JPH09295936A - 人工透析患者の骨疾患治療用外用剤 - Google Patents
人工透析患者の骨疾患治療用外用剤Info
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- JPH09295936A JPH09295936A JP14478496A JP14478496A JPH09295936A JP H09295936 A JPH09295936 A JP H09295936A JP 14478496 A JP14478496 A JP 14478496A JP 14478496 A JP14478496 A JP 14478496A JP H09295936 A JPH09295936 A JP H09295936A
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Abstract
を有するとともに、骨痛緩和にも好結果が得られ、かつ
長期使用に対しても安全性が高い人工透析患者の骨疾患
治療用外用剤を提供する。 【解決手段】γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸
およびこれらの誘導体から選ばれる一種または二種以上
を人工透析患者の骨疾患治療用外用剤の有効成分とす
る。
Description
合併する骨疾患治療用外用剤に関する。
腎不全自体が直接死因となることは少なくなり、適切な
治療法を選択することによって20年以上の長期生存が
可能になった。しかしながら、透析への移行により種々
の合併症を発症することが知られている。透析を受ける
こと自体が精神的、肉体的にも大きな負担となっている
人工透析患者(以下、透析患者という)にとって、これ
らの合併症はさらに大きな犠牲を強い、透析患者のQu
ality of life(以下、QOLという)を
著しく損なうことになる。したがって、今日では長期生
存に伴う合併症対策や適切な治療法が模索されているの
が現状である。
う痒症および腎性骨異栄養症発症の大きな原因となって
いる副甲状腺機能亢進症が知られているが、この発明者
らは先にγ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸がこ
れらの合併症に対し既存の薬物に比し非常に有効性が高
く、長期投与による安全性にも問題がないことを明らか
にした(特願平6−79066号公報)。
病変として、腎性骨異栄養症(Renalosteod
ystrophy:以下、RODという)および透析ア
ミロイドーシス(以下、アミロイドーシスという)が知
られている。
疾患で、骨吸収の増加により吸収窩が線維組織に置換さ
れる線維性骨炎と骨の石灰化異常による骨軟化症に分け
られるが、実際はこれらの骨病変が混在していることが
多いといわれる。また、関節周囲や軟部組織に異所性石
灰化が発現したりする。RODの成因には多くの因子が
関与しているといわれている。例えば、内分泌器官とし
ての腎廃絶による活性型ビタミンD3の低下、副甲状腺
ホルモンの分泌亢進、副甲状腺ビタミンD3受容体数の
減少、血清Ca値の低下、P代謝異常などが、また透析
療法自体のもたらす影響として、透析膜との接触、灌流
液からのエンドトキシンの流入により活性化された補
体、白血球等が放出するIL−1、IL−6、IL−
8、TNFなどの炎症性サイトカインの関与が指摘され
ている。
骨、関節等に沈着したβ2ミクログロブリン(β2M)
に起因し、手根管症候群、ばね指、関節痛、骨嚢胞など
を起こす。成因としては、上記サイトカインが、細胞か
らのβ2Mの放出を促すとともに、マクロファージのプ
ロテアーゼ活性を亢進させ、局所あるいは血中でβ2M
を分解し、アミロイド形成しやすいfragmente
dβ2Mを生じるという。
関節痛、関節の可動域の制限、しびれ、骨折などをもた
