イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物及びその製造方法
技術分野
この発明は、 経皮及び経粘膜への適用に好適なイオントフォレーシス 製剤用粘着ゲル組成物及びその製造方法に関する。 詳細には、 イオン性 明
合成高分子物質、 非イオン性合成高分子物質、 天然系高分子物質、 多価 田
アルコール類、 架橋剤及び薬物を含み、 保形性及び自己粘着性に優れ、 高い薬物安定性と薬物吸収性を実現するイオントフォレーシス製剤用粘 着ゲル組成物とその製造方法に関する。
背景技術
イオントフォレーシスは、 皮膚又は粘膜に電圧を印加し、 電気的にィ オン性薬物を泳動し、 皮膚又は粘膜から薬物投与するものである。 ィォ ントフォレーシス装置は、 陽極用と陰極用のイオントフォレ一シス用電 極を一定間隔で皮膚に貼着し、 電流発生器から生じた電流を該電極に導 くことによって治療が実施されるように構成されている。 また、 イオン トフォレーシス装置は、薬物貯蔵層と電極を組み合わせた構造からなり、 薬物の体内血中濃度を一定時間維持できるように予め設計された一定量 の薬効成分の他、 安定した薬効を維持するために必要な種々の添加剤が 封入されている。 薬物貯蔵層は、 別包装の薬物溶液を適用時に含浸させ る「薬液滴下含浸型」、薬物を乾燥状態で保持し、適用時に溶解させる「用 時溶解型」、 さらに、 水溶性高分子物質等の親水性ゲル基剤に予め薬物を 配合した 「マトリックス型」 の 3つに大別することができる。
しかし、 何れの剤形も、 薬物安定性、 操作性、 薬物吸収性等の面で問
題を有しているため、 問題の改善を目的として、 これまでに数多くの発 明がなされている。
例えば、 特表平 8 - 5 0 3 8 7 5号公報には、 治療時に、 親水性高分 子物質をポリウレタン発泡体に乾燥状態で保持した薬物貯蔵層に、 薬物 溶液を含浸させて使用する薬液滴下含浸型のイオントフォレーシス製剤 が開示されている。 この製剤は、 親水性高分子物質が配合されているた め、 薬液の液漏れを防止することができ、 またそれと同時に、 薬物貯蔵 層と皮膚との付着性を改善することができる。 しかし、 薬物溶液の含浸 操作に時間を要する上、 製剤構造が複雑であるため、 操作性及び経済性 の面で満足できる製剤とは言えなかった。
また、 特表平 7 - 5 0 7 4 6 4号公報、 特開平 1 1— 1 9 2 3 1 3号 公報及び特開平 1 1— 2 3 9 6 2 1号公報には、 薬物を薬物保持層に乾 燥状態で保持し、 適用時に含水ゲルや水密封カプセル等の水和手段によ つて薬物保持層を水和させ、 薬物を溶解して活性化する用時溶解型製剤 が開示されている。 この製剤は、 水分に不安定な薬物には非常に適した 製剤であるが、 構造が複雑なため量産化には程遠いと考えられており、 構造的にも、 水和手段から薬物貯蔵層への液漏れが懸念され、 保管時の 品質保証に問題があった。
また、 一方で、 水溶性高分子等の親水性ゲル基剤に薬物を予め配合し たハイド口ゲル製剤が開発されている。 特開昭 6 3— 9 2 3 6 0号公報 及び特公平 2 - 1 7 1 8 7公報に開示されているように、 従来より、 マ トリックス型のイオントフォレーシス製剤用ハイ ドロゲル組成物として は、 寒天等の天然系高分子物質やポリビニルアルコール等の非イオン性 合成高分子物質を用いたゲル組成物が知られている。 しかし、 このよう な組成物は、 粘着力がなく、 経時的に離水が発生するなどの問題であつ た。
そのため、 このような問題の解決を念頭に、 パップ剤で繁用されてい るポリアクリル酸系のイオン系合成高分子を基剤に用いた化学架橋型の ゲル組成が検討されてきた。
例えば、 特願平 1 0— 3 3 5 6 0 2号公報には、 塩基性薬物のイオン トフォレーシス製剤用ハイド口ゲル組成物として、 ポリアクリル酸ゃメ トキシエチレン無水マレイン酸共重合体等の酸性高分子物質、 多価アル コール、 ゼラチンを配合し、 多官能エポキシ化合物で架橋させる組成物 が開示されている。 このゲル組成物は、 ゲル保形性が強固で粘着力が非 常に高いものである。 また、 酸性高分子物質自体がイオン性官能基を有 することから、 p H緩衝剤を別途加えなくても p H設定が可能であり、 p H緩衝剤等の競合による薬物吸収性の低下を懸念する必要もないとい う利点を有していた。
しかし、 ァニオン性のイオン性合成高分子物質は、 イオン性薬物ゃ電 解質を配合した場合に、 製剤の粘度が急激に低下して、 液状又は垢状と なり、 十分な保形性のあるゲル体が得られないことが知られていた。 そ のため、 十分なゲル物性を得るには、 イオン性薬物の配合を少なくする 力 イオン性合成高分子を高濃度に配合する必要があつたが、 何れの場 合も、 薬物の放出量が低下してしまう問題があった。 特に、 イオン性合 成高分子物質の高濃度配合については、 イオン性合成高分子自身が導電 性である点と、 イオン性合成高分子物質がゲル中の自由水量を減少させ ることから、 薬物の輸率の低下とゲル中での薬物の拡散抵抗の増加をも たらし、 イオントフォレーシスによる薬物投与において、 薬物吸収性が 極端に低下することが明らかになつている。 このような点から、 イオン 性合成高分子物質はゲル物性と薬物吸収性の面で相反する効果を有する ため、 イオントフォレ一シス用ゲル基剤としては、 注意を要するもので あった。
そこで、 ゲル物性と薬物吸収性の両方の向上を目的として、 ポリアク リル酸系高分子物質にノニオン性官能基を導入した基剤が検討されてい る。 例えば、 アクリル酸とアクリルアミド共重合体を基剤としたゲル組 成が特開平 5— 9 7 6 6 2号公報に、 ァクリル酸ナトリゥムと N—ビニ ルァセトアミド共重合体を基剤としたゲル組成が特開平 1 0— 3 1 6 5 9 0号公報に開示されている。 これらの基剤は、 ァニオン性官能基が少 ないことから、 薬物との競合を抑制でき、 その結果、 薬物吸収性の減少 を極力少なくできる。 また、 イオン成分の配合によるゲル粘度の低下も 少なく、 安定したゲル物性を得ることができる。
しかし、 十分なゲル体を形成するには、 架橋点となるイオン性官能基 が少なく、 高濃度の配合が必要であり、 コスト面で経済的とは言えなか つた。 また、 そのような基剤には、 チキソトロピックな非ニュートン流 動の特性があるため、 高濃度配合時に製造面でのハードルが高くなると いう問題もあった。 特に、 ゲルの充填を念頭においた製剤では、 そのよ うな組成の採用は困難である。 また、 イオン性合成高分子に比べるとゲ ル中の p H緩衝能が小さいため、 加水分解等による p H変動を十分に抑 制できない。 その結果、 加水分解等で安定性に問題がある化合物では、 十分な安定性を確保でない可能性が大きい。
即ち、 従来のイオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物は以下のよ うな問題点を有していた。
1 ) 非イオン系合成高分子物質又は天然系高分子物質をべ一ス基剤と したゲル組成物では、 粘着力がない上に、 経時での離水発生が認められ る。
2 ) イオン性合成高分子物質をベース基剤としたゲル組成物では、 ィ オン性薬物や電解質を配合した場合に、 製剤の粘度が急激に低下し、 同 時にゲル物性も低下する。 従って、 十分なゲル物性を得るには、 イオン
性成分の配合量の制限やイオン性合成高分子物質の高濃度配合が必要と なる。
3 ) イオン性合成高分子物質は、 導電性高分子物質であり、 ゲル中の 自由水量を減少させるため、 イオントフォレ一シスによる薬物投与にお いて、 高濃度配合時に薬物吸収性が極端に低下する。
4 ) ノニオン性官能基を導入した弱イオン性合成高分子べ一ス基剤と したゲルでは、 高い薬物吸収性を持つゲル物性を得ることができる。 し かし、 架橋点が少ないため、 十分なゲル体を形成するには高濃度の配合 が必要である上、 特有のチキソトロピックな非二ユートン流動性から製 造上の問題がある。
5 ) 非イオン性合成高分子物質及び弱イオン性合成高分子物質をべ一 ス基剤としたゲルでは、 解離型官能基が少ないため、 p H緩衝能が小さ い。 従って、 加水分解等で安定性に問題がある化合物では、 十分な安定 性を確保でない。
このように、 薬物吸収性、 薬物安定性、 ゲル保形性、 ゲル粘着性の全 てにおいて優れ、 しかも量産可能なイオントフォレーシス製剤用粘着ゲ ル組成物及びその製造方法は、 未だ得られていないのが現状である。 本発明の目的は、 上記の従来技術の問題点を解決するためになされた ものであり、 薬物吸収性、 薬物安定性、 ゲル保形性、 ゲル粘着性の全て において優れ、 しかも、 製造時の調合及び充填が容易で、 安価な製造が 可能な経皮又は経粘膜適用のイオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成 物とその製造方法を提供することを目的とする。 発明の開示
本発明者らは、 上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、 イオン 性合成高分子物質、 非イオン性合成高分子物質、 天然系高分子物質、 多
