JPH09302280A - 耐熱絶縁塗料組成物 - Google Patents

耐熱絶縁塗料組成物

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JPH09302280A
JPH09302280A JP12311996A JP12311996A JPH09302280A JP H09302280 A JPH09302280 A JP H09302280A JP 12311996 A JP12311996 A JP 12311996A JP 12311996 A JP12311996 A JP 12311996A JP H09302280 A JPH09302280 A JP H09302280A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、加熱硬化後の塗膜が密着性、耐熱
性、絶縁性および耐湿性等を同時に満足すると共に、硬
化温度が低くく、容易にかつ安価に製造することがで
き、経済性に優れる耐熱絶縁塗料組成物の提供を目的と
する。 【解決手段】 本発明の耐熱絶縁塗料組成物は、アルコ
キシシランと反応性水酸基を有するオルガノポリシロキ
サンの混合物の部分共加水分解物に、金属アルコキシド
を複合化させ、更に、エポキシ基含有シランカップリン
グ剤を触媒存在下反応させて得られるオルガノポリシロ
キサンを結合剤とし、無機粉体を配合したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱絶縁塗料組成
物に関し、特に、熱膨張性の大きな金属素材等に対して
も密着性が良好であり、しかも、150℃から180℃
の比較的中間温度領域での加熱硬化が可能で、かつ、耐
熱性、電気絶縁性、耐湿性等に優れた塗膜を得ることを
可能とする耐熱絶縁塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属もしくは非金属材料の中に
は、200℃以上の高温度領域で長時間使用されるもの
が増加しており、これらの材料に使用される耐熱性塗料
に対するニーズも多様化してきている。これらのニーズ
に対応するために、オルガノポリシロキサン系塗料もし
くはオルガノポリシロキサンと有機樹脂から構成される
無機−有機複合系塗料及びポリイミド樹脂等の耐熱有機
樹脂系塗料が数多く報告されている。例えば、特開昭6
2−37378号公報及び特開昭62−122133号
公報には、アルキルシリケートを結合剤とするラダー構
造を有するシリコーンポリマー系塗料は、300℃〜5
00℃での焼付けにより塗膜硬度が高くかつ絶縁性等に
も優れた塗膜が得られることが報告されている。
【0003】また、特開昭63−135462号公報に
は、テトラアルコキシシランもしくはオルガノアルコキ
シシランを部分加水分解し重縮合させて得られるゾル体
に無機粉末を分散した無機耐熱塗料が提示され、また、
特公昭58−50658号公報にはポリボロシロキサン
を配合した耐熱塗料も開示されているが、いずれも、耐
水性、耐湿性等に問題があり、特に前者は耐熱性と絶縁
性を同時に満足するものではなく、また、適切な膜厚範
囲が少なく、膜厚制御が困難である。また、特開平4−
153283号公報では、ポリカルボシラン及びポリシ
ラザンとシラザン化合物、無機粉体からなる耐熱性絶縁
塗料組成物が開示され、空気中で250℃以上の高温度
で焼き付けることにより、密着性、耐熱性、絶縁性、耐
湿性等に優れた塗膜が得られることが報告されている。
【0004】しかしながら、これらのオルガノポリシロ
キサン系塗料は、上述のポリイミド樹脂等の耐熱有機樹
脂系塗料やシリコン変性ポリエステル樹脂、シリコン変
性エポキシ樹脂等に代表される無機−有機複合系塗料に
比して、耐熱性、熱黄変性、更に加熱処理後の基材に対
する密着性、絶縁性等において優れるものがあるが、4
00℃以上の酸化雰囲気下での塗膜の密着性、絶縁性及
び耐湿性を同時に満足するものではない。
【0005】また、硬化後の塗膜が耐熱性、絶縁性及び
耐湿性に優れる耐熱塗料であっても、一般にその塗膜特
性を得るためには250℃〜500℃と高温での焼付け
を必要とし、経済性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱硬化後
の塗膜が密着性、耐熱性、絶縁性および耐湿性等を同時
に満足すると共に、硬化温度が低くく、容易にかつ安価
に製造することができ、経済性に優れる耐熱絶縁塗料組
成物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱絶縁塗料組
