JPH09297239A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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JPH09297239A
JPH09297239A JP11373396A JP11373396A JPH09297239A JP H09297239 A JPH09297239 A JP H09297239A JP 11373396 A JP11373396 A JP 11373396A JP 11373396 A JP11373396 A JP 11373396A JP H09297239 A JPH09297239 A JP H09297239A
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JP
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film
geo
sio
optical waveguide
core
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Application number
JP11373396A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kashimura
誠一 樫村
Akishi Hongo
晃史 本郷
Kentaro Ohira
健太郎 大平
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低損失で歩留りの高い光導波路の製造方法を
提供する。 【解決手段】 SiO2 粉体とGeO2 粉体とを混合
し、プレスして得られたSiO2 −GeO2 成形体或い
は続いて焼結して得られたSiO2 −GeO2 焼結体を
スパッタターゲット4−1〜4−4とし、熱的な気化・
蒸発機構を伴わないスパッタリングを基板3上に行うの
で、混合材料の蒸気圧に依存する突沸現象が発生せず、
膜中へのクラスタの混入がない。また透明化温度を調整
するための添加物であるリンやホウ素等を用いずにコア
用の膜を形成するので、添加物に起因した散乱損失の増
加やコアを熱処理した場合のコア変形等がない。このた
め低損失で歩留りの高い光導波路が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信、計測、情報
処理の分野に適した低損失で信頼性の高い光導波路の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光を利用した通信システムの普及に伴
い、より低損失で信頼性の高い光部品の開発が進められ
ている。特に石英系材料を用いた導波路型の光部品は、
その低損失性に加え複雑な回路を平面基板上に一括して
形成できる可能性があることから最も注目を集めてい
る。
【0003】これら導波路型の光部品は、バッファ層
(下側クラッド層)と呼ばれる低屈折率層を有したSi
基板や石英基板上に屈折率の高いコアと呼ばれる光の伝
搬領域を形成し、コアをさらに低屈折率のクラッド層で
覆った構造をとるのが一般的である。特にコア部分の材
料組成は、光ファイバの低損失コア材料として実績のあ
るSiO2 −GeO2 組成ガラスが有効とされている。
【0004】以下、SiO2 −GeO2 組成のコアを有
する光導波路の従来例を図4、図5を用いて説明する。
【0005】図4に示す光導波路の製造方法は、火炎加
水分解反応による微粒子形成及び高温熱処理による透明
ガラス化を利用した導波路用の膜を形成する例である。
まず、Si基板3−1上に、SiO2 にP(リン)やB
(ホウ素)を添加した低屈折率層(下側クラッド層)用
の微粒子層6と、PやBやGa等を添加したコア膜用の
微粒子層7を火炎加水分解反応により堆積し、これを高
速で焼結することにより透明な下側クラッドガラス層及
びコアガラス膜9とし、続いて、ドライエッチング加工
によりコアガラス膜9の不用部分を除去し、リッジ状の
コア10とし、最後に火炎加水分解反応によりPやBを
添加した低屈折率膜(上側クラッド層)用微粒子層11
を堆積させ、これを焼結することにより透明な上側クラ
ッドガラス膜12とし、埋め込み型の光導波路を得る方
法である。
【0006】ここで、Pは主にガラスの軟化速度或いは
透明ガラス化温度を低下させる目的で添加され、Bは膜
の屈折率を下げると同時に熱膨張係数を調整する目的で
添加される。また、Geは屈折率を上げる目的で添加さ
れる。
【0007】図5に示した光導波路の製造方法は、電子