価アルコール類、 架橋剤及び薬物を含むことを特徴とするイオントフォ レーシス製剤用粘着ゲル組成物、 及び窒素置換及びノ又は真空練合によ るゲル中の溶存酸素を積極的に除去することを特徴とする前記イオント フォレーシス製剤用粘着ゲル組成物の製造方法が、 上記の目的を達成し 得ることを見出し、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明は、 イオン性合成高分子物質、 非イオン性合成高分 子物質、 天然系高分子物質、 多価アルコール類、 架橋剤及び薬物を含む ことを特徴とする、イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物である。 本発明はまた、 イオン性合成高分子物質の配合量が 0 . 1〜 3 . 0重 量%であり、 非イオン性合成高分子物質の配合量が 0 . 5〜 3 0 . 0重 量%であり、 天然系高分子物質の配合量が 0 . 5〜 1 0 . 0重量%であ り、 多価アルコール類の配合量が 1 . 0〜 6 0 . 0重量%であることを 特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物である。 本発明はまた、 イオン性合成高分子物質 (A)、 非イオン性合成高分子 物質 (B ) 及び天然系高分子物質 (C ) の配合組成 (重量) が、
( B + C ) /A≥ 1 . 5、 且つ 又は、 A + B + C≥ 7重量%
であることを特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成 物である。
本発明はまた、 イオン性合成高分子物質が、 少なくともァニオン性官 能基を有する重合性不飽和単量体を重合して得られるものであることを 特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物である。 本発明はまた、 イオン性合成高分子物質が、 ポリアクリル酸、 ポリア クリル酸部分中和物、 ポリアクリル酸完全中和物、 メトキシエチレン無 水マレイン酸共重合体、 メトキシエチレンマレイン酸共重合体、 イソブ チレン無水マレイン酸共重合体、 イソブチレンマレイン酸共重合体及び カルポキシビニルポリマ一からなる群から選ばれる 1種又は 2種以上で
あることを特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物 である。
本発明はまた、非イオン性合成高分子物質が、ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ドン及びポリエチレンォキサイドからなる群から選ば れる 1種又は 2種以上であることを特徴とする前記イオントフォレーシ ス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、 天然系高分子物質が、 ゼラチン、 カラギーナン、 ロー カストビンガム、 デキストリン、 カルボキシメチルセルロース及びその 金属塩からなる群から選ばれる 1種又は 2種以上であることを特徴とす る前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、 多価アルコール類が、 グリセリン、 ポリエチレンダリ コール、 プロピレングリコール、 D —ソルビトール、 キシリ トール、 マ ンニトール及びエリスリ トールからなる群から選ばれる 1種又は 2種以 上であることを特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組 成物である。
本発明はまた、 架橋剤が、 多価金属化合物、 多官能エポキシ化合物及 びホウ酸系化合物からなる群から選ばれる 1種又は 2種以上であること を特徴とする前記イオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物である。 本発明はまた、 薬物が、 イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物 中において陰イオンを形成し、 イオントフォレーシス製剤の陰極側から の投与が可能であるものであることを特徴とする前記イオントフォレー シス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、 薬物が、 水溶性ステロイドホルモンであることを特徴 とする前記イオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、 水溶液ステロイドホルモンが、 リン酸デキサメタゾン ナトリウム、 酢酸デキサメタゾンナトリウム、 メタスルホン安息香酸デ
キサメ夕ゾンナトリウム、 コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、 リン 酸ヒドロコルチゾンナトリゥム、 コ八ク酸プレドニゾロンナトリゥム及 びリン酸べ夕メタゾンナトリゥムから選ばれる 1種又は 2種以上である ことを特徴とする前記イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物であ る。
本発明はまた、 p Hが、 4〜 9の範囲であることを特徴とする前記ィ オン卜フォレーシス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、各成分の添加及び練合時の窒素置換及び/又は真空練合 により、 ゲル中の溶存酸素が積極的に除去されたものであることを特徴 とする前記イオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物である。
本発明はまた、イオン性合成高分子物質、非イオン性合成高分子物質、 天然系高分子物質、 多価アルコール類、 架橋剤及び薬物を含む成分の混 合及び練合時において、 窒素置換及びノ又は真空練合を実施して、 ゲル 中の溶存酸素を積極的に除去することを特徴とするイオントフォレ一シ ス製剤用粘着ゲル組成物の製造方法である。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明のイオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物の薬効 試験の結果を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について、 好適な実施形態を挙げて詳細に説明する。 本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において使用さ れるイオン性合成高分子物質は、 親水性基剤で、 解離型官能基を有する ものであれば特に限定されないが、 ァニオン性官能基を有する重合性不 飽和単量体を重合して得られるものであることが望ましい。 例えば、 ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸完全中和物、 メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、 メトキシエチレンマレイン 酸共重合体、 イソブチレン無水マレイン酸共重合体、 イソブチレンマレ イン酸共重合体、 力ルポキシビ二ルポリマー、 ポリアクリルアミド、 ポ リアクリルアミ ド誘導体、 N—ビニルァセトアミ ド、 N—ビニルァセト アミド並びにアクリル酸及び/アクリル酸塩との共重合体等が好ましい 例として挙げられる。 また、 これらの中でも、 ポリアクリル酸、 ポリア クリル酸部分中和物、 ポリアクリル酸完全中和物、 メトキシエチレン無 水マレイン酸共重合体、 メトキシエチレンマレイン酸共重合体、 イソブ チレン無水マレイン酸共重合体、 イソプチレンマレイン酸共重合体、 力 ルポキシビニルポリマーは特に好ましい。 イオン性合成高分子物質は、 これらの 1種または 2種以上が適宜組み合わせて用いられる。
尚、 上記の解離型官能基には、 総合的観点から、 一 C O O H、 - C O O X ( X :対イオン) でカルボキシル基が少なくとも一つは含まれるこ とが望ましい。
このようなイオン性合成高分子物質は、 帯電した官能基が高分子骨格 に付加した状態で存在するため、 一般の無機系電解質に比べると輸率が 非常に小さく、薬物との競合を抑制できるというメリットがある。また、 組み合わせによって、 p H設定が可能となると同時に、 強力な p H緩衝 能を形成できるため、 イオン性合成高分子物質の使用は、 加水分解等で 安定性が低下する薬物にとって好適である。 また、 p H調整時に、 電解 質を積極的に添加する必要がないので、 薬物吸収性の低下防止にも貢献 できる。
尚、 イオン性合成高分子物質の配合量は、 イオントフォレーシス製剤 用粘着ゲル組成物中、 0 . 1〜 3 . 0重量%であることが好ましく、 よ り好ましくは 1 . 5〜2 . 5重量%である。 配合量が 0 . 1重量%未満
