JPH09286930A - 水中での施工が可能な硬化性組成物 - Google Patents

水中での施工が可能な硬化性組成物

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JPH09286930A
JPH09286930A JP10268296A JP10268296A JPH09286930A JP H09286930 A JPH09286930 A JP H09286930A JP 10268296 A JP10268296 A JP 10268296A JP 10268296 A JP10268296 A JP 10268296A JP H09286930 A JPH09286930 A JP H09286930A
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JP
Japan
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component
parts
curable composition
weight
water
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Application number
JP10268296A
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English (en)
Inventor
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Fumio Matsui
二三雄 松井
Katsuhisa Morita
勝久 森田
Yukio Ito
幸夫 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート、セラミックス等のポーラスな
材料に対し、水中でのコーティングまたは補修が可能な
硬化性組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)分子構造中に親水性基および/ま
たは親水性セグメントを有するアクリル酸系エステル共
重合体;(B)アクリル酸エステルモノマー;(C)水
溶性セルロース誘導体粉末を分散混合した水硬性セメン
ト;および(D)レドックス系重合開始剤;を含有して
なる硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中での施工が可
能な硬化性組成物に関するものであり、さらに詳しくは
本発明は、水中におけるコンクリート等のポーラスな表
面にも施工可能な硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】水中の土木構造物の劣化した
表面を補修したり、漏水を防止することを求められる事
例が多くなってきている。これらの要請に対して、例え
ば特開平1−113469号に開示されるようなラジカ
ル硬化性樹脂とフィラーの複合物が提案され、実用化さ
れるに至っている。
【0003】ところが、上述の補修方法はあくまで被塗
物が金属、プラスチック等の材質の場合に限定されてお
り、コンクリート、セラミックス等のポーラスな表面に
ついては全く施工できないのが実態である。
【0004】容易に理解し得ることであるが、水中での
接着やコーティングは、被塗物表面に存在する水膜を接
着層または塗膜が置換する形態となることではじめて実
現するのである。しかるにコンクリート、セラミックス
等のポーラスな材料においては、たとえ一時的に水膜を
置換する形で接着またはコーティング層ができたとして
も。ポーラスな材料内部から短時間で水が供給されて水
膜が再度形成されるため、接着が破壊されてしまう。
【0005】このような状況の根本的な解決方法が見い
だせないことから、水中土木構造物の主要部分をなすコ
ンクリート構造物の補修に関する技術課題は、今なお未
解決のままとなっているのが実情である。したがって、
老朽化したダム、下水道、排水処理層、港湾設備等で
は、切実に問題解決が待たれている。
【0006】本発明は、上記のような従来の課題を解決
し、コンクリート、セラミックス等のポーラスな材料に
対し、水中でのコーティングまたは補修が可能な硬化性
組成物を提供することを目的とするものである
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
技術問題の本質を考慮し、水中におけるコンクリート等
のポーラスな表面における水膜を排除して接着層を形成
させることに鋭意取り組み、親水性のラジカル硬化性樹
脂と水溶性セルロース誘導体粉末を分散混合した水溶性
セメントとを複合することで、水膜の排除と接着層の形
成がバランスよく実現しうることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、 (A) 分子構造中に親水性基および/または親水性セ
グメントを有するアクリル酸系エステル共重合体; (B) アクリル酸エステルモノマー; (C) 水溶性セルロース誘導体粉末を分散混合した水
硬性セメント;および (D) レドックス系重合開始剤;を含有してなる硬化
性組成物を提供するものである。
【0009】また本発明は、(A)成分100重量部に
対して、(B)成分を10〜200重量部、(C)成分
を10〜500重量部および(D)成分を0.5〜15
重量部用いる前記の硬化性組成物を提供するものであ
る。
【0010】さらに本発明は、(A)成分100重量部
に対して、(B)成分を30〜100重量部、(C)成
分を50〜200重量部および(D)成分を2〜8重量
部用いる前記の硬化性組成物を提供するものである。
【0011】さらにまた本発明は、(A)成分が、少な
くとも50モル%以上のアクリル酸エステルを含有して
構成されている前記の硬化性組成物を提供するものであ