ビーム蒸着法を用いたSiO2 −GeO2 導波路を形成
する例である。
【0008】石英基板3−2上にSiO2 とGeO2
らなるコア材料を電子ビーム蒸着法により蒸発させ、基
板の表面にSiO2 −GeO2 組成のコア膜13を形成
する。続いて、ドライエッチング加工によりコア膜13
の不用部分を除去してリッジ状のコア14とし、最後に
火炎加水分解反応によりクラッド膜用微粒子層15を堆
積させ、これを焼結することにより透明な上側クラッド
膜16とし、埋め込み型の光導波路が得られる。なお、
本従来例では、石英基板3−2自体が下側クラッド膜の
役割を担っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下のような問題がある。
【0010】図4に示した従来の光導波路の製造方法
は、Si基板や石英基板の耐熱温度以下の温度で各層を
焼結し透明ガラス化を図る必要がある。このため、各層
中にはPを添加しその軟化温皮を低下させなければなら
ない。また、Bを添加することにより膜の熱膨張係数や
屈折率を調整しなければならない。これらPやBの添加
によってできる酸化物ガラスの構造はSiO2 やGeO
2 ガラスの構造とは基本的に異なるため、透明ガラス化
後に分相を形成し易く、これが伝搬光の散乱要因となる
おそれがある。また、エッチングによりリッジ状のコア
を形成した後、再度クラッド層形成のための微粒子堆積
と高温焼結による透明ガラス化処理を行なわなければな
らない。このため、高温熱処理によりコアパターンの変
形が起こり易い。また、微粒子堆積層の透明ガラス化を
行う際にPの膜厚方向への拡散が起こり易く、膜厚方向
に均一な組成の膜を得ることが難しい等の問題があっ
た。
【0011】また、図5に示した従来の光導波路の製造
方法は、コアがSiO2 とGeO2 のみで構成できるた
め、高温熱処理によるコアパターンの変形は極めて少な
い。しかしながら、蒸気圧の異なるSiO2 とGeO2
との混合材料を電子ビームにより加熱・蒸発させるた
め、加熱の際に蒸気圧差に起因した突沸現象(SiO2
よりもGeO2 の蒸気圧が高いため、GeO2 の方が先
に気化し材料中に気泡が発生する現象)が発生しやす
い。このため、この突沸現象により材料が弾け飛び、膜
中に数μm〜数十μmのクラスタ(固まり)として混入
する。これら膜中に混入した材料は導波路断線を招き導
波路損失を増加させる原因となっている。また、高温熱
処理時の膜の収縮が大きいことにより基板の反りが増加
して後に続くパターン化の工程ができなかったり、膜自
体にクラックが発生する等の問題があった。
【0012】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、低損失で歩留りの高い光導波路の製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、SiO2 粉体とGeO2 粉体とを混合した
後プレスしてSiO2 −GeO2 成形体を形成するか或
いはプレス後続いて焼結してSiO2 −GeO2 焼結体
を形成する工程と、成形体或いは焼結体をスパッタター
ゲットとして、スパッタリング法により低屈折率層を有
する平面基板上にSiO2 −GeO2 組成のコアガラス
膜を形成する工程と、平面基板全体を高温で熱処理する
工程と、コアガラス膜をフォトリソグラフィ及びドライ
エッチングにより略矩形断面形状のコアに加工する工程
と、平面基板上のコア全体に低屈折率のクラッドガラス
膜を被覆する工程とからなるものである。
【0014】上記構成に加え本発明は、焼結体からなる
スパッタターゲット中のSiO2 粉体に対するGeO2
粉体の混合割合を50mol%以下の範囲内で変化させ
ることにより形成されるコアガラス膜の屈折率を制御す
るのが好ましい。
【0015】上記構成に加え本発明は、SiO2 粉体及
びGeO2 粉体の粒径をそれぞれ10μm以下とするの
が好ましい。
【0016】上記構成に加え本発明は、焼結体からなる
スパッタターゲットの純度を99.9%以上とするのが
好ましい。
【0017】上記構成に加え本発明は、焼結体からなる
スパッタターゲットの密度を70%以上とするのが好ま
しい。
【0018】上記構成に加え本発明は、スパッタリング
法によるコアガラス膜形成には、少なくとも2つ以上の
スパッタターゲットに同時にRF高周波電力を印加し、
回転機構を有する基板ホルダーに取り付けられた平面基
板上にスパッタターゲットからスパッタされた材料を成
膜させるのが好ましい。
【0019】上記構成に加え本発明は、スパッタリング
法によるコアガラス膜形成を、スパッタガスであるアル