成物は、一般式(A) Rn Si(OR′)4-n (式中、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、R′はメチ
ル基またはエチル基を表わし、nは0、1、2のいずれ
かである。)で表されるアルコキシシランから選ばれた
1種または2種以上100重量部に対し、反応性水酸基
を有するオルガノポリシロキサン(B)を3重量部〜5
0重量部の割合で共存させた状態での部分共加水分解物
100重量部に対して一般式(C) M(OR)4-n (式中、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、Mはチタ
ン、ジルコニウム、またはアルミニウムから選ばれる金
属を表わし、Mがチタンまたはジルコニウムの時にはn
は0、Mがアルミニウムの時にはnは1である。)で表
される金属アルコキシドから選ばれた1種または2種以
上を3重量部〜20重量部の割合で複合化させ、更に、
上記の部分共加水分解物100重量部に対して、一般式
(D) R″(Rn )Si(OR)3-n (式中、Rはメチル基またはエチル基、R″はエポキシ
基含有有機基を表わし、nは0,1,または2であ
る。)で表されるエポキシ基含有シランカップリング剤
を0.01重量部〜30重量部の割合で触媒存在下反応
させて得られるオルガノポリシロキサン(E)100重
量部に対して、無機粉体を30重量部〜500重量部の
割合で配合したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱絶縁塗料組成物にお
ける結合剤について説明する。まず、上記の一般式
(A)で示されるアルコキシシランとオルガノポリシロ
キサン(B)の混合物の部分共加水分解物(以下、オル
ガノポリシロキサン(a)という)は、耐熱性に優れる
シロキサン結合(Si−O−Si)を含み、また、未反
応のアルコキシ基と反応性水酸基(シラノール基;Si
−OH)をその分子構造中に有するため、脱アルコール
反応等により硬化し、本発明の耐熱絶縁塗料組成物によ
る主な性能である耐熱性、絶縁性、耐湿性を担うもので
ある。
【0009】一般式(A)におけるRは炭素数が1〜4
のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。また、
R′はメチル基またはエチル基を表わす。一般式(A)
で示されるアルコキシシランの具体例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロ
ピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシ
ラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピル
トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン等が挙げられるが、好ましくは
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランであ
る。これらのアルコキシシランを1種単独または2種以
上を混合して使用する。
【0010】また、一般式(A)で示されるアルコキシ
シランとしては、それを構成する全Si濃度中、30モ
ル%以上がジメチルジメトキシシランまたはジメチルジ
エトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン(式
中、n=2)である場合が好ましい。
【0011】また、反応性水酸基を有するオルガノポリ
シロキサン(B)としては、その側鎖基がメチル基もし
くはフェニル基で、反応性水酸基を分子構造中に有する
ラダーシリコーンまたはストレートシリコーンであり、
その水酸基価が30mgKOH/g〜500mgKOH
/g、好ましくは40mgKOH/g〜400mgKO
H/g、特に好ましくは60mgKOH/g〜300m
gKOH/gの範囲であり、また、ポリスチレン換算重
量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000、好
ましくは2,000〜30,000、特に好ましくは
3,000〜15,000の範囲であるものを選択する
とよい。
【0012】水酸基価が30より小さいと得られる塗膜
の密着性、硬化速度が低下し、また、500を越えると
組成物の保存安定性が悪く、得られる塗膜も焼付け後に
クラックが発生しやすくなる傾向がある。また、分子量
が1000より小さいと得られる塗膜の密着性、耐湿性
が低下し、焼付け後にクラックが発生しやすくなり、5
0,000を越えるとアルコキシシランとの相溶性が低
下し、得られる塗膜の密着性、硬化速度が低下する。
【0013】一般に市販され、容易に入手可能なものと
