JPH09297251A - 光ケーブル及び光ケーブル製造装置 - Google Patents

光ケーブル及び光ケーブル製造装置

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JPH09297251A
JPH09297251A JP8109318A JP10931896A JPH09297251A JP H09297251 A JPH09297251 A JP H09297251A JP 8109318 A JP8109318 A JP 8109318A JP 10931896 A JP10931896 A JP 10931896A JP H09297251 A JPH09297251 A JP H09297251A
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JP
Japan
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wire rod
cable
slot rod
tension
slot
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Pending
Application number
JP8109318A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Katagiri
敏昭 片桐
Hideyuki Iwata
秀行 岩田
Masaru Okada
勝 岡田
Yoshio Kashima
宜雄 加島
Masaru Nozawa
優 野澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Inc
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時の残留伸び歪みが小さく、その後の長
手方向の収縮が小さく、、更に温度変化による伸縮が小
さい光ケーブル及びその製造装置を提供する。 【解決手段】 この発明の製造装置は、線材送り側駆動
部、線材巻き取り側駆動部及び駆動制御部を具え、各工
程の線材の長手方向に発生する複数の張力負荷及び張力
調整誤差に対するマージンの総和に基づいた張力で、各
工程における線材をドラムに巻き取る。局所的に大きな
張力が掛かる線材範囲の両側又は線材送り方向の下部側
に線材中押し装置を具え、中押し装置駆動制御部で線材
の張力を制御するようにしてもよい。この発明の光ケー
ブルは、スロットロッド及び/又はケーブル外被を構成
するプラスチック材料が、低線膨張係数のファイバ状の
繊維が混入されて形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線の
移動を抑制した信頼性の高い光ケーブル及びその製造装
置に関する。
【0002】従来の光ケーブルの断面構造は図1に示す
ような構造であり、従来の光ケーブルの製造工程は図2
に示すようなものである。図1において、光ケーブル1
は、その中心から、抗張力体2(単鋼線、鋼撚線等)、
スロットロッド3、スロット4に収容したファイバ心線
5、押さえ巻き6、金属製シース7及びケーブル外被8
から構成されている。但し、図1ではそれぞれの構成部
材間に間隙があるように便宜的に示しているが、スロッ
ト4とファイバ心線5との間及びファイバ心線5同士の
間を除いて、抗張力体2、スロットロッド3、押さえ巻
き6、金属製シース7及びケーブル外被8の相互の間に
は間隙はないように製造される。また、金属製シース7
を設けない場合もある。また通常は、金属製シース7の
表面にはポリエチレンがラミネートされており、これと
ケーブル外被8の材料であるポリエチレンとは製造工程
中に一体化する。
【0003】光ケーブルの第1の製造工程は、図2
(a)に示すように、鋼線等の抗張力体2を抗張力体ド
ラム9から送り、押出し成形機10において抗張力体2を
芯としてポリエチレンを円筒状に被覆し、ダイス11を通
してこの円筒表面に螺旋状の複数のスロット(溝)4を
設けるように押出し成形を行い、スロットロッド3を水
槽12中を通して冷やしながら送り、最終的にスロットロ
ッドドラム13に巻き付ける工程である。この場合、或る
ピッチで螺旋状に複数のスロット4を設けるため、抗張
力体ドラム9とスロットロッドドラム13とを、スロット
ロッド送り方向を軸として同期回転させ、且つ抗張力体
ドラム9の駆動部14とスロットロッドドラム13の駆動部
15との送り速度を調整している。なお、この工程で、ス
ロット4を設ける場合、ダイス11を通して押出し成形に
よってスロット4を付けずに、スロットロッド3を水槽
12中を通して冷やした後、切削によってスロット4を設
けてもよい。
【0004】第2の製造工程は、図2(b)に示すよう
に、各スロット4に複数のボビン18から供給されるファ
イバ心線5を収容(図では4つのスロットに5テープず
つを収容)しながら、ファイバ心線5をスロット4に閉
じ込めるように、スロットロッド3の外周に(防水テー
プ、不織布等の)押さえ巻き6を施し、最終的に押さえ
巻きされたスロットロッド22を押さえ巻きドラム19に巻
き付ける工程である。この場合、スロット4は或るピッ
チで螺旋状に設けられており、ボビン18からスロット4
内にファイバ心線5を供給する位置を固定できるよう
に、スロットロッドドラム13と押さえ巻きドラム19とは
スロットロッド送り方向を軸として同期回転させ、且つ
スロットロッドドラム13の駆動部20と押さえ巻きドラム
19の駆動部21の送り速度を調整している。
