JPH09302185A - 軟質塩化ビニル樹脂系組成物及びptc発熱体 - Google Patents
軟質塩化ビニル樹脂系組成物及びptc発熱体Info
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- JPH09302185A JPH09302185A JP8145115A JP14511596A JPH09302185A JP H09302185 A JPH09302185 A JP H09302185A JP 8145115 A JP8145115 A JP 8145115A JP 14511596 A JP14511596 A JP 14511596A JP H09302185 A JPH09302185 A JP H09302185A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 適度な柔らかさで、耐移行性が高く、かつ耐
熱性や加工性などにも優れた軟質塩化ビニル樹脂系組成
物。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部と、ニト
リル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、
EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分
子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分子系
内部可塑剤50〜500重量部と、Sn系、Ba系、Z
n系、金属石鹸系の単独系安定剤、Ba−Zn系、Ba
−Zn−Mg系、Ca−Zn系、Ca−Zn−Mg系、
Ca−Zn−Sn系の複合系安定剤のうちから選ばれ
る、1又は2以上の安定剤2〜15重量部と、フェノー
ル系、アミン系、又はエステル系の酸化防止剤のうちか
ら選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤0.2〜5重量
部と、アミド系、アクリル樹脂系、パラフィン系の滑剤
のうちから選ばれる、1又は2以上の滑剤1〜5重量部
とからなる。
熱性や加工性などにも優れた軟質塩化ビニル樹脂系組成
物。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部と、ニト
リル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、
EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分
子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分子系
内部可塑剤50〜500重量部と、Sn系、Ba系、Z
n系、金属石鹸系の単独系安定剤、Ba−Zn系、Ba
−Zn−Mg系、Ca−Zn系、Ca−Zn−Mg系、
Ca−Zn−Sn系の複合系安定剤のうちから選ばれ
る、1又は2以上の安定剤2〜15重量部と、フェノー
ル系、アミン系、又はエステル系の酸化防止剤のうちか
ら選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤0.2〜5重量
部と、アミド系、アクリル樹脂系、パラフィン系の滑剤
のうちから選ばれる、1又は2以上の滑剤1〜5重量部
とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適度な柔らかさ
で、耐移行性が高く、かつ耐熱性や加工性などにも優れ
た軟質塩化ビニル樹脂系組成物と、これを用いたPTC
発熱体に関するものである。
で、耐移行性が高く、かつ耐熱性や加工性などにも優れ
た軟質塩化ビニル樹脂系組成物と、これを用いたPTC
発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂、又はこれを主成分とす
る樹脂の組成物にあっては、その硬さを調整するため、
一般に可塑剤、例えばフタル酸エステルなどを添加して
いる。この可塑剤の添加量が25〜50%程度ものが、
一般に軟質塩化ビニル樹脂系組成物と言われ、可塑剤の
添加量が10%程度以下のものが、硬質塩化ビニル樹脂
系組成物と言われている。
る樹脂の組成物にあっては、その硬さを調整するため、
一般に可塑剤、例えばフタル酸エステルなどを添加して
いる。この可塑剤の添加量が25〜50%程度ものが、
一般に軟質塩化ビニル樹脂系組成物と言われ、可塑剤の
添加量が10%程度以下のものが、硬質塩化ビニル樹脂
系組成物と言われている。
【0003】上記のような軟質塩化ビニル樹脂組成物の
場合、柔らかく、適度な可撓性を有し、また、押出など
の加工性にも優れているため、例えば電線やケーブル、
線状や面状のPTC発熱体などの絶縁被覆などとして、
広く使用されている。
場合、柔らかく、適度な可撓性を有し、また、押出など
の加工性にも優れているため、例えば電線やケーブル、
線状や面状のPTC発熱体などの絶縁被覆などとして、
広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、添加した可塑剤が
移行し易く、使用状態で、他の樹脂と接触していると、
この他の樹脂に悪影響を与えるという問題があった。例
えば、PTC発熱体の場合を例にとると、この発熱体
は、結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合してなる半導
電性組成物内に2本の電極導体を埋設して発熱部を形成
し、この外周に絶縁被覆を施してなるが、この絶縁被覆
として、上記従来の軟質塩化ビニル樹脂系組成物を用い
ると、この組成物中の可塑剤などが半導電性組成物側に
移行していくとう問題があった。このような可塑剤など
の移行があると、当然半導電性組成物の特性(電気抵抗
値など)や物性が変化して、PTC発熱体の当初の目的
が得られるなくなる。
の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、添加した可塑剤が
移行し易く、使用状態で、他の樹脂と接触していると、
この他の樹脂に悪影響を与えるという問題があった。例
えば、PTC発熱体の場合を例にとると、この発熱体
は、結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合してなる半導
電性組成物内に2本の電極導体を埋設して発熱部を形成
し、この外周に絶縁被覆を施してなるが、この絶縁被覆
として、上記従来の軟質塩化ビニル樹脂系組成物を用い