となると、 十分なゲル保形力及び p H緩衝能を形成できなくなるのに対 して、 3 . 0重量%を超えると、 イオン性合成高分子による薬物の輸率 の低下とゲル中の拡散抵抗の増加により、 薬物吸収性が極端に低下する ので好ましくない。
本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において使用さ れる非イオン性合成高分子物質は、 親水性で非イオン性の合成高分子物 質であれば、 特に限定されないが、 例えば、 ポリビニルアルコール、 ポ リビニルホルマール、 ポリビニルメチルエーテル、 ポリビニルメタァク リレート、 ポリビニルピロリ ドン ポリビニルピロリ ドン · ビニルァセ テ一ト共重合体、 ポリエチレンオキサイド、 ポリプロピレンオキサイド 等の合成高分子物質が挙げられ、 中でもポリビニルアルコール、 ポリビ ニルピロリ ドン、 ポリエチレンオキサイドが好ましい。 これらは、 1種 又は 2種以上が適宜組み合わせて使用される。
このような非イオン性合成高分子物質の配合量は、 イオントフォレー シス製剤用粘着ゲル組成物において、 0 . 5〜 3 0 . 0重量%であるこ とが好ましく、 より好ましくは 3 . 0〜 2 0 . 0重量%である。 配合量 が 0 . 5重量%未満となると、 十分な保形性と粘着性が発揮されないの に対して、 3 0 . 0重量%を超えると、 増粘による製造面での取り扱い 性及び充填性が低下するので好ましくない。
本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において使用さ れる天然系高分子物質は、 完全な天然由来の高分子物質でも、 意図的に 誘導体化した半合成高分子物質のいずれでもよく、 他の成分との相溶性 に問題がなければ、 特に限定されない。 このような天然系高分子物質と しては、例えば、 アラビアガム、 トラガントガム、 ローカストビンガム、 グァーガム、 エコーガム、 カラャガム、 寒天、 デンプン、 カラギーナン、 アルギン酸及びその金属塩、 アルギン酸プロピレングリコール、 デキス
トラン、 デキストリン、 アミロース、 ゼラチン、 コラーゲン、 プルラン、 ぺクチン、 アミ口べクチン、 スターチ、 キチン、 キトサン、 アルブミン、 カゼィン、メチルセルロース、ェチルセルロース、プロピルセルロース、 ェチルメチルセルロース、 ヒドロキシメチルセルロース、 ヒドロキシェ チルセルロース、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース、 力ルポキシメ チルセルロース及びその金属塩、 ヒドロキシプロピルスターチ、 デンプ ン-アクリル酸グラフト重合体が挙げられ、これらの中でもカラギ一ナン、 ゼラチン、 ローカストビンガム、 デキストリン、 カルポキシメチルセル ロース及びその金属塩が好ましい。 これらの天然系高分子物質は、 1種 または 2種以上が適宜組み合わせて使用される。
このような天然系高分子物質の配合量は、 イオントフォレーシス製剤 用粘着ゲル組成物において、 0. 5〜 1 0. 0重量%が好ましく、 より 好ましくは 2. 0〜6. 5重量%である。 配合量が 0. 5重量%未満と なると、 他の成分との競合によって十分なゲル化能を発揮できなくなる のに対して、 1 0. 0重量%を超えると、 ゲル物性は良好になるが、 増 粘による製造面での取り扱い性が低下するので、 好ましくない。
尚、 本発明のゲル組成物において、 前記イオン性合成高分子と前記非 イオン性合成高分子と天然系高分子の配合比は、 前記イオン性合成高分 子 (A) 0. 1〜 3. 0重量%、 非イオン性高分子 (B) 0. 5〜 3 0. 0重量%及び天然系高分子 (C) 0. 5〜 1 0. 0重量%の範囲内で、 (B + C) /A≥ 1. 5、 且つ Z又は、 A + B + C≥ 7重量%
であることが好ましく、 より好ましくは
(B + C) /A≥2. 5、 且つ/又は、 A + B + C≥ 9重量
である。 上記配合量が (B + C) ZA< 1. 5又は A + B + C<7重量 となると、 十分なゲル保形性が得られないばかりか、 浸み出しが発生す るので、 好ましくない。
本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において使用さ れる多価アルコール類は、 他の成分との相溶性に問題がなければ、 特に 限定されないが、 グリセリン、 エチレングリコール、 ジエチレンダルコ —ル、 トリエチレングリコール、 ポリエチレングリコール、 プロピレン グリコール、 ポリプロピレングリコール等のグリコ一ル類、 1, 3—プ 口パンジオール、 1, 4—ブタンジオール等のジォ一ル類、 D—ソルピ トール、 キシリ トール、 マンニトール、 エリスリ トール等の糖アルコ一 ル類が好ましいとして挙げられ、 中でもグリセリン、 ポリエチレンダリ コール、 プロピレングリコール、 D—ソルビトール、 キシリ ト一ル、 マ ンニトール、 エリスリ トールは好ましく、 グリセリンと D—ソルビト一 ルの組み合わせは特に好ましい。 これらの多価アルコール類は、 1種又 は 2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。 これらの多価ァ ルコール類は、 上記高分子物質の可塑剤として作用する以外に、 水分の 保湿効果及びゲル形成を促進する賦形剤としての効果も持ち合わせるも のである。
多価アルコールの配合量は、 イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組 成物において、 1 . 0〜6 0 . 0重量%が好ましく、 より好ましくは 5 .
0〜4 0 . 0重量%である。 その配合量が 1 . 0重量%未満となると、 十分な凝集力が得られないばかりか、 含有する水が揮散し、 十分な皮膚 接着性が得られなくなる恐れがあるのに対し、 6 0 . 0重量%を超える と、 ゲル強度が高くなり過ぎるため、 粘着力低下と液の浸み出しが発生 するので、 好ましくない。
本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において使用さ れる架橋剤は、 特に限定されないが、 例えば、 多官能エポキシ化合物、 多価金属化合物、 ホウ酸系化合物が好ましい例として挙げられる。 これ らは、 1種又は 2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。 架橋
剤の好ましい組み合わせの例としては、 非イオン系合成高分子物質及び 天然系高分子物質の配合量が多い組成物においては、 多価金属化合物と ホウ酸系化合物の組み合わせ、 イオン性合成高分子物質の配合量が多い 基剤では、 多官能エポキシ化合物と多価金属化合物の組み合わせ等が挙 げられる。
多官能エポキシ化合物としては、 ソルビトールポリダリシジルエーテ ル、 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、 ジグリセロールポリグ リシジルエーテル、 グリセロールポリグリシジルエーテル、 エチレング リコールジグリシジルエーテル、 ポリエチレングリコールジグリシジル エーテル、 ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が好まし い例として挙げられる。
多官能エポキシ化合物を用いる場合の配合量は、 イオントフォレーシ ス製剤用粘着ゲル組成物の全重量に対して、 0 . 0 1〜 2 . 0重量%で あることが好ましい。 上記の配合量が、 0 . 0 1重量%未満となると、 ゲル成形性が得られないのに対し、 2重量%を超えると、 過度の架橋が 進行し、 ゲル粘着性が低下するので、 好ましくない。
多価金属化合物としては、 アルミニウム化合物が好ましく、 水酸化ァ ルミニゥムゲル、 水酸化アルミニウム、 塩化アルミニウム、 硫酸アルミ 二ゥム、 メタケイ酸マグネシウム、 ジヒロドキシアルミニウムアミノア セテート、 カオリン、 ステアリン酸アルミニウム、 メタケイ酸アルミン 酸マグネシウム、 合成ヒドロタルサイト、 硫酸アルミニウムカリウム、 合成ゲイ酸アルミニウム、 メタケイ酸アルミニウム、 ケィ酸マグネシゥ ム、 塩基性酢酸アルミニウム等が好ましい例として挙げられる。
多価金属化合物を用いる場合の配合量は、 本発明のイオントフォレー シス製剤用粘着ゲル組成物の全重量に対して、 0 . 0 1〜 5 . 0重量% が好ましく、 より好ましくは 0 . 3〜 3 . 0重量%である。 上記配合量
が 0 . 0 1重量%未満となると、 他の成分との競合により十分なゲル化 能を発揮できなくなるのに対して、 5 . 0重量%を超えると、 架橋剤に よる薬物の吸着が増加し、 薬物吸収性を低下する傾向があるので、 好ま しくない。
ホウ酸系化合物としては、 非イオン系合成高分子物質や天然系高分子 物質の架橋剤として好適に使用されるホウ酸、 ホウ酸アンモニゥム、 ホ ゥ酸カルシウム、 メタホウ酸ナトリウム、 四ホウ酸ナトリウムが挙げら れる。