【0005】第3の製造工程は、図2(c)に示すよう
に、押さえ巻きドラム19から押さえ巻きされたスロット
ロッド22を送り出し、この押さえ巻きを施されたスロッ
トロッド22を芯として押出し成形機23によりポリエチレ
ンを円筒状に押出し成形してケーブル外被8を形成し、
ケーブル外被8を形成したケーブル1を水槽12中を通し
て冷やしながら送り、最終的にケーブルドラム24にケー
ブル1を巻き付ける工程である。この場合、押さえ巻き
ドラム19の駆動部25とケーブルドラム24の駆動部26との
送り速度を調整している。なお、図2(c)では金属シ
ース7を入れる場合が図示されている。
【0006】以上の3つの製造工程において、ケーブル
1の3つの線材、即ち抗張力体2、スロットロッド3、
及び押さえ巻きされたスロットロッド22は、製造ライン
に設けられたガイド部品27によって案内されている。ま
た、図3(a)及び(b)は、上記第1の製造工程で設
けられるスロットの2つの例を示す図であり、(a)は
S型(螺旋方向が一定)、(b)はSZ型(螺旋方向を
2分の1ピッチ毎に交互に変える)を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の光
ケーブルを寒冷地(架空ケーブルでは−30℃、地下ケ
ーブルでは−10℃程度に下がる)で用いると、ケーブ
ル接続部に取り付けるクロージャ(接続箱)又はジョイ
ント(地下接続筐体)で、ファイバ心線5がケーブル1
の内部からクロージャ内部又はジョイント内部に突き出
す現象が発生することがある。
【0008】例えば、図1のスロットロッド3には5本
のスロット4が刻まれ、各スロット当たり(4心テー
プ)ファイバ心線5が5枚収容されているが、この場
合、各スロット内の5枚の(4心テープ)ファイバ心線
5は必ずしも全部一緒に突き出さずに、スロット内の5
枚の(4心テープ)ファイバ心線5のうち1枚だけ突き
出す場合もある。また、全スロットにこの現象が同時に
認められるとは限らない。また、1本のケーブルの両端
において、このような現象が発生するとは限らない。こ
のように、この現象の発生は極めて不規則的である。こ
の現象は、強風地帯ではない所でも、架空ケーブル及び
地下ケーブルの両者に発生する。
【0009】ファイバ心線5がケーブル1の内部からク
ロージャ又はジョイントの内部に突き出すと、ファイバ
心線5は突き出たままの状態になり、ファイバ心線5に
曲げ変形が発生し、曲げ損失の原因になるという問題が
ある。
【0010】また、クロージャ等の接続部でケーブル外
被とスロットロッドとの間に捻じれが発生する場合があ
る。このような捻じれによって、ケーブル外に(即ち、
クロージャ等の内部に)突き出たファイバ心線が、当初
からクロージャ等の内部に配線されていた心線に対して
捻じられたり、突き出たファイバ心線がクロージャ等の
内部の部品と干渉したりするという問題がある。
【0011】また、上記のような従来の光ケーブルを温
暖地(架空ケーブルでは70℃、地下ケーブルでは30
℃程度まで上がる)で用いると、クロージャ等の内部の
ファイバ心線5がケーブル1の内部に引き込まれる現象
が発生することがある。この場合は、ファイバ心線5が
ケーブル接続時には充分な半径を保って収容されていて
も、この現象のために曲げ半径が小さくなってしまうと
いう問題がある。
【0012】更に、上記のような従来の製造工程におい
ては、抗張力体、スロットロッド、押さえ巻きを施され
たスロットロッド、及びケーブルの各ドラムには、通
常、駆動部が設けられている。スロットロッドのスロッ
トピッチを調整するため、上記の3工程のうちスロット
ロッド押出し成形工程及び押さえ巻き工程では、線材送
り方向を軸としたドラムの回転速度及び線材送り速度が
調整される。
【0013】一方、ケーブル外被付け工程は、線材送り
方向を軸としたドラムの回転はなく線材送り速度が調整
されるだけである。しかし、上記の3つの製造工程にお
いて線材送り速度を調整する場合、スロットロッド、押
さえ巻きを施されたスロットロッド、及びケーブルのプ
ラスチック材に過大な張力が掛かる。このように、上記
3つの工程中においてはプラスチック材に比較的大きな
張力を繰り返し加えている。即ち、前の工程で発生した
プラスチック材の残留伸び歪みが解消される前に次の工
程で発生した伸び歪みが加わることになり、各工程で残
留伸び歪みを累積させている。このため、ケーブル製造
時に、ポリエチレンからなるスロットロッド、ケーブル
外被等に大きな残留伸び歪みを発生させるという問題が
ある。
【0014】また、スロットロッドに複数のスロットを
切削によって設ける場合には、スロットロッド押出し成
形工程において大きな切削抵抗を生じ、スロットロッド
のスロット切削部からスロットロッドドラムまでの範囲
において大きな伸び歪みを発生させている。
【0015】このような製造時の残留伸び歪みは当然後
になって徐々に解放され、線材に変形が発生する原因に
なるものであり、上記のように線材が変形すると、ファ
イバ心線に小さい曲げを発生させ、延いては曲げ損失を
発生させ、伝送特性を悪化させることとなる。
【0016】従って、本発明の目的は、製造時の残留伸
び歪みを小さくし、それによりその後の長手方向の収縮
を小さくし、更に温度変化による伸縮を小さくした光ケ
ーブル及びその製造装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の光ケーブル製造装置は、線材送り側駆動
部、線材巻き取り側駆動部、及び、線材送り側駆動部と
線材巻き取り側駆動部との間で線材の張力制御を行う駆
