JPH09286940A - インクジェット記録用インクおよび記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクおよび記録方法

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JPH09286940A
JPH09286940A JP3786697A JP3786697A JPH09286940A JP H09286940 A JPH09286940 A JP H09286940A JP 3786697 A JP3786697 A JP 3786697A JP 3786697 A JP3786697 A JP 3786697A JP H09286940 A JPH09286940 A JP H09286940A
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田 和 英 窪
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本 清 彦 竹
Toshiyuki Miyabayashi
林 利 行 宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一液とインク組成物との二液を印字するイ
ンクジェット記録方法において、良好な印刷画像、とり
わけ再生紙においてもにじみが少なく、かつ印字ムラの
ない画像、さらにはカラーブリードのない画像が実現で
きる方法の提供。 【解決手段】 多価金属塩を含んだ第一液と、無機酸化
物コロイド、さらに場合によってエポキシ基含有化合物
を含んだインク組成物とを組み合わせて用いる。すなわ
ち、記録媒体に、第一液を付着させ、その後インク組成
物をインクジェット記録方法によって付着させて印刷を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくは記
録媒体に反応液とインク組成物とを付着させて印字を行
うインクジェット記録方法に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。
【0003】一方、インクジェット記録方法として、最
近新たに、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少
なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むイン
ク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特
開平5−202328号公報)。この方法においては、
多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、こ
の複合体の存在により、耐水性がありかつカラーブリー
ドがない高品位の画像を得ることができるとされてい
る。
【0004】また、少なくとも浸透性を付与する界面活
性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高
くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得ら
れるという提案もなされている(特開平6−10673
5号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組
成物との二液を印字することで、良好な画像が得られる
とするインクジェット記録方法が提案されている。
【0005】また、その他にも二液を印字するインクジ
ェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−
240557号公報、特開平3−240558号公
報)。
【0006】このような二液を印字するインクジェット
記録方法において、さらに性能の向上が望まれてる点を
挙げれば次の通りである。
【0007】まず第一は、着色成分の定着能力の改善で
ある。近年、上質紙に替わって再生紙が使用されること
が多くなっている。再生紙は上質紙に比べインクが浸透
しやすい場合が多い。このため、上質紙では高品位の画
像が得られても、再生紙では画像のにじみやカラーブリ
ードが発生してしまうことがあり、改善が求められてい
る。
【0008】第二は、印刷ムラである。印刷ムラとは、
紙上での着色成分の偏りからくる印刷物の色濃度の乱れ
である。印刷ムラは、通常サイズの文字では大きな問題
とはならないが、図形やグラフ等を印刷しなければなら
ない様な用途にあっては、重要な問題となってくる。
【0009】第三は、使用できる着色成分を拡大するこ
とである。二液を印字するインクジェット記録方法の多
くは、金属イオンと着色成分が有するカルボキシルイオ
ンとの塩析現象を利用するものである。従って、着色成
分はカルボキシル基を有することが前提条件となる。し
かし染料の中には、カルボキシル基以外の基、例えばス
ルホン基の作用により水溶化しているものもあり、この
様な染料の利用も可能にする記録方法が求められている
といえる。
【0010】
【発明の概要】本発明者等は、今般、二液を印字するイ
ンクジェット記録方法において、無機酸化物コロイドが
添加されたインク組成物を用いることによって、良好な
画像が実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見
に基づくものである。
【0011】従って、本発明は、二液を印字するインク
ジェット記録方法において、良好な画像が実現できる方
法の提供をその目的としている。
【0012】より具体的には、再生紙においても良好な
画像が実現できる二液を印字するインクジェット記録方
法の提供を目的としている。
【0013】さらに、印字ムラのない画像が実現できる
二液を印字するインクジェット記録方法の提供を目的と
している。
【0014】さらにまた、広い範囲の着色成分の利用が
可能な二液を印字するインクジェット記録方法の提供を
目的としている。
【0015】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、記録媒体に、反応液とインク組成物とを付着さ
せて、印字を行うインクジェット記録方法であって、反
応液が多価金属塩および/またはポリアリルアミンを含
んでなるものを用い、かつインク組成物として着色剤、
無機酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有
してなるものを用いる。
【0016】
【発明の具体的説明】インクジェット記録方法 本発明によるインクジェット記録方法は、記録媒体に反
応液とインク組成物とを印字する工程を含んでなるもの
である。
【0017】反応液とインク組成物を記録媒体に適用す
る順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち
反応液を記録媒体に付着させその後この記録媒体にイン
ク組成物を付着させる方法、インク組成物を印字した後
反応液を付着させる方法、さらに反応液とインク組成物
をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも好
適に行うことができる。
【0018】本発明によるインクジェット記録方法にあ
っては、反応液とインク組成物とが接触することで良好
な印字が実現できる。以下は仮定であってこれよって本
発明が限定的に解釈されないことを条件にその理由を述
べれば次の通りである。反応液とインク組成物とが接触
すると、反応液中の多価金属イオンまたはポリアリルア
ミンがインク組成物中の着色剤、無機酸化物コロイド、
その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集させると
考えられる。とりわけ、反応液中の多価金属イオンまた
はポリアリルアミンと、インク組成物中の無機酸化物コ
ロイドとが反応し、凝集物を形成するものと考えられ
る。これらの凝集物が着色剤の記録媒体への浸透を抑制
すると考えられる。さらに記録媒体上に残ったコロイド
粒子は、記録媒体に付着し、さらに粒子同士で結合して
皮膜を形成し、着色剤の記録媒体への定着を促進する効
果を有すると思われる。これらによって、色濃度の高
い、にじみ、印刷ムラの少ない画像を実現するものと考
えられる。また、カラー画像においては、異なる色の境
界領域での不均一な色混じり、すなわちカラーブリード
を有効に防止できるとの利点も有する。以上の機構はあ
くまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈
されるものではない。
【0019】また、本発明においては、上記したように
この無機酸化物コロイドと、反応液中の多価金属イオン
またはポリアリルアミンとが反応し、効率よく凝集物を
形成するものと考えられる。よって、着色剤が多価金属
イオンまたはポリアリルアミンと凝集物を生じ難いもの
であっても、良好な印刷画像が実現できる。このこと
は、本発明による方法が着色剤の種類を選ばず、広範な
種類の着色剤の利用を可能にするものであることを意味
する。これは本発明の大きな利点である。
【0020】反応液の記録媒体への付着に関しては、イ
ンク組成物を付着させる場所にのみ選択的に反応液を付
着させるという方法と、紙面全体に反応液を付着させる
方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消
費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、
反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度
