JPH092955A - 乾癬の予防用・治療用医薬組成物 - Google Patents

乾癬の予防用・治療用医薬組成物

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JPH092955A
JPH092955A JP15583395A JP15583395A JPH092955A JP H092955 A JPH092955 A JP H092955A JP 15583395 A JP15583395 A JP 15583395A JP 15583395 A JP15583395 A JP 15583395A JP H092955 A JPH092955 A JP H092955A
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JP
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psoriasis
polyporsterone
keratinocyte
present
promoting
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JP15583395A
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English (en)
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Yasunori Inaoka
靖規 稲岡
Makoto Yamamoto
信 山本
Kunio Tsuji
邦郎 辻
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Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾癬を改善するのに十分な角化細胞分化促進
作用及び角化細胞分裂抑制作用を有し、且つ高い安全性
を有する薬剤及び乾癬の予防及び治療に有効であり更に
長期間安全に使用できる乾癬の予防用あるいは治療用の
医薬組成物を提供する。 【構成】 エクジステロイド類縁体好ましくは、ポリポ
ルステロンA、ポリポルステロンB、20−ヒドロキシ
エクジソン、ポナステロンA、ポナステロサイドAから
選ばれるエクジステロイド類縁体を角化細胞の分化促進
・分裂抑制剤とし、これを有効成分として乾癬の予防用
又は治療用の医薬組成物に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エクジステロイド類縁
体からなる角化細胞の分化促進・分裂抑制剤及びそれを
有効成分として含有する乾癬の予防用又は治療用の医薬
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】乾癬は原因不明の治療困難な疾病の一つ
である。現在のところ、乾癬の治療にはステロイド剤を
使用することが多いが、ステロイド剤の使用は重篤な副
作用を招くことがあり、従って、その使用には細心の注
意が必要となっている。また、乾癬治療に、レチノイド
の様なビタミンA誘導体も用いられるようになったが、
レチノイドでは催奇性の問題からその使用が制限される
ことがあり、乾癬治療の有効な手段とはなっていない。
【0003】ところで、乾癬の治療用の薬剤としては、
ビタミンD様の作用を有する物質、すなわち、角化細胞
の分化を促進する作用と角化細胞の分裂を抑制する作用
の両作用を共に有する物質が実質的な意味で有効である
ことが知られている。しかしながら、この様な作用を有
する物質は余り知られておらず、上記作用に関してビタ
ミンDよりも強い作用を有し、且つビタミンDの投与時
に起こるカルシウム過剰症の様な重篤な副作用を誘発し
ない物質の登場が待たれているにも係わらず、ビタミン
D以上の作用を有する物質は見出されていないのが現状
である。
【0004】この様にこれまでの乾癬治療のための薬剤
は、ある程度の治療効果を持ちながらも副作用の影響か
らその使用に制限が加えられていたり、また、安全性に
問題がなくても治療効果が十分でなかったりと、使用
性、有効性等の実用性に問題があり、そのため、乾癬を
予防あるいは治療する効果に優れ且つ副作用のない安全
な乾癬の治療用薬剤の開発が望まれていた。
【0005】ここで、本明細書において用いる乾癬の予
防用又は治療用の医薬組成物とは、乾癬が一時に多くの
部分に広がる病気ではなく、最初は極限定された部位に
発症し体中に広がるという性質があることから、発症初
期に投与されて乾癬の症状の増悪を未然に予防する働き
を有し、あるいは、発症初期の部分的な乾癬の症状や既
に多くの部分に広がってしまった乾癬の症状をその投与
により治癒させる働きを有する様な医薬組成物のことを
言う。
【0006】一方、エクジステロイド類縁体に発毛促進
作用や美肌作用があることは知られているが、このエク
ジステロイド類縁体が上記角化細胞の分化を促進する作
用と角化細胞の分裂を抑制する作用とを共に有すること
は全く知られていなおらず、また、これらを乾癬の予防