らし、透析患者のQOLを大いに損なうことになる。
では合併頻度も程度も強くなり、一度起こすと治療困難
なものが多く、透析患者の最も難しい合併症となってい
る。
ODの治療としては、例えば活性型ビタミンD剤が用い
られているが、治療効果は十分でなく、しかも高Ca血
症や異所性石灰化を起こしやすいという難点がある。ま
た、アミロイドーシスによる骨障害に対しては、現在の
ところ有効な治療手段がないのが実情である。
テロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤が用いら
れているが、これら薬剤の長期使用による副作用が問題
となっている。
からなされたものであり、透析患者の骨疾患に対して充
分な治療効果を有するとともに、疼痛緩和にも好結果が
得られ、かつ副作用などの悪影響がなく、長期使用可能
な透析患者の骨疾患治療用外用剤を提供することを課題
としている。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のn−
6系不飽和脂肪酸が透析患者の腎疾患に合併する骨疾患
を改善するとともに骨痛緩和にも好結果が得られること
を知り、この発明をなすに至った。
ジホモ−γ−リノレン酸およびこれらの誘導体から選ば
れる一種または二種以上を含有することを特徴とする人
工透析患者の骨疾患治療用外用剤である。
発明で用いられる有効成分のγ−リノレン酸、ジホモ−
γ−リノレン酸(これらおよびその誘導体を、以下「γ
−リノレン酸等」ということがある)は、n−6系の必
須脂肪酸として知られる内因性の物質である。γ−リノ
レン酸はリノール酸より酵素δ6−デサチュラーゼによ
り変換生成される。しかし、この酵素活性は弱く、この
段階がn−6系脂肪酸代謝の律速段階となっており、リ
ノール酸よりγ−リノレン酸へのスムーズな変換が行わ
れにくいといわれている。また、この酵素活性は、糖尿
病、アルコール摂取、加齢、アトピー性皮膚炎、亜鉛欠
乏などの種々の要因によっても弱められるという。透析
患者の合併症に対し、初めてγ−リノレン酸等を有効成
分とする治療を試みた(前記公報)。この発明者らは、
多くの代謝異常が認められる透析患者にあっては、この
酵素活性はさらに一層弱められ、γ−リノレン酸やジホ
モ−γ−リノレン酸、プロスタグランジンE1などの活
性物質が生成されにくくなっているものと考えている。
γ−リノレン酸等には前記炎症性のサイトカインの産生
を抑制する働きがあり、骨関節への影響を可及的に防止
することが期待される。また、γ−リノレン酸からジホ
モ−γ−リノレン酸への変換は非常に迅速に行われるの
で、γ−リノレン酸およびジホモ−γ−リノレン酸の使
用は実際上の目的に対しては同じことになる。
ロイド系や非ステロイド系の抗炎症剤が用いられるが、
これらの抗炎症剤の鎮痛作用は、ステロイド系抗炎症剤
は、リン脂質からアラキドン酸を遊離させる酵素ホスホ
リパーゼA2の働きを、また非ステロイド系抗炎症剤
は、リン脂質から遊離されたアラキドン酸に作用する酵
素シクロオキシゲナーゼの働きを、それぞれ阻害し、血
漿中の発痛物質ブラジキニンなどに対する強力な発痛増
強作用を持つプロスタグランジンE2などのプロスタグ
ランジン類の産生を阻止することにより発揮されると考
えられている。この発明者らはこのような抗炎症剤の鎮
痛作用に着目した。すなわち、γ−リノレン酸等はホス
ホリパーゼA2の酵素活性を抑制する働きがあり、γ−
リノレン酸等の疼痛緩和効果は、γ−リノレン酸等がこ
れら抗炎症剤の上記作用と共通した一面を有するためで
あると考えられる。
与により、アミロイド周囲の炎症細胞浸潤の軽減や、全
身性エリテマトーデスの患者にアミロイドが検出されな
かった症例が報告されており(河合竜子ほか:透析アミ
ロイドーシスにおける抗炎症療法の病理組織学的検討.