の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液
およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和され
るが、紙面全体に大量の反応液を付着させることとな
り、乾燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの
方法を採用するかは、インク組成物と反応液との組み合
わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する
場合、反応液の付着は、インクジェット記録方法による
ことが可能である。
【0021】さらに、後記するように反応液は着色剤を
含み、インク組成物として機能させてもよい。
【0022】インク組成物 本発明において用いられるインク組成物は、着色剤、無
機酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有し
てなるものである。
【0023】無機酸化物コロイド 本発明において用いられる無機酸化物コロイド(無機酸
化物ゾルとも言う)は、分散媒が水または水と良好に混
合する有機溶媒からなり、分散質が無機酸化物の超微粒
子からなるコロイド溶液を意味する。無機酸化物として
は、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al2
3)等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。無機酸化物の超微粒子の粒径は1〜100nm程
度が一般的であり、好ましくは1〜20nmの範囲であ
り、より好ましくは1〜10nmの範囲である。また、
無機酸化物コロイドの分散媒は、水または水と良好な相
溶性を有する有機溶媒例えばメタノール、エタノ−ル、
イソプロピルアルコール、n−プロパノール等との混合
溶媒が一般的である。無機酸化物コロイドは、上記の無
機酸化物の超微粒子を水中または、上記の有機溶媒中に
分散することによって得られる。上記の無機酸化物の超
微粒子を水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に
分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
【0024】本発明において用いられる無機酸化物コロ
イドは、上記のように多価金属塩またはポリアリルアミ
ンと相互作用をして凝集する性質を有する必要がある。
【0025】このような無機酸化物コロイドとしては、
市販のものを利用することも可能である。その具体例と
しては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水中に分散さ
せたスノーテックス S、スノーテックス N、スノー
テックス C、スノーテックス SS、スノーテックス
XS、スノーテックス 20、スノーテックス 3
0、スノーテックス 40(以上 日産化学製)、Ca
taloid SI−350、Cataloid SI
−500、Cataloid SI−30、Catal
oid S−20L、Cataloid S−20H、
CataloidS−30L、Cataloid S−
30H、Cataloid SI−40(以上 デュポ
ン社製)等が挙げられる。アルミナの超微粒子を水中に
分散させアルミナゾル 100、アルミナゾル 20
0、アルミナゾル 520(以上日産化学製)等が挙げ
られる。高分子量の無水珪酸の超微粒子を有機溶媒中に
分散させたOSCAL−1432(イソプロピルアルコ
ールゾル;触媒化成工業製)も利用が可能である。上記
の市販の無機酸化物コロイド溶液のpHは、酸性または
アルカリ性に調整されているものが多い。これは、無機
酸化物コロイドの安定分散領域が酸性側かアルカリ性側
に存在するためであり、市販の無機酸化物コロイド溶液
をインク中に添加する場合は無機酸化物コロイドの安定
分散領域のpHとインクのpHとを考慮して添加する必
要がある。
【0026】無機酸化物コロイドの添加量は、その種類
およびその凝集物を勘案して適宜決定されてよいが、例
えばインク組成物の0.1〜15重量%程度が好まし
く、より好ましくは0.5〜5.0重量%程度の範囲で
ある。また、複数の無機酸化物コロイドを添加してもよ
い。
【0027】着色剤 本発明において用いられるインク組成物に含まれる着色
剤としては、染料、顔料のいずれであってもよい。本発
明にあっては上記のように極めて広範な着色剤を利用す
ることができる。
【0028】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0029】顔料としては、特別な制限なしに無機顔
料、有機顔料を使用することができる。無機顔料として
は、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、フ
ァーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造
されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キ
レート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラックなどを使用できる。
【0030】本発明の好ましい態様によれば、これらの
顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料
分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好まし
い分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用され
ている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を使用
することができる。
【0031】インク組成物への顔料の添加量は、0.5
〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15
重量%程度である。
【0032】水性溶媒 本発明によるインク組成物の基本溶媒である水性溶媒と
は、水性有機溶媒と、水とからなる。
【0033】水性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶
剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルア
ルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、te
rt−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノ
ールなどがあげられる。特に一価アルコールが好まし
い。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効
果がある。
【0034】また、本発明の好ましい態様によれば、水
性溶媒はさらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んで
なることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チ
オグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価ア
ルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあ
げられる。
【0035】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5
〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量
%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はイン
クの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1.5〜6重量%の範囲である。
【0036】また、本発明に用いられるインク組成物は
界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の例として
は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノール、エタノ
ール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価ア
ルコールの低級アルキルエーテルなどがあげられる。
【0037】本発明に用いられるインク組成物は、その
他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等が
添加されてもよい。例えば、pH調整剤としては、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン
があげられる。
【0038】 本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いら
れるインク組成物は、糖を含有してなるのが好ましい。
この糖の添加によって、色濃度をさらに改善し、にじ
み、および印刷ムラを極めて少なくすることができる。
さらに、カラー画像においてはカラーブリードをより高
い次元で防止できる。糖類の具体例としては、単糖類、
二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)およ
び多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノー
ス、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノー
ス、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビ
ット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロ
ース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげら
れる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン
酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に
広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0039】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5
の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルド
ン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげら
れる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマ
ルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0040】これら糖類の含有量は、インク組成物の
0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の
範囲が適当である。
【0041】エポキシ基含有化合物およびエポキシ硬化
本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いら
れるインク組成物は、エポキシ基含有化合物を含んでな
るのが好ましい。本発明において、エポキシ基含有化合
物とは、少なくとも二個以上のエポキシ基を分子構造中
に有するものであり、エポキシ基が関与した架橋反応を
生じ、樹脂化(すなわち高分子量化)するものを意味す
るものとする。このエポキシ基含有化合物の添加によっ
て、印刷画像に良好な耐擦性、耐水性を付与することが
できる。
【0042】本発明において用いられるエポキシ基含有
化合物としては、エポキシ基を有し、エポキシ基と反応
可能な官能基を更に有する化合物と、エポキシ基を有す
るが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しない化合物
とが挙げられる。
【0043】ここで、エポキシ基と反応可能な官能基と
は、エポキシ基と反応し、その架橋反応を生じさせるも
のを意味し、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、などが挙げられる。本発明にあっては、更にエ
ポキシ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化
合物を用いると、後記するような反応液へのエポキシ硬
化剤の添加を省略することが出来る。一方で、エポキシ
基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物を
用いながら、更に反応液にエポキシ硬化剤を添加する
と、印字の定着速度を更に向上させることが出来る。い
ずれの利点を得るかは、適宜選択することが出来る。
【0044】本発明においてエポキシ基含有化合物をイ
ンク組成物に添加することで、良好な印字が得られる機
構は次のように考えられる。但し、この機構はあくまで
仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈される
ものではない。
【0045】本発明による方法にあっては、反応液と、
インク組成物とを記録媒体に付着させる。インク組成物
が記録媒体に付着すると、反応液中の多価金属塩による
多価金属イオンまたはポリアリルアミンと、インク組成
物中の無機酸化物コロイドとの相互作用によって凝集が
生ずることは上記したとおりである。ここで、反応液に
エポキシ硬化剤が含まれている場合には、エポキシ基含
有化合物のエポキシ基の架橋反応が生じ、樹脂化が進行
する。また、エポキシ基含有化合物としてエポキシ基に
反応可能な官能基を有する化合物を用いた場合、次のよ
うな機構で、エポキシ硬化剤が存在しないにもかかわら
ず樹脂化が進行するものと考えられる。すなわち、反応
液中の多価金属塩またはポリアリルアミンと、無機酸化
物コロイドとの凝集により、エポキシ基含有化合物間の
距離が極めて小さくなると、隣り合うエポキシ基含有化
合物間においてエポキシ基と、それと反応可能な官能基
とが反応する現象が生ずると予想される。この反応によ
ってエポキシ基含有化合物間において架橋反応が生じ、
樹脂化するものと考えられる。以上のような樹脂化によ
って、印字が強固に記録媒体に付着し、更に印字表面に
樹脂の皮膜が形成される。このような印字は良好な耐擦
性、耐水性、耐光性を有するものになるものと考えられ
る。
【0046】なお、インク組成物中においてこのエポキ
シ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物
同士が反応してしまうことが好ましくないことは明らか
であるから、そのようなエポキシ基含有化合物の利用は
避けるのが好ましい。
【0047】本発明において好ましく用いられるエポキ
シ基含有化合物としては、エポキシ基含有樹脂エマルジ
ョンおよび水溶性エポキシ化合物があげられる。
【0048】本発明の好ましい態様によれば、エポキシ
基含有樹脂エマルジョンとして、連続相が水であり、分
散相が下記の式(I)および(II):
【0049】
【化3】 (式中、R1およびR3は独立してHまたはCH3を表
し、R2はその構造中にアルキル基(好ましくはC1
21アルキル)、水酸基、カルボキシル基およびスルホン
酸基から選ばれる一種以上の基を含んでなる基を表わ
す)で表わされる繰返し単位を含んでなる共重合体を含
んでなる、エポキシ基含有アクリル系樹脂エマルジョン
があげられる。この樹脂は、共重合の態様によっては制
限されず、例えばブロックコポリマ、ランダムコポリマ
などであることができる。
【0050】また、このような共重合体の末端は、この
共重合体が高分子ゆえその性質に本質的な影響を与える
ものではないが、一般的には重合開始剤の切片が結合し
たものとなろう。このような重合開始剤の切片として
は、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの
重合開始剤の切片、具体的には−OSO3 Hなどがあげ
られる。
【0051】R2の好ましい例としては、−OH、−C
OOH、−COO−R(ここで、Rは直鎖または分岐鎖
状のアルキル基、好ましくはC1-12のアルキル基を表
し、更にこのアルキル基上の一以上の水素原子は水酸
基、ホスホノ基、またはスルホン酸基で置換されていて
もよい)、スルホン酸基で置換されたアリール基(例え
ば、フェニル基、トリル基)が挙げられる。R2として
表わされる基の具体例としては、−OH、−COOH、
−COOCH2CH2OH、−COOCH2CH(CH3
OH、−COOCH2CH2PO(OH)2、−C65
3H、−COOCH2CH2SO3H、−COOCH3
−COOC25、−COOC49、−COOC613
−COO(CH211CH、−COOCH2CH(C
3)CH2C(CH33等が挙げられる。ここで、R2
に含まれることのある水酸基、カルボキシル基、または
スルホン酸基はエポキシ基と反応可能な官能基である。
よって、R2がアルキル基のみを含んでなる場合および
2が水酸基、カルボキシル基、またはスルホン酸基を
含んでなるが実質的にエポキシ基と反応しない場合に
は、樹脂エマルジョンはエポキシ基と反応可能な官能基
を有さないものとなる。また、R2がアルキル基に加え
て、水酸基、カルボキシル基、またはスルホン酸基を含
んでなる場合には、樹脂エマルジョンはエポキシ基と反
応可能な官能基を有するものとなる。
【0052】また、この樹脂エマルジョンとして市販の
ものを用いることも可能であり、その例としてはアルマ
テックスZ116(三井東圧化学株式会社製)、ニュー
コートS−2170およびS−1080(新中村化学工
業株式会社製)、バナテックス#952およびHG−9
(新中村化学工業株式会社製)、Piestex B−
3(新中村化学工業株式会社製)があげられる。
【0053】水溶性エポキシ化合物は、一分子中に、後
記するエポキシ硬化剤と反応性のエポキシ基を、好まし
くは二個以上含んでなるものであって、典型的には水溶
性ジエポキサイドである。本発明において好ましく用い
られる水溶性エポキシ化合物としては、下記の式で表さ
れるものが挙げられる。
【0054】
【化4】 (式中、nは4〜9の自然数を表わす) 水溶性エポキシ化合物の好ましい例としては、ポリエチ
レングリコールグリシジルエーテルがあげられる。市販
のものとしてはエポライト400E(ポリエチレングリ
コール#400グリシジルエーテル、共栄社化学製)、
エポライト200E(ポリエチレングリコール#200
グリシジルエーテル、共栄社化学製)、エポライト80
MF(グリセリンジグリシジルエーテル、共栄社化学
製)、エピオールG−100(グリセリンジクリシジル
エーテル、日本油脂株式会社製)、デナコール(ナガセ
化成株式会社製)があげられる。
【0055】本発明において好ましく用いられるエポキ
シ基と反応性の官能基を有するエポキシ基含有化合物と