や治療のために用いた報告例もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、乾癬を改善するのに十分な角化細
胞分化促進作用及び角化細胞分裂抑制作用を有し、且つ
高い安全性を有する薬剤及び乾癬の予防及び治療に有効
であり更に長期間安全に使用できる乾癬の予防用あるい
は治療用の医薬組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、角化細胞分化促進作用及び角化細胞
分裂抑制作用を指標にこの両作用を十分に有する物質を
求めて鋭意研究を重ねた結果、エクジステロイド類縁
体、とりわけ、ポリポルステロンA、ポリポルステロン
B、20−ヒドロキシエクジソン、ポナステロンA、ポ
ナステロサイドA等が角化細胞の分化を促進する作用及
び角化細胞の分裂を抑制する作用に優れることを見出し
本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明はエクジステロイド類縁
体からなる角化細胞の分化促進・分裂抑制剤及びこれを
有効成分として含有する乾癬の予防用又は治療用の医薬
組成物である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 (1)本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤 本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤は、エクジス
テロイド類縁体からなる。エクジステロイド類縁体と
は、昆虫などの脱皮に係わるエクジソン等の変態ホルモ
ンであるエクジステロイドと構造が類似のステロイド類
の総称であるが、本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑
制剤となるエクジステロイド類縁体としては、例えば、
パリステロン、ポナステロン、イノコステロン、マキス
テロン、エピエクジソン、プテロステロン、タキステロ
ン、ピペリドン、ヒドロキシエクジソン、ポドエクジソ
ン、シダステロン等やこれらの配糖体及びこの配糖体の
アセチル体や置換ベンゾイル体等のアシル化物等が挙げ
られる。更に、上記パリステロン等の有する遊離の水酸
基を通常の手段で修飾したもの、例えば、アシル化やア
ルキル化、フェニル化あるいはフェニルアルキルエーテ
ル化して得られる化合物等も上記エクジステロイド類縁
体として挙げることができる。
【0011】上述の様にエクジステロイド類縁体として
数多くの化合物を挙げることができるが、本発明の角化
細胞の分化促進・分裂抑制剤としては、これらのうちの
1種を単独で用いることも可能であり、また、これらの
2種以上を混合物として用いることも可能である。ま
た、この様なエクジステロイド類縁体のうちでも本発明
においては、下記式(1)で表されるポリポルステロン
A、下記式(2)で表されるポリポルステロンB、下記
式(3)で表される20−ヒドロキシエクジソン、下記
式(4)で表されるポナステロンA、下記式(5)で表
されるポナステロサイドA等が好ましく挙げられる。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】ここで、上記エクジステロイド類縁体は何
れも既知の化合物でありこれらの入手は容易である。例
えば、エクジステロイド類縁体の多くは天然の動植物中
に存在しているので、これら動植物からエクジステロイ
ド類縁体を抽出して得ることができる。例えば、上記ポ
リポルステロンA、ポリポルステロンBは、チョレイ
(Polyporus umbellatus FRIES)より、ポナステロンA
はトガリバマキ(Podocarpus nakaii)より、ポナステ
ロサイドAはワラビ(Pteridium aquilinum)より抽出
して得られる。上記動植物等の天然物よりエクジステロ
イド類縁体を抽出により得る方法としては、起源となる
天然物素材を極性溶媒で抽出した後、得られた抽出液を
シリカゲル、ODS、アルミナ、イオン交換樹脂等を担
体に用いたカラムクロマトグラフィーにかけるという一
般的な方法をとればよい。
【0018】また、この様にして動植物から得られたエ
クジステロイド類縁体を、通常の方法で化学的に誘導、
例えば、アシル化やアルキル化、フェニル化あるいはフ
ェニルアルキルエーテル化等すれば上記化合物の誘導体
が得られる。
【0019】本発明に用いるエクジステロイド類縁体は
この様にして製造してもよいが、これらの中には既に市
販されているものも少なくないので、本発明の角化細胞
の分化促進・分裂抑制剤としてこれら市販品を用いるこ
とも可能である。これらエクジステロイド類縁体は何れ
も後述の様に、ビタミンDと同様に角化細胞の分化を促
進する作用及び角化細胞の分裂を抑制する作用を共に有
するが、エクジステロイド類縁体におけるこの両作用は
総合的に見てビタミンDより優れており、また安全性も
高い。 (2)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、上記エクジステロイド類縁体か
らなる角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の1種または2