しては、例えば信越化学工業(株)製のKR−220
L、KR−240、KR−242A、KR−311、K
R−2610B等を挙げることができる。これらの中か
ら1種単独または2種以上を混合して使用する。
【0014】部分共加水分解・重縮合反応は、一般式
(A)で示されるアルコキシシランとオルガノポリシロ
キサン(B)とを混合し、酸性側に調整された水を添加
することにより行なうことができ、オルガノシロキサン
オリゴマーまたはオルガノシロキサンポリマーを生成す
る。この際、水の量はアルコキシシラン1モルに対し
0.5モル〜1.5モル添加するとよい。また、一般式
(A)で示されるアルコキシシランとオルガノポリシロ
キサン(B)との混合比は、一般式(A)で示されるア
ルコキシシラン100重量部に対して3重量部〜50重
量部、好ましくは5重量部〜40重量部、特に好ましく
は8重量部〜30重量部であり、3重量部より少ないと
密着性、耐湿性が低下し、50重量部を越えるとアルコ
キシシランとの相溶性が低下し、焼き付け後にクラック
が発生しやすくなる。
【0015】しかし、このように調製されたオルガノポ
リシロキサン成分のみを結合剤としても、中温度領域
(150 ℃〜180℃)での硬化速度が遅く、所定の
塗膜性能を得るのに長時間の加熱を必要とする。
【0016】そのため、本発明の耐熱絶縁塗料組成物に
おいては、中温度領域での加熱での硬化速度を早めるこ
とを目的として、上記で得られたオルガノポリシロキサ
ン(a)に、上記の一般式(C)で示される金属アルコ
キシドを複合させ、塗膜を1次架橋させる。その場合、
オルガノポリシロキサン(a)100重量部に対して3
重量部〜20重量部、好ましくは5重量部〜15重量
部、特に好ましくは7重量部〜10重量部であり、3重
量部より少ないと硬化速度が遅く、20重量部より多い
と組成物の保存安定性が悪くゲル化を生じ、また、得ら
れた組成物を使用してコーティングしても塗膜の密着性
が悪い。
【0017】一般式(C)で示される金属アルコキシド
として、Ti(OR)4 、Zr(OR)4 、Al(O
R)3 等が挙げられ、式中、Rは炭素数が1〜4のアル
キル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等
が挙げられる。これらの金属アルコキシドの具体例とし
ては、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ
イソプロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシ
ド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテト
ライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキ
シド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリ
エトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アル
ミニウムトリ−n−ブトキシドである。これらの金属ア
ルコキシドを1種単独または2種以上を混合して使用す
る。
【0018】このようにして得られる部分共加水分解・
重縮合物(以下、オルガノポリシロキサン(b)とい
う)を結合剤として得られる塗膜は、中温度領域で1次
架橋するため、初期の密着性、絶縁性、耐熱性に優れる
ものとなる。
【0019】しかしながら、オルガノポリシロキサン
(a)に一般式(C)で示される金属アルコキシドを複
合したオルガノポリシロキサン(b)だけでは、それぞ
れの水酸基、もしくは水酸基とアルコキシ基が反応する
比率は低く、特に、中温度領域程度の加熱ではその反応
はあまり期待できない。つまり、これら未反応の水酸基
やアルコキシ基が残存するため、250℃以上の高温に
さらされると更に塗膜が硬化収縮する傾向があり、その
後の空冷・水冷スポールテストでは塗膜の密着性が低下
すること、および、水酸基やアルコキシ基が残存すると
耐水性や耐湿性にも問題があることが判明した。
【0020】そこで、本発明者等は、150℃〜180
℃の中温度領域での加熱で水酸基同士もしくは水酸基と
アルコキシ基とを積極的に反応させる、すなわち、一般
式(A)で示されるアルコキシシランの水酸基もしくは
アルコキシ基とオルガノポリシロキサン(B)中の活性
の高い水酸基とをワニス中または硬化時に結合させるこ
とにより、塗膜の密着性、耐湿性を向上させることがで
きないか検討した。
【0021】その結果、上記の金属アルコキシドを使用
して1次架橋化させた後、該架橋化物と一般式(D)で
