが好ましい。
【0029】また、本発明の粘着組成物は、必要に応じ
て安定化剤、防腐剤、吸収促進剤、pH調節剤等をさら
に含有することも可能である。
【0030】次に、本発明の粘着ゲル基剤および粘着組
成物の製造法の例について説明する。
【0031】先ず、メトキシエチレン無水マレイン酸共
重合体またはメトキシエチレンマレイン酸共重合体を好
ましくは約5倍(重量基準)の量の精製水に添加し、室
温で一昼夜放置して溶解させる。別に、多価アルコール
に撹拌しながらN−ビニルアセトアミド架橋体を徐々に
加え、均一に分散させる。次いで、調製しておいたメト
キシエチレンマレイン酸共重合体水溶液を得られた分散
液に加え、さらに残りの精製水、必要ならば薬物および
/または電解質を加え、均一に分散・溶解させる。最後
に、上記分散液に多官能エポキシ化合物を加え、均一に
なるまで撹拌することによって本発明の粘着組成物(粘
着ゲル基剤)が得られる(以下、この方法を「方法1」
という)。
【0032】また、他の方法としては、メトキシエチレ
ン無水マレイン酸共重合体またはメトキシエチレンマレ
イン酸共重合体を精製水に加熱しながら添加して溶解
し、次に多価アルコールを添加し、さらに撹拌しながら
N−ビニルアセトアミド架橋体を撹拌しながら添加して
本発明の粘着ゲル基剤を得る方法も可能である。この場
合、任意のタイミングで薬物および/または電解質を加
えて本発明の粘着組成物を得ることが可能である(以
下、この方法を「方法2」という)。
【0033】上記本発明の粘着組成物を適当な支持体に
展膏し、ライナーで覆い、所望の形状に切断して製品
(貼付部材)を得るか、あるいは一旦、離型処理の施さ
れたフィルムに本発明の粘着組成物を展膏した後、適当
な支持体に転写圧着して製品を得ることもできる。ま
た、支持体の展膏面にあらかじめ導電性ペーストを印刷
しておくかあるいは金属箔を張り合わせておくことによ
って電極を形成し、その電極上に本発明の粘着組成物を
展膏することによってイオントフォレーシス用製品を得
ることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例、試験例を挙げて本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0035】(実施例1) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−169) 10重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 3重量部 グリセリン 20重量部 精製水 63.5重量部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 0.5重量部 クロニジン 3重量部。
【0036】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、その組成
物をサンドマット処理ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム(藤森工業(株)製)上に厚さが200
μmとなるように展膏し、離型処理PETライナー(帝
人(株)製)の離型面と貼り合わせ、適当な形状に裁断
して本発明の粘着組成物を備えた貼付部材を得た。
【0037】(実施例2) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−139) 25重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 2重量部 プロピレングリコール 30重量部 精製水 39.3重量部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 0.7重量部 硝酸イソソルビド 3重量部。
【0038】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、その組成
物をサンドマット処理PETフィルム(藤森工業(株)
製)上に厚さが200μmとなるように展膏し、離型処
理PETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わ
せ、適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を備えた
貼付部材を得た。
【0039】(実施例3) メトキシエチレンマレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ S−97) 12重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 3重量部 1,3−ブチレングリコール 45重量部 精製水 36.5重量部 ジグリセロールポリグリシジルエーテル 1重量部 ツロブテロール 2.5重量部。
【0040】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、その組成
物をサンドマット処理PETフィルム(藤森工業(株)
