JPH09287063A - フランジ成形性に優れたdi缶胴用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

フランジ成形性に優れたdi缶胴用アルミニウム合金板の製造方法

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JPH09287063A
JPH09287063A JP12255696A JP12255696A JPH09287063A JP H09287063 A JPH09287063 A JP H09287063A JP 12255696 A JP12255696 A JP 12255696A JP 12255696 A JP12255696 A JP 12255696A JP H09287063 A JPH09287063 A JP H09287063A
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cold rolling
aluminum alloy
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rolling
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Toshio Komatsubara
俊雄 小松原
Masafumi Mizouchi
政文 溝内
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DI缶胴用のアルミニウム合金板として、強
度およびDI成形性に優れるばかりでなく、特に塗装焼
付処理後の缶胴縁部の成形性(フランジ成形性)に優れ
た板を得る方法を提供する。 【解決手段】 Mg0.5〜1.8%、Mn0.5〜
1.8%、Fe0.1〜0.7%、Si0.05〜0.
5%、さらに微量のTi(およびB)を含有し、そのほ
か必要に応じて少量のCu,Cr,Znを含有するAl
−Mg−Mn系合金を素材とし、その中間板厚の板に対
して再結晶焼鈍を施した後、冷間圧延により最終板厚に
仕上げるにあたり、冷間圧延の中途において、軟化焼鈍
を、その軟化焼鈍直後の耐力YSS と直前の耐力YSR
との比YSS /YSR が0.6〜0.95の範囲内とな
るように施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はDI加工(絞り−
しごき加工)による2ピースアルミニウム缶用の缶胴、
すなわちアルミニウム合金製DI缶胴に用いられるAl
−Mg−Mn系アルミニウム合金板の製造方法に関し、
特にDI加工および塗装焼付け処理の後に缶胴縁部(フ
ランジ部)に施されるフランジ加工等における成形性が
良好なDI缶胴用アルミニウム合金板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に2ピースアルミニウム缶の製造工
程としては、缶胴素材に対して深絞り加工、しごき加工
によるDI成形を施して缶胴形状とした後、所定のサイ
ズにトリミングを施してから塗装焼付け処理を施し、そ
の後、缶胴縁部に対してネッキング加工(口絞り加
工)、フランジ加工(口拡げ加工)を行ない、さらに別
に成形した缶蓋(缶エンド)を合わせてシーミング加工
(巻締め加工)を行なうのが通常である。
【0003】ところで従来のDI缶の缶胴材としては、
Al−Mg−Mn系合金であるJIS 3004合金や
AA 3104合金が広く用いられている。これらの合
金は、しごき加工性に優れており、強度を高めるために
高圧延率で冷間圧延を施した場合でも、比較的良好な成
形性を示すところから、DI缶胴材として最適であると
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2ピースアルミニウム
缶については、より薄肉化を図って材料コストの低減、