種以上を有効成分として含有する乾癬の予防用又は治療
用の医薬組成物である。
【0020】本発明の医薬組成物の剤形は、通常の医薬
組成物として用いられる剤形であれば特に限定されず、
例えば、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬等の経
口投与剤、舌下剤、経直腸投与剤、軟膏剤、クリーム、
水剤等の皮膚外用剤、無菌溶液剤、懸濁液剤等の注射剤
などの何れの剤形としても用いることが可能である。ま
た、これらの剤形のうち、本発明においてより好ましい
剤形は、患部に直接投与できる皮膚外用剤である。
【0021】本発明の医薬組成物には、有効成分である
本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤以外に、通常
医薬組成物で用いられる製剤化のための任意成分を配合
することが可能である。この様な本発明の角化細胞の分
化促進・分裂抑制剤と任意成分を配合する本発明の乾癬
用の医薬組成物を製造する方法であるが、通常の医薬組
成物の製造方法に準じて製造すればよい。
【0022】上記本発明の医薬組成物に用いる任意成分
としては、一般に製剤上許容される無害の一種、あるい
は数種のベヒクル、坦体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑
沢剤、矯味矯臭剤、着色剤、被覆剤、乳化・可溶化・分
散剤、増量剤、糖衣剤、pH調節剤、等張剤、安定剤等
が例示できる。例えば、上記角化細胞の分化促進・分裂
抑制剤とコーンスターチ、ゼラチン等の結合剤、微晶性
セルロース等の賦形剤、馬鈴薯デンプン、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム等の崩壊剤、乳糖、ショ糖等
の矯味剤等を配剤して散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤
とすることができる。また、注射剤とする場合は、溶媒
は注射用蒸留水、又はポリエチレングリコール等が使用
され、あるいはこれに分散剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化
剤等を必要に応じて添加してもよい。外用剤とする場合
には、上記角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の他にエタ
ノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、増粘
剤、油脂類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、界面活
性剤類、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着色料、香
料、水溶性高分子、粉体類、粘着剤等を配合することが
できる。
【0023】また、注射剤においては予め水性担体やそ
の他不活性な希釈剤に可溶化あるいは分散させて製剤と
してもよいし、用時に前記水性担体等を加えて調整する
ような製剤としてもよい。更に、注射剤の投与経路とし
ては、静脈注射、動脈注射、門脈注射、皮下注射、筋肉
内注射、腹腔内注射の何れでもよい。また、この様な注
射剤の投与方法としては、ボーラスの投与でも点滴投与
でもよい。
【0024】本発明の医薬組成物の好適な投与量である
が、これは体調、体型、症状等により異なるが、大凡経
口投与の場合は10〜1000mgを、注射剤の場合は
1〜500mgを、経皮投与の場合は0.1〜20重量
%を配合したものを患部にむらなく広がる適当量を、一
日一回乃至は数回に分けて投与することが例示できる。
この範囲において、本発明の医薬組成物は安全に使用す
ることができる。
【0025】この様な本発明の乾癬の予防用又は治療用
の医薬組成物は、乾癬の症状がまだ軽症であったり、体
全体に広がっていなかったりという、乾癬発症の初期に
投与されれば、乾癬の症状が多くの部分に広がったり、
症状が重症化したりするのを防ぐ方向に働き、また、症
状を軽い内に治癒させる方向にも働く。また、既に体の
多くの部分に広がってしまったり、症状が重症化してし
まった患者に対しても、本発明の医薬用組成物の投与に
よる、乾癬の症状の軽減化や部分的あるいは全体的な症
状の消失等の治療が可能である。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。まず、本
発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の実施例を説明
する。
【0027】
【実施例1】 ポリポルステロンA、ポリポルステロン
B チョレイ100kgに10倍量の50%エタノール水溶
液を加え、撹拌しながら2時間の加熱還流を行い可溶分
を抽出した。得られた抽出液を濾過して不溶分を取り除
いた後、濾液を濃縮して抽出濃縮物とした。
【0028】これを20Lの水に分散させた後、更に等
量のジエチルエーテルを加え分液した。これからジエチ
ルエーテル層のみを取り出し、減圧濃縮した後、シリカ