ると、この組成物中の可塑剤などが半導電性組成物側に
移行していくとう問題があった。このような可塑剤など
の移行があると、当然半導電性組成物の特性(電気抵抗
値など)や物性が変化して、PTC発熱体の当初の目的
が得られるなくなる。
【0005】このため、従来にあっても、低移行性の要
求される物品の形成にあたっては、移行性の大きいフタ
ル酸エステルなどの可塑剤の添加に変えて、移行性の比
較的小さい、ポリエステル系重合物(分子量1000以
上)を、重合型可塑剤として添加する方法が提案されて
いる。しかし、この重合型可塑剤にあっても、上記PT
C発熱体のようなものの場合、常に温度変化という熱ス
トレスがあり、また、その使用場所によっては、荷重ス
トレスも加わるため(例えば、PTC発熱体を融雪用と
して屋根瓦などの荷重下に布設した場合など)、やはり
経時的には、可塑剤などの移行が避けられないという問
題があった。
求される物品の形成にあたっては、移行性の大きいフタ
ル酸エステルなどの可塑剤の添加に変えて、移行性の比
較的小さい、ポリエステル系重合物(分子量1000以
上)を、重合型可塑剤として添加する方法が提案されて
いる。しかし、この重合型可塑剤にあっても、上記PT
C発熱体のようなものの場合、常に温度変化という熱ス
トレスがあり、また、その使用場所によっては、荷重ス
トレスも加わるため(例えば、PTC発熱体を融雪用と
して屋根瓦などの荷重下に布設した場合など)、やはり
経時的には、可塑剤などの移行が避けられないという問
題があった。
【0006】そこで、さらに、他の方法として、NBR
や、EVA、EEAなどの高分子系材料を、内部可塑剤
として用いる方法も一部提案されている。この場合、上
記ポリエステル樹脂系などの重合型可塑剤に比較して、
耐移行性の点がより改善されるものの、上記したPTC
発熱体のような極度に移行を嫌う用途を考えた場合、や
はり未だ不十分であった。というのは、高分子系内部可
塑剤として、ただ単にNBRやEVA、EEAなどを添
加しても、他の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑
剤などのとの良好な組み合わせを考慮しないと、過酷な
条件下では、何らかの含有物質の移行が避けられなかっ
たからである。同様のことは、耐熱性についても言える
ことで、ただ単にNBRやEVA、EEAなど添加して
も、高い耐熱性は得られないという問題があった。
や、EVA、EEAなどの高分子系材料を、内部可塑剤
として用いる方法も一部提案されている。この場合、上
記ポリエステル樹脂系などの重合型可塑剤に比較して、
耐移行性の点がより改善されるものの、上記したPTC
発熱体のような極度に移行を嫌う用途を考えた場合、や
はり未だ不十分であった。というのは、高分子系内部可
塑剤として、ただ単にNBRやEVA、EEAなどを添
加しても、他の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑
剤などのとの良好な組み合わせを考慮しないと、過酷な
条件下では、何らかの含有物質の移行が避けられなかっ
たからである。同様のことは、耐熱性についても言える
ことで、ただ単にNBRやEVA、EEAなど添加して
も、高い耐熱性は得られないという問題があった。
【0007】このような状況下で、本発明者等は、種々
の試験や研究を繰り返した結果、上記したPTC発熱体
の絶縁被覆などのように、過酷な条件下でも、高い耐移
行性を有すると共に、十分な耐熱性(例えば105°程
度)や良好な加工性なども備えた、軟質塩化ビニル樹脂
系組成物を得るためには、次のような点に留意すべきこ
とを見出した。つまり、軟質塩化ビニル樹脂系組成物に
おいて、高分子系の内部可塑剤を添加する点では、上記
従来のもとほぼ同じであるが、PTC発熱体の絶縁被覆
のような用途の極めて高い耐移行性が要求される場合に
は、有機系の低分子量の添加剤が安易に使用されると、
これらの添加剤がある温度領域で一種の融点を持つため
移行の原因となると考え、このような低分子量の添加剤
などの添加は、極力除去する立場を取る一方、高分子材
料を重合させるには、反応触媒や開始剤、分散剤などの
必須添加物が最小限必要とされ、これらを完全に除去す
るのは困難なため、使用する他の添加剤、例えば安定
剤、酸化防止剤、滑剤などのとの組み合わせを厳密に吟
味し、最適に設定したところ、過酷な条件下でも、高い
耐移行性や耐熱性、加工性などが得ることが分かった。
の試験や研究を繰り返した結果、上記したPTC発熱体
の絶縁被覆などのように、過酷な条件下でも、高い耐移
行性を有すると共に、十分な耐熱性(例えば105°程
度)や良好な加工性なども備えた、軟質塩化ビニル樹脂
系組成物を得るためには、次のような点に留意すべきこ
とを見出した。つまり、軟質塩化ビニル樹脂系組成物に
おいて、高分子系の内部可塑剤を添加する点では、上記
従来のもとほぼ同じであるが、PTC発熱体の絶縁被覆
のような用途の極めて高い耐移行性が要求される場合に
は、有機系の低分子量の添加剤が安易に使用されると、
これらの添加剤がある温度領域で一種の融点を持つため
移行の原因となると考え、このような低分子量の添加剤
などの添加は、極力除去する立場を取る一方、高分子材
料を重合させるには、反応触媒や開始剤、分散剤などの
必須添加物が最小限必要とされ、これらを完全に除去す
るのは困難なため、使用する他の添加剤、例えば安定
剤、酸化防止剤、滑剤などのとの組み合わせを厳密に吟
味し、最適に設定したところ、過酷な条件下でも、高い
耐移行性や耐熱性、加工性などが得ることが分かった。
【0008】また、従来、可塑剤の添加されていない無
可塑塩化ビニル系樹脂材料と言っても、コンパウンドメ
ーカーなどが提供している市販品にあっては、例えばエ
ポキシ化大豆油のような物質を安定剤という位置付けで
添加していることがあり、これが移行に関わっているこ
となども分かった。したがって、高い耐移行性(絶対的
な無移行性)が必要とされる場合には、ベースの塩化ビ
ニル系樹脂材料にあっても、このような不用意な添加物
の添加がないか否か、厳しく、吟味する必要があること
が分かった。このようなことは、高分子系の内部可塑剤
の場合にも言えることである。例えば塩化ビニル系樹脂
用の高分子系の内部可塑剤として市販されているものに
は、材料メーカー側で、塩化ビニル系樹脂との相溶性な
どを改善する意味から、予め少量の塩化ビニル樹脂や可
塑剤などをセットとして添加していることがあり、これ
が移行に関係することも分かった。
可塑塩化ビニル系樹脂材料と言っても、コンパウンドメ