軽量化を図ることが強く望まれている。このように薄肉
化を図るためにはより一層の高強度化が望まれる。また
DI缶胴材は、高強度を有するばかりでなく、DI成形
性が良好であることが要求され、さらにDI缶胴に成形
して塗装焼付け処理を施した後のネッキング加工、フラ
ンジ加工、シーミング加工での成形性も優れていること
が要求される。特に缶胴縁部については、素材製造過程
での冷間圧延、缶胴成形時のDI成形、塗装焼付け処理
後のネッキング加工、フランジ加工、シーミング加工と
いった、多段階、多種類の加工が加えられるため、加工
中にクラックが生じたりしやすい。特に最近では缶胴の
薄肉化に伴なって缶胴縁部の板厚も小さくなっており、
そのためフランジ加工やシーミング加工において縁部に
破断が生じやすく、最悪の場合は缶の内容物が漏れると
いうトラブルが発生することもあり、そこで缶胴縁部の
加工性、すなわちフランジ成形性の改善が強く望まれて
いる。また缶蓋の軽量化の要請から缶胴のネック径の小
径化が望まれており、この場合ネッキング加工量の増大
が必要となることから、より一層のフランジ成形性の向
上が望まれている。
【0005】ここでフランジ成形性に関しては、合金中
のMg量と、板製造過程における再結晶焼鈍後の冷間圧
延率に影響されることが経験的に知られている。すなわ
ち一般にはMg量が少ないほど、また再結晶焼鈍後の冷
間圧延率が高いほど、フランジ成形性が良好であるとさ
れている。しかしながらMg量を少なくすれば充分な強
度が得られず、また再結晶焼鈍後の冷間圧延率が高けれ
ばカップ成形時にカゴメ模様と称される不均一変形帯が
生じてDI缶の外観を損ねたり、DI成形性を劣化させ
る等の問題が生じる。したがって従来は、優れたフラン
ジ成形性と、DI缶として基本的に必要な強度、DI成
形性、外観品質とを両立させることは困難とされてい
た。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、強度、DI成形性、DI缶の外観品質に優れ
るばかりでなく、特にネッキング加工、フランジ加工、
シーミング加工が施される缶胴縁部の成形性が優れたア
ルミニウム合金製DI缶胴用アルミニウム合金板を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の課題
を解決するべく鋭意実験・研究を重ねた結果、素材の合
金成分組成を適切に選定するばかりでなく、再結晶焼鈍
後の冷間圧延中途において適切な条件の軟化焼鈍を施す
ことによって、DI加工および塗装焼付け処理が施され
た後における缶胴縁部の成形性に優れたDI缶胴用アル
ミニウム合金板が得られることを見出し、この発明をな
すに至ったのである。
【0008】具体的には、請求項1の発明は、Mg0.
5〜1.8%、Mn0.5〜1.8%、Fe0.1〜
0.7%、Si0.05〜0.5%を含有し、かつTi
0.005〜0.20%を単独でもしくはB0.000
1〜0.05%と組合せて含有し、残部がAlおよび不
可避的不純物よりなるアルミニウム合金を素材とし、そ
のアルミニウム合金からなる中間板厚の板に対し、再結
晶を伴なう焼鈍が行なわれた後、最終板厚まで冷間圧延
を行なうDI缶胴用アルミニウム合金板の製造方法にお
いて、前記冷間圧延を、2パス以上でトータル圧延率が
70%以上となるように行ない、その冷間圧延の中途の
いずれかのパス間で、軟化焼鈍を、その軟化焼鈍直後の
耐力YSS と軟化焼鈍直前の耐力YSR との比YSS
YSR が0.6〜0.95の範囲内となるように行なう
ことを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明は、Mg0.5〜1.
8%、Mn0.5〜1.8%、Fe0.1〜0.7%、
Si0.05〜0.5%を含有し、かつTi0.005
〜0.20%を単独でもしくはB0.0001〜0.0