しては、例えは、前記エポキシ基含有樹脂エマルジョン
のうち、R2の少なくとも一部がエポキシ基との反応可
能な官能基、つまり、水酸基、カルボキシル基、および
スルホン酸基から選ばれる官能基を含んでなるものがあ
げられる。R2の一部がアルキル基(好ましくはC121
アルキル)を含んでなり、エポキシ基と反応可能な官能
基を含まないものであってもよい。市販のものとして
は、アルマテックスZ116(三井東圧化学株式会社
製)があげられる。
【0056】本発明によるインク組成物におけるエポキ
シ基含有化合物の含有量は、インク組成物の1〜10重
量%程度が好ましく、より好ましくは1〜5重量%の範
囲である。
【0057】なお、本発明において用いられるインク組
成物は、後記するように樹脂エマルジョンを含んでなる
が、前記したエポキシ基含有化合物がエポキシ基含有樹
脂エマルジョンである場合、このエポキシ基含有化合物
はこの樹脂エマルジョンの作用をも兼ねるものであり、
更に別の成分の樹脂エマルジョンを含まなくともよい。
しかし、本発明の好ましい態様によれば、エポキシ基含
有樹脂エマルジョンに加え、更に樹脂エマルジョンが添
加されるのが好ましい。
【0058】本発明においては、好適にはエポキシ硬化
剤を反応液に含ませてもよい。このエポキシ硬化剤は、
前記したインク組成物に含まれるエポキシ基含有化合物
とともに、架橋反応により、エポキシ基含有化合物の樹
脂化(高分子量化)を促進させるものを意味するものと
する。本発明にあっては、後記する様なインクジェット
記録方法において良好な耐擦性、耐水性を有する印字を
与えるエポキシ硬化剤であれば特に制限無く利用するこ
とができる。
【0059】本発明において好ましく用いられるエポキ
シ硬化剤は典型的には水溶性である。このような硬化剤
としては、アミン化合物、例えば、エチレンジアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペ
ラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、脂肪族ア
ミン変成物、水溶性ポリアミン、アミン以外の水溶性常
温硬化触媒、例えばP−フェノールスルホン酸などの芳
香族スルホン酸、エポキシエマルジョン用硬化剤があげ
られる。硬化剤として市販のものを利用することをも可
能であり、その例としては、アルマテックスH700
(三井東圧化学株式会社製)、エポキ−H(三井東圧化
学株式会社製)があげられる。
【0060】このようなエポキシ硬化剤の反応液中にお
ける濃度は、好ましくは0.1〜40重量%程度であ
り、より好ましくは1〜20重量%程度である。
【0061】本発明において、反応液が付着した記録媒
体に、インク組成物が印字されると、反応液に含有され
ているエポキシ硬化剤と、インク組成物に含有されてい
るエポキシ基含有化合物とが反応し、エポキシ基含有化
合物の架橋反応が進行する。その反応は例えば下記のよ
うに表される。
【0062】
【化5】 その結果、エポキシ基含有化合物の樹脂化(樹脂エマル
ジョンの場合更なる高分子量化)が促進される。記録媒
体に形成された印字中におけるこのような樹脂化によっ
て印字が強固に記録媒体に付着し、更に印字表面に樹脂
の皮膜が形成される。このような印字は良好な耐擦性、
耐水性、耐光性を有するものとなる。
【0063】樹脂エマルジョン また、本発明の好ましい態様によれば、本発明において
用いられるインク組成物は樹脂エマルジョンを含んでな
るのが好ましい。好ましく用いられる樹脂エマルジョン
は、連続相が水であり、分散相の樹脂成分がエポキシ基
を含まないものである。なお、前記したように、エポキ
シ基含有化合物がエポキシ基含有樹脂エマルジョンであ
る場合、この樹脂エマルジョンの添加は必須ではない。
このような樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル
系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹
脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
【0064】また、市販の樹脂エマルジョンとしては、
例えばマイクロジェルE−1002、E−5002(ス
チレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株
式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマ
ルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)ボンコー
ト5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、
大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン
株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系
樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが
あげられる。
【0065】本発明の好ましい態様によれば、これらの
樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であ
るのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエ
マルジョンを形成する限り特に限定されないが、150
nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100n
m程度である。
【0066】これらの樹脂エマルジョンは、重合反応に
よって得られた重合物に、界面活性剤と水を加えて乳化
する、あるいは、モノマーを界面活性剤存在下の水中で
乳化重合することによって得ることができる。例えば、
アクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン−アクリル
系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル
またはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルとを界面
活性剤等の乳化剤の存在下で乳化重合することによって
得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割
合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。
界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好な
インクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に
限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界面活
性剤(例えばアルキルサルフェート、アルキルアリルス
ルホネート、ジアルキル サクシネート、アルキルナフ
タレンスルホネートなど)、HLB10以上の非イオン
性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルな
ど)があげられ、これらを単独または二種以上混合して
用いることができる。
【0067】また、分散相成分としての樹脂と水との割
合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量
部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0068】本発明に使用するインク組成物は、樹脂エ
マルジョンを、その樹脂成分がインク組成物の0.1〜
40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ま
しくは1〜25重量%の範囲である。
【0069】エポキシ基を含有している樹脂エマルジョ
ン、エポキシ基を含有していない樹脂エマルジョンのい
ずれも、多価金属イオンまたはポリアリルアミンとの相
互作用により、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録媒
体への定着を促進する効果を有するものと考えられる。
【0070】反応液 本発明において用いられる反応液は、基本的に多価金属
塩および/またはポリアリルアミンと、水とを含んでな
る。さらに、インク組成物がエポキシ基含有化合物を含
んでなる場合には、好ましくは前記したエポキシ硬化剤
とを含んでなる。
【0071】本発明において、反応液に含まれる多価金
属塩は、2価以上の多価金属イオンと、これら多価金属
イオンに結合する好ましくは硝酸イオンまたはカルボン
酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0072】ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは
炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸および炭素数
7〜11の炭素環式モノカルボン酸からなる群から選択
されるカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1
〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例として
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草
酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられ
る。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0073】このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素
基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、その
ようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げら
れる。
【0074】さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカ
ルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸
等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0075】一方、多価金属イオンの具体例としては、
Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+など
の二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+などの三価金
属イオンが挙げられる。陰イオンとしては、Cl- 、N
3 -、I- 、Br- 、ClO3 -、およびCH3 COO-
が挙げられる。
【0076】とりわけ、上記陰イオンと、Ca2+または
Mg2+より構成される金属塩は、反応液のpH、得られ
る印刷物の品質という2つの観点から、好適な結果を与
える。
【0077】これら多価金属塩の反応液中における濃度
は印字品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜
決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度
であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0078】反応液に用いることができるポリアリルア
ミン及びポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中で
プラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、式
(a)、式(b)、および式(c)が挙げられる。
【0079】
【化6】 (式中、X-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物
イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イ
オン等を表す) さらに、アリルアミンとジアリルアミンが共重合したポ
リマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸
化硫黄との共重合体を使用することもできる。
【0080】これらポリアリルアミンの含有量は、反応
液の0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0081】また、本発明において反応液には、高沸点
有機溶媒などの湿潤剤を含んでなることが好ましい。高
沸点有機溶媒の好ましい例としては、インク組成物の項
で記載したものが挙げられる。高沸点有機溶媒は、反応
液の乾燥を防ぐことによりヘッドの目詰まりを防止す
る。
【0082】高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されな
いが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より
好ましくは2〜20重量%程度である。
【0083】本発明の好ましい態様によれば、高沸点有
機溶媒としてトリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、グリセリンを添加するのが好ましい。これらを組み
合わせて添加する場合、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテルおよびグリセリンの添加量はそれぞれ10
〜20重量%程度および1〜15重量%程度が好まし
い。
【0084】また、この反応液は、カラー着色剤を添加
して着色され、インク組成物の機能を兼ね備えたものと
してもよい。
【0085】その他、保存安定性を向上させるため必要
に応じて、反応液にpH調整剤、防腐剤、防かび剤等を
添加しても良い。
【0086】このうち、pH調整剤としては、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンがあ
げられる。トリエタノールアミンが添加される場合、そ
の添加量は、0〜2.0重量%程度が好ましい。
【0087】インクジェット記録方法および記録装置 本発明によるインクジェット記録方法およびそれを実施
するインクジェット記録装置について以下、図面を用い
て説明する。
【0088】図1のインクジェット記録装置は、インク
組成物および反応液をタンクに収納し、インク組成物お
よび反応液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給
される態様である。すなわち、記録ヘッド1とインクタ
ンク2とがインクチューブ3で連通される。ここで、イ
ンクタンク2は内部が区切られてなり、インク組成物、
場合によって複数のカラーインク組成物、の部屋と、反
応液の部屋とが設けられてなる。
【0089】記録ヘッド1は、キャリッジ4に搭載さ
れ、モータ5で駆動されるタイミングベルト6によって
ガイド9にガイドされて移動する。一方、記録媒体であ
る紙7はプラテン8によって記録ヘッド1と対面する位
置に置かれる。なお、この態様においては、キャップ1
0が設けられてなる。このキャップ10には吸引ポンプ
11が連結され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸
引されたインク組成物はチューブ12を介して廃インク
タンク13に溜め置かれる。
【0090】記録ヘッド1のノズル面の拡大図を図2に
示す。1bで示される部分が反応液のノズル面であっ
て、反応液が吐出されるノズル21が縦方向に設けられ
てなる。一方、1cで示される部分がインク組成物のノ
ズル面であって、ノズル22、23、24、25からは
それぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成
物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物
が吐出される。
【0091】さらにこの図2に記載の記録ヘッドを用い
たインクジェット記録方法を図3を用いて説明する。記
録ヘッド1は矢印A方向に移動する。その移動の間に、
ノズル面1bより反応液が吐出され、記録媒体7上に帯
状の反応液付着領域31を形成する。次に記録媒体7が
紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間記録ヘッ
ド1は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左
端の位置に戻る。そして、既に反応液が付着している反
応液付着領域にインク組成物を印字し、印字領域32を
形成する。
【0092】また、図4に記載のように記録ヘッド1に
おいて、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可
能である。図中で、41aおよび41bは反応液の吐出
ノズルであり、ノズル42、43、44、45からはぞ
れぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、
シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐
出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記
録ヘッド1がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれ
においても印字が可能である点で、図2に示される記録
ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印字が期待でき
る。
【0093】さらに、インクジェット記録装置には、イ
ンク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを
取り替えることで行われるものがある。また、このイン
クタンクは記録ヘッドと一体化されたものであってもよ
い。
【0094】このようなインクタンクを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい例を図5に示す。図中で図
1の装置と同一の部材については同一の参照番号を付し
た。図5の態様において、記録ヘッド1aおよび1b
は、インクタンク2aおよび2bと一体化されてなる。
記録ヘッド1aまたは1bをそれぞれインク組成物およ
び反応液を吐出するものとする。印字方法は基本的に図
1の装置と同様であってよい。そして、この態様におい
て、記録ヘッド1aとインクタンク2aおよび記録ヘッ
ド1bおよびインクタンク2bは、キャリッジ4上をと
もに移動する。
【0095】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0096】インク組成物の調製 以下のインク組成物を調製した。