ゲルカラム(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=
1:0→0:1)で精製を行い、次いでODSカラムを
装着した分取液体クロマトグラフィーで精製して、29
8mgのポリポルステロンA、276mgのポリポルス
テロンBを得た。
【0029】
【実施例2】 ポナステロンA トガリバマキの乾燥物1kgにメタノール10Lを加
え、撹拌しながら2時間加熱環流を行い可溶分を抽出し
た。得られた抽出液を濾過して不溶分を除去した後、濾
液をダイヤイオンHP−20カラムクロマトグラフィー
(三菱化成製、溶出溶媒;水:メタノール80:2
0)、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒;クロロホルム:メタノール=100:0→0:10
0)、次いでODSカラムを装着した分取高速液体クロ
マトグラフィー(溶出溶媒;アセトニトリル:水=1
0:90→90:10)で精製し、2gのポナステロン
Aを得た。
【0030】
【実施例3】 ポナステロサイドA ワラビの乾燥物1kgを用いて、上記実施例2と同様の
抽出、精製処理を行い10mgのポナステロサイドAを
得た。 <本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の評価>本
発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤として、上記各
実施例で得られたポリポルステロンA、ポリポルステロ
ンB、ポナステロンA、ポナステロサイドA及び市販の
20−ヒドロキシエクジソン(シグマ社製)を用いて角
化細胞の分化を促進する作用、角化細胞の分裂を抑制す
る作用及び安全性について評価した。 (1)角化細胞の分化に対する作用 正常ヒト表皮角化細胞培養キット(森永生化学研究所
製)を使用し、正常ヒト角化細胞の細胞分化に対する本
発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の作用を、培地
中にカルシウムを添加する方法と、カルシウムを添加し
ない方法の2つの実験で検討した。
【0031】まず、培地中にカルシウムを添加する方法
であるが、上記正常ヒト表皮角化細胞を24ウェルのマ
ルチプレートに2×104個/ウェルの密度で植え込
み、同キットに付属のMCDB153培地で約3日間培
養し、セミコンフルエントになっているのを確認した
後、培地を、Ca濃度を2mMに上昇させポリポルステ
ロンAのDMSO溶液を0.1%添加したMCDB15
3培地に変更し、更に6日間培養した。尚、この培養に
おけるポリポルステロンAの培地に対する濃度は表1に
示す各種濃度であった。培地を変更して6日目に、培養
物をトリプシン処理してシングルセルとした後、ウェル
内の細胞の総数を数えた。その後、これを1%SDS、
1%β−メルカプトエタノール(BME)で室温におい
て20分間処理した後、残っているSDS、BME処理
に抵抗性の細胞、すなわち、分化が十分になされたコニ
ファイドエンベロープを形成した細胞数を各ウェル毎に
数えた。この数を各ウェルの細胞総数で除し、得られた
値をコーニファイドエンベロープ形成率とした。
【0032】また、コントロールとして、上記試験にお
いて変更後の培地として上記培地からポリポルステロン
Aを除いた培地を用いた以外は全て同様の方法で試験を
行い、上記と同様の方法でコントロールのコーニファイ
ドエンベロープ形成率を算出した。ポリポルステロンA
投与群の24ウェルのコーニファイドエンベロープ形成
率をコントロール群の24ウェルの平均コーニファイド
エンベロープ形成率で除し、得られた値を角化細胞の分
化促進値とした。
【0033】更に、同様の試験をポリポルステロンAの
代わりに、ポリポルステロンB、20−ヒドロキシエク
ジソン、ポナステロンA、ポナステロサイドAを用いて
それぞれ行い、また、比較のためにポリポルステロンA
の代わりに、活性ビタミンD 3である1α,25−ジヒ
ドロキシビタミンD3を用いて同様の試験を行い、上記
と同様にして、各角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の角
化細胞の分化促進値を求めた。結果を表1に示す。な
お、表中のMは、各角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の
培地に対するモル濃度を表す。
【0034】
【表1】 次に、培地中にカルシウムを添加しない方法では、上記
正常ヒト表皮角化細胞を6ウェルのマルチプレートに2
×104個/ウェルの密度で植え込み、同キットに付属
のMCDB153培地で40時間培養した後、培地を、
ポリポルステロンAのDMSO溶液を0.1%添加した
MCDB153培地に変更し、更に48時間培養した。
尚、この培養におけるポリポルステロンAの培地に対す
る濃度は表2に示す各種濃度であった。
【0035】培地を変更して48時間後に、培養物をト
リプシン処理してシングルセルとした後、ウェル内の細
胞の総数を数えた。その後、これを1%SDS、1%β
−メルカプトエタノール(BME)で室温において20