る。
【0012】また本発明は、(A)成分の親水性基が、
水酸基、カルボキシル基、ホスフェート基、4級アンモ
ニウム基またはこれらの組み合わせであり、親水性セグ
メントが、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン
またはこれらの組み合わせである前記の硬化性組成物を
提供するものである。
【0013】さらに本発明は、(B)成分が、メタクリ
ル酸メチルである前記の硬化性組成物を提供するもので
ある。
【0014】さらにまた本発明は、(C)成分におい
て、水硬性セメント100重量部に対し、水溶性セルロ
ース誘導体粉末を0.5〜50重量部用い、該水溶性セ
ルロース誘導体粉末が、該水硬性セメント中に分散混合
されている前記の硬化性組成物を提供するものである。
【0015】また本発明は、(C)成分において、水溶
性セルロース誘導体粉末がセルロースの水酸基をエーテ
ル化したセルロースエーテル粉末である前記の硬化性組
成物を提供するものである。
【0016】さらに本発明は、(D)成分が、アシルパ
ーオキサイドと芳香族アミン類との組み合わせである前
記の硬化性組成物を提供するものである。
【0017】さらにまた本発明は、(D)成分が、ベン
ゾイルパーオキサイドとジメチルアニリンとの組み合わ
せである前記の硬化性組成物を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。(A)分子構造中に親水性基および/または親水性セグ
メントを有するアクリル酸エステル系共重合体 本発明における(A)成分のアクリル酸エステル系共重
合体は、基本骨格となる(i)アクリル酸エステル成
分、(ii)親水性基および/または親水性セグメントを
導入するための成分および(iii)該アクリル酸エステ
ル成分と共重合可能なモノマーを、共重合させることに
より得ることができる。
【0019】前記(i)のアクリル酸エステルには、次
のような化合物が例示され得るが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0020】アクリル酸メチル、メタクリル酸メタル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
メタクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボルニ
ル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ベンジル、
メタクリル酸ベンジル、アクリル酸テトラヒドロフルフ
リル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル。
中でも好ましくはメタクリル酸メチルである。
【0021】また、前記(ii)の親水性基および/また
は親水性セグメントを導入するための成分は、アクリル
酸エステルとして導入するのが望ましく、次のようなも
のが例示される。無論親水性を付与できるものであれ
ば、アクリル酸エステル以外のモノマー、マクロモノマ
ーを分子骨格に導入してもよく、その代表としてはビニ
ルモノマーまたはマクロモノマーが挙げられる。
【0022】アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリ
セロール、メタクリル酸モノグリセロール、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸ヒドロキシエチル、2−アクリロイルオキシエ
チル琥珀酸、2−メタクリロイルオキシエチル琥珀酸、
2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリ
ロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシ
エチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルヘキサヒドロフタル酸、メトキシポリエチレン
グリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコー
ルアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメ
タクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアク
リレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリ
レート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフ
ェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホス
フェート、ジメチルアミノエチルアクリレート4級化
物、メチルアミノエチルメタクリレート4級化物、ジエ
チルアミノエチルアクリレート4級化物、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート4級化物。これら化合物は、混
合して用いることもできる。
【0023】このように親水性基として、例えば水酸
基、カルボキシル基、ホスフェート基、4級アンモニウ
ム基、またはこれらの組み合わせを導入することがで
き、また親水性セグメントとして、ポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、またはこれらの組み合わせ
を導入することができ、これら種類が好適である。
【0024】前記(i)のアクリル酸エステルと前記(i
i)の親水性基および/または親水性セグメントを導入
するための成分との使用割合は任意であるが、例えば
(i)のアクリル酸エステルに対し、(ii)の親水性基
および/または親水性セグメントを導入するための成分