ホウ酸系化合物を用いる場合の配合量は、 本発明のイオントフォレー シス製剤用粘着ゲル組成物の全重量に対して、 0 . 0 1〜 1 0重量%が 好ましく、 より好ましくは 0 . 2〜 2 . 0重量%である。 上記の配合量 が 0 . 0 1重量%未満となると、 成型性のあるゲル体が得られず、 1 0 重量%を超えると、 過度の架橋による多価アルコールや水等の液体成分 のゲル表面からの浸み出しが発生するため、 好ましくない。
また、 本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物には、 金 属系化合物の硬化を調整する硬化調整剤を配合することができる。 この ような硬化調整剤としては、 乳酸、 酒石酸、 クェン酸等の有機酸や、 ェ デト酸ニナトリゥム等のキレ一ト化合物を利用することができる。 硬化 調整剤を配合する場合の配合量は、 薬物との競合を考慮し、 イオントフ ォレーシス投与時の薬物吸収性を低下させない程度とすることが好まし い。
本発明のイオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物において配合さ れる水は、 皮膚角質層の膨潤、 刺激性の緩和及び投与薬物の溶解と透過 のために、 イオントフォレーシス投与では非常に重要な成分である。 水の配合量は、 イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物の全体の 重量に対して、 1 0〜 8 0重量%とすることが好ましく、 より好ましく
は 3 0〜 6 0重量%である。 配合量が 1 0重量%未満となると、 組成物 中の水溶性薬物の溶解性が低下して、 結晶が析出したり、 組成物中の自 由水量が低下して、 拡散抵抗の増加が発生し、 結果的に薬物吸収量が低 下してしまうので、 好ましくない。 一方、 配合量が 8 0重量%を超える と、 十分なゲル体を形成するのが困難になるばかりか、 水揮散性が高く なり、 保管時 び投与時の品質保証が困難になるので、 好ましくない。 本発明の粘着ゲル組成物に含有される薬物は、 粘着ゲル組成物に溶解 し、 陽イオン又は陰イオンに解離するものであれば、 あらゆる治療分野 における薬物が使用可能であり、特に分子量 I X 1 0 2〜1 X 1 0 6の生理 活性物質を広く用いることができる。
本発明において用いることができる薬物の例としては、 例えば、 抗ァ レルギ一剤、 麻酔剤、 鎮痛剤、 抗喘息薬、 抗痙攣薬、 抗腫瘍薬、 解熱薬、 抗不整脈薬、 降圧薬、利尿薬、 血管拡張薬、 制吐薬、 中枢神経系興奮薬、 診断薬、 ホルモン剤、 抗炎症薬、 抗うつ薬、 抗精神病薬、 免疫抑制薬、 筋弛緩薬、 抗ウィルス薬、 抗生物質、 抗血栓形成薬、 骨吸収抑制剤、 骨 形成促進剤などが挙げられるが、 これらに限定されるものではない。 こ れらは 1種又は 2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。 陽イオンに解離しうる種々の薬物の例としては、 バカンピシリン、 ス セフメノキシム、セフエチイアム、 ドキシサイクリン、ミノサイクリン、 テトラサイクリン、 エリスロマイシン、 ロキタマイシン、 アミカシン、 アルべカシン、 ァストロマイシン、 ジべカシン、 ゲン夕マイシン、 イセ パマイシン、 カナマイシン、 ミクロノマシイン、 シソマイシン、 ストレ プトマイシン、 トブラマイシン、 エタンプトール、 イソニァシド、 フル コナゾール、 フルシトシン、 ミコナゾール、 ァシクロビル、 クロラムフ ェニコ一ル、 クリンダマイシン、 ホスホマイシン、 バンコマイシン、 ァ
クラルビシン、 ブレオマイシン、 シ夕ラビン、 ダカルバジン、 ニムスチ ン、 ぺプロマイシン、 プロカルバジン、 ビンブラスチン、 ビンクリスチ ン、 ビンデシン、 カルシトニン類、 パ夕チドライ ドホルモン (P T H )、 顆粒球コロニー形成刺激因子 (G— C S F )、 メカセルミン、 ァリメマジ ン、 クロルフエ二ラム、 クレマスチン、 メキ夕ジン、 ァゼラスチン、 ケ トチフェン、ォキサトミ ド、メチルメチォニンスルホニゥムクロライ ド、 コルヒチン、 力モスタッ ド、 ガべキサート、 ナファモス夕ッ ト、 ミゾリ ビン、 ピロキシカム、 プログルメ夕シン、 ェモルファゾン、チアラミ ド、 ブプレノルフィン、 エルゴタミン、 フエナセチン、 リルマザホン、 トリ ァゾラム、 ゾピクロン、 ニトラゼパム、 クロナゼパム、 アマン夕ジン、 プロモクリプチン、 クロルプロマジン、 スルトプリ ド、 クロルジァゼポ キシド、 クロキサゾラム、 ジァゼパム、 ェチゾラム、 ォキサゾラム、 ァ ミ トリプチリン、 イミブラミン、 ノルトリプチリン、 セチプチリン、 チ クロビジン、 アト口ピン、 臭化パンクロ二ゥム、 チザニジン、 臭化ピリ ドスチグミン、 ドブ夕ミン、 ドパミン、 ベニジピン、 ジルチアゼム、 二 カルジピン、 ベラパミル、 ァセプトロール、 ァテノロール、 カルテオ口 —ル、 メトピロロール、 二プラジロール、 ピンドロ一ル、 プロプラノロ —ル、 ジピリダモール、 ニコランジル、 トラジピル、 アジマリン、 ァプ リンジン、 ジベンゾリン、 ジソビラミ ド、 フレカイニド、 イソプレナリ ン、 リ ドカイン、 メキシレチン、 プロ力イン、 プロ力インアミ ド、 テト ラカイン、 シブカイン、 プロパフェノン、 キニジン、 ヒドロクロ口チア ジド、 トリクロ口チアジド、 トリパミ ド、 ァゾセミ ド、 ァモスラロール、 ブドララジン、 ブナゾシン、 力ドララジン、 クロ二ジン、 デラプリル、 ェナラプリル、 グァネチジン、 ヒドララジン、 ラベ夕ロール、 プラゾシ ン、 レセルピン、 テラゾシン、 ゥラジピル、 ニコモール、 ェピネフリン、 ェチレフリン、 ミ ドドリン、 パパべリン、 クレンプテロール、 フエノテ
ロール、 マブテロール、 プロ力テロール、 サルブタモール、 テルブタリ ン、 ッロブテロール、 チぺプジン、 アンブロキソ一ル、 ブロムへキシン、 シメチジン、 ファモチジン、 ラニチジン、 口キサチジンァセ夕一ト、 ベ ネキサート、 オメプラール、 ピレンゼピン、 スルピリ ド、 シサプリ ド、 ドンペリ ドン、 メトクロブラミ ド、 トリメブチン、 コディン、 モルヒネ、 フェン夕ニル、 ペチジン、 ォキシブチン、 リ トドリン、 トロジリン及び それらの塩が挙げられるが、 これらに限定されるものではない。
陰イオンに解離しうる種々の薬物の例としては、 ァモキシシリン、 ァ ンピシリン、 ァスポキシシリン、 ベンジルペニシリン、 メチシリン、 ピ ぺラシリン、 スルベニシリン、 チカルシリン、 セファクロル、 セフエド ロキシル、 セフエレキシン、 セファ トリジン、 セフィキシム、 セフラジ ン、 セフロキサジン、 セファマンド一ル、 セファゾリン、 セフメ夕ゾ一 ル、 セフミノクス、 セファペラゾン、 セフォタキシム、 セフオタテン、 セフォキシチン、 セフビラミ ド、 セフスロジン、 セフタジジム、 セフチ ゾキシム、 セフトリアキソン、 セフゾナム、 ァズトレオナム、 カルモナ ム、 フロモキセフ、 ィメぺネム、 ラタモキセフ、 シプロフロキサシン、 エノキサシン、 ナリジクス酸、 ノルフロキサシン、 オフロキサシン、 ビ ダラゾン、 フルォロウラシル、 メ トトレキサート、 レポチロキシン、 リ ォチロニン、 アンレキサノクス、 クロモグリク酸、 トラニラスト、 ダリ クラジド、ィンシュリン類、プロスタグランジン類、ベンズブロマロン、 カルバゾクロム、 トラネキサム酸、 アルコロフエナック、 アスピリン、 ジクロフエナク、 イブプロフェン、 インドメ夕シン、 ケトプロフェン、 メフエナム酸、 スリンダク、 チアプロフェン酸、 トルメチン、 スルピリ ン、 口ベンザリッ ト、 ぺニシラミン、 ァモバルビタール、 ペントバルビ タール、 フエノバルビタール、 チォペンタール、 フエ二トレン、 バルブ 口酸、 ドロキシドパ、 ァセ夕ゾラミ ド、 ブメ夕ニド、 カンレン酸、 エタ
クリン酸、 ァラセプリル、 カプトプリル、 リシノブリル、 メチルドパ、 クロフイラブラート、 プラバス夕チン、 プロブコール、 アルプロスタジ ル、 アミノフィリン、 テオフィリン、 力ルポシスティン、 リン酸デキサ メタゾン、酢酸デキサメタゾン、メタスルホン安息香酸デキサメタゾン、 コハク酸ヒドロコルチゾン、 リン酸ヒドロコルチゾン、 コハク酸プレド ニゾロン、 リン酸べタメタゾン及びそれらの塩が挙げられるが、 これら に限定されるものではない。
これらの薬物の中でも、 イオントフォレ一シス製剤用粘着ゲル組成物 中において陰イオンを形成し、 イオントフォレ一シス製剤の陰極側から の投与が可能であるものが好ましく、 水溶性ステロイド化合物、 特に、 リン酸デキサメタゾン、 酢酸デキサメタゾン、 メタスルホン安息香酸デ キサメ夕ゾン、 コハク酸ヒドロコルチゾン、 リン酸ヒドロコルチゾン、 コハク酸プレドニゾロン、 リン酸べ夕メタゾン及びそれらの塩は好まし い例として挙げられる。