分間処理した後、残っているSDS、BME処理に抵抗
性の細胞、すなわち、分化が十分になされたコニファイ
ドエンベロープを形成した細胞数を各ウェル毎に数え
た。この数を各ウェルの細胞総数で除し、得られた値を
コーニファイドエンベロープ形成率とした。
【0036】また、コントロールとして、上記試験にお
いて変更後の培地として上記培地からポリポルステロン
Aを除いた培地を用いた以外は全て同様の方法で試験を
行い、上記と同様の方法でコントロールのコーニファイ
ドエンベロープ形成率を算出した。ポリポルステロンA
投与群の24ウェルのコーニファイドエンベロープ形成
率をコントロール群の24ウェルの平均コーニファイド
エンベロープ形成率で除し、得られた値を角化細胞の分
化促進値とした。
【0037】更に、同様の試験をポリポルステロンAの
代わりに、ポリポルステロンB、20−ヒドロキシエク
ジソン、ポナステロンA、ポナステロサイドAを用いて
それぞれ行い、上記と同様にして、各角化細胞の分化促
進・分裂抑制剤の角化細胞の分化促進値を求めた。結果
を表2に示す。なお、表中のMは、各角化細胞の分化促
進・分裂抑制剤の培地に対するモル濃度を表す。
【0038】
【表2】 これらの結果から明らかな様に、本発明の角化細胞の分
化促進・分裂抑制剤であるエクジステロイド類縁体は、
カルシウムが存在する、しないに関わらず角化細胞の分
化をよく促進しており、その分化促進作用はビタミンD
より優れていることがわかった。 (2)角化細胞の細胞分裂に対する作用 正常ヒト表皮角化細胞培養キット(森永生化学研究所
製)を使用し、正常ヒト角化細胞の細胞分裂に対する本
発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制剤の作用を検討し
た。
【0039】上記正常ヒト表皮角化細胞を24ウェルの
マルチプレートに2×104個/ウェルの密度で植え込
み、同キットに付属のMCDB153培地で24時間培
養した。その後、培地をポリポルステロンAのDMSO
溶液を0.1%含有するMCDB153培地に変更し、
更に2日間培養した後、各ウェルのDNA量を、次のよ
うに測定した。尚、この培養におけるポリポルステロン
Aの培地に対する濃度は表3に示す各種濃度であった。
【0040】ウェル内の培養細胞を、50μg/mLの
プロテインキナーゼK、0.25%のN−ラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム、及び25mg/mLのEDTA
を含有する水溶液100μLに溶解し、60℃で1時間
加熱した。加熱終了後、これに、10mMのトリス塩
酸、10mMのEDTA、及び100mMのNaClを
含有する水溶液(pH7.0)3mLを加え混合し、更
に、3μg/mLのHOECHST、10mMのトリス
塩酸、10mMのEDTA、及び100mMのNaCl
(pH7.0)を加え混合した後、蛍光光度を測定して
DNA量を定量した。なお、この作業は、同キットのマ
ニュアルに指示されているものであり、上記試薬も全て
測定キットに付属しているものである。
【0041】また、コントロールとして、上記試験にお
いて変更後の培地として上記培地からポリポルステロン
Aを除いた培地を用いた以外は全て同様の方法で試験を
行い、上記同様の方法でコントロールのDNA量を測定
した。ポリポルステロンA投与群の24ウェルの平均D
NA量をコントロール群の24ウェルの平均DNA量で
除し、得られた値を角化細胞の分裂抑制値とした。
【0042】更に、同様の試験をポリポルステロンAの
代わりに、ポリポルステロンB、20−ヒドロキシエク
ジソンを用いてそれぞれ行い、また、比較のためにポリ
ポルステロンAの代わりに、活性ビタミンD3である1
α,25−ジヒドロキシビタミンD3を用いて同様の試
験を行い、上記と同様にして、各角化細胞の分化促進・
分裂抑制剤の角化細胞の分裂抑制値を求めた。結果を表
3に示す。なお、表中のMは、各角化細胞の分化促進・
分裂抑制剤の培地に対するモル濃度を表す。
【0043】
【表3】 この結果より、本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制
剤であるエクジステロイド類縁体は角化細胞の分裂抑制
作用を有し、この作用がビタミンDより優れていること
がわかる。
【0044】また、上記の角化細胞の分化促進実験の結
果と合わせると、本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑
制剤であるエクジステロイド類縁体は、ビタミンDと同
様の作用(角化細胞の分化を促進する作用及び角化細胞
の分裂を抑制する作用の両作用)を有するが、その作用
はビタミンDより優れるものであると言える。 (3)安全性試験 6匹ずつ3群のハートレイ系白色種モルモット(雌、体
重300〜350g)の背部を剃毛しガムテープで3回
ストリッピングした後、1群にはコントロールとしてワ
セリンを、他の1群には0.5%の濃度でポリポルステ
ロンAを含有するワセリンを、残りの1群には比較のた
めに0.5%の濃度で1α,25−ジヒドロキシビタミ
ンD3を含有するワセリンを、それぞれ1匹当たり0.