示されるエポキシ基含有シランカップリング剤とを、触
媒存在下で反応させることによりこの問題を解決できる
ことを見出した。
【0022】一般式(D)で表されるエポキシ基含有シ
ランカップリング剤としては、式中、Rがメチル基、エ
チル基であるもの、また、R″はエポキシ基を含有する
有機基であり、例えばグリシドキシメチル基、β−グリ
シドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,
4−エポキシシクロヘキシル基等であるものが挙げられ
る。具体例としては、グリシドキシメチルトリメトキシ
シラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、β−
グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシド
キシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル(メチ
ル)ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル(ジ
メチル)メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
(エチル)ジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルトリメトキシシラン等を例示できる。
【0023】エポキシ基含有シランカップリング剤の配
合量としては、オルガノポリシロキサン(b)100重
量部に対して、0.01重量部〜30重量部、特に好ま
しくは0.1重量部〜20重量部が好ましい。30重量
部を越えると結合剤の硬化反応が鈍くなり、耐湿性、密
着性等の塗膜特性が低下する。
【0024】触媒は、エポキシ基含有シランカップリン
グ剤におけるエポキシ基と、部分共加水分解・重縮合物
における水酸基もしくはアルコキシ基との結合反応を促
進させる作用を有するものであり、窒素原子を異種原子
として含有する異節環状アミン類や金属アセチルアセテ
ート化合物等が適している。
【0025】好適な触媒の例としては、異節環状アミン
類としては、ピペラジン、イミダゾール類が挙げられ、
金属アセチルアセテート化合物としては、アルミニウム
アセチルアセテート、クロムアセチルアセテート、チタ
ニルアセチルアセテート、ニッケルアセチルアセテート
等を挙げることができる。
【0026】触媒の量としては、エポキシ基含有シラン
カップリング剤(D)100重量部に対し0.01重量
部〜10重量部、特に好ましくは1重量部〜5重量部で
ある。この範囲を越えると相溶性が低下したり、密着性
等の塗膜特性が低下する。
【0027】以下、本発明の耐熱絶縁塗料組成物中の結
合剤であるオルガノポリシロキサン(E)の調製方法に
ついて説明する。
【0028】還流冷却器と攪拌器が備わった反応容器
に、アルコキシシラン(A)/オルガノポリシロキサン
(B)を所定の組成比で混合した後に、1種単独又は2
種以上の溶剤を用いて任意の濃度に調整した均一溶液と
する。次に、室温下にて攪拌しながら塩酸でpH2に調
整された蒸留水を滴下して部分共加水分解すると同時に
重縮合反応を行ない、オルガノポリシロキサン(a)を
得た。更に、Ti、Zr、Al等の金属アルコキシドを
1種単独又は2種以上添加し、室温下で反応させ、オル
ガノポリシロキサン(b)を得た後、必要に応じて溶剤
を添加すると共にエポキシ基含有シランカップリング剤
を添加し、更に触媒を添加して反応させることにより、
オルガノポリシロキサン(E)を調製した。
【0029】但し、これら結合剤の部分共加水分解反応
等は、通常室温下で行なわれるが、合成時間の短縮や溶
媒置換、及びオルガノポリシロキサンの縮合度を高めて
高粘度化することが必要な場合には、130℃を上限と
して加熱してもよい。
【0030】次に、本発明の耐熱絶縁塗料組成物におけ
る無機粉体について説明する。無機粉体は、得られる塗
膜の密着性、厚膜化、絶縁性、耐熱性などの諸特性を向
上させるために使用するものであり、本発明の耐熱絶縁
塗料組成物における必須成分である。無機粉体として
は、例えば粒子状、燐片状及びファイバー状の金属酸化
物、炭化物、窒化物等が挙げられ、粒子状のものは主に
絶縁性、耐熱性、密着性等の諸特性改善を目的として、
また、燐片状、ファイバー状のものは主に厚膜化、耐ク
ラック性の向上を目的としてそれぞれ使用される。具体
例としては、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭化珪素、
窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム、ジルコン、ス