製)上に厚さが200μmとなるように展膏し、離型処
理PETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わ
せ、適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を備えた
貼付部材を得た。
【0041】(実施例4) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−169) 9重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 4重量部 グリセリン 30重量部 精製水 53重量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 1重量部 塩酸リドカイン 3重量部 エピネフリン 0.006重量部。
【0042】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、ブレンダ
ーム(3M社製)に貼り合わせた40μm銀フィルム上
にその組成物を厚さが200μmとなるように展膏し、
離型処理PETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼
り合わせ、適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を
備えたイオントフォレーシス用貼付部材を得た。
【0043】(実施例5) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−139) 20重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 3重量部 グリセリン 30重量部 精製水 43重量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 1重量部 塩酸リドカイン 3重量部 エピネフリン 0.006重量部。
【0044】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、ブレンダ
ーム(3M社製)に貼り合わせた40μm銀フィルム上
にその組成物を厚さが200μmとなるように展膏し、
離型処理PETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼
り合わせ、適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を
備えたイオントフォレーシス用貼付部材を得た。
【0045】(実施例6) メトキシエチレンマレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ S−97) 13重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205)2.5重量部 ポリエチレングリコール(マクロゴール400) 30重量部 精製水 49.5重量部 グリセロールポリグリシジルエーテル 2重量部 塩酸リドカイン 3重量部 エピネフリン 0.006重量部。
【0046】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、ブレンダ
ーム(3M社製)に貼り合わせた40μm銀フィルム上
にその組成物を厚さが200μmとなるように展膏し、
離型処理PETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼
り合わせ、適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を
備えたイオントフォレーシス用貼付部材を得た。
【0047】(実施例7) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−139) 25重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 2重量部 ジプロピレングリコール 15重量部 精製水 55.3重量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 1.8重量部 塩化ナトリウム 0.9重量部。
【0048】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して本発明の粘着組成物を得、ブレンダ
ーム(3M社製)に貼り合わせた塩化銀/銀フィルム
(0.9%塩化ナトリウム水溶液中銀フィルムを0.5
mA/cm2、60分直流通電して作製)上にその組成
物を厚さが500μmとなるように展膏し、離型処理P
ETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わせ、
適当な形状に裁断して本発明の粘着組成物を備えたイオ
ントフォレーシス用貼付部材を得た。