ーカーなどが提供している市販品にあっては、例えばエ
ポキシ化大豆油のような物質を安定剤という位置付けで
添加していることがあり、これが移行に関わっているこ
となども分かった。したがって、高い耐移行性(絶対的
な無移行性)が必要とされる場合には、ベースの塩化ビ
ニル系樹脂材料にあっても、このような不用意な添加物
の添加がないか否か、厳しく、吟味する必要があること
が分かった。このようなことは、高分子系の内部可塑剤
の場合にも言えることである。例えば塩化ビニル系樹脂
用の高分子系の内部可塑剤として市販されているものに
は、材料メーカー側で、塩化ビニル系樹脂との相溶性な
どを改善する意味から、予め少量の塩化ビニル樹脂や可
塑剤などをセットとして添加していることがあり、これ
が移行に関係することも分かった。
【0009】本発明は、このような観点に立ってなされ
たもので、耐移行性が高く、かつ耐熱性や加工性などに
も優れた軟質塩化ビニル樹脂系組成物と、これを用いた
PTC発熱体を提供せんとするものである。
たもので、耐移行性が高く、かつ耐熱性や加工性などに
も優れた軟質塩化ビニル樹脂系組成物と、これを用いた
PTC発熱体を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
軟質塩化ビニル樹脂系組成物は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部と、ニトリル・ブタジェン・ラバー(NB
R)、アクリルゴム、EVA、EEA、塩素化ポリエチ
レン(CPE)の高分子系樹脂のうちから選ばれる、1
又は2以上の高分子系内部可塑剤50〜500重量部
と、Sn系、Ba系、Zn系、金属石鹸系の単独系安定
剤、Ba−Zn系、Ba−Zn−Mg系、Ca−Zn
系、Ca−Zn−Mg系、Ca−Zn−Sn系の複合系
安定剤のうちから選ばれる、1又は2以上の安定剤2〜
15重量部と、フェノール系、アミン系、又はエステル
系の酸化防止剤のうちから選ばれる、1又は2以上の酸
化防止剤0.2〜5重量部と、アミド系、アクリル樹脂
系、パラフィン系の滑剤のうちから選ばれる、1又は2
以上の滑剤1〜5重量部とからなる。
軟質塩化ビニル樹脂系組成物は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部と、ニトリル・ブタジェン・ラバー(NB
R)、アクリルゴム、EVA、EEA、塩素化ポリエチ
レン(CPE)の高分子系樹脂のうちから選ばれる、1
又は2以上の高分子系内部可塑剤50〜500重量部
と、Sn系、Ba系、Zn系、金属石鹸系の単独系安定
剤、Ba−Zn系、Ba−Zn−Mg系、Ca−Zn
系、Ca−Zn−Mg系、Ca−Zn−Sn系の複合系
安定剤のうちから選ばれる、1又は2以上の安定剤2〜
15重量部と、フェノール系、アミン系、又はエステル
系の酸化防止剤のうちから選ばれる、1又は2以上の酸
化防止剤0.2〜5重量部と、アミド系、アクリル樹脂
系、パラフィン系の滑剤のうちから選ばれる、1又は2
以上の滑剤1〜5重量部とからなる。
【0011】本発明の請求項2記載の軟質塩化ビニル樹
脂系組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部と、ニト
リル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、
EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分
子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分子系
内部可塑剤50〜500重量部と、Pb系の単独系安定
剤、Ba−Zn系+Pb金属石鹸系の複合系安定剤のう
ちから選ばれる、1又は2以上の安定剤2〜15重量部
と、フェノール系、アミン系、又はエステル系の酸化防
止剤のうちから選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤
0.2〜5重量部と、アミド系、アクリル樹脂系、パラ
フィン系の滑剤のうちから選ばれる、1又は2以上の滑
剤1〜5重量部とからなる。
脂系組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部と、ニト
リル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、
EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分
子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分子系
内部可塑剤50〜500重量部と、Pb系の単独系安定
剤、Ba−Zn系+Pb金属石鹸系の複合系安定剤のう
ちから選ばれる、1又は2以上の安定剤2〜15重量部
と、フェノール系、アミン系、又はエステル系の酸化防
止剤のうちから選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤
0.2〜5重量部と、アミド系、アクリル樹脂系、パラ
フィン系の滑剤のうちから選ばれる、1又は2以上の滑
剤1〜5重量部とからなる。
【0012】また、本発明の請求項3記載の軟質塩化ビ
ニル樹脂系組成物は、上記請求項1又は2記載の組成物
に、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ゼオライ
ト、クレー、又はシリカの充填剤のうちから選ばれる、
1又は2以上の充填剤を、200重量部未満添加した組
成物にある。
ニル樹脂系組成物は、上記請求項1又は2記載の組成物
に、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ゼオライ
ト、クレー、又はシリカの充填剤のうちから選ばれる、
1又は2以上の充填剤を、200重量部未満添加した組
成物にある。
【0013】本発明の請求項4記載のPTC発熱体は、
結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合してなる半導電性
組成物内に2本の電極導体を埋設してなる発熱部に絶縁
被覆を施してなるPTC発熱体おいて、前記請求項1、
2又は3記載の軟質塩化ビニル樹脂系組成物を絶縁被覆
とした発熱体にある。
結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合してなる半導電性
組成物内に2本の電極導体を埋設してなる発熱部に絶縁
被覆を施してなるPTC発熱体おいて、前記請求項1、