5%と組合せて含有し、さらにCu0.05〜0.5
%、Cr0.05〜0.3%、Zn0.1〜0.5%の
うちの1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不
純物よりなるアルミニウム合金を素材とし、そのアルミ
ニウム合金からなる中間板厚の板に対し、再結晶を伴な
う焼鈍が行なわれた後、最終板厚まで冷間圧延を行なう
DI缶胴用アルミニウム合金板の製造方法において、前
記冷間圧延を、2パス以上でトータル圧延率が70%以
上となるように行ない、その冷間圧延の中途のいずれか
のパス間で、軟化焼鈍を、その軟化焼鈍直後の耐力YS
S と軟化焼鈍直前の耐力YSR との比YSS /YSR
0.6〜0.95の範囲内となるように行なうことを特
徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明のDI缶胴用アルミニウ
ム合金板では、基本的には、合金成分組成と、再結晶焼
鈍後の冷間圧延中途における軟化焼鈍の条件が重要であ
り、これらが所定の範囲内であることによってはじめて
缶胴縁部に優れた成形性を確保し、同時に高い強度、良
好なDI成形性、良好なDI缶胴外観品質を得ることが
できるのである。そこで先ず合金の成分組成の限定理由
について説明する。
【0011】Mg:Mgは単独でも固溶強化に効果があ
る元素であり、強度向上に不可欠な元素である。さらに
Mgの添加は、SiやCuとの共存によってMg2 Si
あるいはAl−Cu−Mg相の析出による時効硬化を期
待することができる。Mg量が0.5%未満ではその効
果が少なく、一方1.8%を越えて添加した場合には、
加工硬化しやすくなるため、DI加工時の再絞り成形
性、しごき成形性を劣化させる。そこでMgの範囲は
0.5〜1.8%とした。
【0012】Mn:Mnは強度、成形性の向上に有効な
元素である。特にこの発明で対象としている缶胴の製造
過程では、DI成形時に苛酷なしごき加工が施されるた
め、Mnは重要となる。アルミニウム板のしごき加工に
おいては通常エマルジョンタイプの潤滑剤が用いられて
いるが、Mn系晶出物が少ない場合には同程度の強度を
有していてもエマルジョンタイプの潤滑剤だけでは潤滑
能が不足し、ゴーリングと呼ばれる擦り疵や焼付きなど
の外観不良が発生するおそれがある。この現象は晶出物
の大きさ、量、種類に影響されることが知られており、
適切なMn系晶出物を形成して、しごき加工における潤
滑能を向上させるためにMnは不可欠な元素である。M
n量が1.8%を越えればMnAl6 の初晶巨大金属間
化合物が発生して、逆に著しく成形性を損ってしまう。
またMn量が0.5%未満ではMn系化合物による固体
潤滑的な効果が得られない。そこでMnの範囲は0.5
〜1.8%とした。
【0013】Fe:FeはMnの晶出や析出を促進し、
アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系不溶性化合物
の分散状態を制御するために必要な元素である。適正な
化合物分散状態を得るためには、Mn添加量に応じてF
eを添加することが必要である。Fe量が0.1%未満
では適正な化合物分散状態を得ることが困難であり、一
方Fe量が0.7%を越えれば、Mn添加に伴なって初
晶巨大化合物が発生しやすくなり、成形性を著しく損
う。そこでFeの範囲は0.1〜0.7%とした。
【0014】Si:Siは、Feとの共存下においてA
l−Mn系金属間化合物の形態、分布を支配する。また
Siの添加は、Mg2 Si系化合物の析出による時効硬
化にも寄与する。Si量が0.05%未満ではその効果
が得られず、0.5%を越えれば粗大な金属間化合物が
増え、また時効硬化により材料の延性が乏しくなって成
形性を阻害する。そこでSiの範囲は0.05〜0.5
%とした。
【0015】Ti,B:通常のアルミニウム合金におい
ては、鋳塊結晶粒微細化のためにTiあるいはTiおよ