【0049】(比較例1) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−169) 10重量部 グリセリン 20重量部 精製水 66.5重量部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 0.5重量部 クロニジン 3重量部。
【0050】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して比較粘着組成物を得、その組成物を
サンドマット処理PETフィルム(藤森工業(株)製)
上に厚さが200μmとなるように展膏し、離型処理P
ETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わせ、
適当な形状に裁断して比較粘着組成物を備えた貼付部材
を得た。
【0051】(比較例2) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−169) 30重量部 グリセリン 20重量部 精製水 45.5重量部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 1.5重量部 クロニジン 3重量部。
【0052】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して比較粘着組成物を得、その組成物を
サンドマット処理PETフィルム(藤森工業(株)製)
上に厚さが200μmとなるように展膏し、離型処理P
ETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わせ、
適当な形状に裁断して比較粘着組成物を備えた貼付部材
を得た。
【0053】(比較例3) メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体 (ISP社製、商品名:ガントレッツ AN−169) 10重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 3重量部 精製水 83.5重量部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 0.5重量部 クロニジン 3重量部。
【0054】この処方における諸成分を前述の方法1に
したがって調合して比較粘着組成物を得、その組成物を
サンドマット処理PETフィルム(藤森工業(株)製)
上に厚さが200μmとなるように展膏し、離型処理P
ETライナー(帝人(株)製)の離型面と貼り合わせ、
適当な形状に裁断して比較粘着組成物を備えた貼付部材
を得た。
【0055】(比較例4) スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 (日本合成ゴム(株)製、商品名:SIS 5002) 20重量部 水添ロジングリセリンエステル (荒川工業(株)製、商品名:エステルH) 38重量部 流動パラフィン 39重量部 クロニジン 3重量部。
【0056】この処方におけるクロニジン以外の諸成分
を180℃で加熱撹拌して溶解した後、クロニジンを添
加して比較粘着組成物を得、その組成物をサンドマット
処理PETフィルム(藤森工業(株)製)上に厚さが2
00μmとなるように展膏し、離型処理PETライナー
(帝人(株)製)の離型面と貼り合わせ、適当な形状に
裁断して比較粘着組成物を備えた貼付部材を得た。
【0057】(比較例5) イソブチレン無水マレイン酸共重合体 (クラレ(株)製、商品名:イソバン−10) 13重量部 水酸化ナトリウム 2.6重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205)2.5重量部 ポリエチレングリコール(マクロゴール400) 30重量部 精製水 46.9重量部 グリセロールポリグリシジルエーテル 2重量部 塩酸リドカイン 3重量部 エピネフリン 0.006重量部。
【0058】この処方におけるイソブチレン無水マレイ
ン酸共重合体と水酸化ナトリウムを精製水に沸騰温度で
溶解させた。得られた溶液の温度が室温まで下がったと
ころでポリエチレングリコールを加え、撹拌しながらさ
らにN−ビニルアセトアミドを徐々に加えた。得られた
配合物が均一になったところでグリセロールポリグリシ
ジルエーテルおよび塩酸リドカインを添加して比較粘着
組成物を得た。ブレンダーム(3M社製)に貼り合わせ
た40μm銀フィルム上にその組成物を厚さが200μ
mとなるように展膏し、離型処理PETライナー(帝人
(株)製)の離型面と貼り合わせ、適当な形状に裁断し
て比較粘着組成物を備えたイオントフォレーシス用貼付
部材を得た。
【0059】(比較例6) イソブチレン無水マレイン酸共重合体 (クラレ(株)製、商品名:イソバン−10) 25重量部 水酸化ナトリウム 5重量部 N−ビニルアセトアミド架橋体 (昭和電工(株)製、商品名:PNVA GX−205) 2重量部 ジプロピレングリコール 15重量部 精製水 50.3重量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 1.8重量部 塩化ナトリウム 0.9重量部。