ゴン及び酸素の混合ガス中で行い、導入する全ガス量中
の酸素ガスの混合比を3〜30%の範囲内とするのが好
ましい。
【0020】上記構成に加え本発明は、スパッタリング
法によるコアガラス膜形成を、スパッタ時のガス圧力が
0.01〜1Paの範囲内で行うようにするのが好まし
い。
【0021】上記構成に加え本発明は、スパッタリング
法によるコアガラス膜形成を、成膜時にそれぞれのスパ
ッタターゲットに印加する高周波電力が2〜10W/c
2 の範囲となるようにするのが好ましい。
【0022】上記構成に加え本発明は、コアガラス膜を
形成した後の高温熱処理を、酸素中700〜1200℃
の範囲の温度で行うようにするのが好ましい。
【0023】上記方法において、スパッタリング法は熱
的な気化・蒸発機構を伴なわない成膜方法であるため、
蒸着法で問題となった混合材料の蒸気圧に依存する突沸
現象は発生しない。従って膜中にクラスタ(材料の固ま
り)が混入することはない。また、火炎加水分解反応に
よる微粒子形成及び高温熱処理による透明ガラス化を利
用する方法のように、コアガラス中に透明化温度を調整
するための添加物であるリンやホウ素等を入れずにコア
用の膜を形成することができるため、添加物に起因した
散乱損失の増加やコアを熱処理した場合のコア変形等の
心配がない。
【0024】また、これまで大型のSiO2 −GeO2
ガラスからなるスパッタターゲットが得られなかったた
め、スパッタリング法によりSiO2 −GeO2 組成の
コアガラス膜を作製できなかった。
【0025】しかしながら、本発明では、SiO2 粉体
とGeO2 粉体とを混合し、これをプレスして成形体を
形成し、或いは続いて焼結して焼結体を形成し、これを
スパッタターゲットとして用いているため、低コストで
再現性良くスパッタターゲットを形成することが可能と
なり、信頼度の高いSiO2 −GeO2 コア膜が再現で
きる。
【0026】ここで、成膜されるコア膜の組成比及び屈
折率は、SiO2 粉体とGeO2 粉体との混合割合によ
って制御できる。SiO2 粉体に対するGeO2 粉体の
含有率が多ければ屈折率は高くなり、コアとクラッドと
の屈折率差(Δn)は大きくなる。屈折率差Δnが大き
いほど光導波路の曲がりに対する損失は小さくなり、よ
り小型のデバイスが実現できる。しかしながら過度のG
eO2 の添加は、内部応力や散乱損失を増大させるだけ
でなく、光導波路と通常の光ファイバとの間の整合性を
劣化させ大きな結合損失を招く。従ってSiO2 粉体に
対するGeO2 粉体の含有量は50mol%以下とする
ことが好ましい。
【0027】また、組成の均一性は、混合するSiO2
粉体及びGeO2 粉体の粒径に依存する。均一組成膜を
得るためには少なくとも10μm以下の粒径を有する粉
体原料を用いる必要がある。10μmを超える粒径の材
料を使用した場合には、膜厚方向での組成変化が著しく
大きくなる。
【0028】また、膜の損失は不純物の混入により増加
する。この損失増加は不純物量が0.1%を超えると顕
著になることを確認した。また、0.1%を超えると屈
折率も変化することが分かった。このため、焼結体から
なるスパッタターゲットの純度は99.9%以上である
ことが好ましい。
【0029】また、スパッタターゲット自体の使用効率
及び寿命を向上させるため、焼結密度を70%以上にす
ることが好ましい。SiO2 −GeO2 焼結体の場合、
70%よりも低密度のスパッタターゲットはスパッタ中
にその表面温度上昇によると考えられる体積収縮が顕著
に起こる。この収縮率はスパッタターゲット表面のプラ
ズマ密度(温度)によって異なる。スパッタターゲット
上で収縮率の差が大きくなるとクラックが発生し易くな
る。また、70%よりも低密度の場合は不活性ガスや水
分の吸着量も著しくなることが確認されている。
【0030】導波路コア用のガラス膜の厚さは、光ファ
イバとの結合を考慮して光ファイバのコア径と略等しい
6〜10μmに設定することが好ましい。また、製造コ
ストを下げるため多数枚の基板や大型の基板に均一に膜
を形成する必要がある。このため、少なくとも2つ以上
のスパッタターゲットに同時にRF高周波電力を印加
し、回転機構を有する基板ホルダーに取り付けられたま
ま基板上にスパッタターゲットからスパッタされた材料
を高速かつ均一に成膜される。
【0031】ここで、上記スパッタリング法により形成
されたSiO2 −GeO2 コア膜は、その後、膜の組成
及び屈折率を安定化させるために、酸素雰囲気中高温で
熱処理する必要がある。
【0032】しかしながら、成膜直後の膜が酸素欠乏状
態となっている場合には、熱処理中に酸化による膜の体
積膨張が起こり、応力変化に起因したクラックが発生す