びBを微量添加することが行なわれており、この発明に
おいても微量のTi、もしくはTiおよびBが添加され
る。但しTi量が0.005%未満ではその効果が得ら
れず、0.20%を越えれば初晶TiAl3 が晶出して
成形性を阻害するから、Ti量は0.005〜0.20
%の範囲内とした。またTiとともにBを添加すれば鋳
塊結晶粒微細化の効果が向上する。但しTiと併せてB
を添加する場合、B量が0.0001%未満ではその効
果がなく、0.05%を越えればTiB2 の粗大粒子が
混入して成形性を害することから、Bは0.0001〜
0.05%の範囲内とした。
【0016】さらに請求項2の発明のアルミニウム合金
板においては、Cu0.05〜0.5%、Cr0.05
〜0.3%、Zn0.1〜0.5%のうちの1種または
2種以上が添加される。これらの元素はいずれも強度向
上に寄与する元素であり、より一層の強度向上を図るた
めに添加される。これらの各元素についてさらに説明す
る。
【0017】Cu:Cuは、焼鈍中に溶体化させておく
ことによって、塗装焼付処理時にAl−Cu−Mg系析
出物が析出することによる析出硬化を利用した強度向上
に寄与する。Cu量が0.05%未満ではその効果が得
られず、一方Cuを0.5%を越えて添加した場合に
は、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりすぎて
成形性を阻害するとともに、耐食性が劣化する。そこで
Cuを添加する場合のCu量範囲は0.05〜0.5%
とすることが好ましい。
【0018】Cr:Crも強度向上に効果的な元素であ
るが、0.05%未満ではその効果が少なく、0.3%
を越えれば巨大晶出物生成によって成形性の低下を招く
ため、好ましくない。そこでCrを添加する場合のCr
量範囲は0.05〜0.3%とすることが好ましい。
【0019】Zn:Znの添加はMg2 Zn3 Al2
時効析出による強度向上に寄与するが、0.1%未満で
はその効果が得られず、0.5%を越えれば強度への寄
与については問題ないが、耐食性を劣化させる。そこで
Znを添加する場合のZn量の範囲は0.1〜0.5%
とすることが好ましい。
【0020】以上の各成分の残部はAlおよび不可避的
不純物とすれば良いが、Cu,Cr,Znについては、
請求項1の発明、請求項2の発明のいずれの場合も上記
の各下限量未満の量を不純物として含有する場合がある
ことは勿論である。
【0021】次にこの発明における製造プロセスを、そ
の作用とともに説明する。
【0022】この発明の方法においては、中間板厚の板
に対して再結晶焼鈍を行なうまでのプロセスは特に限定
されるものではなく、常法に従えば良い。すなわち、鋳
造方法としてはDC鋳造法(半連続鋳造法)、連続鋳造
圧延法のいずれも適用できる。そしてDC鋳塊に対して
均質化処理を行なった後、熱間圧延を行ない、さらに必
要に応じて冷間圧延(1次冷間圧延)を行なって上記の
中間板厚の板としても、あるいは連続鋳造圧延法を適用
し、得られた連続鋳造圧延コイルをそのまま前記中間板
厚の板として用いても、さらには連続鋳造コイルに対し
て冷間圧延(1次冷間圧延)を行なって前記中間板厚の
板としても良い。
【0023】DC鋳塊に対する均質化処理は、530〜
610℃の範囲内で2〜24時間加熱することが望まし
い。均質化処理温度が530℃未満では均質化の効果が
不充分であり、一方610℃を越えれば共晶融解による
局所溶融が生じるおそれがある。また均質化処理の時間
が2時間未満では充分な均質化の効果が得られず、一方
24時間を越えれば経済性を損なうだけである。
【0024】DC鋳塊に対する均質化処理の後の熱間圧
延は、常法に従って行なえば良いが、好ましくは熱間圧
延終了温度を250〜330℃の範囲内とする。熱間圧
延終了温度が250℃未満では、熱間圧延上りでの転位
の回復が充分に進まず、深絞り耳を低くするに有効なキ