【0060】この処方におけるイソブチレン無水マレイ
ン酸共重合体と水酸化ナトリウムを精製水に沸騰温度で
溶解させた。得られた溶液の温度が室温まで下がったと
ころでジプロピレングリコールを加え、撹拌しながらさ
らにN−ビニルアセトアミドを徐々に加えた。得られた
配合物が均一になったところでポリグリセロールポリグ
リシジルエーテルおよび塩化ナトリウムを添加して比較
粘着組成物を得た。ブレンダーム(3M社製)に貼り合
わせた塩化銀/銀フィルム(0.9%塩化ナトリウム水
溶液中銀フィルムを0.5mA/cm2、60分直流通
電して作製)上にその組成物を厚さが500μmとなる
ように展膏し、離型処理PETライナー(帝人(株)
製)の離型面と貼り合わせ、適当な形状に裁断して比較
粘着組成物を備えたイオントフォレーシス用貼付部材を
得た。
【0061】(比較例7) カラヤガム 40重量部 グリセリン 50重量部 プロピレングリコール 3重量部 精製水 3重量部 塩化ナトリウム 0.7重量部 塩化カルシウム 0.6重量部。
【0062】この処方における諸成分の混合物を80℃
に加熱しながら均一になるまで撹拌混合して比較粘着組
成物を得た。ブレンダーム(3M社製)に貼り合わせた
塩化銀/銀フィルム(0.9%塩化ナトリウム水溶液中
銀フィルムを0.5mA/cm2、60分直流通電して
作製)上にその組成物を厚さが500μmとなるように
展膏し、離型処理PETライナー(帝人(株)製)の離
型面と貼り合わせ、適当な形状に裁断して比較粘着組成
物を備えたイオントフォレーシス用貼付部材を得た。
【0063】(試験例1)実施例1から実施例7の本発
明の粘着組成物、並びに比較例1から比較例3の比較粘
着組成物の展膏直前の室温での粘度を測定した。また、
展膏・裁断の後に裁断面から膏体がはみ出したかどうか
を、得られた貼付部材を室温で2週間放置した後に確認
した。なお、膏体がはみ出していないものを○、はみ出
したものを×とした。結果を表1に示す。
【0064】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1から実施例7までで得られた本発明の粘着組成物
はいずれも膏体のはみ出しがなく、容易にかつ確実に展
膏ができた。N−ビニルアセトアミドを抜いた以外は実
施例1と同様の処方である比較例1の比較粘着組成物は
粘度が低く、膏体のはみ出しが観察された。また、比較
例1の処方に比べてベースポリマーの量を増した処方で
ある比較例2の比較粘着組成物は粘度が高いにも関わら
ず、膏体のはみ出しが観察された。したがって本発明の
粘着組成物は製法上有用性が高いことが確認された。ま
た、実施例1から実施例7までで得られた本発明の粘着
組成物において薬物の塩析は確認されなかった。
【0065】
【表1】
【0066】(試験例2)実施例1から実施例7の本発
明の粘着組成物を備えた貼付部材並びに比較例3の比較
粘着組成物を備えた貼付部材をその展膏後室温で2週間
放置した後にライナーを剥がし、支持体面を90度折り
曲げた時の膏体の様子を観察した。支持体面を元に戻し
たときに実施例1から実施例7までで得られた本発明の
粘着組成物にはどのような形状変化も観察されなかった
が、多価アルコールが未添加の比較例3の比較粘着組成
物については膏体に割れが観察された。したがって本発
明の粘着組成物は経時的安定性に優れており、物性的に
有用性が高いことが確認された。
【0067】(試験例3)実施例1の本発明の粘着組成
物を備えた貼付部材並びに比較例4の比較粘着組成物を
備えた貼付部材をそれぞれ直径2cmの円状に裁断し、
除毛した日本白色家兎(A〜D)の背部に48時間貼付
した後、貼付部材を剥離して皮膚の状態を観察した。結
果を表2に示す。
【0068】表2に示した結果から明らかなように、実
施例1で得られた本発明の粘着組成物を貼付した被験動
物にはいずれも異常が認められなかったが、油性基剤で
ある比較例4の比較粘着組成物を貼付したいずれの被験
動物にも紅斑が観察された。したがって、本発明の粘着
組成物は皮膚刺激性の面で有用性が高いことが確認され
た。
【0069】判定基準 − ・・・・・・・変化なし ± ・・・・・・・微弱な発赤 + ・・・・・・・明瞭な発赤 ++ ・・・・・・・重篤な浮腫
【0070】
【表2】
【0071】(試験例4)本発明の粘着組成物における
薬物放出性を確認するためにリドカインの局所麻酔効果
を薬物透過性の指標として以下の方法で評価した。すな
わち、実施例4から実施例6の本発明の粘着組成物を備
えたイオントフォレーシス用貼付部材並びに比較例5の
比較粘着組成物を備えたイオントフォレーシス用貼付部
材を直径2cmの円状に裁断したものをそれぞれ陽極、
他方、実施例7の本発明の粘着組成物を備えた貼付部材
を直径2cmの円状に裁断したものを全ての陰極として
5名の健康成人男子に適用し、表3に示す各通電時間後
に注射針で適用部位を軽く刺し、下記の評価基準で評価
を行った。結果を表3に示す。
【0072】表3に示した各通電時間後の効果指数から
明らかなように、実施例4から実施例6で得られた本発
明の粘着組成物を用いた場合はすべて15分以内に顕著