2又は3記載の軟質塩化ビニル樹脂系組成物を絶縁被覆
とした発熱体にある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組
成物において使用される、塩化ビニル系樹脂には、塩化
ビニル樹脂そのものの他に、塩化ビニル樹脂を主成分と
する樹脂、すなわち、エチレン−塩化ビニル、EVAグ
ラフト化塩化ビニルなどの樹脂が含まれる。これらの樹
脂は、単独使用でも、2以上の併用でもよい。なお、無
可塑塩化ビニル系樹脂材料と言っても、コンパウンドメ
ーカーなどが提供している市販品にあっては、上述のよ
うに例えばエポキシ化大豆油のような物質を安定剤とい
う位置付けで添加していることがあるため、本発明で
は、このような物質の含まれないものを厳選するか、又
は、その除去処理を行ったものを用いる。
成物において使用される、塩化ビニル系樹脂には、塩化
ビニル樹脂そのものの他に、塩化ビニル樹脂を主成分と
する樹脂、すなわち、エチレン−塩化ビニル、EVAグ
ラフト化塩化ビニルなどの樹脂が含まれる。これらの樹
脂は、単独使用でも、2以上の併用でもよい。なお、無
可塑塩化ビニル系樹脂材料と言っても、コンパウンドメ
ーカーなどが提供している市販品にあっては、上述のよ
うに例えばエポキシ化大豆油のような物質を安定剤とい
う位置付けで添加していることがあるため、本発明で
は、このような物質の含まれないものを厳選するか、又
は、その除去処理を行ったものを用いる。
【0015】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物にお
いて使用される、高分子系内部可塑剤としては、ニトリ
ル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、E
VA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分子
系樹脂が挙げられ、これらも、単独使用でも、2以上の
併用でもよい。これらの樹脂の場合も、上述のように市
販品にあっては、予め種々の物質、相溶性増進用の塩化
ビニル樹脂や可塑剤、その他の微量成分などが添加され
ていることがあるので、本発明では、このような物質の
含まれないものを厳選するか、又は、適当な除去処理を
行ったものを用いるようにする。この高分子系内部可塑
剤を添加すると、滑剤などとの併用効果によって、適切
な加熱・混練を与えることで、均質な分散状態となって
溶融し、海島構造を構築することができるため、安定的
な柔軟構造の組成物を得ることができる。そして、その
添加量を、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5
0〜500重量部としたのは、50重量部未満では、こ
の軟質化効果が十分得られず、逆に、500重量部を越
えるようになると、高分子系内部可塑剤のゲル化をコン
トロールできなくなってしまい、加工性、混練性が著し
く低下し、連続生産が不可能となるからである。
いて使用される、高分子系内部可塑剤としては、ニトリ
ル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴム、E
VA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の高分子
系樹脂が挙げられ、これらも、単独使用でも、2以上の
併用でもよい。これらの樹脂の場合も、上述のように市
販品にあっては、予め種々の物質、相溶性増進用の塩化
ビニル樹脂や可塑剤、その他の微量成分などが添加され
ていることがあるので、本発明では、このような物質の
含まれないものを厳選するか、又は、適当な除去処理を
行ったものを用いるようにする。この高分子系内部可塑
剤を添加すると、滑剤などとの併用効果によって、適切
な加熱・混練を与えることで、均質な分散状態となって
溶融し、海島構造を構築することができるため、安定的
な柔軟構造の組成物を得ることができる。そして、その
添加量を、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5
0〜500重量部としたのは、50重量部未満では、こ
の軟質化効果が十分得られず、逆に、500重量部を越
えるようになると、高分子系内部可塑剤のゲル化をコン
トロールできなくなってしまい、加工性、混練性が著し
く低下し、連続生産が不可能となるからである。
【0016】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物にお
いて使用される、安定剤としては、Sn系、Ba系、Z
n系、金属石鹸系の単独系安定剤や、Ba−Zn系、B
a−Zn−Mg系、Ca−Zn系、Ca−Zn−Mg
系、Ca−Zn−Sn系の複合系安定剤のうちから選ば
れる、1又は2以上のグループと、Pb系の単独系安定
剤や、Ba−Zn系+Pb金属石鹸系の複合系安定剤の
うちから選ばれる、1又は2以上のグループが挙げられ
る。ここで、前者のグループは無毒性のもので、鉛を含
有する後者のブループにあっては、毒性や低毒性が余り
問題とならない場合において使用可能である。これらの
安定剤は、組成物中において、特に、高温環境下での材
料の劣化に対して、発生するラジカルの捕捉、離脱した
塩酸の捕捉・吸収作用により、ジッパー反応的に進行す
る急速な劣化と分解反応を遅延、抑止するなどの働きす
るものである。そして、その添加量を、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、2〜15重量部したのは、2
重量部未満では、上記のような安定化効果が十分得られ
ず、15重量部を越えるようになると、材料との混和性
が低下し、材料の系外に析出する、所謂プレート・アウ
ト現象を生じるようになるため好ましくないからであ
る。
いて使用される、安定剤としては、Sn系、Ba系、Z
n系、金属石鹸系の単独系安定剤や、Ba−Zn系、B
a−Zn−Mg系、Ca−Zn系、Ca−Zn−Mg
系、Ca−Zn−Sn系の複合系安定剤のうちから選ば
れる、1又は2以上のグループと、Pb系の単独系安定
剤や、Ba−Zn系+Pb金属石鹸系の複合系安定剤の
うちから選ばれる、1又は2以上のグループが挙げられ
る。ここで、前者のグループは無毒性のもので、鉛を含
有する後者のブループにあっては、毒性や低毒性が余り
問題とならない場合において使用可能である。これらの
安定剤は、組成物中において、特に、高温環境下での材
料の劣化に対して、発生するラジカルの捕捉、離脱した
塩酸の捕捉・吸収作用により、ジッパー反応的に進行す