を10〜60重量%使用することができる。
【0025】前記(iii)のアクリル酸エステル成分と
共重合可能なモノマーとしては、次のようなものが例示
される。スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、無水
マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアミド、N−メチロールメタクリルアミド、
ビニルピロリドン、ブタジエン。
【0026】本発明における(A)成分のアクリル酸エ
ステル系共重合体は、少なくとも50モル%以上におい
て(i)および(ii)のアクリル酸エステルを含有して
いることが望ましく、50モル%未満では、下記の
(B)成分であるアクリル酸エステルモノマーとの相溶
性が乏しくなり、硬化後の強度発現も不充分となる恐れ
がある。
【0027】上記各材料の共重合は、常法により行うこ
とができる。
【0028】また、本発明における(A)成分のアクリ
ル酸エステル系共重合体の数平均分子量は、5,000
〜50,000程度が好ましい。
【0029】(B) アクリル酸エステルモノマー 本発明における(B)成分であるアクリル酸エステルモ
ノマーとしては以下に例示するようなものを単独である
いは複数組み合わせて用いることができる。アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸イソボニル、メタクリル酸イソボニル、
アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル
酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロ
フルフリル、アクリル酸フェノキシエチル、メタクリル
酸フェノキシエチル。中でも好ましくはメタクリル酸メ
チルである。
【0030】(C) 水溶性セルロース誘導体粉末を分
散混合した水硬性セメント 本発明における(C)成分の一つである水溶性セルロー
ス誘導体は、セルロースの水酸基をエーテル化したセル
ロースエーテルが好ましく、以下のようなものが例示さ
れ得る。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース。これら水
溶性セルロース誘導体の粉末度は、例えば30〜300
メッシュ程度がよい。
【0031】本発明における(C)成分を構成するもう
一つの水硬性セメントは、以下に例示するようなものを
使用することができる。ポルトランドセメント、白色ポ
ルトランドセメント、アルミナセメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント、スラグセメント、マグネ
シアセメント。
【0032】本発明において、(C)成分の水硬性セメ
ントの100重量部あたり、水溶性セルロース誘導体粉
末は0.5〜50重量部を分散混合して用いるのがよ
く、より好ましくは5〜20重量部である。水溶性セル
ロース誘導体粉末が0.5重量部未満では接着力の発現
が難しく、50重量部を超えると硬化体の強度、耐久性
が損なわれる恐れがある。両者の混合は、両成分の粉末
をVブレンダー等の粉体混合用溶ミキサーを使用してな
るべく均一に分散させて用いるのが望ましい。
【0033】(D) レドックス系重合開始剤 本発明における(D)成分として用いられるレドックス
系重合開始剤は、酸化剤と還元剤との組み合わせによる
ものであって、次のようなものが例示され得る。
【0034】(1)アシルパーオキサイドと芳香族3級
アミン類との組み合わせ; (2)ハイドロパーオキサイドとバナジウム、コバル
ト、銅、マンガンの有機酸塩、またはキレート化合物と
の組み合わせ;および (3)ケトンパーオキサイドとコバルト、バナジウムの
有機酸塩、またはキレート化合物との組み合わせ。
【0035】上記のパーオキサイド類としては、次に示
すようなものが例示される。 (イ)アシルパーオキサイド ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、メタトリルパーオキサイド。 (ロ)ハイドロパーオキサイド クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロ
パーオキサイド。 (ハ)ケトンパーオキサイド メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイ
ド。
【0036】このうち本発明の目的に最も好ましいのは
(1)であり、ベンゾイルパーオキサイドとジメチルア
ニリンとの組み合わせ等が例示される。実用的には上記
にさらに促進剤を併用して効果を一層高めることも可能
である。
【0037】(配合割合)本発明においては、(A)成
分の100重量部に対して、(B)成分を10〜200
重量部、(C)成分を10〜500重量部、(D)成分
を0.5〜15重量部を用いることが望ましく、さらに
好ましくは(A)成分の100重量部に対して、(B)
成分を30〜100重量部、(C)成分を50〜200
重量部、(D)成分を2〜8重量部用いるのがよい。
【0038】(A)成分の100重量部に対して、
(B)成分が10重量部未満のときは、モノマーを含む
混合物の溶液粘度が高くなりすぎて作業性に支障をきた
す恐れがある。(B)成分が200重量部を超えると逆
にモノマーを含む混合物との溶液粘度が低くなりすぎて
施工時のたれ防止等の面で好ましくない。
【0039】(A)成分の100重量部に対して、
(C)成分が10重量部未満のときは、ポーラスな被塗
物表面との接着性が不充分となり、本発明の目的を達成
できない場合がある。(C)成分が500重量部を超え
ると、本発明の硬化性組成物の作業性が悪くなり、施工
が困難となることがある。
【0040】(A)成分の100重量部に対して、
(D)成分が0.5重量部未満のときは、硬化が不充分