る。また、酸化を促進する目的で酸素を過剰に導入する
と成膜速度が極端に低下することからミクロンオーダー
の膜付け方法としては適さない。このため、上記方法に
よりSiO2 −GeO2 コア膜を形成する場合には、導
入する全ガス量中の酸素ガスの混合比を3〜30%の範
囲内となるように設定することが好ましい。
【0033】また、スパッタ時のガス圧力は、アルゴン
ガスや酸素ガス等のガス導入量と共に成膜速度、膜の密
度及び膜の酸化状態を制御するために重要なパラメータ
である。本発明者らの検討結果ではSiO2 −GeO2
コア膜を形成するための適切な圧力範囲は0.01〜1
Paであった。この範囲外では酸素欠乏状態或いは密度
の低い膜となり、高温熱処理時に屈折率、膜厚、基板の
反り量の変動が大きな膜しか得られなかった。
【0034】また、成膜時にそれぞれのスパッタターゲ
ットに印加する高周波電力は、成膜速度を制御する要因
であるが、SiO2 −GeO2 コア膜を形成する場合に
は、内部応力や屈折率も印加電力によって変化する。高
温熱処理時に変動の少ない膜を形成するためには、1ス
パッタターゲット当たり2〜10W/cm2 の範囲の電
力で成膜することが好ましい。2W/cm2 よりも低い
電力では成膜速度が遅いので実用的ではない。また、1
0W/cm2 より大きな電力では高温熱処理時に内部応
力変動の大きな膜となる。
【0035】さらに、コア膜形成後には、膜の酸化を促
進すると共に膜を緻密化し、屈折率を安定化させるた
め、酸素雰囲気中高温での熱処理を行うことが好まし
い。この場合屈折率、膜厚の変化が飽和し、膜の内部応
力ができるだけ少なくなる温度を選択する必要がある。
【0036】特に、内部応力の大きい膜は平面基板の反
り量も大きくなるため、後に続くフォトリソグラフィに
よるパターニングが精度良く行えなくなる。本発明者ら
が熱処理温度に対する屈折率・膜厚・内部応力の変動に
ついて種々検討した結果、最適な温度が700〜120
0℃の範囲にあることが分かった。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0038】図1は本発明の光導波路の製造方法を適用
したスパッタリング装置の一実施の形態を示す平面図で
ある。
【0039】図1において、1は真空容器、2は基板ホ
ルダー、3は平面基板(基板)、4−1〜4−4はSi
2 −GeO2 焼結体ターゲット(ターゲット)、5−
1〜5−4はターゲット4−1〜4−4のそれぞれに電
力を供給するための高周波電源である。
【0040】ここで、基板3は、回転が可能な多面体形
状を有した基板ホルダー2の外周側面に取り付けられて
いる。これら基板3と対向する真空容器1の内壁にはタ
ーゲット4−1〜4−4が設けられ、各ターゲット4−
1〜4−4にはそれぞれに電力を供給するための高周波
電源5−1〜5−4が接続されている。
【0041】本発明者らは当初、ターゲット4−1〜4
−4としては、SiO2 −GeO2 バルクガラスを用い
ることを考えた。しかしながら、組成の均一なものが得
にくく、かつ割れやすいため量産装置向けの大型のもの
ができなかった。
【0042】そこで、本実施の形態では、SiO2 粉体
とGeO2 粉体とを混合し、これをプレスし、その後1
000℃以上の高温で焼結し密度が70%以上となるよ
うに形成した焼結体をターゲットとして用いた。
【0043】コア膜の屈折率はSiO2 粉体とGeO2
粉体との混合割合を変えることによって容易に制御する
ことができるが、本実施の形態ではGeO2 の混合割合
を10mol%とした。
【0044】ここで、ターゲット自体の使用効率及び寿
命を向上させるため、焼結温度を70%以上にすること
が好ましい。SiO2 −GeO2 焼結体の場合、GeO
2 の混合割合が70%よりも低密度のターゲットはスパ
ッタ中にその表面温度上昇によると考えられる体積収縮
が顕著に起こった。この収縮率はターゲット表面のプラ
ズマ密度(温度)によって異なる。ターゲット上で収縮
率の差が大きくなるとクラックが発生し易くなる。ま
た、GeO2 の混合割合が70%よりも低い場合は不純
物ガスや水分の吸着量も著しくなった。
【0045】また、SiO2 粉体及びGeO2 粉体から
なる原料の粒子径は、組成の均一性を確保するためそれ
ぞれ10μm以下の粒径のものを使用した。粒径が10
μmを超える材料を使用した場合には、膜厚方向での組
成変化が著しく大きくなった。
【0046】0.1%を超える量の不純物が膜中に混入
すると、これに起因した損失増加や屈折率変化が顕著に
なることから導波路用コア膜としては望ましくない。こ