ピネル、ムライト、ペロブスカイト化合物、サイアロ
ン、クレー、タルク、マイカ、ベントナイト、アルミナ
ファイバー、ジルコニアファイバー等が挙げられ、これ
らの1種単独または2種以上を選択して使用される。な
お、使用に際して、結合剤との濡れ性等を改善すること
を目的として、必要に応じて公知の各種シランカップリ
ング剤等により表面改質したものを使用してもよい。無
機粉体の平均中心粒径は、特に限定されないが、0.0
1μm〜100μm、好ましくは0.1μm〜50μ
m、さらに好ましくは1μm〜20μmであり、純度が
90%以上のものが好ましい。
【0031】また、本発明の耐熱絶縁塗料組成物におけ
る無機粉体の含有率は、結合剤であるオルガノポリシロ
キサン(E)100重量部に対し、30重量部〜500
重量部、好ましくは50重量部〜300重量部、更に好
ましくは80重量部〜200重量部である。無機粉体の
含有率が30重量部より低いと、得られる塗膜の造膜性
が低く、ピンホールが発生し、これにより絶縁性の低下
を招来する。500重量部より高いと膜厚の制御が難し
く、均一な塗膜が得られにくいため密着性、耐湿性が低
下する。
【0032】また、本発明の耐熱絶縁塗料組成物には、
無機粉体の均一分散、更にゲル化防止対策、および塗布
(塗装)性の改善を目的として、アルコール等の溶剤を
添加することができる。好適な溶剤としては、アルコー
ル、ケトン、エステル、セロソルブ、環状エーテルなど
が挙げられる。アルコールではメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノールなどの低級アルコール、ケトンで
はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、エステルでは酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソル
ブではメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、環状エーテルではテトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン等で、単独もしくは混合して用いること
ができる。また、これらの溶剤の中には、オルガノアル
コキシシラン等の部分共加水分解反応や重縮合反応で遊
離するアルコールも含まれる。
【0033】これらの溶剤の使用量としては、耐熱絶縁
塗料組成物における固型分濃度が30重量%〜80重量
%となるように調整される。
【0034】さらに、本発明の耐熱絶縁塗料組成物に
は、塗膜適性に影響を与えない範囲で分散剤、消泡剤、
レベリング剤、増粘剤等の塗料添加物を添加することが
できる。
【0035】本発明の耐熱絶縁塗料組成物は、結合剤中
に無機粉体等をサンドミル、ボールミル等の公知の分散
方法で分散させて調製される。
【0036】また、本発明の耐熱絶縁塗料組成物は、サ
ンドブラスト等の公知の方法で表面処理された金属基材
表面に、スプレーコート、ディップコート、及びスピン
コート等の方法で塗布した後、150℃〜180℃の中
温度領域で20分〜40分焼付けを行なうことで、密着
性、耐熱性、絶縁性、耐湿性に優れた塗膜が得られる。
焼付け後、得られる塗膜の膜厚は10μm〜150μ
m、好ましくは30μm〜120μm、更に好ましくは
40μm〜100μmである。焼付け後の塗膜が10μ
mより薄いと密着性、耐熱性は優れるものの、ピンホー
ルが発生しやすく絶縁性が低下するし、また、150μ
mを越えると塗膜歪みが大きくなり密着性や耐熱性が低
下するため、焼付け後、または高温加熱後の空冷・水冷
スポールテスト時に塗膜が一部剥離するといった問題が
ある。
【0037】以下、実施例により、本発明を詳細に説明
する。
【0038】
【実施例】本実施例では、下記の表1〜表5に示すよう
な配合にて、耐熱絶縁塗料組成物を調製した。尚、表中
の数字は全て重量部で示す。また、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0039】得られた塗料は、全て、3ケ月以上変化が
なく、安定なものであった。また、得られた塗料を、表
面処理を施した大きさ70mm×70mm×2mmのス
テンレス板SUS304にディップコートにより乾燥後
膜厚が70μmとなるように塗布し、空気中にて180
℃で30分間焼付け、標準試験板とした。
【0040】標準試験板について、下記の塗膜評価試験
を実施した。
【0041】(1)初期絶縁性 標準試験板に銀ペーストを塗布し、450℃で15分間
焼付け、評価サンプル(以下、評価サンプルAという)
を作製し、JIS−C−1303に準じて直流500V
にて測定した。