05gずつクローズドパッチした。48時間後にパッチ
を除去し、背部のパッチ試験部分の状態を観察し、以下
に示すドレーズの判定基準を用いて評価した。
【0045】++ : 浮腫を伴う紅斑が認められる + : 明らかな紅斑が認められる ± : 僅かな紅斑が認められる − : 無反応 結果を、各判定毎のモルモットの匹数として表4に示
す。
【0046】
【表4】 この結果から、本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制
剤であるエクジステロイド類縁体が高い安全性を有する
ことは明らかである。
【0047】次に、上記本発明の角化細胞の分化促進・
分裂抑制剤を配合した本発明の医薬組成物の実施例を説
明する。尚、配合量は重量部を表す。
【0048】
【実施例4、5】 顆粒剤 表5の処方成分をグラッド造粒機に仕込み、低速回転し
ながら50%エタノールを造粒するまで徐々に加え造粒
した。これを40℃で48時間送風乾燥した後、篩過、
整粒して顆粒剤を得た。
【0049】
【表5】 上記実施例で得られた2種類の顆粒剤を、1日3回10
0mgずつ2人の乾癬患者にそれぞれ投与したところ、
2人とも、投与開始後1週間で症状は快方に向かった。
【0050】
【実施例6、7】 皮膚外用剤 表6の処方成分を室温で撹拌し可溶化して皮膚外用剤を
作成した。
【0051】
【表6】 上記実施例で得られた2種類の皮膚外用剤を、2人の乾
癬患者にそれぞれ1日2回患部に塗布して貰ったとこ
ろ、塗布開始5日後には2人とも乾癬は治癒した。
【0052】
【発明の効果】本発明の角化細胞の分化促進・分裂抑制
剤であるエクジステロイド類縁体は、乾癬を改善するの
に十分な角化細胞分化促進作用及び角化細胞分裂抑制作
用を有し、且つ高い安全性を有する。また、これを含有
する本発明の医薬組成物は乾癬の予防及び治療に有効で
あり更に長期間安全に使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 邦郎 静岡県静岡市池田1375−11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エクジステロイド類縁体からなる角化細
    胞の分化促進・分裂抑制剤。
  2. 【請求項2】 エクジステロイド類縁体が、下記式
    (1)で表されるポリポルステロンA、下記式(2)で
    表されるポリポルステロンB、下記式(3)で表される
    20−ヒドロキシエクジソン、下記式(4)で表される
    ポナステロンA、下記式(5)で表されるポナステロサ
    イドAから選ばれる請求項1記載の角化細胞の分化促進
    ・分裂抑制剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の角化細胞の分化促
    進・分裂抑制剤を有効成分として含有する乾癬の予防用
    又は治療用の医薬組成物。
JP15583395A 1995-06-22 1995-06-22 乾癬の予防用・治療用医薬組成物 Pending JPH092955A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010070501A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Noevir Co Ltd 保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、中性脂肪蓄積抑制剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤、経口用剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010070501A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Noevir Co Ltd 保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、中性脂肪蓄積抑制剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤、経口用剤

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