な効果指数を示したが、解離性の高い官能基を持つベー
スポリマーを用いた比較例5の比較粘着組成物を用いた
場合は60分通電後も充分な効果指数を示さなかった。
したがって、本発明の粘着組成物は薬物放出性の面で有
用性が高いことが確認された。また、実施例4から実施
例6までで得られた本発明の粘着組成物において分極は
確認されなかった。
【0073】 判定 評価基準 評価点 ───────────────────────────────── − 痛い(何もしていない部分と変わらない) 0 (±) 少し痛い 0.2 ± 触れているのがわかるが痛くない 0.5 + 痛くない(触れているのもわかりにくい) 1.0 ++ 全く感じない 2.0 ───────────────────────────────── 効果指数:(評価点の総和/試験症例数)×100 有効値>100。
【0074】
【表3】 通電条件:パルス電流6mA、周波数30kHz、ON
/OFF=3/7。
【0075】(試験例5)実施例7の本発明の粘着組成
物を備えたイオントフォレーシス用貼付部材並びに比較
例6および比較例7の比較粘着組成物を備えたイオント
フォレーシス用貼付部材をそれぞれ直径2.5cmの円
状に裁断し、PETフィルムを剥離し、直径2.5cm
の円状に裁断した厚さ40μmの銀フィルムと貼り合わ
せた。これらのイオントフォレーシス用貼付部材の銀フ
ィルムを陽極、塩化銀/銀フィルムを陰極に接続し、1
kΩの抵抗を直列に接続して直流電流を1mA流したと
きの1、2および3時間後の電圧値を測定した。結果を
表4に示す。
【0076】表4に示した結果から明らかなように、実
施例7で得られた本発明の粘着組成物を用いた場合に比
べ、解離性の高い官能基を持つベースポリマーを用いた
比較例6の比較粘着組成物を用いた場合および水の含有
量が少ないカラヤガム系の粘着組成物である比較例7の
比較粘着組成物を用いた場合は電圧値が大きい。したが
って本発明の粘着組成物はインピーダンスが小さく、電
気的特性の面で有用性が高いことが確認された。また、
実施例7で得られた本発明の粘着組成物において分極は
確認されなかった。
【0077】
【表4】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の粘着ゲル
基剤および粘着組成物は、熱源の必要なしに製造可能
で、しかも展膏時に膏体のはみ出しが生じないため連続
的に容易に塗膏が可能でかつ安価に製造することが可能
である。また、本発明の粘着ゲル基剤および粘着組成物
は皮膚刺激性が低く、経時的安定性に優れており、しか
も薬物放出性にも優れている。さらに、本発明の粘着ゲ
ル基剤および粘着組成物はインピーダンスが小さく電気
的特性にも優れており、しかも塩析や分極が生じないた
め、イオントフォレーシスにも好適に使用可能である。
【0079】このように、本発明の粘着ゲル基剤および
粘着組成物は、取扱性、皮膚刺激性、経時的安定性、薬
物放出性、電気的特性および経済性の全てにおいて高水
準を確保した、経皮・経粘膜適用の粘着ゲル基剤および
粘着組成物として産業上非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/10 A61K 47/10 Z 47/32 47/32 F N C08K 5/053 C08K 5/053 5/15 5/15 C08L 39/00 LJY C08L 39/00 LJY C09J 135/00 JDA C09J 135/00 JDA 139/00 JDF 139/00 JDF // A61N 1/30 A61N 1/30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚または粘膜に適用される粘着組成物
    用の粘着ゲル基剤であって、メトキシエチレン無水マレ
    イン酸共重合体またはメトキシエチレンマレイン酸共重
    合体、N−ビニルアセトアミド架橋体、多官能エポキシ
    化合物、水および多価アルコールからなることを特徴と
    する粘着ゲル基剤。
  2. 【請求項2】 皮膚または粘膜に適用される粘着組成物
    であって、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体ま
    たはメトキシエチレンマレイン酸共重合体、N−ビニル
    アセトアミド架橋体、多官能エポキシ化合物、水および
    多価アルコールからなる粘着ゲル基剤を含有することを
    特徴とする粘着組成物。
  3. 【請求項3】 薬物をさらに含有することを特徴とする
    請求項2記載の粘着組成物。
  4. 【請求項4】 電解質をさらに含有することを特徴とす
    る請求項2記載の粘着組成物。
  5. 【請求項5】 イオントフォレーシスに用いられること
    を特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか一項記載の
    粘着組成物。
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