となり、接着性や塗膜強度が目的に達するレベルとなら
ないことがある。一方、15重量部を超えて用いると可
使時間が短くなり、作業性に支障をきたす恐れがある。
本発明の硬化性組成物の可使時間を調整するためには、
重合禁止剤の一定量を併せて用いることもできる。
【0041】本発明の硬化性組成物には、硬度、耐水
性、耐摩耗性等を改良するために充填材、増量材、増粘
剤、着色顔料、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤を加え
て、一層性能の改善を図ることもできる。
【0042】また上記の硬化性組成物を使用するに際し
ては、作業性を良好ならしめるために各種の溶剤を併用
することもできる。溶剤としてはプロパノール、ブタノ
ール等のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンのようなケトン類、セロソルブアセテー
ト、メチルセロソルブのようなエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルのようなエステル類、トルエン、キシレ
ンのような芳香族炭化水素類等が挙げられる。勿論これ
らの溶剤は二種以上を混合して使用してもよい。
【0043】本発明の硬化性組成物は、水中のコンクリ
ートやセラミックスのようなポーラスな表面を有する基
材表面に良好な接着性を示し、その補修に有効に用いる
ことができるが、金属、プラスチックのような平滑な基
材表面にも施工可能である。また陸上部分の構築物補修
等の用途にも、無論のこと施工が可能である。
【0044】本発明の硬化性組成物を施工するに際して
は、組成物の可使時間と施工面積とを考慮して、適量を
その都度混練して用いるようにする。水中での施工時に
は、練り返しながら常に混練物の新しい表面が被塗物表
面に塗り付けられるように配慮して作業するのがよい。
またこのとき、被塗物表面にある水膜を混練物の膜で置
換するようにして塗り付けるのが望ましい。
【0045】
【作用】従来の技術水準では全く不可能視されてきた、
水中でのコンクリート等のポーラス表面への接着、コー
ティング、補修が、本発明の組成物により実施できるよ
うになった理由を本発明者らは次のように推定してい
る。水溶性セルロース誘導体は、水硬性セメント粉体と
の共存下においては、水と接触すると容易に溶解もしく
は膨潤し、この水を吸収することができる。この作用が
ポーラス(多孔質)材料内面からにじみ出てくる水を吸
収して、水膜が形成されて接着破壊することを防止し、
本発明の目的とする接着力が現実のものとなる。水溶性
セルロース誘導体に吸収された水は、次の段階で水硬性
セメントの水和反応に消費され、硬化性強度の発現に寄
与する。この反応は一般に長時間を要するので、初期の
塗膜強度は専らアクリル酸エステル系共重合体が負担す
ることになる。つまり、本発明においては、構成成分が
それぞれに重要な役割を分担しあっていると考えられ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明は下記の例になんら限定されるもの
ではない。
【0047】なお、実施例および比較例中の接着強度の
測定は、JIS A−5536床用ビニルタイル接着剤
の試験方法を応用して、次のように測定した。水中でコ
ンクリート板表面に本発明の実施例または比較例の硬化
性組成物を接着施工し、所定時間水中に放置した供試体
を水から取り出して室温に一昼夜放置し乾燥せしめた。
ホルソーを使用して、接着層を直径20mmの円形にコン
クリート板に達するまで切断し、この表面に引っ張り試
験用鉄片をエポキシ樹脂を用いて接着した。引っ張り試
験用鉄片の底面は直径20mm、上部はナット構造となっ
ている。これを引っ張り試験用治具に接続して引っ張り
試験を行い、破断するまでの最大荷重を測定した。
【0048】また、下記実施例および比較例で用いた
(A)成分のアクリル酸エステル系共重合体は、次のよ
うにして合成した。 (アクリル酸エステル系共重合体(A−1))温度計、
撹拌装置、還流冷却器を取付けた2リットルのフラスコ
に、テトラエチレングリコールモノメタクリレート15
0g(0.57モル)、メタクリル酸メチル300g
(3.00モル)、スチレン150g(1.44モル、1
7モル%)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル100
g(0.77モル)、アクリル酸n−ブチル300g
(2.34モル)、ラウリルメルカプタン30g(0.1
5モル)、ターシャリーブチルパーオキシ2エチルヘキ
サノエート15gを仕込み、フラスコ内の温度を75℃
まで昇温し、撹拌しながら3時間保持した。得られたポ
リマーを(A−1)とした。ポリマー(A−1)をGP
C分析したところ、得られたGPC曲線は単一のピーク
となり、モノマーに由来する残存ピークは認められなか
った。従って、モノマーはほぼ完全に共縮合していると
判断された。ポリマー(A−1)の数平均分子量は、1
2,000であった。
【0049】(アクリル酸エステル系共重合体(A−
2))比較のために、上記ポリマー(A−1)合成にお
いて、使用したメタクリル酸メチル300gをスチレン
300gをスチレンに変更したこと以外は、上記の(A
−1)合成方法を繰り返し、ポリマー(A−2)を得た
(したがって、スチレンの使用量は合計450gであ
る)。この共重合体においてはスチレンの含有量は51
モル%、換言すればアクリル酸エステルは50モル%未
満となる。ポリマー(A−2)の数平均分子量は、1
3,500であった。
【0050】(アクリル酸エステル系共重合体(A−
3))温度計、撹拌装置、還流冷却器を取付けた2リッ
トルのフラスコに、ヘキサプロピレングリコールモノア
クリレート200g(0.48モル)、メタクリル酸メ
チル300g(3.00モル)、アクリロニトリル15