のため、焼結体からなるターゲットの純度は99.9%
以上とした。
【0047】次に、実際のコア膜形成は、真空容器1内
に設けられた基板ホルダー2の外周側面に石英基板や低
屈折率層を有したSi基板などの基板3を取り付け、真
空容器1内を1×10-5Pa以下の真空度まで排気す
る。
【0048】次に、真空容器1内にスパッタガスである
アルゴン(Ar)ガスを100sccm及び反応ガスで
ある酸素(O2 )ガスを10scm導入し、真空容器1
内のガス圧力を0.3Paに保持し、基板ホルダー2を
回転させながら、焼結体ターゲット4−1〜4−4のそ
れぞれに高周波電源5−1〜5−4よりそれぞれ8W/
cm2 の電力を供給し成膜を行った。
【0049】ここで、導波路コア用のガラス膜の厚さ
は、光ファイバとの結合を考慮して光ファイバのコア径
と略等しい6〜10μmに設定することとした。また、
製造コストを下げるため多数枚の基板や大型の基板に均
一に膜を形成する必要がある。このため、少なくとも2
つ以上のターゲット4−1〜4−4に同時に高周波電力
を印加し、回転機構を有する基板ホルダー2に取り付け
られた基板3上にターゲット4−1〜4−4からスパッ
タされた材料を高速かつ均一に成膜できることが好まし
い。
【0050】また上記スパッタリング法により形成され
たSiO2 −GeO2 コア膜はその後、膜の組成及び屈
折率を安定化させるために、酸素雰囲気中高温で熱処理
する必要がある。
【0051】しかしながら、成膜直後の膜が酸素欠乏状
態となっている場合には、熱処理中に酸化による膜の体
積膨張が起こり、応力変化に起因したクラックが発生す
る。また、酸化を促進する目的でO2 ガスを過剰に導入
すると成膜速度が極端に低下することからミクロンオー
ダーの膜付け方法としては適さない。このため、上記方
法によりSiO2 −GeO2 コア膜を形成する場合に
は、導入する全ガス量中のO2 ガスの混合比は3〜30
%の範囲内となるよう設定することが好ましい。
【0052】また、スパッタ時のガス圧力は、Arガス
やO2 ガスの導入量と共に成膜速度、膜の密度及び膜の
軟化状態を制御するために重要なパラメータである。本
発明者らの検討結果ではSiO2 −GeO2 コア膜を形
成するための適切な圧力範囲は0.01〜1Paであっ
た。この範囲外では酸素欠乏状態或いは密度の低い膜と
なり、高温熱処理時に屈折率、膜厚、基板の反り量の変
動が大きな膜しか得られなかった。
【0053】また、成膜時にそれぞれのターゲットに印
加する高周波電力は、成膜速度を直接制御する要因であ
るが、SiO2 −GeO2 コア膜を形成する場合には、
内部応力や屈折率も印加電力によって変化する。高温熱
処理時に内部応力や屈折率変化の少ない膜を形成するた
めには、1ターゲット当たり2〜10W/cm2 の範囲
の電力で成膜されることが好ましい。高周波電力が2W
/cm2 よりも低い場合には成膜速度が遅く実用的では
ない。また、高周波電力が10W/cm2 より大きい場
合には高温熱処理時に内部応力変動の大きな膜となる。
【0054】次に、形成されたコア膜を基板ごと酸素雰
囲気中約900℃の温度で熱処理を行った。
【0055】成膜後には、膜の酸化を促進すると共に膜
を緻密化し、屈折率を安定化させるため、酸素雰囲気中
高温での熱処理を行うことが好ましい。この場合屈折
率、膜厚の変化が飽和し、膜の内部応力ができるだけ少
なくなる温度を選択する必要がある。特に、内部応力の
大きい膜は基板の反り量も大きくなるため、後に続くフ
ォトリソグラフィによるパターニングが精度良く行えな
くなる。
【0056】図2に熱処理温度に対する屈折率及び内部
応力の変化について検討した結果を示す。
【0057】図2は本発明の熱処理温度に対する基板の
反り量及び屈折率の関係を示す図であり、横軸が温度、
左縦軸が基板の反り量(内部応力)、右縦軸が屈折率を
示している。白抜きの点が基板の反り量(内部応力)、
黒点が屈折率を示している。
【0058】同図より、屈折率が安定し、内部応力が略
0となる温度範囲が700〜1200℃の範囲内に存在
するのが分かる。すなわち、この温度範囲で熱処理を行
うことが望ましい。尚、同図において基板の反り量は、
直径3インチ基板の中心より±25mmにおける基板の
反り量である。
【0059】本実施の形態により作製したSiO2 −G
eO2 コアガラス膜の焼結体ターゲット中へのGeO2
粉体混合量と酸素雰囲気中1200℃で熱処理後の屈折
率について調べた結果を図3に示す。
【0060】図3は本発明の光導波路の製造方法を適用
した焼結体ターゲット中のGeO2 粉体の混合量と成膜
された膜を酸素雰囲気中1200℃の温度で熱処理した