【0097】ブラックインクA1 カーボンブラックMA7 5重量% (三菱化成株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体 1重量% (分散剤) スノーテックスS 10重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学
社製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量 カーボンブラックと分散剤とを混合し、サンドミル(安
川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混
合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させ
た。その後ガラスビーズを取り除き、他の上記成分を加
え、常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィ
ルターでろ過して、インクジェット記録用インクを得
た。
【0098】ブラックインクA2 カーボンブラックRaven1080 5重量% (コロンビヤン・カーボン株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体 1重量% (分散剤) スノーテックスC 0.5重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0099】ブラックインクA3 カーボンブラックRaven1080 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体 1重量% (分散剤) スノーテックスS 5重量% ボンコート4001 5重量% (アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、MF
T=5℃、大日本インキ株式会社製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0100】ブラックインクA4 C.I.フードブラック 2重量% スノーテックスC 10重量% 2−ピロリドン 5重量% 純水 残量
【0101】ブラックインクA5 C.I.フードブラック 2重量% アルミナゾル−200 5重量% (Al23含有量10%、日産化学社製) 2−ピロリドン 5重量% 純水 残量
【0102】ブラックインクA6 C.I.フードブラック 2重量% 2−ピロリドン 5重量% 純水 残量
【0103】ブラックインクA7 カーボンブラックRaven1080 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体 1重量% (分散剤) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0104】下記の着色剤を下記の液媒体に添加して、
それぞれシアン、マゼンタ、およびイエローインク組成
物を得て、カラーインクセットとした。
【0105】カラーインクセットA1 染料 シアンインク C.I.ダイレクトブルー86 3重量% マゼンタインク C.I.ダイレクトレッド9 3重量% イエローインク C.I.アシッドイエロー23 3重量%液媒体 スノーテックスC 5重量% ジエチレングリコール 10重量% サーフィノール82 3重量% サーフィノールTG 0.5重量% 純水 残量
【0106】カラーインクセットA2 顔料 シアンインク 顔料KETBLUEEX−1 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) マゼンタインク 顔料KETRED309 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) イエローインク 顔料KETYELLOW403 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製)液媒体 スチレン−アクリル酸共重合体 0.4重量% (分散剤) コロイダルシリカS 3重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0107】下記の成分を混合して、反応液を調製し
た。
【0108】反応液A1 硝酸マグネシウム・六水和物 25重量% (硝酸マグネシウム 14.8重量% ) ジエチレングリコール 10重量% 純水 残量
【0109】反応液A2 塩化カルシウム 10重量% ジエチレングリコール 10重量% 純水 残量
【0110】反応液A3 下記のそれぞれの染料を液媒体に添加し、シアン、マゼ
ンタ、およびイエローのカラーインク組成物の機能を兼
ねる反応液を調製した。
【0111】染料 シアンインク C.I.ダイレクトブルー86 3重量% マゼンタインク C.I.ダイレクトレッド9 3重量% イエローインク C.I.アシッドイエロー23 3重量%液媒体 塩化カルシウム 10重量% グリセリン 10重量% 純水 残量
【0112】以上示したインク組成物、反応液を第1表
に示される通りに組み合わせ、後記する評価試験を行っ
た。
【0113】
【0114】評価A1:印字品質(にじみ) インクジェトプリンタMJ−700V2C(セイコーエ
プソン株式会社製)を用いて、以下の各紙に印刷を行っ
た。印刷は、まず反応液を100%dutyで印刷した
後、ブラックインクで文字を印刷した。乾燥後、文字に
おけるにじみの発生の有無を調べた。
【0115】 Xerox P紙(ゼロックス株式会社製) Ricopy 6200紙(リコー株式会社製) Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製) Neenah Bond紙(キンバリークラーク社
製) Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙) やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
【0116】その結果は第2表に示されるとおりであっ
た。表中、 ○:にじみがなく鮮明な印刷の場合、 △:ひげ状のにじみが発生した場合、そして ×:文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生した
場合を意味する。
【0117】評価A2:印刷ムラ インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、
以下の各紙に100%dutyで印刷を行った。印刷の
方法は印字品質(にじみ)で示した方法と同様である。
【0118】 Ricopy 6200紙(リコー株式会社製) Canon dry紙(キャノン株式会社製) 得られた印刷画像について、その反射OD値をMach
beth PCMII(マクベス社製)を用いて測定し
た。印刷部分の任意の5点のOD値を測定し、その平均
値を求めた。この手順を5回繰り返し、5つの平均値の
最大値と最小値を求めた。この差が0.5 未満であると
実用上問題なく、さらには0.4 未満が好ましい。その
結果は次の第2表に示されるとおりであった。表中、 ○:OD値の差が0.3 未満、 △:OD値の差が0.3 以上0.4未満、そして ×:OD値の差が0.4 以上の意味である。
【0119】評価A3:耐擦性 インクジェットプリンタMJ−700V2CでXero
x P紙(ゼロックス株式会社製)に印刷し、印刷物を
24時間自然乾燥させた。その印刷物を25℃、50R
Hの環境で指でこすり、印刷の汚れの発生の有無を目視
で観察した。その結果は、次の第2表に示されるとおり
であった。表中、 ○:印刷の汚れが観察されない場合、 △:印刷の汚れが若干発生するが、文字の判別は可能な
場合、 ×:印刷の汚れで文字の判別ができない場合である。
【0120】評価A4:カラーブリード インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、
以下の各紙に100%dutyで反応液を記録材に付着
させた後、100%dutyでカラーインク(シアン、
マゼンタ、イエロー)とブラックインク(文字)とを同
時に印刷し多。得られた印刷物の文字の境界部分での不
均一な色の混じりの有無を調べた。なお、実施例8では
100%dutyで反応液とブラックインク(文字)と
を同時印刷した。
【0121】 Xerox P紙(ゼロックス株式会社製) Ricopy 6200紙(リコー株式会社製) Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製) Neenah Bond紙(キンバリークラーク社
製) Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙) やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙) その結果は次の第2表に示される通りであった。表中、 ○:色の混じりがなく境界が鮮明な場合、 △:ひげ状に色の混じりが発生した場合、そして ×:文字の輪郭がはっきりしないほど色が混じった場合
である。
【0122】評価A5:専用メディアへのインク定着性 インクジェットプリンターMJ−700V2Cを用い、
インクをMJ−700V2C用専用光沢フィルム(セイ
コーエプソン株式会社製)に印字した後、印刷物を24
時間自然乾燥させた。その印刷物を25℃、50RHの
環境で指でこすり、印刷物の汚れ、着色剤の剥離の発生
の有無を目視で観察した。その結果は、次の第2表に示
される通りであった。表中、 ○:印刷の汚れ、着色剤の剥離が観察されなかった場
合、 △:印刷の汚れが若干発生するが、着色剤の剥離は観察