日本透析療法学会雑誌.26巻Supplement
1,988,1993.)この発明者らはこの症例にも
着目し、γ−リノレン酸等が上述の如くこれら抗炎症剤
と共通の薬理作用を有することを考慮すると、アミロイ
ドーシスに対するγ−リノレン酸等の効果も期待できる
のではないかと考えた。
は、天然の供給源が限られており、通常、モルティエレ
ラ(Mortierella)属、ムコール(Muco
r)属、リゾプス(Rhizopus)属等の糸状菌
類、あるいは月見草、ボレージ等の植物、さらにはスピ
ルリナ等の藻類等に含まれる油脂から得られるが、これ
らからの抽出物をそのまま用いてもよく、精製したもの
を用いてもよい。また、γ−リノレン酸等は、化学合成
によって得ることもでき、市販されているものを使用し
てもよい。これらの中でも、モルティエレラ(Mort
ierella)属菌体から抽出したγ−リノレン酸含
有油脂(出光マテリアル(株)製)が好ましいものとし
て挙げられる。この油脂は、他の天然物から得られるγ
−リノレン酸含有油脂が、リノール酸含量が高く酸化安
定性に欠けるのに比し、オレイン酸を主要構成脂肪酸と
しているので酸化安定性に優れており、また一定の品質
が得やすいという特徴を有している。
−γ−リノレン酸の誘導体としては、これらと各種アル
コール類との反応により得られるエステル、例えばエチ
ルエステル、グリセロールエステル、リン脂質等、ある
いは無機、有機の塩基とを等モル比で作用して得られる
塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ
る。
含有量(ジホモ−γ−リノレン酸および各誘導体につい
ては、γ−リノレン酸量に換算される)としては、少な
くなり過ぎると骨疾患の治療効果が充分に得られなくな
り、また多くなり過ぎても経済的に高価となったり、流
動性が高くなり過ぎるなどの不都合が生じるので、通常
は2〜20重量%の範囲内で用いられる。
−リノレン酸等を有効成分として含むものであり、例え
ば、基剤中に上記薬物を防腐剤、安定剤、香味剤、着色
剤等と共に溶解または混合分散させて液状、乳液状、ク
リーム状、ゲル状、ジェリー状、ペースト状等の外用剤
とすることができ、その剤型は特に限定されるものでは
ないが、皮膚からの吸収や製造の簡便さ、また塗布後マ
ッサージを施すこと等を考慮した場合、油液(オイル)
状とするのが好ましい。また必要に応じて、パップ剤、
プラスター剤とすることも可能である。これらは、従来
公知の技術を用いて製造することができる。
のであればよく、また製剤的に従来から上記剤型とする
ために用いられているものが任意に使用でき、例えば、
ビタミンE、ラノリン、白色ワセリン、スクワレン、パ
ラフィン、プラスチベース、ゴマ油、ダイズ油、オリー
ブ油等の油脂類、α−リノレン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、ミリストオレイン酸、パルミ
トオレイン酸、オレイン酸、エルシン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸等の脂肪酸類;ソルビタンモノステアリン
酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンモノステア
リン酸エステル、ポリオキシエチレンノリルフェニルエ
ーテルなどの界面活性剤;アルギン酸ナトリウム、ゼラ
チン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール等の増粘剤;水などが挙げられ、これらは目
的とする剤型に応じて一種または二種以上が用いられ
る。これらの中でもビタミンEおよびその誘導体が好適
に用いられる。ビタミンEはその大部分を細胞膜の構成
成分として取り込まれ、その抗酸化作用によって過酸化
脂質の生成を抑制し、膜の安定化を図り、正常な膜機能
を発揮することに寄与していると考えられているからで
ある。
ノレン酸等を有効成分とする外用剤を適用することにつ
いては、これまでのところ知られていない。水分摂取制
限下にある透析患者にとって、外用剤で目的とする効果
が得られることは非常に好都合となる。この発明に係る
外用剤は、後記実施例における治療例からも明らかなよ
うに、局所投与されたγ−リノレン酸等が皮膚から有効
に浸透吸収されていることが判る。
治療用外用剤は、1日に1〜2回、病変部位に塗布、展
延し、できれば軽くマッサージを施すようにすればよ
い。
は、骨疾患の種類や症状の程度、患部の場所およびその
大きさなどにもよるが、γ−リノレン酸の量として1日
当たり0.4〜10mg/10cm2(皮膚面積)が好
ましい。
いた実施例を説明する。 〈外用剤の製法〉モルティエレラ(Mortierel
la)属菌体より抽出したγ−リノレン酸含有油脂(γ
−リノレン酸を約8重量%含有)1重量部と、ビタミン
E(エーザイ(株)製商品名:イーミックス−80)1
重量部とを、通常の方法で混合し、この発明に係る骨疾
患治療用外用剤を製造した。次に、得られた外用剤を用
いて以下の治療を行った。
透析歴約10年の48歳の女性で、両足先に持続性の痛
みがあり、歩行時には疼痛が増していた。このため1日
2回、二種類の抗炎症剤を内服していた。この発明の骨
疾患治療用外用剤を1日1回、両足先に各約0.1g塗
布し、軽くマッサージを施した。その日のうちに両足先