る急速な劣化と分解反応を遅延、抑止するなどの働きす
るものである。そして、その添加量を、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、2〜15重量部したのは、2
重量部未満では、上記のような安定化効果が十分得られ
ず、15重量部を越えるようになると、材料との混和性
が低下し、材料の系外に析出する、所謂プレート・アウ
ト現象を生じるようになるため好ましくないからであ
る。
【0017】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物にお
いて使用される、酸化防止剤としては、フェノール系、
特にヒンダードフェノール系、アミン系、又はエステル
系の酸化防止剤がが挙げられ、その使用にあったは、単
独使用でも、2以上の併用でもよい。これらの酸化防止
剤は、主に組成物に添加される、上記高分子系内部可塑
剤の劣化を防止するためのものであるが、高温状態での
塩化ビニル系樹脂の酸化劣化も抑止するため、組成物の
耐熱寿命を向上させるなどの働きもする。そして、その
添加量を、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
0.2〜5重量部したのは、0.2重量部未満では、上
記のような劣化防止などの効果が十分得られず、5重量
部を越えるようになると、耐移行性の低下の原因とな
り、好ましくない。しかし、高分子系内部可塑剤の多く
は、高温での酸化劣化から加水分解が生じ易く、必要限
度内での添加が必須の添加剤である。
いて使用される、酸化防止剤としては、フェノール系、
特にヒンダードフェノール系、アミン系、又はエステル
系の酸化防止剤がが挙げられ、その使用にあったは、単
独使用でも、2以上の併用でもよい。これらの酸化防止
剤は、主に組成物に添加される、上記高分子系内部可塑
剤の劣化を防止するためのものであるが、高温状態での
塩化ビニル系樹脂の酸化劣化も抑止するため、組成物の
耐熱寿命を向上させるなどの働きもする。そして、その
添加量を、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
0.2〜5重量部したのは、0.2重量部未満では、上
記のような劣化防止などの効果が十分得られず、5重量
部を越えるようになると、耐移行性の低下の原因とな
り、好ましくない。しかし、高分子系内部可塑剤の多く
は、高温での酸化劣化から加水分解が生じ易く、必要限
度内での添加が必須の添加剤である。
【0018】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物にお
いて使用される、滑剤としては、アミド系、アクリル樹
脂系、パラフィン系(特にポリエチレン系)などの滑剤
が挙げられ、その使用にあったは、単独使用でも、2以
上の併用でもよい。この滑剤は、上述したように、高分
子系の内部可塑剤との併用によって、本発明組成物の軟
質化や、分子間相互の滑り性、また材料と加工機界面で
の滑り性を円滑に保ち、混和安定性や加工安定性に寄与
するなどの作用を図るためのものである。特に、本発明
の組成物では、通常の軟質塩化ビニル樹脂系組成物のよ
うに、フタル酸エステルなどのような一般的な可塑剤が
添加されていないため、内部潤滑剤として、均等分散と
良好な混和性を維持するにおいて、必須の添加物とな
る。ここで、アミド系の滑剤は、比較的少量で樹脂のべ
たつきによる金属表面との密着を抑止する効果(外部滑
性効果)があるため、有効な滑剤である。これに対し
て、ポリエチレン系の滑剤も外部滑性効果が高いため、
有効であるものの、添加量がアミド系より多く必要とさ
れる。いずれにしても、耐移行性を向上させるには、こ
うした有機系の低分子量の添加物は、極力少なく抑える
必要があるため、この意味からすると、アミド系の添加
剤の使用が有利である。そして、その添加量は、1〜5
重量部としたのは、1重量部未満では、上記効果が得ら
れず、また、5重量部を越えるようになると、耐移行性
の低下の原因となり、好ましくないからである。
いて使用される、滑剤としては、アミド系、アクリル樹
脂系、パラフィン系(特にポリエチレン系)などの滑剤
が挙げられ、その使用にあったは、単独使用でも、2以
上の併用でもよい。この滑剤は、上述したように、高分
子系の内部可塑剤との併用によって、本発明組成物の軟
質化や、分子間相互の滑り性、また材料と加工機界面で
の滑り性を円滑に保ち、混和安定性や加工安定性に寄与
するなどの作用を図るためのものである。特に、本発明
の組成物では、通常の軟質塩化ビニル樹脂系組成物のよ
うに、フタル酸エステルなどのような一般的な可塑剤が
添加されていないため、内部潤滑剤として、均等分散と
良好な混和性を維持するにおいて、必須の添加物とな
る。ここで、アミド系の滑剤は、比較的少量で樹脂のべ
たつきによる金属表面との密着を抑止する効果(外部滑
性効果)があるため、有効な滑剤である。これに対し
て、ポリエチレン系の滑剤も外部滑性効果が高いため、
有効であるものの、添加量がアミド系より多く必要とさ
れる。いずれにしても、耐移行性を向上させるには、こ
うした有機系の低分子量の添加物は、極力少なく抑える
必要があるため、この意味からすると、アミド系の添加
剤の使用が有利である。そして、その添加量は、1〜5
重量部としたのは、1重量部未満では、上記効果が得ら
れず、また、5重量部を越えるようになると、耐移行性
の低下の原因となり、好ましくないからである。
【0019】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物にお
いて使用される、充填剤としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、硫酸バリウム、ゼオライト、クレー、又はシリカ
などの充填剤が挙げられ、その使用にあったは、単独使
用でも、2以上の併用でもよい。この充填剤は、組成物
の粘度を適度調整し、混練時の発熱を温和にすること
で、樹脂温度を適度に調整させる役割の他に、加工性を
改善したり、或いは絶縁特性などの向上や、組成物の感
触の調整などを図るためのものである。ただし、組成物
の透明化を図る場合(より厳密には半透明化を図る場
合)には、これを無添加とするとよい。そして、その添
加量を、200重量部未満としたのは、200重量部を
越えるようになると、過渡に脆くなったりして特性を低
下させるだけでなく、混練性の低下や、製品の加工外観
での肌荒れの原因となり、好ましくないからである。