ューブ方位の再結晶粒をその後の焼鈍で形成させるため
の芽(キューブ方位の芽)が生成されなくなり、また圧
延性も低下する。一方熱間圧延終了温度が330℃を越
えれば、転位の回復が過度に進行し、また粗大な熱延組
織が残存しやすくなり、そのためその後の焼鈍によって
再結晶させるためにより高温での処理が必要となって、
再結晶粒が粗大となるばかりでなく、深絞り耳を高くす
る有害なR方位の再結晶粒が生成されやすくなってしま
う。
【0025】熱間圧延後には、その熱間圧延上りの板を
前記中間板厚の板として、直ちに再結晶焼鈍を施しても
良く、あるいは前述のように1次冷間圧延を行なって前
記中間板厚とし、その後に再結晶焼鈍を行なっても良
い。
【0026】また連続鋳造圧延法を適用した場合、鋳造
圧延コイルをそのまま前記中間板厚の板として、直ちに
再結晶焼鈍を施しても、あるいは冷間圧延を行なって前
記中間板厚とし、その後に再結晶焼鈍を行なっても良
い。なお鋳造圧延コイルに1次冷間圧延を施してから再
結晶焼鈍を行なう場合、1次冷間圧延前に450〜58
0℃程度の温度で1〜24時間程度の均質化処理を施し
ても良い。
【0027】前述のようにして中間板厚とした板に対し
ては再結晶焼鈍を施す。この焼鈍の目的は、熱延組織を
均一に再結晶させることにある。この焼鈍は常法に従え
ば良いが、バッチ焼鈍の場合は300〜420℃に加熱
して0.5〜10時間保持するのが一般的であり、また
連続焼鈍の場合は450〜620℃において保持なしも
しくは10分以内の保持が一般的である。バッチ焼鈍の
場合、300℃未満では均質な再結晶組織が得られず、
420℃を越えれば板表面の酸化が激しくなってDI加
工性を低下させるとともに、DI加工後の外観品質が劣
化し、また保持時間が0.5時間未満でも均質な再結晶
組織が得られず、10時間を越えれば経済性を損なうだ
けである。連続焼鈍の場合、450℃未満では均質な再
結晶組織が得られず、620℃を越えれば溶融が生じて
しまい、さらに10分を越えれば板表面の酸化が進行す
るとともに経済性を損なってしまう。
【0028】なお熱延上りで均質に再結晶が生じている
場合、すなわち熱延板巻取中やその後の冷却過程での保
有熱によって自己焼鈍されて均一に再結晶されている場
合には、熱間圧延後に改めて独立の工程として再結晶の
ための焼鈍を行なわなくても良い。したがってこの場合
は、熱間圧延−冷却過程が再結晶焼鈍を兼ねていること
になる。
【0029】再結晶焼鈍後の板に対しては、冷間圧延
(最終冷間圧延)を施して所要の板厚とする。この冷間
圧延における圧延率が高いほど、充分な強度が得られ、
また加工組織を均一に強化して塗装焼付処理後のネッキ
ング加工性、フランジ加工性、シーミング加工性を向上
させることができ、再結晶焼鈍時の板厚(中間板厚)か
ら最終製品板厚まで70%以上の圧延率が必要であり、
より最適には80%以上の圧延率とする。
【0030】上述のような再結晶焼鈍後の冷間圧延は、
一般に2パス以上の圧延パスで行なわれるが、この冷間
圧延のいずれかのパス間で軟化焼鈍を施す。この軟化焼
鈍は、フランジ成形性を改善するために重要な工程であ
る。すなわち、この軟化焼鈍は、組織を完全再結晶状態
には至らせないが、冷間加工組織の一部をポリゴン化、
セル化させるものであり、これによってその後に冷間圧
延、DI成形を施してから塗装焼付処理を施す際におけ
るサブグレイン化を促進させ、塗装焼付処理後のフラン
ジ成形性を向上させることができる。この軟化焼鈍の条
件は、軟化焼鈍直後(その後の冷間圧延パスの直前)の
耐力YSS と軟化焼鈍直前(その前の冷間圧延パスの直
後)の耐力YSR との比YSS /YSR が0.6〜0.
95の範囲内となるように選択する。YSS /YSR
値が0.6未満では過度の軟化によって充分な強度が得
られなくなるに加え、有効な冷間加工率が減少してフラ
ンジ成形性が低下する。一方YSS /YSR の値が0.