このように、 イオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物中において 陰イオンを形成し、 イオントフォレーシス製剤の陰極側からの投与が可 能であるものが好ましいのは、 陰イオンとゲル組成物中のイオン性合成 高分子物質との静電的相互作用において、 ァニオン性官能基を有するィ オン性合成高分子物質が、 カチオン性官能基を有するイオン性合成高分 子物質より相互作用が小さい点と、 陰極側からの薬物投与で薬物吸収性 を低下させる皮膚側から製剤側への水の移動(c o n v e c t i v e f l o w) をゲルが抑制できる点からである。
尚、 本発明の粘着ゲル組成物を用いると、 加水分解や酸化分解により 薬物安定性の維持が非常に難しい薬物でも、 安定して配合することがで きる。 本発明の粘着ゲル組成物は、 成分の種類を適宜組み合わせること により、 p Hを自由に設定することが可能である上、 強力な p H緩衝能
を形成することができるため、 加水分解等による P H変動を抑制でき、 分解速度を小さくすることができるからである。
さらに、 後記する本発明の製造方法によれば、 窒素処理及び真空下で 調合することができるため、 ゲル中の溶存酸素を大幅に削減でき、 酸化 分解速度を小さくすることが可能である。 そのため、 従来の技術では親 水性基剤に配合できなかった薬物の使用も可能である。
尚、 本発明の粘着ゲル組成物の P Hは、 薬物の安定性及び投与電極に よって異なるため、 限定されないが、 薬物安定性や皮膚への安全性及び ゲル物性を考慮すると、 4〜 9の範囲内であることが好ましい。
例えば、 リン酸デキサメタゾンナトリウムを投与する場合には、 加水 分解を抑制するという観点と、 陰イオンの陰極側投与であることを考慮 して、 p Hを弱アルカリ性側 7〜 9に設定することが好ましい。 また、 リ ドカインとェピネフリンの混合系で投与する場合には、 ェピネフリン の酸化分解の抑制という観点と陽ィォンの陽極側投与であることを考慮 して、 p Hを酸性側 4〜 6に設定することが好ましい。 尚、 p Hの調整 は、 粘着ゲル組成物の成分である高分子物質の種類を選択することによ り実施することができるので、 薬物の輸率を低下させる電解質は、 積極 的には添加しないことが好ましい。
本発明の粘着ゲル組成物は、さらに、必要に応じて安定化剤、防腐剤、 吸収促進剤、 p H調整剤等を配合することも可能である。
次に、 本発明の粘着ゲル組成物の製造方法の例について説明するが、 本発明の粘着ゲル組成物の製造方法は、 この方法に限定されるものでは ない。
本発明の粘着ゲル組成物の製造においては、 各成分の添加及び練合時 に、窒素置換及び/又は真空練合を実施することが望ましい。すなわち、 真空練合機を用いて、 窒素置換後に真空操作を実施し、 ゲル中の溶存酸
素を極力削減した状態で実施することが好ましい。 また、 前処理した成 分の練合機への添加は、 釜中の気密性を維持するために、 ホッパーを用 いて添加することが好ましいが、 やむを得ず釜を開ける場合には、 窒素 置換後に再度真空操作を実施し、 釜中の酸素濃度を抑制することが好ま しい。 また、 調製中の釜内の真空度は、 加熱温度によって異なるため、 適宜設定することが望ましいが、 内容物の膨張と攪拌効率を考慮して決 定することが好ましい。 例えば、 加熱温度が 6 0 °C以下の場合には、 真 空度を— 0 . 0 8 M p a以下に設定することができる。
本発明のイオントフォレーシス製剤用粘着ゲル組成物の調製手順につ いては、 特に限定されないが、 発泡性の高い添加剤から順次添加し、 ゲ ル中に泡が混入しないようにすることが好ましい。
好ましい調製方法の一例を挙げると、 例えば、 溶解時に発泡が見られ る天然系高分子物質は、界面活性剤を添加し、水に予め加熱溶解させる。 また、 非イオン性合成高分子物質は、 多価アルコール類に分散させる。 得られた両調製品を、 真空練合機で脱泡を行いながら、 練合させる。 次 に、 これに、 イオン性合成高分子物質、 防腐剤を多価アルコール類に分 散させた前処理品と薬物を順次添加し、 均一に溶解させる。 最後に、 多 価金属化合物や多官能エポキシ化合物等の架橋剤を溶媒に分散又は溶解 させた状態で添加し、 均一になるまで練合することにより、 本発明の粘 着ゲル組成物を得ることができる。
上記の本発明の粘着ゲル組成物は、 支持体の展膏面に予め導電性べ一 ストを印刷して形成された電極上に展膏するか、 又は一旦剥離処理を施 したフィルムや成型カップに粘着ゲル組成物を展膏又は充填した後に電 極に転写圧着して、 イオントフォレ一シス用電極を得ることができる。
(実施例)
以下、 実施例、 試験例を挙げて、 本発明をより詳細に説明するが、 本
発明はこれらに限定されるものでない。 尚、 以下において 「部」 とは、 「重量部」 を意味するものとする。
実施例 1〜 3 1において使用される各成分の配合量は、 表 1〜 8に示 す通りであり、 比較例 1〜 1 1において使用される各成分の配合量は、 表 9〜; L 0に示す通りである。
(実施例 1 )
水 5 1 . 5 5部にポリビニルアルコール (完全けん化物:クラレ社製) 7 . 5部及びカラギーナン 2 . 5部を添加し、 加熱溶解させた。 別に、 ポリビニルピロリドン (K— 9 0 : I S P社製) 7 . 5部、 ポリアクリ ル酸ナトリウム (F— 4 8 0 s s :昭和電工社製) 0 . 2 5部、 パラヒ ドロキシ安息香酸メチル 0 . 1 8部及びパラヒドロキシ安息香酸プロピ ル 0 . 0 2部を、 グリセリン 2 5部に分散させた。 両調製品を、 真空練 合機を用いて脱泡を行いながら練合した。
次に、 これに、 D —ソルビトール液 2 . 0部及びリン酸デキサメタゾ ンナトリウム 3 . 0部を添加し、 均一に溶解させた。 最後に、 四ホウ酸 ナトリウム 0 . 5部を添加し、 均一になるまで練合して、 本発明の粘着 ゲル組成物を得た。
尚、 本発明の粘着ゲル組成物の製造では、 前調製品の練合機への添加 は、 練合釜を開けて実施し、 開釜時には窒素置換後に真空操作を実施し た。
得られた粘着ゲル組成物を、 剥離処理したポリエステルテレフタレ一 ト製の凸型成型容器 (直径 2 4 mm、 深さ 1 . 5 mm) に 0 . 8 g充填 した後、 剥離処理したポリエステルテレフタレ一トフイルムの剥離面を 貼り合わせ、 本発明の粘着ゲル組成物を得た。
(実施例 2〜 3 )
実施例 1 と同一の製造方法により、 本発明の粘着ゲル組成物を得た。
(実施例 4)
水 34. 23部に、 ゼラチン 3. 0部、 D—ソルビトール液 5. 0部 及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール 0. 3部を添加し、 加熱 溶解させた。 別に、 ポリビニルアルコール (部分けん化物:クラレ社製) 2部及びポリエチレンォキサイド (c o a g u l a n t : ダウケミカル 社) 2部を、 グリセリン 1 7部に分散させた。 このようにして得られた 両調製品を、 真空練合機で脱泡を行いながら練合した。
次に、 これに、 ポリアクリル酸ナトリウム (F— 48 0 s s :昭和電 ェ社製) 1. 0部、 ポリアクリル酸部分中和物 (NP— 70 0 : 昭和電 ェ社製) 0. 5部、 パラヒドロキシ安息香酸メチル 0. 1 8部及びパラ ヒドロキシ安息香酸プロピル 0. 0 2部をグリセリン 1 0部に分散させ た調製品と、 リン酸デキサメ夕ゾンナトリゥム 3部及び 0—シクロデキ ストリン 3. 3部を水 1 5部に溶解させた調製品を、 順次添加し、 均一 に溶解させた。
最後に、 これに、 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0. 3 7部をグリセリ ン 3部に分散させた調製品とエチレングリコールジグリシジルエーテル 0. 1部を添加し、 均一になるまで練合して、 本発明の粘着ゲル組成物 を得た。
本発明の粘着ゲル組成物の製造では、 前調製品の練合機への添加は、 練合釜を開けて実施し、 開釜時には窒素置換後に真空操作を実施した。 得られた粘着ゲル組成物 0. 8 gを、 剥離処理したポリエステルテレ フタレート製の凸型成型容器 (直径 24mm, 深さ 1. 5mm) に充填 した後、 剥離処理したポリエステルテレフ夕レートフイルムの剥離面を 貼り合わせ、 本発明の粘着ゲル組成物を得た。
(実施例 5〜 2 5 )
実施例 4と同一の製造方法により、 本発明の粘着ゲル組成物を得た。
(実施例 2 6〜 2 8 )
薬物として、 リン酸べタメ夕ゾンナトリウムを使用し、 実施例 2 6は 実施例 1と同一の製造方法により、 実施例 2 7〜 2 8は実施例 4と同一 の製造方法によって、 本発明の粘着ゲル組成物を得た。
(実施例 2 9〜 3 1 )
薬物として、 塩酸リ ドカインを使用し、 実施例 2 9は実施例 1と同一 の製造方法により、 実施例 3 0〜 3 1は実施例 4と同一の製造方法で本 発明の粘着ゲル組成物を得た。
(比較例 1〜6 )
実施例 4と同一の製造方法により、 比較例 1〜6の組成物を得た。 (比較例 7 )