【0042】(2)耐熱後の絶縁性 評価サンプルAを空気中450℃の環境下で1時間加熱
し、評価サンプル(以下、評価サンプルBという)を作
製し、評価試験(1)と同様に測定した。
【0043】(3)高温高湿後の絶縁性(a) 評価サンプルAを60℃×95%RHの環境下に10日
間保持し、取り出し、24時間室温下にて放置した後、
評価試験(1)と同様に測定した。
【0044】(4)高温高湿後の絶縁性(b) 評価サンプルBを60℃×95%RHの環境下に10日
間保持し、取り出し、24時間室温下にて放置した後、
評価試験(1)と同様に測定した。
【0045】(5)耐水性 標準試験板を、水道水中に30日間浸漬後の塗膜のクラ
ック、剥離の有無を評価した。
【0046】(6)耐熱性(a) 標準試験板を空気中450℃の環境下で1時間加熱した
後、直ちに空冷により室温下まで冷却した時の塗膜密着
性及びクラックの有無を評価した。
【0047】(7)耐熱性(b) 標準試験板を空気中450℃の環境下で1時間加熱した
後、直ちに水中に投下した時の塗膜密着性及びクラック
の有無を評価した。
【0048】以下、その評価結果を、下記表に示す。な
お、下記表中、1)は、信越化学工業(株)製、固型分濃
度100%、2)は、信越化学工業(株)製、固型分濃度
50%、3)は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、4)は、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、5)は、エポキシ基含有
シランカップリング剤(D)に対し○印の触媒を5重量
部添加、6)は、単位はΩ・cm。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】テトラアルコキシシランおよびオルガノ
アルコキシシランとオルガノポリシロキサンの共加水分
解物に、反応性の高いTi等の金属アルコキシドを複合
しただけのものは、中温度領域での短時間加熱硬化で
は、その塗膜中に未反応の水酸基やアルコキシ基が残存
するため、耐熱テスト後の密着性や絶縁性が低下してし
まう。そこで、エポキシ基含有シランカップリング剤を
触媒の存在下添加することによって、ワニス中、もしく
は硬化時にエポキシ基が開環し、それまで未反応で残存
していた水酸基やアルコキシ基と反応するものと推察さ
れ、ポリマー間の架橋結合を含む高度な3次元網目構造
を形成していくものと思われる。そのため、本発明の耐
熱絶縁塗料組成物は、150℃〜180℃の中温度領域
での加熱のみで硬化が可能となり、また、得られる塗膜
は、耐熱性、密着性、絶縁性に優れ、特に耐熱テスト後
や耐湿テスト後の絶縁性に優れるものである。また、特
に耐熱性、耐湿性が要求される電気・電子部品の耐熱絶
縁コート等に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A) Rn Si(OR′)4-n (式中、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、R′はメチ
    ル基またはエチル基を表わし、nは0、1、2のいずれ
    かである。)で表されるアルコキシシランから選ばれた
    1種または2種以上100重量部に対し、反応性水酸基
    を有するオルガノポリシロキサン(B)を3重量部〜5
    0重量部の割合で共存させた状態での部分共加水分解物
    100重量部に対して一般式(C) M(OR)4-n (式中、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、Mはチタ
    ン、ジルコニウム、またはアルミニウムから選ばれる金
    属を表わし、Mがチタンまたはジルコニウムの時にはn
    は0、Mがアルミニウムの時にはnは1である。)で表
    される金属アルコキシドから選ばれた1種または2種以
    上を3重量部〜20重量部の割合で複合化させ、更に、
    上記の部分共加水分解物100重量部に対して、一般式
    (D) R″(Rn )Si(OR)3-n (式中、Rはメチル基またはエチル基、R″はエポキシ
    基含有有機基を表わし、nは0,1,または2であ
    る。)で表されるエポキシ基含有シランカップリング剤
    を0.01重量部〜30重量部の割合で触媒存在下反応
    させて得られるオルガノポリシロキサン(E)100重
    量部に対して、無機粉体を30重量部〜500重量部の
    割合で配合したことを特徴とする耐熱絶縁塗料組成物。
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