95を越えれば、ポリゴン化、セル化の効果が得られ
ず、フランジ成形性の向上が図れなくなる。
【0031】なお軟化焼鈍の具体的条件は、要はYSS
/YSR が0.6〜0.95の範囲内となるように定め
れば良く、具体的な温度や時間は、成分組成や軟化焼鈍
前の冷間圧延率などによって異なるが、連続焼鈍を適用
する場合は、通常は200〜350℃程度の温度で1分
程度以下の保存、またバッチ焼鈍の場合は通常は60〜
260℃程度の温度で0.2〜24時間程度の保持とな
る。もちろんこれらの温度、時間であれば必ず前記のY
S /YSR が0.6〜0.95の範囲を満たすのでは
なく、これらの温度、時間のうちYSS /YSR が0.
6〜0.95の範囲を満たす条件を選定する必要があ
る。なお軟化焼鈍後の冷間圧延パスでは、40%以上の
冷間圧延を施すことがフランジ成形性の向上の点から好
ましい。また、再結晶焼鈍後の冷間圧延を3パス以上で
行なう場合には、異なるパス間で合計2回以上の軟化焼
鈍を適用しても良い。
【0032】以上のようにして軟化焼鈍を挟んで冷間圧
延を行ない、所定の最終製品板厚とした後には、そのま
まDI加工に供しても良いが、必要に応じて100〜2
00℃、0.5〜5時間程度の最終焼鈍を施すことによ
り、延性を回復させて、深絞り性の一層の改善を図るこ
とができる。
【0033】
【実施例】表1の合金A,C,E,Gを常法に従ってD
C鋳造し、また合金B,D,F,Hについて連続鋳造圧
延法(CC)として双ロール法を適用して連続鋳造圧延
し、表2に示す各製造プロセスで最終的に0.285m
m厚のDI缶胴用薄板とした。
【0034】各製造プロセスについて、最終冷間圧延中
途での軟化焼鈍直後の耐力YSS 、軟化焼鈍直前の耐力
YSR 、両者の比YSS /YSR を調べた。また前述の
ようにして得られた各DI缶胴用薄板について、最終冷
間圧延のまま(塗装焼付相当処理前)の機械的特性を調
べるとともに、塗装焼付処理に相当する200℃×20
分の熱処理を行なった後の機械的特性を調べた。さらに
DI缶胴用薄板としてのDI成形性、フランジ成形性を
調べた。これらの結果を表3に示す。なおDI成形性の
評価としては、ボデイメーカー(DIプレス機)の第2
しごきダイスを取外して苛酷なしごき成形を連続100
0缶行なったときの破断の発生状況、ロールバック発生
状況、および缶外観を総合して○〜×印で相対評価し
た。またフランジ成形性は、4段ネッキング加工後、缶
型に対し30°の傾斜を有するテーパーポンチを押込
み、破断までの半径増加量によって評価した。この評価
数値は、その値が大きいほどフランジ成形性が優れてい
ると言うことができる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表1〜表3において、No.8、No.9
は、従来の通常の方法に従い、再結晶焼鈍後の最終冷間
圧延の中途で軟化焼鈍を行なわなかった従来例である
が、この場合にはフランジ成形性の指標値が2.18;
2.01と低かった。これに対し、再結晶焼鈍後の冷間
圧延中途において軟化焼鈍を適用し、しかもその軟化焼
鈍を、その直後と直前の耐力比YSS /YSR が0.6
〜0.95の範囲内となるように行なった本発明例(N
o.1,4,5,7,10,11,14〜19)では、
フランジ成形性の指標値が2.27以上で、フランジ成
形性改善効果が大きいことが判る。またこれらの本発明
例は、いずれもDI成形性が良好で塗装焼付処理後の強
度も充分であった。
【0039】一方No.2は、軟化焼鈍は施したもの
の、YSS /YSR の値が0.6より低かった例であ
り、この場合はフランジ成形性は優れているが、軟化焼
鈍による過度の軟化のため、最終製品での強度不足が生
じた。またNo.3は、軟化焼鈍を施したが、YSS
YSR の値が0.95以下とならなかった例であり、こ
の場合はフランジ成形性改善効果が得られなかった。さ
らにNo.6、No.12は、軟化焼鈍の条件は満たし
ているが、その軟化焼鈍を挟む最終冷間圧延のトータル
圧延率が低いため、フランジ成形性に劣っていた。
【0040】