動制御部を具え、各工程の線材の長手方向に発生する複
数の張力負荷及び張力調整誤差に対するマージンの総和
に基づいた張力で、各工程における線材をドラムに巻き
取ることを特徴とする。
【0018】更に、本発明の光ケーブル製造装置は、局
所的に大きな張力が掛かる線材範囲の両側又は線材送り
方向の下部側に線材中押し装置を具え、該線材範囲の両
側に配設した線材中押し装置の駆動部同士の間で、又
は、線材送り側駆動部と該線材送り方向の下部側に配設
した線材中押し装置の駆動部との間で、線材の張力を制
御する中押し装置駆動制御部を具えることができる。
【0019】更に、本発明の光ケーブルは、スロットロ
ッド及び/又はケーブル外被を構成するプラスチック材
料が、低線膨張係数のファイバ状の繊維が混入されて形
成されることを特徴とする。
【0020】このような本発明によれば、ケーブル製造
工程において、ポリエチレン等のプラスチック材からな
るスロットロッド又はケーブル外被に加えられる張力が
必要最小限の値になるように制御することにより、それ
らの製造時における残留伸び歪みを小さくし、製造後に
ヒートサイクルを受けたスロットロッド又はケーブル外
被に発生する収縮を抑えることができる。また、線材中
押し装置を具えることにより、大きな張力が掛かる線材
範囲を局所的に制限できる。また、スロットロッド及び
/又はケーブル外被を構成するポリエチレン等のプラス
チック材にファイバ状の繊維を混入し、温度変化による
伸縮と張力印加時の歪みを小さくすることにより、ヒー
トサイクルを受けて発生するスロットロッド及びケーブ
ル外被の収縮及び温度変化に伴って発生する両者の伸縮
を共に抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】先ず、ファイバ心線がケーブル内
で移動し、ケーブル接続部で突き出したり引き込まれた
りするメカニズムを明らかにする。以下、ファイバ心線
がスロットの中で基本的に弛みがないようにタイトに収
容されている光ケーブルについて考える。但し、実際に
はファイバ心線はスロットロッドのスロット長に対して
僅かな弛みがあるため、スロットの中でファイバ心線に
は曲げが存在している。ケーブル内のファイバ心線に曲
げが存在する場合、ファイバ心線が安定な応力状態に移
行するまで、ファイバ心線には常に真っ直ぐになろうと
する力が作用している。即ち、ファイバ心線は曲げ(曲
率半径)の大きい部分(応力が小さい部分)に向かっ
て、又はケーブル接続部等の応力解放部分に向かって移
動する。ここで、応力解放部分とは、スロットロッドの
スロット内に収容されているファイバ心線が応力解放状
態にある部分を意味し、ケーブル接続部のケーブル切断
部から10mから30m程度ケーブル内側にある部分で
ある。
【0022】最初に、架渉されているケーブルが横振動
する場合について考えると、ケーブル内のファイバ心線
には慣性力が作用するが、この慣性力はケーブルを架渉
している電柱間のケーブル中央部に向かって作用し、ケ
ーブル接続部からファイバ心線をケーブル内部に引き込
むように作用する。これは、電柱に架渉したケーブルは
下方に撓み放物線形状になることによる。しかし、ケー
ブルの撓み角度が小さいこと、及びファイバ心線の質量
が小さいことから、ケーブル中央部に向かう力は小さ
い。
【0023】このようなことから、ケーブル横振動に伴
いファイバ心線に(ケーブル長手方向に)作用する慣性
力が心線の移動に対して与える影響は小さい。但し、ケ
ーブル横振動に伴い、ファイバ心線に作用している摩擦
力が静摩擦から動摩擦になり、ファイバ心線に対する
(摩擦力による)拘束が弱まるため、ファイバ心線に或
る程度小さい曲げ(即ち、真っ直ぐになろうとする力)
が存在する場合には、ファイバ心線は移動し易くなる。
ところで、心線の突き出し現象は、ケーブルの横振動を
受けない地下ケーブルにも認められる。このため、以下
の心線突き出しの考察では、ケーブルの温度変化に基づ
く心線の突き出し現象について考える。
【0024】スロットロッド及びケーブル外被はケーブ
ル製造工程で何度か引っ張られるため、これらには、製
造時に残留伸び歪み(ケーブル製造時の履歴)が発生す
る。そのため、ケーブルがヒートサイクルを受けると、
スロットロッド3とケーブル外被8の製造当初の長さは
維持されずに徐々に短くなる(以下、これを残留伸び歪
み解消収縮という)。スロットロッドの残留伸び歪み解
消収縮を実験室的に確認し、当初のファイバ心線に対す
る長さの変化を明らかにするため、鋼線(抗張力体)を
芯に持つスロットロッドを恒温槽に入れ、温度を−40
℃から+80℃までの間で変化させ、加速実験で検討し
た。この実験結果を図4、5及び6に示す。これらの図
でΔlはスロットロッドの収縮量を表す。
【0025】実験に用いた試料に関する条件(実験試料
条件)は次の通りであり、室温で保存されていたもので
ある。 (1) S型スロットロッド:S型スロットピッチ500mm
/360 度、スロットロッド試料の長さ500〜600m
m、スロット数5、外径14.6mm(5スロット分の断
面積を除いた相当外径12mm)、鋼線外径2.6mm (2) SZ型スロットロッド:SZ型スロットピッチ50
0mm/290 度、スロットロッド試料の長さ500〜60
0mm、スロット数5、外径17.3mm(5スロット分の
断面積を除いた相当外径14.9mm)、撚線外径1.2
mm×7本
【0026】図4は十数本のS型スロットロッドを、図
5は3本のSZ型スロットロッドを用い、これらの試料
を恒温槽に入れ、−40℃から+80℃までの間でヒー