いて使用される、充填剤としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、硫酸バリウム、ゼオライト、クレー、又はシリカ
などの充填剤が挙げられ、その使用にあったは、単独使
用でも、2以上の併用でもよい。この充填剤は、組成物
の粘度を適度調整し、混練時の発熱を温和にすること
で、樹脂温度を適度に調整させる役割の他に、加工性を
改善したり、或いは絶縁特性などの向上や、組成物の感
触の調整などを図るためのものである。ただし、組成物
の透明化を図る場合(より厳密には半透明化を図る場
合)には、これを無添加とするとよい。そして、その添
加量を、200重量部未満としたのは、200重量部を
越えるようになると、過渡に脆くなったりして特性を低
下させるだけでなく、混練性の低下や、製品の加工外観
での肌荒れの原因となり、好ましくないからである。
【0020】また、本発明では、上記の各添加物の他
に、その用途によっては、難燃剤、例えば三酸化アンチ
モン、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどを添加して、組成物自体の難燃化を図った
り、或いはシリコン樹脂などを適宜添加して、摺動性や
発水性の向上などを図るようにすることも可能である。
に、その用途によっては、難燃剤、例えば三酸化アンチ
モン、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどを添加して、組成物自体の難燃化を図った
り、或いはシリコン樹脂などを適宜添加して、摺動性や
発水性の向上などを図るようにすることも可能である。
【0021】本発明では、このような配合によって、各
添加物の働きが良好に機能し、耐移行性が高く、かつ耐
熱性や加工性などにも優れた、適度の柔軟性を有する、
軟質塩化ビニル樹脂系組成物が得られる。この軟質塩化
ビニル樹脂系組成物は、例えば図1に示したような構造
のPTC発熱体の絶縁被覆などに用いるとよい。このP
TC発熱体では、結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合
してなる半導電性組成物1内に2本の電極導体2,2を
埋設して発熱部を形成し、この外周に、本発明の軟質塩
化ビニル樹脂系組成物からなる絶縁被覆3を施してあ
る。したがって、このPTC発熱体では、絶縁被覆3か
ら発熱部の半導電性組成物1側への可塑剤などの移行が
殆どなく、経時的に極めて安定した特性の発熱体が得ら
れるようになる。なお、本発明組成物の用途は、上記発
熱体に限定されず、可塑剤やその他の微量成分などの移
行が問題とされる、食品容器や医療機器、精密配線系統
などにも使用することができる。
添加物の働きが良好に機能し、耐移行性が高く、かつ耐
熱性や加工性などにも優れた、適度の柔軟性を有する、
軟質塩化ビニル樹脂系組成物が得られる。この軟質塩化
ビニル樹脂系組成物は、例えば図1に示したような構造
のPTC発熱体の絶縁被覆などに用いるとよい。このP
TC発熱体では、結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合
してなる半導電性組成物1内に2本の電極導体2,2を
埋設して発熱部を形成し、この外周に、本発明の軟質塩
化ビニル樹脂系組成物からなる絶縁被覆3を施してあ
る。したがって、このPTC発熱体では、絶縁被覆3か
ら発熱部の半導電性組成物1側への可塑剤などの移行が
殆どなく、経時的に極めて安定した特性の発熱体が得ら
れるようになる。なお、本発明組成物の用途は、上記発
熱体に限定されず、可塑剤やその他の微量成分などの移
行が問題とされる、食品容器や医療機器、精密配線系統
などにも使用することができる。
【0022】
【実施例】表1〜表5に示した配合に基づいて、本発明
の軟質塩化ビニル樹脂系組成物(実施例1〜10)と、
本発明条件を欠く組成物や従来品(比較例1〜12)を
製造し、これらについて、軟質性や耐移行性、耐熱性、
加工性、その他の特性などについて、各種の試験を行っ
た。その結果も、同表に併記した。
の軟質塩化ビニル樹脂系組成物(実施例1〜10)と、
本発明条件を欠く組成物や従来品(比較例1〜12)を
製造し、これらについて、軟質性や耐移行性、耐熱性、
加工性、その他の特性などについて、各種の試験を行っ
た。その結果も、同表に併記した。
【0023】なお、ここで、軟質性については、プラス
チックのデュロメータ硬さ試験法(JIS−K721
5)により行った。耐移行性については、製造した組成
物を、導電性の樹脂と接触させて、その電気抵抗の変化
によって、評価した。耐熱性については、軟質ポリ塩化
ビニルコンパウンドの耐熱性試験法(JIS−K672
3)により行った。加工性については、組成物を混練し
た後ペレット化し、φ25mmテスト押出機で平帯び状
に押し出し、その外観の優劣を目視で判定した。その他
の特性である、難燃性については、酸素指数法による高
分子材料の燃焼試験(JIS−K7201)により行
い、透明性や析出(プレート・アウト)などについて
は、目視によって行った。
チックのデュロメータ硬さ試験法(JIS−K721
5)により行った。耐移行性については、製造した組成
物を、導電性の樹脂と接触させて、その電気抵抗の変化
によって、評価した。耐熱性については、軟質ポリ塩化
ビニルコンパウンドの耐熱性試験法(JIS−K672
3)により行った。加工性については、組成物を混練し
た後ペレット化し、φ25mmテスト押出機で平帯び状
に押し出し、その外観の優劣を目視で判定した。その他
の特性である、難燃性については、酸素指数法による高
分子材料の燃焼試験(JIS−K7201)により行
い、透明性や析出(プレート・アウト)などについて
は、目視によって行った。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】この表1〜表5から、本発明の軟質塩化ビ
ニル樹脂系組成物(実施例1〜10)の場合、軟質性や
耐移行性、耐熱性、加工性、難燃性などのすべてについ
て、良好な結果が得られていることが分かる。これに対
して、本発明条件を欠く組成物や従来品(比較例1〜1
2)の場合には、いずれかの点において、不具合がある
ことが分かる。
ニル樹脂系組成物(実施例1〜10)の場合、軟質性や
耐移行性、耐熱性、加工性、難燃性などのすべてについ
て、良好な結果が得られていることが分かる。これに対
して、本発明条件を欠く組成物や従来品(比較例1〜1
2)の場合には、いずれかの点において、不具合がある
ことが分かる。
【0030】次に、本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成