水 7 1部にポリビニルアルコール (完全けん化物:ュニチカ社製) 1 2部を添加し、 ォ一トクレーブで 1 2 0 °Cにおいて、 1 5分加熱溶解さ せた。 別に、 リン酸デキサメタゾンナトリウム 3部を水 1 4部に溶解さ せた。 このようにして得られた両調製品を、 均一になるまで練合した。 得られた粘着ゲル組成物を、 剥離処理したポリエステルテレフタレ一卜 製の凸型成型容器 (直径 2 4 mm、 深さ 1 . 5 mm) に 0 . 8 g充填し た後、 剥離処理したポリエステルテレフタレ一トフイルムの剥離面を貼 り合わせ、 一 8 0 °Cで凍結架橋させて、 粘着ゲル組成物を得た。
(比較例 8〜 9 )
水とグリセリンの混合液に、 ゲル化剤、 パラヒドロキシ安息香酸メチ ル及びパラヒドロキシ安息香酸プロピルを添加し、 6 0 °C前後で加熱溶 解させた。 別に、 リン酸デキサメタゾンナトリウムを水に溶解させた。 このようにして得られた両調製品を均一になるまで練合した。
得られた粘着ゲル組成物を、 剥離処理したポリエステルテレフタレー ト製の凸型成型容器(直径 2 4 mm、 深さ 1 . 5 mm)に 0 . 8 g充填し
た後、 剥離処理したポリエステルテレフ夕レートフイルムの剥離面を貼 り合わせ、 粘着ゲル組成物を得た。
(比較例 1 0 )
特開平 1 0— 3 1 6 5 9 0号公報に記載の実施例 3の製造方法により、 粘着ゲル組成物を得た。
(比較例 1 1 )
窒素置換及び真空処理を実施しないこと以外は、 実施例 4と同一の製 造方法により、 粘着ゲル組成物を得た。
(試験例 1:ゲル物性評価)
実施例 1 ~ 3 1及び比較例 1〜 1 1の粘着ゲル組成物について、 調製 直後に粘度を測定し、 室温において 1 4日放置し、 架橋進行がほぼ終了 した時点で、 ゲル物性評価及び官能評価を実施した。 実施例の結果を、 表 1〜 8に、 比較例 1〜 1 1の結果を表 9〜 1 0に示した。
また、 各粘着ゲル組成物におけるイオン性合成高分子物質 (A )、 非ィ オン性合成高分子物質 (B ) 及び天然系高分子物質 (C ) の配合組成 (重 量) の構成比についても、 同様に示した。
ゲル物性評価
< p H >
p Hメータ一 F— 1 5 (堀場製作所社製) を用いて、 平面型ガラス電 極によりゲル表面の p Hを測定した。 各試料について 3回測定を行い、 その平均値を算出して、 各試料の p H値とした。
ぐプローブタック >
デジタルカウンタ一付プローブタックテスター (理学工業社製) を用い て、 ベークライド製円筒型 ( 5 mm) プローブにより、 プローブタック を測定した。 測定条件は、 下記の内容とし、 各試料について 3回測定を行 つた。
引張速度: 1 0 mm/ s e c .
接触時間: 1 s e c . °
荷重 5 0 g (実荷重 30 g、 リング荷重 20 g)
<粘度 >
V i s c o t e s t e r VT- 04 (R I ON社製) を用いて、 調 製直後のゲル粘度を測定した。 尚、 測定時のゲル温度は、 成分によって 調合温度が異なるため統一できないが、 45°C〜6 0°Cの範囲で実施し た。
官能評価
官能評価の項目は、 皮膚付着性、 ベタツキ、 ゲル保形性、 ゲルからの 溶媒及び水の浸み出し、 カップ剥離性とした。 判定基準は以下の通りで ある。
<皮膚付着性 >
非常に良好な付着性:◎、 良好な付着性:〇、 弱い付着性:△、 全く付 着性無し : X
ぐベタツキ >
全く無し:◎、 気にならない程度:〇、 やや強めのベ夕ツキ感:△、 非 常に強いべ夕ツキ感: X
<ゲル保形性 >
高いゲル強度または高い形状記憶性があり、 変形しない :◎
多少ゲル強度が低く変形するが、 形状を維持する :〇
ゲル強度は弱く、 変形時に破断が一部あり :△
極弱い衝撃でも変形し、 完全に破断する : X
ぐ浸み出し >
全く無し :◎、 極弱いゥエツ卜感:〇、 少量の浸み出し : △、 多量の浸 みだし : X
ぐカップ剥離性 >
ゲル残り全く無し:◎、 極々微量のゲル残り :〇、 少量のゲル残り:△、 剥離できないか、 剥離時にゲル破壊有り : X
<:総合判定 >
非常に良好な物性で、 使用にまったく問題なし :◎、 良好な物性で、 使 用に問題なし :〇、 一部問題があるが、 使用可能:△、 使用不可: X
(表 1 )
(実施例 4 )
成 分 1 2 3 4 リン キサメダゾ: /^トリウム 3 3 3 3 リン酸べタメタゾ: /^トリウム
繊リド力イン
イオン性合 好 ポリアクリル酸ナトリウム 025 05 05 1
(A) ポリアクリル ¾SP分中 ¾1¾ 0.5 05
ポリアクリル酸
カルボキシビ二ルポリマー
メ シエチレン無冰マレイン敝重^!;
オン性合 fi®好 ポリビニルアルコール (部分けん it® 2 (B) ポリビニルアルコール (完全けん ¾¾ΰ 75 75 75
ポリビニルピロリドン 7.5 7.5 15
ポリエチレンオキサイド 2 ゼ^1ン 3
(C) カラ^^ン 25 25 15
シクロデキス卜リン a3 α—カス卜ビンガム
カルボキシメチルセルロース
^iffiT"ルコ一ル類 グリセリン 25 20 20 30
プロピレングリコ一ル
D—ソルビ ル液 (70%) 2 2 2 5 エリスリ! ^~ル
架翻 ¾ii2i ¾i匕アルミニウムゲル 0^7 0.37 0·37
エチレングリコ一ルジグリ ジルェ ル 0.1 尿素
合成ケィ ル 5 ^ゥム
メタケイ ggTJレ ン^^グ不ンゥム
四 ウ トリウム / 0.5 05 0.。
トリエタノールァミン
界面 S ^】 モノステアリン ¾? リエチレングリコ一ル 0·3 防赫 J メチルパラベン 0.18 0.18 0.18 0.18
プロピルパラベン αο2 002 0 2 0Ό2 接!^ 51.55 55.93 55.43 4023
A+B+C 17.75 18 1&5 11.8
A/(A+B+C) 1.41 2.78 5.41 12J1
(B C)/A 70.00 35Λ0 17.50 657 pH a62 6^6 aei 7.62
Probe tack(gF) 13.3土 1.0 14.5士 3.4 0± 4 7肚 05
¾SCcps) 15500 28000 32000 22500
O © ◎ O ベタツキ Δ o ◎ O mm © ◎ ◎ ◎ み出し O o O ◎ カップ §纖 ◎ o .◎ ◎
^^ ゲル o o o ◎
(表 2)
(実施例 9 2 )
4 g 10 11 ■J2 リン^ ίキサメタゾ ^卜リウム 3 3 3
r½ /. it ■
1 2 2 0· 5 ポ■
カルボキシビ二ルポリマー
メ シェチレン無冰マレイン g^ ^il;
オン性合 J¾¾好 ポリビニルアルコール (部分けん化 2 2 1 2
(B) ポリビニルアルコール (^:けん化
ポリビニルピロリ >
ポリエチレンオキサイド 1 15 ゼラチン 3 3 3
(C) カラ: ¾ ^ン 2.5
シクロデキストリン
□—カス卜ビンガム
カルポキシメチルセルロース
ルコ一ル類 グリセリン 30 30 30 30
プロピレングリコール
D—ソレビ Κ~ゾレ液(70%) 5 2.5 3 3 エリスり h ~ル
一 Qi 0·37 037
0J 01 01 0.1 5
ァ 0.5 0.5 1
J一
■"^□Η 002 002
A+B+C 8 7 6
A/CA+B+C) 25.00 28.57 33.33
(B+C)/A aoo 250 zoo 2.67 pH 7Ό0 6.42 7.15 ao7 ゲ
ル Probe tackCgB a3±1_3 10.5士 0.6 ΐα5±0.6 11.3±a5
¾¾ (cps) 22500 20000 15000 35500 付 ¾14 O ◎ ◎ ベタツキ 厶 厶 厶 O
◎ 厶 厶 o 浸み出し o ◎ ◎ ◎ カップ 纖 o O Ο o 護ゲル, o Δ 厶 o
(表 4)
(実施例 2 2 4 )
成 分
難 リン^ ^サメタゾ トリウム
リン酸べタメタゾ トリウム
讎リド力イン
イオン性合 好 ポリアクリル酸ナトリウム
ポリアクリル^分中 ¾¾¾
ポリアクリル酸
カルボキシビ二ルポリマー
メ シエチレン無 マレイン鹏重^
^オン性合職奸 ポリビニルアルコ一ル (部分けん
ポリビニルアルコール ( けん
ポリビニ ピロリドン
ポリエチレンオキサイド
ゼ^ ン 2.5 3 カラ ^~ ン
シクロデキス卜リン
口一カス卜ビンガム
カルボキシメチルセルロース
^ίΙ7ルコール類 グリセリン
プロピレングリコール
—ソルビ ル液
エリスリ "ル
架翻 乾 匕アルミニウムゲル
エチレングリコールジグリ ジルェ"" ^ル αι
尿素
合成ゲイ ¾7ル ゥム
メタケイ ¾7ル5 ¾ ^グネシゥム
四ホウ トリウム
トリェタノ一ルァ 5 0.5 0.5
界面 SI^J モノス亍ァ 1 ^ン^?^1 Jエチレング1 Jコーレ
防蝻 メチルパラペン αιβ αιβ αΐ8 0.18
プロピルパラベン
精^ 54.53 55 5 9 51
1 ΐ 8 .5 土 士
◎ ◎ ベタ:/キ ◎ ◎ 厶
. ◎ ο 厶 Ο 沒み出し ◎ ◎ Ο カップ剥難 ◎ ◎ ◎ ◎ 謂ゲル■ ◎ ο ο
(表 7)
(実施例 2 5 2 8)
イオン性合 JS¾»? ボリアクリル トリウム
es?iiasf?