0g(2.84モル、30モル%)、メタクリル酸50
g(0.58モル)、アクリル酸n−ブチル300g
(2.34モル)、ラウリルメルカプタン30g(0.1
5モル)、ターシャリーブチルパーオキシ2エチルヘキ
サノエート15gを仕込み、フラスコ内の温度を75℃
まで昇温し、撹拌しながら3度間保持した。得られたポ
リマーを(A−3)とした。ポリマー(A−3)をGP
C分析したところ、得られたGPC曲線は単一のピーク
となり、モノマーに由来する残存ピークは認められなか
った。従って、モノマーはほぼ完全に共縮合していると
判断された。ポリマー(A−3)の数平均分子量は、1
1,000であった。
【0051】また、(C)成分の一つである水溶性セル
ロース誘導体としては、メチルセルロース(信越化学社
製、商品名メトロース90SH−3000)およびヒド
ロキシエチルセルロース(信越化学社製、商品名メトロ
ース90SEW)を使用し(粉末度は、ほぼ100メッ
シュ)、(C)成分のもう一つの成分である水硬性セメ
ントは市販の普通ポルトランドセメントを用いた。両成
分の混合はV−ブレンダーを用いた粉体混合方式により
行なった。
【0052】さらに(D)成分としては、ベンゾイルパ
ーオキサイドとジメチルアニリンとの組み合わせ、およ
びメチルエチルケトンパーオキサイドとナフテン酸コバ
ルトとの組み合わせを用いた。
【0053】実施例1〜5および比較例1〜3 表1に示す配合割合において、各種原料を鉄製皿に入れ
て匙でよく混合し、各種硬化性組成物を調製した。得ら
れた組成物を5分間、空気中に放置後、水中に立てかけ
たコンクリート板表面に水中で塗布、平均厚み4mmとな
るよう施工した。24時間放置後、コンクリート板を水
中から取り出し、状態観察を行なった。良好な接着が得
られたものは、さらに24時間空気中で放置後、前述し
た方法により接着強度を測定した。得られた結果を併せ
て表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、コンクリート、セラミ
ックス等のポーラスな材料に対し、水中でのコーティン
グまたは補修が可能な硬化性組成物が提供される。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 分子構造中に親水性基および/ま
    たは親水性セグメントを有するアクリル酸系エステル共
    重合体; (B) アクリル酸エステルモノマー; (C) 水溶性セルロース誘導体粉末を分散混合した水
    硬性セメント;および (D) レドックス系重合開始剤;を含有してなる硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分100重量部に対して、
    (B)成分を10〜200重量部、(C)成分を10〜
    500重量部および(D)成分を0.5〜15重量部用
    いる請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分100重量部に対して、
    (B)成分を30〜100重量部、(C)成分を50〜
    200重量部および(D)成分を2〜8重量部用いる請
    求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分が、少なくとも50モル%以
    上のアクリル酸エステルを含有して構成されている請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分の親水性基が、水酸基、カル
    ボキシル基、ホスフェート基、4級アンモニウム基また
    はこれらの組み合わせであり、親水性セグメントが、ポ
    リオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはこれら
    の組み合わせである請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 (B)成分が、メタクリル酸メチルであ
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の硬化性組成
    物。
  7. 【請求項7】 (C)成分において、水硬性セメント1
    00重量部に対し、水溶性セルロース誘導体粉末を0.
    5〜50重量部用い、該水溶性セルロース誘導体粉末
    が、該水硬性セメント中に分散混合されている請求項1
    ないし6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 (C)成分において、水溶性セルロース
    誘導体粉末がセルロースの水酸基をエーテル化したセル
    ロースエーテル粉末である請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 (D)成分が、アシルパーオキサイドと
    芳香族アミン類との組み合わせである請求項1ないし8
    のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 (D)成分が、ベンゾイルパーオキサ
    イドとジメチルアニリンとの組み合わせである請求項9
    に記載の硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012116895A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Jnc Corp 光硬化性接着剤及び表示素子
WO2015029615A1 (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 独立行政法人科学技術振興機構 接着剤

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