トサイクルを10サイクル程度与えた時のスロットロッ
ドの伸縮履歴の概略を示した図であり、共に複数のスロ
ットロッドから得られたデータの平均値で表されてい
る。図6は、図4の試料と同じ製造ロット(同一寸法同
一形状)のS型スロットロッドを用い、0℃から+70
℃までの間でヒートサイクルを与えた時のスロットロッ
ドの伸縮履歴の概略を示した図であり、複数のスロット
ロッドから得られたデータの平均値で表されている。
【0027】図4及び5のグラフの細線はヒートサイク
ルの途中の特性であり、太線はほぼ飽和した時の特性を
表している。但し、ヒートサイクルは、図4及び5では
−40℃、+20℃、+80℃の、図6では0℃、+2
0℃、+70℃の各温度を1時間以上保持し、各温度間
の変化時間は30分程度とした。この実験では、スロッ
トロッドの温度が変化すると、例えば図7に示すその材
質の線膨張係数に従い、その長手方向に伸縮する。同時
に、10サイクル程度のヒートサイクルを繰り返すに従
い、スロットロッドは、当初の長さに対して収縮したま
まの状態になり、且つスロットロッドは徐々に収縮量が
大きくなり、最終的に収縮が飽和してくる。収縮の飽和
は、ケーブル製造時のスロットロッドの残留伸び歪み分
が解消してきたために起きる。
【0028】図4によれば、S型スロットロッドのヒー
トサイクル最後の温度伸縮は、温度差120℃で、スロ
ットロッド1m換算値で約5mmであることが分かる。い
ま、中心に鋼線がないスロットロッド単独の温度伸縮
を、上記実験試料条件(1) 及び図7を用いて計算する
と、温度差120℃でスロットロッド1m当たり約20
mmである。従って、スロットロッドの伸縮は鋼線との摩
擦により拘束されていることが分かる。抗張力体の表面
積を大きくすれば、抗張力体とスロットロッドとの摩擦
力による拘束を大きくでき、スロットロッドの残留伸び
歪み解消収縮速度を遅くすることができる。
【0029】また、ヒートサイクル最後の残留伸び歪み
解消収縮については、20℃でスロットロッド長を評価
したところ、スロットロッド1m換算値で約3mmの残留
伸び歪み解消収縮が発生していることが分かる。通常の
ケーブル架渉スパンである35m当たりの残留伸び歪み
解消収縮は、長さ500〜600mmのスロットロッド試
料から得られた結果を用いて(寸法効果を無視して)計
算すると、105mmとなる。この値は、実際に観察され
るファイバ心線突き出し量に近い値である。
【0030】図5によれば、SZ型スロットロッドのヒ
ートサイクル最後の温度伸縮は、温度差120℃で、ス
ロットロッド1m換算値で約5mm程度であることが分か
る。いま、中心に鋼撚り線がないスロットロッド単独の
温度伸縮を計算した値と比較すると、S型スロットロッ
ドケーブルの場合と同様に、SZ型スロットロッドの伸
縮は鋼撚り線との摩擦により拘束されていることが分か
る。また、ヒートサイクル最後の残留伸び歪み解消収縮
については、20℃でスロットロッド長を評価したとこ
ろ、スロットロッド1m換算値で約4mmの残留伸び歪み
解消収縮が発生していることが分かる。
【0031】また、図6によれば、ヒートサイクル最後
のスロットロッドの温度伸縮は、温度差70℃で、スロ
ットロッド1m換算値で約1mmである。また、ヒートサ
イクル最後の残留伸び歪み解消収縮については、僅少で
あることが分かる。
【0032】次に、同じ製造ロット(同一寸法形状)の
S型スロットロッドを用いて実験した結果の図4と図6
とを比較すると、一定の温度差当たりのスロットロッド
の伸縮量は、図6の高温側のヒートサイクル温度条件の
場合が、図4の低温側のヒートサイクル温度条件の場合
より小さい。この理由は、図8(周波数1Hzで測定した
ポリエチレンのずり弾性率)に示すように、ポリエチレ
ンの弾性率は、例えば−40℃で70kg/cm2 、+20
℃で20kg/cm2 、+80℃で1kg/cm2 等と、高温に
なるに従って小さくなるため、高温側ではスロットロッ
ドの実効的な伸縮力が小さいため、スロットロッドと鋼
線との摩擦による拘束に対抗し難いためである。
【0033】また、残留伸び歪み解消収縮が進む速さ
も、図6の高温側のヒートサイクル温度条件の場合の方
が、スロットロッドの実効的な伸縮力が小さくなる分だ
け小さくなる。しかし、スロットロッドは、長期的にヒ
ートサイクルを受け続けると、ケーブル製造時の履歴
(残留伸び歪み)が解消されるように徐々に収縮してい
く筈である。
【0034】次に、スロットロッドの伸縮と心線移動の
関係を示す。先ず、(1) 周囲温度が低温側で(例えば図
4で+20℃から−40℃まで)変化する場合、スロッ
トロッドはその材質の線膨張係数に応じて収縮し、これ
に加えて、低温側ではポリエチレンの弾性率が大きく、
スロットロッドの実効的な伸縮力が大きくなるため、ス
ロットロッドは確実に収縮して、ケーブル製造時の残留
伸び歪みが一気に解消されるようになる。このように、
残留伸び歪み解消収縮は、温度が低下した時にスロット
ロッドの収縮を増進するように作用する。この残留伸び
歪み解消収縮分は収縮したままの状態になる。その結
果、スロットロッドに螺旋状に設けたスロットの長さ
は、スロットロッド(ポリエチレン)と比較して線膨張
係数が1桁以上小さいファイバ心線の長さより短くな
る。このため、ケーブル内のファイバ心線の長さはスロ
ットの長さより相対的に長くなる。
【0035】このとき、ファイバ心線がスロットロッド
と共に収縮すると、スロットロッドのスロット内のファ
イバ心線に曲げが増加し、ファイバの約7300kg/mm2
いう高いヤング率に応じて、ファイバ心線には曲げが加