オン性合) ¾¾好 ボリ {W¾)
¾¾¾畠好
=ΐ
3¾
荣 iS 合成ケィ S ル =—ゥム
SS ¾ s
トリエタノールァ¾
a¾¾ 03 防綱
uc_
2.78 ΐα78 ゲ
ル
t 粘 SCcps)
◎ Ο ◎ ◎ ベタツキ Ο Ο Ο ο 娜性 ◎ ◎ ◎ ΐδみ出し ο ο ◎ ◎ カップ |¾應 ◎ ® ο ◎ ゲル ο ο ο ο
(表 8)
(比較例 6 )
成 分
翻 リン^ ^キサメタゾ トリウム
イオン性合¾SiH=" ポリアクリル S ^トリウム
ポリアクリル^分中
ニルァセトァミト 77クリル
オン性合) ¾¾Μ=· ポリビニルアルコール (部分けん
ポリビニルアルコール ( けん化
ポリビニルピロリ V
ポリエチレンオキサイド
奸 ゼ^^ン
カラ:^ _ ^ン
クロ 千ス卜
^erルコ一ル類 *?リセリン 30 30 30 30 30 30 ソルピ ル
匕ァリレ ¾~ゥムゲレ 尿素
* ^匕アルミニウムマグネシウム
ト ェ々ノール
ゲ
ル Probe 土 土 土 厶 O 厶 O ◎ O ベタツキ ◎ ◎ ◎ 保形性 O O Δ ◎ ◎ ◎ 沒み出し ◎ ◎ ◎ カップ 1¾離 ◎ ◎ O ◎ ◎ ◎ ゲル■ ◎ ◎ ◎
(表 1 0 )
(比較例 7
成 分 7 8 9 10 11 リン キサメタゾ トリウム 3 3 3 3 3 イオン性合 ¾¾奸 ボリアクリル "トリウム 2
(A) ポリアクリル 分中¾¾
N~tニルァセトァミト クリル鹏重^: 10
オン性合) ¾* ポリビニルアルコール (部分けん <h¾t) 2
(B). ポリビニルアルコール ( けん ¾0 12
ポリビニルピロリドン 3
ポリエチレンオキサイド 2 ゼ^^ン 4 3
(C) 3
シクロデキストリン 03 多 ルコール類 グリセリン 20 15 40 30
D—ソルビ h "ル液 (70%) 5 架棚 ^JSTK^匕アルミニウムゲル 0_37
エチレングリコ一ルジグリシジルェ ル 0.1 尿素 1
麵匕アルミニウムマグネシウム 08
トリエタノールァ 5>
0.6
界面 モノステアリン ¾?Kリエチレングリコール 0.3 mm メチルパラペン 0.18 0.18 0.18
プロピルパラペン 0.02 0.02 0Ό2 m 85 7Ζ8 7 e 41.6 48.73
A+B-K) 12 4 3 13 1Ζ3
A/(A+B+C) Ο00 0W 0.00 76.92 16^6
(B+C)/A Ο30 5.15 pH 756 7.75 7.65 7.74 7.79
1 Probe tack(gF) 02±αΐ α5±0.1 14.1 ±0.1 8·8土 0.5
粘 ¾(c s) 10000 2000 5000 110000 22500 am Ο Ο ベタツキ ◎ Δ Δ ◎ 鄉性 ◎ ◎ Δ Ο ◎ 浸み出し Δ Δ ◎ ◎ カップ ϋ離 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ゲル Ο ◎
(試験例 2 )
実施例 1〜6、 8〜 1 1、 1 3〜 1 5、 2 0〜2 3及び比較例 1〜 3、 7〜 1 0の組成物について、 イオン性合成高分子物質、 非イオン性合成 高分子物質及び天然系高分子物質の構成比について、 ゲル物性の総合評 価やゲル粘度及び充填性への影響を検討した。 その結果を表 1 1に示し た。
(表 1 1 )
イオン性 非イオン 天然系
構成比
"'J 性 粘度
(B+CVA (cps) 分子 (A) 分子 (Β) (C)
実施例 1 0.25 15 2.5 70 17.75 o 15500 ◎ 実施例 2 0.5 15 2.5 35 18.0 o 28000 ◎ 実施例 3 1.0 15 2.5 17.5 18.5 ◎ 32000 ◎ 実施例 4 1.5 4 6.3 6.87 1 1.8 ◎ 22500 ◎ 実施例 5 2 4 6.3 5.15 12.3 ◎ 24000 ◎ 実施例 6 2 3.5 5.15 4.33 10.65 ◎ 24500 ◎ 実施例 8 2 4 3 3.50 9 o 23000 ◎ 実施例 9 2 3 3 3 8 o 22500 ◎ 実施例 10 2 2 3 2.5 7 o 20000 ◎ 実施例 11 2 1 3 2 6 o 15000 ◎ 実施例 13 2.5 3.5 5.15 3.46 11.15 ◎ 27000 o 実施例 14 2.5 3.5 3 2.60 9 ◎ 28500 ◎ 実施例 15 2.5 2 3 2 7.5 ◎ 23000 ◎ 実施例 20 3 3 3 2 9 ◎ 28500 o 実施例 21 3 2.5 2.5 1.67 8 ◎ 27000 o 実施例 22 3 2 2.5 1.5 7.5 o 26500 ◎ 実施例 23 3 1.5 2.5 1.33 7 o 25000 ◎ 比較例 1 2.5 1 2.5 1.4 6 19500 ◎ 比較例 2 3 0.5 3 1.17 6 24000 ◎ 比較例 3 3 1.5 1.5 1 6 28500 ◎ 比較例 7 0 12 0 12 10000 ◎ 比較例 8 0 0 4 4 2000 ◎ 比較例 9 0 0 3 3 5000 ◎ 比較例 10 10 3 3 1.33 16 o 1 0000
JP2003/010504
39 表 1 1に示す結果から、薬物吸収性を考慮しイオン性合成高分子(A) の配合量を 3 %以内とした本発明の各実施例の組成物では、 非イオン性 合成高分子物質 (B) 及び天然系高分子物質 (C) の配合量の関係が、 (B + C) ZAが 1 · 5倍以上で A+B + Cの配合量が 7 %以上の場合 に、 良好なゲル物性が得られ、 調製直後のゲル粘度が 3 0 0 00 c p s 未満であり、 製造時の取り扱い性も良く、 充填型のゲル'組成物としては 最適なものであった。
一方、 ( B + C ) / Aが 1.5倍未満、または A + B + Cの配合量が 7 % 未満の比較例 1〜3では、 ゲル保形性が不十分である上に、 ゲルのベタ ツキ及び浸み出しが顕著に認められた。
また、 非イオン性合成高分子物質又は天然系高分子物質をどちらか単 独で配合した比較例 7〜9では、 接着力の不足と浸み出しが発生し、 N 一ビニルァセトアミ ド共重合体を配合した比較例 1 0では、 良好なゲル 物性が得られたものの、 ゲル粘度が著しく高い上に、 特有のチキトロピ ック性があり、 定量的な充填は不可能であった。
以上の結果より、 本発明の粘着ゲル組成物は、 機能面及び製造面で高 い有用性を有することが明らかとなつた。
(実験例 2 : ラッ卜薬物吸収性試験)
表 1 2に記載した実施例:!〜 6、 8、 9、 1 3〜: L 5、 2 0、 2 3及 び 24、 比較例 4〜: L 0の各粘着ゲル組成物 (4. 5 cm2) に、 塩化 銀べ一ストを印刷した電極を装着し、 ドナ一電極 (陰極) とした。 さら に、 銀ペーストを印刷した電極の印刷面に P ET不織布を装着した製剤 (4. 5 cm2) に生理食塩水を含浸させたものを、 リファレンス電極 (陽極) とした。
SDラット 7週齢(体重 250 g )の腹部をシェーバー処理をした後、 製剤を貼布し、 エラテックステープ (アルケア社製) で固定し、 さらに