の痛みが和らぐようになり、これとともに抗炎症剤の使
用を1日1回に減らすことができるようになり、また歩
行時の両足先の痛みも改善された。なお、外用剤使用に
よる皮膚などへの副作用は全く認められなかった。
透析歴約5年の59歳の女性で、両膝関節および両手の
指に痛みを訴えていた。正座ができず、両膝関節および
指関節の可動域の制限がみられた。この発明の骨疾患治
療用外用剤を1日2回、両膝関節および両手指全体に各
約0.1g塗布し、軽くマッサージを施した。2〜3日
目より痛みが和らぐようになり、膝および指関節も治療
前に比べ少し曲がるようになった。なお、外用剤使用に
よる刺激感などの副作用は認められなかった。
の50歳の男性で、右手の五本指全体に症状がみられ、
指関節の著しい可動域の制限がみられるとともに、関節
痛を伴っていた。この発明の骨疾患治療用外用剤を1日
2回、右手の指に約0.1g塗布し、軽くマッサージを
施した。1週間後、親指と人差指がくっつくまで曲がる
ようになった。さらに1ヶ月後には、五本指全部が曲が
るようになり、にぎりこぶしができるまで回復した。指
が曲がるようになるにつれ、指関節の痛みも和らぐよう
になった。また、外用剤使用による副作用は全く認めら
れなかった。
の68歳の女性で、左手指全体に症状がみられ、しびれ
感とともに関節痛を伴い、このため指関節の可動域の制
限がみられた。この発明の骨疾患治療用外用剤を1日1
回、左手の指に約0.1g塗布し、軽くマッサージを施
した。治療翌日より、しびれ感と痛みが軽減し、指も徐
々に曲げられるようになった。なお、外用剤使用による
刺激感等の副作用は全くなかった。
明の人工透析患者の骨疾患治療用外用剤は、腎疾患に合
併する骨病変に対して、充分な治療効果を有するととも
に疼痛を緩和し、かつ安全性にも優れていることが判
る。
Claims (2)
- 【請求項1】γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸
およびこれらの誘導体から選ばれる一種または二種以上
を含有することを特徴とする人工透析患者の骨疾患治療
用外用剤。 - 【請求項2】γ−リノレン酸がモルティエレラ(Mor
tierella)属菌体から抽出したγ−リノレン酸
含有油脂である特許請求の範囲第1項記載の人工透析患
者の骨疾患治療用外用剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14478496A JPH09295936A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 人工透析患者の骨疾患治療用外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14478496A JPH09295936A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 人工透析患者の骨疾患治療用外用剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09295936A true JPH09295936A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=15370372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14478496A Pending JPH09295936A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 人工透析患者の骨疾患治療用外用剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09295936A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001060355A1 (en) * | 2000-02-15 | 2001-08-23 | University Of Sheffield | Modulation of bone formation |
| JP2013515589A (ja) * | 2009-12-30 | 2013-05-09 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む吸収性物品 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP14478496A patent/JPH09295936A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001060355A1 (en) * | 2000-02-15 | 2001-08-23 | University Of Sheffield | Modulation of bone formation |
| JP2013515589A (ja) * | 2009-12-30 | 2013-05-09 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む吸収性物品 |
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