【発明の効果】この発明のDI缶胴用アルミニウム合金
板の製造方法によれば、再結晶焼鈍後の冷間圧延の中途
において適切な軟化焼鈍を施すことによって、冷間圧延
後の製品板の強度を低下させたりDI成形性を低下させ
たりすることなく、フランジ成形性が従来よりも格段に
優れたDI缶胴用アルミニウム合金板を得ることができ
る。したがってこの発明のDI缶胴用アルミニウム合金
板を用いれば、ネッキング加工、フランジ加工、シーミ
ング加工における缶胴縁部の亀裂発生、破断を有効に防
止して、生産性向上、歩留りの向上を図ることができ、
また加工荷重を小さくして、これらの加工時に座屈が生
じることも防止でき、さらには缶胴ネック径の小径化を
図って缶蓋の小径化を図ることにより、缶のより一層の
軽量化を図ることもできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg0.5〜1.8%(重量%、以下同
    じ)、Mn0.5〜1.8%、Fe0.1〜0.7%、
    Si0.05〜0.5%を含有し、かつTi0.005
    〜0.20%を単独でもしくはB0.0001〜0.0
    5%と組合せて含有し、残部がAlおよび不可避的不純
    物よりなるアルミニウム合金を素材とし、そのアルミニ
    ウム合金からなる中間板厚の板に対し、再結晶を伴なう
    焼鈍が行なわれた後、最終板厚まで冷間圧延を行なうD
    I缶胴用アルミニウム合金板の製造方法において、 前記冷間圧延を、2パス以上でトータル圧延率が70%
    以上となるように行ない、その冷間圧延の中途のいずれ
    かのパス間で、軟化焼鈍を、その軟化焼鈍直後の耐力Y
    S と軟化焼鈍直前の耐力YSR との比YSS /YSR
    が0.6〜0.95の範囲内となるように行なうことを
    特徴とする、フランジ成形性に優れたDI缶胴用アルミ
    ニウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】 Mg0.5〜1.8%、Mn0.5〜
    1.8%、Fe0.1〜0.7%、Si0.05〜0.
    5%を含有し、かつTi0.005〜0.20%を単独
    でもしくはB0.0001〜0.05%と組合せて含有
    し、さらにCu0.05〜0.5%、Cr0.05〜
    0.3%、Zn0.1〜0.5%のうちの1種以上を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミ
    ニウム合金を素材とし、そのアルミニウム合金からなる
    中間板厚の板に対し、再結晶を伴なう焼鈍が行なわれた
    後、最終板厚まで冷間圧延を行なうDI缶胴用アルミニ
    ウム合金板の製造方法において、 前記冷間圧延を、2パス以上でトータル圧延率が70%
    以上となるように行ない、その冷間圧延の中途のいずれ
    かのパス間で、軟化焼鈍を、その軟化焼鈍直後の耐力Y
    S と軟化焼鈍直前の耐力YSR との比YSS /YSR
    が0.6〜0.95の範囲内となるように行なうことを
    特徴とする、フランジ成形性に優れたDI缶胴用アルミ
    ニウム合金板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230083429A1 (en) * 2020-03-03 2023-03-16 Hellenic Research Centre for Metals S.A. Method and installation for producing aluminum can sheet
CN116855858A (zh) * 2023-06-21 2023-10-10 天津忠旺铝业有限公司 一种电容器外壳用铝合金稳定化退火工艺
WO2023204255A1 (ja) * 2022-04-22 2023-10-26 株式会社Uacj アルミニウム合金冷間圧延板およびその製造方法

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