わった分だけ真っ直ぐになろうとする復元力が増加す
る。このため、スロット内のファイバ心線が、スロット
とファイバ心線との間、ファイバ心線相互の間、及びフ
ァイバ心線と押さえ巻きとの間に作用する摩擦力に抗し
て応力解放部に向かって、又はスロット内の曲げ半径が
大きいファイバ心線部分(応力が小さい部分)に向かっ
て移動する力が作用する。
【0036】一方、(2) 周囲温度が高温側(例えば図4
で+20℃から+80℃まで)で変化する場合、スロッ
トロッドはその材質の線膨張係数に応じて伸び、スロッ
トロッドに残留の伸び歪みが存在していると、残留伸び
歪み解消収縮を行う。しかし、この残留伸び歪み解消収
縮はスロットロッドの線膨張係数に応じた伸びを打ち消
すように作用するが、ヒートサイクルの高温側ではポリ
エチレンの弾性率が小さく、スロットロッドの実効的な
伸縮力が小さくなるため、この打ち消す力は小さい。そ
の結果、周囲温度の上昇に伴うスロットロッドの伸びが
線膨張係数が小さいファイバ心線の伸びより大きくな
る。
【0037】このとき、光ケーブル内の心線がスロット
の中で概ねタイトに収容されていれば、ケーブル外のフ
ァイバ心線をケーブル内に引き込む。但し、ケーブル内
のファイバ心線に弛みが多かったり、又は残留伸び歪み
解消収縮が大きければ、引き込み現象は発生しない。
【0038】以上のように、ファイバ心線がケーブル内
で移動し、突き出したり引き込んだりする主な原因は、
当初のスロットロッド(即ちスロット)の長さ又はケー
ブルの長さが、ファイバ心線の長さに対して変化するた
めであることが分かる。
【0039】また、S型スロットロッドはS型(螺旋
状)に複数のスロットが設けられているため、即ちあた
かも複数の線状のポリエチレンが螺旋状に鋼線に巻き付
いているかのようになっているため、スロットロッドは
温度伸縮を行う際にその軸回りに捻じられる。図9は、
S型スロットロッドについて、スロットロッドに−40
℃から+80℃までのヒートサイクルを与えた時のスロ
ットロッド端面の軸回りの回転角を示したもので、十数
本の試料から得られたデータの平均値を示した図であ
る。この図によれば、S型スロットロッドは、温度差1
20℃の場合、1m当たり20℃の角度を中心として約
±5°回転することが分かる。通常のケーブル架渉スパ
ン35m当たりに換算すると約±175°回転すること
になる。
【0040】スロットロッドの温度伸縮の場合と同様
に、スロットロッドが鋼線(抗張力体)との摩擦力によ
り拘束されているため、実際に観察されるスロットロッ
ド回転角は、スロットロッドから抗張力体を除いた場合
の回転角に比較して小さくなっている筈である。また、
残留伸び歪み解消収縮については、厳密に測定すれば、
スロットロッドがその長手方向に残留伸び歪み解消収縮
(20℃で約3mm弱/m)した分だけ、残留伸び歪み解
消収縮に応じて発生したスロットロッド回転分が回復さ
れない筈である。
【0041】いま、上記の実験試料条件のパラメーター
を用いて、S型スロットロッドが1回転(360°回
転)したとき発生するスロットロッドのスロットの長さ
の変化を計算した結果から推定すると、通常のケーブル
架渉スパン35m当たり約4mmと小さく、ファイバ心線
の突き出し又は引き込みに与える影響は殆どないことが
分かる。
【0042】一方、SZ型スロットロッドの温度伸縮に
伴う回転は、温度の変動中殆ど0°である。これは、図
3(b)に示すように、SZ型スロットロッドのスロッ
トはその2分の1ピッチ(250mm)毎に螺旋巻きの方
向が逆になるように交互に設けられているので、スロッ
トロッドの回転を相互に打ち消すように作用することに
よるものである。
【0043】ケーブル外被もスロットロッドと同様に温
度伸縮及び残留伸び歪み解消収縮を行う。ケーブル外被
の温度伸縮と残留伸び歪み解消収縮とは、押さえ巻きを
介してスロットロッドの温度伸縮と残留伸び歪み解消収
縮とに同調する。このため、ケーブル外被は少なくとも
スロットロッドの伸縮運動又は残留伸び歪み解消収縮を
拡大するように作用する。また、上述したスロットロッ
ドの回転がケーブル外被に伝達されると、ケーブル外被
はその軸回りに捻じられる。
【0044】次に、ファイバ心線の突き出し又は引き込
みが不規則に発生する理由を考察する。図1において、
ファイバ心線5は、ケーブル製造時の弛み量に応じてケ
ーブル長手方向について或る曲率半径の曲げが存在し弾
性変形した状態であり、スロット4との摩擦力、ファイ
バ心線5相互の摩擦力、及び押さえ巻き6との摩擦力等
からなる一時的な力の釣り合いによってスロット4内に
収容されている。このとき、各ファイバ心線5に作用し
ている摩擦力は必ずしも一様になっていない。即ち、例
えば1本のスロットロッド3には5本のスロット4が刻
まれ、各スロット当たり(4心テープ)ファイバ心線5
が5枚収容されているが、各ファイバ心線の弛みの量
(ファイバ心線の曲げ半径に応じた真っ直ぐになろうと
する復元力の大きさ)又は摩擦力が作用している力学的
状態は、各ファイバ心線毎に異なっている。従って、各
スロット4内の5枚の(4心テープ)ファイバ心線5が
全部同時に突き出すとは限らない。
【0045】また、寒冷地において、1本のケーブルの
両端に接続部がある場合に、一方の端ではファイバ心線
が突き出し、他方の端では心線の移動が発生しない場合
もある。これは、製造工程でスロットロッドと鋼線との
摩擦(拘束)が一様ではなかったり、或いは地下ケーブ
ル等で一部を曲げて布設し、この曲げ部分で拘束(摩
擦)が大きくなり、その結果スロットロッド伸縮の起点