ときの屈折率の関係を示す図であり、横軸がGeO2
体の混合量、縦軸が屈折率を示している。
【0061】同図よりGeO2 粉体の混合量を変化させ
ることにより屈折率が直線状に変化することが分かる。
すなわち、GeO2 粉体の混合量により膜の屈折率を制
御できた。また、GeO2 粉体の含有量50mol%以
下(さらに望ましくは30mol%以下)の範囲内では
クラスタなどの異物混入やクラックの発生も確認されな
かった。さらにまた、膜厚方向及び面内の組成を分析し
たところ、均一にGeが分散していることが確認でき
た。
【0062】次に、以上のようにして低屈折率層を有す
る基板上に作製され、熱処理されたSiO2 −GeO2
組成のコアガラス膜上に導波路用のパターンをフォトリ
ソグラフィにより形成した。この時、本発明によりコア
ガラス膜の内部応力(基板の反り)が極めて少ない状態
に制御されているので、再現性良くパターンを形成でき
た。
【0063】次にこれら導波路のパターンをもとにCH
3 ガスを用いた反応性イオンエッチング(ドライエッ
チング)によりコアガラス膜を略矩形断面形状のコアに
加工した。
【0064】さらに、基板上の略矩形断面形状に加工さ
れたコア全体に火炎加水分解反応により低屈折率のガラ
ス膜用の微粒子を堆積させ、これを1300℃の高温で
焼結することにより、微粒子の透明ガラス化を行い上側
クラッド層とした。
【0065】以上、本実施の形態により作製したコアサ
イズ6μm×6μmのSiO2 −GeO2 導波路を評価
した結果、伝送損失0.05dB/cm以下の低損失な
導波路を再現性良く得られることが分かった。また、導
波路の端面を観察した結果、高温熱処理によるコア形状
の変化が無いことを確認した。
【0066】以上において、本発明は導波路の製造方法
として、熱的な気化・蒸発機構を伴わないスパッタリン
グ法を適用しているため、蒸着法で問題となった混合材
料の蒸気圧に依存する突沸現象は発生しない。よって膜
中にクラスタ(材料の固り)が混入することはない。ま
た、火炎加水分解反応による微粒子形成及び高温熱処理
による透明ガラス化を利用する方法のように、コアガラ
ス中に透明化温度を調整するための添加物であるリンや
ホウ素などを入れずにコア用の膜を形成できるため、こ
の添加物に起因した散乱損失の増加やコアを熱処理した
場合のコア形状の変形などの心配がない。また、SiO
2 粉体とGeO2 粉体とを混合し、これをプレスし、或
いは続いて焼結して作製した焼結体をターゲットとして
用いているため、スパッタリング中にターゲットが割れ
る可能性が小さく、低コストで再現性良く大型のターゲ
ットを作製することが可能となる。
【0067】また、O2 ガスを3〜30%の範囲内でA
rガスと混合し、スパッタ容器内を0.01Paの範囲
のガス圧力に設定し、1ターゲット当り2〜10W/c
2 の高周波電力で上述のSiO2 −GeO2 ターゲッ
トをスパッタし、コア膜を形成することにより、高温熱
処理時の膜厚や組成、内部応力などの特性変動が少なく
クラック発生のないSiO2 −GeO2 コア膜が得られ
る。
【0068】また、作製したコア膜を酸素雰囲気中70
0〜1200℃の温度で熱処理を行うことにより、膜の
内部応力を低減でき、基板の反り量を小さくできる。こ
れにより後に続くフォトリソグラフィによるパターニン
グが精度良く行えるため、導波路作製の歩留りを大幅に
向上できる。
【0069】すなわち、本発明によれば量産性に適した
低損失なSiO2 −GeO2 組成の光導波路を再現性良
く作製できる。
【0070】尚、本実施の形態ではターゲットにSiO
2 −GeO2 焼結体を用いた場合で説明したが、SiO
2 粉体とGeO2 粉体とを混合した後プレスしたSiO
2 −GeO2 成形体を用いてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0072】SiO2 粉体とGeO2 粉体とを混合し、
プレスして得られたSiO2 −GeO2 成形体或いは続
いて焼結して得られたSiO2 −GeO2 焼結体をター
ゲットとし、熱的な気化・蒸発機構を伴わないスパッタ
リング法を用いたので、低損失で歩留りの高い光導波路
の製造方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法を適用したスパッ
タリング装置の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明の熱処理温度に対する基板の反り量及び
屈折率の関係を示す図である。
【図3】本発明の光導波路の製造方法を適用した焼結体
ターゲット中のGeO2 粉体の混合量と成膜された膜を