物(実施例1のもの)と従来の軟質塩化ビニル樹脂系組
成物(ポリエテステル系重合型可塑剤を用いた比較例1
1のもの、単にEVA及びNBRの高分子系内部可塑剤
を用いた比較例12のもの)とをシート化し、これらの
シートで、図1に示した如き構造のPTC発熱体の発熱
部に相当する半導電性組成物シート(抵抗値が100〜
40000Ω−cm程度のもの)を上下から挟み込むと
共に、この軟質塩化ビニル樹脂系の両シートの外側にさ
らに、0.5mm厚さのステンレス板で挟み込んで、1
00℃程度まで加熱した。この後、20℃(常温)まで
冷却し、この常温状態で、経時的に上記半導電性組成物
シートの抵抗値の変化を測定した。その結果を示すと、
図2の如くであった。なお、図中、特性線10は実施例
1の本発明品、特性線10は比較例11の従来品、特性
線12は比較例12の従来品を示す。この図2から、本
発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、殆ど電気抵抗
の変化がなく、含有物質の移行がないことが分かる。こ
れに対して、従来の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、
電気抵抗の変化が大きく、可塑剤などの含有物質の移行
が、経時的に増大していくことが分かる。
物(実施例1のもの)と従来の軟質塩化ビニル樹脂系組
成物(ポリエテステル系重合型可塑剤を用いた比較例1
1のもの、単にEVA及びNBRの高分子系内部可塑剤
を用いた比較例12のもの)とをシート化し、これらの
シートで、図1に示した如き構造のPTC発熱体の発熱
部に相当する半導電性組成物シート(抵抗値が100〜
40000Ω−cm程度のもの)を上下から挟み込むと
共に、この軟質塩化ビニル樹脂系の両シートの外側にさ
らに、0.5mm厚さのステンレス板で挟み込んで、1
00℃程度まで加熱した。この後、20℃(常温)まで
冷却し、この常温状態で、経時的に上記半導電性組成物
シートの抵抗値の変化を測定した。その結果を示すと、
図2の如くであった。なお、図中、特性線10は実施例
1の本発明品、特性線10は比較例11の従来品、特性
線12は比較例12の従来品を示す。この図2から、本
発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、殆ど電気抵抗
の変化がなく、含有物質の移行がないことが分かる。こ
れに対して、従来の軟質塩化ビニル樹脂系組成物では、
電気抵抗の変化が大きく、可塑剤などの含有物質の移行
が、経時的に増大していくことが分かる。
【0031】
【発明の効果】このように本発明に係る請求項1、2又
は3記載の発明によると、耐移行性が高く、かつ耐熱性
や加工性などにも優れた、適度の柔軟性を有する、軟質
塩化ビニル樹脂系組成物が得られる。また、本発明に係
る請求項4記載の発明によると、経時的な特性変化の少
ない安定したPTC発熱体が得られる。また、上記本発
明に係る請求項1、2又は3記載の発明による軟質塩化
ビニル樹脂系組成物では、可塑剤やその他の微量成分な
どの移行が殆どないため、食品容器や医療機器などに適
用して場合、高い安全性が得られ、さらに、また、精密
配線系統などに適用した場合、接触する周辺の機器を汚
染したりすることがなく、やはり安全で、信頼性の高い
ものが得られる。
は3記載の発明によると、耐移行性が高く、かつ耐熱性
や加工性などにも優れた、適度の柔軟性を有する、軟質
塩化ビニル樹脂系組成物が得られる。また、本発明に係
る請求項4記載の発明によると、経時的な特性変化の少
ない安定したPTC発熱体が得られる。また、上記本発
明に係る請求項1、2又は3記載の発明による軟質塩化
ビニル樹脂系組成物では、可塑剤やその他の微量成分な
どの移行が殆どないため、食品容器や医療機器などに適
用して場合、高い安全性が得られ、さらに、また、精密
配線系統などに適用した場合、接触する周辺の機器を汚
染したりすることがなく、やはり安全で、信頼性の高い
ものが得られる。
【図1】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物を絶縁被
覆に使用したPTC発熱体を示した一部縦断斜視図であ
る。
覆に使用したPTC発熱体を示した一部縦断斜視図であ
る。
【図2】本発明の軟質塩化ビニル樹脂系組成物と従来品
との耐移行性試験の結果を示したグラフである。
との耐移行性試験の結果を示したグラフである。
1 半導電性組成物 2 電極導体 3 絶縁被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/26 KGL C08K 3/26 KGL 3/30 KGM 3/30 KGM 3/34 KGN 3/34 KGN 3/36 3/36 5/098 KGX 5/098 KGX 5/10 KGY 5/10 KGY 5/13 KHA 5/13 KHA 5/17 KHE 5/17 KHE 5/20 KHF 5/20 KHF C08L 9/02 LBG C08L 9/02 LBG LBJ LBJ LBK LBK 23/08 LCB 23/08 LCB LCJ LCJ LCK LCK 23/28 LDA 23/28 LDA 33/06 LJD 33/06 LJD H01B 1/12 H01B 1/12 A 3/44 3/44 B H05B 3/14 H05B 3/14 A
Claims (4)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部と、 ニトリル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴ
ム、EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の
高分子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分
子系内部可塑剤50〜500重量部と、 Sn系、Ba系、Zn系、金属石鹸系の単独系安定剤、
Ba−Zn系、Ba−Zn−Mg系、Ca−Zn系、C
a−Zn−Mg系、Ca−Zn−Sn系の複合系安定剤
のうちから選ばれる、1又は2以上の安定剤2〜15重
量部と、 フェノール系、アミン系、又はエステル系の酸化防止剤
のうちから選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤0.2
〜5重量部と、 アミド系、アクリル樹脂系、パラフィン系の滑剤のうち
から選ばれる、1又は2以上の滑剤1〜5重量部とから