されなかった場合、そして ×:印刷の汚れ、着色剤の剥離がともに発生した場合で
ある。
【0123】 第 2 表 評価A1 評価A2 評価A3 評価A4 評価A5 実施例A1 ○ ○ ○ − − A2 △ ○ ○ − − A3 ○ ○ ○ − − A4 △ ○ ○ − − A5 △ ○ ○ − − A6 ○ ○ ○ △ △ A7 ○ ○ ○ ○ ○ A8 ○ ○ ○ △ △ A9 − − − − − 比較例A1 × △ △ − − A2 △ × × − − A3 − − − − ×
【0124】以下のインク組成物を調製した。
【0125】ブラックインクB1 カーボンブラックMA7 5重量% (三菱化成株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) スノーテックスS 2重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0重量% KOH(pH調整剤) 0.1重量% 純水 残量
【0126】ブラックインクB2 カーボンブラックRaven1080 5重量% (コロンビヤ・カーボン株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) エポライト400E 2重量% (水溶性エポキシ化合物、ポリエチレングリコール#4
00グリシジルエーテル、共栄社化学製) スノーテックスC 1重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0127】ブラックインクB3 カーボンブラックRaven1080 5重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% マイクロジェルE−5002 3.5重量% (スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分2
9.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社
製) アルマテックスZ116 5重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) スノーテックスS 1重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0重量% KOH(pH調整剤) 0.1重量% 純水 残量
【0128】ブラックインクB4 カーボンブラックRaven1080 5重量% (コロンビヤ・カーボン株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% マイクロジェルE−5002 3.5重量% (スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分2
9.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社
製) エポライト400E 2重量% (水溶性エポキシ化合物、ポリエチレングリコール#4
00グリシジルエーテル、共栄社化学製) スノーテックスC 1重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0129】ブラックインクB5 カーボンブラックRaven1080 5重量% (コロンビヤ・カーボン株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0130】ブラックインクB6 カーボンブラックRaven1080 5重量% (コロンビヤ・カーボン株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% マイクロジェルE−5002 3.5重量% (スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分2
9.2%、MFT 約80℃、日本ペイント株式会社
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0131】以上のブラックインク組成物は次のように
調製した。まず、カーボンブラックと分散剤とを混合
し、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ
(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とと
もに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除
き、他の添加物を加え常温で20分間攪拌した。5μm
のメンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録
用インクを得た。
【0132】カラーインクセットB1 シアンインク 顔料KETBLUEEX−1 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) スノーテックスS 2重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0133】マゼンタインク 顔料KETRED309 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) スノーテックスS 2重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0134】イエローインク 顔料KETYELLOW403 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分
50%、三井東圧化学株式会社製) スノーテックスS 2重量% (コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学
製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0135】カラーインクセットB2 シアンインク 顔料KETBLUEEX−1 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0136】マゼンタインク 顔料KETRED309 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0137】イエローインク 顔料KETYELLOW403 2重量% (大日本インキ化学工業株式会社製) スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% エタノール 4重量% 純水 残量
【0138】以上、カラーインク組成物は次のように調
製した。まず、顔料と分散剤とを混合し、サンドミル
(安川製作所製)中で、ガラスビーズ(直径1.7m
m、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散
させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を
加え常温で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィ
ルターでろ過して、インク組成物を得た。
【0139】反応液B1 硝酸マグネシウム・六水和物 25重量% トリエチレングリコール モノブチルエーテル 10重量% グリセリン 20重量% 純水 残量
【0140】反応液B2 硝酸マグネシウム・六水和物 25重量% 水溶性ポリアミン (アルマテックスH700) 3重量% (三井東圧化学株式会社製) トリエチレングリコール モノブチルエーテル 10重量% グリセリン 20重量% 純水 残量
【0141】以上の反応液は、組成成分を混合して、室
温で1時間攪拌を行なった後、室温で5μmメンブラン
フィルターで吸引ろ過して調製した。
【0142】印字評価試験 以上のインク組成物および反応液を組み合わせて用いて
所定の印刷を行い、得られた画像を次のように評価し
た。
【0143】印字方法 インクジェットプリンタMJ−700V2C(セイコー
エプソン株式会社製)を用いて、以下の各紙に印刷を行
った。印刷は、まず反応液を100%dutyで印刷し
た後、ブラックインクで文字を印刷した。反応液、イン
クともに吐出量は0.07μg/dot、密度は360
dpiとした。
【0144】印刷試験用紙 Xerox P紙(ゼロックス株式会社製) Ricopy 6200紙(リコー株式会社製) Xerox 4024紙(ゼロックス株式会社製) Neenah Bond紙(キンバリークラーク社
製) Xerox R紙(ゼロックス株式会社製・再生紙) やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)。
【0145】評価B1:耐擦性試験(耐ラインマーカー
性) 得られた印刷物をゼブラ社製イエロー水性蛍光ペン Z
EBRA PEN2を用いて、印刷文字を筆圧4.9×
105N/m2で擦り、イエロー部の汚れの有無を目視で
観察し、次のように評価した。
【0146】 ◎:印刷直後から2回擦っても全く汚れが生じない ○:24時間自然乾燥後、2回擦っても全く汚れが生じ
ない △:24時間自然乾燥後、1回の擦りまで汚れが生じな
いが、2回以上で汚れが発生する用紙がある ×:24時間自然乾燥後、1回の擦りでも汚れの生じる
用紙がある
【0147】評価B2:印字品質(にじみ) 得られた印刷物の乾燥後の文字におけるにじみの発生の
有無を調べ、次のように評価した。
【0148】 ◎:全紙にじみの発生なく鮮明な印刷である ○:一部の用紙(再生紙)にひげ状のにじみの発生があ
る △:全紙にひげ状のにじみの発生がある ×:文字の輪郭がはっきりしないほどにじみが発生して