が必ずしも1本のケーブルの長さの中央部になるとは限
らないためである。
【0046】以上のように、各ファイバ心線に作用する
力、又はスロットロッドに作用する力が、ケーブル長手
方向について一様でないため、ケーブル両端において必
ずしも同じ現象が発生するとは限らない。
【0047】次に、図面を用いて本発明のケーブル製造
装置の実施例を説明する。図10はこの第1の実施例を
示す図である。ケーブル製造工程は大きく分けると、ス
ロットロッド押出し成形工程、押さえ巻き工程、及びケ
ーブル外被付け工程の3工程になる。図10(a)はス
ロットロッド押出し成形工程を説明する図である。出来
上がったスロットロッド3を巻き取る時に必要な張力T
1は、スロットロッド長手方向に発生する負荷であり、
抗張力体ドラム9から抗張力体2を送り出す時の負荷、
スロットロッド押出し成形部10を通すための負荷、ダイ
ス11でスロットロッド3にスロット4を形成する時の負
荷、抗張力体2又はスロットロッド3を製造ラインの所
定の位置に案内するガイド部品27等での摩擦力による負
荷、スロットロッドドラム13に巻き取る時の負荷、及び
張力調整誤差に対するマージンの総和からなる張力から
決定される。実際には、計算で求めた張力T1を目安に
して製造ラインを動かし、線材に弛みが発生し始める限
界の張力に必要最小限のマージンを加えて最適値を決定
することができる。
【0048】抗張力体送り部9とスロットロッド巻き取
り部13との間で、即ち、線材送り側駆動部14と巻き取り
側駆動部15との間で、駆動制御部28を用いて両駆動部1
4、15の速度とトルクとを制御することにより、線材
(即ちスロットロッド)の張力を制御する。この場合、
トルクを線材の長手方向に発生する複数の負荷と張力調
整誤差に対するマージンの総和に基づいた張力T1に制
御することにより、線材に必要最小限の張力だけが印加
されることになり、高々、張力調整誤差等に対するマー
ジン分の張力がスロットロッド3に僅少の残留伸び歪み
を発生させるだけである。以上のように、水槽12からス
ロットロッド巻き取り部13までのスロットロッド3の伸
び歪みの発生を抑えることができる。
【0049】図10(b)は、押さえ巻き工程を説明す
る図である。出来上がった押さえ巻きを施されたスロッ
トロッドを巻き取る時に必要な張力T2は、押さえ巻き
を施されたスロットロッドの長手方向に発生する負荷で
あり、スロットロッドドラム13からスロットロッド3を
送り出す時の負荷、スロットロッドのスロット4にファ
イバ心線5を入れる時に発生する負荷、スロットロッド
3又は押さえ巻きを施されたスロットロッド22を製造ラ
インの所定の位置に案内するガイド部品27等での摩擦力
による負荷、押さえ巻きドラム19に巻き取る時の負荷、
及び張力調整誤差に対するマージンの総和からなる張力
から決定される。実際には、計算で求めた張力T2を目
安にして製造ラインを動かし、線材に弛みが発生し始め
る限界の張力に必要最小限のマージンを加えて最適値を
決定することができる。
【0050】スロットロッド送り部13と押さえ巻きを施
されたスロットロッド巻き取り部19との間で、即ち、線
材送り側駆動部20と巻き取り側駆動部21との間で、駆動
制御部28を用いて両駆動部20、21の速度とトルクとを制
御することにより、線材(即ちスロットロッド3及び押
さえ巻きを施されたスロットロッド22)の張力を制御す
る。この場合、トルクを線材の長手方向に発生する複数
の負荷と張力調整誤差に対するマージンの総和に基づい
た張力T2に制御することにより、線材に必要最小限の
張力だけが印加されることになり、高々、張力調整誤差
等に対するマージン分の張力がスロットロッドに僅少の
残留伸び歪みを発生させるだけである。以上のように、
スロットロッド送り部から押さえ巻きを施されたスロッ
トロッド巻き取り部19までのスロットロッドの伸び歪み
の発生を抑えることができる。
【0051】図10(c)は、ケーブル外被付け工程を
説明する図である。出来上がったケーブルを巻き取る時
に必要な張力T3は、ケーブルの長手方向に発生する負
荷であり、押さえ巻きを施されたスロットロッド22を送
り出す時の負荷、押さえ巻き6の上にステンレスシース
等の金属シース7を被せる時に発生する負荷、押出し成
形機23で外被付けを行う時の負荷、押さえ巻きを施され
たスロットロッド22、金属シース7を被せたスロットロ
ッド及び出来上がったケーブル1を製造ラインの所定の
位置に案内するガイド部品27等での摩擦力による負荷、
ケーブルドラム24に巻き取る時の負荷、及び張力調整誤
差に対するマージンの総和からなる張力から決定され
る。実際には、計算で求めた張力T3を目安にして製造
ラインを動かし、線材に弛みが発生し始める限界の張力
に必要最小限のマージンを加えて最適値を決定すること
ができる。
【0052】押さえ巻きを施されたスロットロッド送り
部19とケーブル巻き取り部24との間で、即ち、線材送り
側駆動部25と巻き取り側駆動部26との間で、駆動制御部
28を用いて両駆動部25、26の速度とトルクとを制御する
ことにより、線材(即ちケーブル1等)の張力を制御す
る。この場合、トルクを線材の長手方向に発生する複数
の張力と張力調整誤差に対するマージンの総和に基づい
た張力T3に制御することにより、線材に必要最小限の
張力だけが印加されることになり、高々、張力調整誤差
等に対するマージン分の張力がスロットロッドに僅少の
残留伸び歪みを発生させるだけである。以上のように、
押さえ巻きを施されたスロットロッド送り部からケーブ
ル巻き取り部までのスロットロッド又はケーブルの伸び