なることを特徴とする軟質塩化ビニル樹脂系組成物。 - 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部と、 ニトリル・ブタジェン・ラバー(NBR)、アクリルゴ
ム、EVA、EEA、塩素化ポリエチレン(CPE)の
高分子系樹脂のうちから選ばれる、1又は2以上の高分
子系内部可塑剤50〜500重量部と、 Pb系の単独系安定剤、Ba−Zn系+Pb金属石鹸系
の複合系安定剤のうちから選ばれる、1又は2以上の安
定剤2〜15重量部と、 フェノール系、アミン系、又はエステル系の酸化防止剤
のうちから選ばれる、1又は2以上の酸化防止剤0.2
〜5重量部と、 アミド系、アクリル樹脂系、パラフィン系の滑剤のうち
から選ばれる、1又は2以上の滑剤1〜5重量部とから
なることを特徴とする軟質塩化ビニル樹脂系組成物。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2記載の組成物に、炭
酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ゼオライト、ク
レー、又はシリカの充填剤のうちから選ばれる、1又は
2以上の充填剤を、200重量部未満添加したことを特
徴とする軟質塩化ビニル樹脂系組成物。 - 【請求項4】 結晶性ポリマ中に導電性付与材を混合し
てなる半導電性組成物内に2本の電極導体を埋設してな
る発熱部に絶縁被覆を施してなるPTC発熱体おいて、
前記請求項1、2又は3記載の軟質塩化ビニル樹脂系組
成物を絶縁被覆としたことを特徴とするPTC発熱体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8145115A JPH09302185A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 軟質塩化ビニル樹脂系組成物及びptc発熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8145115A JPH09302185A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 軟質塩化ビニル樹脂系組成物及びptc発熱体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09302185A true JPH09302185A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15377743
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8145115A Pending JPH09302185A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 軟質塩化ビニル樹脂系組成物及びptc発熱体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09302185A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000191873A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-11 | Servicios Condumex Sa De Cv | ポリ塩化ビニル組成物、その製法及びそれを使用したケ―ブル絶縁方法 |
| CN101942161A (zh) * | 2010-10-12 | 2011-01-12 | 江苏恒峰线缆有限公司 | 一种用丙烯酸酯橡胶改性的软质pvc塑料 |
| JP2012233581A (ja) * | 2011-05-06 | 2012-11-29 | Evonik Degussa Gmbh | 海洋に適用するための温度調節可能な導管 |
| CN103571075A (zh) * | 2012-07-19 | 2014-02-12 | 远东电缆有限公司 | 一种pvc护套橡皮 |
| CN103756168A (zh) * | 2013-12-19 | 2014-04-30 | 安徽特力科技有限公司 | 一种抗冲击耐油阻燃改性氯化聚乙烯电缆护套料 |
| CN109862638A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-06-07 | 广州医科大学 | 一种自控温发热材料及其制备方法 |
| CN115472336A (zh) * | 2022-09-16 | 2022-12-13 | 航天瑞奇电缆有限公司 | 一种耐低温光伏分支电缆及其制备方法 |
-
1996
- 1996-05-15 JP JP8145115A patent/JPH09302185A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000191873A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-11 | Servicios Condumex Sa De Cv | ポリ塩化ビニル組成物、その製法及びそれを使用したケ―ブル絶縁方法 |
| CN101942161A (zh) * | 2010-10-12 | 2011-01-12 | 江苏恒峰线缆有限公司 | 一种用丙烯酸酯橡胶改性的软质pvc塑料 |
| JP2012233581A (ja) * | 2011-05-06 | 2012-11-29 | Evonik Degussa Gmbh | 海洋に適用するための温度調節可能な導管 |
| CN103571075A (zh) * | 2012-07-19 | 2014-02-12 | 远东电缆有限公司 | 一种pvc护套橡皮 |
| CN103756168A (zh) * | 2013-12-19 | 2014-04-30 | 安徽特力科技有限公司 | 一种抗冲击耐油阻燃改性氯化聚乙烯电缆护套料 |
| CN109862638A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-06-07 | 广州医科大学 | 一种自控温发热材料及其制备方法 |
| CN115472336A (zh) * | 2022-09-16 | 2022-12-13 | 航天瑞奇电缆有限公司 | 一种耐低温光伏分支电缆及其制备方法 |
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