いる
【0149】評価B3:OD値 上記の方法で印字した印刷物の反射OD値をMacbe
th PCMII(マクベス社製)で測定した。
【0150】以上の評価B1〜評価B3において用いら
れた反応液およびインク組成物、並びにその評価結果
は、次の第3表に示される通りであった。 第 3 表 反応液 ブラックインク 評価B1 評価B2 評価B3 実施例B1 B1 B1 ○ ◎ 1.65 B2 B1 B2 ○ ◎ 1.62 B3 B1 B3 ○ ◎ 1.60 B4 B1 B4 ○ ◎ 1.59 B5 B2 B1 ◎ ◎ 1.68 B6 B2 B2 ◎ ◎ 1.65 B7 B2 B3 ◎ ◎ 1.63 B8 B2 B4 ◎ ◎ 1.62 比較例B1 B1 B5 × × 1.32 B2 B1 B6 △ ○ 1.42
【0151】評価B4:カラーブリード インクジェットプリンタMJ−700V2Cを用いて、
上記記録紙に100%dutyで反応液を各紙に付着さ
せた後、100%dutyでカラーインク(シアン、マ
ゼンタ、イエロー)を同時に印刷した。得られた印刷物
の色の境界部分での不均一な色の混じりを目視で観察
し、次のように評価した。
【0152】 ○:色の混じりがなく境界が鮮明な場合 △:ひげ状に色の混じりが発生した場合 ×:輪郭がはっきりしないほど色が混じった場合 その結果は次の第4表に示されるとおりであった。
【0153】 第 4 表 反応液 カラーインクセット 評価B4 実施例B9 B1 B1 ○ B10 B2 B1 ○ 比較例B3 B1 B2 ×
【0154】評価B5:専用メディアへのインク定着性
(その1) インクジェットプリンタMJ−700V2C(セイコー
エプソン株式会社製)を用いて、インクジェットプリン
タMJ−700V2C用専用光沢フィルム(セイコーエ
プソン株式会社製)に印字した後、印刷物を24時間自
然乾燥させた。
【0155】該印刷物を評価B1と同様の方法で調べ
た。その結果を次の基準で評価した。
【0156】 ○:1回の擦りでは汚れが全く生じない △:1回の擦りで汚れが若干生じる ×:1回の擦りで汚れが発生する
【0157】評価B6:専用メディアへのインク定着性
(その2) 粘着テープ(セロハンテープ:セキスイテープ(積水化
学製)))を印刷物の印字部分に貼り、指で2ないし3
回擦った後に粘着テープを引き剥した。その部分の印字
部の状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
【0158】 ○:インク(着色剤)の専用光沢フィルムからの剥離が
全くない △:インク(着色剤)が専用光沢フィルムと粘着テープ
の粘着剤面の両方にある ×:インク(着色剤)が専用光沢フィルムから完全に剥
離している 以上の結果は第5表に示される通りであった。
【0159】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッ
ドとインクタンクがそれぞれ独立してなり、インク組成
物および反応液はインクチューブにより記録ヘッドに供
給される。
【図2】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、1b
が反応液のノズル面であり、1cがインク組成物のノズ
ル面である。
【図3】図2の記録ヘッド用いたインクジェット記録ヘ
ッド説明する図である。図中で、31は反応液付着領域
であり、32は反応液が付着された上にインク組成物が
印字された印字領域である。
【図4】記録ヘッドの別の態様を示す図であって、吐出
ノズルが全て横方向に並べて構成されたものである。
【図5】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッ
ドとインクタンクが一体化されてなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 インクチューブ 21 反応液吐出ノズル 22,23,24,25 インク組成物吐出ノズル 31 反応液付着領域 32 印字領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 林 利 行 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に、反応液とインク組成物とを付
    着させて、印字を行うインクジェット記録方法であっ
    て、 前記反応液が多価金属塩および/またはポリアリルアミ
    ンを含んでなるものであり、 前記インク組成物が、着色剤、無機酸化物コロイド、お
    よび水性溶媒を少なくとも含有してなるものである、イ
    ンクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】インク組成物が糖をさらに含有してなるも
    のである、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記インク組成物が着色剤として顔料を含
    有してなるものである、請求項1または2に記載のイン
    クジェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記インク組成物が無機酸化物コロイドと
    してコロイダルシリカを含有してなるものである、請求
    項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方
    法。
  5. 【請求項5】前記インク組成物が、エポキシ基と反応可
    能な官能基を有するエポキシ基含有化合物および/また
    はエポキシ基と反応可能な官能基を有しないエポキシ基
    含有化合物をさらに含んでなるものである、請求項1〜
    4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】前記エポキシ基含有化合物が、エポキシ基
    含有樹脂エマルジョンおよび/または水溶性エポキシ化
    合物である、請求項5に記載のインクジェット記録方
    法。
  7. 【請求項7】前記エポキシ基含有樹脂エマルジョンが、
    下記の式(I)および(II)で表される繰返し単位を含
    んでなる共重合体を含んでなるものである、請求項6に
    記載のインクジェット記録方法。 【化1】 (式中、 R1およびR3は独立してHまたはCH3を表し、 R2はその構造中にアルキル基、水酸基、カルボキシル
    基、およびスルホン酸基から選ばれる一種以上の基を含
    んでなる基を表わす)。
  8. 【請求項8】前記水溶性エポキシ化合物が下記の式で表
    されるものである、請求項6に記載のインクジェット記
    録方法。 【化2】 (式中、nは4〜9の自然数を表わす)
  9. 【請求項9】前記インク組成物が樹脂エマルジョンをさ
    らに含有してなるものである、請求項1〜8のいずれか
    一項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】前記反応液が多価金属塩として硝酸塩ま
    たはカルボン酸塩を含んでなるものである、請求項1〜
    9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸
    イオンが、炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸
    (このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素
    原子は水酸基で置換されていてもよい)または炭素数6
    〜10の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるもので
    ある、請求項10記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】前記反応液がエポキシ硬化剤をさらに含
    んでなるものである、請求項1〜11のいずれか一項に
    記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】前記エポキシ硬化剤が水溶性ポリアミン
    である、請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】反応液を記録媒体に付着させ、その後該
    記録媒体にインク組成物を印字する、請求項1〜13の
    いずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】インク組成物を記録媒体に印字し、その
    後該記録媒体に反応液を付着させる、請求項1〜13の
    いずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】前記反応液と前記インク組成物をインク
    ジェット記録装置からの射出直前または射出直後に混合
    して記録媒体に印字する、請求項1〜13のいずれか一
    項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】反応液が、イエロー染料、シアン染料、
    またはマゼンタ染料を含んでなるカラーインクである、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載のインクジェット
    記録方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれか一項に記載の
    方法によって印字された、記録物。
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