歪みの発生を抑えることができる。
【0053】図11は、本発明の第2の実施例を示す図
である。この実施例のケーブル製造装置は、スロットロ
ッドを切削して複数のスロットを形成する工程に、線材
中押し装置を具えている。即ち、抗張力体2を芯として
押出し成形によってポリエチレンを付けたスロットロッ
ド3が冷却水槽12を通過した後、スロットロッド3を切
削バイト29で切削して複数のスロット4を形成する。こ
のようにスロットロッド3を切削バイト29で切削して複
数のスロット4を形成する場合、大きな切削抵抗が発生
し、スロットロッド3に大きな張力が掛かる。
【0054】そこで、この実施例においては、スロット
ロッドに大きな張力が掛かる範囲の前後両側又はスロッ
トロッド送り方向の下部側に線材中押し装置30を設け、
両側に配設した線材中押し装置の駆動部31と32との間
で、又は線材送り側駆動部14と片側に配設した(線材送
り方向の下部側の)中押し装置駆動部32との間で、線材
の張力を制御する線材中押し装置駆動制御部33を設けて
いる。
【0055】この場合、大きな張力が掛かる範囲で線材
3の張力制御を行えば、この範囲に限って切削抵抗負荷
に見合った張力になり、ポリエチレンの残留伸び歪みの
発生を効果的に抑制することができる。即ち、大きな張
力が掛かる範囲をスロットロッドのスロット切削部だけ
に局所的に制限できる。このようにすれば、スロット切
削部の下部側の線材3'に対する線材送り方向の切削抵抗
負荷の影響を大幅に軽減することができ、ポリエチレン
成形材の残留伸び歪みの発生を抑制できる。なお、この
場合、各製造工程で張力を小さくしたことを補い、製造
ラインでの線材の案内を確実にするため、ガイド部品27
の数を増やすことが好ましい。
【0056】図12は、本発明の第3の実施例を示す図
である。この実施例では、ケーブルのスロットロッド中
及び/又はケーブル外被即ちポリエチレン樹脂中に、例
えばガラス繊維、カーボン繊維等の、線膨張係数が10
-6/℃程度の小さい値を持つファイバ状繊維34を混入す
る。これにより、スロットロッド及びケーブル外被の線
膨張係数を1桁程度小さくすることができ、ポリエチレ
ンからなるスロットロッド及びケーブル外被の残留伸び
歪み解消による収縮と温度変化による伸縮とを共に抑制
することができる。
【0057】このように、スロットロッドの伸縮が抑制
されれば、これに伴ってスロットロッドの捻じれも抑制
される。なお、S型スロットロッドの場合には、スロッ
トの螺旋構造から、温度伸縮及び残留伸び歪み解消収縮
がその伸縮時にスロットロッドに捻じれを発生させる
が、SZ型スロットロッド構造のケーブルにすれば捻じ
れの問題は解決することができる。また、抗張力体に突
起物を付けることによってスロットロッドの伸縮及びS
型スロットロッドの捻じれを或る程度抑制することがで
きるが、ファイバ状繊維34を混入する場合と比較する
と、その効果は小さい。
【0058】上述の説明では、スロットロッド及びケー
ブル外被の材料としてポリエチレンを用いることを仮定
して説明したが、勿論、本発明においてはこれをポリエ
チレンに限る必要はなく、適当な材料を用いることがで
きる。また、ケーブル製造工程を3つに分けて説明した
が、例えばスロットロッドを押出し成形する工程と押さ
え巻き工程とが同じ製造ラインに直列に繋がっている場
合もあり、必ずしもケーブル製造工程を3つに分ける必
要はない。
【0059】ところで、特にケーブルとその吊り線とが
固定されているケーブルを架渉する場合、地下ケーブル
を布設する場合等に、ケーブル外被又はスロットロッド
に大きな張力を加えてしまうことがある。このような場
合、これらに残留伸び歪みが発生するため、ケーブル製
造時の残留伸び歪みと全く同様に、プラスチックの残留
伸び歪みの分だけ残留伸び歪み解消収縮現象によって収
縮する問題が発生する。このため、架空ケーブルについ
てはケーブルとその吊り線とを分離して架渉すること、
地下ケーブルについてはケーブル中押し装置を用いて布
設すること等により、ケーブルにこのような過大な張力
を加えないようにする必要がある。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ケーブ
ルによれば、ケーブル製造時に発生するケーブル外被及
びスロットロッドの残留伸び歪みが大幅に小さくなるた
め、ケーブル架渉後又はケーブル布設後に発生する、ケ
ーブル製造時の残留伸び歪みの解消による長手方向の収
縮を大幅に緩和することができる。また、線材中押し装
置を設けることにより、製造ラインの線材に大きな張力
が掛かる範囲を局所的に制限することができる。また、
線膨張係数が小さいファイバ状の繊維をプラスチックに
混入することにより、スロットロッド及びケーブル外被
の温度伸縮とケーブル製造時の残留伸び歪みの解消によ
る収縮とを、共に抑えることができる。従って、ケーブ
ルの温度が変化した時にケーブル長手方向についてスロ
ットロッド又はケーブルに対するファイバ心線の相対的
な移動を小さくすることができ、同時にS型スロットロ
ッドの回転を抑えることができる。
【0061】このように、ファイバ心線がケーブルの外
に突き出す現象及びファイバ心線がケーブルの内側に引
き込まれる現象を大幅に緩和することができる。その結
果として、ファイバ心線の突き出し現象に伴うファイバ
心線の曲げ損失の増加、並びに、スロットロッド及びケ
ーブルの回転及び伸縮に起因するファイバ心線とクロー
ジャ又はジョイント内の固定部品との接触に伴う心線の
曲げ損失の増加等がなくなり、光ケーブルの伝送特性が