酸素雰囲気中1200℃の温度で熱処理したときの屈折
率の関係を示す図である。
【図4】光導波路の製造方法の従来例を示す図である。
【図5】光導波路の製造方法の他の従来例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 真空容器 2 基板ホルダー 3 平面基板(基板) 4−1〜4−4 SiO2 −GeO2 焼結体ターゲット
(ターゲット) 5−1〜5−4 高周波電源

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 粉体とGeO2 粉体とを混合し
    た後プレスしてSiO2 −GeO2 成形体を形成するか
    或いはプレス後続いて焼結してSiO2 −GeO2 焼結
    体を形成する工程と、上記成形体或いは上記焼結体をス
    パッタターゲットとして、スパッタリング法により低屈
    折率層を有する平面基板上にSiO2 −GeO2 組成の
    コアガラス膜を形成する工程と、上記基板全体を高温で
    熱処理する工程と、上記コアガラス膜をフォトリソグラ
    フィ及びドライエッチングにより略矩形断面形状のコア
    に加工する工程と、上記平面基板上のコア全体に低屈折
    率のクラッドガラス膜を被覆する工程とを備えたことを
    特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記焼結体からなるスパッタターゲット
    中のSiO2 粉体に対するGeO2 粉体の混合割合を5
    0mol%以下の範囲内で変化させることにより形成さ
    れるコアガラス膜の屈折率を制御するようにした請求項
    1記載の光導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記SiO2 粉体及び上記GeO2 粉体
    の粒径をそれぞれ10μm以下とした請求項1記載の光
    導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記焼結体からなるスパッタターゲット
    の純度を99.9%以上とした請求項1記載の光導波路
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記焼結体からなるスパッタターゲット
    の密度を70%以上とした請求項1記載の光導波路の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記スパッタリング法によるコアガラス
    膜形成には、少なくとも2つ以上のスパッタターゲット
    に同時にRF高周波電力を印加し、回転機構を有する基
    板ホルダーに取り付けられた平面基板上にスパッタター
    ゲットからスパッタされた材料を成膜させる請求項1記
    載の光導波路の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記スパッタリング法によるコアガラス
    膜形成を、スパッタガスであるアルゴン及び酸素の混合
    ガス中で行い、導入する全ガス量中の酸素ガスの混合比
    を3〜30%の範囲内とした請求項1記載の光導波路の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 上記スパッタリング法によるコアガラス
    膜形成を、スパッタ時のガス圧力が0.01〜1Paの
    範囲内で行うようにした請求項1記載の光導波路の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 上記スパッタリング法によるコアガラス
    膜形成を、成膜時にそれぞれのスパッタターゲットに印
    加する高周波電力が2〜10W/cm2 の範囲となるよ
    うにした請求項1記載の光導波路の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記コアガラス膜を形成した後の高温
    熱処理を、酸素中700〜1200℃の範囲の温度で行
    うようにした請求項1記載の光導波路の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002341168A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Hoya Corp 光導波路素子及びその製造方法並びに屈折率分布形成方法

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