電源装置及び記録装置と接続したコードを製剤に接続し、通電(定電流:
0. 1 OmA/cm2, 通電時間: 3 h r) を開始した。 採血は、 経静 脈よりシリンジで採血し、 血漿をアル力リフォスファタ一ゼにより脱リ ン酸化し、 〇D Sカートリッジでクリーンアップ後、 HP L Cでデキサ メタゾンとして定量した。 その結果を表 1 2に示す。
(表 1 2)
イオン性合成高 非イオン性合成高 天然系高分子 血中デキサメタゾン窓度 実施例
分子 (A) 分子 ) (C) (3hr,mean±SD) 実施例 1 0.25 15 2.5 70 784.17±51.22 実施例 2 0.5 15 2.5 35 791.34±99.43 実施例 3 1.0 15 2,5 17.5 773.39±39.87 実施例 4 1.5 4 6.3 6.87 741.42±73.85 実施例 5 2 4 6.3 5.15 774.75±50.17 実施例 6 2 3.5 5.15 4.33 797.25±113.62 実施例 8 2 4 3 3.50 796.50±104.18 実施例 9 2 3 3 3 867.25±52.13 実施例 13 2.5 3.5 5.15 3.46 681.71±66.19 実施例 14 2.5 3.5 3 οϋ 659.68±44.51 実施例 15 2.5 2 3 701·38±56·20 実施例 20 3 3 3 2 567.27±26.90 実施例 23 3 2 2.5 1.5 556.96±45.82 実施例 24 3 3 3 2 520.21 ±72.65 比較例 4 3.5 3 3 1.71 276.00±52.18 比較例 5 4.0 3 3 1.50 156.90±29.02 比較例 6 4.5 3 3 1.33 114.46±20.30 比較例 7 0 12 0 808.88±123.40 比較例 8 0 0 4 765.64±75.32 比較例 9 0 0 3 785.36±740.33 比較例 10 10 3 3 1.33 726.71 ±46.03
表 1 2に示される結果より、 非イオン性合成高分子物質及び天然系高 分子物質の配合量の如何に関わらず、 イオン性合成高分子物質の配合量 の増加に伴い、 薬物の血中濃度は低下しており、 特に 3. 5 %以上配合 した場合 (比較例 4〜6) の血中濃度の低下は著しいことが明らかであ る。 この理由としては、 イオン性合成高分子物質物質が解離型官能基を 有するため、 導電性物質であるという点と、 ゲル中の自由水量を減少さ せるという点が挙げられる。
また、 比較例 1 0では、 弱イオン性合成高分子物質 N—ビニルァセト アミドを使用した製剤の結果が示されているが、 このような基剤の場合 には、 血中濃度の低下はあまりみられていない。 しかしながら、 表 8に 支援されたように、比較例 1 0のものは、粘度が著しく高くなつており、 充填適性が非常に悪いものであった。
以上の結果より、 イオントフォレ一シスによる薬物投与において、 解 離型官能基を有するイオン性合成高分子物質を 3重量%より多く配合し た場合は、 薬物吸収性面で、 負の効果を生じることが示唆された。
(試験例 3 :薬効試験)
実施例 2、 8、 1 5、 2 0と比較例 5、 6、 1 0を使用して、 ゥサギ 慢性関節炎モデルによる炎症抑制効果を検討した。 モデルの作成方法及 び評価方法は、 下記の通りとした。 <B S A関節炎モデルの作成 > メ チル化 B S A投与後、 追加免疫を 3回実施し、 抗体を産生させた。 抗体 の産生を確認した後、 足関節に 0. l %mB SAを 0. 5m l注入し、 炎症を惹起させた。 1週間隔で 4回惹起実施した。 4回目惹起の 24時 間後に、炎症度合いを測定して群分けを実施して、薬剤投与を実施した。 尚、 対照足として、 左足に生理食塩水 0. 5m lを関節内投与した。 <評価方法 > 関節左右 (横) 幅を測定し、 炎症の度合いを 24時間、 48時間、 7 2時間、 9 6時間で評価した。 その結果を図 1に示した。
図 1に示される結果より、 非イオン性合成高分子物質及び天然系髙分 子物質の配合量の如何に関わらず、 イオン性合成高分子物質の配合量が 少ないほど、 炎症の抑制度が高いことが判明した。 この結果、 試験例 2 (表 1 2) で示した薬物血中濃度と相関しており.、 薬効面からも、 ィォ ン性合成高分子物質の配合量は、 少量にすることが望ましいことが判明 した。
(試験例 4 :薬物安定性試験)
表 1 3に示す実施例 2、 4〜6、 8、 1 3、 1 5、 2 0、 22及び比 較例 7〜 1 1の粘着ゲル組成物 (4. 5 cm2) に、 塩化銀べ一ス トを 印刷した電極を装着した製剤を、 アルミニウム包装を施した状態で、 5 0°C、 7 5 %RHで保存し、薬効成分(リン酸デキサメ夕ゾンナトリウム) の経時的変化の度合いを検討した。 さらに、 ゲル表面の pHを測定し、 薬物分解による pH変動幅を検討した。 結果を表 1 3に示す。 尚、 薬物 残存率は、 平均土標準偏差 (N= 3) で示した。
(表 1 3)
表 1 3に示される結果から、 イオン性合成高分子物質の配合量が多い ほど、 薬物の経時安定性が向上することが明らかである。 また、 経時安 定性が高い組成物ほど、 経時でのゲル p H変動が小さいことが明らかに なった。
以上の結果から、 イオン性合成高分子物質が強力な p H緩衝能を形成 し、 その結果、 加水分解等による p H変動を抑制することができ、 分解 速度を小さくできることが判明した。 本発明は、 この知見に基づくもの である。
さらに、 表 1 3に示される実施例 5と比較例 1 1の結果から、 本発明 の製造方法によれば、 窒素処理及び真空下で調合を実施することができ るので、 ゲル中の溶存酸素を大幅に削減でき、 その結果、 酸化分解速度 を小さくすることができることが明らかになった。
これらの結果から、 本発明の粘着ゲル組成及び製造方法は、 加水分解 と酸化分解の両方からの分解抑制が可能であるため、 加水分解及び酸化 分解に対して薬物安定性の維持が非常に困難な薬物であっても、 配合す ることができる。 産業上の利用可能性
本発明の粘着ゲル組成物は、 調製時及び調製後のゲル特性に特異的な チキトロピック性がなく、 しかも、 ゲル粘度を中粘度以下に設定できる ため、 連続的に容易なゲル調製及び充填が可能で、 低コストでの製造が できる。 さらに、 窒素充填及び真空下での製造が可能であるため、 加水 分解や酸化に対して弱い安定性を示す薬物を安定な状態で配合すること ができる。
また、 本発明の粘着ゲル組成物は、 従来のイオン性合成高分子配合の ゲル組成物の欠点であった薬物輸率の低下と自由水の減少による薬物吸
収性の低下をひき起こすことがなく、 薬物高放出性であり、 保形力及び 接着性にも優れている。
本発明の粘着ゲル組成物及び製造方法は、 取り扱い性、 製造性、 経時 安定性、 薬物放出性、 薬理効果及び経済性の面において高い特性を有す るため、 イオントフォレーシス製剤用として非常に好適である。