長期に亘って劣化しない。更には光ケーブルの障害頻度
が小さくなるのでケーブル保守コストが低減される利点
がある。
【0062】本発明の光ケーブル及び光ケーブル製造装
置の応用分野としては、特に、製造時のプラスチックに
残留する伸び歪みの解消による収縮が問題となる、寒冷
地で用いる光ケーブルに適用すると有効である。更に、
今後展開される光加入者系線路の光ケーブルに使用すれ
ば、光線路の長期の高信頼性の実現に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ケーブルの基本断面構造を示す図であ
る。
【図2】従来の光ケーブルの製造工程を説明する図であ
る。
【図3】従来のスロットロッドの型を説明する図であ
る。
【図4】低温側ヒートサイクル実験におけるS型スロッ
トロッドの伸縮の様子を示す図である。
【図5】低温側ヒートサイクル実験におけるSZ型スロ
ットロッドの伸縮の様子を示す図である。
【図6】高温側ヒートサイクル実験におけるS型スロッ
トロッドの伸縮の様子を示す図である。
【図7】ポリエチレンの線膨張係数の一例を示す図であ
る。
【図8】ポリエチレンのずり弾性率の一例を示す図であ
る。
【図9】ヒートサイクル実験におけるS型スロットロッ
ドの捻じれの様子を示す図である。
【図10】本発明の光ケーブル製造装置の第1の実施例
による製造工程を説明する図である。
【図11】本発明の光ケーブル製造装置の第2の実施例
による製造工程を説明する図である。
【図12】本発明の光ケーブルの構造を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 光ケーブル 2 抗張力体 3 スロットロッド 4 スロット 5 ファイバ心線 6 押さえ巻き 7 金属製シース 8 ケーブル外被 9 抗張力体ドラム 10 押出し成形機 11 ダイス 12 水槽 13 スロットロッドドラム 14 抗張力体ドラム9の駆動部 15 スロットロッドドラム13の駆動部 18 心線ボビン 19 押さえ巻きドラム 20 スロットロッドドラム13の駆動部 21 押さえ巻きドラム19の駆動部 22 押さえ巻きされたスロットロッド 23 押出し成形機 24 ケーブルドラム 25 押さえ巻きドラム19の駆動部 26 ケーブルドラム24の駆動部 27 ガイド部品 28 駆動制御部 29 切削バイト 30 中押し装置 31、32 線材中押し装置の駆動部 33 中押し装置駆動制御部 34 ファイバ状繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加島 宜雄 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 野澤 優 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材送り側駆動部、線材巻き取り側駆動
    部、及び、線材送り側駆動部と線材巻き取り側駆動部と
    の間で線材の張力制御を行う駆動制御部を具え、各工程
    の線材の長手方向に発生する複数の張力負荷及び張力調
    整誤差に対するマージンの総和に基づいた張力で、各工
    程における線材をドラムに巻き取ることを特徴とする光
    ケーブル製造装置。
  2. 【請求項2】 局所的に大きな張力が掛かる線材範囲の
    両側又は線材送り方向の下部側に線材中押し装置を具
    え、該線材範囲の両側に配設した線材中押し装置の駆動
    部同士の間で、又は、線材送り側駆動部と該線材送り方
    向の下部側に配設した線材中押し装置の駆動部との間
    で、線材の張力を制御する中押し装置駆動制御部を具え
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル製造装
    置。
  3. 【請求項3】 スロットロッド及び/又はケーブル外被
    を構成するプラスチック材料が、低線膨張係数のファイ
    バ状の繊維が混入されて形成されることを特徴とする光
    ケーブル。
JP8109318A 1996-04-30 1996-04-30 光ケーブル及び光ケーブル製造装置 Pending JPH09297251A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012185259A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Sumitomo Electric Ind Ltd ケーブル及びその製造方法
JP2016051059A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社フジクラ 光ファイバケーブル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012185259A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Sumitomo Electric Ind Ltd ケーブル及びその製造方法
JP2016051059A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社フジクラ 光ファイバケーブル
US9405060B2 (en) 2014-08-29 2016-08-02 Fujikura Ltd. Optical fiber cable

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